ポイント
- 高品質な仮想試着システムを開発しました。顧客が計測用の衣服を着てカメラの前に立つと、商品の衣服を着た画像がリアルタイムで生成されます。
- ロボットマネキンを利用して体形と姿勢を変えながら大量の画像を撮影し学習することで高品質な画像の生成を実現しています。
- 仮想試着の技術を活かして、オンラインショッピングでさまざまなサイズや種類の商品を試着してより適切な商品を選択する、ビデオ会議において仮想的に好きな衣服を着ることなどが可能となります。
オンラインショッピングが加速度的に普及し、オンライン上で仮想的に試着ができるシステムの需要が高まる中、東京大学 大学院情報理工学系研究科 創造情報学専攻 五十嵐 健夫 研究室では、リアルタイムで高品質な仮想試着を実現する手法を開発しました。
従来の仮想的な試着の実現手法では、多種の衣服に対して1つの深層学習モデルを構築していましたが、本手法では特定の衣服の画像の生成に対象を絞って深層学習モデルを構築することで、さまざまな体形や姿勢に対応した試着画像を生成することを可能にしました。また深層学習モデルの構築に必要な大量の訓練データを自動的に取得するために、体形や姿勢を自動制御できる訓練データ撮影専用のロボットマネキンを開発しました。この手法を用いることで、試着室で鏡を見ているような感覚で仮想的な試着ができるため、オンラインショッピングでより好みに合った商品を選択したり、ビデオ会議で身体を動かしても違和感のないように仮想的な衣服を合成表示したりすることが可能となります。
この研究成果は2021年10月10日から14日までオンライン上でバーチャル開催されるユーザーインターフェース分野の国際会議「ACM UIST 2021(The ACM Symposium on User Interface Software and Technology)」で発表されます。
本成果は、以下の事業・研究領域・研究課題によって得られました。
科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 CREST
研究領域 | 人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開 |
---|---|
研究期間 | 2017年10月~2023年3月 |
研究課題名 | 「データ駆動型知的情報システムの理解・制御のためのインタラクション」(JPMJCR17A1) |
研究代表者 | 五十嵐 健夫 |
科学研究費 外国人特別研究員奨励費
研究期間 | 2021年4月~2023年3月31日 |
---|---|
研究課題名 | 「人間の創造的プロセスを促進する設計支援技術」 |
受入研究者 | 五十嵐 健夫 |
外国人特別研究員 | SHEN I-CHAO |
<プレスリリース資料>
- 本文 PDF(462KB)
<論文タイトル>
- “Per Garment Capture and Synthesis for Real-time Virtual Try-on”
- DOI:10.1145/3472749.3474762
<お問い合わせ先>
-
<研究に関すること>
五十嵐 健夫(イガラシ タケオ)
東京大学 大学院情報理工学系研究科 創造情報学専攻 教授
Tel:03-5841-4109
E-mail:takeoacm.org -
<JST事業に関すること>
舘澤 博子(タテサワ ヒロコ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 ICTグループ
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
Tel:03-3512-3526 Fax:03-3222-2066
E-mail:crestjst.go.jp -
<報道担当>
東京大学 大学院情報理工学系研究科 広報室(担当:土方 智美)
E-mail:ist_pradm.i.u-tokyo.ac.jp
科学技術振興機構 広報課
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
Tel:03-5214-8404 Fax:03-5214-8432
E-mail:jstkohojst.go.jp