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平成21年度シーズ発掘試験 A(発掘型)研究概要一覧(関東・甲信越)


課題のNo.と都道府県については採択時の課題一覧と同一です
 研究者、コーディネータはH21年10月における情報を掲載しています

 茨城:24件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
312 添加物なしでも柔らかさが保たれる餅生地の開発 岡本 和之 茨城県農業総合センター 加藤 弘道 茨城県農業総合センター 糯米の胚乳デンプンはアミロペクチンのみから構成され、モチや大福など加工食品として食されている。一般的に、消費者が柔らかい食感を好むので、従来の加工食品には餅生地の硬化を抑えるため、アミラーゼやトレハロース等の添加物が利用されている。本課題はアミロペクチンの変異を利用し、添加物を使用せずに柔らかさを保つことができる餅生地を提供することによって糯米の新しい需要を創出するものである。
313 耐酸化性金属銅ナノ粒子の液相合成とその接合特性に関する研究 小林 芳男 茨城大学 角丸 肇 茨城大学 微粒子化により発現する融点降下現象を利用した金属低温接合や低温電気配線等の技術の開発が期待されている。金属銅は安価でマイグレーション耐性が高いが、非常に酸化しやすい。合成は、大量合成可能、簡便、安価でかつ環境に優しい等の点から水相中で行うのが望ましい。しかし酸化が容易に起こるという大きな問題がある。本研究は、耐酸性を保持しながら接合性を安定して向上させる銅ナノ粒子の水相合成法を開発する。
314 MEMS技術を応用した集積化2.5次元磁気センサの開発 木村 孝之 茨城大学 佐川 克雄 茨城大学 本研究では、小型磁気浮上型モータや,磁気支持フライホール等の回転体軸ブレの計測を行うための、2.5次元計測用集積化磁気センサを開発する。磁気センサは0.18μmCMOSプロセスで作製し、16×16個を格子状に並べる事により磁石を取り付けた軸の位置を測定する。測定対象は3000rpm程度で回転するモータの軸ブレであるため、センサの応答速度を8000フレーム/秒とすることを目標とする。
315 小型化と高性能化を同時に実現可能な5軸制御セルフベアリングモータの開発 松田 健一 茨城大学 佐川 克雄 茨城大学 近年、磁気軸受の小型化や高性能化のために、磁気軸受とモータの機能を合わせ持つセルフベアリングモータが提案されている。しかし、能動制御がラジアルX-Y方向の2軸のみであるため、単体での安定な運転は不可能であり、5軸制御システムとしての十分な小型化が達成されていない。本研究では、磁気軸受システムの飛躍的な小型化実現のため、ロータ単体の5軸を能動的に制御可能な5軸制御セルフベアリングモータを開発する。
316 極近距離高速ディジタル無線通信のための高密度パルス生成装置の開発 鎌田 賢 茨城大学 小澤 淳 茨城大学 極近距離ディジタル無線パルス通信において、現状の伝送速度560Mbpsを10倍高速化し、6Gbpsの伝送速度を見込めるパルス生成装置の実現可能性を実証するための試験研究である。目的は、既に得られているパルス生成装置の設計が現実に実装可能であることを実証することである。実施内容は、パルス生成装置の回路実装、特性計測及び分析評価である。これによって、現状の10倍の伝送速度を有する実用製品の開発に道を開くことを目標とする。
317 高齢者・軽度下肢障害者のための簡易操作伸縮杖の開発 森 善一 茨城大学 相澤 淳一 茨城大学 本課題では、簡単なレバー操作で即座に杖の長さの長・短が切り替わることを特長とする伸縮杖を提案する。本課題で提案する伸縮ロフストランドクラッチは、足の弱った高齢者や軽度下肢障害者(片麻痺患者を含む)の方を対象としており、屋内外での立位移動のサポート(杖長さは“長”)のみならず、伸縮動作が簡単に行えるため、日常生活に不可欠な起立・着座動作(杖長さ“短・長”を切り替える)を容易に行えるようになる。
318 SiC−JFETの実用化に向けた高性能パッケージの開発 岡村 勝也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 小松 民邦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 SiCデバイスはワイドギャップ半導体であるために、低損失かつ高温動作が可能でありSiデバイスに置き換わる次世代デバイスとして期待されている。しかし、現状では素子開発の進む一方でその性能に見合うパッケージの開発が遅れているために一部のダイオードを除いては実用化されているとは言い難い。本研究では高温動作に耐え、熱伝導性に優れたパッケージを開発することにより、本デバイスの実用化を加速するものである。
319 実用可能なTi−Ta基高温形状記憶合金の開発 宮崎 修一 筑波大学 根本 揚水 筑波大学 従来のTi-Ni形状記憶合金の応用範囲は室温から80℃の間の僅か50℃程度の温度範囲に限定されていた。理由は、加工が困難で圧延や線引で加工ができないためである。本申請者らが最近見出したTi-Ta基合金は、冷間圧延加工が90%以上可能で、80℃から200℃の温度範囲で形状記憶効果を示す。特性の安定化のための加工熱処理法を開発することで、加工可能な実用高温形状記憶合金の開発を行う。
320 準天頂衛星および無線メッシュLANを利用した被災情報伝送法の開発 張 勇兵 筑波大学 根本 揚水 筑波大学 本研究の目的は,大規模被災地において、準天頂衛星および無線メッシュLANを利用して、GPS機能と無線LAN機能付携帯電話をもつ被災者の情報を外部に伝送し、また、被災者の位置を把握する手段を開発することにある。ここで、GPSと互換性のある準天頂衛星補強信号を利用して被災者を無線メッシュLANへの接続を誘導し、無線メッシュLANに設置されたサーバが被災情報を管理し、かつ外部に伝送する手段を確立することを目指す。
321 カソード界面用新規導電性ポリマー材料の開発 木島 正志 筑波大学 根本 揚水 筑波大学 高分子系の発光や光電変換素子を実用化するためには、素子の安定化、長寿命化、高効率化が必須でそのための優れたカソード界面バッファー層材料の開発が必要である。本研究では発光層とカソード電極間にスピンコート法等で被膜導入でき、発光性共役系高分子への効率のよい電子注入・輸送と素子安定化を実現する新しいカソード界面用新規導電性ポリマー材料を開発する。
322 X線分析装置用透過型多層膜集光レンズの開発 安本 正人 独立行政法人産業技術総合研究所 岡田 三郎 独立行政法人産業技術総合研究所 ナノテク・材料研究においては、X線を用いて材料組成を分析する技術は非常に重要である。放射光など高輝度光源のみならず、既存のX線源を用いて高感度・高分解能で分析する技術の開発が期待されている。そのために、本研究課題では、測定位置でのX線強度の向上を目指して、いままで培ってきた多層薄膜積層法を用いて、透過型X線集光レンズの開発を行う。
323 高出力光周波数コム発振器の開発 植村 禎夫 独立行政法人産業技術総合研究所 岡田 三郎 独立行政法人産業技術総合研究所 小型高性能の光シンセサイザーの実現に資するため、1ミクロン波長帯において、LD励起カーレンズモード同期レーザーの特質を生かして、光周波数コムモード1個当りのパワーが実用に耐えるサブmWレベルの高出力な光周波数コム発振器の技術開発を目指す。レーザー媒質Yb:YAG中の熱レンズとカーレンズ効果を分析評価し、波長幅を10 nm 以上に保ちつつ、モード同期の繰り返し周波数を1 GHz以上にして開発を行う。
324 SiC単結晶の放電加工ワイヤー技術開発と応用 加藤 智久 独立行政法人産業技術総合研究所 山崎 宏之 独立行政法人産業技術総合研究所 次世代パワーデバイス半導体材料であるSiC単結晶の難加工性を解決する新しい放電加工切断技術のための切断用ワイヤーおよびそのワイヤーシステムの開発を主な研究テーマとする。本研究にて、高能率・高精度・低損傷・低価格を実現する放電加工ワイヤー切断技術開発の促進を図り、従来技術であるダイヤモンドマルチワイヤーソーの代替化を狙う。
