東京大学,理化学研究所,科学技術振興機構(JST)

2026(令和8)年8月20日

東京大学
理化学研究所
科学技術振興機構(JST)

フェムト秒軟X線ハイパースペクトル顕微鏡を実現

~1ショットで空間・エネルギー情報を同時取得~

ポイント

東京大学 物性研究所の竹尾 陽子 助教、木村 隆志 准教授、東京大学 先端科学技術研究センターの江川 悟 助教、理化学研究所 放射光科学研究センターの矢橋 牧名 グループディレクターらによる研究グループは、X線自由電子レーザー(XFEL)の単一パルスを用いて、試料の各位置を透過した軟X線のスペクトルを同時に取得するフェムト秒軟X線ハイパースペクトル顕微鏡を開発、実現に成功しました。

本研究では、色収差のないWolterミラーで拡大した像を、417個の微小分光素子を集積したマルチ開口回折格子で多数の空間チャンネルに分け、2次元検出器上で一括分光しました。これにより、本来トレードオフの関係にある空間分解とエネルギー分解を兼ね備えた像を1ショットで得られるようになります。

本技術の検証として行った兵庫県 播磨科学公園都市のX線自由電子レーザー施設SACLAの軟X線ビームラインBL1での実験では、XFELビーム自体の空間的・ショットごとのスペクトル変動を可視化するとともに、単一パルスを用いた窒化ケイ素膜の分光イメージングの実証に成功しました。今後、高速かつ不均一に変化する材料・デバイス・生体試料の化学状態イメージングや、XFELパルスのビーム診断などの、分析基盤としての展開を目指しています。

本研究成果は、2026年8月20日(現地時間)発行の米国科学誌「Optica」に掲載されました。

本研究は、JSPS 科研費(課題番号:JP20H04451、JP21K20394、JP23H03655、JP23KF0019、JP25KJ1045、JP25K17963)、JST 創発的研究支援事業(課題番号:JPMJFR2469)、JST 次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)(課題番号:JPMJSP2108)、SACLA利用課題(課題番号:2020A8114、2021A8030、2021B8042、2022B8028、2022B8030、2024A8065)、精密測定技術振興財団、および東京大学 卓越研究員制度の支援を受けて実施されました。 本研究の一部は、文部科学省「マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)」事業(課題番号:JPMXP1223UT1093、JPMXP1224UT1025、JPMXP1225UT1159)の支援を受けました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Femtosecond hyperspectral imaging with single-shot X-ray pulse”
DOI:10.1364/OPTICA.599397

<お問い合わせ>

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