提案を募集する研究領域

研究領域の基本情報
生体マルチセンシングシステムの究明と活用技術の創出[マルチセンシング]
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研究領域統括
永井 良三自治医科大学 学長
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研究総括
入來 篤史理化学研究所 未来戦略室 上級研究員
戦略目標
ヒトのマルチセンシングネットワークの統合的理解と制御機構の解明
領域の概要
本研究領域は、生体感覚システムおよび末梢神経ネットワークを包括した「マルチセンシングシステム」の統合的な理解、および可視化・制御法の開発を目標とします。これを達成するために、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が4プログラム(CREST、さきがけ、AMED-CREST、PRIME)を同時に立ち上げ、互いに連携しながら研究を進めます。そのため、本研究領域では研究総括(Program Officer: PO)に加え、4プログラムの連携を統括する研究領域統括(Program Supervisor: PS)を配置しています。
<研究領域統括方針>
感覚機能と自律神経系は、生体が恒常的に機能を果たすためのフィードバック系として重要な役割を担っています。一方、加齢をはじめとする内的・外的ストレス等による感覚機能の低下や喪失、さらに末梢神経系の障害は、健康障害と慢性疾患発症の大きなリスク要因です。そこで生体感覚システム・末梢神経ネットワークを包括した「マルチセンシング」の生理機構を統合的に理解することにより、全身臓器の関わる疾患を標的とした新規治療法の開発や、生活の質(QOL)の向上、ひいては健康寿命の延伸が可能になると期待されます。また、マルチセンシングシステムを介した革新的技術の社会実装は、感覚代行、感覚シェアなど、より豊かで幸福な社会の実現に貢献することができます。
JSTでは基礎原理の解明および基盤・応用技術の開発を軸として、センシング機能の拡張や新たな機能の獲得を目指します。一方、AMEDでは健康・医療への出口を見据えた基礎研究から医療応用を軸に、失った機能の回復・維持、すなわちセンシングと調節機能の回復・維持・予防を目標とします。 具体的には、マルチセンシングシステムの動作機構の解明、病態解明、活動状態を可視化・定量化する技術開発、およびそれらを基にした副作用の少ない治療法や予防法の開発、個人に適した医薬品、医療機器、低侵襲性デバイスの創出等を目指し、同時に、生体のマルチセンシング機能の拡張や高度なセンシングメカニズムの応用によるイノベーション・シーズの創出を出口としてとらえ、JSTとAMEDが両輪となって推進します。
4プログラムの研究者がネットワーク型研究所を構成することによって、相互連携と若手研究者のステップアップ、さらに研究の発展を促します。
<研究総括方針>
本研究領域では、感覚生理学・分子細胞生物学・神経科学等のライフサイエンス分野を超えて、電子/機械工学・情報/数理科学・認知/心理学等との異分野融合を推進することにより、多種感覚受容システムおよび末梢神経ネットワークを総合した「生体マルチセンシングシステム」の動作原理を解明し、日常生活に実装する基盤・応用技術を創出します。
近年、計測技術の発展により新たなセンシング機能やメカニズム解明への切り口が得られつつあります。また種々の感覚情報が、免疫・代謝・内分泌などを含む他の生体システムと相互作用して恒常性が維持されたり、意識下で統合されて多様な知覚・情動が生み出されて人間観や世界観に影響することも分かりつつあります。さらに、仮想/拡張現実に代表されるICT技術やウェアラブルデバイス等の開発から得られた生体感覚研究の知見を、再びフィードバック・融合することにより、ヒトの持つセンシング機能を生体の内外で拡張することも期待されます。
これらの背景をもとに、本研究領域では、従来の各感覚モダリティや生物階層の境界条件内に特化した要素還元的な研究ではなく、生体内外からの様々な環境情報入力が全身生理機能に与える影響とそのメカニズム・ネットワークを解明する研究や、それらを活かしてマルチモーダルな感覚情報を統合的に理解し、生体センサーフュージョンを実現するための技術開発を推進します。また、マルチセンシングメカニズムを可視化、操作、伝送、提示するための基盤・応用技術の創出も目指します。加えて、ヒトには本来備わっていない多彩なセンシング能力(多様な生物が進化の過程で獲得した能力や、現代科学技術が可能にした能力など)を解明し、ヒトのセンシングシステムの新たな理解の切り口とし、これらを活用可能とする原理や有用なデバイスの開発を推進します。