325 デジタル音源のための多重アンプPCデジタル音響装置の開発 長嶋 雲兵 独立行政法人産業技術総合研究所 山崎 宏之 独立行政法人産業技術総合研究所 本研究ではCDやPCなどに格納されているデジタルデータの多様なデジタルフォーマットに対応し、従来アナログ返還後に行われていたチャネル分割処理をデジタルデータのままPC上で実行し、装置によるノイズや歪みを極端に除いたデジタル音源のための高性能多重アンプPCデジタル音響装置を作成する。これにより、家庭から音楽ホール等の広範囲な場所における高品位音響装置を安価に実現する。
326 超分子電気化学に基づく高感度遺伝子センサアレイチップの開発 青木 寛 独立行政法人産業技術総合研究所 小高 正人 独立行政法人産業技術総合研究所 従来の遺伝子検出法は、多大な時間や労力を要し定量性に欠ける問題があり、その根本的な原因は測定対象DNAの蛍光標識化が必要なことである。そこでこの問題を解決するため、測定系に何ら手を加える必要なしに高感度検出可能な、迅速で簡便な電気化学遺伝子センサの開発を行う。超分子化学に基づき、測定対象DNAの認識に伴い信号増加する検出原理を構築し、高感度遺伝子センサアレイチップを開発する。
327 耐熱性DNAポリメラーゼの新規3’ホスホエステラーゼ活性を用いた遺伝子増幅法 松井 郁夫 独立行政法人産業技術総合研究所 小高 正人 独立行政法人産業技術総合研究所 我々はPhPolDのMre11様のサブユニットが強い3’ホスホエステラーゼ活性を有することを発見した。しかし、3’ホスホエステラーゼの反応中心が3’-5’エキソヌクレアーゼのそれと同一か否かは未だ明らかではない。本提案では、両活性が同一反応中心によるか否かを明らかにし、蛍光色素とクエンチャー物質の種類とプラーマーの長さを検討し、リアルタイムPCRへの応用を図る。
328 骨髄高転移性乳癌細胞で亢進している転移マーカーの解析 岡田 知子 独立行政法人産業技術総合研究所 小高 正人 独立行政法人産業技術総合研究所 近年日本人女性に増えて来た乳癌は、高率で骨髄へ転移し患者の生活の質を低下させる。一方で、乳癌の骨髄転移診断マーカーは未解明のままであり、この解析を本課題の目的とする。具体的には私共が近年新規に樹立した骨髄高転移性乳癌細胞と、その親株の低転移性乳癌細胞を比較し、遺伝子発現の大きく亢進している特定因子の発現を抑制して、その性状の変化を解析する。最終的な目標は、乳癌の骨髄転移マーカーを同定する事である。
329 動物実験に代わる循環器系医療機器の血液適合性評価法確立のための試験研究 丸山 修 独立行政法人産業技術総合研究所 池田 喜一 独立行政法人産業技術総合研究所 循環器系医療機器の開発においては、血液適合性を確認する評価を行うことが必須となる。一般に、血液適合性評価は、ウシやヒツジなどの大型実験動物を使って行われるが、実施できるのは、それらの設備および術医を備えた研究機関にとどまるのが現状である。本提案では、化学実験室で実施可能なin vitroによる血液適合性評価法を確立し、その試験キットの実用化を目指すとともに、循環器系医療機器開発促進に貢献する。
330 紫外レーザーによる白金族元素の分離回収技術の開発 田村 浩司 独立行政法人日本原子力研究開発機構 飯塚 隆行 独立行政法人日本原子力研究開発機構 原子力発電の使用済み燃料に含まれる貴金属元素は再処理時の障害となっている。しかし、これを研究代表者が開発した高選択性波長可変光源を用いて、白金族元素のみ分離できれば、触媒等として希少貴金属資源の再利用や、環境負荷低減につながる可能性がある。本試験研究により、本光源発振光の短波長化により白金族元素分離へも適応可能な紫外波長可変レーザー光源の構築を行い、その特性を測定評価するものである。
331 希土類磁石からネオジムの簡便かつ高効率な分離回収技術の開発 下条 晃司郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構 飯塚 隆行 独立行政法人日本原子力研究開発機構 本研究では希土類磁石の加工廃棄物からレアメタルであるネオジム(Nd)を高効率に回収し、資源の有効利用を目指すものである。具体的には、ネオジムに対して高い選択性を示す新規抽出剤を開発することで、分離効率を向上させ、高効率な溶媒抽出プロセスを構築する。また、分離回収工程を低減することで、プロセスの簡便化および運転コストの削減を図り、技術の実用化を検討する。
332 食経験微生物納豆菌を利用したタンパク質発現系の構築 木村 啓太郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 森 勝美 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 一般的安全性が認知されている食経験微生物は、組換えタンパク質発現ホスト細胞の有力な候補である。また、宿主特異性が高いバクテリオファージを利用した発現系は、組換え生物の適正管理の観点からも企業化に際して有利である。“納豆のネバネバ物質”を分解して効率よく納豆菌に感染することが知られている納豆菌ファージの“ネバネバ分解酵素遺伝子”(pghP)を用いて、納豆菌を利用したタンパク質発現系の構築を目指す。
333 高圧を利用したサイクロデキストラン-フラボノイド包接化合物の開発 舟根 和美 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 森 勝美 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 サイクロデキストラン(CI)はグルコースのα-1,6結合環状体である。その構造から脂溶性物質を環内に取り込み可溶化・安定化させる包接機能が期待されている。申請者は予備的に、高分子CIが高温下でフラボノイド類を可溶化することを見いだした。本研究では、高温処理を回避して安定なフラボノイド包接化合物を得るために、高圧装置を用いて低温下で効果的にCI−フラボノイド包接化合物を生産する技術開発を目的とする。
334 マルチ認識素子による動脈硬化危険因子検出プレートの開発 町田 幸子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 柏木 豊 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 動脈硬化の危険因子である変性LDL(Low density lipoprotein)は、多様な分子腫から構成されているが、酸化LDL受容体は、全分子種を認識する機能を有している。このマルチ認識能を認識素子として再構築した、動脈硬化危険因子検出プレートを開発する。さらに、再構築工程の簡略化を図り、低コストで特殊機器を必要としない、汎用性の高い動脈硬化予防効果を評価可能な技術として発展させる。
335 ファイバー単結晶による無鉛強誘電体デバイスの開発 木村 秀夫 独立行政法人物質・材料研究機構 中野 義知 独立行政法人物質・材料研究機構 鉛の有害性から無鉛強誘電体の研究開発が行われているが、性能的に鉛系を超えることは難しい。大多数の無鉛強誘電体には多くの添加元素を必要とし、元素の使用量を減らそうというトレンドに反する。応募課題は単結晶を利用して少ない元素で高性能の無鉛強誘電体デバイスを開発しようとするもので、従来のセラミックスとは異なり単結晶であることから化学的にも安定で、ファイバー単結晶の利用により生産効率の向上も期待できる。

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 栃木:21件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
336 ハイドロフォーミングによる小径高効率管継手形状成形技術の開発と応用 白寄 篤 宇都宮大学 山下 信 宇都宮大学 チューブハイドロフォーミング技術(金属管材の液圧成形加工技術)を外径10mm以下の小径部品に適用する。中空小径部品は、現状、冷媒の流路や半導体部品製造装置などに使用されているが、継手の分岐部をさらに長く成形することができれば成形形状の多様化や配管自由度の増加に繋がる。技術課題を出願済みの特許技術で克服し、中空小径部品の適用範囲の拡大(燃料電池配管部品等への応用)や部品機能の向上を目指す。
337 生体末梢血管抵抗の近赤外光血管可視化による非侵襲計測 嶋脇 聡 宇都宮大学 山下 信 宇都宮大学 生活習慣病などの予防に対して関心が高まっている。各個人が手軽に扱えて、かつ非侵襲な計測機器が必要である。近赤外光を用いた血管可視化画像より血管硬度を計測した研究結果から、収縮期血圧および静脈血圧の新計測方法が考えられた。この2つの血圧から末梢血管抵抗が計測できると推測できる。末梢血管抵抗の非侵襲計測手法を開発する。現行の電子血圧計測器に加えて、末梢血管抵抗を計測できる家庭用健康機器開発を目指す。
