東北大学,科学技術振興機構(JST)

令和4年12月5日

東北大学
科学技術振興機構(JST)

磁気ノズルプラズマ推進機の作動にプラズマ不安定性が寄与

~宇宙空間における大電力・無電極の推進機開発に新展開~

ポイント

高周波プラズマ源と磁気ノズルによるプラズマ加速を経て宇宙空間へ燃料を噴射し推力を発生する無電極プラズマ推進機は、次世代の大電力宇宙推進機として期待されています。

東北大学 大学院工学研究科および同 非平衡プラズマ学際研究センター プラズマフロンティア科学部門の高橋 和貴 准教授(JST 創発研究者)は磁気ノズルプラズマ推進機の性能向上を目指し研究を行っていますが、この度、オーストラリア国立大学のChristine Charles 教授、Rod W Boswell 教授との共同研究により、核融合プラズマに代表されるプラズマ利用機器においてネガティブな存在と考えられてきたプラズマ不安定性が、推進機作動の鍵となるプラズマ流離脱を促進する重要な役割を果たすことを明らかにしました。この成果は、推進機開発だけでなく、プラズマ波動研究の応用開拓と新展開に寄与するものと期待されます。

本研究成果は、2022年12月5日(日本時間)にネイチャーパブリッシンググループの英国科学雑誌「Scientific Reports(電子版)」に掲載されます。今後、波動構造の詳細計測、励起条件の解明、詳細な物理プロセスの理解に向けて研究を行い、大電力・無電極の磁気ノズルプラズマ推進機開発を進める予定です。

本研究の一部は、科学技術振興機構(JST) 創発的研究支援事業(JPMJFR212A)および科学研究費助成事業(JP19H00663、JP21K18611)の支援により行われました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Wave-driven electron inward transport in a magnetic nozzle”
DOI:10.1038/s41598-022-24202-9

<お問い合わせ先>

(英文)“Can Plasma Instability In Fact Be the Savior for Magnetic Nozzle Plasma Thrusters”

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