その他のお知らせ

令和2年12月1日

JSTが推進する「プランB」等の新型コロナウイルス感染症に関する
研究開発のご紹介とご意見募集について

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とともに生きていく社会を構築するには、医療分野にとどまらない、私たちの身を守るためのさまざまな技術が必要です。JSTでは、短期的、中長期的な視座でCOVID-19 による社会的影響等の軽減や解決に資する研究開発に対して迅速な支援を行い、コロナ禍においても制限なく活動ができる社会を実現していきます。

JSTが取り組む研究開発

「プランB」に向けた研究開発

 JSTが持つ多様な技術シーズ等からCOVID-19対策として実用化できる技術について研究開発を行い、社会に還元する取り組みです。コロナ禍においても制限なく社会活動を行うために、JSTではこの取り組みを、国立研究開発法人日本医療研究開発機構を中心に実施されるコロナウイルスワクチンや治療薬の開発(「プランA」)と並行して、重点的に研究開発が求められる分野と位置づけ(「プランB」)、事業を推進してまいります。

新型コロナウイルス感染症に関連したJSTの取り組みについて

新型コロナウイルス感染症の研究開発へのご意見募集

 以下の動画では、COVID-19関連の研究開発に従事する研究者が研究内容を紹介するとともに、研究を推進する中で直面している課題や必要となる支援についてお話しています。研究開発を今後さらに発展させていくにあたり、研究者や企業の方々、将来的にユーザーとなりうる皆様からのご意見を募集します。その課題を解決に導く可能性のある情報や連携により技術開発ができそうなアイデア、ユーザーの観点からのニーズなどをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ以下に情報をお寄せください。

意見募集要項

1.募集対象

JSTのCOVID-19に関するプロジェクトで研究開発を行う研究者が動画内で紹介する課題等について、ご意見をお寄せください。研究者の動画は 下記に掲載しています

2.方法

以下のフォームよりご意見をお寄せください。フォームには「お名前」「ご所属」「メールアドレス」「対象の研究名」「ご意見(情報提供、連携のご希望等)」を記載してください。

ご意見フォーム

3.留意事項
4.研究者動画
1.社会技術研究開発センター(RISTEX) 「科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム」
パンデミック対策の国際比較と過去の事例研究を通じたELSIアーカイブ化

登壇者:児玉 聡 (京都大学 大学院文学研究科 准教授)

感染症のパンデミックの収束に役立つ科学技術にはどのような倫理的問題があるのか。また、パンデミック対策の法律や政策にはどのようなものがあり、そこにはどのような倫理的問題があるのか--。パンデミック対策における倫理的な課題を国際間で比較しアーカイブ化を進める研究活動について、ご紹介いただきました。

当日の資料

2.社会技術研究開発センター(RISTEX) 「科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム」
携帯電話関連技術を用いた感染症対策に関する包括的検討

登壇者:米村 滋人 (東京大学 大学院法学政治学研究科 教授)

GPSなどの位置情報やBluetoothを用いた接触情報など、携帯電話から取得できる接触リスク情報は有効な感染症対策のひとつとして期待できますが、一方でプライバシーやデータ保護の点で慎重な意見も多くあります。本プロジェクトでは、携帯電話関連技術を用いた感染症対策のELSIの課題を整理し、調査や実証実験を踏まえて提言をとりまとめる研究活動を行っています。

当日の資料

3.戦略的創造研究推進事業CRESTコロナ対策臨時特別プロジェクト
異分野融合による新型コロナウイルスをはじめとした感染症との共生に資する技術基盤の創生

登壇者:岩本 愛吉 (戦略的創造研究推進事業CRESTコロナ対策臨時特別プロジェクト「異分野融合による新型コロナウイルスをはじめとした感染症との共生に資する技術基盤の創生」研究総括/日本医療研究開発機構 研究開発統括推進室 室長)

 令和3年2月1日より研究を開始したコロナ対策の研究プロジェクトについて紹介しています。本プロジェクトでは、物理、数学、工学、有機化学、情報・システム科学、ウイルス学、ゲノム科学等、分野の異なる研究者が連携し、ウイルスの大量自動検知システムやゲノムの数理モデル解析といった、感染症との共生を見据えた研究や技術開発を推進します。

当日の資料

4.患者と医療機関との架け橋サービス「MeDaCa」

登壇者:メディカルデータカード株式会社(中部電力グループ)
    西村 邦裕 代表取締役社長
    洪 繁 取締役会長

 MeDaCaは、患者が自身の医療情報をデジタルデータで管理し、自らの判断で医療機関に提供できるサービスです。データをもとに、遠隔で医師の診療を受けることも可能で、特に感染リスクが心配されるコロナ禍では、通院に負担のある妊婦や糖尿病、肥満症の患者の診療に活用されています。また、新型コロナウイルスのPCR検査キットを郵送し、検査結果をデジタルデータで返却するサービスも開始しています。

 JSTでは革新的イノベーション創出プログラム(COI-STREAM)と出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)を通じて、同社を支援してきました。

当日の資料

5.グラフェンバイオセンサによる高病原性インフルエンザウイルスのヒト感染性の検出

登壇者:松本 和彦 特任教授(大阪大学産業科学研究所)

平成27年度のCRESTの採択研究「糖鎖機能化グラフェンを用いた二次元生体モデルプラットフォームの創成」にて開発された、グラフェンバイオセンサによるインフルエンザウイルスのヒト感染性の判別や薬剤評価の開発について紹介しています。今後はインフルエンザ検出センサーの開発を進めながら、本技術を新型コロナウイルスの検出に応用することも目指しています。

当日の資料

6.国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)
下水疫学調査による新型コロナウイルス感染流行状況のリアルタイム監視

登壇者:原本 英司 教授(山梨大学 国際流域環境研究センター)

 本研究では、下水中に低濃度で存在するCOVID-19を効率的に濃縮して検出する手法の開発と、開発した手法の適用による国内外複数地域の下水流入水中のCOVID-19の存在実態の解明、さらには報告されているCOVID-19感染者数(従来の疫学データ)と下水流入水中のCOVID-19濃度データとの比較による下水疫学調査の有効性の評価に取り組んでいます。

研究概要について

当日の資料

7.国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)
迅速かつ正確なCOVID-19検出を可能にする紙基板センサデバイスの開発

登壇者:南 豪 准教授(東京大学 生産技術研究所)
    アンソニー・ジェノリサーチャー(国立科学研究センター)

 本研究では、使い捨て可能な紙を基体とした紙基板センサデバイスを作製し、COVID-19のオンサイト定量検出システムを構築します。既存のウイルス検査法では難しいとされる検査時間の短縮や正確性などの課題を克服するため、フランスの共同研究グループが有する知見を融合することで、迅速・簡便・正確かつ低コストな既存検査技術の代替となるCOVID-19検出デバイスの開発を推進しています。

研究概要について

当日の資料

This page updated on Jun 17, 2021