338 家畜糞尿等の高含水率有機質汚泥の自己発熱による炭化プロセス 岩渕 和則 宇都宮大学 山村 正明 宇都宮大学 家畜糞尿は主に肥料として利用されるが食料・飼料の輸入過多により肥料過剰の地域が出現している。家畜糞は有機物であり燃料利用が可能であるが、85%以上の高含水率であるためそのままでは燃料利用は困難である。代表研究者らはこのような家畜糞を自己発熱により100℃以上の高温へ導くプロセスを考案している。家畜糞尿等の水分を除去し、燃焼によるバイオマスエネルギー源としての利用が期待される。
339 高含水廃棄バイオマスの高温高圧水ガス化による無害化処理とエネルギー製造 佐藤 剛史 宇都宮大学 山村 正明 宇都宮大学 高含水バイオマスを高温高圧水中にて触媒ガス化することで、乾燥工程を経ずに燃料ガスのメタンや水素を製造する研究を行う。実験では、試料としてバイオマスやバイオマスモデル物質、触媒に坦持金属触媒を用い、高温高圧水中にて回分式反応器でのガス化反応を行う。反応温度や反応圧力がバイオマス分解率、燃料ガス生成量および回収液炭素濃度におよぼす影響を明らかとする。
340 機能付加型光触媒材料の開発 手塚 慶太郎 宇都宮大学 山村 正明 宇都宮大学 近年、有機物の分解性能の向上や水素生成反応への応用を目指して、高効率でかつ安定な光触媒の開発が盛んに行われている。しかし、これまでは光触媒活性のみに注目した材料開発がほとんどであった。最近は光触媒に付加機能を持たせた材料の開発も期待されてきている。申請者はこの点に注目し、高効率な光触媒活性と同時に別の高機能を有する複合機能材料の開発を行い、実用化へ繋げる。
341 新規複合酸化物触媒の開発による地球温暖化ガスの有用資源への高効率変換 江川 千佳司 宇都宮大学 山村 正明 宇都宮大学 地球温暖化をもたらすメタンと二酸化炭素を高効率に有用な合成ガス(水素と一酸化炭素)に変換する改質反応のための新しい触媒の開発であり、メタンの有効利用と二酸化炭素の削減再資源化を同時に実現できる技術である。本研究課題では、600℃以下でも高効率に変換できる新規な複合酸化物触媒による一層の効率化を図り実用化を目指すものである。
342 低分子含塩素有機化合物の分解固定化技術の実用化研究 古澤 毅 宇都宮大学 山村 正明 宇都宮大学 産業界で溶剤・脱脂洗浄剤・塗料剥離剤として有用される低分子含塩素有機化合物は、PRTR指定物質であり、人体あるいは環境への負荷が懸念されるため、低濃度であっても分解除去すべきである。低濃度VOC除去の従来技術として燃焼方法や活性炭吸着法が多用されているが、本研究では燃焼方法および活性炭吸着法の問題点を解決し、安価で簡便に含塩素VOCを分解固定化する技術および材料を確立する。
343 遺伝子導入系統樹立を効率化するためのトレーサー遺伝子カセット開発 松田 勝 宇都宮大学 山村 正明 宇都宮大学 外来遺伝子導入魚作成時の飼育とスクリーニングに必要な労力軽減を可能とするトレーサー遺伝子カセットを開発しようとするものである。本研究では小型魚類であるメダカをモデル動物として、外見から外来遺伝子の有無を判定できる遺伝子カセットとともに、外来遺伝子を配偶子に持つ個体を早期に選別できる遺伝子カセットの開発を目指す。
344 偏光応答性記録媒体への三次元光情報記録装置の試作 茨田 大輔 宇都宮大学 小野 明 宇都宮大学 本研究は、偏光応答性記録媒体に、三次元的に光学異方性パターンを形成させ、高い記録面密度を実現しうる光情報記録装置の作製を目的とする。記録光として、青色レーザー光を用い、平行配列型液晶空間光変調器と波長板、ファラデー回転子を組み合わせることによって、任意の空間的な偏光パターンを生成させる。その偏光パターンを偏光応答性記録媒体に複数回照射することにより、三次元的な光学異方性パターンを形成させる。
345 小型新エネルギー用系統連係電力変換器の開発 船渡 寛人 宇都宮大学 荘司 弘樹 宇都宮大学 新エネルギーの発電電力は変動する直流であり、実際に使用するには商用系統に連系するため安定した交流電力に変換する。小規模連系の場合は単相交流を使用するが、偏差の無い電流制御を実現するには工夫を要する。本課題では、単相系統連係インバータにおいて、特に出力にLCフィルタを持つ場合に適用可能な高性能で簡単な回路構成である新しいディジタルヒステリシス電流制御系の開発を目的とする。
346 高出力テラヘルツ光源の開発 湯上 登 宇都宮大学 荘司 弘樹 宇都宮大学 研究では、プラズマ物理の分野で研究開発が進められ、テラヘルツ帯での電磁波放射が観測されているDARCと呼ばれる電磁波源を用いて、テラヘルツ帯の電磁波発生技術を確立することである。電磁波出力はコンデンサーに印加する初期電圧に比例し、高出力化が期待できる。これまでの光伝導アンテナは小出力であり、応用研究の足かせとなっている。制御された相対論的電離面を形成し、高出力で小型のテラヘルツ光源の創成を目指す。
347 超高性能プラノコンベックスレンズドファイバの実用化研究 白石 和男 宇都宮大学 荘司 弘樹 宇都宮大学 フォトニック結晶デバイスやシリコンを媒質にした次世代光デバイスと通信用光ファイバでは伝搬する光のビーム径が30倍以上も異なる。本研究は、この相互接続上の問題を解決できるプラノコンベックス型レンズ付き光ファイバを中心に、新しいファイバ形の光ビーム集光素子の実用化研究を推進する。具体的目標は、量産に向いた作製方法の開発と評価手段の開発である。
348 ONU用小型・高量産性の波長可変光フィルタチップの開発 依田 秀彦 宇都宮大学 荘司 弘樹 宇都宮大学 光ファイバ加入者網のユーザ宅に設置されるONU(光回線終端装置)には、数10チャネルの波長多重化信号の中から所望の波長情報を可変選択する光フィルタ素子が必要とされる。本試験では、カラーレスONU用途の波長可変光フィルタチップの開発を目指し、フィルタ作製技術の向上とフィルタ性能の改善を目的とし、ダブルキャビティ構造フィルタの作製、波長可変範囲の拡大、波長再現性、応答速度の高速化、を実施する。
349 食品中有害金属のバイオセンシング技術開発 前田 勇 宇都宮大学 荘司 弘樹 宇都宮大学 機器分析を補う簡易検出技術を用いた食品・食材中の有害物質検出の需要が高まっている。本研究では食品検査に、開発した有害金属バイオセンサを応用するための技術開発を行う。室温または冷蔵でセンサ素子である細胞またはタンパク質―DNA複合体の活性を維持する保存法と、検出を阻害する食品中夾雑物質の効率的除去法について研究開発を行う。これにより、コストや処理能力に優れた有害金属の食品検査法を確立する。
350 超高周波回路用低損失誘電体材料のW帯特性評価システムの開発 清水 隆志 宇都宮大学 荘司 弘樹 宇都宮大学 無線通信技術の発達により、60GHz帯ギガビット級無線通信機器が実用化目前となってきた。一方、無線通信の高速・大容量性の追求や電波資源状況を鑑みると、より高い周波数資源開拓が重要である。そのためには、機器開発や材料開発の基礎技術となる材料特性評価技術の確立が急務となる。本研究では、W帯(75-110GHz帯)における複素比誘電率測定評価システムを確立し、その有効性を実証することが目的である。
351 内視鏡手術・鏡視下手術の処置法を革新する超常磁性体アンカーの開発 大平 猛 九州大学 松枝 健一 自治医科大学 内科領域の内視鏡下粘膜下切除術や外科領域である鏡視下手術(消化器・呼吸器・婦人科・泌尿器の各領域)における病変部位あるいは切除用に牽引が必要な各種臓器に今回開発する小型超常磁性体アンカーを、現存あるいは新たに開発するクリップを使用し設置することによって、従来不可能であった手術視野の展開と病変部位の同定および切除支援を可能とするコンセプトである。
352 多剤耐性アシネトバクター選択検出培地の開発と応用 林 俊治 自治医科大学 松枝 健一 自治医科大学 多剤耐性アシネトバクター感染症の治療は困難である。さらに、本菌は医療施設を汚染し院内感染を起こす。しかし、本菌による汚染箇所の特定は困難である。そこで、多剤耐性アシネトバクターを検出するための選択培地を開発し、本菌による汚染箇所の特定を容易にする。具体的には、我々が開発した培地の「多剤耐性アシネトバクター検出能力」を実験的・臨床的に評価し、この培地が医療施設で実際に使用可能であるかを検討する。
