GIES Global Innovation Ecosystem

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シンポジウム

サマリー

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閉会

生駒 俊明
GIES2007組織委員会委員長
独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター長

本日のシンポジウムから参加者の皆さんが、何かしら得ることができたことを期待する。

昨年はじめてこの会議を京都で開催した。「グローバル・イノベーション・エコシステムは何か」、特に「グローバルのシステムとは何か」「エコシステムとは何か」等については昨年まさに議論を行ったので、是非、2006年のGIESのホームページをご参照いただきたい。

 本日は、まずイノベーションとはどのようなものであるかということについて議論した。これは各人様々な、考えや定義があるので、議論がどうなるのか心配していた。ここで言うイノベーションは広義で創造的破壊を伴って社会システム全体を変え、そして経済の発展の原動力になるようなイノベーションを対象にしているが、本日のスピーカー、パネリストの方々は共通した概念をおもちだっだので、議論がうまく進んだ。

 ただし、グローバル・イノベーション・エコシステムを語るときに、「グローバル」ではなく「ナショナル」を語っていたところも否めないため、「ナショナル・イノベーション・エゴシステム」になるのではないかと心配していた。そういう意味では黒川さんとDeborahさんの話は非常に対称的だったのではないか。

 デボラさんのInnovate Americaは、強いアメリカをさらに強くするために、台頭する中国やインドに対抗して、国際競争力をさらに強化するためにイノベーションエコシステムという強固な政策を打ち出した。

 それに比べて、黒川さんのイノベーション25は、日本の今の子どもや将来の人たちのためにどうするのか、安全・安心・健康、そういう社会をつくるにはどうするか、世界に開かれた日本をどうするかという点において極めて対称的であった。どちらが政策として正しいかについては、数年後にわかると思うが、私は若干日本のイノベーション25のほうが柔いなと思っている。

 更に、グローバルといいながら、グローバルな視点から考察することがあまりなかったことが、今後の課題だとわれわれは受け止めている。

 昨年行った国際会議では、極めてはっきりと、そういう点が議論された。世界の問題、グローバルな問題、黒川さんの話にもあった、エネルギーの問題、そしてSustainable energy、Sustainable food、Climate changeといったグローバルな問題を解決するには、各国あるいはリージョンが協力をしてこの問題を解決しなければいけない。そのためには各国が、一番得意な分野を発揮して、解決していく必要がある。そのためのグローバル・イノベーション・エコシステムなのである。

 経済では、既にDeborahさんがふれたように、それぞれの国の強みを結集してグローバリー・インテグレーテッド・エンタープライズをつくる。AppleのiPodはその一例である。このような例を広げて、グローバル・イノベーション・エコシステムを構築することで、社会問題の解決へとつなげていく必要がある。明日、我々は招待ベースではあるが会議を開催してグローバル・イノベーション・エコシステムは一体どういうことをやらなくてはいけないか、各国がどういう役割を担うべきかということを議論する予定である。今後、来年日本がホストとなるサミットに向けて、このグローバル・イノベーション・エコシステムをつくろうではないかという提案をしていく所存である。是非、われわれの行動を注目していただき、いろいろなご支援、ご指導を頂きたいと思っている。

 本会議は、内閣府、日本学術会議、経団連という公式団体が主催のため、最後に委員会声名を出し、本シンポジウムのまとめをさせていただく。これを土台に、来年に向けていろいろな活動をしていきたい。声明を内閣府の経済社会総合研究所の干場さんに読み上げていただく。

干場 静夫(内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官)

GIES2007組織委員会声明読み上げ

生駒
成功裏に終わることが出来たことを、関係各位に感謝し、本日のシンポジウムを終了したい。

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