混焼を行う前後でボイラ出口のアンモニア濃度を計測したところ、混焼前のアンモニア濃度は平均0.3ppmであったのに対し、混焼後のアンモニア濃度の平均は、約0.1~0.4ppmと同程度※1であり、供給したアンモニアをボイラ内で全て燃焼できたことが確認されました。
※1 通常、石炭火力発電所の発電後には、一定程度アンモニアが発生する。
混焼を行う前後でボイラ出口のNOx濃度を計測したところ、発電機出力が15.5万kW(混焼率約0.6%)のとき、混焼前後でNOx濃度の差は、-8ppm~+7ppm(-2.3~+2.1%)程度の範囲であり、既設脱硝装置で十分対応可能であることが確認されました。
一方、発電機出力が12.0万kW(混焼率約0.8%)のときには、混焼後、NOx濃度が14ppm(5.4%)程度減少しました。
7月4日 | 7月6日 | 7月7日 | 7月8日 | 7月9日 | |
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発電機出力(万kW) | 15.5 | 15.5 | 12.0 | 15.5 | 15.5 |
混焼率(%) | 約0.6 | 約0.6 | 約0.8 | 約0.6 | 約0.6 |
混焼前(ppm) | 344.53 | 365.47 | 252.50 | 334.06 | 334.38 |
混焼後(ppm) | 351.84 | 366.16 | 238.75 | 326.13 | 335.00 |
差 (ppm) | 7.31 | 0.69 | -13.75 | -7.94 | 0.63 |
注1) 発電に伴う排気ガスは、ボイラ出口通過後、脱硝装置で脱硝されるため、実際に排出される窒素酸化物濃度はさらに小さくなる。
注2) 7月3日は発電所立ち上げに伴う諸調整のため、誤差が大きいと判断し、除外した。7月5日は窒素酸化物濃度を測定する計器を一部点検したため、除外した。
混焼したアンモニアがボイラ内で全て燃焼できたため、混焼した率に応じて二酸化炭素排出量が削減できたものと考えています。
発電機出力(万kW) | 15.5 | 12.0 |
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アンモニア混焼率(%) | 約0.6 | 約0.8 |
年間二酸化炭素削減量※2(千t-CO2/年) | 約3.99 | 約4.12 |
※2 算定にあたり、二酸化炭素排出係数は、平成27年度の電気事業者別排出係数(中国電力:0.0007t-CO2/kWh)を使用し、設備稼働率は70%として算出。
今回試験を行った燃焼方法において、窒素酸化物濃度が下がる条件が確認されたことを受け、この燃焼方法を出願しました。