科学技術振興機構(JST),株式会社ソラリス

令和4年1月19日

科学技術振興機構(JST)
株式会社ソラリス

出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)における
株式会社ソラリスへの出資決定について

JST(理事長 濵口 道成)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、株式会社ソラリス(本社:東京都文京区、代表取締役社長:梅田 清、以下「ソラリス」という)の第三者割当増資の引き受けを実施しました。

中央大学 理工学部 精密機械工学科 中村 太郎 教授は、従来のマッキベン型人工筋肉の約4倍という高出力特性を持ち、かつ高収縮率ながら低圧力で動作するという特徴を持つ柔軟なアクチュエーターである「ソラリス型人工筋肉」を開発しました。ソラリスではこの「ソラリス型人工筋肉」をコア技術に据え、生物が行う「蠕動(ぜんどう)運動」を組み合わせた「蠕動運動ポンプ」と「ミミズ型ロボット」を事業の中心としたソフトロボティクスの開発、製造、販売を目指します。

「蠕動運動ポンプ」は動物の腸管の蠕動運動を再現し、超高粘度流体や固液混合流体など従来のポンプやミキサーでは対応困難な対象物について「混錬」と「搬送」を同一の装置で行うことができます。羽根車などの回転機構を持たないので対象物に対するダメージも大幅に低減されます。

「ミミズ型ロボット」はミミズの蠕動運動による移動方法を模倣し、配管などの内部を大きなけん引力を持って効率的に移動することができるロボットです。工業用内視鏡など他の技術では対応が困難な小径管や複雑な曲がり管、垂直上昇管などにも対応します。

その他にも中央大学の研究成果である機械式自重補償機構により無動力かつ任意の角度で上腕の姿勢維持をアシストするデバイス「TasKi」の販売も行います。

ソラリスはJSTの地域イノベーション創出総合支援事業「シーズ発掘試験」の平成20年度採択課題「マイクロカーボンファイバー層を含有する高収縮性ゴム人工筋肉の安定的な製造技術に関する検討」、同平成21年度採択課題「ゴム人工筋肉を用いた固液混合流体の搬送を可能にする蠕動運動ポンプの開発」での研究開発成果を基に、平成29年9月29日に設立されました。

図1 運動ポンプ、ミミズ型ロボット、TasKi

JSTは平成26年4月より「出資型新事業創出支援プログラム」(SUCCESS:SUpport Program of apital ontribution to arly-tage Companie)を実施しています。本事業は、JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対しJSTが出資並びに人的および技術的援助を行うことでその創出および成長を促進し、当該ベンチャー企業が行う事業活動を通じてJSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としています。出資を通じてJSTがベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」も志向しています。

URL:https://www.jst.go.jp/entre/

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