ポイント
- 減圧下で加熱すると、高純度で原料を再生する変性アクリルガラスを開発
- アクリルガラスとしての基本性能は低下することなく、熱分解性のみを高めることに成功
- 市販のアクリル板を易分解性ポリマーに改質し、リサイクルすることも可能
信州大学 大学院総合医理工学研究科 博士課程3年の千葉 耀太 さん(日本学術振興会 特別研究員DC-1)、信州大学 学術研究院 繊維学系の髙坂 泰弘 准教授(繊維学部 化学材料学科、信州大学 Rising Star教員)らの研究チームは、熱分解性を高めた変性アクリルガラスの開発に成功しました。開発した変性アクリルガラスを減圧下で加熱すると、原料であるメタクリル酸メチル(MMA)を高純度、高収率で再生しました。この変性により、アクリルガラスとしての性能が損なわれることもありません。さらに、変性技術を市販のアクリル板に適用することで、分子レベルでのリサイクルを実現し、高品質なアクリルガラスを再生することもできます。
本成果は、現地時間2025年6月10日付で科学誌「Chemical Science」に掲載されました。
本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 さきがけ(JPMJPR22N4)、日本学術振興会 科研費 基盤研究B(JP22H02129、JP23K23397)、同 特別研究員奨励費(JP23KJ1042)の支援を受けて実施されました。
<プレスリリース資料>
- 本文 PDF(715KB)
<論文タイトル>
- “Enhanced Recyclability of Methacrylic Resins by Copolymerization or Pendant Modification Using Trityl Esters”
- DOI:10.1039/D5SC03190G
<お問い合わせ先>
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<研究に関すること>
髙坂 泰弘(コウサカ ヤスヒロ)
信州大学 繊維学部 化学材料学科 准教授
Tel:0268-21-5488
E-mail:kohsakashinshu-u.ac.jp
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<JST事業に関すること>
安藤 裕輔(アンドウ ユウスケ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
Tel:03-3512-3526 Fax:03-3222-2066
E-mail:prestojst.go.jp
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<報道担当>
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科学技術振興機構 広報課
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