東京大学,九州大学,大阪大学,科学技術振興機構(JST)

令和6年10月31日

東京大学
九州大学
大阪大学
科学技術振興機構(JST)

油と水の相互作用で人工嗅覚センサーの“堅牢性”を高める

~疎水性分子骨格と親水性固体表面の間に働くファンデルワールス力が鍵~

ポイント

東京大学 大学院工学系研究科の柳田 剛 教授(兼:大阪大学 産業科学研究所 招へい教授)、高橋 綱己 准教授と九州大学 大学院総合理工学研究院の辻 雄太 准教授らによる研究グループは、人工嗅覚センサー研究では達成が困難であると考えられてきた“堅牢性とセンシング感度の両立”を、従来はその寄与が小さいと考えられてきた“疎水性分子骨格と親水性固体表面の間に働くファンデルワールス力”を意図的に利用する新しいセンサー動作原理の提唱により実現しました。本研究の成功の鍵は、分子認識に関する化学研究分野では無視できるほど寄与が小さいと考えられてきた“疎水性分子骨格と親水性固体表面の間に働くファンデルワールス力”を積極的に利用したところにあります。この研究成果により、今後われわれの身の回りに存在するさまざまな“匂い”の情報を長期間に渡って測り続ける新しい科学“匂いデータサイエンス”とその産業展開に役立つことが期待されます。

本研究成果は、2024年10月31日(英国時間)に英国科学雑誌「Nature Communications」に掲載されます。

本研究の一部は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 CREST(JPMJCR22C4)、科研費 基盤研究A(JP23H00254)、基盤研究B(JP23H01462)の支援により行われました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Van der Waals Interactions Between Non-polar Alkyl Chains and Polar Oxide Surfaces Prevent Catalyst Deactivation in Aldehyde Gas Sensing”
DOI:10.1038/s41467-024-53577-8

<お問い合わせ先>

(英文)“Preventing Catalyst Deactivation in Aldehyde Gas Sensing through Van der Waals Interactions on Metal Oxide Surfaces”

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