東北大学,ファインセラミックスセンター(JFCC),科学技術振興機構(JST)

令和6年3月8日

東北大学
ファインセラミックスセンター(JFCC)
科学技術振興機構(JST)

接着と剥離のメカニズムを
計測と計算の融合で分子レベルから解明

~複合材料軽量化や解体性向上で低炭素・循環型社会に貢献~

ポイント

異種材料間の接着強度や剥離性能を自在に制御するためには、有機材料(接着剤)と無機材料の間の接着・剥離現象を分子レベルから理解する必要があります。しかし、無機材料の“表面化学状態”が接着剤の分子構造や接着強度に与える影響については、今日まで十分に理解されていませんでした。

東北大学 多元物質科学研究所の陣内 浩司 教授とファインセラミックスセンターらのグループは、新規に開発した接着強度試験法に加え、最先端の電子顕微鏡計測と分子シミュレーションを融合的に用いることで、無機材料の表面化学状態が接着剤の化学組成や分子構造などに与える影響を分子レベルから解明することに初めて成功しました。本研究により接着界面近傍の分子構造と巨視的物性との相関が明らかになり、耐久性に優れた複合材料や環境負荷の小さい接着技術の開発、ひいては持続可能な社会の実現に貢献すると期待されます。

本研究成果は、2024年3月8日(英国時間)に、学術誌「Nature Communications」に公開されます。

本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業(CREST)(課題番号:JPMJCR1993、JPMJCR19T4)、日本学術振興会(JSPS) 科研費(課題番号:JP20K15330、JP22H00329、JP23H02017)の助成、および文部科学省委託事業 ナノテクノロジープラットフォーム(東北大学および京都大学 構微細構造解析プラットフォーム)の支援を受けて行われました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Effect of Inorganic Material Surface Chemistry on Structures and Fracture Behaviours of Epoxy Resin”
DOI:10.1038/s41467-024-46138-6

<お問い合わせ先>

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