353 心筋細胞の再プログラミングによるバイオペースメーカーの作製 鷹野 誠 自治医科大学 松枝 健一 自治医科大学 徐脈性不整脈の新たな治療法としてバイオペースメーカーが注目されている。我々は容易に入手できる右心房筋細胞を再プログラミングし、バイオペースメーカーを作製することを試みる。洞房結節特異的な転写因子をマイクロアレイによって網羅的に同定し、アデノウイルスベクターにより心房筋細胞に遺伝子導入する。これにより洞房結節特有のイオンチャネル遺伝子の発現パターンを誘導しうる転写因子の組み合わせを決定する。
354 再利用可能なエンドトキシン除去フィルターの開発 田中 孝国 小山工業高等専門学校 山下 信 宇都宮大学 医療現場における、エンドトキシンフリー医療用水作製のコスト高が問題となっているが、現在は寿命が短く再利用が困難である高分子系膜が主体である。そこで本研究では、強い生体物質吸着能を持つハイドロキシアパタイトをプラズマ溶射した金属複合膜による除去法を考えている。この複合膜は、使用後もエンドトキシン失活操作である乾熱滅菌(250℃)を行うことで、吸着能を復活させ、再利用が可能である利点を持っている。
355 大気液相前駆体溶射を用いた光触媒セラミックス高速成膜法の開発 安藤 康高 足利工業大学 君島 好信 足利工業大学 液相前駆体溶射は、液相原料を熱プラズマ中に投入し、熱プラズマ中の化学反応により合成された微粒子を基材上に堆積させる成膜法である。本研究では、本プロセスの開放大気下での施工を可能にするため、プラズマトーチ先端に再加熱ノズルを設置し、合成した微粒子を溶融・活性化させた状態で基材へ輸送する。形成される皮膜の引っかき強度(JIS K 5600鉛筆法)は6H以上、基材との密着力は25MPa以上を目標値とする。
356 ナスの下漬液を活用したナスニン包接体の開発 伊藤 和子 栃木県産業技術センター 島田 智 栃木県産業技術センター ナス浅漬け製造時に生じる下漬液中のナスニンを、脱塩行程を経て、合成吸着剤と酢酸を用いて抽出する技術を開発済みである。しかし、抽出液を真空凍結乾燥して得られる粉末は、酸性溶液でないと溶解せず、酢酸の臭いも残留している。この問題点を解決するため、ある種の物質を用いてナスニンを包接し、中性付近で安定した紫色を保つ色素粉末の作成を目指す。また、作成した粉末の抗酸化性をORAC法で評価する。

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 群馬:24件  (JSTイノベーションサテライト新潟)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
357 太陽光発電のための直列コンバーターの開発 梶原 篤 群馬県立産業技術センター 小畑 剛志 群馬県立産業技術センター 現在の太陽光発電システムは、その一部が日陰に入るなど不均一な光照射条件下では著しく発電量が低下する。本研究で提案するシステムでは、複数ある太陽電池モジュールのストリング毎に太陽電池を最適制御したうえで直列接続し、それらの電力を同一の電流経路に流す手法で、従来取り出せなかった部分の電力を出力として取り出すことを可能とする。新しい直列コンバーター回路を開発しようというものである。
358 高靱性・高強度を有する環境調和性複合材料の開発 宋 東烈 群馬県立産業技術センター 小畑 剛志 群馬県立産業技術センター 本研究は、マトリクスに生分解性プラスチックであるポリブチレンサクシネート(PBS)を用い、これに大きな破断ひずみ特性を有する絹繊維を強化材として混入した環境親和性複合材料を、自動車の内装構造材等の用途向けに開発しようとするものである。その際に絹繊維の表面処理及び加工方法、また、成型サイクルにより、その力学特性が変化することから、各種条件設定を行い、分析評価及び解析学的検討を加えることにより最適化を図り、新しい複合材料を開発する。
359 高速・ネットワーク通信社会を実現する高機能フィルタの開発と応用 石田 等 群馬工業高等専門学校 上石 洋一 群馬県 無線を使った高速ネットワーク通信社会において限りある周波数を有効に使うためには,急峻なスカート特性を持つ帯域通過フィルタ(BPF)の低損失・小型化が必要である.急峻なスカート特性を持つBPFを実現するため通過域の両側に減衰極を任意に設定できるBPFを考案し,最適設計理論を構築し学会発表を行っている.本シーズ発掘試験研究では,この高性能BPFを外部制御信号によりチューナブル化を目指す.
360 IRCCDを用いた赤外線顕微鏡の開発とその画像応用 樋口 博 群馬工業高等専門学校 上石 洋一 群馬県 既存短焦点赤外レンズと反射型長焦点光学系(天体望遠鏡用主鏡)の組合せにより高倍率赤外線光学系を実現し、8-10μm帯IRCCD赤外線撮像装置を用いて赤外線顕微鏡を低価格で実現する。これにより、これまで比較的未着手であった顕微鏡分野における新たな赤外線画像応用が可能となる。本研究においては、光学系における迷光対策、倍率及び画像分解能達成上の光学システム設計と試作・評価を通じて、赤外顕微画像固有の画像特徴量を解析し、赤外顕微鏡画像利用に関する知見を得る。
361 低コストアルミニウム−高強度マグネシウム合金クラッド材料の開発 渡利 久規 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 自動車用に使用されるMg-Al合金クラッド材を想定し,Mg合金とAl合金の溶湯から双ロール法を使用して直接的にMg-Al合金のクラッドキャスト材を製造し,これを温間圧延して,塑性加工用のクラッド材を製造するプロセスの構築およびクラッド材の成形性の調査を行う。具体的な数値目標としては,温間圧延後の平均結晶粒径が30μm以下,引張強度300MPa,破断伸び15%のMg-Al合金クラッド材の低コスト製造である。
362 超低消費電力・小型・低損失を特長とするポリマ導波路型光スイッチの開発 花泉 修 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 光ファイバ通信用光スイッチの材料は、実用性を考慮すると、石英系かポリマ系に限定されるが、現状では、スイッチング電力は200mW程度、サイズは5cm程度(長さ方向)にとどまっている。本研究では、薄膜ヒータと電極の構造の工夫、及び、オリジナルの光分岐構造の導入により、スイッチング電力が5mW程度にまで低減され、且つ、長さ方向のサイズが3cm程度にまで小型化されたポリマ導波路型光スイッチの試作検討を行う。
363 サブミクロン粒子の非接触光学粒径計測法の開発と応用 荒木 幹也 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 自動車排気に含まれる粒子状物質や、汚染物質を吸着し飛来する黄砂といった、1nm 〜 1000nmオーダのサブミクロン粒子が、人体に及ぼす影響が危惧されている。その生成過程や飛行挙動を把握する上で、粒径計測法の確立が急務である。本開発では、従来の光学・電子顕微鏡や遠心沈降法といった採取法による粒径計測法とは大きく異なる、「非接触」かつ「2次元」のサブミクロン粒径計測法の開発と、その応用を目論む。
364 腸管免疫力向上を目指した新規経口型DDSの開発 林 史夫 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 腸管細菌はナノサイズの注射器を体表に持っている。この注射器を利用して腸管上皮細胞に薬剤を注入し、自然免疫・獲得免疫といった腸管免疫力を向上させることで、腸管細菌感染症やアレルギー疾患の予防・治療を可能にする経口型DDSの開発を目標とする。本研究開発では、ナノサイズ注射器を発現しているサルモネラ菌を材料として、腸管細胞認識活性と薬剤成分輸送活性のみを保持した小胞を開発する。
365 微細ナノシェル含有ナノカーボンファイバー触媒の開発 尾崎 純一 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 ナノシェル炭素は、我々の研究グループが開発した酸素還元活性を有する炭素材料であり、固体高分子形燃料電池の非白金カソード触媒としてもっとも有望視されている材料の一つである。ナノシェル炭素がもつ触媒活性はその粒子径に依存し、より微細なナノシェルをつくることが重要な課題となっている。本研究開発では、ナノファイバーという制限された空間を利用することで粒子径の増大を抑制し、微細ナノシェル調製法の確立を目指す。
