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平成20年9月12日

科学技術振興機構(JST)
Tel:03-5214-8404(広報課)

国立教育政策研究所
Tel:03-6733-6833

「平成20年度中学校理科教師実態調査」
集計結果(速報)について

 JST(理事長 北澤 宏一)と国立教育政策研究所(所長 近藤 信司)は、本年7月、公立中学校の理科教員を対象とした理科の教育環境や研修の状況などに関する全国的なアンケート調査を共同で実施しました。
 その結果、生徒による観察や実験を週に1回以上実施しているという回答が約6~7割である一方で、準備や片づけの時間の不足や設備備品の不足が観察や実験を行う上での障害となっているという回答も同程度ありました。また、地学的な内容の指導やICT(情報通信技術)を活用した指導では、苦手と感じている教員が約4~5割と多くいることが分かりました。さらに、理科の教材や指導法で困った時にサポートしてくれる場が学校外にない教員が約5割と多く、今後、「優れた教材情報」や「優れた指導法に関する情報」の提供や「インターネット」での情報提供、「身近にサポートしてくれる「場」の設置や充実」などへの期待が高く、支援を必要としている教員が多いことも分かりました。
 以下にアンケートの目的と集計概要を記します。また、集計結果(抜粋)は、別紙をご覧ください。集計結果(速報)は、下記のアドレスからダウンロードできます。

 ホームページURL:https://www.jst.go.jp/cpse/risushien/secondary/cpse_report_002.pdf

【調査の背景・目的など】

○子どもたちに良質の科学的リテラシーを育むとともに、未来の優れた科学者技術者を育てることは国の重要課題であり、学校において理科を教える教員を含めた教育環境の充実に努める必要がある。

○理科については、来年度から新学習指導要領に段階的に移行し、平成24年度の完全実施までに、時間数と内容増に対応した教育環境の整備と教員の研修などの条件整備を行う必要がある。

○政府の科学技術基本計画実施の基礎資料として、初等中等教育段階での理科教育の現状と課題の把握、とりわけ理科教員に関する実態把握が必要とされている。

○JSTでは、これまで「理科教育支援員」の派遣などさまざまな支援策を実施してきたが、上の状況を踏まえ新たな支援策の検討のため、小・中学校における理科の教育環境と理科を教える教員の意識と研修の実態および課題の把握のため、国立教育政策研究所と協力して理科教員を対象とした全国調査を実施することとした。

○公立中学校の理科教員を対象とした調査を本年6~7月に、公立小学校で理科を教える教員を対象とした調査を本年8月にそれぞれ実施した。

○今回は、中学校の理科教員を対象とした調査結果の速報であり、PDFにてホームページ(URLは末尾に記載)で公開。より詳細な分析結果については、今後作成する調査報告書に掲載(平成20年12月を予定)。なお、小学校で理科を教える教員を対象とした調査の結果については、10月末に速報を公開の予定。また、本調査は今回が初めてであり、将来の再調査によって経年変化を把握する予定。

【実施方法など】

・実施主体:JST 理科教育支援センター、国立教育政策研究所 教育課程研究センター

・調査対象:全国の公立中学校のうち無作為に選んだ502校から337校の協力を得て、その協力校の理科教員572人から得られた回答を集計し全国の実態とした。572人のうち、337人は「理科主任」(主任不在の場合はそれに代わる理科教員)。

・調査方法:所管教育委員会に協力依頼のうえ、調査対象校に調査票を送付。無記名式で、調査校から直接郵送により回収。

<添付資料>

別紙:「平成20年度中学校理科教師実態調査」【集計結果(抜粋)】

<お問い合わせ先>

科学技術振興機構 理科教育支援センター
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
担当:長谷川 奈治(ハセガワ タイジ)、田中 基(タナカ モトイ)
Tel:03-5214-8425 Fax:03-5214-8497
E-mail:(長谷川)、(田中)

国立教育政策研究所 教育課程研究センター 基礎研究部
〒100-8951 東京都千代田区霞が関3-2-2
担当:小倉 康(オグラ ヤスシ)
Tel:03-6733-6862 Fax:03-6733-6975
E-mail: