京都大学,科学技術振興機構(JST)

2026(令和8)年7月27日

京都大学
科学技術振興機構(JST)

どんな習慣ができるかを決める2つの神経回路を発見

~強迫症などの理解へ前進~

運動や掃除など、「やったほうがいいとは分かっているけれど面倒なこと」を続ける方法として、その行動を習慣にすること(習慣化)が注目されています。習慣化には「同じ行動を何度も繰り返すこと」が大切ですが、意外にも、「繰り返した行動がそのまま同じ形で習慣になる」のかどうかは分かっていませんでした。

京都大学 大学院医学研究科 淺岡 希美 助教、Adachi Pagano Diane 博士課程学生、林 康紀 教授らの研究グループは、マウスに対して私たちヒトのような習慣行動を引き起こすことに成功し、そのとき何が起きているかを調べました。その結果、「行動が習慣になるかどうか」と、「習慣になった後どれくらい行動するか(頻度や量)」は、脳内の別々の神経回路によって決定されていることが分かりました。実際、「頻度や量」を決める神経回路の働きが弱いマウスは、行動を習慣化することはできても、習慣化した行動の頻度や量に関しては元の行動より少なくなってしまいました。

この結果は、「行動を繰り返せば、その行動はそのまま習慣となる」といったこれまでの考え方よりも、複雑なメカニズムで習慣が作られていることを示しています。この発見は、「頻度や量」を決める神経回路を選んで働きを変化させることで、強迫症などでみられる病的な習慣行動がどのように生まれるかを理解し、その制御法の開発につながる可能性があります。

本研究成果は、2026年7月27日(ロンドン時間)付で国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。

本研究は、文部科学省 科学研究費補助金(JP22K15291、JP25K02556、JP18H05434、JP22H04981、JP22K21353)、AMED 脳神経科学統合プログラム(JP24wm0625507)、JST 戦略的創造研究推進事業 CREST(JPMJCR20E4)、HFSP Research Grant(RGP0022/2013)、上原記念生命科学財団、小林財団、武田科学振興財団、アステラス病態代謝研究会、内藤記念科学振興財団、光科学技術研究振興財団、ノバルティス科学振興財団の支援を受けて実施されました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Dissociable roles of prefrontal plasticity in decision making strategy and execution of habitual behavior”
DOI:10.1038/s41467-026-75706-1

<お問い合わせ>

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