366 安定同位体標識タンパク質の高産出のための共発現プラスミドベクターの開発 窪田 健二 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 安定同位体で標識されたタンパク質を得るため、大腸菌を用いてM9培地(最少培地)で発現させ標識させるが、M9培地では菌体量がLB培地に比べ通常半分以下になり、その分タンパク質の収量を著しく減少させる。代表研究者らは最近ある特定のタンパク質を大量発現させるとM9培地での菌体の収量が通常の約2倍になることを発見した。これを利用して、M9培地で効率よく標識された目的タンパク質を得られる共発現プラスミドベクターの開発を目的とする。
367 金属化合物ナノ粒子を含有するマイクロゲル粒子の開発と応用 土橋 敏明 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 本研究では、金属化合物ナノ粒子を天然由来の物質により構成されるマイクロゲル粒子中に含有させることによって、人体に安全ではない合成高分子や界面活性剤を使用せず、ナノ粒子材料の機能性を活用した安全性の高い材料を提供する。
368 蛍光・りん光同時測定による酸素濃度計測法の開発と応用 吉原 利忠 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 本課題では、気体や不透明液体中の酸素分圧(濃度)を簡便に測定するために、酸素濃度によって発光強度が変化しない蛍光と、酸素濃度に依存して発光強度が著しく変化するりん光を用いた分子酸素計を設計・開発する。この分子酸素計に光を照射し、得られる蛍光とりん光を小型分光器およびCCDディテクタを用いて同時測定し、その発光強度比から酸素濃度のリアルタイム計測を行う。
369 新規タンパク質固定化基板の開発 桂 進司 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 各種タンパク質を固定したプロテインアレイ作成においては、高効率で大吸着容量を持つようなガラス基板の作成が鍵になる。そこで、高効率で大量のタンパク質を特異的に固定化できる表面修飾法の開発を目指して、ガラス表面を各種ポリマーで修飾しHis-tag と特異的に結合するNi-NTA(nickel-nitrilotriacetic acid)を結合させる手法をベースとして、さらにガラスの表面積を増やす方法、そして多種類のポリマーを組み合わせる方法などを検討する。
370 難治性乳がんを標的としたペプチド薬剤の開発 山田 圭一 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、一般的に予後不良の難治性乳がんであり、分子標的療法が存在しない。本研究課題では、培養TNBC細胞にて抗腫瘍効果を確認しているハロゲン含有環状ペプチドをリード化合物として分子標的治療薬の開発を目指す。具体的には前述のリード化合物をもとに作成したペプチドライブラリーを担がんマウスに投与し、それらのin vivo効果を評価をする。
371 有機ケイ素色素による色素増感太陽電池の高効率・高耐久化 花屋 実 群馬大学 小暮 広行 群馬大学 色素増感太陽電池は、製造コストが低く、製造時の環境負荷が小さいことから、次世代の太陽電池として期待を集めるクリーンエネルギーデバイスである。本研究では、色素増感太陽電池において太陽光-電気エネルギー変換の中心的役割を担う増感色素に「有機ケイ素色素」を用いることで、色素増感太陽電池の1)高効率化、2)耐久性の向上、3)製造コストの低減、の同時達成を目指す。
372 低酸素病態イメージング技術の実用化 穂坂 正博 群馬大学 塚田 光芳 群馬大学 生体内における低酸素状態は、がん、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの病態組織で観察され、我国の三大死亡原因、癌、脳卒中、心筋梗塞の基本的病態である。これまで、イリジウム錯体が低酸素環境で発光する特性を利用して、低酸素状態にあるがん組織をイメージングすることに成功している。本研究では組織の低酸素状態をより鮮明に観察する高感度化と長波長化を施した改良体の検証、皮膚塗布による投与法の確立、がん以外の低酸素病態のイメージングを行う。
373 モデルマウスを利用した口蓋裂治療法の開発 柳川 右千夫 群馬大学 塚田 光芳 群馬大学 口蓋裂は、ヒトでは約500〜1000人に1人が発症する頻度の多い疾患である。我々が作成した小胞型GABAトランスポーターノックアウトマウス(VGAT KOマウス)では全例で口蓋裂が生じる。そこで、本研究ではVGAT KOマウスが口蓋裂のモデルマウスになることを利用する。VGAT KOマウス胎仔にグリシントランスポーター阻害剤などの抑制性神経伝達作用薬を投与し、口蓋裂が治癒できるかどうかをアッセイすることにより「口蓋裂発生抑制因子」を探索し、口蓋裂治療に貢献する。
374 細胞間シグナルシステムを標的とした新規うつ診断法・抗うつ薬の開発 大西 浩史 群馬大学 塚田 光芳 群馬大学 2つの膜蛋白質SHPS-1とCD47は、互いの細胞外領域が細胞間で結合し、双方向性にシグナルを伝えるCD47-SHPS-1系を形成する。代表研究者は、CD47-SHPS-1系の機能異常と「うつ」等のストレス性精神疾患の関連を明らかにしつつある。そこで本申請試験では、SHPS-1遺伝子多型に基づいたうつ病態の診断法の確立を目指とともに、CD47-SHPS-1系シグナルを標的とした抗うつ薬開発を目指す。
375 ポックリ病の新しいマーカーとしてのレムナントリポ蛋白質とスフィンゴシン1-リン酸 佐藤 幸市 群馬大学 塚田 光芳 群馬大学 ポックリ病は「健康な青壮年層の男性が夜間就寝中に突然発症して短時間で死亡する原因不明の病態」どおりその病因は全く不明である。本研究では我々が見出した血漿中レムナントリポ蛋白質とポックリ死との関連研究を発展させ脂質性シグナル分子であるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)の役割を解析し、新しい診断、予知マーカーの確立を目指す。
376 受容体型チロシンホスファターゼSAP-1を標的とした炎症性腸疾患の新たな治療法の開発 村田 陽二 群馬大学 塚田 光芳 群馬大学 クローン病や潰瘍性腸疾患に代表される炎症性腸疾患は、主に腸管内の免疫制御機構の破綻により発症する難治性の疾患である。また、我が国においてその罹患率は増加の一途をたどっており、有効な治療薬の開発が望まれている。最近、研究代表者は消化管粘膜上皮細胞に特異的に発現する受容体型チロシンホスファターゼSAP-1が、炎症性腸疾患の発症を抑制的に制御することを見出している。そこで本研究では、SAP-1の機能を制御することにより新たな炎症性腸疾患の治療法の開発を目指している。
377 新規免疫制御剤の開発 久保原 禅 群馬大学 塚田 光芳 群馬大学 細胞性粘菌Dictyostelium discoideumは土壌微生物の一種である。近年我々は、D. discoideum由来の低分子物質DIF-1 [1-(3,5-dichloro-2,6-dihydroxy-4-methoxyphenyl)hexan-1-one]とその誘導体がJurkat T細胞のIL-2産生に影響することを発見した。本研究ではこの発見に基づき、全く新しいタイプの免疫制御剤の開発を目指す。
378 ジベレリン拮抗作用を有する新規植物生長調節剤の開発と利用 山口 五十麿 前橋工科大学 塚原 信孝 前橋工科大学 Gibberella fujikuroiの培養液から大量に得られるジベレリン活性を持たないGA13あるいは活性型のGA3を出発原料として、A環あるいはD環、あるいはその両者に修飾を加え、ジベレリン受容体GID1に結合するものの、ジベレリン活性を示さず、植物体内のジベレリンと拮抗的に作用し、植物の成長を抑制する矮化作用を示す新規な植物生長調節剤をスクリーニングし、有効利用法を探る。
379 食用野菜酵素(ホスホリパーゼ)の皮膚改善作用の探索 福森 文康 東洋大学 上石 洋一 群馬県 これまでの研究により、キャベツやほうれん草に含まれる酵素画分が、乾皮症に関連する脂腺細胞の油滴に作用することが確認されている。本研究では、種々の食用野菜に含まれるタンパク成分の脂腺細胞に対する効果を比較して、活性の高い野菜の絞り込みを行う。さらに、野菜中のホスホリパーゼを分画して皮膚改善作用を測定することにより有効な分子種を特定して、それらの香粧品としての実用性を明らかにする。
