大阪大学,東京大学,神戸大学,名古屋大学,理化学研究所,帝京大学,秋田県立大学,科学技術振興機構(JST)

2025(令和7)年8月4日

大阪大学
東京大学
神戸大学
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理化学研究所
帝京大学
秋田県立大学
科学技術振興機構(JST)

植物幹細胞が“覚醒”するスイッチを発見

~植物が肥大成長を始める仕組みの解明~

ポイント

大阪大学 大学院理学研究科の島津 舜治 特任研究員、近藤 侑貴 教授、古谷 朋之 准教授らの研究グループは、東京大学 大学院理学系研究科の米倉 崇晃 助教、伊藤 恭子 准教授、神戸大学 大学院理学研究科の深城 英弘 教授、石崎 公庸 教授、名古屋大学 大学院生命農学研究科の榊原 均 教授、理化学研究所 環境資源科学研究センターの小嶋 美紀子 技師、帝京大学 総合理工学科の朝比奈 雅志 教授、秋田県立大学の福田 裕穂 学長との共同研究により、植物が根を太くし始める前に幹細胞を覚醒させることとその仕組みを新たに明らかにしました。

樹木を中心とした多くの植物は、最初に縦方向に根や茎を伸ばし、続いてそれらを横方向に肥大成長させることで、安定した体の構造を作り上げます。これまで、肥大成長は原動力となる幹細胞が分裂を繰り返すことで進むことが知られていました。しかし、どのように肥大成長が開始されるのかは、詳しく分かっていませんでした。

今回、研究グループは、植物ホルモンの一種であるサイトカイニンの応答が一時的に強く起きることが、“幹細胞を覚醒させ、肥大成長を開始させるスイッチ”であることを突き止めました。これにより、植物がどのようにして「太くなる力」を獲得するのか、その出発点が明らかになり、木材生産や環境適応力を高める植物の開発につながることが期待されます。

本研究成果は、英国の国際科学誌「Nature Plants」に、2025年8月4日(月)(日本時間)に公開されました。

本研究は、JST 創発的研究支援事業「内的・外的要因による植物幹細胞運命制御網の解明」(課題番号:JPMJFR224Q)、日本学術振興会 新学術領域研究「植物多能性幹細胞」、新学術領域研究「植物の周期と変調」の一環として行われ、科研費(課題番号:21J20775、23K14205、20K15813、23K05811、19H03247、23K05806、23H00324、21H02500、17H05008、20K15815、22H02647)、笹川科学研究助成の支援により実施されました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“A cytokinin response maximum induces and activates bifacial stem cells for radial growth”
DOI:10.1038/s41477-025-02051-4

<お問い合わせ先>

(英文)“Discovery of the “switch” that activate plant stem cells”

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