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平成21年度シーズ発掘試験 研究概要(情報通信・環境)

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 高速ネットワーク:6件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
359 高速・ネットワーク通信社会を実現する高機能フィルタの開発と応用 石田 等 群馬工業高等専門学校 上石 洋一 群馬県 無線を使った高速ネットワーク通信社会において限りある周波数を有効に使うためには,急峻なスカート特性を持つ帯域通過フィルタ(BPF)の低損失・小型化が必要である.急峻なスカート特性を持つBPFを実現するため通過域の両側に減衰極を任意に設定できるBPFを考案し,最適設計理論を構築し学会発表を行っている.本シーズ発掘試験研究では,この高性能BPFを外部制御信号によりチューナブル化を目指す.
460 高性能直列接続負荷形超高周波ドハティ電力増幅器の実現 高山 洋一郎 電気通信大学 小島 珠世 電気通信大学 CDMAなど高速移動体通信方式の基地局送信増幅器などでは広ダイナミックレンジの電力効率向上がキーとなっている。本提案では、このような要求に対応する増幅器として注目されているドハティ増幅器に直列接続負荷構成であるプッシュプル形を導入することにより、広ダイナミックレンジで高効率の電力増幅器を開発する。トランジスタには基地局などへの実用化が期待されている高性能GaN HEMTを使用する。
873 高効率スローライト生成を利用した全光バッファメモリの開発 鈴木 健伸 豊田工業大学 後藤 文夫 豊田工業大学 光ファイバのブリルアン増幅を用いた光バッファメモリは、増幅過程でパルス幅が広がるために記憶容量が低下し、わずか1ビットの容量しか得られないと考えられてきた。本研究では、独自のdouble-gain and zero-gain法と高非線形のテルライトファイバとを用いることで、誘導ブリルアン増幅によるパルス広がりを極限まで抑制し、遅延時間とビットレートで決まる最大値まで記憶容量容量を増大し、これまで開発されていない高効率で実用的な可変全光型バッファメモリを実現することを目的とする。
878 複数送受信アンテナを用いた超高信頼無線データ伝送方式の開発 岩波 保則 名古屋工業大学 山田 義憲 (財)名古屋産業科学研究所 安全走行の為のITSや工場内ロボット制御における無線制御信号の伝送に於いては、再送は許されずリアルタイム性と誤動作防止の為の超高信頼性を有する無線通信が必要である。本試験研究では、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを使用するMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術、強力な軟値LDPC誤り訂正復号技術、及び高性能等化器技術を組み合わせた時空間符号化方式を用い、ITSや工場等の劣悪な環境においても、超高信頼な制御用データの無線通信を実現する。
1482 低消費電力で超高速・長距離伝送が可能な光OFDMシステムの開発 安 昌俊 広島市立大学 山田 洋 広島市立大学 大容量映像信号など通信容量の急増に対応するために、通信速度を現在広く使われている10Gbpsから100Gbpsに高速化する研究開発と長距離伝送の実現を目指して様々な研究・開発が行われている。本研究は、超高速・長距離伝送を実現する事を目的とし、光OFDMの実用性の向上とさらなる高性能化を目指した研究開発である。
1579 フォトニックルーティングのためのPSK光ラベル識別用光集積回路の開発 後藤 信夫 徳島大学 大塩 誠二 徳島大学 将来のフォトニックネットワークとして高速ルーティングが可能な光ラベルルーティングシステムが期待されている。ルータにおける光ラベル処理の主要要素として、ラベル識別がある。本研究では、光ルータへの適用を目指して位相シフトキーイング(PSK)符号による全てのラベルに対して識別処理を光学的に行う光集積回路の開発を目的としている。特に、光波の導波路回路におけるユニークな干渉・伝搬特性を最大限に活かした受動的光回路の開発を行う。

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 セキュリティ:6件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
22 耐量子計算機暗号の高速実装に関する研究 白勢 政明 公立はこだて未来大学 宮嶋 克己 公立はこだて未来大学 代数曲面暗号は、他の耐量子計算機暗号と比較して鍵サイズを削減できるが、処理において計算時間とメモリを多く必要とする多項式因数分解や多元線形方程式の解が必要となるため、高速実装が重要である。代数曲面暗号の実用化に向けPCやユビキタスデバイス(MICAzやIMOTE)への代数曲面暗号の高速実装手法を確立し、従来の公開鍵暗号との処理速度、メモリの使用量の比較分析を行う。
23 電子認証局による証明書を必要としない公開鍵暗号方式の開発 高木 剛 公立はこだて未来大学 宮嶋 克己 公立はこだて未来大学 次世代暗号として注目を集めているペアリング暗号により、電子認証局による証明書を利用しない公開鍵暗号方式を研究する。特に、通信量や電子署名の検証コストが削減でき、更にキーエスクローの問題も解決できる方式を考案する。また、ユビキタスディバイスMICAzを利用したセンサーネットワーク上において提案する暗号方式を実装し有効性を評価し、実用システムに用いる際の検証データを取得することも目指している。
414 非整数次フーリエ変換を利用した高速情報暗号化システムの開発 吉村 博幸 千葉大学 小寺 宏曄 千葉大学 本課題では、処理コストが高い現在主流の公開鍵暗号方式に比べて、セキュアで高速処理可能な情報暗号化システムの開発を目的とする。具体的には、情報通信の主役である画像に着目し、デジタル画像暗号化手法および光演算処理による高速画像暗号化手法の設計指針の確立を目指す。特に、次数の異なる非整数次フーリエ変換を瞬時に実現する光学的手法の開発は高速化のキーポイントであり、プロトタイプモデルの試作に挑戦する。
553 暗号鍵の生成・管理を考慮したディジタル動画像のアクセス制御 今泉 祥子 新潟県工業技術総合研究所 阿部 淑人 新潟県工業技術総合研究所 圧縮符号化された画像が、受信側のユーザ用途に合わせて様々な品質で復号できる符号化方式をスケーラブル符号化という。スケーラブル符号化を用いた画像配信では、各ユーザが要求する品質でのみ復号できるための著作権保護が必要となる。著作権保護手段の一つに暗号化が挙げられるが、鍵生成にかかる処理時間と配送・管理の安全性が課題となっている。復号品質に応じたディジタル静止画像のアクセス制御に関しては先行研究を行ってきた。本研究では、上述の課題を考慮して先行研究を動画像に拡張する。
694 シークレットキー生成に適した多レベル符号化法による暗号化変換機の開発 田邉 英彦 福井大学 巽 信夫 福井大学 本研究は、情報ネットワークシステムにおけるセキュリティの向上を図るため、秘密鍵(シークレットキー)の新しい生成法を開発することを目的とする。その手法として、盗聴者には予測・制御できないランダムな事象を利用した一つの方式を提案する。本研究における主目標は、無線通信システムにおける通信路情報を暗号化の秘密鍵(シークレットキー)として使用する際に、推定確度を向上させるための符号化法について、吟味し実装することである。
705 安全な情報の提供を可能にする認証付データ構造の開発 廣瀬 勝一 福井大学 坪内 彰 福井大学 情報の所有者が、多数の利用者による検索要求などに応えるため、複数の出版者に情報の複製を渡して利用者への情報の提供を依頼する状況を考える。このとき、出版者の不正によりデータが改ざんされ、利用者への情報提供に支障が生じないよう、所有者は何らかの方法により提供される情報の完全性を保証しなければならない。本研究は、利用者からの質問に対して、それに適合するデータを、改ざんされていないこと、すなわち、完全性を保証する証明をつけて提供することのできる認証付データ構造の開発を目的とする。

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 サービス・アプリケーション:18件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
16 ユビキタスネットワーク向けの信頼性の高いルーティングプロトコルの開発 高橋 修 公立はこだて未来大学 宮嶋 克己 公立はこだて未来大学 ユビキタス時代の到来に備え、アドホック性、モバイル性を考慮した新しいネットワーキング基盤の構築が必須である。しかし、現状の技術では通信経路が長経路になった場合には、無線の特性からパケットの損失率が著しく大きくなる(45%程度)ことが分かっている。そのため、パケット損失率を向上しかつ制御オーバヘッドが少ない新しい高頼で高効率な「ルーティングプロトコル」について研究する。研究は実用化を前提に、プロトタイプによる実証評価を行うことを目標とする。
168 海女の潜水エキスパートシステム開発 細川 靖 八戸工業高等専門学校 佐々木 健一 八戸工業高等専門学校 小中学生が安全に水産業を学ぶ体験学習の機会が少なく、後継者不足等の問題に影響している。母から娘へ受け継がれてきた岩手県久慈市小袖海岸の「北限の海女」の潜水技術、この継承の問題がある。そこで、海女の潜水時のデータを取得し、仮想空間で再現することで、児童でも安全に容易に海女の潜水技術を学習可能とするため、海女の潜水エキスパートシステム開発に関する研究を行う。
283 農業用低価格低消費電力無線伝送方式の開発と用水路監視への応用 行松 健一 秋田大学 仙波 日出夫 秋田大学 農業分野でのICT活用は、今後の農業振興に不可欠であるが、技術とニーズとの整合が十分に検討されていないこと、導入・維持コストが大きな障壁になっていることなどの理由から、実用化はあまり進んでいない。本提案は、これまでの研究で蓄積した技術シーズをさらに発展させ、具体的なニーズ「秋田県大潟村での用水路管理を効率的に行うための自動水位計測・遠隔監視システムの構築」に応えようとするものである。
423 マルチモーダル適応型のインテリア・コーディネート・システム 柴田 滝也 東京電機大学 鈴木 通夫 東京電機大学 住宅やオフィスの室内空間から喚起されるイメージを自動推定し、その推定されたイメージをもとに、家具や照明をコーディネートする仕組みに関する技術である。ユーザーが自宅であたかも専門家に頼んだように、現実に近い形で判断可能なインテリア・コーディネートが行えるシステムを開発する。部屋のイメージから家具を検索し、さらに、その部屋と家具のイメージに合う照明なども自動的に検索するシステム構築を目的とする。
454 主観的な指標に基づく学び合い教え合い支援技術の研究開発 加藤 俊一 中央大学 今井 文明 中央大学 コミュニティ内での学び合い教え合いを例に、知識修得における得手・不得手意識、自分にとって得意な学び方・教え方、相手に対する親近感などの主観的な指標を、日々の学習活動から抽出・分析・モデル化する技術を開発する。これらの技術を、本学理工学部で試作・運用中の学び合い教え合い支援環境(キャンパスコミュニティエイド)に組み込み、学び合い教え合いを通じたコミュニティ活性化のための情報基盤の確立を目指す。
757 牛肉の脂質評価法の開発と応用 田中 等幸 岐阜県情報技術研究所 稲葉 昭夫 岐阜県情報技術研究所 牛肉の品質評価は目視によって決定されるが、目視評価に加えて、おいしさの要因とされている脂質を評価することが求められている。現行の脂質評価は、理化学的検査によって行われているが、この方法は破壊試験であり、結果を得るために時間を要することから、枝肉市場への適用は困難である。そこで本研究では、牛肉の脂質の含有割合を非破壊かつ迅速に推定する手法を開発し、客観的な肉質の評価技術の確立に寄与する。
893 関係型データマイニングに基づく統合的データ分析システムの開発 犬塚 信博 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 データに潜む規則性を獲得するデータマイニング(DM)技術において、関係型DMは述語論理を基礎に論理パターンを抽出する。関係型DMは物質、文書、回路、組織など、構造的対象の分析に有用だが計算負荷が高い。代表研究者が開発してきた計算負荷軽減の技術をもとにデータ分析システムの完成が目標である。標準的データベース(DB)と接続する実装方式、目的志向的操作性、抽出知識の可視化/再利用技術を含む統合システムのプロトタイプを開発する。
971 GSCIPによるリモート学内サービスの提供 渡邊 晃 名城大学 松吉 恭裕 名城大学 現状、組織のネットワークとインターネットの間にはNAT(Network Address Translator)が必要で、インターネット側からの通信開始ができないという大きな制約がある(NAT越え問題)。代表研究者は、GSCIP (Grouping for Secure Communication for IP;ジースキップ)と呼ぶ独自のネットワークアーキテクチャで、セキュリティを確保しつつNAT越えの問題を解決する方法を確立した。本研究では、学内情報センターとの協力のもとにGSCIPを学内ネットワークに実際に適用しその課題を洗い出す。
1054 オントロジーマッピングによる情報協創システムの研究 服部 文夫 立命館大学 中川 真由美 立命館大学 ネットワーク上のコミュニティではブログによる情報発信や写真共有などが活発に行われている。本研究はユーザが発信・交換する個別情報や知識を集積し、自動的に体系化することで、コミュニティに有益な情報を協創するシステムを構築する。投稿情報を解析し、キーワードをメタデータとともに共有サーバーに登録する。あらかじめ用意された知識の概念体系(オントロジー)と対応づけ、それらを自動的に整理し、全体として有益な知識情報群を体系化する。
1055 Webブラウザを活用した失語症者向け遠隔会話支援システムの開発 桑原 和宏 立命館大学 中川 真由美 立命館大学 失語症の方を対象としてネットワークを介した遠隔地間の会話を支援するシステムを開発する。具体的には、ビデオチャットと組合せて、会話の助けとなる情報を遠隔地間の画面で共有し、さらに表示した情報のどこに注目しているかを遠隔地間で共有することにより会話を支援する。ここでは、単なる画面共有ではなく、会話のモデル化を通して共有すべき情報を適切に選択するメカニズムを考案することにより、スムーズな会話支援を実現する。
1056 オンラインゲームのボットに対するロバストな発見法 THAWONMAS Ruck 立命館大学 山本 淳一 立命館大学 オンラインゲームにおける不正ボットの使用は社会問題として認識されている。ボットとは、プレイヤーが本来行うべきゲームの操作を完全にプログラムによって代行させるプログラミングシステムを指す。本研究ではこの問題を解決するために、オンラインゲーム内でのプレイヤーの行動履歴からプレイヤーを自動分類することでボットを発見し、ボット作成側が反撃し難いロバストな方法を確立させる。
1066 語句の重要度に基づく音声ドキュメント検索手法の開発 南條 浩輝 龍谷大学 笹岡 晃治 龍谷大学 音声ドキュメント(TV番組や講義などの動画)の保存および検索技術を開発する。現在の動画サイトなどでは動画内容を示す検索タグは人手で付与されているが、このタグ付け作業を自動化し、ことばの壁を乗り超えてさまざまな知識源となる音声ドキュメントへのアクセスを容易に可能とする「知の共有システム」の実現を目指す。具体的には、音声ドキュメント検索にとって重要な語句の自動定義および重要度の付与を行った上で、その重要度を考慮した索引づけと検索技術を開発する。
1298 多重埋め込み型音楽電子透かしによるデータ容量増加手法の開発 荻原 昭夫 大阪府立大学 辻 公志 独立行政法人科学技術振興機構 本課題では、非圧縮およびmp3圧縮後の双方の音楽データに対して、埋め込むことのできる付加データの容量を増加させる手法を開発することにより、カラー写真画像やイラスト画像を3分間程度の音楽データに埋め込むことを可能にする。この技術を応用することで、「音楽を聞く際に、音楽に応じた写真などを携帯音楽プレイヤーの画面上に表示」させる等のシステムを実現でき、一般生活において音楽を聴取する際に多様な楽しみ方を提供することが可能となる。
1381 情報提示エージェントのノンバーバル表現の自動制御と応用 伊藤 淳子 和歌山大学 湯崎 真梨子 和歌山大学 観光地や病院内の案内板などにおいて擬人化エージェントを用いて情報を表示する際に、エージェントが表出すべき視線や表情といったノンバーバル表現を自動決定し、その映像を自動生成するシステムを構築する。本来、人間同士の対話では雰囲気に応じて視線や表情が変化することから、情報提示映像においてもこれらの関連性に基づき、発言内容と対話の雰囲気を与えることによってエージェントのノンバーバル表現を動的に制御する。
1385 携帯カメラからの照明情報の取得によるウェブショッピング支援システムの開発 岩崎 慶 和歌山大学 湯崎 真梨子 和歌山大学 ウェブショッピングなどで、掲載されている商品の写真画像を元に衣服や家具などを購入した場合、実際に商品が手元に届いたときの商品の外観がサイトの画像と異なることがある。これは、商品の写真を撮影したときの照明と実際に商品を使用する場所(自宅など)での照明が異なることが大きな原因の一つである。この問題を解決するために、本研究では、購入者(ユーザ)が携帯カメラなどで実際の使用場所を数枚撮影することで照明情報を推定し、その照明情報を元に、使用場所に商品がある画像を生成するシステムを開発する。
1387 機械翻訳を用いた多言語コミュニケーションのための中間言語の精度検証 吉野 孝 和歌山大学 湯崎 真梨子 和歌山大学 医療・行政・教育の分野では、多言語コミュニケーションに関する問題が発生しており、緊急の対応が必要である。しかし、機械翻訳技術を利用した場合、利用者は他の言語が分からないため、翻訳結果の精度判定が出来ない。精度判定の手法として、折り返し翻訳があるが、その中間言語の精度評価は行われておらず、正しく伝わる内容の機械翻訳が行われているのかが明らかになっていない。本研究では、折り返し翻訳における中間言語の精度検証を行う。
1606 協調学習支援・緊急時対応を可能とする分散型情報サーバの開発と評価 今井 慈郎 香川大学 倉増 敬三郎 香川大学 分散型Web-DB連携情報サーバを構築し、協調学習支援のため環境と緊急連絡のため、携帯電話用画像・音声対応通信環境の提供を目的とする。具体的には、クライアントとしてPC及び携帯電話を想定し、マルチメディア情報(画像や音声)に対応した情報通信環境を提供し、分散環境の複数ユーザ間での協調学習、情報非同期共有、緊急時情報取得・発信などを支援し、平常時・緊急時に利活用可能な分散環境での協調学習システムを実現する。
44(B) 実世界触覚情報の圧縮保存・再生を行うハプトシステムの開発 桂 誠一郎 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 ユビキタス社会の到来により、人間の感覚情報を伝送するネットワークがインフラとして整備され、これまでにない人間支援技術の発展が期待されている。しかしながら利用できるネットワークの帯域が限られているため、効率の良い情報の圧縮保存・再生技術の開発が必要不可欠となっている。そこで本課題では、特に実世界触覚情報に焦点を当てた圧縮保存・再生技術の開発を行い、新しい「ハプトシステム」を開発することを目的とする。

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 家電ネットワーク:1件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
316 極近距離高速ディジタル無線通信のための高密度パルス生成装置の開発 鎌田 賢 茨城大学 小澤 淳 茨城大学 極近距離ディジタル無線パルス通信において、現状の伝送速度560Mbpsを10倍高速化し、6Gbpsの伝送速度を見込めるパルス生成装置の実現可能性を実証するための試験研究である。目的は、既に得られているパルス生成装置の設計が現実に実装可能であることを実証することである。実施内容は、パルス生成装置の回路実装、特性計測及び分析評価である。これによって、現状の10倍の伝送速度を有する実用製品の開発に道を開くことを目標とする。

