大阪大学,北海道大学,科学技術振興機構(JST)

令和5年7月1日

大阪大学
北海道大学
科学技術振興機構(JST)

導電性ポリマー立体配線で
脳型コンピューターの実現へ一歩

~3次元ポリマーネットワークへの連想記憶の付与にも成功~

ポイント

大阪大学 大学院理学研究科/北海道大学 大学院情報科学研究院の赤井 恵 教授、北海道大学 大学院情報科学院の萩原 成基さん(博士後期課程)らの研究グループは、溶液中で電極に電圧を加えると重合成長する導電性ポリマーの分子細線が立体配線材料として利用でき、さらにこれを用いて脳のように学習可能な脳型コンピューターを実現し得ることを世界で初めて明らかにしました。まるで脳が成長するかのように、溶液中で分子細線が伸長・配線されることで回路が学習し、その結果得られたネットワークに連想記憶を付与することにも成功しました。

これまで導電性ポリマー細線は2次元平面上での配線しか実現されておらず、3次元配線性能については明らかにされていませんでした。

今回研究グループは、既存の微細加工技術を用いて先端が鋭利な立体電極を作製しました。これを避雷針に見立てて電界を先端に集中させることにより、導電性ポリマー細線が3次元的に成長可能であることを実証しました。これにより、脳のように密な3次元ネットワーク構造を持った次世代脳型コンピューターの実現が期待されます。

本研究成果は、米国科学誌「Advanced Functional Materials」に、7月1日(土)(日本時間)に公開されます。

本研究は、JST 戦略的創造研究推進事業ACT-X(JPMJAX21KE)およびJSPS 科学研究費助成事業研究(22J10487)の一環として行われました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Fabrication and Training of 3D Conductive Polymer Networks for Neuromorphic Wetware”
DOI:10.1002/adfm.202300903

<お問い合わせ先>

(英文)“Growing bio-inspired polymer brains for artificial neural networks”

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