ポイント
- 国際的な研究チームによって、第一原理計算を自動化するソフトウェア「auto-kappa」を開発し、6,800種類以上の無機結晶材料の熱伝導率やフォノン物性の大規模データベース「Phonix」を構築しました。
- 構築したデータベースを用いてグラフニューラルネットワークによる機械学習モデルを開発し、学習させるデータ量の増加に伴って予測精度が指数関数的に向上する「スケーリング則」が成り立つことを見いだしました。
- このデータベースとAIモデルにより、極めて高い、あるいは極めて低い熱伝導率を持つ新規材料候補を効率的に探索できることを実証しました。このようなAI for Scienceを応用することで、次世代電子デバイスの放熱材料や熱電材料などの開発がさらに加速すると期待されます。
東京大学 大学院工学系研究科の塩見 淳一郎 教授、統計数理研究所の大西 正人 特任准教授(兼:東京大学 大学院工学系研究科 客員研究員)、同研究所の吉田 亮 教授、物質・材料研究機構の只野 央将 グループリーダー、東京大学 大学院情報理工学系研究科(兼:同大学 情報基盤センター)の鈴村 豊太郎 教授、同大学 情報基盤センターの華井 雅俊 特任助教、ノートルダム大学のLUO Tengfei 教授、ナンヤン理工大学のHIPPALGAONKAR Kedar 准教授、カーネギーメロン大学のMCGAUGHEY Alan 教授、オークリッジ国立研究所のLINDSAY Lucas 上級研究員、パデュ―大学のRUAN Xiulin 教授、南カロライナ大学のHU Ming 教授、コーネル大学のTIAN Zhiting 教授らの世界各国の研究者からなる国際共同研究グループは、結晶材料の熱伝導を決定するフォノンの非調和相互作用を第一原理計算によって解析する自動計算システムを開発し、6,800種類以上の無機材料の格子熱伝導やフォノン物性を収録した大規模データベース「Phonix」を構築しました。
なお、本成果は2026年4月13日(現地時間)に「npj Computational Materials」に掲載されました。
本研究の一部は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 CREST「QR-Loop巨大連続的空間探索による不秩序熱機能材料の革新(JPMJCR21O2)」、「空間的・時間的に局在化したナノ熱の学理と応用展開(JPMJCR19I2)」の支援を受けて行われました。
<プレスリリース資料>
- 本文 PDF(572KB)
<論文タイトル>
- “Database and deep-learning scalability of anharmonic phonon properties by automated brute-force first-principles calculations”
- DOI:10.1038/s41524-026-02033-w
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