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 シミュレーション:3件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
13 フォトニック結晶デバイス設計支援に関する研究 佐藤 慎悟 釧路工業高等専門学校 東藤 勇 苫小牧工業高等専門学校 フォトニック結晶デバイスの設計支援技術として、高速汎用電磁界解析法の研究を行う。解析法は、電磁界を完備波動関数で展開する手法の長所と、汎用数値解析法の長所を兼ね備えたハイブリッドトレフツ有限要素法である。本研究では、トレフツ要素のみで要素分割することで、解析に必要な要素数を低減させ、数値解析の高速化を目指す。
76 CUDAを利用した汎用音響シミュレーションシステムの開発 松ア 博季 北海道工業大学 坂井 俊文 北海道工業大学 FEMによる3次元音響解析システムの高速化ならびに汎用化をNVIDIA社が提供するGPU向けのC言語統合開発環境であるCUDAを利用して実現する。GPUは並行性の高い演算処理を行う場合に、同規模のCPUよりも高い処理性能を持っている。有限要素解析の並列化を進め、計算時間の大幅な短縮を行う。さらに解析システムのユニット化、データフォーマットの共通化を行い、他のシステムからも利用可能な汎用性を持たせる。
698 SPHによる仮想環境用実時間流体シミュレータの構築と提供 川井 昌之 福井大学 坪内 彰 福井大学 本研究では、人と流体との実時間インターラクションが可能な流体計算ライブラリを構築し、WEB上で提供することを目的とする。人工現実感や水中ロボットの制御等に利用される実時間流体シミュレータのために、高速計算に向いているSPHを用いて、ある程度の精度を保ちつつユーザが容易に実時間で流体を組み込むことができる関数群を装備したC言語のライブラリを確立し、ユーザに提供していく。

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 大容量・高速記憶装置:2件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
1291 単結晶中でのナノクラスター成長を利用した新規磁気記録材料の開発 西原 禎文 大阪府立大学 竹崎 寿夫 大阪府立大学 近年、単一の分子で強磁性的性質を示す錯体が報告され、多くの注目を集めている。この様な分子を基板上に均一に敷き詰めることができれば、従来までの記録密度を劇的に上回る次世代磁気記録材料を得ることが可能となる。本研究では温度低下によって、単結晶中で単磁区クラスター成長するスピネル酸化物に注目し、これらクラスターが均一なサイズで配列する新たな磁気記録材料の開発を目指す。
60(B) ディスク互換性を実現するテラバイト級ホログラムデータディスク用焦点誤差検出装置の実用化研究 藤田 輝雄 福井工業大学 佐々木 博 福井工業大学 本研究は、コリニア・ホログラム・メモリにおいて、信号ビーム、および、参照ビーム焦点の独立かつ精確な制御を可能とする焦点誤差検出法の実用性を明確にし、ディスク深さ方向へのホログラム多重記録による超大容量(1TByte以上/直径120mmディスク)光メモリの実現に貢献すること、さらに、ホログラム・データ・ディスクの装置間互換性の向上を図ることを目的とする。 この目的を実現するために、提案の焦点誤差装置の特性解析を進めるとともに、これを組み込んだサーボ回路を構築し、焦点制御サーボ動作の実験的検証を行う。

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 入出力:10件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
20 装着容易性と位置最適性を両立した同時多点筋電計測システムの開発 櫻沢 繁 公立はこだて未来大学 宮嶋 克己 公立はこだて未来大学 筋電情報は、人間の行動の直接的計測であり、HCI、医療、福祉など幅広い分野での応用が期待されている。本研究では、研究者らが開発済みの2層の導電性布素材および電子機器・布の安定接触のための改良ピンを利用した給電/通信アーキテクチャと、身体追従性の高い伸縮型導電性布素材を利用し、通信/給電/生体電極一体型ピンを設計・開発することで、通信/電源ケーブルの煩雑さを抑えつつ、計測点数や計測箇所の自由度の高い筋電計測環境を実現する。
44 裸眼立体視ペン入力による実用的3D幾何モデリング装置の試作 佐賀 聡人 室蘭工業大学 鈴木 雍宏 室蘭工業大学 研究者らは既に、没入型バーチャルリアリティ環境で動作するBlueGrottoFEPを構築し、これを市販CADアプリと一体的に連携運用することで空中手書きによる精密な3次元幾何モデリングを実現している。本研究ではBlueGrottoFEPを製品化するための重要なステップとして、ソフトウェアの汎用化と実用的ハードウェアの導入を試み、これを実務的なCAD設計作業に耐えられる実用的な手書き3次元幾何モデリング装置として再構築する。
459 多点・高密度電気触覚ディスプレイの汎用インタフェースへの展開 梶本 裕之 電気通信大学 須藤 慎 株式会社キャンパスクリエイト 本研究は電気触覚ディスプレイにおける感覚の質を向上させることにより、一般的な情報機器の入出力インタフェースに利用可能とすることを目標とする。皮膚の電気的インピーダンスに応じたリアルタイム電流制御によってこれを実現するために、数十μsの単一パルス内部で数十回にわたるインピーダンス計測・刺激制御を行うシステムを完成させると共に、フィードバックアルゴリズムを構築する。
599 操作力や反力の提示によりパソコンの利用支援が可能なタッチパッドの開発 小柳 健一 富山県立大学 定村 茂 富山県立大学 力覚提示によりパソコンのポインタ等の操作支援を行うタッチパッドを開発する。ポインタがウィンドウ枠や画面の端に接すると、その先には進まないような反力を使用者に提示する。また、アイコンや選択ボタン、文字列などに接すると、そこに引き込まれるような操作力を提示し、押下げや範囲指定等がしやすいように誘導する。視覚障害者や高齢者を主な対象とし、使用者に直感的でストレスのないパソコン操作の提供を目指す。
711 高度にスケーラブルなタッチ画面用ソフトウェアキーボードの開発と応用 郷 健太郎 山梨大学 還田 隆 山梨大学 本研究は、申請者が開発した接触箇所と接触面積によってソフトウェアキーボードを動的に分割して文字候補を提示する手法を用いて、高度にスケーラブルなタッチ画面用ソフトウェアキーボードを開発しようとするものである。本提案ではA社端末装置画面等の現行装置で利用評価を行うとともに、大型タッチ画面でも利用できる仕組みを開発して汎用性を高める。また国内で広く利用されるために日本語入力手法への応用を目指す。
768 プロジェクタによる虚像ウィンドウ 木島 竜吾 岐阜大学 安井 秀夫 岐阜大学 実像を投影するプロジェクタを用い、再帰透過光学素子を組み合わせることで、実像を虚像に転換することができる。本課題の目的は、再帰透過素子を用いて、駅等のウィンドウディスプレイ等に供すべく、ウィンドウの向こうは狭いにも関わらず、ウィンドウの向こうに仮想的に広い世界が広がっているように見え、かつ、ユーザ側になんの制約や装置も付けずに、ある領域に視点がある時だけ画像が現れるディスプレイを構成することである。
840 超高純度GaAsエピタキシャル厚膜を用いた空間光変調器の開発 脇田 紘一 中部大学 岡島 敏夫 中部大学 光通信・光情報処理分野の急速な技術の進展に伴い空間光変調器の高速・低駆動電圧化が求められている。超高純度の砒化ガリウム厚膜をエピタキシャル成長により作製し、これを用いて従来例に比べ数桁以上の速度・数十分の一の電圧で動作する空間光変調器を開発する。本研究により「画素微細化」「光応答速度の超高速化」「消費電力の低減化」等実現のための光変調デバイスを開発し、超高速駆動技術開発に対応しようとするものである。
897 音声情報案内端末の公共空間における試験運用 徳田 恵一 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 今後ますます高度化・複雑化が予想される情報技術の普及に鑑み、あらゆる人々にやさしいヒューマンインターフェースとして音声技術への期待が高まっている。このことは、技術戦略マップ等でも重要課題として詳述されている通りである。本課題では、代表研究者がこれまでに開発した音声合成・認識に関する最新の研究成果を高度に統合した音声情報案内システムを構築するとともに、実環境下の公共空間にて実際に運用することにより、本格的な実用化への課題を明らかにし、それらを克服し、産業に応用することを目的とする。
1322 位相再生による広視域波面再生型3次元ディスプレイの開発 的場 修 神戸大学 大内 権一郎 神戸大学 3次元像を空中に浮かび上がらせ、広い角度から3次元像を見ることのできる広視域波面再生型3次元ディスプレイを開発する。現状での最高性能の表示素子を用いた波面再生型3次元ディスプレイの視域角は5度程度に限定されているため、少しの平行移動で3次元像が見えなくなることや多人数で見ることができないなどの問題がある。本課題では1枚の表示素子を用いて、3次元像を時分割に広視域(30度)で見せることのできる、位相表示による波面再生型3次元ディスプレイを開発する。
1581 人に優しい空中3D表示のための可変焦点レンズの開発 陶山 史朗 徳島大学 大塩 誠二 徳島大学 臨場感あふれるコミュニケーション環境の実現のためには、人に優しい3D表示技術が必須と考える。特に、将来的な技術の統合を考えた場合には、何もない空中への3D表示を実現することが重要である。この空中3D表示を可能とするキーデバイスとして、焦点距離を高速に変化できる可変焦点レンズの開発を行う。このキーデバイスの開発により、自然で、長時間の観察時にも疲れない、あたかもそこにあるような空中3D像を実現できると考える。

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 認識・意味理解:13件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
18 超高精細文化財アーカイビングシステム 川嶋 稔夫 公立はこだて未来大学 宮嶋 克己 公立はこだて未来大学 高度な筆致技術を駆使して制作された精密絵画などの文化財を表面の反射特性も含めて高精細に記録し、ディジタルアーカイブとして復元するための記録手法について研究を行う。このために文化財の双方向反射率分布(BRDF)を効率的に測定する方式を開発するとともに、これを圧縮して記録する方法、および、任意の仮想照明特性のもとでの見え方を復元する3次元美術館を開発する。
131 屋内自律移動体のための時空間画像を用いた自己位置同定システムの実用化開発 橋場 参生 北海道立工業試験場 長尾 信一 北海道立工業試験場 屋内環境下で運用される各種の移動体のために、移動経路の時空間画像を利用した自己位置同定システムの実用化開発に取り組む。開発するシステムは、移動体と共に経路を移動する1台のカメラで取得した経路上下左右(天井、廊下、左右壁面等)の時空間画像を利用して、簡易な演算処理による自己位置同定を可能にするもので、移動ロボットをはじめとする各種移動体への組み込みに適した小型ハードウェア化が可能である。
299 高精度で使いやすい会話型文書分類システムの開発と応用 趙 強福 会津大学 本杉 常治 会津大学 本研究では、高精度で使いやすい文書分類システムを開発する。「高精度」とは、同じカテゴリに分類された文書が高い関連性を持つことと、分類結果が人間の判断となるべく一致することである。「使いやすい」とは、データ解析の素人でも、気楽に使えることである。主な研究内容は、使いやすい分類結果を生成する方法;任意の文書をすばやく分類する方法;会話しながら分類性能を改善する方法、などを提案することである。
474 高密度3値バーコード検知システムの開発 若海 弘夫 東京都立産業技術高等専門学校 宗木 好一郎 首都大学東京 本研究は、生産工場等での物品の仕分判別のために、従来の検知速度の遅いCCDスキャナに代わる、包絡・微分混合検知(ED)技術を適用した高速のレーザ走査3値バーコード検知システムを開発することを目的とする。本技術を実用化する為に、一次元3値バーコードを用いて、スキャナの安定性を高め、検知信号の位相を改善しつつ、ED法のみとの比較評価を行い、実用的な0.25 mmのバーコードの検知可能性を明らかにする。
803 音声セグメントを用いた発音訓練技術の開発 松浦 博 静岡県立大学 鈴木 次郎 静岡県立大学 本研究は代表研究者が開発した音声セグメントラベル抽出技術を活用した発音訓練技術によって、日本語学習者の発音能力の向上に貢献すること、さらに心地よい日本語の発音を守るための一助となることを目的とする。主な実施内容は学習者の発音を評価し問題点を系統的に把握し、発音訓練技術として確立することである。終了時には本訓練技術による発音訓練ソフトウェアを完成させ事業化のためのプロトタイプとすることを目標とする。
865 企業業績分析のためのテキストマイニング技術の開発 酒井 浩之 豊橋技術科学大学 野中 尋史 豊橋技術科学大学 本研究では、Web上に掲載されるロイターなどの記事や企業のWebページに掲載されるプレスリリースから企業業績に関する情報を取得し、その内容を自動的に分析するためのテキストマイニング技術を開発することを目的とする。具体的には業績要因を含む表現(例えば「液晶製造装置の受注が好調」)を抽出し、それらが増益要因なのか、減益要因なのか?を判別する極性付与技術、業績要因を含む表現から因果関係知識(例えば業績要因「リストラを進めた結果、業績が回復」では、「リストラを進めた」が原因、「業績が回復」が結果)を自動的に抽出する技術を開発する。
875 携帯ゲーム機版「ポリシーエクササイズ:数字あて」の開発 越島 一郎 名古屋工業大学 山田 義憲 (財)名古屋産業科学研究所 「数字あて」ゲームは、ポリシーエクササイズの研究成果に基づいて作成された緊急対応力育成ゲームである。このゲームは、単独またはLANを介してチームでプレーすることができ、単独プレーでは視覚による短期記憶力と推理力の育成、チームプレーでは開放性(心を開く)とリスクコミュニケーション力の育成を目指している。プレーヤは完全な情報を有さず、さらに小さく瞬間だけ開く窓を通してのみ情報が提供される。このため、特にチームプレーでは、コミュニケーションによってリーダに情報を集めることで、初めて全体像が了解できる仕組みを有しており、コミュニケーション能力育成に有効である。
1067 心理音響指標を用いた新しい音インタフェイスの開発 三浦 雅展 龍谷大学 笹岡 晃治 龍谷大学 従来、音響心理モデルは入力音に対する音質評価に積極的に用いられてきたが、ここでは、音インタフェイスとしての応用については検討する。従来のインタフェイスには、マウスやキーボードなどがあるが、音声の利用については、音声対話システムなどもみられるものの、音声の心理的特徴を用いたインタフェイスはこれまで提案されていないため、その実現性について調査する。これが実現されれば、福祉工学やエンタティメント分野などへの応用が期待できる。
1224 単一マイクロホン音声分離システムの開発 中静 真 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 本研究では、複数の人物が同時に話している中から、一つのマイクロホンのみを用いて個々の声を分離する技術を提案する。音声認識を複数の音源が同時に存在する環境で利用するためには、個々の音声を分離する技術が必要である。音声分離技術として、2つ以上のマイクロホンを使用する分離技術が多数提案されているが、これらは、マイクロホンを一つしか持たない機器へ応用することができない。既存のPC、携帯電話、さらにすでにモノラルで録音されたソースにおいて音声認識技術を適用するために、本研究では単一マイクロホンによる複数話者の音声分離を実現する。
1260 点配置の一意性を利用した実時間カメラベース文字認識の認識率向上と高速化 岩村 雅一 大阪府立大学 阿部 敏郎 大阪府立大学 代表研究者らはwebカメラとノートパソコンで稼働可能な実時間カメラベース文字認識手法を開発した。この手法の特長は従来手法に対する圧倒的な高速性であり、斜めから撮影した様々なレイアウトの文字を実時間で認識することができる。この高速性を活かせば、カメラで撮影した単語を瞬時に認識して翻訳する「翻訳カメラ」を始めとする様々な応用が可能である。本研究課題では、この技術シーズの実用化を目指して、更なる認識率向上と高速化を実現し、応用可能性を検討する。
1722 人間にとって自然な認識システムを自己組織化する装置の開発 古川 徹生 九州工業大学 小川 勝 九州工業大学 高階型自己組織化写像(特願2007-94337)の「ニューラルガス×自己組織化写像アーキテクチャー」を用い手書き文字や手書きイラスト、風景画やテクスチャ画像など、サンプルごとにゆらぎの大きなデータを、人間の感覚や感性に照らし合わせてより自然な識別や認識、分類を行う装置であり、小数(10人程度)の手書き文字から多数(1万人程度)の手書き文字を高精度に分類できる自己組織化装置を開発する。
1767 新しい多次元歩行データベースの構築および歩容認証システムの開発 岩下 友美 九州大学 前田 真 九州大学 現在の歩行データベースは全て2次元画像のみであった。本課題では、多視点画像による3次元立体形状復元と独自開発した時空間ボリュームによる歩容認証を併用し、歩行の変化等に頑強な個人認証システムを開発する。
10(B) 既存データが少量でも分類可能な文書分類技術の高機能化開発と応用 前田 康成 北見工業大学 岩崎 正吾 北見工業大学 本技術は新聞記事や特許公報のように既に既存のジャンルが定義されていて、新規の文書について既存ジャンルのどれかに分類する文書分類技術である。通常、分類精度を向上させるためには多くの既存データ(学習データ)が必要であるが、本課題では統計的決定理論に基づきベイズ流の分類方法を採用することによって既存データが少ない場合でも高い分類精度を実現する。

