優れた研究を支援し、成果が出たときの喜びは格別です。

戦略研究推進部 ICTグループ 調査役

舘澤博子

園芸学研究科(農芸化学専攻)修了
1996年入職

PERSON JSTの人

01 基礎研究を推進するファンディングプログラムに携わる

 大学で農芸化学、大学院では細胞生物学を専攻。大学時代の友人が先に入職していたので、JSTのことは知っていました。ちょうどJSTが生命科学系のデータベース構築を始めていた時期で、自分が研究していた分野が活かせるという期待もあって入職を決めました。
 入職してから何度か部署を異動し、業務も変わりました。最初の部署ではヒトゲノムのデータベース構築関連の業務を担当し、その後、基礎研究を推進するファンディングプログラムの一つであるCRESTを担当し、経営企画部で男女共同参画に関する業務、バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)でデータベースの運営と、データベース構築のためのファンディングプログラムの推進業務を経て、2019年からは現在の部署でCREST、さきがけ、ACT-X、ACT-Iなどのファンディングプログラムを手がけるほか、AIPネットワークラボ(*1)の運営も担当しています。

02 オープンな雰囲気をつくり、各メンバーの特性を活かす

 国から示される戦略目標の達成に向け、研究者の研究支援を行うのが現在の業務です。戦略目標が設定されたら、外部有識者の意見を踏まえて研究領域を設定します。その後、研究領域の運営を担っていただく研究総括やアドバイザーを委嘱し、その研究領域で活躍する研究者の公募を行って研究者を採択します。採択された研究者の研究推進を支援し、評価も行います。特に研究領域の設定、研究総括の人選は大きな役割の一つです。
 ICTグループのメンバーは30人ほどで、全員で20ほどの研究領域を担当しています。私は課長級としてグループ全体の業務を統括し、グループが担当する業務の方向性を示す役割を果たしています。メンバーには、なるべく楽しく仕事をしてもらえるようにと心がけています。オープンな、何でも話せる雰囲気をつくり、各人がそれぞれの特性を活かして働き、グループ全体で成果が出るようにしたいと考えています。
 ICT分野の特色は、若手研究者の活躍がめざましいことです。ACT-Xという新しいプログラムが2019年から始まりましたが、このプログラムは優れた若手研究者を発掘し育成することを目的としており、大学院生から参画できるようにしています。またAIPネットワークラボ関連では日独仏3カ国による共同研究(*2)の公募をしています。これは、日独仏の関係機関間で議論を重ねた結果として実現したプログラムであり、3国の連携課題としてどんな研究が行われるのか、とても楽しみです。

03 女性にとっても働きやすく、やりがいのある仕事現場

 JSTの仕事のおもしろさは、最先端の研究や優秀な研究者に触れられること。JSTではノーベル賞を受賞された先生の支援を行った実績もありますし、現在のように、若手研究者の支援プログラムに携わっていると、研究者が成果を出して活躍していく姿を間近に見ることができます。例えば、山中伸弥先生がiPS細胞でノーベル医学生理学賞を受賞された後、さまざまな関連プロジェクトやシンポジウムが開催されたのですが、JSTのいろいろな部署が進んで連携し、JST全体が一体となって取り組んでいたことが強く印象に残っています。
 また、プライベートでは2001年に結婚し、2004年に長男を出産、その後も二人の子に恵まれました。JSTの育児休業や時短勤務などの制度をうまく使いながら、夫の協力も得て、三児の母として育児と仕事を両立してきました。JSTは女性にとっても働きやすい環境が整っている会社です。女子学生の方々にも、安心してJSTに来てほしいと思います。

(*1)AIPネットワークラボ
文部科学省が2016年に開始したAIPプロジェクト(人工知能/IoT/ビッグデータ/サイバーセキュリティ統合プロジェクト)の実施機関として、若手研究者の意欲的な研究を支援しています。 https://www.jst.go.jp/kisoken/aip/index.html

(*2)日独仏3カ国による共同研究
JSTと、ドイツ研究振興協会(DFG)、フランス国立研究機構(ANR)が連携し、3ヵ国での共同研究を支援するプログラムです。

主な経歴

1996年4月 研究基盤情報部(ヒトゲノムのデータベース構築関連業務を担当)
2001年4月 戦略的創造事業本部研究推進部(CRESTプロジェクトを担当)
2004年 第一子育児休業
2006~2007年 第二子育児休業
2009年4月 イノベーション推進本部
2009~2011年 第三子育児休業
2012年4月 経営企画部(男女共同参画業務を担当)
2013年10月 バイオサイエンスデータベースセンター
2019年4月 戦略研究推進部
※所属部署および掲載内容は取材当時のものです
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