No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1 |
ユビキタスブイを用いたサンゴ礁保全のための水温観測網の構築 |
和田 雅昭 |
公立はこだて未来大学 |
宮嶋 克己 |
公立はこだて未来大学 |
地球温暖化による海水温上昇に起因するサンゴの白化現象が深刻化している。白化現象の主な要因は高水温であると言われているが高水温を検知するための水温観測網は整備されていない。そこで、本研究では日本有数のサンゴ礁海域である慶良間海域の三次元的な水温分布の可視化を目的として、複数の多層計測式小型水温観測ブイを用いた水温観測網を構築し、リアルタイムで水温情報を提供することによってサンゴ礁保全への活用を図る。 |
2 |
ジアシルグリセロールキナーゼα阻害によるメラノーマ治療 |
坂根 郁夫 |
千葉大学 |
一瀬 信敏 |
札幌医科大学 |
メラノーマはNF-κBが常時活性化されおり、現在のところ有効な化学療法は存在しない。最近、ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)αの特異的阻害剤の投与によってNF-κB活性を阻害し、メラノーマの死を個体レベル(動物実験)で誘導することが可能となった。そこで、作用機構の基礎的解析と共に、詳細な動物実験(非臨床試験)を行い、DGKαを標的とした新たなメラノーマ治療薬の実用化の見通しを得ることを目指す。 |
3 |
家畜糞尿の堆肥化および腐植化を促進する炭化物資材の開発 |
谷 昌幸 |
帯広畜産大学 |
田中 一郎 |
帯広畜産大学 |
適切に処理された堆肥を圃場還元することにより、耕地の生産性を高めるとともに、土壌炭素蓄積による環境保全効果が期待できる。本課題では、家畜糞尿に添加することにより堆肥化および腐植化を促進する効果が期待できる炭化物資材を開発することを目的とする。炭化物表面に非晶質酸化鉄を多く含む状態の資材製造条件を検討し、屋外での堆肥化試験により資材の効果を検証し、実用化見通しを得ることを目指す。 |
4 |
間欠液パルスインジェクション法によるカーボンナノチューブの高効率製造システムの構築 |
向井 紳 |
北海道大学 |
佐藤 完二 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
代表研究者らはカーボンナノファイバーの高効率製造が可能な間欠液パルスインジェクション法の開発に成功している。この手法を用いることで80%以上の炭素収率でアスペクト比が高いカーボンナノファイバーを製造可能である。そこで本研究ではこの手法を改良することで、より付加価値の高いカーボンナノチューブの高効率製造法を確立することを目的に実施する。 |
5 |
アンモニア揮散を抑制したメタン発酵消化液の施用機械の開発と実証 |
荒木 肇 |
北海道大学 |
清水 條資 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
前年の研究でメタン発酵消化液を利用した稲作が可能となったことを発展させ、汎用型かつ肥料成分(アンモニア態窒素)の揮散を回避するメタン発酵消化液の施用機を製作する。製作機にはカルチを利用した土壌への施用および汚泥ポンプによる流量調節機能を設定する予定である。実圃場において、その作業性や消化液の地中散布効率およびアンモニア態窒素の揮散抑制効果および作物生育を検証する。 |
6 |
分子相乗作用に基づく抗肥満素材開発 |
宮下 和夫 |
北海道大学 |
清水 條資 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
海藻カロテノイド、フコキサンチンは、β3-ARの発現増大とPPARγの制御により、海藻中のEPAや18:4n-3などのω-3高度不飽和脂肪酸は、PPARγのリガンドとして、それぞれ抗肥満の中心因子であるUCP1の発現を増大させる。いずれも分子機構が解明された数少ない抗肥満成分であり、かつ、相乗的な抗肥満作用が期待できる。そこで、本課題では、UCP1を共通の抗肥満の鍵分子としているこれら成分間の相乗効果を利用することで、科学的基盤に基づいた抗肥満素材を開発する。 |
7 |
遺伝子組換え動物を用いた生命科学研究に資する抗体開発 |
渡辺 雅彦 |
北海道大学 |
清水 條資 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
生命科学研究は、遺伝子組換えモデル動物や発現の部位や時期をコントロールできるコンディショナル遺伝子組換え動物を用いて、生命機能の解明、医薬品の開発、治療予防法の開発がより一段と加速している。本研究では、この技術の基盤となる遺伝子組換え酵素や、テトラサイクリン耐性オペロン、発光蛋白を含むタグ分子などを可視化でき生命科学研究に資する特異抗体を、種々の発現系を駆使して開発する。 |
8 |
医薬合成重要中間体「光学活性シアン化物質」の高純度合成法の開発 |
大熊 毅 |
北海道大学 |
吉田 光則 |
北海道大学 |
光学活性シアン化物質はa-ヒドロキシ酸、g-アミノケトン等の医薬品・医薬原体の優れた合成原料である。アルデヒド類およびa,b-不飽和ケトン類の不斉ヒドロシアノ化は、そのもっとも直接的かつ効率的な合成法の一つとして知られている。本研究では、研究代表者らが独自に開発した不斉ヒドロシアノ化触媒の基質適用範囲の拡大を目指した検討を行い、将来医薬品合成プロセスで実用化できる見通しを得る。 |
9 |
業種別対応型コマンド予測システムによる高速3次元モデリングツールの開発 |
安田 星季 |
北海道立工業試験場 |
長尾 信一 |
北海道立工業試験場 |
3次元CADは、多機能化に伴いコマンド数が増大しているために、操作性が悪くなっている。これまでに研究者は、ユーザーの操作履歴を学習し、同ユーザーが使いやすい作業環境を構築できる試作版ソフトを開発した。しかし、効果が発揮されるまでに一定の学習時間を要するという問題があった。そこで本課題では、市販の3次元CADにインストールするとすぐにユーザーの業種に合った適切なコマンドが予測可能となるソフトの開発を目指す。 |
10 |
既存データが少量でも分類可能な文書分類技術の高機能化開発と応用 |
前田 康成 |
北見工業大学 |
岩崎 正吾 |
北見工業大学 |
本技術は新聞記事や特許公報のように既に既存のジャンルが定義されていて、新規の文書について既存ジャンルのどれかに分類する文書分類技術である。通常、分類精度を向上させるためには多くの既存データ(学習データ)が必要であるが、本課題では統計的決定理論に基づきベイズ流の分類方法を採用することによって既存データが少ない場合でも高い分類精度を実現する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
15 |
異種ハーフメタル粒子コンポジットによる低消費電力型磁気抵抗デバイスの開発 |
鈴木 勝彦 |
宮城工業高等専門学校 |
庄司 彰 |
宮城工業高等専門学校 |
磁場変化を電圧変化に変換して感知する低消費電力型磁気抵抗デバイスを実現することを目的とする。その実現のため、それぞれ正負のスピン偏極率を持つ二酸化クロム(CrO2)粒子とマグネタイト(Fe3O4)粒子をフィラーとする樹脂コンポジットを熱処理なしで作製して磁気抵抗バイアスを試作する。その際、それぞれの粒径と両粒子の成分比を変えて試作し、粒径と成分比と消費電力特性との関係を明らかにし、製品化のための基礎データを得る。 |
16 |
視覚再生研究:網膜局所への遺伝子導入とその安全性・副作用の評価 |
富田 浩史 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
緑藻類、クラミドモナスより単離されたチャネルロドプシン-2(ChR2)は、光受容体と陽イオンチャネルを合わせ持つタンパク質である。遺伝的に失明を来たすラットの網膜へのChR2遺伝子の導入により視機能が回復されることを既に明らかにしている。しかし、臨床応用を考慮した場合、異種タンパク質を導入・発現させること、遺伝子導入にウイルスベクターを利用することから、生体の免疫学的な副作用が懸念される。本研究では、ChR2遺伝子の長期的な発現変化および血液学的見地から遺伝子導入による副作用を明らかにする。 |
17 |