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 センサ:31件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
218 電流検出型熱電対と振動を利用した薄膜ピラニ真空センサの測定域拡大の研究開発 木村 光照 東北学院大学 宮尾 俊三 (財)仙台市産業振興事業団 高感度温度差センサである電流検出型熱電対を用いた新規なカンチレバ構造の薄膜ピラニ真空センサの提案とその実証の研究開発である。高真空では、ガス分子数の減少に伴う出力飽和を、温度差検出による極限まで計測できるゼロ位法で計測し、低真空(1気圧近く)での出力飽和は、センシングカンチレバ構造の熱膨張差に基づく加熱強制振動で、強制対流熱伝達を利用して克服する。基板過熱の影響、パルス加熱による解決法の最適条件とその実証、周囲温度依存性が小さいことの実証、更に振動方法と構造およびパッケージの検討とその実証を行う。
314 MEMS技術を応用した集積化2.5次元磁気センサの開発 木村 孝之 茨城大学 佐川 克雄 茨城大学 本研究では、小型磁気浮上型モータや,磁気支持フライホール等の回転体軸ブレの計測を行うための、2.5次元計測用集積化磁気センサを開発する。磁気センサは0.18μmCMOSプロセスで作製し、16×16個を格子状に並べる事により磁石を取り付けた軸の位置を測定する。測定対象は3000rpm程度で回転するモータの軸ブレであるため、センサの応答速度を8000フレーム/秒とすることを目標とする。
360 IRCCDを用いた赤外線顕微鏡の開発とその画像応用 樋口 博 群馬工業高等専門学校 上石 洋一 群馬県 既存短焦点赤外レンズと反射型長焦点光学系(天体望遠鏡用主鏡)の組合せにより高倍率赤外線光学系を実現し、8-10μm帯IRCCD赤外線撮像装置を用いて赤外線顕微鏡を低価格で実現する。これにより、これまで比較的未着手であった顕微鏡分野における新たな赤外線画像応用が可能となる。本研究においては、光学系における迷光対策、倍率及び画像分解能達成上の光学システム設計と試作・評価を通じて、赤外顕微画像固有の画像特徴量を解析し、赤外顕微鏡画像利用に関する知見を得る。
424 AEセンサを利用した液体流量計測法 中田 毅 東京電機大学 鈴木 通夫 東京電機大学 安価でメンテナンスフリーな非接触型液体流量計測法を実現するため、パイプラインの外壁にAEセンサを設置し、パイプライン中を流れる水道水が発生するAE信号を検出・信号処理を行うことで液体変動流量を計測し、その計測精度と周波数応答を求めて変動流量の計測可能性を検討するとともに、実用上重要である当該計測法の温度ドリフトについて評価する。また、実用化の観点からコンピュータベースの自動計測システムを構築する。
425 化学物質の環境リスクを迅速に評価するための藻類細胞バイオセンシングチップの開発 四反田 功 東京理科大学 山内 進 東京理科大学 新規化学物質や工場排水が、生態環境に与える影響評価が求められている。環境負荷評価法として藻類細胞を用いたバイオアッセイ法が注目されているが、時間がかかる、培養装置が必要、現場で分析できない等の問題があった。本課題では、藻類細胞と補助電極をスクリーン印刷したセンシングデバイスを開発する。藻類細胞の化学物質による光合成活性阻害を電気化学的に測定することで、生態毒性評価試験を現場で迅速かつ安価な評価が可能となる。
442 パラジウム−窒化物半導体接触型高感度水素ガスセンサの高信頼性化 中村 成志 首都大学東京 栗田 良夫 首都大学東京 クリーンエネルギー源として期待されている水素を、多様な環境下で安全に利用するためには、高感度・高速検知可能で無線通信機能を有するユビキタス水素ガスセンサが必要である。そこで、電界効果トランジスタ型センサが期待されているが、湿度や他ガスによる検知特性劣化が問題となっている。本研究では、雰囲気状況を同時モニタすることで検知特性を補償する機構および提案する超高感度センサとの集積化プロセスの開発を目指す。
510 回転軸に磁石を備えない速度センサの開発と自動車への実装 竹村 泰司 横浜国立大学 西川 羚二 横浜国立大学 回転軸に磁石を備えない新しい構造の速度センサを開発する。具体的には、回転軸の表面に、FeCoV磁性ワイヤをつけ、磁石や検出コイルを分離した速度センサの設計・試作である。車軸に磁石を入れ込む工程が不要であるなど、回転軸の設計・作製上、極めて利便性が向上する。モジュール化させた速度センサを自動車に実装し、その有効性を実証する。
630 光周波数掃引法による高分解能レーザ光距離センシングシステムの開発 飯山 宏一 金沢大学 奥野 信男 金沢大学 光周波数が、時間的に線形かつ連続的に掃引されたレーザ光を用いて、1mm以下の高い空間分解能を持つレーザ光距離センサを開発することを目的とする。レーザ光の光周波数掃引は、半導体レーザの電流変調および温度変調により行う。空間分解能は光周波数掃引幅を広くすることにより向上するが、光周波数掃引に非線形性が存在すると空間分解能は劣化する。そこで、線形な光周波数掃引のためのレーザ制御や、光周波数掃引の非線形性の影響を除去する信号サンプリング法を開発し、システムの高性能化を図る。
648 高感度人工感覚毛 北川 章夫 金沢大学 分部 博 金沢大学 微弱な圧力による接触の状態や動きを2次元画像データとして出力することができるセンサを試作し、触覚をもつ人工毛や人工皮膚または微量流体や乱流の動きを捉えるセンサへの応用可能性を調べる。独自に開発したアレイ化された微小変位センサを搭載したシリコンチップを利用し、標準的な半導体テクノロジと簡単な後工程により実現する。人間の最小感知圧力とされている2*104(Pa)の圧力変化を試作人工毛により検出することを目標とする。
660 電磁界ベクトル「その場可視化」センサの開発 八木谷 聡 金沢大学 中村 尚人 有限会社金沢大学ティ・エル・オー 本研究では、計測した電磁界ベクトルが直感的にわかるように表示する「電磁界ベクトルその場可視化センサ」を開発する。ノイズ源の探索等に役立つ。ここでは特に低周波(100 kHz以下)の磁界を対象として開発を進める。
811 低コスト心電R-R間隔遠隔計測システムの開発 山川 俊貴 静岡大学 神谷 直慈 静岡大学 本研究では、ヒトの心電からR波成分を抽出し無線で外部へと送信する機能をもったテレメータの開発を行う。R-R間隔データを長期的に計測し心拍数の異常な変化をいち早く察知することで、乳幼児突然死症候群や急性心不全などの予測不能な突発性心停止の予知が可能となる。このような機器を安価に実用化することで、在宅介護やリハビリの現場への導入を促し、介護コストの低減と健康管理や生活の質の向上に役立てる。
831 ロボット用衣服の開発 堀場 隆広 愛知県産業技術研究所 齊藤 秀夫 愛知県産業技術研究所 将来、ロボットが家庭内に入ってきて、家事をしたり、人とのパートナーとして人を支援したりするようになると予想される。しかし、現在のロボットは、筐体が硬い金属やプラスチックで覆われており、ロボットの誤動作や故障などにより、人とロボットが接触した場合、人がけがをする事故が発生すると予想される。また、ロボットの筐体が硬い金属やプラスチックで覆われているため、見た目に悪く、ロボットに親近感を持てない人も多いのも現実である。これらを解決するためにセンサ機能を持たせたロボット用の衣服を開発する。
833 色素結合法を用いる簡易尿タンパクセンシングシステムの開発 酒井 忠雄 愛知工業大学 瀬野 義隆 (財)科学技術交流財団 最近国内で糖尿病の推定罹患者は200万にも達すると云われ社会的関心も高まっている。多くの尿検査には染料TBPBを含浸させた試験紙が用いられる。しかしこの判定は(−、±、+、++)で行われる。これを濃度で表示すると30〜1000ppmとされ、判定濃度範囲は300ppmごとで判定精度は悪い。そこで簡易・高精度の尿タンパクのセンシングシステムの開発を行う。既にタンパクと結合し異染色性を示す染料を見出しており、センシングシステムへの導入は可能である。試薬と試料の反応は0.5mmのテフロンチューブ内で進行させ小型検出器で自動計測する。
838 人を感知するための小型レスキューロボット匂いセンサーシステムの開発 清水 優 中京大学 鈴木 勝也 中京大学 本研究では、匂いによって人の存在を感知する小型レスキューロボット匂いセンサーシステムの開発を目的とする。
代表研究者は、レスキューロボット開発を行う中で、要救助者を探索する仕組みとして、ロボット周辺のCO2ガス濃度も補助的な情報として利用するシステムを開発してきた。本研究では、CO2、アンモニア、アルコールの3センサーを組み合わせ、ロボット周辺の大気に含まれる人の皮膚ガス成分を濃縮して検出し、ロボット近傍に人がいるかどうかを感知することを目標とするレスキューロボット搭載用匂いセンサーシステムの開発を行う。
860 温室内日射計測のための農業用新型日射計の開発と実用性評価 桶 真一郎 津山工業高等専門学校 村田 勝英 豊橋技術科学大学 施設農業の自動化・高効率化や空調管理のためには、室内日射環境の計測が重要である。本研究では、複数の太陽電池やフォトダイオードなどの定電流特性を有する素子とバイパスダイオードを併用することにより、気象の変化に起因する日射変動は検出するが、建材などによって一時的・部分的に発生する影による日射変動は検出しない安価な日射計を開発する。また、実際の農業用温室において試作日射計のフィールド試験を実施し、その実用性を評価する。
863 磁気シールドが不要な超高感度SQUID磁気センサの開発 廿日出 好 豊橋技術科学大学 冨田 充 豊橋技術科学大学 生体磁気計測や材料非破壊検査など微小磁気計測技術が必要とされる医療・産業の応用分野は多岐にわたる。これら応用で液体ヘリウム(沸点4K)で冷却する低温超伝導SQUID磁気センサを用いる場合、高価な冷媒と磁気シールドが必要となり、脳磁・心磁計測など一部しか実用化されていない。そこで本研究では、安価で手に入りやすい液体窒素(沸点77K)で冷却可能な高温超伝導SQUIDの実用化研究を行う。ここでは超伝導薄膜中の磁束の侵入・移動機構を解明し、これを抑制してシールド無しで安定・高感度に動作するSQUIDの開発を目的とする。
928 マイクロマシン技術を用いた極低温検出器用立体型超伝導磁気センサの開発 赤池 宏之 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 本研究課題では、極低温検出器用立体型超高感度超伝導グラジオメータを実現することを目標とする。このグラジオメータは、極低温検出器の増幅器として超伝導磁気センサ(SQUID)を用いる場合に必要となる磁気シールドを不要にし、極低温検出器との接続法や冷却方法・コストの改善につながる。本研究では、環境磁場に対して耐性のある立体型超高感度超伝導グラジオメータを、マイクロマシン作製に用いられているエポキシ樹脂系レジストを応用することにより実現する。
1025 空間認識センサーの開発に向けて−固体と気体の間をつなぐ整合層− 乾 義尚 滋賀県立大学 安田 昌司 滋賀県立大学 超音波センサーによる空間認識技術は、車や飛行機などへの応用が期待され、これまでに多くの研究開発が行われてきた。その結果、様々な用途に実用化されているが、当初の期待を上回るものではなかった。その原因は、超音波センサーの出力不足である。本研究では、この出力不足を補う整合層の開発を行う。すなわち、超音波を発生させる圧電材料と伝搬媒質である空気の間を効率よくつなぐことができる整合層を開発し、高出力・高時間分解能の空間認識センサーの実用化を目指す。
1078 チップ面光入出力結合素子の開発と導波路型バイオセンサへの応用 裏 升吾 京都工芸繊維大学 行場 吉成 京都工芸繊維大学 光導波路を用いたバイオケミカルセンサが注目されているが、生産性に優れた導波光励振方法・素子の開発が実用化に向けての課題であった。本研究では光導波路センサチップ面に垂直に光を入出力可能な集積素子を開発することを目的とする。プレーナプロセスによる集積が可能で、大幅なコスト削減が期待できる。
1226 マイクロセンサ・アクチュエータ用BiFeO3非鉛圧電体薄膜の開発 奥山 雅則 大阪大学 藤原 昌平 大阪大学 超音波センサ、超小型マイク、発振子、環境振動発電等のセンサ・アクチュエータにおいて圧電体薄膜は重要な基幹部であり、これまでPZT(PbZrXTi1-XO3)膜が多く用いられてきたが、有害な鉛を含まない物質の創製が望まれている。その候補としてBaTiO3やKNbO3等が研究されているが低いキュリー温度、拡散によるSi素子の損傷等問題がある。最近、BiFeO3を薄膜化しその優れた強誘電性を発見したことから、巨大圧電性も非常に期待されている。本研究ではBiFeO3薄膜を作製し、圧電性を調べ、最適な製法、組成を検討し、圧電定数を大きく増大させる方法を明らかにして、PZTに代わる圧電体薄膜として実用化を図る。
1341 センサ自身の柔軟な変形にもとづいた磁気式触覚センサの開発と応用 中本 裕之 兵庫県立工業技術センター 富田 友樹 兵庫県立工業技術センター 対象物との接触により発生するセンサ自身の柔軟な変形にもとづく触覚センサを開発する。このセンサは、対象と接触する柔軟層とその下部に位置する基板層から構成される。柔軟層に永久磁石を内包しており、柔軟層の変形すなわち永久磁石の変位にもとづく磁界の変化を磁気抵抗素子とインダクタによって計測する。磁気抵抗素子の計測値から垂直力とせん断力を求め、インダクタの計測値からすべりを検出する。有限要素解析による柔軟層の最適設計を行い、特性の異なるセンサを試作・評価する。
1423 フレキシブル導波路型テラヘルツ波分光センサの開発 紀和 利彦 岡山大学 梶谷 浩一 岡山大学 テラヘルツ(THz)波分光では、測定物にTHz波を照射し、透過あるいは反射するTHz波を解析する。生体物質等の高分子試料を高感度・高選択検出できることが特徴である。この計測法では、一般にTHz波発生器と検出器の間の空間を直線的に伝搬するTHz波を用いる。本研究では、THz波の発生器と検出器の間を、形状を柔軟に変化させることができる微小径金属線導波路で直接接続したセンサの開発を行う。このセンサでは、導波路の一部が検出部として働く。THz波は導波路に沿って伝搬するため、測定物のある位置へTHz波を導くことができる。このため、将来的にはTHz波胃カメラやTHz波スコープといった計測装置へと展開することが期待できる。
1512 コード化スリット光投影を用いた超高速3次元形状計測 石井 抱 広島大学 榧木 高男 広島大学 本試験では、一定方向の高速搬送対象に特化した実時間3次元形状計測を実現し、高速化・微細化が進む生産工程に対応した超高速3次元形状製品検査コア技術を確立する。具体的には、複数のコード化されたスリット光が投影された計測対象をフレームレート1000fpsで動作する高速ビジョンを用いて3次元形状に対応した空間コード画像を実時間取得する3次元形状計測システムの構築、およびその性能検証試験を行う。本試験では、これまでのオフライン動作検証の結果に基づき、アルゴリズムの実時間化に向けた改良を行う研究開発ステップとして、ソフトウェア処理に基づく1000fpsでの実時間3次元形状計測の実現を目的とする。
1542 気体透過性ダイヤモンドライクカーボンを用いた高感度ガスセンサーの開発 本多 謙介 山口大学 浜本 俊一 山口大学 窒素ドープダイヤモンドライクカーボン(DLC)は,酸素・水素発生電位が高いため,水素・酸素発生に干渉されずに電気化学反応を起こすことの可能な電極材料である.この窒素ドープDLCを気体透過膜表面に成膜した気体透過性DLC電極を用いることにより,時間荷重平均値被曝限度(TLV-TWA)値である100 ppbのジボラン(B2H6)を検出可能な電気化学ガスセンサーが実現可能である.本研究開発では,DLC組成と形状の最適化により,気体透過性DLC電極の有毒ガスに対する反応性制御手法を確立し,半導体製造プロセスで用いるアルシン(AsH3)やホスフィン(PH3)等有毒ガスを微量検出可能な電気化学ガスセンサーの実現を目指す.
1685 酸化亜鉛を使ったセンサ素子の高速応答のための開発 岸本 誠一 高知工業高等専門学校 今井 正三郎 新居浜工業高等専門学校 酸化亜鉛はバンドギャップ・エネルギーが広いことや結晶表面がその雰囲気に敏感であることから、紫外線やガスを検知するセンサ材料として注目されている。しかし一方で、紫外線照射やガス分子付着に対する応答速度が遅いことが問題点として指摘されている。そこで、実用化のために、酸化亜鉛薄膜の製膜プロセスから電極形成までを応答速度に注目して総合的に検討する。
1689 金属ナノ構造体を利用した微量検体検出用プラズモンセンサーの開発 渡辺 茂 高知大学 安田 崇 株式会社テクノネットワーク四国 高齢化社会を迎え予防医療の重要性が増しており、有用な検査を自宅で手軽に行うことができたらという社会ニーズが高まっている。検体の採取量が限られる在宅検査では、装置の小型・軽量・低価格化に加え、微量検体に備えてセンサー検出部の微小化が不可欠である。本研究では、光ファイバーなどの微小領域に形成した金や銀などの貴金属ナノ構造体を検出部とし、その表面に励起される局所表面プラズモンをプローブとして迅速・高感度な微量検体検出用センサーを開発する。
1733 ペン描画法によるファイバー上DFBフィルムレーザーのセンサー展開 興 雄司 九州大学 八尋 正幸 (財)九州先端科学技術研究所 我々が開発した有機の多波長同時発振が可能なフィルム色素DFBレーザーシステムを用いてファイバー上に多次元・局所センサーを実現するための基盤技術の開発を行い、離れたところから複数の場所に於ける温度・伸縮・曲げ・ねじれを非電気的方向で観測するデバイス実用化の知見を得ることを目的とする。このフィルムDFBレーザー技術を波長変化型センサーとして利用するため、(1)コア・クラッド間光結合と(2)逆方向光出力技術を設定し、センサー化に向けた研究を行う。
1768 広域分散配置されたセンサ群による物体追跡システムの開発 島田 敬士 九州大学 前田 真 九州大学 本研究では、広域分散配置された多数のセンサを利用して、小規模なセンサクラスタによる局所的な物体追跡結果を適応的に統合し、実時間で稼働する実用的な広域物体追跡システムの開発を目指す。
1882 三次元サーモグラフィシステム開発のための試験研究 川末 紀功仁 宮崎大学 和田 翼 宮崎大学 三次元形状計測器で計測された三次元位置データとサーモグラフィで測定された温度画像を組み合わせることで温度分布の三次元化を行う。温度画像に位置データを持たせることで発熱体の表面形状とその温度分布を用いた定量的な解析が可能になる。また、計測された三次元温度データをコンピュータ上で立体的に可視化し、視点を変更しながら温度分布の状態が把握できるシステムを試作する。
22(B) 鉄シリサイド系熱電変換素子による防災温度センサの開発 安野 拓也 いわき明星大学 坂本 美穂子 いわき明星大学 本実験では、製造工程の簡略化、低コスト、高い起電圧の利用とp-n複数対直列接合技術の確立によりFeSi2系熱電変換素子による住宅用スポット式・大規模建物用差動式火災警報機の防災温度センサの開発を目指す。具体的には、放電プラズマ(SPS)法による焼結・接合によりp-金属層-n型のスポット式センサを作製する。さらに、差動式温度センサ用のp-n間接直列接合を実現させるために強固な接合界面を有する電極接続技術の確立を検討する。そして、防災温度センサとしての実証評価も行う。
128(B) 牛の行動管理システムの応用開発 川原 尚人 高知県畜産試験場 宮村 和典 高知県畜産試験場 牛の生乳や高品質肉など生産性向上には、確実な妊娠のための早期発情発見のほか、環境や疾病等のストレスの軽減が重要である。本研究では、牛の発情やストレス等を反映するといわれる行動の把握を目的として、牛に装着した3軸加速度センサを搭載した行動判別用小型無線端末からアクセスポイントを通じて集計データを取得する牛飼養管理補助機器の実用化を目指す。その結果を牛の生産性向上に結びつく快適性を判定する指標づくりに役立てる。

