特定非営利活動法人 あなたのいばしょ,科学技術振興機構(JST)

令和4年2月24日

特定非営利活動法人 あなたのいばしょ
科学技術振興機構(JST)

コロナ下での人々の孤独に関する調査を実施

~若い世代とコロナで暮らし向きの影響を受けた人の孤独感が特に高いことが明らかに~

ポイント

特定非営利活動法人 あなたのいばしょ(東京都港区、理事長:大空 幸星)は、上田 路子 早稲田大学 准教授(当法人理事)と共同で「コロナ下での人々の孤独に関する調査」を2022年2月に実施しました。

対人交流が制限されるコロナ下では、多くの人々が孤独感を抱えていると考えられますが、日本人を対象とした大規模な調査は主に2020年のものに限られており、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大の長期化が人々の孤独感にどのような影響を与えているかは明らかになっていませんでした。

2022年2月に日本在住の約3,000人を対象にした調査を実施した結果、4割近くの人が孤独感を抱えており、新型コロナの感染拡大から2年近くが経った時点においても、孤独感はほとんど減少してないことが明らかになりました。また、「若者・中年(20-59歳)の人」、「男性」、「(コロナ前と比較して)暮らし向きが悪くなった人」、そして「(個人的なことを話せる)友人が1人もいない人」が特に孤独感の高い傾向が強いことが明らかになりました。孤独状態にある人は、うつ状態あるいは不安障害を抱える傾向が孤独でない人に比べて5倍程度であるという結果も得られました。政府の孤独・孤立対策については、6割程度の人が行うことに賛成でした。

調査結果は、比較的若い世代に対しても孤独・孤立対策を行うことが大切であること、そして暮らし向きが悪化した人が孤独な状況に陥る経緯を特定し、その知見に基づいて必要な支援を届けていくことが必要であることを示唆しています。さらに、孤独・孤立対策の意義について一定の支持は得られているものの、政府は丁寧な説明を続けていくことが大切であると考えられます。

本調査は、科学技術振興機構(JST) 社会技術研究開発センター(RISTEX) 戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)」におけるプロジェクト名「孤独・孤立のない社会の実現に向けたSNS相談の活用(研究代表者:上田 路子(早稲田大学 政治経済学術院 准教授。特定非営利活動法人 あなたのいばしょは研究参画機関。研究開発期間:2021年11月~2023年3月)」(JPMJRX21K1)、文部科学省 科学研究補助金(挑戦的研究(萌芽):21K19677)の支援を受けて実施しました。

※科学技術振興機構(JST) 社会技術研究開発センター(RISTEX)は、2021年度に発足した「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)」において、さまざまな社会構造の変化を踏まえ、社会的孤立・孤独のメカニズムの解明、孤立・孤独のリスク評価手法(指標など)および社会的孤立・孤独の予防施策開発と、そのPoC(Proof of Concept:概念実証)までを一体的に推進します。2021年度に採択されたプロジェクトは、1年半程度のスモールスタート(可能性検証)期間の後、ステージゲート評価を通過すれば、3年程度の本格研究開発期間に移行します。

URL: https://www.jst.go.jp/ristex/funding/solve-koritsu/index.html

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