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OPERA (東京大学)
共創コンソーシアム名:機能性バイオ共創コンソーシアム
微細藻類の秘められた可能性を解き放つ先進のバイオリファイナリー
分野生物科学、水圏応用科学、環境創成学、プロセス工学・化学工学
領域概要

研究課題名

低CO₂と低環境負荷を実現する微細藻バイオファイナリーの創出

プロジェクト実施期間

FSフェーズ:2018年度~2019年度
本格フェーズ:2020年度~2023年度

幹事機関、領域統括(所属)

国立大学法人東京大学 三谷啓志(大学院新領域創成科学研究科 特任教授)

参画機関(大学等、企業等)

お茶の水女子大学、国立環境研究所、産業技術総合研究所、筑波大学、中央大学、高知大学、宮崎大学、理化学研究所、宇都宮大学、茨城大学、国立遺伝学研究所、信州大学、東洋大学、東北大学、東京医科歯科大学、武庫川女子大学、金沢大学、三重大学、帯広畜産大学(合計20)/ 株式会社ユーグレナ、株式会社デンソー、理研食品株式会社、株式会社アルガルバイオ、株式会社ゲノム創薬研究所、三菱商事ライフサイエンス株式会社、パナソニック株式会社、株式会社松風、株式会社太洋サービス、富士通クオリティ・ラボ・環境センター株式会社、株式会社竹中工務店、不二製油グループ本社株式会社、ENEOS株式会社、株式会社ドクターズチョイス、バイオックス化学株式会社、株式会社ニュートリション・アクト、コスモエンジニアリング株式会社、東京電力ホールディングス株式会社、パナック株式会社、三菱ケミカル株式会社、スバル株式会社、株式会社 Biomaterial in Tokyo、株式会社パレオ・ラボ、あすかアニマルヘルス株式会社 (合計24社)

めざす未来

パリ協定の「2030年度GHG排出量を2013年度比46%削減」は待ったなしである。そのためCO2削減効果の大きい微細藻バイオマスを原料としたバイオ燃料の実用化に期待がかかっているが、高い製造コストが障壁となっている。一方、微細藻類には酸化防止剤、天然染料、多価不飽和脂肪酸などの有用物質が含まれており、化粧品、栄養補助食品、飼料等として既に利用されている。このことから、3,000株のライブラリーから選抜した微細藻類を原料とした有用物質生産とバイオ燃料生産を実現し、それらを統合したバイオリファイナリー・プロセスを創出することにより、バイオ燃料の製造コスト削減し、バイオ燃料の早期実用化を目指す。

研究のポイント

・2030年にパリ協定(温室効果ガス排出量2013年度比46%削減)の達成に貢献する。
・2035年に最大20兆円の国際市場規模と予想されるバイオ燃料の生産に貢献する。
1.微細藻類 3,000 株スクリーニングと変異導入による高生産株の探索
2.閉鎖系バイオリアクターによる微細藻類の培養と回収
3.触媒化学による微細藻類バイオマスからの燃料と機能性化学品合成
4.機能性試験と新規成分抽出法の確立と機能性素材の開発と応用
5.バイオエコノミーと市場調査:機能性バイオによる低炭素社会の実現

ここがすごい

微細藻類は、太陽光のもとで(独立栄養条件)、CO2を3.3トンと水2.5トンから油脂1トンと残渣1.5トンを作り出せる。バイオ燃料の原料である油脂を高度に生産する微細藻類の大量培養や残渣からの高付加価値製品の製造が必要となる。本プロジェクトでは、微細藻類の育種からバイオ燃料や高機能製品の製造までの広い分野をカバーする19研究機関と24社が一丸となって研究ネットワークを形成している。

企業への一言

バイオ燃料の国際市場予測は、2020年~2027年の予測で6,000億~12.5兆円とされている。バイオ燃料産業の育成によって新たな基幹産業が創出されると期待されている。私たちは、微細藻バイオ燃料の大量生産や商業化の障壁となっているコストの壁をバイオリファイナリーの活用により打破し、バイオジェット燃料の実用化に向かう道筋を新たに提案するとともに、バイオリファイナリーよる新規機能性製品の商業化を積極的にめざしている。

本OPERAは「低CO2と低環境負荷を実現する微細藻バイオリファイナリーの創出」に関わる5つの研究開発課題を、㈱ユーグレナや㈱アルガルバイオなど22の民間企業と20の大学・国研との共同研究で解決する。その問題解決の糸口となるのが大学・国研の誇る9キーテクノロジーである。1から9までを各研究開発課題に張り付けシンボリックなカットを配置した。

藻類バイオリファイナリーの展開が期待される分野

お問い合わせ先
東京大学 新領域創成科学研究科研究交流係
メールアドレス:k-kenkyu@adm.k.u-tokyo.ac.jp
電話:04-7136-5506  
URL:https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/functionalbio/index.html


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