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 ヒューマンインターフェイス評価:9件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
108 3次元デジタルプロトタイプを用いた情報機器の超短期間ユーザビリティ評価システムの開発 金井 理 北海道大学 栗原 正仁 北海道大学 情報機器のユーザビリティ評価は、現在、物理プロトタイプを用いて実施されているため、コストや効率性に劣る。そこで、現状最低でも数週間を要している携帯型情報機器に対するユーザビリティ評価を、「UI可動型3次元デジタルプロトタイプ」にWeb技術と視線追跡技術とを組合せ、半日以内に、しかも100名程度の大規模ユーザに対し、現状手法を凌駕する評価の信頼性を確保しながら、低コストで実施可能なシステムを開発する。
244 3次元非接触型ヒューマンインターフェースの開発 枦 修一郎 東北大学 平泉 健 東北大学 3次元非接触型の磁気式ワイヤレス位置・方向検出技術の研究成果を基にして、本研究では、小型軽量のワイヤレス磁気マーカが貼付された手・指の位置と方向を、測定誤差1mm程度の高精度かつリアルタイムな動きをトレースでき、情報入力機器やロボットアームなどの直感的制御を可能にする、新しい非接触型かつ比較的自由度の大きなヒューマンインターフェースの開発・構築を目的とする。
390 体面を考慮した社会的コミュニケーション支援システムの開発 山崎 敬一 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 本研究では、社会学と工学との共同研究として、中規模のコミュニケーションを支援するシステムを開発する。こうした環境では、多様な参加者が混在するため、体面を考慮したシステム設計が特に求められる。本研究では、ミュージアムにおける多人数の前でのロボットによる解説システム、および市民の集会での議論における体面を考慮した社会的コミュニケーションを支援するシステムの実用化に向けた現場調査、開発、実証実験を行う。
636 次世代型安全運転支援を目指した車内ヘルススクリーンシステムの開発研究 山越 憲一 金沢大学 長江 英夫 金沢大学 運転する直前の健康状態(例えば、血圧、心拍数、血中酸素飽和度、血糖値、アルコール濃度、ストレス度など)を走行前に、「指」から情報を得て、安全運転に役立てるシステムを開発する。 即ち、本研究では、申請者らが開発してきた生体計測技術を応用し、従来にない新たな車内ヘルススクリーンシステムを考案・試作し、実用化に結びつけることを目的とする。 また、光電脈波を利用した新規血中アルコール濃度計測の可能性も探る。
666 日常身体活動量の評価を目的としたe-テキスタイルウェアの開発 藤岡 潤 石川工業高等専門学校 割澤 泰 石川工業高等専門学校 社会の高齢化を背景に、高齢者の健康状態を日常的に把握するシステムが求められている。ウェアラブルデバイスによるモニタリングは一つの回答であるが、こうしたウェアは硬くかさばるため、日常的な装着は負担となる。本研究では、感圧導電繊維を素材とした、通気性、柔軟性に優れたデバイスウェアの実現を目的とする。これにより日常生活の動作計測を行い、高齢者、要介護者の健康状態や活動量等を外部よりモニタリングできる高齢者・要介護者支援システムの開発を行うことを目標とする。
877 オンラインショッピングにおいて商品を「手」で確認するシステム 舟橋 健司 名古屋工業大学 山田 義憲 (財)名古屋産業科学研究所 バーチャルリアリティ(VR)技術により、オンラインショッピング利用時に自身の手により商品確認ができるシステム開発を目指す。VR分野においては様々な技術開発が行われているが、家庭用ゲームへの応用等を除けば実現に必要な装置は高価格、大規模である。本研究では、「実際と全く同じように」手で商品を確認することよりも、従来の目と耳のみによる商品確認に加えて、補助的にではあるが、手による、直感的な商品確認を、家庭に導入可能な装置により実現することを目的としている。
1007 違和感のない義手開発のための筋電位コントローラの開発 伊藤 明 鈴鹿工業高等専門学校 澄野 久生 鈴鹿工業高等専門学校 本研究は、皮膚表面で観測した電気信号を用い、義手などの制御を、より実際の人間の動きに近づけることを可能とする、入力インタフェースを開発に向けた基礎研究である。そのために、表面筋電位(EMG)を多点測定し信号処理により脳から筋肉への刺激信号を推定し、既に報告している骨格筋収縮制御モデルを用いて筋電位コントローラを開発する。
1308 中途視覚障害者の社会復帰支援のための点字e-learningの開発 大田 美香 神戸大学 小野 英男 神戸大学 人生の中途において糖尿病や緑内障で視力を失いつつある中途視覚障害者にとって、点字の習得はその後の人生に必須である。効果的点字学習に向けて、市販の点字ディスプレイと組み合わせ、触読を加えたe-learningシステムのプログラム開発を実施する。さらに、将来的にはメーカーの協力も得て、このe-learning専用の点字表示装置の開発に繋げ、点字識字率の向上を目指しバリアフリーの一助とする。
75(B) 判断・操作統合型行動モデルに基づく個人適合型運転行動支援 鈴木 達也 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 運転行動における「判断」が記号論理で表現される離散事象型の機能であるのに対し、操作(動作)が微分方程式で表現される連続時間型の機能である点に着目し、本研究では、(連続/離散)ハイブリッドシステムモデルを用いたシステム同定論に基づく運転行動解析法を開発する。結果として、観測された運転行動データに内在する判断・操作の数理的特性が走行環境の差異と個人性を考慮した形で明らかとなる。また、得られた判断特性を自動車に実装し、操作アシストの最適化を試みることで、個人適合型の運転行動支援を実現する。

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 ソフトウエア:11件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
130 プロセス代数に基づく組込みシステム向けソフトウェア開発・検証技術の開発 堀 武司 北海道立工業試験場 長尾 信一 北海道立工業試験場 組込みシステムのソフトウェアの複雑化に伴い、その検証手法が課題となっており,数学的基盤に基づく形式手法やモデル検査などの技術が注目されている。CSPは、プロセス代数に基づく形式手法であると同時に、同じ概念のプログラム環境(Occam, JCSP等)が存在し、仕様記述から実装までを一貫して扱える。本課題では、CSPベースの組込みシステム向けプログラム環境を開発し、検証作業の効率化を目指す。
184 3次元形状データ流通を加速する高効率な圧縮技術開発 今野 晃市 岩手大学 今井 潤 岩手大学 インターネットを通じて、3次元形状データを活用するためには、データを圧縮する技術が必要である。しかし、機械系CAD等で作成される、複雑な曲面を含む3次元形状データは、サイズが巨大であり、圧縮後のデータサイズも、まだまだ大きい。サイズが巨大化する一因は、曲面制御点数が多いことである。本研究では、代表者が研究してきた曲面近似手法を用いて、曲面モデルを圧縮する技術開発を行う。
531 リファレンスマップに基づく次世代パスファインダーシステムの開発 松本 一教 神奈川工科大学 小倉 裕司 神奈川工科大学 図書資料利用の為の次世代パスファインダーにより科学技術情報を分り易く提供する技術を開発する。まず知識表現手法RM(Reference Map)を開発し資料の主題、関連する概念、過去の利用状況や履歴等豊富な情報を表現可能とする。類似のRM知識をパターン化し整理する技術も開発。ユーザの求める主題に応じて状況を考慮して検索し知識パターンによる捨象により関連深い情報を限定的に可視化・提供する方式を開発する。
710 新聞記事コーパスからの大規模イベント系列コーパスの自動構築 岩沼 宏治 山梨大学 還田 隆 山梨大学 本研究は、単一系列データマイニング技術を新たに開発し、巨大テキスト時系列からイベント系列コーパスを半自動構築を試みる。WEBなどの時間と共に変化していくコンテンツの適切な処理は、辞典や類語辞書などの従来型の知識資源では極めて難しい。イベント系列コーパスのような新たな言語資源が本質的に重要である。そこで本研究では実用規模の大規模テキスト時系列のマイニング技術を開発し、イベント系列コーパス半自動構築の実証実験を行う。
756 細孔径分布推測による紙の品質管理技術に関する研究 河瀬 剛 岐阜県産業技術センター 梅村 澄夫 岐阜県産業技術センター フィルター・包装材等の細孔径(ミクロン単位の孔)の分布状況は、最終製品の性能に大きく影響を及ぼす。しかし、細孔径分布測定は装置が高額で作業が煩雑であるため中小企業では導入が難しく、通常行われていない。
そこで、本研究では、化学繊維からなる紙の細孔径分布が特定の孔径に集中する特徴を活かし、非接触センサから得た表面性状と細孔径分布の相関を蓄積したデータベースを基に細孔径分布を推測する手法を開発する。
861 テキストマイニングを用いた知財訴訟トレンド分析・判決予測システムの開発 増山 繁 豊橋技術科学大学 白川 正知 豊橋技術科学大学 現在、知財訴訟対応能力を持つ人材が不足しているため、それを補う情報システムの開発が求められている。ここで、訴訟に対応する業務は、(a)勝訴できるかどうか見積もる、(b)勝訴(敗訴)した場合の損害賠償額を見積もる、(c)(a)や(b)のトレンドに基づき意思決定し、法廷戦略の立案を行う、が大まかな流れとなる。本研究では、テキストマイニングを用いて判例文書を解析し、これらの業務を支援するシステムの開発を行う。
866 三次元物体の高精度な類似検索エンジンのの開発と応用 青野 雅樹 豊橋技術科学大学 野中 尋史 豊橋技術科学大学 三次元物体は、製造業からゲーム業界まで広く使用されており、過去のデータを再利用し設計の効率化が求められている。このような中、三次元物体の検索には、位置、向き、大きさによらない不変的な特徴量の定義が最大の焦点であり、これまで「多重フーリエスペクトル」による特徴量を定義し、その有用性を示してきた。本研究では、更に「多様体ランキング」および「拡散マップによるインデックスの圧縮」技術を新たに開発し、実用性を促進する研究を行う。
867 実用的な高速音声検索エンジンの開発 桂田 浩一 豊橋技術科学大学 野中 尋史 豊橋技術科学大学 本研究ではユーザが音声もしくはキーボードにより入力したキーワードを、大規模な音声コンテンツから非常に高速に検索する手法を提案する。本研究の特徴は、従来テキスト曖昧検索の分野で用いられてきたSuffix ArrayとDPマッチングを用いた検索手法を音声データを扱えるよう改良し、更なる高速化を実現した点にある。その他、高速化技術を導入することにより、10,000時間クラスの音声データベースから数十ミリ秒〜数百ミリ秒で最初の数セットの検索結果を出力することを実現する。
1065 マイクロストレージネットワークにおけるデータ特性に基づく動的配置手法の開発 大久保 英嗣 立命館大学 中川 真由美 立命館大学 本研究では,防災,環境観測,ビル管理等に適用可能な,複数のセンサネットワークから収集されたデータを分散管理し,外部アプリケーションに位置透過かつリアルタイムに配信するマイクロストレージネットワークサービスを構築する。リアルタイム性の高いデータ検索・配信機能を実現するため,データの特性を検出・解析し,これに基づいて事前に必要なデータを他のマイクロストレージに転送する機能,および重要なデータの複製管理を自動的に行うレプリケーション機能を開発する。
1577 視聴者に適応するe-Learning教材実空間配信システムの開発 光原 弘幸 徳島大学 大塩 誠二 徳島大学 大学生の学習時間が減少する中、e-Learningによる学習機会を増やすため、学生生活に密着した教材配信が必要である。そこで本課題では、ユビキタスコンピューティング技術を用いて実空間へe-Learning教材を配信するシステムを開発する。学内空間にいる視聴者をRFID(Radio Frequency Identification)技術等により認識し、その視聴者の状態を推定して、適切な教材を環境埋め込み型IPTV(Internet Protocol Television)で配信する。既存技術の新しい組み合わせによるe-Learningの新展開を目指し、システムの運用を通じて配信効果を検証する。
1850 自動注文機能と連携した販売時点管理ソフトウェアの開発 松本 慎平 大分工業高等専門学校 坂本 和彦 大分大学 現在、飲食店向けの注文機能を持つ販売時点管理システムが開発されているが、高額な専用の機器・システムが必要であるため、導入は大規模チェーン店などに限られている。本研究では、飲食店における食の安全とサービスの追求、さらに、食材管理、会計処理、受注作業といった業務効率改善を目的とし、汎用的情報端末とウェブ技術を用いて、自動注文機能と連携した販売時点管理ソフトウェアを開発する。

