2024年度 JST-理研 合同AIPシンポジウム

2024年度 JST-理研 合同AIPシンポジウム

文部科学省のAIPプロジェクト(※)の実施機関である国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) AIPネットワークラボおよび国立研究開発法人理化学研究所 革新知能統合研究センター(理研AIPセンター)は、連携してAIPプロジェクトの一体的な運営を推進しています。
生成AIをはじめとしたAI技術は、一般に広く認識され、社会に適用される場面が増えてきましたが、セキュリティなどより具体的な課題が明らかになってきています。このような状況を踏まえ、本シンポジウムでは、第一部では、AIや、IoT技術の研究に取り組むJSTのAIP加速課題の研究者と理研AIPセンターの研究者が最新の研究成果を紹介し、第ニ部では、「セキュリティ・医療分野におけるAI技術の確立に向けて」と題して、研究者の成果発表後にミニディスカッションを行います。講演や対話を通じて、研究者のアイデアや視点を探り、未来への可能性を広げる場となることを目指します。
皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

 

(※)AIP(Advanced Integrated Intelligence Platform)プロジェクトは革新的な人工知能技術を中核として、ビッグデータ、IoT、サイバーセキュリティを統合した研究開発を行うプロジェクトです。

開催概要

イベント名
2024年度 JST・理研 合同AIPシンポジウム
~ AI研究の最前線 ~
日 時
2025年2月3日(月)10:30 ~ 15:35 (接続開始 10:00)
主 催
国立研究開発法人科学技術振興機構 AIPネットワークラボ
共 催
国立研究開発法人理化学研究所 革新知能統合研究センター
開催形式
オンライン開催(事前登録制)
本シンポジウムはビデオコミュニケーションツール「Zoom」を使ったオンラインイベントです。
参加費

無料

参加登録

下記の申し込みフォームより事前にお申込みください。(申し込み期限2月3日 15時 )
登録いただいた方には、参加用URLをお送りします。

プログラム

※プログラムは現時点での予定です。変更がありましたら、本ページの更新を行います。

10:00

接続開始

開会挨拶

10:30

杉山 将 理研AIPセンター長

来賓挨拶

10:35

情報科学技術分野に係る施策の動向
国分 政秀 文部科学省 研究振興局 参事官(情報担当)

両機関紹介

10:45

理研AIPセンターの取組
杉山 将 理研AIPセンター長

10:52

JST AIPネットワークラボの取組
江村 克己 JST AIPネットワークラボ長(福島国際研究教育機構 理事)

第一部 研究成果発表

11:00

機械学習によるストレッチャブルスマートデバイスへの展開
太田 裕貴 横浜国立大学 大学院工学研究院 准教授

11:20

オンライン機械学習による逐次的意思決定理論の拡張
伊藤 伸志 理研AIPセンター 汎用基盤技術研究グループ 逐次的意思決定チーム チームリーダー

11:40

胚培養士の能力接続による易しい顕微授精システム
青山 忠義 名古屋大学 大学院工学研究科 教授

12:00

AI駆動科学の再現性を支える統計的信頼性評価
竹内 一郎 理研AIPセンター 目的指向基盤技術研究グループ データ駆動型生物医科学チーム チームリーダー

12:20

休憩

第二部 セキュリティ・医療分野におけるAI技術の確立に向けて

13:30

技術標準によるAIのマネジメント
橋田 浩一 理研AIPセンター 社会における人工知能研究グループ 分散型ビッグデータチーム グループディレクター/チームリーダー

13:50

秘匿計算による安全な組織間データ連携技術の社会実装
花岡 悟一郎 産業技術総合研究所 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター 首席研究員

14:10

脳画像と機械学習を用いた「心の病」を客観的に診断する技術
山下 宙人 理研AIPセンター 目的指向基盤技術研究グループ 計算脳ダイナミクスチーム チームリーダー

14:30

精神医学×メディア解析技術の展開:精神疾患への介入の挑戦
佐藤 真一 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授

14:50

ミニディスカッション
ファシリテーター:上田修功(理研AIPセンター副センター長)
パネリスト:橋田 浩一、山下 宙人、花岡 悟一郎、佐藤 真一、岸本泰士郎(慶應義塾大学 医学部)

閉会挨拶

15:30

江村 克己 JST AIPネットワークラボ長(福島国際研究教育機構 理事)

講演者紹介/講演概要

  • 太田 裕貴 写真

    「機械学習によるストレッチャブルスマートデバイスへの展開」

    太田 裕貴 横浜国立大学 大学院工学研究院 准教授

    世界的な先進IoT技術及びDXの高い要請がある一方で、先進IoT技術の1つであるストレッチャブルデバイス(ハード)と機械学習(ソフトウェア)の融合は成し得られていません。また社会実装も実現していません。さきがけ研究で行ってきたシステムレベルでのストレッチャブルデバイスに新たに機械学習というソフトウェア技術を共同研究企業と組込むことで社会実装のための試金石的ウェアラブルアプリケーションの開発を目指します。