380 オンサイト金属材種判定用ゲルの開発 廣木 章博 独立行政法人日本原子力研究開発機構 笠井 昇 独立行政法人日本原子力研究開発機構 金属スクラップ材をリサイクルして製品化する鋳造業の各現場(オンサイト)では、高価な分析機器を使用せずに、簡易にスクラップ材中の金属組成を判定する技術が求められている。本研究では、放射線橋かけ技術により作製したゲルに金属との錯形成により発色する試薬を保持させることで、オンサイトでスクラップ材に貼り付けるだけで成分を目視簡易定量できる金属材種判定用ゲルの開発を行う。

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 埼玉:18件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
381 高機能高電圧インパルス発生装置の開発と応用 前山 光明 埼玉大学 永井 忠男 埼玉大学 インパルス電圧発生装置(以下 IG)は、レーザ媒体の励起や廃ガス処理など各種放電プラズマを生成するために利用される電源である。本研究では、高速半導体素子であるIGBTとマルクス回路の単純な従属トリガー方式、および、充電効率が高い共振充電方法を利用した高速半導体化IGの開発を目的とする。IGBT素子の特性を利用し、出力パルス幅1μs以下、50kV、繰り返し周波数10kHzを目標とする。
382 精密制御のための高精度デジタルタコメータの開発 辻 俊明 埼玉大学 永井 忠男 埼玉大学 精密なモーション制御の実現には、(1)速度演算の高精度化、(2)サンプリング時間の短縮化、が重要な課題となっている。研究代表者らはこれまでに同期計数法と呼ばれる高精度速度計測法を提案しているが、サンプリング時間の短縮化の課題が残されていた。そこで本研究課題では同期計数法を実装した高精度デジタルタコメータの演算を高速化することにより、高精度制御の極限性能を獲得することを目標とする。
383 固体電解質のイオン伝導に及ぼす応力効果の解明 荒木 稚子 埼玉大学 永井 忠男 埼玉大学 固体酸化物形燃料電池は(SOFC)は、世界的な環境問題・エネルギ問題を解決する手段として注目されている。SOFC固体電解質の酸素イオン伝導は、電池性能と密接に関係する。本研究では、固体電解質に及ぼす応力の効果を明らかにすることを目的とする。これにより、応力の影響を考慮した安定的な出力制御が可能となるとともに、応力効果を能動的に利用した高性能電池の構造設計が期待される。
384 フェライト系化合物を用いた二酸化炭素吸収セラミックスの開発 柳瀬 郁夫 埼玉大学 角田 敦 埼玉大学 リチウム含有複合酸化物は様々な組成を有し、任意温度で炭酸ガスを吸収できる物質として期待されている。本研究では、吸収速度が小さいが、解離平衡温度が510℃であるため中温域での炭酸ガス吸収に適するリチウムフェライトの吸収能力を向上させることで、吸収分離技術において効果的な回収法が見出されていない中温域(200〜500℃)における炭酸ガス吸収材料の開発を行う。
385 中小製造業向けバーチャルデザインレビューシステムの開発と応用 綿貫 啓一 埼玉大学 角田 敦 埼玉大学 本研究では、高度な技術、高品質、短納期などが要求される製品の設計・製造を効果的に行うため、その際に必要となる形式知と暗黙知とを連携して設計・製造知識の技能伝承・デザインレビュー支援を行うシステムを開発する。複合現実感技術を用いて現場と仮想空間を融合し、視覚情報・力覚情報・聴覚情報を統合した高精度没入型仮想共有環境システムおよびデザインレビュー支援システムの実用化に向けた開発・実証検証を行う。
386 電気自動車用高効率ペルチェクーラーの開発 長谷川 靖洋 埼玉大学 角田 敦 埼玉大学 コンプレッサーを利用しない冷暖房(エアコン)として、電気冷熱効果を利用したペルチェ素子(通電すると物を冷やすことのできる素子)を使ったクーラーの実用化が期待されている。そこで本研究では、ナノワイヤー構造を用い量子効果を導入し、大幅なエネルギー効率向上が期待できるナノワイヤー構造ペルチェ素子を用いて、車載用の小型で高効率ペルチェクーラーの開発を行う。
387 目視で検出可能な新規有機ゲル型放射線量計 太刀川 達也 埼玉大学 角田 敦 埼玉大学 放射線に対して高い感度で発色し、また、有機ゲル化剤としての機能を併せもつカラーフォーマーゲル化剤を種々合成し、ゲル化能の向上、及び、放射線に対する発色感度の向上を目指す。そして、有機ゲルが深さ方向での情報検出が可能であることから、放射線強度の3次元的な検出が可能であることに着目して、重粒子線や電子線などの平面的な照射強度分布と三次元的に深さ方向の強度分布を検出する手段を提供する。
388 エネルギに基づく新型摩擦ダンパの開発に関する基礎研究 渡邉 鉄也 埼玉大学 大久保 俊彦 埼玉大学 近年、大規模な地震が発生しており、耐震・免震対策の重要性が指摘されている。免震構造物では、系を長周期化することにより、地震荷重の伝達を低減させているが、地盤との相対変位が大きくなるために、ダンパ等の設置が必要となる。本研究課題では、エネルギに基づいた設計指針を提案するとともに、適切な摩擦力を得る方法を解明していく。そして、適切な摩擦力を実現できる新型摩擦ダンパを開発していく。
389 光学ガラスの高速鏡面研削技術の開発 澁谷 秀雄 埼玉大学 大久保 俊彦 埼玉大学 21世紀はオプトエレクトロニクスの時代といわれ、レンズやミラーといった光学部品の重要性が増している。特に高い光学特性・環境安定性が求められるハイエンド向けや最先端理化学機器用部品には光学ガラスが用いられている。しかしながら、光学ガラスの研磨加工には非常に長い時間がかかる.そこで本研究では、砥石を用いて光学ガラスに対してnm〜Åオーダーの鏡面を数分程度の加工時間で創成する高速鏡面研削技術の開発を行う。
390 体面を考慮した社会的コミュニケーション支援システムの開発 山崎 敬一 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 本研究では、社会学と工学との共同研究として、中規模のコミュニケーションを支援するシステムを開発する。こうした環境では、多様な参加者が混在するため、体面を考慮したシステム設計が特に求められる。本研究では、ミュージアムにおける多人数の前でのロボットによる解説システム、および市民の集会での議論における体面を考慮した社会的コミュニケーションを支援するシステムの実用化に向けた現場調査、開発、実証実験を行う。
391 温室効果ガス発生抑制のための廃棄物処分場覆土の最適設計 小松 登志子 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 本研究の目的は廃棄物処分場内部の好気性環境の維持と安定化促進により、温室効果ガス(メタン)の生成・放出を抑制することにある。処分場覆土は強く締固められるため廃棄物層内は嫌気的環境となり、メタンが発生しやすい。本研究では廃棄物処分場において土壌通気性、メタン濃度の実測を行い、締固めや地盤の不均一性がガス挙動に与える影響を明らかにする。その成果をもとにメタン発生を最小化する覆土設計条件を提案する。
392 ガラス封止希土類錯体を用いた高効率波長変換薄膜の開発 鎌田 憲彦 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 Si太陽電池の吸収は400nmより短波長の紫外域では低い。一方Eu錯体はこの紫外光を吸収して高効率な赤色光を生じるが、水や酸素に対する耐性が低い。そこでEu錯体をゾルゲル法によりシリカ骨格で覆い、水や酸素から封止する。さらに可視光の散乱損失を防ぎながら透明樹脂に均一分散して波長変換薄膜を作製し、Si太陽電池の表面に設置して未利用の紫外光を赤色光に変換し、太陽電池の内部量子効率改善に寄与する。
393 糖鎖−シロール複合材料を用いた迅速かつ簡便なウイルス・微生物類の検出法の開発 幡野 健 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 感染症の原因となるウイルス"微生物の分泌する毒素の検出には、感染拡大を最小限現に止めるため、安価"迅速"簡便な方法が望まれている。本課題は、ウイルス"毒素に対し特異的認識能を有する糖鎖および凝集状態によりフォトルミネッセンス(PL)強度が変化するシロール基を併せ持つカルボシランデンドリマー群を用い、そのPL強度によりウイルス等を検出する安価"迅速"簡便な新しい検査方法の開発を目指すものである。