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 デバイス:30件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
303 微細表面形状の不規則化のための3軸駆動振動切削装置の開発 小野 裕道 福島県ハイテクプラザ 大越 正弘 福島県ハイテクプラザ 屋内外で使用される小型液晶パネルに組み込まれる拡散反射板は、屋外の輝度向上のため微細な凹球面を配置した表面形状(ディンプル形状)が有効である。本研究では、工具を3次元に振動させながら加工することで、凹曲面を不均等間隔に加工できる3軸駆動振動切削装置の開発を行う。工具駆動部の振動特性と振動に伴う発熱の評価を行い、母型(金型)の加工を想定した長時間の加工実験を行う。
346 高出力テラヘルツ光源の開発 湯上 登 宇都宮大学 荘司 弘樹 宇都宮大学 研究では、プラズマ物理の分野で研究開発が進められ、テラヘルツ帯での電磁波放射が観測されているDARCと呼ばれる電磁波源を用いて、テラヘルツ帯の電磁波発生技術を確立することである。電磁波出力はコンデンサーに印加する初期電圧に比例し、高出力化が期待できる。これまでの光伝導アンテナは小出力であり、応用研究の足かせとなっている。制御された相対論的電離面を形成し、高出力で小型のテラヘルツ光源の創成を目指す。
347 超高性能プラノコンベックスレンズドファイバの実用化研究 白石 和男 宇都宮大学 荘司 弘樹 宇都宮大学 フォトニック結晶デバイスやシリコンを媒質にした次世代光デバイスと通信用光ファイバでは伝搬する光のビーム径が30倍以上も異なる。本研究は、この相互接続上の問題を解決できるプラノコンベックス型レンズ付き光ファイバを中心に、新しいファイバ形の光ビーム集光素子の実用化研究を推進する。具体的目標は、量産に向いた作製方法の開発と評価手段の開発である。
348 ONU用小型・高量産性の波長可変光フィルタチップの開発 依田 秀彦 宇都宮大学 荘司 弘樹 宇都宮大学 光ファイバ加入者網のユーザ宅に設置されるONU(光回線終端装置)には、数10チャネルの波長多重化信号の中から所望の波長情報を可変選択する光フィルタ素子が必要とされる。本試験では、カラーレスONU用途の波長可変光フィルタチップの開発を目指し、フィルタ作製技術の向上とフィルタ性能の改善を目的とし、ダブルキャビティ構造フィルタの作製、波長可変範囲の拡大、波長再現性、応答速度の高速化、を実施する。
362 超低消費電力・小型・低損失を特長とするポリマ導波路型光スイッチの開発 花泉 修 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 光ファイバ通信用光スイッチの材料は、実用性を考慮すると、石英系かポリマ系に限定されるが、現状では、スイッチング電力は200mW程度、サイズは5cm程度(長さ方向)にとどまっている。本研究では、薄膜ヒータと電極の構造の工夫、及び、オリジナルの光分岐構造の導入により、スイッチング電力が5mW程度にまで低減され、且つ、長さ方向のサイズが3cm程度にまで小型化されたポリマ導波路型光スイッチの試作検討を行う。
484 光コムを利用した高密度波長多重光LANシステムの開発 黒川 隆志 東京農工大学 島村 太郎 東京農工大学 多チャンネル、広帯域で安価な光ローカルエリアネットワーク(LAN)の構築は益々重要になっている。本課題では、波長の異なる多数のキャリア光を一括生成する光送信機、及び局発コム光の発生によるコヒーレント検波光受信器の試作を進める。これにより安価な超高密度波長多重による構内光LANシステム(2.5Gbps、チャンネル間隔12.5GHz)の可能性を検証する。
489 光を吸収することなく偏光を分離できる高効率偏光板の開発 戸谷 健朗 東京農工大学 堀野 康夫 東京農工大学 本研究では、複屈折ファイバーを配列させた非吸収型偏光板を開発することし、コストが安く高効率な光外部取り出しが可能な液晶システムを提供する。これまでの研究で、我々のシステムが非吸収型偏光板としての性能を持つことが確認されている。本提案では、更に光取り出し効率を向上させるために、マトリクス樹脂の屈折率、繊維配列間隔と効率の関係を把握し、改善する。そして、ディスプレイの系での応用へとつなげていく。
809 開口共用簡易適応アンテナの開発 桑原 義彦 静岡大学 出崎 一石 静岡大学 本研究では移動通信環境で高品質な通信を実現するためのスマートな車載用アンテナを開発する。車のデザインを損なわないようリアデフォッガを開口共用のアレーアンテナとして利用するためのアンテナ形状と給電法を検討する。そして走行環境に適した可変指向性を形成する機能を与える。送受信機への出力は1チャネルとし、同軸ケーブルの使用数減により高信頼性と低コストを実現する。
841 窒化物半導体膜の高感度定量分析装置の開発 中野 由崇 中部大学 古田 昭男 中部大学 次世代のGaN系高周波デバイスを実用化するには、デバイス特性を大きく左右するGaNエピウェハの欠陥準位密度低減による高品質化が最重要課題となる。本研究では、GaNウェハ中に存在する電気的に活性な欠陥準位を幅広いエネルギー範囲全域(0.6〜4.0eV)で検出し、膜厚深さ方向分布も計測できる高分解能分析装置を開発する。さらに、計測した欠陥情報を成膜プロセスにフィードバックし、高品質GaNウェハの成膜技術の開発に繋げる。
974 少量多品種展開を可能とするビアプログラマブルデバイスの開発と実用化 吉川 雅弥 名城大学 西村 亮 名城大学 本研究では、少量多品種展開を可能とするフォトマスクレスの新しいビアプログラマブルデバイスの開発と実用化の道を拓く。これまでに、複合型Exclusive-ORとインバータを組み合わせた回路を基本論理素子とするビアプログラマブルデバイスVPEXを開発し、基本論理素子としての有効性を確認している。しかし、VPEXは独自のアーキテクチャのため、一般的なASICやFPGAのCADツールを用いることができない。そこで本研究では、VPEXの実用化のために必要不可欠な専用CADシステムを新たに開発する。
1005 感温磁性流体を用いた熱輸送装置 八戸 俊貴 鳥羽商船高等専門学校 澄野 久生 鳥羽商船高等専門学校 近年、パソコンのCPUに代表されるように電子機器の発熱は増加の一途をたどっており、その冷却が重要な課題となっている。特にノートパソコンや携帯電話等小型の機器になるほど従来からの冷却方法を転用できない場合が多いため、製品における熱設計が複雑化しており、これが課題になっている。そのため、従来の方法とは異なる冷却方法を用いることでそれらの諸問題を解決することを目的としている。具体的には高温部と低温部を管路でループ接続し、管路内に封入した感温磁性流体が磁気吸引力で高温側に流れる作用を利用して冷却する方法である。
1024 通信用同期回路の低雑音化と同期時間短縮実現のための回路設計手法の開発 岸根 桂路 滋賀県立大学 安田 昌司 滋賀県立大学 超高速光通信から4G携帯電話・WiMAX等ワイヤレス通信まで、 通信システムの高速化が進展している。 それらシステムの高性能化実現にむけ、 受信同期回路における出力信号の低ジッタ化(低雑音化)と同期時間短縮が必須となっている。受信回路の高性能化により、 超高速・高機能・ロバストな通信システム構築を可能とすることを目的とし、10Gb/sクラスの同期回路の低ジッタ化と同期時間短縮が同時実現可能な回路(LSI)の統合的設計手法を確立する。
1036 高品質GaN結晶成長法の開発とMIS-FETへの応用 城川 潤二郎 立命館大学 市原 岳洋 立命館大学 GaN-MIS-FETは、パワースイッチング素子として精力的に研究されている。しかし、GaNの結晶は成長が困難で、現状では結晶欠陥が多く、更にMIS界面の欠陥はSiに比べ2桁も多い。本提案者等は、MBE法でありながら、InNの結晶成長に於いてLPEライクとなる成長モードを世界で最初に開発した。LPE成長は、GaAs等に於いて他の成長方法よりも結晶欠陥密度を低く抑えることが知られている。この技術をGaNへ応用し、MIS-FETのチャンネル層を作成して、デバイスの高性能化を目指す。
1053 サラウンドスピーカアレーによる高臨場音空間の構築と応用 西浦 敬信 立命館大学 中川 真由美 立命館大学 本研究では次世代デジタルメディア時代に向けた新しい音響再生方式として、サラウンドスピーカアレーを用いた高臨場音空間の構築について実用化の可能性を模索する。具体的には、従来のヘッドホンシステムと5.1chサラウンドシステムの長所を融合した、近接設置型サラウンドスピーカアレーシステムの実用化を目指す。さらに、このシステムは頭部周辺に対して独立した音空間の構築が可能であるため、隣接する座席ごとに異なった音空間の構築を目指す。
1077 光回路上へ直接集積可能な光増幅器の新規作製手法の開発 山下 兼一 京都工芸繊維大学 行場 吉成 京都工芸繊維大学 本試験研究では、光情報処理技術において重要な役割を担う光導波回路上に、直接集積化が可能な光増幅デバイスの新規作製手法を開発する。フォトポリマー中に照射された光の自己レンズ効果を応用することにより、ポリマー母材の光利得型導波路を極めて簡便に自己作製できる。この技術により、光回路上の任意の場所にコンパクトな光増幅器を接続損失なしで実装できる。試験研究期間では、材料及びプロセスの観点から作製条件の最適化を行い、光増幅利得や動作可能波長領域などの基礎特性を調査する。
1138 圧電MEMSミラーアレイを用いた光通信デバイスの開発 神野 伊策 京都大学 河島 俊一郎 独立行政法人科学技術振興機構 本研究では、双方向光通信を可能とするマイクロミラーアレイの開発を行う。レーザ光の受光側にMEMSミラーアレイを用い、ミラーの反射パターンを高速で変調することにより受光側の情報を送信側に通信する。ミラーの駆動に圧電薄膜アクチュエータを用いることで低電圧での変調を可能とする。更に反射ミラーの構造をコーナーキューブとすることにより、光源と受光部の軸合わせが不要となり、無線通信が困難な環境下、また移動体との通信においても双方向光通信が実現できるデバイスの実現を目指す。
1203 次世代高発光効率プラズマ平面照明パネル技術の開発 佐藤 了平 大阪大学 加藤 浩介 大阪大学 壁や天井に容易に取り付けられ、環境にやさしい(水銀レス、低消費電力)、高発光効率な平面照明の可能性を明らかにする事が、本開発の目的である。蛍光灯の原理を用いたこれまでの平面照明は、ガラス板あるいは誘電体を介した放電方式であるため、発光効率が低く(約25 lm/w)、軽量・大面積化が困難で、かつ製造コストも高いという問題があった。そこで、低電圧で内部放電させる画期的な放電構造と全ての光を取り出す金属背面板構造を考案し、高発光効率(50 lm/w以上)で薄型・軽量・大面積、かつ低コストな方式の実現を目指している。
1257 液晶ディスプレイのアンカリングエネルギー、弾性定数同時測定系の開発 内藤 裕義 大阪府立大学 阿部 敏郎 大阪府立大学 液晶テレビは一層の高速化、低価格化が求められている。このためには効率的な液晶ディスプレイ設計と液晶材料開発が必要となり、基板界面における液晶分子の拘束力の強さを表わすアンカリングエネルギーと液晶の弾性体としての特性を表わす弾性定数の測定が不可欠になる。ここでは、従来の測定法に比べ、アンカリングエネルギー、弾性定数を同時にかつ正確に評価できる新しい手法を提案する。これにより、効率的な液晶ディスプレイ設計、効率的な液晶材料開発が可能となる。
1447 コモンモード放射ノイズ低減と信号品質維持を両立するガードトレース設計法 豊田 啓孝 岡山大学 松浦 啓克 岡山大学 本研究課題の目標は、電子回路のプリント回路基板で発生するコモンモード放射ノイズを効果的に低減させ、同時に信号線を流れる電気信号の品質を維持するガードトレースの設計手法の確立である。
これまでに、コモンモード放射ノイズを効果的に低減するビアの最適配置やダンピング抵抗の追加によるガードトレース共振抑制手法の提案などを行ってきた。本研究課題では、ノイズ低減効果を失わせることなく信号品質を維持させるガードトレース設計手法の確立を目指す。
1490 ハイブリッド型ポリマ・ゾルゲルガラス光導波路スイッチの開発 榎波 康文 広島大学 三原 博道 広島大学 研究代表者の発明によるハイブリッド型電気光学(EO)ポリマ・ゾルゲルガラス光導波路を用い、高速動画表示可能な携帯電話やコンピュータを超高速及び超低消費電力で駆動するための内部光回路のキーデバイス光スイッチ(電気信号を光信号へ変換)チップの実用化に向けて、さらなる低電圧駆動、小型化に取り組む。
1815 CPU用低電圧大電流10MHzDC-DCコンバータのためのディジタル制御回路の開発 黒川 不二雄 長崎大学 安田 英且 長崎大学 最新のCPUやDSP用の電源においては、 CPUの状態に応じて変化する電圧や電流を追尾し、常に安定した電力を瞬時に供給する可能性があるディジタル制御に大きな期待が寄せられている。ここでは、この課題に対応できる新しいディジタル制御方式を提案し、その試作回路を作成することが目的である。この過程で特性や設計指針を明らかにし、さらに次世代CPU用電源の方向性と標準モデルを確立したい。また、本方式は、高周波化と低消費電力化という相反する課題を一気に解決することも試みる。
1831 金属背面板を備えた薄型電気的小型アンテナの開発 福迫 武 熊本大学 草野 民三 (財)くまもとテクノ産業財団 RFIDとして数多く利用されつつあるUHF帯の周波数をターゲットとし、無線タグやボディエリアネットワーク(BAN)、小型無線端末への応用を目指し,無線電波の波長に比べて電気的に小型で、かつ背面に金属板を備えた構造の薄型アンテナで放射効率の向上を目指す。本研究では、アンテナ素子の小型化のため、放射素子の構造を工夫し高精度加工を行うと共に、シミュレーションで性能を予測し、実験で計測確認を行う。
25(B) 薄型熱発電式ユビキタス電池の開発 鵜殿 治彦 茨城大学 相澤 淳一 茨城大学 本研究は体温から100℃程度の低熱で発電する小型の熱電電池を開発する。この電池は手に触れるだけで発電し、半永久的に使える電源として活用できる。現在、優れた熱発電材料として、BiTe・Sb/Se系があり、この材料でそれなりの性能を確保できるが、これら元素の埋蔵量は少なく、また、毒性による規制の恐れがある。そこで我々は、資源量が豊富で安全性が高いMg2Si系の熱発電材料を用いて熱電電池の開発を進める。
38(B) 高機能型フィルタを用いたUWB/Bluetooth用分波回路に関する実用化研究 和田 光司 電気通信大学 李 瑩玉 株式会社キャンパスクリエイト 無線通信システムの中で広帯域無線通信(UWB)、Bluetoothは現在、脚光を浴びているがシステムを効率よく利用するには、用いる高周波回路その中でも送受信の要となるフィルタおよびそれを用いた優れた分波回路の開発が必要である。本課題では帯域阻止特性が良好でかつUWB(Low-BandとHigh-Band)およびBluetoothの3帯域を同時に実現する3分波回路およびその小型化について検討を行う。
42(B) 高速・低消費電力五層非対称結合量子井戸光変調器の実用化 荒川 太郎 横浜国立大学 村富 洋一 横浜国立大学 五層非対称結合量子井戸を有する高速・低消費電力のマッハ・ツェンダー干渉計型光変調器の実用化を目指す。本試験で提案している五層非対称結合量子井戸は、巨大な電界誘起屈折率変化が期待できる特殊な半導体量子井戸構造で、この優れた特性を利用して光変調器の動作電圧を従来の1/5まで低減(または小型化)することを目標とする。ウエハ結晶成長には、量産化を前提とし有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いる。
63(B) 簡易なRGB光同時変調システムを実現する高消光比・広帯域音響光学変調素子の開発 垣尾 省司 山梨大学 還田 隆 山梨大学 網膜走査型ディスプレイやレーザーディスプレイの色信号変調に適用可能な「RGB光同時変調システム」の実用化を目指し、実応用に必要な25dB以上の高い消光比を有する広帯域音響光学変調素子を開発することを目標とする。高い消光比を得るために逆プロトン交換光導波路を基板内部に埋め込んだチャネル光導波路を新たに提案して素子を作製、この素子をRGB光同時変調システムに組み込み、8bit振幅分解能を有する色信号変調を実証する。
64(B) 巨大誘電率を持つナノ粒子分散フィルムキャパシタの開発と応用 和田 智志 山梨大学 還田 隆 山梨大学 本研究は、SiP実現のために不可欠な、フィルム状で、かつ容量密度10nF/mm2以上のフィルムキャパシタを開発するものである。申請者はシーズ発掘試験研究Aにおいて、新規チタン酸バリウムナノ粒子の開発に成功しており、本研究ではこれを最密充填させたBTナノ粒子集積体を作製し、その間隙にポリマーを充填し、目標値を持つフィルムキャパシタを作製し、新規BTナノ粒子のフィルム化による目標値の達成を実証する。
71(B) メタマテリアル技術を用いたミリ波導波管スロットアンテナの開発 榊原 久二男 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 メタマテリアル技術の研究が、世界規模で爆発的に増加している。メタマテリアル技術は、電磁波を伝える伝送線路内部に、金属と樹脂の周期構造を組み込むことで、これまでには実現が不可能であった材料(負屈折率、波長ゼロから無限大)と等価な電気定数の材料を実現可能にする、電磁波工学と材料工学の融合分野の技術である。本研究では、これを導波管アンテナに適用することで、これまでにない指向特性を有するアンテナを開発し、その設計技術の構築を目指すものである。
126(B) 前駆体塗布法有機電界効果型トランジスタ作成用試薬の開発 宇野 英満 愛媛大学 神野 俊一郎 愛媛大学 有機電界効果型トランジスタ(OFET)は次世代の電子技術として研究され、低分子ではペンタセンが候補となっている。申請者は、可溶性前駆体でデバイスを作成したのちに目的の物質に変化させる方法(前駆体塗布法)を確立した。しかしながら、FET作成には企業等の膨大な独自のノウハウの蓄積があり、目標の性能に達することはできなかった。このため、可溶化ペンタセン前駆体を試薬として市場に供給することで塗布によるOFET作成に貢献する。
134(B) ソフトウエア無線用リング型超低消費電力・リコンフィギュアラブルDCOの開発 ポカレル ラメシュ 九州大学 古川 勝彦 九州大学 本研究では、擬フィボナッチ数列を応用したトランジスタ最適化手法により超低消費電力化し、更に14bitのデジタル信号により周波数を制御するリング型リコンフィギュアラブルdigitally-controlled発振器(DCO)を開発し、消費電力を約6割削減することを目的とする。

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 共通基礎研究(情報通信):3件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
292 ピエゾスピーカ駆動・高効率低歪みD級アンプモジュールの開発 横山 道央 山形大学 小野 浩幸 山形大学 ピエゾスピーカ駆動アンプとして、高効率・低歪み・低電源電圧となる新しいD級アンプモジュールを開発する。現在、薄型・軽量という特徴をもつピエゾスピーカが小型電子機器に用いられているが本質的に高電圧駆動であり、昇圧トランス・ヒートシンクと低歪みA級アンプの組合せか、歪み特性は劣るが高効率・小型D級アンプでの駆動が用いられている。従来D級アンプよりさらに低消費電力で、かつ低歪み特性を有するピエゾスピーカ駆動用D級アンプモジュールを開発する。
876 次世代移動体通信の高精度等化手法の実現に関する研究 岡本 英二 名古屋工業大学 山田 義憲 (財)名古屋産業科学研究所 移動体通信においては、マルチパス遅延波による干渉を代数演算で効果的に除去できる周波数領域等化が広く用いられるようになった。しかし伝送速度の高速化,用いる搬送波の高周波化により等化の性能が十分でなくなり、より効果的な手法が求められていた。そこで本研究では既存技術に比べ高速移動、高速伝送、高周波搬送波においても高精度でマルチパス遅延波を等化できる方式を実現し、次世代移動体通信技術の進展に寄与する。
1470 ディジタル機器の精度改善を目指した振動吸収ボードの開発 西村 公伸 近畿大学 隅田 誠 近畿大学 音響機器用インシュレータによる雑音低減・音質向上技術を、パソコンなどディジタル・音響機器における電気信号での雑音低減技術へ応用することを目的とし、使用が容易なボード状で設計・実用化を目指す。実施する内容としては、①高分子材料を用いた円錐型スパイクの振動伝達特性の実験的解析、②振動吸収用に封入している物質の物性解析を行い、ボード状にした場合の使用目的に応じた材質や振動吸収材の選定方法を明らかにする。

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 その他(情報通信):9件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
21 Podmapを用いた地図情報メディアの作成・配信手法 Michael Vallance 公立はこだて未来大学 宮嶋 克己 公立はこだて未来大学 本研究は「シナリオによるクリエイティブアイデア」という教育手法を実用化するもので、iPod Touch端末とPodmapソフトウエアを教育の分野に利用する初の試みである。具体的には函館のGoogleマップに短編ビデオなどのマルチモーダルなマルチメディアをリンクした、マルチモーダルなコンテンツをiPodへ提供する演習を構成する。これにより理系大学の学生に対するデザインと科学技術能力の両面の育成効果を実現できる。
522 スペクトルディップ法による高精度和音推定の実用化 斎藤 博昭 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 本課題はスペクトルディップ法と名付けた、音響信号から和音を推定する新手法の実用化を目的とする。スペクトルディップ法では同時に鳴る音の数が増えても推定精度が下がらず、単一楽器による六重音(たとえばCの和音ではド・ド・ミ・ソ・ド・ミ)で89.6%という従来手法では実現できなかった高精度を達成している。この手法が、複数楽器による和音やCDからの音響信号に対しても有効であるかを検証していく。
715 高精細地雷可視化パルスレーダのフィールド試験装置の開発 塙 雅典 山梨大学 還田 隆 山梨大学 本研究の目的は、高精細な地中可視化レーダのフィールド試験装置を開発すると共に、最終的には地中に埋設された地雷を可視化することで、確実に地雷を探知できる地雷探査装置を開発することにある。本課題では,我々がこれまでに光信号処理技術を併用して実現した世界最高クラスの高精細パルスレーダ技術を基に、UWB-IRパルス整形用光信号処理回路とパルスレーザ駆動用高周波発振回路のモジュール化を目指す。
789 Zero Moment Pointフィードバックに基づく適応的坂道歩行の運動制御技術開発 伊藤 聡 岐阜大学 竹内 正治 岐阜大学 移動形態の一つ「二足歩行」を対象とし、環境変化の影響を受けない適応的な歩行の運動計画・制御法の提案と、その実現による移動機械の普及を目的とする。基本的アイディアはZMP(Zero Moment Point)の目標軌道の普遍性と、そのフィードバック制御による平衡維持にある。歩行時に床面傾斜角度が変化しても複雑な軌道の再計画なしで歩行運動が継続できるような制御方法の確立とその有効性の実験的確認を目標とする。
1214 確率共振を利用したマルチセンサ制御システムの開発 堀田 育志 大阪大学 清水 裕一 大阪大学 確率共振は、微弱な信号がノイズとの確率的な共振によって伝達する現象であり、臨機応変性に優れた生体システムの感覚器や運動神経制御で多く見られる。本研究課題では、これまでの制御方法では難しかった臨機応変なセンシングやシステム制御を目指し、確率共振現象を利用した新たな制御方法を提案する。ノイズを使った確率的センシングと複数のセンサ情報の平均化によって制御信号を生成し、想定外の事態やエラーに対して頑強な制御システムを実現する。また、電子回路を用いた制御システムのプロトタイプの作製を行い、システムの最適化を目指す。
1446 プリント基板で発生する放射EMI予測法の確立 五百旗頭 健吾 岡山大学 松浦 啓克 岡山大学 あらゆる製品が電子化され、ディジタルICが搭載される中でEMC問題が大きくなっている。しかし、ICを搭載したプリント基板のEMC問題を解析するうえで、十分な精度を有し、かつ高速に解析できるシミュレータは実用化されていない。本応募課題では、プリント基板のEMC問題に特化した放射EMIシミュレータHISESとIC電源系のEMCマクロモデルLECCSを組み合わせ、プリント基板からの放射EMIを高速に予測するシミュレータを構築する。EMC規格で定められた上限周波数1GHzの実現により、設計の初期段階からEMC問題を発生させない設計が容易となり、その効果は、家電から情報・通信機器、自動車に至るまであらゆる製品に波及する。
1657 ネットワークカメラによる移動物体の自動追尾システムの開発 木下 浩二 愛媛大学 尾賀 忠 愛媛大学 自動監視システムの構築において、移動物体の自動追尾は重要な要素技術である。そこで、回転可能なネットワークカメラを用いた、簡便な自動追尾法を提案する。回転観測系を用いると、カメラの設置台数が削減できる。さらに、監視システムへの応用では、画素単位の正確な追尾は必要なく、画面の中央辺りに物体を追尾する程度で十分である。そこで、見掛けの動きの計算法を工夫し、追尾処理を単純化する方法を提案する。
1847 廉価なネットワークアナライザ用多ポートアダプタの開発 下塩 義文 熊本電波工業高等専門学校 土本 百合子 熊本大学 近年、USBやHDMI信号など、差動信号伝送においては、ノイズの放射抑制、外部信号による誤動作防止の観点から伝送路の平衡度特性が極めて重要である。平衡度の評価を行うには、多ポートのネットワークアナライザが必要であるが、極めて高価であり、開発現場で使用できない場合がある。本研究では、2ポートネットワークアナライザを用いて、安価で簡易な4ポート計測が行えるハードウェアおよびソフトウェアの開発を行う。
132(B) データ圧縮の理論に基づく超大規模データ検索の実現 坂本 比呂志 九州工業大学 田中 洋征 九州工業大学 本研究では、理論的に最適であることが保証される圧縮データそのものを索引として応用することで、超大規模テキストに対する高速な索引付けと全文検索システムを実現する。具体的には、国際塩基配列データベース(100GB)や特許検索コレクション(95GB)に代表される巨大テキストへの索引を1次記憶(メモリ)内で構築するための手法を確立し、その索引をPCクラスタ上に分散配置することで、安価で高速な大規模検索システムを実現する。