※本研究領域は、JSTとAMEDが、共通の研究開発目標/戦略目標のもと、4プログラム(CREST、さきがけ、AMED-CREST、PRIME)を同時に立ち上げ、互いに連携しながら研究を進めます。
本研究領域では、JSTに申請された研究提案書をAMEDと共有する可能性がありますので、その旨を予めご承諾の上ご応募ください。
AMEDのプログラムについては、下記のサイトをご覧ください。
AMED「マルチセンシングネットワークの統合的理解と制御機構の解明による革新的医療技術開発」
(日本語)https://www.amed.go.jp/koubo/16/02/1602B_00022.html
(英語)https://www.amed.go.jp/en/news/program/1602B_00022.html
領域アドバイザー
(リンク先は研究領域HPとなります。)
本年度の募集スケジュール
募集説明会 | 4月26日(水) |
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応募締め切り | 6月6日(火) 正午※厳守 |
書類選考会 | 7月11日(火) |
書類選考通過者への連絡期限 | 7月18日(火) |
面接選考会(※) ※ 具体的な面接日時についてはJSTから指定させていただきます。あらかじめご了承ください。 |
7月31日(月) |
研究領域の募集方針
【参考】
2023年度募集説明会資料(永井研究領域統括)
2023年度募集説明会資料(入來研究総括)
2023年度募集説明会動画(研究領域統括/研究開発総括:永井 良三)
2023年度募集説明会動画(研究総括:入來 篤史)
応募方法
下記の様式をダウンロードし、e-Rad(府省共通研究開発システム)より応募を行ってください。詳細な応募方法については募集要項をご参照ください。※指定と異なる様式を用いた場合、研究提案が不受理となる可能性があります。
ANRとの連携公募について
本領域では、通常の研究提案に加えて、日仏共同研究グループによる共同研究提案を募集します。CRESTにおける選考では、日仏共同研究提案と通常の研究提案とを分けずに審査します。どちらか一方が有利になることはありません。採択後も通常のCREST課題と同様に研究を推進します。
応募・選考の流れ
- 日仏の研究代表者で1つの共同研究提案書(英語、CREST-ANR共通書式)を作成する。
・共通提案書 様式[word]
・共通提案書 記入要領[pdf] - 仏側研究代表者がANRへ提案を申請する。
- ANR申請受付期間:2023年3月7日(火)~6月5日(月)10:00 CEST
- 申請方法等の詳細は、ANRの募集ホームページをご覧ください。
- 日本側研究代表者がJST(CREST)へ提案を申請する
- 詳細は募集要項をご参照ください。通常のCREST提案募集期間中にe-Radを通じて申請してください。
- ご応募の際は、e-Rad「応募情報ファイル」の項目にて、フランスANRに提出された日仏共同提案書と同一の提案書をアップロード頂きますようお願いいたします。
- また、日仏共同提案書と併せて「CREST-ANR日仏共同提案 要旨」を作成、PDFファイル化してアップロード頂きますようお願いします。
・CREST-ANR日仏共同提案要旨 様式[word]
・CREST-ANR日仏共同提案要旨 記入要領[pdf]
- ANRとJSTが各々提案の審査を行った後、両機関で協議の上採択を決定。
- 研究開始<2023年10月以降>
日仏共同研究提案に関わる留意事項
- JST、ANR両機関に申請されることが審査の要件となります。必ず両機関に申請をしてください。
- 研究代表者は日仏共同提案と通常のCRESTの提案の両方を申請することはできません。
- CRESTへの応募の際に、ANRに提出した日仏共同研究提案の内容を変更することはできません。
- PDF に変換した研究提案書の容量は、3MB以内を目途としてください。10MBを超えた場合、e-Rad上での受付が不可能となります。
- その他の留意事項は、日仏共同研究提案に関するQ&Aをご参照ください。