その他のお知らせ
令和4年4月8日
東京都千代田区四番町5-3
科学技術振興機構(JST)
名古屋大学の研究者による戦略的創造研究推進事業(ERATO)の
研究活動における不正行為に対する処分について
JSTは、令和4年2月に名古屋大学から提出を受けた調査報告書に基づき、その内容を精査した結果、JST事業において研究活動における不正行為があったことを確認しました。
このため、JSTは、同大学、研究者に対して、以下3.の措置を講じました。
1.研究活動における不正行為の内容
次に掲げるJST事業において、3報の論文の図の一部で捏造・改ざんが行われたことが大学より認定され、JSTは研究活動における不正行為があったことを確認しました。
JSTは元大学院生1名をJST事業において不正行為に関与した研究者、教授1名および准教授1名を不正行為に関与していないものの不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者として認定しました。
2.不正行為が行われた事業
事業名:戦略的創造研究推進事業(ERATO)
研究課題名:伊丹分子ナノカーボンプロジェクト
研究実施期間:平成25年度~平成30年度
特別重点期間:令和元年度
不正が認定された論文:
- ・Living annulative π-extension polymerization for graphene nanoribbon synthesis. Nature 571: 387, 2019
- ・Step-Growth Annulative π-Extension Polymerization for Synthesis of Cove-Type Graphene Nanoribbons. J.Am.Chem.Soc.142: 1686, 2020
- ・Graphene Nanoribbon Dielectric Passivation Layers for Graphene Electronics. ACS Appl.Nano Mater.2: 4825, 2019
3.措置の内容
(1)研究費などの返還請求
名古屋大学に対し、不正行為と直接関係する研究費(英文校閲料)47,892円に間接経費(30%)および遅延損害金(年5%)を加算して返還を求め、全額返還されました。
(2)申請等資格制限
同大学の元大学院生に対して、JSTの全事業への申請資格および共同研究者として参加する資格を令和4年4月から令和11年3月までの7年間制限します。
同大学の伊丹健一郎教授及び伊藤英人准教授に対して、JSTの全事業への申請資格および共同研究者として参加する資格を令和4年4月から令和7年3月までの3年間制限します。
4.再発の防止について
このような事態が再発しないよう学内の研究者等への周知徹底を行うなど、研究活動の不正行為の防止のための改善措置が確実に実施されるよう文書により名古屋大学に要請しました。