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平成29年1月25日

国際科学技術協力基盤整備事業
「日台研究交流」における平成28年度新規課題の決定について

 JST(理事長 M口 道成)は、国際科学技術協力基盤整備事業「日本−台湾研究交流」注1)において、台湾科学技術部(MOST)注2)と共同で「超高齢社会における高齢者のケアと支援のためのICT」分野に関する研究交流課題の募集および審査を行い、平成28年度新規課題として以下の3件を決定しました。

(1)「超高齢化社会における社会参加のための人間拡張・遠隔就労技術の研究」

(研究代表者:東京大学 先端科学技術研究センター教授 稲見 昌彦、国立台湾大学 資訊工程学系 教授 陳 炳宇)

本研究交流は、ヒューマン・コンピューターインタラクション、バーチャルリアリティ、人間拡張技術を活用してテレワークに伴う高齢者特有の心理的・身体的制約を打破し、元気な高齢者の遠隔就労と社会参加の促進を支援する「超人テレワークシステム」の実現を目指すものです。

(2)「超高齢社会における高齢者のための情報想起支援」

(研究代表者: 東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 奥村 学、国立台湾大学 資訊工程学系 教授 陳 信希)

本研究交流は、高齢者が他者と会話などをしている状況において、明示的な検索要求なしで会話の文脈などの情報を利用することで、思い出せない過去の経験などについての情報想起を支援するシステムの実現を目指すものです。

(3)「高齢者のための革新的仮想視覚・力覚刺激呈示システムの開発」

(研究代表者: 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授 加藤 博一、国立成功大学 生物医学工程学系 特別教授 蘇 芳慶)

本研究交流は、高齢者の手先運動リハビリテーションについて、バーチャルリアリティ技術による可視化と人の視触覚相互作用を活用して、手先の繊細なコントロール感覚の維持・獲得を個人が効率的に行うことを支援する福祉機器の実現を目指すものです。

 今回の研究交流課題の募集では24件の応募があり、これらの応募課題を日本側および台湾側の専門家により評価しました。その結果をもとにJSTおよびMOSTが協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、日本と台湾がともに支援すべきと合意した3件を支援課題として決定しました。日本側と台湾側ともに平成29年4月に支援開始を予定しています。研究期間は支援開始から3年間の予定です。

注1) 国際科学技術協力基盤整備事業「日本‐台湾研究交流」
 2007年9月にJSTとNSCの間で覚書を締結。両者の間では、2008年度(平成20年度)に「ナノデバイス」分野の研究交流課題の共同公募を実施して以降、「バイオエレクトロニクス」分野、「バイオフォトニクス」分野、「IoTにおけるセキュリティ技術」分野、「セキュアでディペンダブルなIoTポータブルデバイスのための研究」分野で公募を実施してきました。2016年度(平成28年度)は分野を変更し、「超高齢社会における高齢者のケアと支援のためのICT」で公募を実施しました。

日本‐台湾研究交流ホームページURL: http://www.jst.go.jp/inter/kiban/taiwan/taiwan.html

注2) 台湾科学技術部(MOST:Ministry of Science and Technology)
 1959年に設立され、科学技術発展の促進、学術研究支援、サイエンスパーク発展をミッションとする台湾の機関である国家科学委員会(NSC)から2014年に改組された機関。改組により、学術研究と産業発展のさらなる連携を促進し、科学技術発展に尽力するファンディング機関としての機能を果たし続けています。

MOSTホームページURL: http://www.most.gov.tw/

添付資料

別紙1:国際科学技術協力基盤整備事業「日本‐台湾研究交流」平成28年度新規課題 一覧

別紙2:国際科学技術協力基盤整備事業「日本‐台湾研究交流」評価委員(日本側) 一覧

参 考:国際科学技術協力基盤整備事業「日本‐台湾研究交流」平成28年度新規課題の採択に関して

お問い合わせ先

科学技術振興機構 国際科学技術部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
平川 祥子(ヒラカワ ショウコ)

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