低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2016-PP-19

生活シフトによる健康と省エネルギーの両立の可能性

概要

 夜型生活から朝型生活へのライフスタイルの転換は省エネに有効とされ[1]、居住者の健康増進も期待される。本研究では朝型生活への転換による睡眠快適性と消費電力の変化に関する実証実験を行った。

 朝型生活による消費電力の削減の統計的傾向を踏まえ、実際に生活シフトを行った場合の省エネルギー効果と住民の睡眠への影響を検証する。その結果、生活シフトの省エネルギー効果が一部の世帯で認められた。特に世帯構成員全員が生活シフトを達成し、同様なリズムで生活した場合に消費電力が削減できていた。また、生活シフトの睡眠への影響については起床時眠気、疲労回復などについて良い効果が認められた。現状ではサンプル数が少ないため、解釈には注意が必要であるが、生活シフトの省エネルギー効果及び健康に対する副次的な便益が示唆されたといえる。追加費用がかからず、健康増進という副次的な便益も得られる生活シフトは、省エネが求められている家庭での温暖化対策として優先順位が高い。

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