北海道大学,岡山大学,科学技術振興機構(JST)

令和6年4月8日

北海道大学
岡山大学
科学技術振興機構(JST)

超高速の光パターン照明手法を開発

~次世代光産業、光科学の基盤的手法として期待~

ポイント

北海道大学 電子科学研究所の渋川 敦史 准教授、三上 秀治 教授、岡山大学 学術研究院医歯薬学域(薬)の須藤 雄気 教授、韓国科学技術院(KAIST) 生物・脳工学科のムサク・ジャング 助教授らの研究グループは、超高速の光パターン照明手法の開発に成功しました。

空間光変調器(Spatial Light Modulator、以下SLM)は、複雑なパターンの照明を可能とする電子デバイスで、例えばプロジェクターの表示デバイスとして、世界中で普及しています。しかし、SLMのパターン切り替え速度は最短でも50マイクロ秒程度にとどまるため、その性能はこれまで十分に生かされていませんでした。

そこで、本研究では、SLMの構成を根本的に見直し、独自開発の1次元SLMと、照明パターンを拡張する「すりガラス」を組み合わせることで、市販のSLMの約1,500倍高速な、0.03マイクロ秒の切り替え速度を持つ超高速の光パターン照明手法を開発しました。この超高速の光パターン照明手法は、例えば従来のSLMでは不可能な生命機能の光計測や光操作(光遺伝学)の高速化・大規模化や金属3Dプリンターなどの光加工の生産効率向上など、さまざまな分野での応用が期待されます。

なお、本研究成果は、日本時間2024年4月8日(月)公開の「Nature Communications」誌にオンライン掲載される予定です。

本研究は、日本学術振興会 科学研究費補助金(JP21H00404、JP21H02446、JP21H01393)、科学技術振興機構 創発的研究支援事業(JPMJFR205E)、同 戦略的創造研究推進事業 CREST(JPMJCR1656)、中島記念国際交流財団、光科学技術研究振興財団、小澤・𠮷川記念エレクトロニクス研究助成基金、コニカミノルタ科学技術振興財団、生体医歯工学共同研究拠点、フォトエキサイト二クス研究拠点、人と知と物質で未来を創るクロスオーバーアライアンスの助成を受けています。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Large-volume focus control at 10 MHz refresh rate via fast line-scanning amplitude-encoded scattering-assisted holography”
DOI:10.1038/s41467-024-47009-w

<お問い合わせ先>

(英文)“Large-volume focus control at 10 MHz refresh rate via fast line-scanning amplitude-encoded scattering-assisted holography”

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