低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2016-PP-02

蓄電池システム(Vol.4)
—レドックスフロー電池システムの構成解析とコスト評価—

概要

 低炭素社会を実現するために、再生可能エネルギーの普及が進められているが、太陽光発電や風力発電などは出力変動を生じる。このため、系統連系での利用においては、出力変動を吸収して安定供給を可能とする、大型で長寿命、かつ、低コストとなる大規模電力貯蔵技術を確立することが不可欠である。

 本報告では、大規模電力貯蔵用として期待される定置型蓄電池の1つであるレドックスフロー電池について着目した。具体的には、定格出力1MW、定格容量5MWhのバナジウム系レドックスフロー電池システムについて、年産100MWhとした場合の製造コストを試算した。その結果、現状技術におけるレドックスフロー電池システムの製造コストは91円/Whであった。この電池システムは、他の蓄電システムよりも耐用年数が長いという特徴があるが、普及させるためには大幅なコスト低減を要する。今後、より安価・より高容量となる活物質を用いることによる電解液の製造コストの低減、並びに、隔膜、電極、中間フレーム及び双極板について、材料の性能や量産化技術の将来予測を含めることによる製造コストの低減を検討する。

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