ポイント
- 右手型と左手型の分子が交互に並ぶ性質を利用して細孔性材料を開発
- 複数の機能を持つ有機結晶材料を得るための革新的手法として有用
- 次世代の分離材料や貯蔵材料、触媒などへの応用を期待
横浜国立大学の伊藤 傑 准教授らの研究グループは、右手型と左手型で構造の一部が異なる「擬ラセミ分子」を交互に配列する技術を応用して、大きさの異なる2種類の1次元細孔を持つ有機結晶材料を開発することに成功しました。さらに、2種類の細孔は、特定のアルコール分子を取り込む能力が大きく異なることを明らかとしました。本成果を応用することで、多機能な分離・貯蔵材料や触媒などに用いられる次世代材料が開発されることが期待されます。
本成果は、アメリカ化学会の国際科学雑誌「Journal of the American Chemical Society」(2024年6月25日付)のオンライン版で公開されます。
本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)「原子・分子の自在配列と特性・機能」(課題番号:JPMJPR21A3)の支援により実施されました。
<プレスリリース資料>
- 本文 PDF(703KB)
<論文タイトル>
- “Social Self-Sorting of Quasi-Racemates: A Unique Approach for Dual-Pore Molecular Crystals”
- DOI:10.1021/jacs.4c01654
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