394 これからの小中学校における科学技術教育を支える計測制御インタフェースモジュールの開発 野村 泰朗 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 本研究開発では、多くのパソコンが備える標準インタフェースを介してセンサー(入力装置)やモーター等(出力装置)を有線や無線で接続し、小中学生が日常的に理科の観察実験や技術科の計測制御の学習を深化させることができる安価な計測制御インタフェースモジュールを開発する。また開発したインタフェースを使ってセンサーやモーター等の入出力機器を用いて手軽に計測制御システムを構築できるソフトウェアを開発する。
395 強発光性含カルコゲン複素環化合物の開発と発光材料への応用 中田 憲男 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 本研究では、独自に開発したカルコゲナプラチナサイクルあるいは含カルコゲン複素環化合物の薄膜状態における多彩な発光特性の発現を目指した適切な化学修飾反応(配位子交換反応、金属交換反応、置換基効果)から一連の新規誘導体を開発し、π共役系化合物に代わる新たな次世代発光素子に応用可能な薄膜材料としての実用化を検討する。
396 色素増感型有機太陽電池用機能性色素の合成開発 石丸 雄大 埼玉大学 東海林 義和 埼玉大学 本研究では、次世代太陽電池として注目されている色素増感型太陽電池用色素として、フタロシアニンを基本骨格にした新規機能性色素の合成を行う。本申請で提案した機能性色素は、今まで一般的に利用されていた色素増感型太陽電池用色素と比べ吸収範囲を約3倍に広げることができ、光電変換効率を今までの約1.5倍(10%超)にすることを目標とする。
397 脳情報から人間の選考を判別する方法およびその装置の開発 下川 哲矢 東京理科大学 川原 隆幸 東京理科大学 脳情報計測技術の発展は、人間の報酬系にかかわる情報の抽出を可能にし、その結果、各種工業製品やサービスに対する人々の選好を数値化することを可能にしつつある。このような研究はニューロエコノミクスと呼ばれ、近年急速に発展している。本課題では、申請者グループのこれまでの研究を発展させ、実用において直面すると予想される学習データが十分でない状況において、高精度の選好判別を実現する手法を確立することを目標とする。
398 機能化アミノ酸を組み込んだペプチドアプタマー合成法の確立 伊藤 嘉浩 独立行政法人理化学研究所 大谷 武 独立行政法人理化学研究所 非天然アミノ酸を含有するペプチド・アプタマーの調製法の確立ならびに規格化を行う。特に、これまでに我々が開発してきた安定な複合体を形成するリボソーム・ディスプレイ法を機械的に自動化できることを目指し、実験条件の規格化を行う。この技術の完成により、これまで抗体が用いられてきた既存の分析、診断、医薬などの主要なバイオ産業分野に革命的な変化をもたらすことが期待できる。

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 千葉:32件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
399 加速器質量分析によるクリアランス対象物のI-129測定法の開発 天野 光 (財)日本分析センター 池内 嘉宏 (財)日本分析センター 原子力施設の解体等で発生する資機材等のうち、放射能レベルが極めて低いものは、普通の産業廃棄物として再利用または処分できるクリアランス制度がある。I-129(半減期:1450万年)は、クリアランスレベルが極めて低く、最も分析の困難な放射性核種の一つである。加速器質量分析法は検出感度が高く、クリアランス検認上、大変有効な手段となる。今回は加速器質量分析法の前処理を中心に技術開発を行う。
400 脳機能改善薬としてのNMDA受容体チャネルブロッカーの創製 柏木 敬子 千葉科学大学 小野 洋一 千葉大学 NMDA受容体を介したCa2+流入が、脳虚血時の機能障害に強く関与していることから、活性及び選択性の高いNMDAチャネルブロッカーが開発されれば脳機能改善薬として極めて有望である。本試験研究では、既存の神経作用薬に種々のポリアミン誘導体を結合させ、より強力なチャネルブロック作用を有した脳内移行性の良い化合物の合成展開と評価を行うことで、臨床応用可能なNMDA受容体チャネルブロッカーの創製を目指す。
401 磁気ビーズ上に異種金属を配列した有機−無機ハイブリッドポリマー被覆型新規触媒の開発 荒井 孝義 千葉大学 間野 純一 (財)千葉県産業振興センター 近年、特異な表面活性の発現が期待される高機能固体触媒の開発が注目を集めている。本研究では、複数の異種金属を原子・分子レベルで精密に配列し、それら金属間の協調的な作用の発現によって実現する機能集積型の高活性触媒の開発を行う。更に、磁性ナノ粒子を複合金属含有有機−無機ハイブリッドポリマーで覆った(コーティングした)磁性ナノカプセルを開発し、磁気分離可能な新規触媒の創製を行う。
402 燃料電池反応に高活性な表面構造をもつナノ触媒の開発 中村 将志 千葉大学 行木 勝美 (財)千葉県産業振興センター 触媒反応は表面構造により活性が大きく異なることが知られている。従来の触媒表面は様々な構造が露出している。そこで高活性な構造だけが露出した触媒を開発することができれば、触媒使用量を劇的に減らすことができる。本研究では、従来の合成法と電位パルス法を組み合わせたハイブリット合成法により燃料電池用触媒として高活性な表面構造をもつナノ微粒子触媒の合成を行なう。
403 Wntシグナル阻害剤エレウテリノシドの開発と応用 石橋 正己 千葉大学 石塚 勝巳 (財)千葉県産業振興センター 当研究室ではこれまでにWntシグナルを標的とした天然物のスクリーニングを行い、アヤメ科植物より活性成分として新規ナフトキノン配糖体エレウテリノシド類を単離した。そこで本研究では、種々の天然素材からさらなるスクリーニングを行うとともに、それらのWntシグナルに対する作用について詳細な活性発現機構の解明を行う。これらを通じて、天然物を素材とした新たな育毛剤または脱毛剤の開発に向けた研究をすすめる。
404 ケミカルフリーを目指した微生物を用いる野菜苗の栽培技術の開発 坂本 一憲 千葉大学 中小路 尚匡 (財)千葉県産業振興センター 現在、食の安全や環境負荷軽減の観点から野菜苗栽培において化学肥料と農薬の使用を削減することが強く求められており、究極的にはケミカルフリー化が必要とされている。研究代表者はユーカリの根部から分離した微生物、Penicillium sp.EU0013株が野菜苗の生育を促進することを見い出した。本研究はEU0013株を活用し、野菜苗のケミカルフリー栽培を目指した新たな技術開発を実施するものである。
405 森林浴効果が期待される病院屋上森林の開発 朴 範鎭 千葉大学 中島 康彦 (財)千葉県産業振興センター 本研究の目的は要介護者ならびに入院患者の生活の質を改善するため、生理的リラックス効果を有する病院屋上森林を開発することである。要介護者は病院という閉鎖的な空間で生活するため、精神的・生理的な活動が低下して生活意欲の減退が見られる。本研究においては生理指標(心拍変動性、心拍数、血圧、唾液中アミラーゼ活性)を用いて、病院屋上森林の効果を明らかにし、要介護者ならびに入院患者の生活の質の改善を目指す。
406 調理・加工工程での組織構造変化を利用した食品改質技術の開発 小川 幸春 千葉大学 中島 康彦 (財)千葉県産業振興センター 食品素材は調理・加工工程でその組織構造が変化する。例えば硬いコメ粒は炊飯工程によって軟らかな米飯となるが、その工程中では炊飯液の沸騰による細胞組織の断裂など微細な組織構造変化が生じている。本課題では、特に炊飯工程における米粒の組織構造変化に着目した新しい概念の食品改質技術確立およびその装置的な具現化を目的とする。本技術に基づいた炊飯装置を開発することにより、調理時における食品の改質が期待される。
407 チューブワイヤ駆動式小型腹腔内移動手術補助ロボット 兪 文偉 千葉大学 波田 靖夫 (財)千葉県産業振興センター 腹腔鏡手術、NOTES手術(自然開口部からの経管的腹腔鏡手術)に代表される低侵襲手術の普及が進められているが、術具の動きに制限を受け、術者に高い医療技術を要することから、制限がなく容易に操作できるようなシステムが求められている。本提案は鉗子・カメラの搭載、鉗子のガイドが可能で、腹腔内で自在に運動するロボットの制御と評価を行い、その実用化を目指す。
