
明治大学 農学部 農芸化学科 食品機能化学研究室 特任講師
食品機能化学
戸田氏は、味覚受容体のうち、特に旨味受容体の高感度機能評価法を開発し、鳥類や、霊長類における旨味受容体の分子進化を追究し、味覚分子論研究で世界を牽引している。甘味受容体遺伝子を失った鳥類の一部が、旨味受容体を使って花蜜など甘い食物を検出するようになったメカニズム、霊長類の旨味受容体が進化の過程でその感受性を変化させるプロセス、旨味成分がヒトの食嗜好性に寄与する特殊なメカニズムなど、独創的でスケールの大きな成果は特筆に値する。
研究以外の社会貢献においても、多くのシンポジウムなどでの講演を積極的に行うほか、海外の科学ドキュメンタリー番組の制作に協力するなど、国内外への情報発信を熱心に行っている。
東北大学は、「サイエンス・エンジェル制度」(現サイエンス・アンバサダー制度)により女子中高生の理系進学の促進をするほか、全学としても女性教職員の積極採用や上位職登用、女性研究者の育成支援、無意識のバイアス払拭の啓発など、早い段階からの継続した取り組みにより、女性教員比率や博士課程の女性比率の向上などの成果を上げている。
また、女性研究者の活躍推進に向けた国内外の大学との連携、各種データを公開・発信するなど、総じて他機関のモデルになり得る。
東京大学 生産技術研究所 講師
生物物理工学
杉原氏は、細胞膜を構成する脂質を中心にナノ材料分野において顕著な成果を上げながら、近年では抗菌効果を持つペプチドや医療用不織布マスクについても研究対象を広げている。基礎研究のみならず、商品開発プロジェクトを立ち上げ、多数の外部資金の研究リーダーを務めるなど、チャレンジ精神に満ち溢れた幅広い研究活動を行っている。
研究以外の社会貢献においても、欧州で研究室を主催してきた自身の経験を生かしたキャリアパスに関する講演や、所属機関の女子中高生向けイベントの開催など積極的な活動を行っている。
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