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 地球環境:10件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
384 フェライト系化合物を用いた二酸化炭素吸収セラミックスの開発 柳瀬 郁夫 埼玉大学 角田 敦 埼玉大学 リチウム含有複合酸化物は様々な組成を有し、任意温度で炭酸ガスを吸収できる物質として期待されている。本研究では、吸収速度が小さいが、解離平衡温度が510℃であるため中温域での炭酸ガス吸収に適するリチウムフェライトの吸収能力を向上させることで、吸収分離技術において効果的な回収法が見出されていない中温域(200〜500℃)における炭酸ガス吸収材料の開発を行う。
462 高周波誘導加熱による船舶ディーゼル機関排気物質低減装置の開発 畑中 義博 東京海洋大学 馬場 文雄 東京海洋大学 船舶のディーゼル機関から排出される粒子状物質(PM)は、環境に与える影響が大きく、対策が急がれる。船舶の燃料油は硫黄分が多く、陸上ディーゼル車のPM対策とは異なる新しい技術開発が必要である。PMを捕集する方式は種々あるが、本研究では、捕集したPMの2次処理を必要とせず、1000℃まで加熱可能な円筒構造の特殊金属フィルタでPMを捕集し、高周波誘導加熱により、短時間で燃焼・処理できるシステムを研究する。
1121 ベッセルモードのレーザーパルスによるリモートセンシング技術の開発 中嶋 隆 京都大学 松下 良昭 京都大学 ライダーのようなレーザーを用いたリモートセンシング技術では、レーザーパルスの大気伝搬特性がその感度や精度に大きく影響する。本課題ではフェムト秒パルスに適したモード変換素子を設計・試作・試験することにより回折が極微であるベッセルモードのフェムト秒パルスを発生させ、そのパルス伝搬特性を理論的および実験的に調べることによってライダーなどのリモートセンシングの基礎技術として確立させる。
1122 ウィンドプロファイラーのためのクラッター抑圧技術の開発 橋口 浩之 京都大学 松下 良昭 京都大学 風速の高度プロファイルを連続観測できるウィンドプロファイラーは、気象庁が気象予報業務に利用している他、気象観測研究において準標準的な観測装置として各種研究で利用されている。しかしながら、非常に微弱な乱流散乱エコーをターゲットとするため、サイドローブによるクラッターエコーがしばしば観測の障害となる。本研究では、クラッターエコーを抑圧する技術を開発し、ウィンドプロファイラー観測データの精度を向上させる。
1320 ローレンツ力を利用したバッチ処理型海水・油分離装置の開発 赤澤 輝彦 神戸大学 西原 圭志 神戸大学 代表研究者らの研究グループは、磁場印加した海水に通電を行うことで発生するローレンツ力を利用し、海水と油分を分離する技術の確立を目指している。分離手法の原理は、導電性の高い海水にはローレンツ力が作用するが、不導体の油には力が作用しないことを利用している。本研究では、油で汚染された海水をバッチ処理する小型で高性能な油・海水分離装置の開発を目指す。このために、分離装置の特性パラメーターを数値計算実験と比較し、装置の最適形状や運転条件の決定を行う予定である。
1335 内円筒にリブを有するテイラー渦流による混相流連続反応装置の開発 大村 直人 神戸大学 中井 哲男 神戸大学 テイラー渦流は独特な流動・混合特性により化学反応装置への応用が期待されてきたが、渦外縁部に存在するバイパス流れが装置内の逆混合の原因となり、反応性能を著しく落とすことで、実用化の道を阻んできた。近年内円筒に凹凸をつけることでバイパス流れを抑制することができることが明らかにされた。また、これまでの研究により微粒子の大きさにより渦内の存在位置が異なることを見出した。これら2つの特徴を組み合わせて、ある粒子径の固定化酵素や固体触媒は渦内にトラップさせ、反応液のみが軸方向に移動する理想的な混合特性をもち、粒子と反応液との分離操作が不要となる革新的な混相流連続反応装置の開発を目指す。
1339 ストリゴラクトンアナログ類のデザイン・合成・機能評価 滝川 浩郷 神戸大学 鶴田 宏樹 神戸大学 根寄生雑草ストライガやオロバンキの種子発芽を人為的に操ることができれば、根寄生雑草を効果的に防除できると提唱されてきた。根寄生雑草は宿主なしでは生存できないため、宿主が存在しない状況で発芽した寄生雑草は“自殺”に追い込まれるからである。根寄生雑草の発芽は発芽刺激物質(ストリゴラクトン類)を要求するため、本課題では、有機合成化学を基盤とした独自の戦略により根寄生雑草発芽誘導剤の開発を試みる。
1445 環境有害物質を検出する携帯型バイオセンサーの開発 森 泉 岡山大学 松浦 啓克 岡山大学 環境へ放出される有害化学物質の生体毒性評価試験(バイオアッセイ)の必要性が高まっている。細胞酸化と細胞毒性には強い相関があることから、申請者は細胞酸化を指標にした新規のバイオアッセイを開発した。本課題では、この技術を展開し、環境水中の有害化学物質の毒性を評価する「携帯型」細胞毒性バイオセンサーを開発する。携帯型バイオセンサーは汚染の現地において数分の作業により、汚染水の毒性を検出・評価できる。これにより極めて迅速な環境汚染の管理・対応が可能になる。本研究ではバイオセンサーの実用化に必要な固定化細胞の長期保存方法の最適化を行う。
1673 製紙廃棄物を利用した高強度木質ボードの開発 近森 啓一 高知県立紙産業技術センター 関 正純 高知県立紙産業技術センター ペーパースラッジ(PS)とは製紙ワイヤーを通過した微細な流出原料を回収したものであり、乾燥換算にして全国で年間に約190万トン発生している。PSの利用法として過半数はセメント原料として使われているが、受入れ量には限界があると言われる。本研究では、廃棄物であるPSの新たな有効利用方法として、短繊維ゆえに高密度化が可能なPSの性質を利用して、硬化剤を使わず圧縮成形のみで、環境負荷の少ない、付加価値の高い、軽量かつ高強度な木質ボードを作ることが目的である。
102(B) キシロース資化遺伝子発現変異酵母を用いた植物系廃棄物の再資源化 岸田 正夫 大阪府立大学 下田 忠久 大阪府立大学 農産廃棄物を含む植物系廃棄物の再資源化は、主成分のセルロースに次ぐ含量となるキシラン、キシロースの有効利用が重要である。代表研究者らはキシロース資化遺伝子が発現する醸造酵母の突然変異体の解析を行ってきているが、植物系廃棄物の再資源化のためにはキシロース類発酵能等の新たな形質の発現を必要とする。本研究はキシロース資化変異酵母に対して異種酵母細胞融合法等を用いてキシロース類を効率よく再資源化できる酵母を育種し、それらを利用するキシロース類再資源化システムの構築へつなげることを目指す。

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 地域環境:19件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
85 積雪地域におけるヘアリーベッチの冬枯れ残渣を利用した減肥料栽培技術の開発 平田 聡之 北海道大学 清水 條資 独立行政法人科学技術振興機構 マメ科カバークロップによる土壌環境改善、雑草防除効果等は多く報告されているが、冷涼・積雪により栽培期間の短い北海道では、その利用法が限定されていた。本研究では、低温環境での初期生育の優れたマメ科草本であるヘアリーベッチを晩夏播きし、積雪前に茎葉をある程度まで繁茂させ、積雪下で死亡させた後、その冬枯れした残渣を有機質肥料として利用する栽培技術を検討するものである。
391 温室効果ガス発生抑制のための廃棄物処分場覆土の最適設計 小松 登志子 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 本研究の目的は廃棄物処分場内部の好気性環境の維持と安定化促進により、温室効果ガス(メタン)の生成・放出を抑制することにある。処分場覆土は強く締固められるため廃棄物層内は嫌気的環境となり、メタンが発生しやすい。本研究では廃棄物処分場において土壌通気性、メタン濃度の実測を行い、締固めや地盤の不均一性がガス挙動に与える影響を明らかにする。その成果をもとにメタン発生を最小化する覆土設計条件を提案する。
482 畑への殺線虫剤の使用要否を判断する線虫診断技術の開発 豊田 剛己 東京農工大学 田中 公 東京農工大学 ダイコン、サツマイモ圃場において、被害をもたらす植物寄生性線虫が実際には生息していないにも拘わらず殺線虫剤を使用しているケースがある。そこで、線虫診断技術を開発することで生産者の減農薬化を支援する診断サービスにつなげることを目標とする。本研究では、土壌中の各種植物寄生性線虫の種類及び量を迅速かつ正確に評価するため、マルチプレックス・リアルタイムPCRを用いた複数センチュウ同時検査方法を開発する。
503 オゾン・光触媒法による難分解性水質環境汚染物質の分解浄化に関する研究 日 久夫 明星大学 佐藤 矩正 明星大学 水質汚染物質の浄化処理に光触媒反応を利用する方法は、処理速度や経済性に問題がある。本課題ではこの光触媒法を改良するため、反応系にオゾンを添加して処理能力を高め、さらに光反応およびシステムの稼動に必要な電力も太陽エネルギーを利用してコストの低減化をはかる。この方法は、種々の水質汚染物質、特に生分解法では困難な界面活性剤、農薬、医薬品などの分解浄化が、二酸化炭素排出に全く関係ない方法で可能となる。
604 1形方式(煙道内排ガス採取法)による窒素酸化物(NOx)測定法の開発 鳥山 成一 富山工業高等専門学校 定村 誠 富山工業高等専門学校 ガス状ホウ素化合物測定用に開発した煙道内採取法(1形方式)は、極めて軽量小型で、煙道内で捕集するため、煙道内外の温度・分圧の影響もなく、高い分析精度がある。従来の有害ガスの公定法(JIS等)は自動測定装置を含め全て煙道外採取法(2形方式)であり、大型で、分析・測定作業が極めて複雑で、精度や安全性にも難点があった。今回、これを用いて窒素酸化物(NOx)との同時測定法の開発を目的とし、公定法化も目指している。
923 有機化学物質汚染土壌地下水の生物修復速度の予測法の開発と応用 片山 新太 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 有機化合物による土壌地下水汚染に対し、微生物を用いた原位置浄化対策の修復速度(浄化期間)は、高濃度汚染域における微生物分解速度によって大きく影響を受けることがわかってきた。しかし、これまで高濃度汚染域の微生物分解に関する信頼性の高い予測方法は開発されていない。そこで、基礎地盤コンサルタンツ(株)と共同して、高濃度汚染域における微生物分解速度の予測法を開発し、その応用を試みる。
972 汚染土壌洗浄剤のテーラーメード水処理システムの構築に関する研究 田村 廣人 名城大学 松吉 恭裕 名城大学 土壌洗浄には、汚染物質の物性に対応した固有の界面活性剤を使用する必要があるが、使用した界面活性剤が新たな環境負荷となる。しかし、多様な界面活性剤それぞれに対応する分解微生物を単離・同定し、界面活性剤と分解微生物をセットにしたデータベースを構築する様な研究はこれまでになく、洗浄水浄化技術の開発には必要不可欠である。簡便・迅速な分解微生物の同定には、従来の遺伝子塩基配列の解析による微生物同定とは全く異なるタンパク質のプロテオーム解析法を開発する。
975 海鳥を用いた海洋環境の変動をモニタリングする手法の開発 新妻 靖章 名城大学 西村 亮 名城大学 海鳥類は海洋生態系の高次消費動物であるため、その周辺海域の海洋環境の指標となる。日本列島の沿岸には多くの海鳥類の繁殖地があり、海鳥は日本周辺海域の海洋環境変動をモニタリングする指標となる。しかし、簡易的かつ適切な海洋環境の指標となる海鳥類のモニタリング手法は確立されていない。そこで本研究では、異なる海洋環境下で繁殖する海鳥類の内分泌物質を用いたストレス評価と、安定同位体比と吐き戻しを用いた餌資源の評価を行い、個体群間の比較を行うことで、海鳥を用いた海洋環境のモニタリング手法の開発を目的とする。
982 小粒径ポーラスコンクリートを利用した環境対応型コンクリートの開発 前川 明弘 三重県工業研究所 河合 真 三重県工業研究所 ポーラスコンクリートはその内部に連続空隙を有し、植生ブロック、透水性舗装など様々な分野での利用価値が高く、新たな用途開発が積極的に行われている多孔質材料である。本研究では、ポーラスコンクリートの適用範囲をさらに拡大させることを目的として、粒径0.6〜2.5mm程度の小粒径骨材を使用して製造した小粒径ポーラスコンクリートの新たな機能性の付与(ガス吸着性能など)及び、小粒径廃棄物の骨材利用に関する内容について検討する。
1144 気体流動槽内における効果的なアンモニア除去条件の解明 平野 幹典 京都府畜産技術センター 西村 敏弘 独立行政法人科学技術振興機構 畜産事業所から発生するアンモニアガスを、簡易で低コストに脱臭するため樹木チップに硝化・脱窒菌を植種した脱臭槽を試作し実証運転したところ、鶏ふん処理施設から発生するアンモニアをほぼ完全に除去できることが確認できた。そこで、この方法による脱臭槽の設計指標を確立するため、樹木チップ充填槽を用いてアンモニアガス連続通気における充填槽内のアンモニアの捕捉、硝化・脱窒速度を求め、アンモニア除去の最適化条件を明らかにする。
1398 高電圧パルスを用いた新しい除草システムの開発 箕田 充志 松江工業高等専門学校 糸原 保 松江工業高等専門学校 地域の重要文化財の石畳や階段では、草刈機の使用が困難と考えられる。そのため、手作業や農薬を用いた除草が行われている。しかしながら残留農薬の問題や雑草の根が残るため十分な除草効果は期待できない。
本研究では、作業負担が少なく除草効果の長期維持できる可能性を有する高電圧パルスを用いた「除草システム」の開発を行うことを目的とする。
1404 竹繊維を活用した土壌水下方浸透の促進と有機物貯留による土壌環境修復 森 也寸志 島根大学 丹生 晃隆 島根大学 土壌は陸域最大の炭素貯留源であるが、農林地管理の粗放化と劣化が進み、水貯留や植物の培地、環境負荷の緩衝など本来の機能が果たせていない。本課題では、代表者の発明である「移流・分散制御による土壌中への選択的物質輸送」を劣化の進む土壌に施し、土壌表層にわずかに薄く存在する有機物を下方浸透かつ土壌体全体に分散させ、土壌の有機質化による炭素貯留と二酸化炭素削減効果、また植栽としての土壌環境の修復を図る。地域未利用資源である竹繊維を活用して土壌の透水性の改善を行い、土壌水の下方浸透と有機物貯留の促進をはかるものである。
1602 食品・農産廃棄物からの熱水溶性多糖類ニゲランの生産とオリゴ糖への変換 田 悟郎 香川大学 塩崎 紀子 株式会社テクノネットワーク四国 糸状菌Aspergillus aculeatusはバイオマス中に含まれる多糖類を資化する能力の高い微生物であり、D-グルコースがα-1,3、1,4結合したポリマーの熱水溶性多糖類であるニゲランを細胞内に蓄積するという能力をもつ。本研究では、糖を多く含む農産廃棄物やうどんのゆで汁排水などの食品廃棄物を原料にし、本菌を用いてニゲランを大量生産するとともに、ニゲランをさらに加水分解して機能性オリゴ糖であるニゲロオリゴ糖やニゲロースを得る。
1604 人工誘導巣を用いた新規な家屋侵入害虫アリ防除方法の開発 伊藤 文紀 香川大学 Lee YongKyung 香川大学 近年、外来アリの在来生態系におよぼす悪影響が懸念されており、その防除方法の確立が急務である。アルゼンチンアリは広島県を中心に各地に定着し、在来アリをはじめとする多くの生物が駆逐され生態系に悪影響を及ぼすとともに、家屋侵入不快昆虫として人間生活にも甚大な影響を及ぼしている。本種は難防除害虫で、薬剤散布ではいまだにその防除に成功していない。本研究では、本種をはじめとするアリ類の人工誘導巣を開発し、薬剤にたよらない方法での防除をめざす。
1728 漆喰と土を用いた新緑化工法の開発 伊東 啓太郎 九州工業大学 波多江 俊一 九州工業大学 本研究は、日本の伝統的建築材料である漆喰と土を用いた植栽枡(土漆喰植栽枡)を作製し、環境配慮型の新しい緑化工学技術を開発するものである。この植栽枡は漆喰と土で生成されるため、自由な成形やデザインが可能である。また、保水性と透水性が高いため、植生にマッチしており土壌温度低減効果もある。更に、土漆喰植栽枡はビルの屋上設置により、ビル屋上の温度低下と、ヒートアイランド現象の緩和効果がある。
1891 環境保全型低コストしらすセメント硬化体の開発 前野 祐二 鹿児島工業高等専門学校 中原 義毅 鹿児島工業高等専門学校 従来からの工法であるしらすのセメント安定処理技術を元に環境保全型低コストしらすセメント硬化体を開発し、その特性を明らかである。混合方法、締固め方法を特定することで、ヒートアイランドを防ぐ機能をもち、かつ比較的大きな透水性があり、硬化体のpHが中性に近い特徴が明らかである。そこで本研究は、粒度分布が異なる様々なしらすでしらすセメント硬化体を作製し、さらに詳細にこの特性を明らかにし、高品質なしらすセメント硬化体の開発を行うものである。
1913 海藻を用いた赤土流出防止技術の開発 小西 照子 琉球大学 宮里 大八 琉球大学 降雨により山や畑の土砂が浸漬されその土が海に流れ出す「赤土流出」は、海域のサンゴを死滅させるだけでなく養殖業などにも多大な被害を与えており、沖縄県では深刻な環境問題となっている。現在、赤土流出防止対策の一つに、凝集剤を用いて懸濁物質を凝集・沈殿させる方法が施工されているが、既存の凝集剤は人体への安全性や水質など環境に与える悪影響が懸念されている。本課題では海藻由来の安全な凝集剤を用いた赤土流出防止技術を開発する。
1915 泡盛蒸留圧搾粕を用いた肉用種子ヤギ育成用飼料の開発 長嶺 樹 琉球大学 宮里 大八 琉球大学 本研究では、沖縄独特の産業廃棄物である泡盛蒸留圧搾粕および豆腐粕が有効成分を豊富に含有していることに着目し、子ヤギの育成用配合飼料の原料として利用が可能か否かを明らかにする。すなわち、粕を配合しない対照飼料、豆腐粕配合飼料および泡盛蒸留圧搾粕配合飼料をそれぞれ用いて子ヤギを育成し、子ヤギの成長速度や血液性状などを3種の飼料間で比較、検討する。これらの成果に基づいて、泡盛蒸留圧搾粕または豆腐粕を主原料とした機能性に優れた子ヤギ育成用配合飼料を開発する。
1(B) ユビキタスブイを用いたサンゴ礁保全のための水温観測網の構築 和田 雅昭 公立はこだて未来大学 宮嶋 克己 公立はこだて未来大学 地球温暖化による海水温上昇に起因するサンゴの白化現象が深刻化している。白化現象の主な要因は高水温であると言われているが高水温を検知するための水温観測網は整備されていない。そこで、本研究では日本有数のサンゴ礁海域である慶良間海域の三次元的な水温分布の可視化を目的として、複数の多層計測式小型水温観測ブイを用いた水温観測網を構築し、リアルタイムで水温情報を提供することによってサンゴ礁保全への活用を図る。

