九州大学 応用力学研究所 海洋プラスチック研究センター 助教
環境動態解析、大気水圏科学
中野氏は、海洋マイクロプラスチックの実態解明と検出法の開発を通じて、国際的に顕著な成果を挙げている。東京湾から東南アジアにかけての広範なフィールド調査を主導し、モンスーンや河川流入がマイクロプラスチック動態に与える影響を解明。その研究は、東南アジアを拠点とする共同研究や国際標準化活動を通じて、学術的な貢献と社会的な波及効果の両面で高く評価されている。開発途上国でも安価にマイクロプラスチックを分析できる技術の開発は、独創的かつ社会貢献度の高い実績である。
研究活動と並行して後進育成にも尽力し、福岡市では環境モニタリング委員を務めている。研究力、社会貢献、国際性のいずれの面でも卓越した実績を残しており、今後のさらなる活躍が期待される研究者である。
(学長 櫻木 弘之)
大阪公立大学は、先進的なビジョン「景色を変える」を掲げ、独自の「OMU女性教員昇任制度」を制定。学長と人事委員会によるリーダーシップの下、各部局で昇任条件を満たした女性教員が、ポストに空きがなくても昇任可能にするもので、わずか2年間で女性教授13名、准教授6名を新たに任用している。また、次世代の女性研究者育成として、学生主体の「理系女子大学院生チームIRIS」を設立し、地域との連携を通じたアウトリーチ活動を展開している。この活動は15年以上にわたり継続しており、全国的にも高い評価を受け、次世代女性研究者育成のモデルケースとなっている。IRISを通じて、地域や企業との協働を促進し、女性の社会進出や活躍の場を広げることにも寄与している。
これらの取り組みは、他大学における制度設計のヒアリング対象にもなっている。女性の社会進出を後押しし、未来の研究者を育てるための同校の革新的な取り組みは、他機関の模範となるものである。
東京科学大学 脳神経機能外科学分野 講師(キャリアアップ)
脳神経外科、脳血管障害、もやもや病、神経科学、認知機能
原氏は脳神経外科診療を行う臨床研究医として、厚生労働省が定める指定難病で脳血管のまれな病気である「もやもや病」に関する先駆的な研究を推進している。医学部卒業後わずか10年で、全国有数のもやもや病診療実績がある施設の診療研究責任者に任命されている。脳神経学の分野において、日々変わりゆく臨床現場での経験を生かし、多様な視点から同時進行で複数の研究を推進している。論文数と論文引用数がその実力を示している。
研究活動と並行して、学会の理事や委員を務めるほか、ダイバーシティ推進、高校生や患者会への啓発活動にも積極的に取り組んでいる。脳神経外科医と研究者という2つの優れた側面を持ち、医療界における女性のロールモデルとして、今後のさらなる活躍が期待される希少な人材である。
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