科学技術振興機構(JST),株式会社多磨バイオ

令和4年8月2日

科学技術振興機構(JST)
株式会社多磨バイオ

出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)における
株式会社多磨バイオへの出資決定について

JST(理事長 橋本 和仁)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、株式会社多磨バイオ(本社:東京都港区、代表取締役 星野 清治、長尾 哲哉、以下「多磨バイオ」という)への出資を実行いたしました。

多磨バイオは、合成人工生体膜の開発、製造、販売に取り組む企業です。

自然の生体膜は、片面では組織に接着することで組織を保護しつつ、反対の面では組織への接着性を持たないことにより他の組織との癒着を防いでいます。従って、人工生体膜も片面での組織接着性と反対面での組織非接着性(癒着防止)の相反する性質を持つものが理想的ですが、現在の外科手術で用いられている人工生体膜は臓器間や組織間の癒着を防ぐことに主眼が置かれ、両面ともに組織接着性のないものが主流となっています。理化学研究所では、組織接着性のない材料の片面にイオンビーム照射を行い、照射面にのみ組織への接着性を付与する技術を開発しました。

多磨バイオではこの技術を用いて、合成人工硬膜「デュラビーム®」と人工心膜用補綴材「ペリビーム®」についてすでに国内で製造販売承認を取得しています。今後、両製品の本格的な販売を開始し、理想的な合成人工生体膜材料としてその他のさまざまな人工生体膜への応用展開を国内外で目指していきます。

多磨バイオはJSTの独創的シーズ展開事業 委託開発の開発課題「組織親和性を有する生体補填材料」(平成20年度採択)における研究開発成果を基に、平成28年4月に設立されました。

JSTは平成26年4月より「出資型新事業創出支援プログラム」(SUCCESS:SUpport Program of apital ontribution to arly-tage Companie)を実施しています。本事業は、JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対しJSTが出資並びに人的および技術的援助を行うことでその創出および成長を促進し、当該ベンチャー企業が行う事業活動を通じてJSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としています。出資を通じてJSTがベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」も志向しています。

URL:https://www.jst.go.jp/entre/

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