MOVPE法によるZnO基板上の「緑色発光用InGaN」の高温成長技術の確立 |
松岡 隆志 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
現在、市販されている「窒化物系発光デバイス」は、サファイア基板上に発光層InGaN(インジウムガリウム窒素)を積層して製品化されている。しかし、これら材料間の格子不整合率は14%に及び、LED特性向上の障害となっている。ZnO(酸化亜鉛)基板は、不整合率1.9%と小さく、サファイア基板の代替を切望されるも、実用に至っていない。本課題では、ZnO基板実用化の障壁である“原料アンモニアガスによるZnO基板の腐食”問題を克服し、ZnO基板上InGaNを800℃以上で高温成長する技術を確立し、ZnO基板を用いた発光デバイスの早期製品化に寄与する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
23 |
マイクロ・ナノバブル技術を活用した半導体ウエハ、冶工具の洗浄技術開発 |
浅野 俊之 |
茨城県工業技術センター |
津田 征夫 |
株式会社ひたちなかテクノセンター |
半導体製造における異物など汚染物質の洗浄に関わる有機溶剤の使用量増大とその排液処理などの洗浄コストおよび環境負荷の増大が問題となってきている。そのため、昨年度の研究成果をもとに研究機関と民間企業が密接に協力連携して、異物や不純物の物性に応じたマイクロ・ナノバブルによる洗浄条件の確認と洗浄方法の実験研究を進めることにより、複雑多様化する半導体材料と製造現場での最適な洗浄技術を確立し、低コストで環境に優しい洗浄技術の早期開発と実用化を図る。 |
24 |
「軽薄<炭>省」自動車難プレス材用「オーダメイド」複合表面改質金型の開発 |
鈴木 秀人 |
茨城大学 |
伊藤 勝彦 |
茨城大学 |
本研究は、「軽薄<炭>省」自動車難プレス加工材用の耐熱性超硬金型を開発するために、「オーダーメイド」OM複合表面改質技術を適正に高機能化することである。例えば達成性能の目標として、(1)傾斜機能性による界面強度の100MPa以上保証に加えて、(2)プレス用金型の硬質被膜として耐熱性、すなわち摩擦による500℃以上の昇温で2000Hv以上の硬さを保つこと、(3)さらにDLC被膜による金型を寿命を改善に係わる凝着防止機能を発現させる。 |
25 |
薄型熱発電式ユビキタス電池の開発 |
鵜殿 治彦 |
茨城大学 |
相澤 淳一 |
茨城大学 |
本研究は体温から100℃程度の低熱で発電する小型の熱電電池を開発する。この電池は手に触れるだけで発電し、半永久的に使える電源として活用できる。現在、優れた熱発電材料として、BiTe・Sb/Se系があり、この材料でそれなりの性能を確保できるが、これら元素の埋蔵量は少なく、また、毒性による規制の恐れがある。そこで我々は、資源量が豊富で安全性が高いMg2Si系の熱発電材料を用いて熱電電池の開発を進める。 |
26 |
Nrf2システムを利用した抗癌剤感受性診断法の開発と臨床応用 |
石井 幸雄 |
筑波大学 |
柿本 茂八 |
筑波大学 |
Nrf2の自発的活性化は肺癌を始めとした各種癌細胞で観察され、抗癌剤耐性に強く関与している。Nrf2の活性化はKeap1により制御され、癌細胞には高率にKeap1の遺伝子変異が存在する。我々は今迄に同変異が抗癌剤耐性の遺伝子マーカーとして有用であることを明らかにしてきた。本研究では、Keap1遺伝子変異を一括して簡便、迅速に検出する方法を開発し、抗癌剤耐性の新規診断法として各種癌における臨床応用を図る。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
32 |
穀類外皮等の未利用資源の資源化開発 |
江頭 祐嘉合 |
千葉大学 |
井上 里志 |
千葉大学 |
穀類外皮や大豆外皮等は通常廃棄される。本研究はこれら未利用資源を活用し食品分野で利用することを目的とする。これらの未利用資源には、機能性成分が豊富に含まれており、これらを動物の消化管で消化酵素の作用を受けやすい形態、あるいは腸内細菌に利用され易い形態にすると、機能性の発現が期待できる。本研究では、機能性を高めた食品素材の開発を目指す。さらに付加価値の高い化粧品素材への応用についても研究する。 |
33 |
革新的金属マトリックス圧電センサ・アクチュエータの開発と応用 |
浅沼 博 |
千葉大学 |
村上 武志 |
千葉大学 |
金属コア・中空圧電ファイバを独創的手法によりアルミニウムに複合化し、強度、応答性、耐久性を損なう樹脂系材料や複雑な電極システムが不要な画期的圧電複合材料を実現した。その成果はJSTの支援により米国、欧州6ヶ国、韓国に特許出願済である。本研究では、それらのセンサ・アクチュエータとしての完成度を高め、NASAを始め複数の企業、研究機関から提案のあった各種応用のためのデータ収集とプロトタイプ試作を目的とする。 |
34 |
ダウンバースト・鳥から航空機を守る高分解能レーダシステムの開発 |
鷹野 敏明 |
千葉大学 |
竹内 延夫 |
千葉大学 |
空港での霧やダウンバーストの構造と運動状態、鳥や昆虫などの大気浮遊物などを詳細に把握することは、過密な航空機の離着陸を、安全・安心かつ効率よく行なう為に不可欠である。そのため、我々が開発してきた高い感度と空間分解能を有するミリ波レーダを基礎にして、高感度高分解能かつ耐久性に優れた、霧等のモニター観測用の走査型レーダの実用化へ向けたプロトタイプを開発・研究する。 |
35 |
がん性疼痛に有効な新規鎮痛薬の創製研究 |
高山 廣光 |
千葉大学 |
中筋 公吉 |
千葉大学 |
我々は既存のモルヒネ分子とは基本骨格が全く異なる新しいオピオイド性鎮痛薬候補物質を見いだした。本化合物はマウスを用いた実験においても経口投与で有効など、鎮痛効力、バイオアベイラビリティー共に優れている。本新規物質をリードとして、モルヒネの持つ副作用(麻薬性、耐性獲得、便秘など)を軽減した、ガン性疼痛に対する有用な鎮痛薬の開発を目指す。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
36 |
生体分子機能を損なわない抗体精製用アフィニティーカラムの開発 |
金澤 秀子 |
慶應義塾大学 |
湯浅 洋二郎 |
慶應義塾大学 |
我々が開発した機能性高分子を用いた分離担体は、従来法と異なり、タンパク変性させる有機溶媒や高塩濃度を必要とせず生理活性を損なうことなく分離可能であり、溶媒コストを大幅に削減し、廃液回収が不要となる。HPLC充填剤として既に実用化しているが、本課題では、さらに発展させ需要の多いバイオプロダクト用精製カラムを実用化する。ゲノム創薬で重要性が増大している抗体のアフィニティー精製など医療分野への応用が期待される。 |
37 |
磁気プロセスの高意匠性印刷技術への応用 |
山登 正文 |
首都大学東京 |
宗木 好一郎 |
首都大学東京 |
強磁場を用いると有機材料や無機材料が示すわずかな磁気的性質を利用して、配向や位置制御が可能である。本研究ではモジュレータと呼んでいる磁気回路を用いて磁力線分布を制御し、微結晶の空間的配向分布および濃度分布を連続プロセスで制御する手法を確立する。さらに、この手法をパール顔料に適用することで配向や濃度を制御した新規高意匠印刷技術への応用を目指す。 |
38 |
高機能型フィルタを用いたUWB/Bluetooth用分波回路に関する実用化研究 |
和田 光司 |
電気通信大学 |
李 瑩玉 |
株式会社キャンパスクリエイト |
無線通信システムの中で広帯域無線通信(UWB)、Bluetoothは現在、脚光を浴びているがシステムを効率よく利用するには、用いる高周波回路その中でも送受信の要となるフィルタおよびそれを用いた優れた分波回路の開発が必要である。本課題では帯域阻止特性が良好でかつUWB(Low-BandとHigh-Band)およびBluetoothの3帯域を同時に実現する3分波回路およびその小型化について検討を行う。 |
39 |
多色発光プローブの創製 |
牧 昌次郎 |
電気通信大学 |
小島 珠世 |
電気通信大学 |
