京都大学,理化学研究所,科学技術振興機構(JST)

※プレスリリース資料5ページ目のDOIに誤りがあったため、差し替えました(令和5年7月12日)。

令和5年7月11日

京都大学
理化学研究所
科学技術振興機構(JST)

ショウジョウバエ原腸胚における1細胞遺伝子発現アトラスを作成

~ゲノム情報による発生制御の解明に向けた基盤的リソース~

近藤 武史 京都大学 大学院生命科学研究科 特定講師(研究当時、現 理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー)、坂口 峻太 同研究科 博士課程学生(学振特別研究員DC1、現 同研究員)らの研究グループは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)原腸胚を構成する各細胞における全遺伝子の発現を定量解析し、高解像度の空間情報を含む1細胞遺伝子発現アトラスを構築しました。

動物のゲノムには数万の遺伝子がコードされています。そして、この数万の遺伝子が複雑に絡み合いながら協調して働くことによって、複雑な発生現象が正確に進行すると考えられます。しかし、遺伝子が時空間的に協調して発生を制御する仕組み・ルールの理解にはいまだ至っていません。その理由の1つとして、発生中の胚における細胞単位での定量的な遺伝子発現情報が不足していることが挙げられます。

キイロショウジョウバエ原腸胚はまさに細胞分化とダイナミックな形態形成が進行している発生段階であり、本研究で構築した1細胞遺伝子発現アトラスは、ゲノム情報による発生制御の仕組みのさらなる理解へと貢献することが期待されます。

本成果は、現地時間7月10日に米国の国際学術誌「Cell Reports」に掲載されます。

本研究は、日本学術振興会 科学研究費(挑戦的萌芽研究:15K14535、基盤研究(B):17KT0021、学術変革(A):22H05167、特別研究員奨励費:20J23385、先進ゲノム支援:16H0627)、JST 創発的研究支援事業(JPMJFR204V)、内藤記念科学振興財団、京阪神グローバル研究リーダー育成コンソーシアム(K-CONNEX)の支援を受けて実施されました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Single-cell transcriptome atlas of Drosophila gastrula 2.0”
DOI:10.1016/j.celrep.2023.112707

<お問い合わせ先>

(英文)“Single-cell transcriptome atlas of Drosophila gastrula 2.0”

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