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 環境リスク:9件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
34 新規のテトラクロロエチレン分解菌の分解特性及び土壌浄化の実用化に向けたメカニズム糾明 チャン ヨンチョル 室蘭工業大学 加賀 壽 室蘭工業大学 本研究開発は、研究者らが新規に分離した嫌気性菌Propionibacterium sp. HK1株のテトラクロロエチレン(PCE)及びシスー1,2−ジクロロエチレン(cis-DCE)の分解能力を活用し、有機塩素化合物の汚染土壌から汚染物質そのものを完全分解できる低コスト、かつ安全なシステムを確立する。
253 自然由来重金属類汚染リスク評価システムの開発と仙台地域での実用化 土屋 範芳 東北大学 山口 一良 独立行政法人科学技術振興機構 土地を適正に評価し、有効に利用するためには、土壌中に含まれる重金属の種類や分布を正確に評価し、効率的な対策技術を構築する必要がある。本研究は、仙台地域をモデルフィールドとし、主として竜の口層を対象として自然由来の重金属の存在状態(とくに砒素、カドミウム、鉛)を明らかにし、あわせて、ハイリスクな岩石や土壌について、開発や曝露による環境汚染のリスク管理を可能とする自然由来重金属汚染評価システムを開発する。
342 低分子含塩素有機化合物の分解固定化技術の実用化研究 古澤 毅 宇都宮大学 山村 正明 宇都宮大学 産業界で溶剤・脱脂洗浄剤・塗料剥離剤として有用される低分子含塩素有機化合物は、PRTR指定物質であり、人体あるいは環境への負荷が懸念されるため、低濃度であっても分解除去すべきである。低濃度VOC除去の従来技術として燃焼方法や活性炭吸着法が多用されているが、本研究では燃焼方法および活性炭吸着法の問題点を解決し、安価で簡便に含塩素VOCを分解固定化する技術および材料を確立する。
367 金属化合物ナノ粒子を含有するマイクロゲル粒子の開発と応用 土橋 敏明 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 本研究では、金属化合物ナノ粒子を天然由来の物質により構成されるマイクロゲル粒子中に含有させることによって、人体に安全ではない合成高分子や界面活性剤を使用せず、ナノ粒子材料の機能性を活用した安全性の高い材料を提供する。
627 個人被爆監視用「パーソナル・ナノ粒子サンプラ」の開発 古内 正美 金沢大学 奥野 信男 金沢大学 ナノ素材の利用拡大に伴い、アスベストよりも危険な可能性のあるナノ粒子による健康リスクへの懸念が高まっているが、その正確なリスク評価方法がない。本課題では、個人がどれだけのナノ粒子リスクにさらされているかを直接測定することができる、「パーソナル・ナノ粒子サンプラ」を設計・試作し、特許申請・製品化・標準化を目的とする装置開発・実用試験・改良を行う。鍵となるのは、微細な繊維を利用し肺胞に沈着しやすいナノ粒子を選択抽出する「慣性フィルタ」であり、ここでは「極低圧損」と「ナノ粒子分級」「軽量化」を達成する条件を検討する。
707 美術品を守る3次元小型軽量免震装置の実用化 新谷 真功 福井大学 坪内 彰 福井大学 本研究では、貴重な美術品や国宝級の縄文式土器など壊れやすいものを地震から守るための3次元小型軽量免震装置を、摩擦力のコントロールにより実用化することを目的とする。具体的には、免震性能を上げる有効な摩擦力を解析モデルによって明らかにするとともに、円錐面台の軽量化、重心位置の低下、新たな圧縮ばねの製作等を行い、移動性や設置性に優れた安価な免震装置の開発・実証実験を行う。
1058 ES,iPS細胞を用いた環境バイオセンサーの開発 高田 達之 立命館大学 福井 理絵 立命館大学 近年アレルギーや男性不妊が急増し、環境化学物質の関与が指摘されている。しかしヒトへの影響に関しては未だに明確な結論が得られていない。その一因として、ヒトの生殖細胞分化への影響を評価する適切な実験系の欠如が挙げられる。本課題は化学物質に鋭敏に反応するES、iPS細胞をバイオセンサーとして活用し、その生殖細胞等への分化能への影響を指標として環境化学物質の安全性を評価する新規評価系の開発を行うものである。
1653 農薬に依存しないマイクロバブルオゾン水利用による安心・安全な農産物生産技術の確立 福元 康文 愛媛大学 入野 和朗 愛媛大学 オゾンは強力な酸化力(殺菌力)を有し、上下水道をはじめ、医療、食品等で利用され効果を発揮している。しかし、毒性が強く気相でオゾンを利用するには危険を伴う。マイクロバブルオゾン水製造装置は、水に難溶なオゾンを高効率で水中に短時間で溶解させることが可能である。さらにオゾンが空気中に排出されず安全性が高い。高殺菌力を持つマイクロバブル水を用い、農薬に依存しない安全・安心な農産物の生産技術の構築を目指す。
1801 焼却炉飛灰の無害化とその副産物の再利用法の開発 田端 正明 佐賀大学 佐藤 三郎 佐賀大学 家庭用ごみの焼却炉から排出される飛灰は有害金属や有機ハロゲン化合物を含むので、その処理が社会問題となっている。飛灰に硫黄と消石灰を加えると飛灰中の有機ハロゲン化合物は分解され重金属は固定化される。その副産物である上澄み液は再び他の飛灰処理剤として利用可能である。本応募課題では、①飛灰中の重金属およびPCBやダイオキシンの最適固定化及び分解法の開発、②飛灰処理上澄み液による別の飛灰の無害化のための再利用について、実用化を図ることである。

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 循環型社会システム:23件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
126 レアアース含有廃棄物からのディスプロシウム回収およびLED用蛍光体の合成 高橋 徹 北海道立工業試験場 作田 庸一 北海道立工業試験場 レアアース資源の安定供給は重要な課題となっており、特にディスプロシウムは国家プロジェクト対象元素となっている。また、白色LEDは演色性が高い三波長型に切り替えが進んでおり、LED用赤色蛍光体の需要が拡大している。本研究では廃蛍光管に含まれるレアアース蛍光体の有効利用として、ディスプロシウムの分離回収およびLED用赤色蛍光体(タングステン酸ユーロピウム蛍光体)の合成法について検討する。
173 メカノケミカル法で調製した高活性複合金属酸化物触媒によるバイオディーゼル燃料の合成 福村 卓也 一関工業高等専門学校 佐藤 昭規 一関工業高等専門学校 遊星ボールミルやエネルギー集中型ボールミルを用いたメカノケミカル法によりアルカリ土類金属を主成分とする複合金属酸化物触媒を調製し、近年環境調和型燃料として注目されているバイオディーゼル燃料の効率的合成法を構築する。調製した各種触媒の性状観察結果と反応実験結果との関係を総合的に評価した上で最適触媒を決定し、最終的には既存の均相アルカリ触媒に比肩するデータの獲得を目指す。
245 ネオジム磁石からのジスプロシウムの非加熱回収法の開発 加納 純也 東北大学 平泉 健 東北大学 ジスプロシウムはネオジム磁石の保持力を高めるための添加剤として使用され、近年、その需要が急速に高まっている。ジスプロシウムは極めて希少な金属の一つであり、今後も安定的にジスプロシウムやネオジムを供給するには,ネオジム磁石からそれらを回収することが必要である。そこで本研究では、ネオジム磁石から粉砕処理を利用してジスプロシウムに加え、ネオジムを同時に高回収率・高純度で分離回収する技術を構築する。
331 希土類磁石からネオジムの簡便かつ高効率な分離回収技術の開発 下条 晃司郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構 飯塚 隆行 独立行政法人日本原子力研究開発機構 本研究では希土類磁石の加工廃棄物からレアメタルであるネオジム(Nd)を高効率に回収し、資源の有効利用を目指すものである。具体的には、ネオジムに対して高い選択性を示す新規抽出剤を開発することで、分離効率を向上させ、高効率な溶媒抽出プロセスを構築する。また、分離回収工程を低減することで、プロセスの簡便化および運転コストの削減を図り、技術の実用化を検討する。
338 家畜糞尿等の高含水率有機質汚泥の自己発熱による炭化プロセス 岩渕 和則 宇都宮大学 山村 正明 宇都宮大学 家畜糞尿は主に肥料として利用されるが食料・飼料の輸入過多により肥料過剰の地域が出現している。家畜糞は有機物であり燃料利用が可能であるが、85%以上の高含水率であるためそのままでは燃料利用は困難である。代表研究者らはこのような家畜糞を自己発熱により100℃以上の高温へ導くプロセスを考案している。家畜糞尿等の水分を除去し、燃焼によるバイオマスエネルギー源としての利用が期待される。
512 農業残渣である米籾殻からの高機能素材開発 西園 啓文 横浜国立大学 村富 洋一 横浜国立大学 本研究では、国内だけで毎年およそ250万トン発生し、そのほとんどが廃棄処分される米籾殻の再利用方法を開発する。具体的には、多孔質で吸着作用が高く、アルカリに易溶性という米籾殻抽出ケイ酸の特性を活かして、ヒトあるいは牛や豚などの産業動物の体外受精率を向上させる高付加価値素材として提供することを目指す。
561 強磁場を用いた無電解ニッケルめっき廃液のゼロエミッション化の研究 岡 徹雄 新潟大学 中津 普門 新潟大学 無電解ニッケルめっき工程の廃液から、その生成不純物として晶出させた亜燐酸ニッケルを、超伝導バルク磁石で得られる4テスラの強磁場によって分離することにより、めっき液の再利用を図って工程のゼロエミッション化をめざす。本研究の目的は弱い磁性をもつ糊状の亜燐酸ニッケル沈殿を、強磁場で有効に吸着分離することにあり、簡便かつ低コストに廃液を再生させることが出来る。
613 飛躍的に元素選択効率を向上させる画期的な有価元素分離回収剤の開発 加賀谷 重浩 富山大学 岩瀬 洋一 富山大学 循環型社会構築が叫ばれる中、有価元素の高効率な回収技術が強く求められている。このような背景を受け、本研究課題では、基材樹脂を調製し、これに長鎖ポリエチレンイミンを導入し、さらにこれを適度にカルボキシメチル化することにより、アルカリ土類元素を捕捉しない、元素選択効率の極めて高い有価元素分離回収剤、長鎖アミノカルボン酸型キレート樹脂を開発することを目的とする。
758 クリ殻を利用したキノコ栽培技術の開発 久田 善純 岐阜県森林研究所 前田 喜朗 独立行政法人科学技術振興機構 クリを原料とした菓子製造業において、その加工残渣としてクリ殻が大量に排出される。しかし、クリ殻は果肉カスがすぐ腐敗するため扱いにくく、大半は産業廃棄物として焼却処分され、その成分が有効に活用されていないのが現状である。このクリ殻は、乾燥して保存性を増し、適度な粒径に破砕することで新たな資源となる可能性があり、その成分を最も有効に活用する手法として、キノコの菌床栽培の材料として利用する技術を開発する。
839 木質・草本系バイオマス糖化の複合微生物系構築 倉根 隆一郎 中部大学 岡島 敏夫 中部大学 地球温暖化防止効果が期待されるバイオエタノール生産において食糧資源であるでん粉等のバイオマスから第2世代バイオマス原料としての木質・草本系バイオマスへの移行が求められている。本研究では木質・草本系バイオマスの前処理・糖化を同時(あるいは逐次)に可能とする複合微生物系を構築し、複合微生物系を用いて効率的な前処理・糖化を評価する。
929 溶媒抽出を用いた新規な廃油再生処理法 義家 亮 名古屋大学 押谷 克己 名古屋大学 膜分離をともなう溶媒抽出を用いた新規な廃潤滑油再生処理法を提案する。廃潤滑油のマテリアルリサイクル(資源再利用)を促進するため、廃潤滑油中に含まれる重質炭化水素および無機系不純物の省エネルギー・低環境負荷の除去技術を開発する。再生油は潤滑基油としての利用を目指す。本研究においては、不純物除去性能の向上に適した膜材料および溶媒の種類を探索する。また、分離時間および溶媒使用量を節約するためのプロセス設計を行う。
1269 食品等の廃棄物を利用した校庭緑化用の芝草病原菌防除剤の開発 東條 元昭 大阪府立大学 下田 忠久 大阪府立大学 食品などに由来する廃棄物の植物病害防除効果を明らかにし、緑化や農業での利用への糸口をつかむことが目的である。小中学校等の校庭緑化への応用を想定している。芝草は夏季の高温多湿時に傷つけられると病害の被害を受けやすく、とくに校庭のように踏圧損傷にさらされ、農薬使用も限られる場所では被害が広がりやすい。食品等に由来する廃棄物の病害抑制効果が明らかになれば、環境に調和した病害発生回避につながる。
1273 バイオディーゼル燃料製造時に副生するグリセリンの資源・エネルギー化 徳本 勇人 大阪府立大学 亀井 政之 大阪府立大学 原料油脂の10〜20%程度副生するグリセリンを単独で処理する方法である。バイオディーゼル燃料の製造時に副生する強アルカリ性のグリセリン溶液は、従来の嫌気発酵処理では分解が困難である。本技術では、嫌気発酵分解能力を劇的に向上させる発酵制御技術により、このグリセリンを容易に資源・エネルギーに変換させることに成功した。発酵制御剤は極微量の有機物なので、環境負荷は小さく、迅速に有価物を生産できる。また、既存のメタン発酵槽を利用でき、新たな設備投資も少ないと考えられる。
1274 キトサン繊維を用いた廃棄二次電池からのコバルト回収・資源化プロセスの開発 中村 秀美 奈良先端科学技術大学院大学 亀井 政之 大阪府立大学 使用済み二次電池の正極材にはニッケル、コバルトの2 元素、あるいはマンガンを加えた3元素が含まれているが、原料のコバルトが高いうえ、コバルトを回収し再生するのに高コストがかかる欠点があった。資源回収と環境保全の両面においてこの3 元素を単元素に分離し、リサイクルする技術の開発は緊急の課題である。本研究では吸着法に着目し、安価なキトサン繊維を用いて廃棄二次電池の正極部分に含まれるコバルトをpH 操作のみで完全に吸着分離・回収・資源化することを目指す。
1349 高炉水砕スラグ粒子固結防止剤の開発 鈴木 道隆 兵庫県立大学 松井 康明 兵庫県立大学 現在、コンクリート用細骨材として砂が用いられているが、川砂の枯渇、海砂の採取規制などから砂の輸入まで行われている。一方で高炉から出るスラグ粒子は廃棄物としての処理に困っているが、これは水と反応して固結してしまうため、貯蔵ができず、砂の代わりにコンクリート用細骨材として使用できない。そこで、高炉水砕スラグ粒子固結防止剤を開発する。これにより、廃棄物のリサイクル有効利用が可能となるばかりでなく、貴重な川砂の使用量を大幅に減らすことができ、環境保全の観点からも有益である。
1515 高機能金属結合タンパク質Vanabinによる重金属の効率的濃縮系の開発 道端 齊 広島大学 榧木 高男 広島大学 我々は、新規金属結合タンパク質Vanabinファミリー遺伝子群を元にした遺伝子組換え大腸菌による重金属濃縮系を発明し、保有している。本課題は、循環型社会の構築に欠かせないプロセスの一つである重金属汚染環境の修復や金属含有廃液の処理、海水からのレアメタルの高度濃縮の実用化に向けて、遺伝子改変および発現系の改良と金属還元系の組み込みによって、この重金属濃縮系のさらなる効率化に取り組むものである。
1630 イオン液体を利用した製紙スラッジの糖化に関する研究開発 中河 三千代 愛媛県産業技術研究所 森川 政昭 愛媛県産業技術研究所 製紙工程から排出される産業廃棄物である製紙スラッジは、焼却によるエネルギー回収や無機成分の機能材料化といったことが一部で行われているのみで、製紙スラッジに多く含まれているパルプ由来のセルロース分は焼却されている。本研究では、製紙スラッジ中のセルロースを資源として利用するために、製紙スラッジをイオン液体により処理し、セルロースを糖化する方法を検討することで、製紙スラッジを全量再資源化する技術を開発する。
1647 石炭灰を主原料とした有害物質吸着材の開発研究 逸見 彰男 愛媛大学 瀬野 英二 愛媛大学 火力発電所の廃棄物である石炭灰(フライアッシュ)は、コンクリートの混和材料として古くから使用されているが、未だその活用は限定的であり、廃棄される量も多い。石炭灰とセメントを混合したものを土壌改良材として利用することが期待されているが、石炭灰やセメントに含まれる六価クロム等、重金属の溶出が懸念されるため、実施例は少ない。そこで本研究は、石炭灰を主原料とした、重金属等の吸着能力をもつ新素材を開発することにより、石炭灰と混合して使用することで重金属の溶出を抑制し、石炭灰の有効利用に資することを目的とする。
1746 生体的鉱物学的フッ素不溶化による鉄鋼スラグの循環資源化 高橋 史武 九州大学 古川 勝彦 九州大学 本研究では簡易・低コスト・高環境安全な手法で鉄鋼スラグ中のフッ素を鉱物学的に不溶化させ、同時に生成フッ素鉱物によって環境浄化機能を発現させることを狙う。歯科分野での知見に着目して、骨生成を模擬した生体的鉱物学的反応によって微生物親和的な表面性状を有するフルオロアパタイトを鉄鋼スラグ表面に形成させる。フッ素の鉱物学的不溶化だけでなく環境浄化機能という付加価値を与えることで、リサイクル材に土石系天然資源に勝る市場競争性を実現させる。
1807 未利用廃木材を利用した木質ボード用接着剤の開発 市P 英明 長崎県工業技術センター 山中 孝友 長崎総合科学大学 循環型社会構築の観点から、未利用廃木材(間伐材、建築廃材)を化学的・物理的手法で液化し、得られた液化木材を接着剤原料に利用する試みが行われている。しかし、製造コストが高く、経済性の問題から実用化されていない。本提案では、未利用廃木材を利用した“低コスト”で実用可能な木質ボード用バインダーを開発する。開発したバインダーを用いて木質ボード(パーティクルボード)を試作し、実用へ向けた性能評価を行う。
1809 新規リン吸着材を用いて排水から回収したリンの資源化に関する研究 高松 宏行 長崎県窯業技術センター 永田 良人 (財)長崎県産業振興財団 排水中のリンを吸着し、リン脱着液を用いて吸着したリンを回収するリン吸着材を開発した(特許出願中)。本吸着材を活用したリン資源回収型の排水処理システムを構築するにあたって、リンの脱着プロセスとリンの固形化プロセスに課題を残している。研究では、リン脱着液のアルカリ濃度、リン脱着後の脱着液の濃縮条件およびリン晶出条件を適正化し、リンを固形物として資源化するプロセスを確立して、システムの実用化に繋げることを目標とする。
3(B) 家畜糞尿の堆肥化および腐植化を促進する炭化物資材の開発 谷 昌幸 帯広畜産大学 田中 一郎 帯広畜産大学 適切に処理された堆肥を圃場還元することにより、耕地の生産性を高めるとともに、土壌炭素蓄積による環境保全効果が期待できる。本課題では、家畜糞尿に添加することにより堆肥化および腐植化を促進する効果が期待できる炭化物資材を開発することを目的とする。炭化物表面に非晶質酸化鉄を多く含む状態の資材製造条件を検討し、屋外での堆肥化試験により資材の効果を検証し、実用化見通しを得ることを目指す。
46(B) 貴金属リサイクルのための光応答抽出プロセスの開発 竹下 健二 東京工業大学 林 ゆう子 東京工業大学 本研究の目的は、波長の異なる光照射により抽出剤の分子構造を変化させることによって、貴金属工業廃液から貴金属類を高選択回収でき、かつ廃棄物発生を抑制できる「光応答型溶媒抽出プロセス」を開発することである。プロセス成立性は平成20年度シーズ発掘試験で確認されており、本年度はミキサーセトラーによる貴金属類の連続回収と酸性溶液でも高い貴金属分離能を示す光応答抽出剤の合成を試み、プロセスの実用化を目指す。