本研究の目的は、発光効率が地上最高のホタル生物発光系を用いた多色発光プローブの創製にある。多色発光プローブであれば、ターゲット物質を任意の波長で自在にラベル化することができ、かつ蛍光と発光を用途や測定状況に合わせて選択できるようにもなる。例えば深部病巣にターゲットが到達すると赤色発光するなど、これまでの標識材料では難しかった事象も可視化できるようになり、高度先端医療を支える材料にもなろう。 |
40 |
縫合・吻合を代替する小型生体接合装置の開発 |
岸田 晶夫 |
東京医科歯科大学 |
前田 裕子 |
東京医科歯科大学 |
超音波メスの融着モードの解析の結果、熱・ナノ振動・圧着を組み合わせることで生体組織が接着できることを見いだした。この新しい技術を応用し、超小型の生体接合装置の開発を行う。小口径血管、神経など高度な技術が必要な縫合を、迅速・簡易に達成することで、外科医の負担を軽減し、手術のQOLを向上させる。また応用として、肺や肝臓、静脈など従来、縫合が困難であった臓器の接合についても検討する。 |
41 |
光感応性有機薄膜を用いた蒸着マスクレスパターン形成とデバイス応用 |
臼井 博明 |
東京農工大学 |
田中 公 |
東京農工大学 |
次世代有機デバイスでは微細パターンを大面積に形成する必要があるが、現在のシャドウマスクを通した蒸着法では限界がある。そこで本研究では機能性有機材料と光重合開始剤の共蒸着により光感応性有機薄膜を形成し、次いで紫外線露光及び現像を行うことにより、蒸着マスクを用いずにデバイスパターンを形成する。さらに、このプロセスを逐次組み合わせ、3色の画素を光描画してパターン形成・集積し、多色発光素子を試作する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
42 |
高速・低消費電力五層非対称結合量子井戸光変調器の実用化 |
荒川 太郎 |
横浜国立大学 |
村富 洋一 |
横浜国立大学 |
五層非対称結合量子井戸を有する高速・低消費電力のマッハ・ツェンダー干渉計型光変調器の実用化を目指す。本試験で提案している五層非対称結合量子井戸は、巨大な電界誘起屈折率変化が期待できる特殊な半導体量子井戸構造で、この優れた特性を利用して光変調器の動作電圧を従来の1/5まで低減(または小型化)することを目標とする。ウエハ結晶成長には、量産化を前提とし有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いる。 |
43 |
スピーキング・プラント・アプローチによる知能的灌水制御の実用化研究 |
大幅 元吉 |
東京農工大学 |
寺内 隆道 |
桐蔭横浜大学 |
植物の根域部に多孔質セラミック管を配置し、これより低い位置に置かれた給水槽とを管路でつなぎ水を満たすことにより、栽培状態のままで吸水量が求められる。これに計測・制御システムを組み込めば、植物のリアルタイム吸水速度の計測と水ストレス状態の診断・制御が可能となる。本方式に基づく「スピーキング・プラント・アプローチ(植物との対話)」により、栽培目標に見合う最適な知能的灌水制御の実用化を目指す。 |
44 |
実世界触覚情報の圧縮保存・再生を行うハプトシステムの開発 |
桂 誠一郎 |
慶應義塾大学 |
佐藤 修 |
慶應義塾大学 |
ユビキタス社会の到来により、人間の感覚情報を伝送するネットワークがインフラとして整備され、これまでにない人間支援技術の発展が期待されている。しかしながら利用できるネットワークの帯域が限られているため、効率の良い情報の圧縮保存・再生技術の開発が必要不可欠となっている。そこで本課題では、特に実世界触覚情報に焦点を当てた圧縮保存・再生技術の開発を行い、新しい「ハプトシステム」を開発することを目的とする。 |
45 |
直接メタノール燃料電池用電解質膜のメタノール透過性評価システムの開発 |
小川 邦康 |
慶應義塾大学 |
佐藤 修 |
慶應義塾大学 |
直接メタノール燃料電池(DMFC)で使用する電解質膜のメタノール透過性を評価するシステムを試作する。直径1mm程度の小型NMRセンサー(核磁気共鳴法を利用したセンサー)と小型永久磁石を用いて、電解質膜内のメタノール濃度を時系列的に計測し、透過性をメタノールの膜内拡散係数として算出する。本課題では、電解質膜のメタノール透過性をNMRセンサーを用いて評価するシステムを試作する。 |
46 |
貴金属リサイクルのための光応答抽出プロセスの開発 |
竹下 健二 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
本研究の目的は、波長の異なる光照射により抽出剤の分子構造を変化させることによって、貴金属工業廃液から貴金属類を高選択回収でき、かつ廃棄物発生を抑制できる「光応答型溶媒抽出プロセス」を開発することである。プロセス成立性は平成20年度シーズ発掘試験で確認されており、本年度はミキサーセトラーによる貴金属類の連続回収と酸性溶液でも高い貴金属分離能を示す光応答抽出剤の合成を試み、プロセスの実用化を目指す。 |
47 |
ヒト制御性樹状細胞を用いたアレルギー性疾患に対する免疫細胞療法の開発 |
佐藤 克明 |
独立行政法人理化学研究所 |
岩野 はるか |
独立行政法人理化学研究所 |
制御性樹状細胞を用いた免疫細胞療法のアレルギー性疾患に対する臨床開発を目標として、ヒト制御性樹状細胞のアレルギー性免疫応答に対する治療効果について免疫系ヒト化マウスモデルを用いて明らかにする。具体的にはアレルゲンを免疫してアレルギー性免疫応答を誘発したヒト末梢血白血球生着免疫不全マウスにヒト制御性樹状細胞を投与し、アレルギー性T細胞免疫反応と抗アレルゲン抗体産生に対する阻害効果を解明する。 |
48 |
次世代型ペースト状人工骨の開発 |
相澤 守 |
明治大学 |
諸石 昌人 |
明治大学 |
これまでイノシトールリン酸のキレート作用を利用して硬化する新しい「ペースト状人工骨」の開発に取り組んできた。本試験研究では、この人工骨をさらに医者と患者の方々が安心して使用できるように作りこむことを目的とし、以下の3つの機能、1)骨誘導能、2)抗菌能、3)抗腫瘍能を付与させる。これらの機能を単独あるいは複数同時に付与させて高機能化を達成させ、「次世代型ペースト状人工骨」の実用化につなげる。 |
49 |
糖尿病モデルブタの確立と生殖細胞の保存 |
長嶋 比呂志 |
明治大学 |
北川 貞雄 |
明治大学 |
変異ヒト肝細胞核因子1α遺伝子の導入により糖尿病を発症する遺伝子改変ブタの系統を樹立するために、生殖細胞の採取と保存をおこなう。その過程で、糖尿病発症個体の病状制御や育成方法の検討、内臓・組織の詳細な病理学的解析など、本遺伝子改変ブタを糖尿病モデルブタとして確立するための基礎データを収集する。最終目標として、糖尿病研究に有用な大型動物モデルの供給を目指す。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
50 |
椿油から動物性高級香料シベトンの合成 |
萩原 久大 |
新潟大学 |
長濱 勝介 |
新潟大学 |
麝香猫より分泌されるシベトンの香りは麝香の主成分であるムスコンに匹敵し、高貴で持続性のある香りとして珍重されている。しかし、製品を含めてワシントン条約で保護されているため極めて希少価値が高く、香料として用いられるには至っていない。一方、新潟県の県花である椿の乾燥種子には、重量比にして20%以上もの大量の油脂が含まれる。この油脂の90%を占めるオレイン酸グリセリドを原料とし、シベトンの供給を検討する。 |
51 |
骨膜培養に至適化した生分解性基材を主体とした骨膜培養キットの開発による再生医療の推進 |
奥田 一博 |
新潟大学 |
定塚 哲夫 |
新潟大学 |
自家培養骨膜シートを用いた歯周組織再生療法の社会的普及を目指して、その組織工学的操作性を簡便にするとともに、培養中および移植後の骨再生を促進する基材を本体とする骨膜培養キットを開発することを目標とする。遅延型生分解性素材からなるフィルムあるいはメッシュ状の基材を採用し、そこにコラーゲンや生理活性物質を固層化する。試作モデルとしては、基材上に静置した骨膜をガス透過性パウチに封入する閉鎖系システムを検討している。 |
52 |
血管機能を相乗的に向上させる複合機能性成分の食品設計と利用開発 |
平山 匡男 |
新潟薬科大学 |
真島 操 |
(財)にいがた産業創造機構 |
