京都大学,科学技術振興機構(JST)

令和4年1月13日

京都大学
科学技術振興機構(JST)

パーキンソン病における運動習慣の長期効果を確認

~進行抑制に光明、活動の種類により異なる効果~

パーキンソン病において、日常的身体活動量や運動習慣は少なくとも半年程度の短期的な症状改善には重要と考えられていますが、その数年以上にわたる長期的効果は不明でした。今回、京都大学 大学院医学研究科 月田 和人 博士課程学生(帝京大学 先端統合研究機構 特任研究員、関西電力 医学研究所 睡眠医学研究部 特任研究員 兼務)、酒巻 春日 同 博士課程学生、高橋 良輔 同 教授らの研究グループは、国際多施設共同観察研究のデータを用いて、パーキンソン病において日常的身体活動量や運動習慣の維持が、長期にわたって疾患の進行を抑制する可能性を示唆し、活動の種類により異なる長期効果を持つ可能性を示しました。本研究の成果は、今後の研究において、運動介入によるパーキンソン病の進行を抑制する方法論の確立の第一歩になると考えられ、また、個々の患者に合わせた運動介入の重要性も示唆します。

本成果は、2022年1月13日(日本時間)に米国の国際学術誌「Neurology」にオンライン掲載されます。また、米国神経学会によるプレスリリースの対象論文にも選出され、同時刻に米国神経学会からもプレスリリースされます。

本成果は、以下の事業・プログラム・プロジェクト・研究開発課題によって得られました。

ムーンショット型研究開発事業(MS)

「ムーンショット型研究開発事業 目標2 2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」
(プログラムディレクター:祖父江 元 愛知医科大学 理事長・学長)
「臓器連関の包括的理解に基づく認知症関連疾患の克服に向けて」
(プロジェクトマネージャー:高橋 良輔 京都大学 大学院医学研究科 臨床神経学 教授)
「パーキンソン病前駆期モデル動物を活用した臓器間ネットワークの解明とヒトへのトランスレーションによるリスク予見法の創出」
(課題推進者:山門 穂高 京都大学 医学部附属病院 脳神経内科 特定准教授)
令和2年12月~令和7年11月

 健康寿命を延伸するためには、疾患が発症した後で治療するという従来の考えから脱却し、疾患の超早期状態、さらには前駆状態を捉えて、疾患への移行を未然に防ぐという、超早期疾患予測・予防ができる社会を実現することが鍵となります。本研究開発プログラムでは、超早期疾患予測・予防を実現するため、観察・操作・計測・解析・データベース化などさまざまな研究開発を推進し、これらを統合して臓器間ネットワークの包括的な解明を進めていきます。

 本研究開発プロジェクトでは、新規イメージング・計測・操作技術の開発などにより、脳と全身臓器ネットワークの機能とその破綻を分子・細胞・個体レベルで解明します。それにより、2050年には、認知症関連疾患の超早期の発症予測法と予防法を開発し、先制医療を享受できる社会の実現を目指します。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“Long-term Effect of Regular Physical Activity and Exercise Habits in Patients With Early Parkinson Disease”
DOI:10.1212/WNL.0000000000013218

<お問い合わせ先>

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