金属材料が使用されている自動車や飛行機において、金属の破壊は重大な事故につながる恐れがあることから、その破壊メカニズムについて古くから研究が行われてきました。しかし、従来の手法では、破壊が「いつ」、「どこから」、「どのように」発生・進行していくのかを完全には理解できていないのが現状でした。
京都大学 大学院工学研究科 平山 恭介 助教は、高輝度光科学研究センターと共同で、大型シンクロトロン放射光施設SPring-8において、破壊の様子を直接観察できるX線CTおよび金属材料のさまざまな情報を得ることのできるX線回折コントラストトモグラフィー法を組み合わせたマルチモーダル3Dイメージング技術を開発しました。本技術を、高強度アルミニウム合金の破壊挙動の解析に適用したところ、従来、定説とされていたメカニズムとは異なる真の破壊メカニズムが明らかになりました。マルチモーダル3Dイメージング技術は、金属材料の破壊現象だけでなく材料に関するさまざまな現象を理解するための非常に画期的な手法になり得ると期待しています。
本成果は、2022年3月25日に日本の国際学術誌「Materials Transaction」にオンライン掲載されます。
本研究は、JST(科学技術振興機構) CREST、JPMJCR1995の支援を受けたものです。また、本研究の一部は、JSPS 科研費 17H01328の助成を受けています。
<プレスリリース資料>
- 本文 PDF(1.32MB)
<論文タイトル>
- “Crystallographic Analysis of Hydrogen Embrittlement Behavior in Aluminum Alloy using Diffraction Contrast Tomography”
- DOI:10.2320/matertrans.MT-L2021020
<お問い合わせ先>
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京都大学 大学院工学研究科 材料工学専攻 助教
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
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