食品中の抗酸化性ポリフェノール類は、心疾患抑制、視覚改善、血流改善など特有の健康機能を示し、その差別性は含まれる成分が鍵となる。その中でもプロアントシアニン類は特有の血管弛緩作用を示し、この作用は有機酸により相乗的に増強されることを発見した。本研究は、この増強作用を強める最も好適なプロシアニジン類と有機酸組成物を、各種の食品から加工方法、組成比、作用機序も含めて設計し、血管機能改善食品を開発することを目的とする。 |
53 |
輸送機器用マグネシウム合金製張出し構造の拡張と機械的性質の評価 |
本間 智之 |
長岡技術科学大学 |
吉野 好男 |
(財)にいがた産業創造機構 |
輸送機器の軽量化を見据え、コンテナトラック、電車の構体やディンプル床、航空機部材への応用を目指して試験を実施する。実用金属中最も軽いMg合金板材に複数個の三角錐台構造(もしくはディンプル構造)を張出し成形し、2枚重ね合わせ、スポット溶接等で接合する。具体的には、(1)素材をAZ31合金等マグネシウム合金板材とし、(2)加工温度、加工速度を変化させ、(3)得られた板材に対して溶接条件をふり、溶接性を向上させる。最終製品に対して板面の法線方向の圧縮試験および3点曲げ疲労試験を行い、(1)圧縮特性の限界値を見出し、(2)3点曲げ疲労試験時に、どこから破壊が生じるのか検証する。 |
54 |
液晶配向印刷法によるシームレスLCD作製工程 |
木村 宗弘 |
長岡技術科学大学 |
定塚 哲夫 |
長岡技術科学大学 |
液晶表示素子を作製するには、液晶分子を基板上で配向させる必要があるために、その処理法として「ラビング法」と呼ばれる機械的な手法が長年採られてきた。しかし、発塵や静電気の発生が問題となっている。我々は、印刷法をベースに液晶の”配向”を対向界面に印刷転写することによって界面分子配向を形成する手法を探索してきた。本研究では、配向印刷を連続的に行える技法を確立し、タクトタイムがばらばらであったLCD工程を抜本的に変革し、シームレスなLCD製作法を提供するものである。 |
55 |
アドバンスド集光型太陽電池の開発 |
山田 昇 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
進化的計算アルゴリズムによって高度に最適化された集光形態を有するアドバンスト集光型太陽電池の実用化に向けた開発を行う。生物の進化メカニズムである交叉・突然変異・淘汰・免疫機構を模擬した計算アルゴリズムを用いて、各種太陽電池の特性、集光器などの組み合わせにおいて最大の発電効率を実現する薄型・低コストな集光型太陽電池の実用化に向けた設計・試作と、実用に近い条件下での性能試験による検証を行う。 |
56 |
湿熱処理・部分糊化老化処理による低GI米粉の開発 |
菅原 正義 |
長岡工業高等専門学校 |
真島 操 |
(財)にいがた産業創造機構 |
現在、食糧自給率向上の点から米粉利用拡大が期待されているが、米粉原料としての米はこれまで食味を追求するあまり、こしひかりなどの寡占品種中心となり小麦粉代替用には適していない。水と熱のみを利用する安全な「湿熱処理」、「部分糊化・老化処理」による物性変化は、用途別の米粉のバラエティ増加につながり、食後血糖値上昇の穏やかな低GI化するため国民の健康維持に役立つ米粉食品が可能となる。 澱粉の糊化には、水分が重要な役割を持ち、低水分条件下での加熱処理である「湿熱処理」、「部分糊化・老化処理」は、澱粉粒内結晶構造に変化を与え物性が変化すると考えられる。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
67 |
Cre-loxによる新規遺伝子増幅系を用いたタンパク質増産系の開発 |
堀内 嵩 |
基礎生物学研究所 |
大森 茂嘉 |
(財)名古屋産業科学研究所 |
バイオマーカーに対する診断をはじめプロテオミクス分野は急速に拡大しているが、解析に不可欠なタンパク質の生産過程がボトルネックになっている。従来、動物細胞による遺伝子増幅現象が利用されてきたが、分子機構が未解明で十分に効率化されていない。代表研究者は酵母とCHOにおいてCre-lox系を用いた高速・高効率の遺伝子増幅系を確立することに成功した。この新CHO系によるタンパク質増産の有効性を評価し、現行系の欠点を補うスモールスケールの高速高効率のタンパク質増産系の構築をめざす。 |
68 |
難治性筋疾患の複合的治療法の前臨床試験研究 |
土田 邦博 |
藤田保健衛生大学 |
吉田 勝 |
(財)名古屋産業科学研究所 |
難治性筋疾患では、病気の進行に伴い筋萎縮と共に骨格筋内の繊維化や脂肪変性、心筋の繊維化が生じる。特に、心筋障害は予後を決定する重要な病態である。本研究では、筋疾患で生じる筋萎縮を阻止し、繊維化や脂肪変性を防ぐ治療法の開発を行なう。筋萎縮については、骨格筋幹細胞に作用し、筋量を増やす治療法を用いる。骨格筋や心筋の繊維化に関しては、繊維化を担う細胞や分子標的を探索し統合的な治療法開発を目指す。 |
69 |
多剤耐性を克服する新物質の開発 |
山村 初雄 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
メシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に代表される多剤耐性菌の出現と蔓延に対抗するべく、新規な抗菌物質の開発に挑戦する。天然抗菌物質を模倣発展させてナノレベルで細菌膜傷害性官能基を集積させるという独創的なコンセプトに基づいた特許出願を研究シーズとし、医療および衛生目的での実用化に向けて、当該物質に抗菌性とともに溶解性、安全性を付与するための試験研究を行う。 |
70 |
動脈硬化度の精密測定を目指した血管平滑筋機能評価装置の開発 |
松本 健郎 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
早期動脈硬化の診断には,血流を数分間遮断した後の上腕動脈の拡張度合いを測定するFMD検査が用いられる。しかし血管拡張は血管内皮の血管拡張因子分泌能と平滑筋の弛緩能の両方に依存する。そこで本研究では平滑筋機能を独立して計測する手法の確立を目指す。即ち、血管外圧を階段状に変化させた後に生じる平滑筋の能動収縮・弛緩による径変化を計測することにより、平滑筋の収縮・弛緩能を推定する新たな手法の研究開発を行う。 |
71 |
メタマテリアル技術を用いたミリ波導波管スロットアンテナの開発 |
榊原 久二男 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
メタマテリアル技術の研究が、世界規模で爆発的に増加している。メタマテリアル技術は、電磁波を伝える伝送線路内部に、金属と樹脂の周期構造を組み込むことで、これまでには実現が不可能であった材料(負屈折率、波長ゼロから無限大)と等価な電気定数の材料を実現可能にする、電磁波工学と材料工学の融合分野の技術である。本研究では、これを導波管アンテナに適用することで、これまでにない指向特性を有するアンテナを開発し、その設計技術の構築を目指すものである。 |
72 |
温度補償型TOF-NIRSによる高精度果実非破壊ハイブリッド計測システムの開発 |
土川 覚 |
名古屋大学 |
吉田 勝 |
(財)名古屋産業科学研究所 |
超高速パルスレーザ光の物質内部伝播の時間変化から微量な成分情報を検出する時間飛行近赤外分光法(TOF-NIRS)と赤外線熱画像解析法を組み合わせたハイブリッド型オンライン非破壊計測システムを開発する。一日の温度変化が零下〜30℃にも達する選果場においても、オンタイムで温度補償する機能を付与することによって、常時高精度でウンシュウミカン・メロン等の果実の糖度・酸度および熟度を正しく推定することを目指す。 |
73 |
高容量かつ急速充電可能な分子クラスター電池の創製 |
阿波賀 邦夫 |
名古屋大学 |
井門 孝治 |
名古屋大学 |
近年、ポータブル電子機器の市場拡大に伴い、高性能な新しい二次電池の開発が求められている。これまで研究担当者は正極活物質に金属錯体クラスター分子を用いる『分子クラスター二次電池』を開発してきた。この電池反応は、錯体クラスター分子の多段階酸化還元に基づくため、高容量と急速充電の両方が実現できる。本研究課題では、正極活物質のための金属錯体クラスター分子の開発、活物質と電極間の接合改善、電解質の最適化などを行い、実用化レベルの高容量と超急速充放電を実現する。 |
74 |
金属切削屑の省エネ固相リサイクル技術の確立と実用化 |
