量子化した電荷に伴う階段状電流について Since April 1,2001   
   

金属微粒子上に量子化した電子はプローブに対して電荷を誘起します。本研究では、導電性基板/絶縁体/金属微粒子/真空/走査型プローブ構造において、走査型プローブを導電性基板に対して垂直方向に振動させた際に、振動に伴って周期的に変化する誘起電荷に起因して外部回路を流れる交流電流を測定します。
この交流電流は変位電流と呼ばれており、その平均値はロックインアンプを用いることにより測定することが可能です。
ところで、導電性基板/絶縁体/金属微粒子/真空/走査型プローブ構造に外部から直流電圧を加えて、プローブを振動させたときに測定される変位電流−電圧特性は、クーロンブロッケード現象に起因して金属微粒子上に量子化した電子に対応したものとなるため、階段状の変位電流が観察されることが予想されますが、その測定結果は報告された例がありません。

本研究では、世界にさきがけて、この階段状変位電流−電圧特性を観察し、単一電子トンネル現象の素過程を階段状変位電流測定により明らかにすることを目指します。


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