LCS-FY2015-PP-19
既存電源および電気自動車の活用を考慮した周波数調整市場の設計とその経済性評価
概要
先行する欧米の電気事業に倣い、我が国でも電力自由化が進められている。発送電分離や小売部門自由化と同時に、風力や太陽光といった電源の導入により火力・揚水式水力発電の割合が減少すると、電力系統の適正周波数を保つための負荷周波数制御(Load Frequency Control,LFC)調整力が不足する事態が危惧される。
このような問題を踏まえ、本稿では、電力システム改革が進んだ日本における、電力の安定供給を実現するのに十分なLFC調整力を確保する制度設計として、自由化先行地域を参考にした、周波数調整市場の提案を行う。さらに、需要家側資源として電気自動車(EV)を周波数制御に活用することを検討し、市場から獲得される報酬が、環境低負荷な電気自動車の販売を促進する、インセンティブとなる可能性について分析する。