金武 直幸 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
切削屑など再利用可能なチップ状金属屑を、再溶解することなく固相のまま固体金属に再生する固相リサイクル技術の確立を目的とする。具体的には、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金などの切削屑を対象にして、圧縮負荷と回転ねじり負荷を同時に付与できる「圧縮ねじり加工法」によって、これら切削屑を直接固化成形すると同時に、組織微細化や加工硬化による機械的特性の向上を可能にするアップグレードリサイクル技術を確立する。 |
75 |
判断・操作統合型行動モデルに基づく個人適合型運転行動支援 |
鈴木 達也 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
運転行動における「判断」が記号論理で表現される離散事象型の機能であるのに対し、操作(動作)が微分方程式で表現される連続時間型の機能である点に着目し、本研究では、(連続/離散)ハイブリッドシステムモデルを用いたシステム同定論に基づく運転行動解析法を開発する。結果として、観測された運転行動データに内在する判断・操作の数理的特性が走行環境の差異と個人性を考慮した形で明らかとなる。また、得られた判断特性を自動車に実装し、操作アシストの最適化を試みることで、個人適合型の運転行動支援を実現する。 |
76 |
可視光制御可能な光スイッチングDNAエンザイムの開発 |
浅沼 浩之 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
二重鎖の形成と解離を光照射のみで制御できれば、生体反応の光制御が期待できる。既に代表研究者はアゾベンゼンをDNAに導入した光応答性DNAを開発し、二重鎖の形成と解離の完全な光制御に成功している。本研究ではこの技術を更に発展させ、光応答性DNAを組み込んだDNAエンザイムを設計し、in vitroでのRNA切断の高効率光制御を実現する。更に近紫外-可視領域の光に応答する光応答性DNAを開発し、細胞損傷の少ない可視光での光スイッチングが可能なDNAエンザイムを設計する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
80 |
Pモード超音波診断技術の臨床応用に関する研究 |
福澤 理行 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本課題は、P(phase)モード超音波診断技術の実用化を目的とする。Pモードとは、Bモード動画像から組織の周期的な動きの強弱や位相を検出し、動きの周期性に基づいて特定組織を色づけ描出する独自の技術である。しかし、その適用は新生児頭部に限られていた。本課題では、新生児頭部以外にPモード手法の適用を試み、有望な臨床応用分野を明らかにする。また、医師による臨床現場でのPモード画像化を実現するため、既存のBモード超音波診断装置に付加できるセットトップボックス(STB)型のリアルタイムPモード画像化装置を試作する。 |
81 |
レーザー駆動浸透クロマトグラフィーの開発と応用 |
一ノ瀬 暢之 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究課題は、キャピラリー中へ熱可溶性ゲルに担持したナノメートルサイズの分子・粒子を試料として導入し、ゲルの熱溶解による試料の遊離、パルスレーザーの集光による衝撃波発生―試料の移動・分離、試料分子・粒子の分布密度―移動距離の画像測定、クロマトグラムの構築までを行う装置の試作を行う。これにより、核酸やタンパクなどの生体分子やナノ粒子の分析装置として必要な、サイズ(分子量)―移動距離に関するデータを取得する。 |
82 |
テーラーメード医療のための網羅的疾病診断システムの開発 |
熊田 陽一 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究では、既存のナノスポッティング技術と独自に開発した「診断用抗体の安定な固定化技術」を融合し、低コスト、高感度かつハイスループットな免疫診断チップを開発することを目的とする。ポリスチレン親和性ペプチドを用いて診断用抗体を安定かつ高密度にチップ基盤上に固定し、さらに、検出用抗体として従来の蛍光色素の代わりにPS製蛍光ナノビーズを用い、検出感度の向上を試みる。 |
83 |
有機溶媒耐性酵母の耐性機構解明による耐性機能を強化した生体触媒の創製 |
黒田 浩一 |
京都大学 |
藤森 賢也 |
京都大学 |
微生物機能を用いた物質生産を有機溶媒中にて行う際、微生物への有機溶媒耐性賦与は生産性の向上に大きく貢献することができる。代表研究者は転写因子を改変することによって、酵母に世界で初めて有機溶媒耐性を賦与することに成功している。本課題では、転写因子の改変により発現レベルの上昇した遺伝子の中から、実際に耐性に関わるものを同定するとともに、耐性を示す有機溶媒の種類を調べることによって、有機溶媒耐性機構の解明を試みる。得られた基礎的知見を基に疎水性有機溶媒、親水性有機溶媒それぞれに対する耐性を向上させ、有機溶媒の性質に応じた有機溶媒耐性酵母を創製する。 |
84 |
遺伝性・炎症性角化症に対するカンナビノイド作動薬による治療の確立 |
高橋 健造 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
ダリエー病や尋常性乾癬などの角化症に対してのカンナビノイド作動薬をもとにした外用剤の開発が目的である。ダリエー病は思春期以降に発症する極めて難治な皮膚疾患であり、ATP2A2遺伝子の変異により小胞体カルシウムポンプの蛋白量が低下し、正常な角化プロセスより逸脱し特有の皮膚症を発病する。 この発症機序より残存するATP2A2対立遺伝子の発現を亢進させることが治療になりうるとともに、表皮角化細胞のカルシウム濃度を安定化をもたらし、広く炎症性角化症に対する治療薬になりうると考えた。 |
85 |
医学用語シソーラスに基づく医療文書入力支援システムの開発 |
金子 周司 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
医療の電子化が医療の効率化と安全に貢献するためには、入力された医療情報を読解し、さらに医療従事者の判断を助言や警告で支援するととも、蓄積された医療情報の統計学的解析を可能にする電子システムが求められている。しかし、テキストで記述される医療文書の解析を行うためには、専門用語の不統一や表記の『ゆれ』が大きな問題となっている。本研究は、これまでに構築した16万語の医学用語を2.5万語の統制語に集約したシソーラス(同義語辞書)を用いて、様々な医療文書(電子カルテ、添付文書、副作用報告等)を対象に、専門用語(疾患、生体分子、医薬品、手技など)の自動解析を行って用語の整理、関係づけ、集計を可能にするプログラムを開発する。さらに、実際に医療文書の入力時に、医学知識に基づく適切なアドバイスや警告を表示するエキスパートシステムを試作する。本研究により,医療高度情報化時代に活用できる実効性の高いICTシステム開発のための基盤技術が提供される。 |
86 |
地盤環境物理探査と赤外線計測の結合による斜面崩壊予測技術の開発 |
小杉 賢一朗 |
京都大学 |
門林 剛士 |
京都大学 |
豪雨時のがけ崩れや、がけ崩れを発端とする土石流の被害を軽減するには、個々の斜面の崩壊危険度と崩壊規模を予測する必要がある。本研究では、土層構造や土層内の地下水流動経路を高精度で探査する浅層地盤物理探査技術と、赤外線サーモグラフィを用いたリモートセンシング技術を組み合わせることにより、崩壊の虞のある斜面を効率よく抽出し、崩壊危険度と崩壊規模を正確に予測する技術を開発することを目的とする。 |
87 |
圧縮木材製接合具を用いた高剛性・高靱性な木質ラーメン架構の開発 |
小松 幸平 |
京都大学 |
笹田 滋 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
