琉球大学,近畿大学,順天堂大学,横浜市立大学,東北大学,理化学研究所,産業技術総合研究所,科学技術振興機構(JST)

2026(令和8)年8月3日

琉球大学
近畿大学
順天堂大学
横浜市立大学
東北大学
理化学研究所
産業技術総合研究所
科学技術振興機構(JST)

がん細胞が酸化ストレスから身を守り生存する仕組みを発見

~防御を断ち細胞死を促進する新たながん治療標的として期待~

ポイント

琉球大学 大学院医学研究科 藤川 由美子 助教、近畿大学 薬学部 山下 暁朗 教授、順天堂大学 大学院医学研究科 大野 茂男 特任教授らの横浜市立大学 大学院医学研究科在籍時に組織した研究グループおよび理化学研究所 環境資源科学研究センター 吉田 稔 ユニットリーダーらの研究グループは、細胞内の活性酸素を取り除く新たな仕組みに関わる2つの酵素を明らかにしました。

細胞のストレスに応答するリン酸化酵素として知られるSMG1およびDNA-PKが、酸化ストレスから細胞を守る転写因子として知られるNRF2を直接リン酸化し、細胞内の活性酸素を取り除くことを突き止めました(SMG1/DNA-PK―NRF2経路)。さらに、SMG1またはDNA-PKを阻害すると、がん細胞における細胞内の活性酸素が過剰に蓄積し、主にフェロトーシスを介して、がん細胞の生存率が選択的に低下することが分かりました。これらの結果は、細胞が酸化ストレスから身を守る新たな仕組みの発見であると同時に、SMG1またはDNA-PKをターゲットとするがん治療の応用が期待されるものです。

本研究の成果は、シュプリンガーネイチャー社が発行する医学・生物学分野の学術雑誌「Signal Transduction and Targeted Therapy(STTT)」オンライン版に2026年8月3日(英国時間)に掲載されました。

本研究は、科学技術振興機構 ムーンショット型研究開発事業 目標2「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」(JPMJMS2022)、日本医療研究開発機構 次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム(P-DIRECT)(15cm0106047h0005、 15cm0106004h0005、15cm0106005h0005)、創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)(JP24ama121008)、日本学術振興会 科学研究費補助金(JP15H04331、JP17H05671、JP17K19665、JP19K22601、JP20H03438、JP21K19413、JP24K02229、JP20K07595、JP26K10111、JP21K15015、JP24K18056、JP17H05596、JP20H04839)、第一三共株式会社TaNeDSおよび武田科学振興財団などによる支援を受けて実施しました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Two stress-responsive kinases suppress ferroptosis by activating antioxidant programs under mild oxidative stress”
DOI:10.1038/s41392-026-02892-1

<お問い合わせ>

前に戻る