ポイント
- 新しい疎水・親水相互作用により、“鼻”の機能を担う人工嗅覚センサーにおいて従来は達成困難とされていた“堅牢(けんろう)性とセンシング感度の両立”を世界に先駆けて実現。
- 従来はその寄与が小さいと考えられてきた“疎水性分子骨格と親水性固体表面の間に働くファンデルワールス力”を利用する新しい人工嗅覚センサー動作原理を実証。
- 本科学技術により、われわれの身の回りに存在するさまざまな“匂い”の情報を長期間に渡って測り続ける新しい科学“匂いデータサイエンス”とその産業展開が期待される。
東京大学 大学院工学系研究科の柳田 剛 教授(兼:大阪大学 産業科学研究所 招へい教授)、高橋 綱己 准教授と九州大学 大学院総合理工学研究院の辻 雄太 准教授らによる研究グループは、人工嗅覚センサー研究では達成が困難であると考えられてきた“堅牢性とセンシング感度の両立”を、従来はその寄与が小さいと考えられてきた“疎水性分子骨格と親水性固体表面の間に働くファンデルワールス力”を意図的に利用する新しいセンサー動作原理の提唱により実現しました。本研究の成功の鍵は、分子認識に関する化学研究分野では無視できるほど寄与が小さいと考えられてきた“疎水性分子骨格と親水性固体表面の間に働くファンデルワールス力”を積極的に利用したところにあります。この研究成果により、今後われわれの身の回りに存在するさまざまな“匂い”の情報を長期間に渡って測り続ける新しい科学“匂いデータサイエンス”とその産業展開に役立つことが期待されます。
本研究成果は、2024年10月31日(英国時間)に英国科学雑誌「Nature Communications」に掲載されます。
本研究の一部は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 CREST(JPMJCR22C4)、科研費 基盤研究A(JP23H00254)、基盤研究B(JP23H01462)の支援により行われました。
<プレスリリース資料>
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<論文タイトル>
- “Van der Waals Interactions Between Non-polar Alkyl Chains and Polar Oxide Surfaces Prevent Catalyst Deactivation in Aldehyde Gas Sensing”
- DOI:10.1038/s41467-024-53577-8
<お問い合わせ先>
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<研究に関すること>
柳田 剛(ヤナギダ タケシ)
東京大学 大学院工学系研究科 教授
Tel:03-5841-3840
E-mail:yanagidag.ecc.u-tokyo.ac.jp高橋 綱己(タカハシ ツナキ)
東京大学 大学院工学系研究科 准教授
Tel:03-5841-3840
E-mail:takahashi-tg.ecc.u-tokyo.ac.jp -
<JST事業に関すること>
安藤 裕輔(アンドウ ユウスケ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
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