「引きボルト接合法」は低コストかつ施工容易であるが、座金部分のめり込み変形が大きく、剛性が低いことが大きな欠点である。本課題では、「圧縮木材製楔」を座金部分に挿入することによって、初期剛性と、靱性を向上させることが可能で、新築・中古住宅、あるいは、戸建て住宅・文化財建築等を問わず、最小限の加工で、現場施工可能な低コスト・性能向上が大幅に期待できる引きボルト式ラーメン架構を提案する。 |
88 |
より多様なウイルスに耐性を有する農作物の開発 |
世良 貴史 |
京都大学 |
内田 逸郎 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
ウイルス感染による農作物の被害は、日本だけでなく世界においても甚大であり、感染に強い農作物の開発が強く求められている。各アグリ企業により、ブリーディング等を用いた耐性品種の改良がなされてきているが、有効な手段とは成り得ていない。ウイルスが侵入しても、そのウイルス複製を阻害することにより、ウイルスに全く感染しない植物の創出に成功している。本研究では、より多様なウイルス感染に対応できる、新たな手法の確立を目指す。 |
89 |
セリシン定着ハイドラフト生糸を用いた製品の実用化研究 |
徳本 幸紘 |
京都府織物・機械金属振興センター |
西村 敏弘 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
シーズ発掘試験(発掘型)で開発したセリシン定着ハイドラフト生糸は、織物に用いるとハリ・コシ感のある新しい風合いや寸法安定性が得られる一方で、加工コスト高や熱処理工程で生糸が黄変する等の問題が生じていた。 本研究では、これらの問題を解消するとともに、新しく開発した生糸と従来からある製織技術を組み合わせることにより、幅広いニーズに対応した全く新しいシルク素材や製品の実用化を目指すものである。 |
90 |
生体電気インピーダンス式筋肉量測定と運動処方連携システムの開発 |
米井 嘉一 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
(1)筋肉量・運動量・睡眠の質・ストレスに関する生体情報の非浸襲的検査、(2)携帯電話よりリアルタイムデータ収集、(3)生活指導ガイドラインに基づく音声画像コンテンツ作成、(4)健康指導コンプライアンスの管理可能な電子カルテシステムの開発、(5)双方向性ネットワークシステムの構築。 (1)(2)については既存機器をもちいる。(3)について医学的見地から作成し、(4)(5)を構築する。 具体的には、(1)研究施設にて左右上腕、左右前腕、左右大腿、左右下腿、体幹の9区域の筋肉量の精密測定。(2)結果に基づいて運動処方を指示。動画に従いながら運動できるコンテンツを提供。(3)小型測定器を貸与し身体活動量、睡眠の質を記録し、1日単位でデータ送信、解析。(4)解析データを基に定期的アドバイス。(5)研究施設にて12ヶ月後筋肉量を再評価。本システムの有効性を解析を行う。 |
91 |
天然物クルクミン類縁化合物を用いた心不全治療の開発 |
森本 達也 |
静岡県立大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
代表研究者らは天然物ウコンの主成分であるクルクミンがp300の特異的アセチル化阻害作用を持ち、心不全ラットモデルにおいて、心不全の進行を抑制することを見出した。しかしながら、クルクミンは腸管からの吸収効率が極めて悪いため、より強力で心臓特異的に作用する薬物を開発する必要がある。そこで、本研究の目的は、天然物クルクミン類縁化合物を用いた心筋細胞核をターゲットとしたより良い心不全治療の開発を目指すことである。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
92 |
ペプチドのβ―シート構造を利用した組織工学用足場の創出 |
平野 義明 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
本研究は、ペプチドの特徴的な二次構造であるβ-シート構造を用いてその自己組織化能を利用することにより、組織工学用材料として3次元の細胞接着性足場を創生することを目的とする。そのためにβ-シート構造を形成するペプチドと細胞接着活性を有するペプチドを融合することにより、多機能な3次元ペプチドファイバーを創出する。本研究課題は、ペプチドの合成・構造・細胞接着性足場の評価をはじめ、組織工学用材料としての機能を実験・理論の両面から系統的に行うことが特徴である。 |
93 |
骨芽細胞を誘導できる高QOL型人工骨の開発 |
岩崎 光伸 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
代表研究者は、独自に開発した微粒子添加アノード酸化法により、ハイドロキシアパタイト(HAp)ナノ粒子を強固に固着させた人工骨材料を作製し、このものが生体骨と強固に接着する新規人工骨であることをみいだした。本研究は、骨芽細胞を誘導できる細孔を人工骨表面に形成した生体骨と飛躍的に早く結合できる骨疾患患者のQOL(Quality of Life) が著しく高くなる人工骨を、微細パターニングとアノード酸化を組み合わせた非常にユニークな技術で開発するものである。 |
94 |
グリーンかつ高効率なアルコール酸化によるカルボニル化合物製造法の開発 |
満留 敬人 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
アルコール酸化によるカルボニル化合物の合成は重要な工業反応である。しかしながら、従来の反応系では有害な酸化剤を用いた量論反応にて行われ、反応後に生成する廃棄物の処理や原子効率の低さに問題があった。代表者のグループは、無機化合物上に創製した銅ナノ粒子をアルコール中に加え撹拌するだけで効率良くカルボニル化合物を製造できる、酸化剤を必要としない触媒プロセスを開発した。本研究では、開発した触媒プロセスを応用し、多種多用なカルボニル化合物製造法を開発する。 |
95 |
タグ法による合成ペプチド精製 |
相本 三郎 |
大阪大学 |
土居 幹生 |
大阪大学 |
逆相HPLCによる精製だけで高純度の化学合成ペプチドを得ることは、しばしば困難である。このことが化学合成法でのペプチド生産の大きな障害となっている。本研究では、様々な類似した性質をもつ不純物を含む合成長鎖ペプチドや会合性の高いガン抗原ペプチドなどを想定し、精製困難なペプチドであっても、効率的に目的物を単離することが出来るよう、ペプチド精製用タグ並びに精製用樹脂を開発し、ペプチド精製プロセスとして完成させる。 |
96 |
微小癌の早期発見と術中蛍光診断を達成可能な蛍光−MRIバイモーダル複合造影剤の開発 |
向 洋平 |
大阪大学 |
大野 安男 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
本研究課題では、微小癌のMRIによる検出と、癌病巣の術中蛍光イメージングを同時に達成可能な、バイモーダル腫瘍造影剤の開発を目指すものである。本造影剤は、微細な腫瘍組織をMRIと蛍光イメージングの双方から検出可能であるため、MRIにより陽性と認められた患者の外科手術の腫瘍摘出蛍光ガイド試薬として用いることができる。本研究課題では、蛍光標識された腫瘍血管特異抗体と独自の金磁性ナノ粒子からなる新規の造影剤を設計し、マウスおよびラット腫瘍モデルを用いてその複合造影剤としての有用性を評価する。 |
97 |
細菌の宿主細胞侵入モチーフを用いたワクチンデリバリーシステムの構築 |
寺尾 豊 |
大阪大学 |
大野 安男 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
ワクチン開発において重要となるのが、効果的な抗原の選択と抗原分子の投与・輸送方法である。そこで、微生物侵入因子の機能ドメインを利用し、ワクチン抗原自身にドラッグデリバリー能を付与させることを提案する。具体的には、侵入因子のモチーフ下流にワクチン抗原を融合タンパクとして発現させるプラスミドシステムを構築し、PCR法で増幅した種々の微生物の抗原遺伝子から、普遍的、短時間、小コストで細胞侵入能を有するワクチン抗原を作製することを目標とする。 |
98 |
発蛍光型長寿命蛍光プローブ開発に基づく生体分子高精度検出法 |
菊地 和也 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
