京都大学,九州大学,科学技術振興機構(JST)

2026(令和8)年8月24日

京都大学
九州大学
科学技術振興機構(JST)

生物に倣うスクラップ&ビルドの超分子建築

~進行波による人工ソフト材料の空間制御~

京都大学 大学院工学研究科 浜地 格 教授(研究当時、現:同大学 エネルギー理工学研究所 特任教授)、同 窪田 亮 講師(研究当時、現:九州大学 大学院工学研究院 教授)、同 生田 優力 修士課程学生(研究当時)同 鳥越 祥吾 博士課程学生(研究当時)らの研究グループは、生物の細胞が自ら組織や器官を作り出す形態形成の仕組みに倣い、人工分子が「スクラップ&ビルド(分解と再構築)」を繰り返しながら、自律的に複数種類のマクロ(ミリ~センチメートル)スケールの複雑な空間構造を組み上げる超分子建築の新手法を開発しました。

従来の分子自己組織化は、熱力学的に、安定な均一で静的な構造を作るのが限界でした。本研究では、ペプチドファイバーからなるヒドロゲル内に界面活性剤を拡散させることで、濃度勾配に応じた非平衡な分解・再構築サイクルを誘発しました。このサイクルが「進行波」としてゲル内を繰り返し伝播(でんぱ)することで、性質の異なる複数種のファイバーが年輪状に分化配置された、マクロな空間パターンを自律的に制御構築することに成功しました。本成果は、複雑で高度な機能を持つ次世代ソフトマテリアル創製に向けた新たな設計指針となることが期待されます。

本研究成果は、2026年8月24日(英国夏時間)付で英国の国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。

本研究は、以下の支援を受けて実施しました。

科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 ERATO

浜地ニューロ分子技術プロジェクト
JPMJER1802

科学技術振興機構(JST) 創発的研究支援事業

離合集散を繰り返す超分子ヒドロゲル材料
JPMJFR2328

日本学術振興会(JSPS) 科学研究費助成事業 特別推進研究

生体分子夾雑の有機化学の開拓
JP23H05405

日本学術振興会(JSPS) 科学研究費助成事業 基盤研究(B)

階層的自己組織化を鍵とする生き物のような超分子マテリアル創発
JP22H02195

日本学術振興会(JSPS) 科学研究費助成事業 基盤研究(B)

アニオン超分子ワールド:細胞質に学ぶ多成分系自己組織化と協働機能の学理
JP26K01632

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Supramolecular Morphological Transition Driven by Nonequilibrium Break-and-Build Self-Organisation”
DOI:10.1038/s41467-026-76336-3

<お問い合わせ>

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