  • 伊藤 伸志 写真

    「オンライン機械学習による逐次的意思決定理論の拡張」

    伊藤 伸志 理研AIPセンター 汎用基盤技術研究グループ
    逐次的意思決定チーム チームリーダー

    予測の不確実性や環境の変動の中で、逐次的に合理的な判断を下すためのアルゴリズムや理論の開発に取り組みます。近年、情報技術の進化と共に、大量のデータがリアルタイムで生成される現代において、そのデータを基に合理的な意思決定を行う技術が求められています。この課題に対応するため、変動する環境の中での効果的な意思決定アルゴリズムの理解と、それを支える理論体系の構築・拡張を目指し、オンライン学習やバンディット問題、強化学習などに関連した研究を推進します。

  • 青山 忠義 写真

    「胚培養士の能力接続による易しい顕微授精システム」

    青山 忠義 名古屋大学 大学院工学研究科 教授

    生殖補助医療(不妊治療)への需要増加に伴い、受精卵作成・培養などの配偶⼦・胚操作を⾏う専⾨の技師「胚培養⼠」が全国の病院・クリニックで不⾜しており、大きな課題となっています。我々は、胚培養士に頼らずとも配偶⼦・胚操作を可能とする技術開発に取り組んでいます。この講演では、生殖補助医療における顕微授精を簡便化する取り組みとして、胚操作の初学者に対して胚培養士が獲得した能力を使用可能とする「能力接続」の技術と、能力接続技術を用いた「易しい顕微授精システム」を紹介します。

  • 竹内 一郎写真

    「AI駆動科学の再現性を支える統計的信頼性評価」

    竹内 一郎 理研AIPセンター 目的指向基盤技術研究グループ
    データ駆動型生物医科学チーム チームリーダー

    AIを科学分野で活用することにより、これまでのアプローチでは不可能であった科学発見が期待されています。一方、科学が健全に発展するには再現性の確保が必要であり、AIによって得られる知識の信頼性を定量化することが求められます。しかしながら、深層学習モデルなどは複雑な演算を行うため、従来の統計学のアプローチをそのまま利用することは難しいです。本講演では、AI駆動科学のための統計的信頼性評価法に関する最近の動向の我々の取組を紹介します。

  • 橋田 浩一写真

    「技術標準によるAIのマネジメント」

    橋田 浩一 理研AIPセンター 社会における人工知能研究グループ
    分散型ビッグデータチーム グループディレクター/チームリーダー

    2年後に公刊される予定のISO/IEC 24970 "AI system logging"はAIシステムを管理するためのロギングに関する規格であり、欧州標準として採用されて欧州AI法の整合標準(法律とほぼ同じ拘束力を持つ規格)になる見込みです。各利用者のもとでのロギングを義務付けることで、ログデータの管理を利用者に分散し、それによりログデータをフル活用してAIシステムのリスクを低減し価値を最大化することを狙います。

  • 花岡 悟一郎写真

    「秘匿計算による安全な組織間データ連携技術の社会実装」

    花岡 悟一郎 産業技術総合研究所 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター 首席研究員

    秘匿計算の実利用を積極的に検討する外部企業・機関と連携し、社会実装に向けた具体的な要望に応える実用的秘匿計算システムの研究開発を行います。先端秘匿計算技術に基づき得られた成果を、これらの企業・機関に提供することで、組織内の機密データを外部に漏らすことなく、異なる組織間でのデータの相互活用やデータ分析のアウトソーシングを可能とする技術の社会実装と普及を目指します。

  • 山下 宙人写真

    「脳画像と機械学習を用いた「心の病」を客観的に診断する技術」

    山下 宙人 理研AIPセンター 目的指向基盤技術研究グループ
    計算脳ダイナミクスチーム チームリーダー

    うつ病や統合失調症など、精神科が扱う心の病は、従来、問診から得られた症候に基づいて診断や治療が行われ、生物学的なデータを用いた客観的な検査はほとんど利用されてきませんでした。本講演では、近年急速に進展している脳研究と機械学習の技術を組み合わせて、客観的に精神疾患を見分ける取り組みについて紹介します。

  • 佐藤 真一写真

    「精神医学×メディア解析技術の展開:精神疾患への介入の挑戦」

    佐藤 真一 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授

    私たちは、これまでに、うつ病、統合失調症、認知症等の精神疾患の自動検出について検討を行ってきました。その結果、SNSユーザなど一般の人の中にも、ストレス度の高い人や精神疾患の兆候が見られる人があることがわかってきました。本研究では、こうした人を「治療」する技術の実現に向けて検討を行います。具体的には、症状のより詳細な分析により、どのような介入を行うのがよいかを自動的に判断する技術の実現を目指します。

お問い合わせ

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K's五番町
国立研究開発法人科学技術振興機構 戦略研究推進部 ICTグループ AIPネットワークラボ
aip-lab[at]jst.go.jp(左記の[at]を@に置き換えてください)