本課題では、生体における分子の機能を生きたまま可視化する分子プローブを化学の原理に基づいて設計・合成し、従来の手法では調べることが困難であった生体分子機能を明らかにする。本研究では、既ににおいて開発した、長寿命蛍光を有するランタノイド蛍光錯体を高精度化して、汎用性高く生体分子の機能を検出することのできる蛍光プローブを開発・応用する。代表研究者は、蛍光強度が上昇する新規原理を開発し(J. Am. Chem. Soc.、 130、 14376 (2008))特許申請(特願2008-61320)も行ってきた。本研究ではこの技術を実用化レベルに引き上げる予定である。 |
99 |
強度異方性を解消した高衝撃エネルギー吸収性マグネシウム展伸合金の開発 |
近藤 勝義 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
工業用最軽量金属であるマグネシウム(Mg)展伸合金の構造部材への適用を実現すべく、強い集合組織を緩和して押出材内での強度異方性を解消し、同時に高強度のみならず高い衝撃エネルギー吸収性を付与できる革新的なMg合金の製造方法を構築する。具体的には、Mg粗粒粉末に対して等方向的な加工歪を導入し、微細な動的再結晶粒の形成と配向性の無秩序化による組織制御を行うことで高強度化と強度異方性の解消を実現する。 |
100 |
新規機能性過熱水蒸気を得るためのボイラーレス過熱水蒸気発生装置 |
宮武 和孝 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
省エネと新規な機能性過熱水蒸気を作成するため、(A)振動子を用いて微細ミストを作り、直接誘導加熱装置に導入して過熱水蒸気にする装置、すなわちボイラーレス装置を新たに開発し、さらに(B)水のもつ機能性を、ナノからミクロのサイズミスト過熱水蒸気とすることで、これまでの過熱水蒸気にない機能を付加し、制御性は無論、殺菌効果、加熱調理、洗浄効果など目的別効果を理論的に解析し、応用展開することを目的とした。 |
101 |
次世代汎用型高強度・高耐摩耗性を有する耐熱金属間化合物合金の開発 |
金野 泰幸 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
汎用多結晶鋳塊から繰り返し温間圧延−焼鈍プロセスを経て作製されるNi基およびCo基金属間化合物冷間圧延材は素材のもつ高強度特性に加えて強加工の効用によって現用金属材料の中でも屈指の高強度特性を示す。本開発材は貴金属など高価な元素を含まない単純な合金組成をとり、溶解鋳造、圧延など従来設備での製造が可能なためコスト的にも有利である。本課題では産業界から要望の高い特殊環境用摺動部品部材等への適用を目指し、強度、耐摩耗性、加工性、耐食・耐酸化性等のさらなる特性向上を図る。 |
102 |
キシロース資化遺伝子発現変異酵母を用いた植物系廃棄物の再資源化 |
岸田 正夫 |
大阪府立大学 |
下田 忠久 |
大阪府立大学 |
農産廃棄物を含む植物系廃棄物の再資源化は、主成分のセルロースに次ぐ含量となるキシラン、キシロースの有効利用が重要である。代表研究者らはキシロース資化遺伝子が発現する醸造酵母の突然変異体の解析を行ってきているが、植物系廃棄物の再資源化のためにはキシロース類発酵能等の新たな形質の発現を必要とする。本研究はキシロース資化変異酵母に対して異種酵母細胞融合法等を用いてキシロース類を効率よく再資源化できる酵母を育種し、それらを利用するキシロース類再資源化システムの構築へつなげることを目指す。 |
103 |
固体触媒‐高温溶液系の紫外可視マイクロフロー吸光分光計の開発 |
川村 邦男 |
大阪府立大学 |
植嶌 陸男 |
大阪府立大学 |
本課題では化学工業界に現存する多くの古典的製造プロセスを高効率・省エネ・無公害の新プロセスに置き換えていくための研究開発ツールとして、固体触媒を伴う高温溶液反応の過程を、研究開発者が容易にその場で高速追跡できる紫外可視吸光分光計の実用化を目指す。これによって、これまで困難であった高温液相反応を直接観測することを可能にし、多大な労力を必要としてきた反応メカニズムの解明・触媒設計に大いに寄与する。 |
104 |
磁場に不感な極低温汎用温度計の開発 |
四谷 任 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
極低温下で高磁場環境はSiウエハーの成長に使われるなど、最先端の科学技術を支える有用な環境である。このような環境や装置開発には室温から極低温まで合理的な感度と磁場に不感な温度計が不可欠である。研究代表者はCernox(Zr-N-O)を開発した経験から、Cernoxの欠点を改良した、小型で高速応答を備えた新たな温度計の開発を試みる。 |
105 |
高強度・高弾性チタンクラッドマグネシウム合金薄板成形品の開発 |
井上 博史 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
低密度・高比強度のMg合金は様々な産業への応用が期待されているが、耐食性に乏しく、高温での成形加工が必要である。これまで、AZ31Mg合金表面に軽量で耐食性・意匠性の良好なTiを圧延接合した新規軽量クラッド板を創製し、AZ31Mg単板よりも優れた強度と成形性を見出してきた。本課題では、強度と成形性のバランスがとれたAZ61Mg/Tiクラッド薄板を最適圧延・熱処理条件下で作製するとともに、比較的低温での絞り成形性および常温での曲げ成形性と強度・弾性率を評価し、軽量性と意匠性を重視した各種電子・電気機器への実用化を目指す。 |
106 |
重度難聴者のための新型補聴器の開発:両耳装用方式による音像定位能の付加 |
中川 誠司 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
佐藤 義幸 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
骨伝導で周波数 20 kHz 以上の高周波音(骨導超音波)であれば、重度感音性難聴者にも知覚される場合がある。代表研究者らは骨導超音波の両耳知覚特性は通常の音(気導音)とはやや異なる特性を持つものの、ある程度の音像定位が可能であることを示した。本研究課題では、基礎的検討の成果を発展させ、両耳装用方式の骨導超音波補聴器の開発を行う。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
107 |
レーザースキャナを用いた歩行者および車両動態計測システム |
田中 雅博 |
甲南大学 |
安田 耕三 |
甲南大学 |
本研究課題では、微小癌のMRIによる検出と、癌病巣の術中蛍光イメージングを同時に達成可能な、バイモーダル腫瘍造影剤の開発を目指すものである。本造影剤は、微細な腫瘍組織をMRIと蛍光イメージングの双方から検出可能であるため、MRIにより陽性と認められた患者の外科手術の腫瘍摘出蛍光ガイド試薬として用いることができる。本研究課題では、蛍光標識された腫瘍血管特異抗体と独自の金磁性ナノ粒子からなる新規の造影剤を設計し、マウスおよびラット腫瘍モデルを用いてその複合造影剤としての有用性を評価する。 |
108 |
マルチチャンネルタンパク質フィンガープリントセンシングシステム |
竹内 俊文 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
本研究では、複数種類のタンパク質インプリントポリマーを基板の決まった位置に形成させたマルチチャンネルタンパク質センサを開発することを目的とする。多数のタンパク質に対するマルチチャンネルセンサの複数の応答パターンをフィンガープリント化することで複雑なタンパク質群のフィンガープリント分析が可能かどうか検討する。 |
109 |
自閉症者・知的障がい者の音声・画像処理による個人適応型支援機器の開発 |
滝口 哲也 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
障がい者においては、筋肉の緊張により不随意運動が生じ、発話スタイルの変動が大きく、発話内容を健常者が聞き取る事は困難な場合がある。本試験研究では、代表研究者がこれまでに研究してきた音声特徴量抽出法、唇画像抽出法を基にして、多様な障がい特性に対応可能な個人の音韻特性を表現する音素部分空間法を実現し、及び画像処理による顔追跡手法との統合を実現し、その有効性を支援機器にて評価するものである。 |
