東北大学,東京学芸大学,筑波大学,高輝度光科学研究センター,科学技術振興機構(JST)

※プレスリリース資料に記載した動画URLおよびQRコードが変更になったため、発表原稿を差し替えました(令和5年9月4日)。

令和5年7月11日

東北大学
東京学芸大学
筑波大学
高輝度光科学研究センター
科学技術振興機構(JST)

サブミリ秒の時間分解能で
4次元X線CTの原理実証に成功

~実材料の学術研究から産業応用への波及効果に期待~

ポイント

1秒間に30コマ(0.03秒/コマ)程度を超えるスピードで静止画を連続再生すると、人間の目には動画のように見えます。近年の高速カメラの進歩は目覚ましく、人間の目の認識をはるかに超える短い時間スケールの現象も1コマ1コマ克明に写し出せるようになり、人類がこれまで知らなかったさまざまな現象が潜んでいることが分かってきました。しかし、可視光で観察できるのは、主に物体の表面のみです。X線CTを用いると、物体の投影像をさまざまな方向から撮影することにより、物体の内部まで3D的に可視化できます。

東北大学 国際放射光イノベーション・スマート研究センターの矢代 航 教授を中心とする研究チームは、シンクロトロン放射光という非常に強力なX線を複数の異なる方向から当てるマルチビーム化という独創的なアイディアなどによって、1ミリ秒を超える0.5ミリ秒時間分解能での4D-X線CTの原理実証に世界で初めて成功しました。本技術の開発により、材料の破壊、流体や粘弾性体などの挙動、機械加工、摩耗、溶接、燃焼など、繰り返しが不可能な現象の4D可視化が可能になり、学術研究から産業応用に至るさまざまな分野への波及効果が期待されます。

本研究成果は、2023年7月6日付(現地時間)で応用物理学分野の専門誌「Applied Physics Express」誌に掲載されました。

本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)「計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用」(研究統括:雨宮 慶幸)における研究課題「超圧縮センシングによるミリ秒X線トモグラフィ法の開発」(JPMJCR1765)、JSPS 科研費(JP21H04530)の支援を受けたものです。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Sub-millisecond 4D X-ray tomography achieved with a multibeam X-ray imaging system”
DOI:10.35848/1882-0786/ace0f2

<お問い合わせ先>

(英文)“Sub-millisecond 4D X-ray tomography achieved with a multibeam X-ray imaging system”

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