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 生物多様性:9件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
212 大豆の発芽プロテアーゼ生成条件の解明と工業的応用 金内 誠 宮城大学 山口 一良 独立行政法人科学技術振興機構 本研究は、大豆の発芽作用によって生産されるタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)の性質を明らかにし、その工業的な応用を探ることを目的とする。この成果を利用することによって、醤油や味噌など大豆の加工品製造に必要な熱量を削減でき、製造コストやCO2削減などの改善が期待できる。さらに低コストで生産される活性の高いプロテアーゼを、植物性プロテアーゼとして工業的に利用する可能性も明らかにする。
742 牛乳房炎早期発見のためのウシケメリン高感度検出方法の開発 盧 尚建 東北大学 福澤 稔 信州大学 本研究開発は、牛乳房炎の早期発見のために乳汁中のウシケメリン(Chemerin)タンパク質を検出する方法を開発するものである。ウシケメリン遺伝子配列を基に、組み替えタンパク質を作製し、これを抗原としてポリクローナルケメリン抗体を作り、ケメリンを検出するために必要なアッセイ方法を開発する。これにより、乳房炎の早期発見のために安価で簡便に検出できる高感度検出キットを考案する。
792 絶滅危惧動物の保全活動を支える繁殖状態判定キットの開発 楠田 哲士 岐阜大学 馬場 大輔 岐阜大学 ネコ科、クマ科、イヌ科の絶滅危惧種の排泄物を利用し、動物に侵襲性のない方法で、現場で使える簡易な排卵・妊娠ホルモンを検出するキットを開発する。排卵・妊娠の指標としてプロゲステロン、妊娠特異的指標としてリラキシンを検出することで、確実な排卵・妊娠判定を可能とする。本キットの製品化により、絶滅危惧動物の飼育下繁殖計画(生息域外保全)と野外での繁殖生態調査・保護活動(生息域内保全)の推進を図る。
977 イネに菌核病を引き起こすRhizoctonia属菌の菌種内多様性 稲垣 公治 名城大学 西村 亮 名城大学 イネの菌核病にはその品質に大きな影響を及ぼす数種菌核病の中に、赤色菌核病と褐色菌核病菌が含まれる。これら2種病害の病原菌について北海道=九州より採集・分離し、また近隣諸国採集のものを供試して、菌種内多様性についての知見を得ることを目的とする。具体的な実施内容としてDNAフィンガープリント解析、菌体内脂肪酸組成、培養的諸性質を調査して病原菌系統樹を作成し、これらの調査を通して各菌群とイネ栽培品種との関係を調査し、イネの菌核病を網羅するデータベースの構築を目指す。
986 コアマモの繁殖生態に及ぼす環境要因の解明とコアマモ造成技術開発 森田 晃央 三重大学 齋木 里文 株式会社三重ティーエルオー 連続した沿岸生態系の再生にはアマモに加えて、より浅場に生育するコアマモの造成が不可欠である。しかし、コアマモ造成の基礎的知見は非常に乏しく、現状では天然のコアマモ群落からの株移植に頼るしかない。そこで、本研究では効率的な藻場造成に向けてコアマモの生態学的な知見を収集することを目的とし、天然コアマモ群落での生育環境の把握、コアマモの生態に及ぼす環境要因の解明について試験を行い、コアマモ造成技術の確立を目指すものである。
1068 琵琶湖の漁業資源保全のための河川河口部環境再生計画の立案 遊磨 正秀 龍谷大学 上條 榮治 龍谷大学 本研究は、琵琶湖における漁獲量の半分以上を占める重要な魚種であるアユをはじめ、湖と川を移動して生活しているさまざまな漁業資源の保全を目的に、琵琶湖に流入する河川水位の変動要因や河口付近に生息する魚類について、各成長段階での生息場所や移動時期と移動経路等について詳細な調査・解析を進め、これらを総合してより良い河川環境の再生案を提案するもので、特に琵琶湖北部に流入する安曇川,姉川をモデルに研究を行う。
1318 仔魚に優しい種苗生産用飼育水槽の開発 塩谷 茂明 神戸大学 西原 圭志 神戸大学 海産魚の種苗生産では仔魚飼育水槽内にエアレーションを行うが、気泡により生じた水槽内の流れが仔魚の生残率と深く関連することを明らかにした。通気量と通気方法、仔魚飼育水槽の形状の影響調査を実験及び数値シミュレーションを行い、流れと仔魚生残率との因果関係を流体力学的観点から捉え、仔魚に優しい種苗生産用の飼育水槽の設計と開発を行う。これにより、仔魚の大量斃死を減少させる種苗量産技術の高度化を図り、種苗生産技術を世界で先導することを目的とする。
1552 防虫効果を備えたLED照明装置の開発 釜野 勝 阿南工業高等専門学校 宮城 勢治 阿南工業高等専門学校 自動販売機や街灯などで“光に虫が群がる”といった光景は、我々の生活の中で幾度も見られ、我々はその光景から自然に避けようとしてしまう。一般的に虫にとって短波長の光は見えやすく、長波長の光が見えにくいといった報告は既知である。本研究では、光源に虫が群がっていることに着目し、それを回避するための照明装置の開発を考えている。特に光源をLED とすることで波長を限定し、防虫効果を備えた照明装置の開発を目的とする。
1905 飲料用地下水中の硝酸性窒素を浄化するカプセル型バイオリアクターの開発 吉田 昌弘 鹿児島大学 中武 貞文 鹿児島大学 本課題では、硝酸性窒素で汚染された飲料用地下水源の浄化のために、独立栄養性脱窒細菌をマイクロカプセル内に固定化する研究開発を行う。脱窒処理を行える菌体固定化マイクロカプセルを調製することが、キーテクノロジーとなる。カプセル化技術を用いることにより、外部雑菌によるコンタミ抑制、脱窒細菌の高濃度での有効利用、ハンドリングの容易さ、カプセル内部の嫌気的反応場の積極的な利用が可能となる。さらに、本マイクロカプセルを用いた連続運転可能なバイオリアクターの開発を行う。

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 共通基礎研究(環境):14件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
63 デジタルカメラを用いた単画像計測システムの開発 橋 正義 独立行政法人森林総合研究所 福山 研二 独立行政法人森林総合研究所 デジタルカメラと角度センサー、距離計測機器、GPSなどを組み合わせ、デジタルカメラで撮影した物体の大きさを単画像上で計測、記録することが出来るシステムを開発する。野外での利用を想定し、小型軽量かつ簡便に操作できるよう設計し、樹木や野生動物などの大きさや形状を簡便に計測することが可能なシステムで、森林や環境情報の記録・計測に利活用できるものを目指す。
192 遠心力を利用した向流クロマトグラフの開発と応用 北爪 英一 岩手大学 小川 薫 岩手大学 遠心力を利用した分離技術の一つである、「高速向流クロマトグラフィー」による重金属元素の高感度分離分析について、装置開発を含めた系統的研究を展開している。濃縮率を上げるために必要な、高速回転に耐えうる、最適なチューブ形状を考案し(特許第3756649号)、従来の方法に比べ約100倍の感度向上を達成した。また河川水や海洋水などの環境水中に排出された環境汚染物質を効率的に濃縮処理するため、装置のカラム部分を改良し新しい流路機構を提案した(特許第4249080号)。これを用いて汚染除去装置としての可能性を検討している。
478 RNA干渉能を強化することによるウイルス抵抗性植物の作出 福原 敏行 東京農工大学 江口 元 東京農工大学 農作物のウイルス病害に対する有効な農薬はなく、商品価値が高いランやユリなどでは、ウイルス抵抗性品種の開発が望まれている。本研究では、ウイルスに対する防御機構として知られているRNA干渉に着目し、その中心を担うダイサーや2本鎖RNA結合タンパク質を用い、植物が本来備えているRNA干渉能を強化することにより広範囲のウイルスに抵抗性を有する植物を作出することを目標に研究を推進する。
493 分解細菌による硫化カルボニル処理方法の開発 片山 葉子 東京農工大学 木下 麻美 東京農工大学 工場排水処理施設や廃棄物処理場から発生する排ガスに含まれ、大気中の濃度の増加も指摘される硫化カルボニル(COS)は高等動物に対する毒性や機構への影響があるため、分解処理が必要である。本申請課題では、微生物のCOS分解能力を利用し排ガスからのCOS除去を行なう事を目的として、細菌による高濃度COS分解に関して調べ実験的に技術の有効性を検証し、工場等の排ガス処理実験に繋げる。
526 次世代型蛍光X線分析装置を用いた浮遊粒子状物質分析のための自動連続試料導入装置の開発 奥田 知明 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 浮遊粒子状物質中微量金属は人体に有害であり、簡便かつ迅速な分析法が必要である。本研究では、二次ターゲットの使用により分析対象元素に最適化された励起条件を提供すると同時に偏光光学系の併用によりバックグラウンドノイズを大幅に減少させた分析装置である次世代型エネルギー分散型蛍光X線分析装置に最適化された自動連続試料導入装置を開発し、浮遊粒子状物質中有害微量金属の多元素高感度自動連続計測技術の開発を行う。
676 ICP発光分光分析法の高感度化を目的としたシールドトーチの開発 田中 智一 福井工業大学 佐々木 博 福井工業大学 誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)は、高温のアルゴンプラズマを励起・発光源とする重金属分析法であり、国内外で広く普及している。ICP-AESによって環境中のより低濃度の有害重金属を正確に定量するには、装置の高感度化が必要であるが、一般的に装置の大幅な改良を伴うことが多く、既存の装置の場合は困難である。それに対して本研究では、市販の放電管に薄い円筒状の金属板を装着するという極めてシンプル且つ汎用性に富んだ方法で、ICP-AESの高感度化を図る。
786 環境モニタ用小型アイセーフレーザー・レーダーの開発 吉田 弘樹 岐阜大学 竹内 正治 岐阜大学 代表研究者らの培ってきたレーザー装置およびレーザー・レーダーの技術をベースにした応用研究である。先ず、可視領域外の小型レーザーと受光装置を組み合わせ、小型のアイセーフレーザー・レーダーとしての基本性能を評価する。次に、環境モニター用にエアロゾルやガスの測定に特化する。そして、得られた知見に基づいて小型で低価なシステムの検討と設計を行う。以上を通して、ポータブルで安全な作業者を選ばない普及タイプのレーザー・レーダーを提案する。
830 快適空間創造用バイオフィルタの開発と応用 森川 豊 愛知県産業技術研究所 齊藤 秀夫 愛知県産業技術研究所 本課題の目的は、グリーンケミストリーに対応した低温水系反応のみで構成することができる無機系のゲルに、生体触媒を包括固定する最適方法を構築することである。得られた固定化生体触媒は空気質浄化用バイオフィルタなど室内環境浄化用に提供することにより、快適空間創造用材料として用いることが可能である。さらに、排水処理・アレルゲン除去・バイオセンサーなど非常に多くの用途展開が可能である。
910 伝統的木造建築物の部材再使用における非破壊評価法の開発と応用 佐々木 康寿 名古屋大学 吉田 勝 (財)名古屋産業科学研究所 伝統的木造建築物の改修・改築等における部材再使用の可否について、代表研究者は部材中を伝播する応力波の速度のみを測定することにより、材料密度が未知のままで部材のヤング率を推定する方法を新しく開発した。しかし、建物改修の計画・設計ではヤング率と同時に部材の剛性も重要であり、部材の欠損等を含む場合の評価方法を考える必要がある。この課題では、新開発の方法で推定したヤング率をもとに、欠損をもつ構造部材の曲げ剛性を科学的に評価する方法を確立し、建物改修時の計画・設計・監理に活かそうとするものである。
985 硝酸塩を利用した持続性底質改良材の開発 清水 康弘 三重県水産研究所 増田 峰知 三重県農水商工部 内湾の魚介類養殖場のような水深の浅い海域では、夏季の高水温時に底泥から大量の硫化水素が発生して、生息する生物に対して甚大な被害を及ぼすことがある。そこで、硝酸塩を利用した底質改良材を開発し、底泥中の脱窒細菌を増殖させて底泥中に酸化層を形成させることで、硫化水素の発生防止を図る。また底質改良材に徐放性の機能を持たせることにより、周辺水域の窒素負荷を軽減する。
1583 無機固体触媒を用いる環境調和型有機反応手法の開発と実践的展開 和田 眞 徳島大学 平岡 功 徳島大学 (辞退)
1590 圧電トランスを用いた小型オゾン発生システムの開発 寺西 研二 徳島大学 牧野 正 徳島大学 近年、医療分野や食品加工工場における気相殺菌、福祉施設等の浴槽水殺菌でのオゾン利用が促進され、小型オゾン発生器が要望されている。本研究では、小型・軽量の高電圧発生素子である圧電トランスを独自の方法で用いた放電プラズマ発生法をオゾン生成に応用し、上述した分野で利用可能な小型オゾン発生システムを構築する。本課題では、電源ならびにリアクタの開発を行い、電極材料最適化と長期連続運転における動作特性向上についても検討する。
1749 ポルフィセンハイブリッド型環境浄化触媒の開発と応用 嶌越 恒 九州大学 古川 勝彦 九州大学 ポルフィリン類縁体の一重項酸素生成能に着目し、高機能(100%量子収率)・高耐性(触媒回転数10万回以上)・リサイクル性(再利用率99.9%以上、)を有するポルフィセンハイブリッド環境浄化触媒の開発を行う。ハロゲン置換ポルフィセンパラジウム錯体をゾル-ゲル法を用いて担体に固定化することで、上記ハイブリッド触媒を生成する。本触媒を用い、クロロフェノール等の環境汚染物質の酸化分解を行い、環境浄化触媒としての機能を評価する。
27(B) ロンキールーリングを用いた光散乱流速計の不透明流体計測への応用 天谷 賢児 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 ロンキールーリングと呼ばれる格子縞の光学素子にレーザーを通すと、空間内に格子状の光の縞が形成される。この中を粒子が通過すると周期的な散乱信号が発生し、その周波数と縞間隔から粒子速度を求めることができる。本研究開発ではこの手法をさらに発展させ、赤外線レーザーを用いて不透明液体用の流速計を開発する。さらに、モアレ干渉縞を構成することで、レーザーの照射方向の流速成分を求める新しい方法を提案し、3次元計測が可能な流速計を試作する。

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 その他(環境):6件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
471 高い脱離能を持つ新規キレート樹脂の開発研究 田中 里美 東京電機大学 中田 英夫 東京電機大学 近年、省資源的な観点からキレート樹脂により捕獲された重金属を再利用する動きが出てきており、そのためには高い選択的捕獲能と同時に、脱離能にも優れた樹脂の開発が迫られている。当研究室で開発したアミジノ尿素樹脂には、銅を対象とした試験において両能力の発現が認められている。そこで、既存のアミジノ尿素樹脂をベースに希少元素(In、Cr、Pb、Cd等)に高い捕獲・脱離能を示す新規樹脂の開発を行う。
549 オゾンマイクロナノバブルを利用した水耕培養液の殺菌・浄化システムの開発 玉置 雅彦 明治大学 福場 一郎 明治大学 オゾンマイクロナノバブルを利用した水耕培養液の継続的な殺菌・浄化システムを開発して、環境に配慮した半永久的培養液循環利用が可能な水耕システムを実現することを目的とする。そのために、培養液が循環使用できる水耕システムを用いて、初期濃度を104コロニー/mlとした植物病原菌を、感染能力消失レベルである常時102コロニー/ml以下となるように、水温が異なる季節ごとの使用指針を作成することを目標とする。
611 海藻分解菌による廃棄海藻を原料とした新奇な養殖用餌料の開発 中村 省吾 富山大学 岩瀬 洋一 富山大学 海岸に打ち上げられた海藻や、加工段階で出る端材廃棄海藻の総計は、年間数十万トンに上ると言われている。我々は、このような廃棄海藻を、微生物を用いて有効利用する方法を研究している。今回の応募課題では、このような廃棄海藻を海藻分解菌によって分解し、ナマコなど需要が高い海産生物の養殖餌料への転換・商品化を図ることを目的とする。
1016 電気化学分析法による農作物中のカドミウム分析法の研究 坂山 邦彦 滋賀県工業技術総合センター 横井川 正美 滋賀県工業技術総合センター 近年、食の安全性が大きく取り上げられており、わが国では玄米のCd含有量基準が設けられ、国際的にはコーデックス委員会で多くの農作物に対してCd含有量基準が設けられている。現在、これらの分析は数千万円もするICP-MSという高価な機器が使われており、すべてのサンプルに対して分析を行うには非常に費用がかかり不可能といえる。そこで、本研究では、数百万円で整備できる電気化学分析法に注目し、ICP-MSで精密分析をおこなう前のスクリーニング分析法としての確立を目指すものである。
1069 水中プラズマと光触媒を用いた新たな廃水処理技術の開発 浅野 昌弘 龍谷大学 上條 榮治 龍谷大学 本研究は、廃水中の超難分解性有害化学物質の新たな分解処理法の開発を目的としている。具体的には、水中でのプラズマ反応によるOHラジカルやオゾンの発生、プラズマから発生する紫外線による光触媒活性の向上など、多くの効果が相乗的に作用することが期待される、水中プラズマ反応と光触媒の作用効果を融合化した新方法で超難分解性有害化学物質の分解反応の素過程を明らかにするとともに、実用化に向けた課題を明らかにする。
1568 熱帯域原産の水草類を利用した高負荷廃水の栄養塩除去支援手法の開発 山本 裕史 徳島大学 大塩 誠二 徳島大学 下水・産業廃水処理で最も一般的な活性汚泥処理は、BOD等の除去効率は高いものの、リンなどの栄養塩の除去には問題があり、水質汚濁防止法の遵守や富栄養化防止には高価な高度処理が不可欠になっている。一方、近年、熱帯域原産の水草類が湖沼や河川のワンドなどに異常繁茂し、船舶の航行や景観の観点から懸念されている。本研究では、こういった水草類を従来の微生物を用いた生物処理に対する補完的役割として積極的に利用する際の水質浄化支援効果の定量的評価や、スケールアップ、実用可能性について実験的研究をおこなう。

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