東京大学,科学技術振興機構(JST)

令和6年1月15日

東京大学
科学技術振興機構(JST)

非磁性半導体に大きなスピン分裂を観測、
電圧で制御できることを実証

~次世代半導体スピントロニクス・デバイス実現可能性の開拓~

ポイント

東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻の白谷 治憲 大学院生、瀧口 耕介 大学院生(研究当時)、レ デゥック アイン 准教授および田中 雅明 教授の研究グループは、すべて半導体でできた非磁性半導体/強磁性半導体からなる2層ヘテロ接合を作製し、非磁性半導体の中で界面の磁気結合による巨大なスピン分裂を観測しました。このスピン分裂のエネルギーは最大で18ミリ電子ボルトに達し、同研究グループの先行研究の報告と比べて4倍以上大きな値となっています。研究グループが作製した構造は、非磁性半導体であるヒ化インジウム(InAs)薄膜(厚さ12ナノメートル)とアンチモン化ガリウムに鉄を添加した強磁性半導体GaFeSbの薄膜(15ナノメートル)を積層した2層のヘテロ接合です。このヘテロ接合をトランジスタに加工しゲート電圧を印加することでInAs中の電子とGaFeSbの磁性との結合強度を増減し、非磁性InAsの電子状態におけるスピン分裂を誘起し変調できることを示しました。

本研究成果は、2024年1月15日(英国時間)に英国科学誌「Communications Physics」のオンライン版に掲載されます。

本研究は、科学研究費助成事業(19K21961、20H05650、23K17324)、科学技術振興機構(JST) さきがけ「トポロジカル材料科学と革新的機能創出(研究総括:村上 修一)」研究領域における「強磁性半導体を用いたトポロジカル超伝導状態の実現(JPMJPR19LB)」、CREST「量子状態の高度な制御に基づく革新的量子技術基盤の創出(研究総括:荒川 泰彦)」研究領域における「強磁性量子ヘテロ構造による物性機能の創出と不揮発・低消費電力スピンデバイスへの応用(JPMJCR1777)」、スピントロニクス学術研究基盤と連携ネットワーク(Spin-RNJ)、文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム、UTEC-UTokyo FSI、村田学術振興財団の支援を受けて実施されました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Observation of large spin-polarized Fermi surface of a magnetically proximitized semiconductor quantum well”
DOI:10.1038/s42005-023-01485-6

<お問い合わせ先>

(英文)“Observation of large spin-polarized Fermi surface of a magnetically proximitized semiconductor quantum well”

前に戻る