低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2013-PP-09

民生家庭部門の省エネルギー促進からの低炭素社会実現

概要

 我が国において、民生家庭部門を由来とするCO2排出量は依然として増加傾向にある。民生家庭部門に求められている低炭素化策は、「家庭自体の低炭素化」と「社会(エネルギー変換部門、産業部門、民生業務部門、運輸部門)の低炭素化への貢献」の2点に分けられる。

 LCSでは、生活の質を落とさずに家庭部門の低炭素化を実現するために、LCSが提案するエネルギー技術・経済統合モデルに基づき、各種低炭素化策について環境・経済面から実施効果を推計すると共に、社会実証実験「家庭の電力使用量見える化実験」を通して各種低炭素化策の普及促進に向けた検討等を行うための研究体制を構築した。家庭の電力使用量見える化実験は、主に以下4点を目的として今年度から開始した。
① 一般家庭に電力計測器を設置してエネルギー消費実態の「見える化」を行うことにより、家庭自体の低炭素化を促す。
② 電力計測器により1分単位計測された家庭の電力使用量データを、エネルギー技術・経済統合モデルにおけるエネルギー需要モデル(家庭部門)の入力データとして活用する。
③ 各種低炭素化策に関する家庭の意識調査等を行い、社会心理・人間行動学等に基づいて各種対策の普及阻害要因の分析および普及促進策の提案を行う。提案内容はエネルギー技術・経済統合モデルにおける将来シナリオ設定に活用する。
④ 実験協力自治体と協調関係を構築し、家庭部門の低炭素化策に関する各自治体の環境施策立案を支援することで、LCSが提案する社会の低炭素化に向けた政策提言の社会実装を促す。
 本報では、実験の結果に基づき、民生家庭部門の低炭素化に向けた政策立案のための提案を述べる。

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