東京科学大学,科学技術振興機構(JST)

2026(令和8)年1月7日

東京科学大学
科学技術振興機構(JST)

強誘電トンネル接合メモリーのTER比は微細化により向上

~次世代不揮発メモリーの高性能化に貢献~

ポイント

東京科学大学(Science Tokyo) 総合研究院 フロンティア材料研究所の真島 豊 教授の研究グループは、物質理工学院 材料系 舟窪 浩 教授、フロンティア材料研究所の伊澤 誠一郎 准教授らと共に、次世代の不揮発性メモリーとして期待される強誘電トンネル接合(FTJ)のトンネル電気抵抗効果(TER)比の面積依存性に注目し、最小で1辺25ナノメートルのナノクロスバー型強誘電トンネル接合を作製する手法を確立。素子面積が小さくなるほどTER比が向上する面積依存性を見いだしました。

近年、IoTやエッジAIの進展に伴い、超低消費電力かつ高集積な不揮発性メモリーが求められています。従来のフラッシュメモリーは微細化限界や書込み電圧の増大などの課題を抱えており、これに代わる次世代メモリーとして、非破壊読み出しと低消費電力動作が可能な、数ナノメートル厚の強誘電体の分極反転を利用するFTJが注目されています。しかし、TER比の面積依存性は明らかとなっていませんでした。

本研究では、白金と酸化チタン電極間にイットリア(酸化イットリウム、Y2O3)を7パーセント添加したハフニウム酸化物(YHO7)をサンドイッチしたナノクロスバー型FTJを、電子線リソグラフィ(EBL)を用いて熱酸化シリコン(Si)基板上に作製し、メモリー特性の温度依存性と面積依存性を検討しました。その結果、低抵抗状態(LRS)と高抵抗状態(HRS)のそれぞれにおいてトンネル電流が流れ、TER比は素子面積が小さくなるほど大きくなり、最大で2,000の値を得ました。

今回得られたナノクロスバー型FTJにおいて「微細化するほどTER比が大きい」という知見は、超高集積・超低電力・セレクタレス・3D積層という、次世代メモリー産業の中核要件を同時に満たすため、今後の産業応用展開が期待されます。

今回の成果は、ナノテクノロジー分野の学術誌の1つである「Nanoscale」のオンライン版に2026年1月2日(現地時間)に掲載されました。

本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 CREST「光配向単分子架橋共鳴トンネルトランジスタのシステム機能化」(JPMJCR22B4)、文部科学省 データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト(JPMXP1122683430)の支援を受けて行われました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“High-Resistance-State Tunneling in 25 nm TiOx/Y-Doped HfO2/Pt Nanocrossbar Ferroelectric Tunnel Junctions”
DOI:10.1039/D5NR04010H

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