低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2016-PP-16

再生可能電源大量導入による電力系統の安定性確保と脱炭素化の可能性に関する分析
—九州地域のケーススタディ—

概要

 本提案書では、まずパリ協定と日本の温室効果ガス削減対策について述べた後、電源構成における再生可能電源の必要性を確認した。また、再生可能電源の大量導入が電力系統の安定性に与える影響を検討し、その解決策について解説した。

 次に、再生可能電源、特に太陽光発電の大量導入と電力系統の安定性を両立させるための技術的制約を考慮した電源構成モデルの計算方法を提案した。この電源構成モデルの適用対象として、九州の主たる送電系統を網羅し、長期的なCO2排出量制約下における電源構成を求めるモデルを提示した。さらに、上述した電源構成モデルによる分析の結果、電力系統の安定性を考慮した場合の太陽光発電システムの制御および水素発電との組み合わせによる再生可能エネルギーの有効利用法を示し、同時に電力システムの脱炭素化の可能性を示した。特に、電力系統の安定性を維持しつつ、発電プロセスからのCO2排出を極力小さくし、究極的には0とする電力システムの構成とその技術的・経済的性質を明らかにした。

提案書全文

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