東京大学,科学技術振興機構(JST)

2026(令和8)年2月16日

東京大学
科学技術振興機構(JST)

インスリン抵抗性はがんのリスク因子である

~インスリン抵抗性を予測する機械学習モデルの開発と応用~

ポイント

東京大学 大学院医学系研究科の平池 勇雄 特任講師と台中退役軍人総合病院(台湾)のChia-Lin Lee(チャーリン・リー) 准教授らの国際共同研究グループは、9つの簡便な臨床パラメーターからインスリン抵抗性を予測する機械学習モデルであるAI-IR(artificial intelligence–derived insulin resistance)を開発しました。

研究グループは英国において約50万人の健康情報を網羅的に収集し追跡調査するUKバイオバンクのデータを活用し、AI-IRで予測したインスリン抵抗性が糖尿病や心血管病のみならず12種類のがんの発症のリスク因子であることを示しました。AI-IRの計算に必要な9つのパラメーターは一般的な健康診断で網羅される簡便なものであり、糖尿病や心血管病、がんの発症リスクの評価と重点的にスクリーニングすべき高リスク群の絞り込みといった付加価値を速やかに提供できます。またAI-IRの活用によって、インスリン抵抗性が生じる機序の解明に向けた研究の発展が期待されます。

本研究成果は、英国時間2026年2月16日に「Nature Communications」誌に掲載されました。

本研究は、科学技術振興機構(JST) 創発的研究支援事業「褐色脂肪細胞の抗炎症作用を活かしたインスリン抵抗性の克服」(課題番号:JPMJFR245I)、日本医療研究開発機構(AMED) 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業「褐色脂肪細胞の鍵因子NFIAの文脈特異的な転写制御機構から精密医療への展開」(課題番号:24ek0210204h0001)、日本学術振興会(JSPS) 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)「機械学習で予測したインスリン抵抗性の基礎的・臨床的研究から社会実装への挑戦」(課題番号:JP25K22704)、同 国際共同研究加速基金「医療と健康の個別化と標準化:人工知能の開発と臨床応用」(課題番号:JP21KK0293)、東京大学 卓越研究員制度「生活習慣病の発症における「遺伝因子と環境因子の相互作用」の理解を目指したメカニズム解析と統計解析の統合的アプローチ」、三菱財団、武田科学振興財団、ロッテ財団、千里ライフサイエンス振興財団、稲盛財団、MSD生命科学財団、日本応用酵素協会、車両競技公益資金記念財団、パブリックヘルスリサーチセンター、三島海雲記念財団、ひと・健康・未来研究財団、花王健康科学研究会、タニタ健康体重基金、日本生化学会などの支援により実施されました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Machine learning-predicted insulin resistance is a risk factor for 12 types of cancer”
DOI:10.1038/s41467-026-68355-x

<お問い合わせ>

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