ポイント
- 超高速現象の変化に合わせて、最初は撮影間隔を細かく、その後は徐々に広げる新しい撮影法「対数的高速度撮影法」を開発しました。
- 11コマで、フェムト秒からピコ秒を経てナノ秒に至る、約5桁にわたる時間スケールを、1回の撮影でつなぐことに成功しました。
- この技術により、レーザー照射直後の変化から、後に生じる衝撃波や物質の飛散までを一続きに撮影することに成功しました。今後、再現の難しい高速現象の解明への応用が期待されます。
東京大学 大学院工学系研究科の島田 啓太郎 特任研究員(研究当時)、中川 桂一 准教授らの研究チームは、高速な現象の発展に合わせて撮影間隔を変える新しい高速度撮影法「対数的高速度撮影法」を開発しました。
従来の高速度撮影では、撮影間隔を短くすると細かな変化を捉えられる一方、長い時間にわたる変化を記録することが難しくなります。本研究では、現象の始まりでは撮影間隔を細かく、その後は徐々に広げて撮影する光学技術「BRIDGE」を開発し、100フェムト秒のオーダーからピコ秒領域を経て10ナノ秒まで、約5桁にわたる時間スケールの変化を1回の撮影でつなぎました。
この撮影法を用いて、レーザー照射によって固体表面が瞬間的に除去されるレーザーアブレーションや、水中におけるプラズマと衝撃波の形成過程を11コマで撮影し、初期からの一連の変化として可視化しました。本手法は材料・ものづくり、生命科学・医療、エネルギーなどに関わる高速現象を理解し、その挙動を制御するための計測技術として、幅広い活用が期待されます。
本研究成果は、2026年9月25日(現地時間)付で、科学誌「Optica」に掲載されました。
<本研究を支援したJSTの制度>
戦略的創造研究推進事業 ACT-X
<論文タイトル>
- “Logarithmic ultrafast photography with band-resolved individual delay generation”
- DOI:10.1364/OPTICA.610944
<プレスリリース資料>
- 本文 PDF(472KB)
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