大阪大学,科学技術振興機構(JST)

令和5年10月17日

大阪大学
科学技術振興機構(JST)

「ばらまけるセンサー」実現へ。
「土に還る」土壌含水率センサーを実証

ポイント

大阪大学 産業科学研究所 春日 貴章 助教らの研究グループは、紙、天然ワックス、スズなど環境に配慮した材料のみで構成された土壌含水率センサーの開発に成功しました。開発したセンサーは、検出した土壌の水分量を熱として発信し、その熱をサーマルカメラを用いて撮影することで、センサーの設置位置と土壌含水率を遠隔から同時に取得することが可能です。これまで生分解性プラスチックなどを用いた環境に優しい電子材料に関する研究は数多く行われてきましたが、性能や安定性に課題があり、分解性とセンサーとしての必須機能(センシング・データ発信・設置位置情報発信)を両 立することが困難でした。

今回、春日 貴章 助教らの研究グループは、ごく単純な構造のセンサーと無線給電、そしてサーマルカメラを組み合わせることで、センサー自体の分解性と必須機能を両立した新しいコンセプトのセンシングシステムを実証することに成功しました。これにより、環境に優しい、持続可能なセンサー 技術の発展や、「センシングできる肥料」などの新技術の開拓が期待されます。

本研究成果は、米国科学誌「Advanced Sustainable Systems」に、 2023年10月17日(火)(米国東部時間)に公開されました。

本研究は、JST 戦略的創造研究推進事業 ACT-X(JPMJAX21K3)およびCREST(JPMJCR22L3)、松籟科学技術振興財団 研究助成金、JSPS 科学研究費助成事業研究(22K20592)の一環として行われました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Wirelessly powered sensing fertilizer for precision and sustainable agriculture”
DOI:10.1002/adsu.202300314

<お問い合わせ先>

(英文)“Sustainable smart agriculture with a biodegradable soil moisture sensor”

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