110 |
生体自己組織化構造リポソームの高効率生成装置の開発 |
鈴木 洋 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
本研究は、医薬製剤等素材としての利用が期待される生体自己組織化構造リポソームの、これまで提案してきたマイクロ流路を用いた高収率生成法を発展させ、時間律速となる乾燥工程を省略する方法について検討し、より高効率にリポソームを生成させる装置の開発を目指す。具体的には溶融リン脂質を、多管合流型マイクロ流路に直接流動化させる直接型生成法を開発し、連続工程によって均一な粒度を有するリポソームを高収率に大量に生成させる装置を開発する。 |
111 |
マイクロクラスタービームの開発 |
持地 広造 |
兵庫県立大学 |
瀧澤 精一 |
兵庫県立大学 |
本応募課題の目的は、数千個の気体原子で構成されるクラスターイオンを一次イオンに利用した低損傷二次イオン質量分析技術の実現である。1eV程度の低エネルギークラスター原子との衝突により、タンパク質などの生体分子を解離させずに計測できる。本応募課題では、本技術を生体試料の局所計測に応用するため一次イオンビームサイズの微小化を行う。ガラスキャピラリーを利用して、クラスターイオンビームのサイズを直径10μm以下に収束させることを目標とする。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
118 |
高延性・高強度ナノボールの開発と応用 |
吉村 敏彦 |
呉工業高等専門学校 |
土井 章慈 |
呉工業高等専門学校 |
カーボンナノチューブやフラーレン等のナノ材料は、電子材料や燃料電池、複合材料、医療、バイオ等、様々な分野で適用が進められている。本研究では、真球度が高く、フラーレンよりも大きい数十nmから数μmサイズの高延性・高強度のナノボールを開発し、ナノボールを粒子分散することにより強化する複合材料や、ナノマシンを構成する部品としての実用化を目指す。 |
119 |
水を用いるイオンクロマトグラフィーによる水質モニタリング法の開発 |
田中 一彦 |
広島大学 |
伊藤 勇喜 |
広島大学 |
様々な環境水の水質評価や各種産業の工程・水質管理等における陰イオン、陽イオン、有機酸及び有機塩基等のモニタリングは重要であり、一般に汎用性の点で有機試薬を用いる比色法(公定法)が適応されるが、測定対象に応じた発色剤の選定や測定条件の最適化のための煩雑な操作を必要とすることから、これらに代わり得る水質モニタリング法の開発が要請されていた。そこで、効率化・省力化の観点から簡便・迅速・無公害・低コストな多成分同時分離計測を可能にする水質モニタリング法として、平成18及び19年度の「シーズ発掘試験研究」で得られた成果を踏まえ、水だけを溶離液に用いてイオン交換樹脂分離カラムの有するイオン排除作用や両性イオン物質により修飾した分離カラムの有する静電作用を各々利用した新規なイオンクロマトグラフィーの様々な適応分野における有用性を実証し、実用化する。 |
120 |
可溶性両極有機半導体の開発と塗布プロセス有機CMOSへの応用 |
瀧宮 和男 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
有機半導体技術の特徴の一つに塗布プロセス性の良さが挙げられるが、この他に単一の半導体材料でn型とp型の動作が可能な材料(両極性有機半導体)が開発できる点がある。これら二つの有機半導体ならではの特徴を活かすことを目的に、本研究では,材料のフロンティア軌道のエネルギーレベルと両極特性発現との相関を精査しつつ新しい可溶性両極有機半導体材料の開発を行い、さらに塗布プロセスの最適化によりCMOS(相補型金属酸化物半導体デバイス)への応用を行う。 |
121 |
高性能有機ラジカル電池の開発 |
井上 克也 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
酸化・還元状態で安定な新しい有機ラジカルポリマーを用いた、高性能有機ラジカル二次電池を開発する。現在得られている炭化水素系有機ラジカルポリマーの酸化・還元能等必要な基礎データを集積し、応用の可能性を探る。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
131 |
静電誘導法を用いた超伝導体のナノ深さ表面抵抗測定装置 |
孫 勇 |
九州工業大学 |
大矢 伸宏 |
九州工業大学 |
室温超伝導体は夢の材料として研究開発があくことなく続けられている。超伝導への転移は、表面から始まり内部へ浸透し最終的に超伝導状態になるプロセスである。表面超伝導がより高い転移温度をもつことは予想されていた。しかし、極表面抵抗率の測定技術がなかったため表面超伝導の理論発展や実用化が阻害されている。本研究では、静電誘導法を発明し、表面から深さ〜1nmまでの表面抵抗率測定法を確立することを目標とする。 |
132 |
データ圧縮の理論に基づく超大規模データ検索の実現 |
坂本 比呂志 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
本研究では、理論的に最適であることが保証される圧縮データそのものを索引として応用することで、超大規模テキストに対する高速な索引付けと全文検索システムを実現する。具体的には、国際塩基配列データベース(100GB)や特許検索コレクション(95GB)に代表される巨大テキストへの索引を1次記憶(メモリ)内で構築するための手法を確立し、その索引をPCクラスタ上に分散配置することで、安価で高速な大規模検索システムを実現する。 |
133 |
気相系光触媒及び放射線誘起表面活性における活性の定量評価方法の実用化 |
川口 俊郎 |
九州産業大学 |
藤本 敏樹 |
九州産業大学 |
光触媒反応や放射線誘起表面活性(RISA)で、気相中に生じる活性酸素種の電流は10−17Aレベルであるため、従来の装置・方法では電荷(電流)を定量的に測定できなかった。 そこで、10−17Aレベルで気相中の電流を測定できる磁気浮上電極電離箱を中核にした、差動型空間電荷測定装置を開発した。本装置を用いて活性酸素種の電荷を直接測定することにより、活性能力を定量的に評価する装置・方法を開発し実用化を行うとともに活性評価の標準化を目指す。 |
134 |
ソフトウエア無線用リング型超低消費電力・リコンフィギュアラブルDCOの開発 |
ポカレル ラメシュ |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本研究では、擬フィボナッチ数列を応用したトランジスタ最適化手法により超低消費電力化し、更に14bitのデジタル信号により周波数を制御するリング型リコンフィギュアラブルdigitally-controlled発振器(DCO)を開発し、消費電力を約6割削減することを目的とする。 |
135 |
省資源と高特性を両立する微細粒高窒素チタン合金の開発 |
土山 聡宏 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
Ti-6Al-4V合金等の現用のチタン合金において多量に使用されている高価な稀少金属元素の代替として、安価な「窒素」を高濃度に利用し、高強度・省資源・廉価型の新しいチタン合金を提案する。一般に窒素はチタン合金を脆化させる元素として知られているが、「結晶粒微細化」、「結晶粒等軸化」、「二相間窒素分配制御」、「軟質β相微細分散」に関する蓄積技術を活用することで、延性を損なうことなく一般的なチタン合金であるTi-6Al-4V合金を上回る強度特性を引き出すことが可能となる。 |
136 |
機能性を有するシリカナノファイバーバイオデバイスの開発と応用 |
山口 哲 |
福岡県工業技術センター |
鍛治 茂樹 |
福岡県工業技術センター |
本研究に用いるシリカナノファイバーは1.表面積が極めて大きい 2.空隙率が99%以上 3.高圧蒸気滅菌可能 4.化学的安定性が極めて高いなどの特徴を持っている。このシリカナノファイバー細胞培養担体を製品化するに当たり、シリカナノファイバーに高機能性・特異的性能を持たせる実用化研究を行うものである。 |