低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2017-PP-02

蓄電池システム(Vol.5)
—Li-S 電池のコスト試算と研究開発課題—

概要

 持続可能な低炭素社会を実現するには、再生可能エネルギーや定置型蓄電池システムの導入に加え、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)などのCO2排出量の少ない自動車の普及が求められている。

 EV用蓄電池については2030年までにエネルギー密度を500Wh/kg以上とすることが目標とされているが(NEDO Battery RM2013(2013年8月)参照)、既存型のリチウムイオン電池(LIB)では限界に達しつつある。本報告では、理論エネルギー密度が高く、次世代蓄電池として期待されるリチウム硫黄(Li-S)電池の製造コストについて、現状および将来の技術進展を考慮して試算した。その結果、製造コストは、現状22.6円/Wh、2030年には6.7円/Whまで削減し得る可能性を示した。また、2030年におけるリチウム硫黄電池のエネルギー密度は530Wh/kgまで向上し得ることを示した。さらに、解析結果に基づいて製造コスト低減に係る技術課題を明らかにした。

提案書全文

関連提案書