408 スプライシング阻害による新規抗癌作用メカニズムの解明と新規抗癌剤スクリーニング用アッセイ系の構築 松下 一之 千葉大学 富岡 登 (財)千葉県産業振興センター 癌ではc-myc遺伝子の発現増大とともに種々の遺伝子のスプライシング変異が多く起こっている。つまりこの両方を分子標的にすることにより特異性が高く副作用の少ない癌治療薬剤が開発できる。本研究ではc-myc遺伝子の転写抑制と遺伝子のスプライシングの双方に関与しているFIR(FBP Interacting Repressor)とその遺伝子産物の機能解析を行い両者の抗がん剤スクリーニング用アッセイ系の確立も目指す。
409 赤外分光法による血中カイロミクロン濃度の無試薬測定法の開発 野村 文夫 千葉大学 井上 里志 千葉大学 赤外分光法を血清成分測定に応用すると、無試薬、微量検体量で迅速な血液検査が可能となる。メタボリックシンドロームさらには動脈硬化の要因ともなる脂質異常症の原因探索の為には血中リポ蛋白測定が必要であるが、その測定には煩雑で長時間を要する超遠心法や電気泳動法が必要となる。当課題は、リポ蛋白の一つであるカイロミクロンの濃度測定に赤外分光法を応用して、迅速簡便な測定法を開発することである。
410 フロー反応システムによる実用的C-Hホウ素化反応の開発 西田 篤司 千葉大学 井上 里志 千葉大学 医農薬や機能性材料として有用なビアリール誘導体製造原料である芳香族ホウ酸誘導体の実用的合成法が求められている。C-Hホウ素化反応は高い原子効率、安全性から有用であるが、希少金属であるイリジウムを触媒として用いるため、工業化に問題を残していた。本研究では我々が開発した固体イリジウム触媒開発技術を発展させ、フロー反応系に組み込み、触媒を損なうこと無く芳香族ホウ酸誘導体の連続合成システムを開発する。
411 鉄アルミナイド基複合材料からなる切削工具材の創製 糸井 貴臣 千葉大学 井上 里志 千葉大学 本研究では、レアメタルを多量に必要とする高速度工具鋼に代替する切削工具材を創製する事を目標とする。金属間化合物の優れた高温強度に着目し、切削工具が工作物との摩擦で実際に昇温する600℃程度の温度域まで、強度と靭性を維持する鉄アルミナイド作製において、合金溶解中に炭素と遷移金属を添加して、硬質のTiC等の炭化物を合金溶解中に“その場合成”し、一度の溶解・鋳造プロセスで炭化物分散型のFe3Al基複合材料を作製する。
412 ライフライン予防・防災システムへの適用を目指した電位観測によるリアルタイム斜面崩壊監視・予測技術の開発 服部 克巳 千葉大学 三位 信夫 千葉大学 斜面崩壊は、人命や土地家屋等の財産を一瞬にして奪い、道路・鉄道・電気・ガス・水道等のライフラインにとって脅威的な死産災害であり、地震などの地殻変動や豪雨に伴って発生することが多い。本プロジェクトでは、降雨による斜面崩壊の過程を電磁気的に把握し、地下水流動や地盤変位と斜面崩壊の関係を解明し、ライフライン予防・防災システム適用を目指した斜面崩壊のリアルタイム監視システムと予測技術の開発を実施する。
413 可視光応答金属ナノ粒子の規則細孔内構築と選択酸化触媒の開発 泉 康雄 千葉大学 三位 信夫 千葉大学 燃料ガス改質用貴金属触媒が開発されているが、燃料電池用途を初めとして反応低温化が求められている。本研究では無機規則反応場を利用して、1〜3 nmの微細なFe, Rh, Pt, Au粒子を均一径分散させる技術を確立する。紫外可視光照射により触媒表面に生ずる" OHラジカル種の強い酸化力を利用して選択光酸化を起こす金属粒子を最適化し、その反応過程をX線分光法他でモニターする。
414 非整数次フーリエ変換を利用した高速情報暗号化システムの開発 吉村 博幸 千葉大学 小寺 宏曄 千葉大学 本課題では、処理コストが高い現在主流の公開鍵暗号方式に比べて、セキュアで高速処理可能な情報暗号化システムの開発を目的とする。具体的には、情報通信の主役である画像に着目し、デジタル画像暗号化手法および光演算処理による高速画像暗号化手法の設計指針の確立を目指す。特に、次数の異なる非整数次フーリエ変換を瞬時に実現する光学的手法の開発は高速化のキーポイントであり、プロトタイプモデルの試作に挑戦する。
415 神経ペプチドシグナル伝達を指標にした下咽頭癌遠隔転移予測システムの開発研究 花澤 豊行 千葉大学 小野 洋一 千葉大学 下咽頭癌は予後不良な癌であり、5年生存率は30%程度である。これまでの臨床検体を用いたゲノム解析から、複数の神経ペプチドが、下咽頭癌の転移や再発に関与していることが明らかとなってきた。本研究においては、これら神経ペプチド-受容体シグナルを指標とした遠隔転移患者を見極める診断法の開発を行い、これら患者に集学的治療を施し治療成績向上を目的とする臨床研究への道筋をつけるものである。
416 作物の硝酸態窒素含量を低減させる天然物由来物質の探索と開発 児玉 浩明 千葉大学 小野 洋一 千葉大学 現代農業では欠かすことができない窒素肥料は作物の生長を促進する一方で、過剰な施肥は植物体内の硝酸濃度を上げてしまう。過剰な硝酸塩の摂取は人体に悪影響を与えると考えられており、硝酸塩濃度の低い作物を作り出す栽培技術の開発が求められている。海産物を好熱菌により高温発酵させた産物に植物の硝酸態窒素濃度を低減させる効果があることから、 本研究では硝酸態窒素濃度を低減化する物質の探索とその開発を行う。
417 高温環境下におけるトマト着果率低下の分子機構解明 園田 雅俊 千葉大学 小野 洋一 千葉大学 植物は生育適温を超えた環境下で栽培した時、生育不良を起こす。特に生殖器官はその影響を受けやすく、夏場における果菜類の着果率の低下は農業上大きな問題である。これまでにトマトをモデルとした研究から、この着果率低下は生殖器官の中でも雄性器官の不良によることを明らかにし、これらにスクロース代謝が関与している可能性を得た。本研究では高温耐性トマトの開発を目指し、高温時における着果率低下の分子機構解明を行う。
418 真菌細菌相互作用の新規分子機構に基づく抗真菌薬のシード化合物の探索 川本 進 千葉大学 中筋 公吉 千葉大学 申請者らは最近、真菌細菌相互作用の新規分子機構を見出した(J Bacteriol 189:4815, 2007)。病原真菌クリプトコックスに黄色ブドウ球菌が付着すると真菌の死滅が誘導され、その現象に必要な細菌側因子として菌体表層酵素トリオースリン酸イソメラーゼ (TPI)を同定した。本研究ではTPI分子の本現象に関わる部分を検索し、クリプトコックスに対する抗真菌薬シード化合物の創出を目指す。
419 コレステロール低下薬の迅速スクリーニング 梅野 太輔 千葉大学 中筋 公吉 千葉大学 高脂血症の予防または治療を目的としたコレステロール低下薬として、スクアレン合成酵素の阻害剤が探索されてきた。しかしSqSは、その基質(ファルネシルピロリン酸)も産物(スクアレン)も無色無臭であり、その活性への影響をハイスループットに分析することが困難である。本課題は、我々が独自に開発したスクアレン活性の可視化技術をもとに、細胞ベースの簡便かつ迅速なスクリーニング系を構築する。
420 省資源を志向した卑金属分子触媒の開発と応用 濱田 康正 千葉大学 中筋 公吉 千葉大学 従来、高効率不斉水素化反応は均一系貴金属触媒を用いて行われてきたが、これらは希少な貴金属である。申請者は第4周期の卑金属ニッケル(Ni)にも均一系分子触媒としての潜在力があることを見出した。この触媒は安価なNi塩を触媒前駆体として合成でき、高度な不斉水素化反応を触媒する。本研究の期間内に新規不斉配位子の開発を基盤として、高性能化高機能化を行い、従来の生産プロセスを置き換える革新的な技術に育てる。
421 翻訳とカップルしたワンステップ膜タンパク質合成技術の開発 車 兪K 東京大学 宮嶋 俊平 東京大学 活性を維持した膜タンパク質を自由に合成できるシステムは、生命科学のみならず医学・創薬の分野においても必須な基礎技術である。研究代表者は、無細胞タンパク質合成系に人工膜小胞(リポソーム)を組み合わせる事で、活性を持った膜タンパク質を翻訳と同時に膜上に構築する技術を開発している。このシステムは反応組成のフルレギュレーションが可能なため、各々の膜タンパク質に合ったオーダーメードな系を容易に調製できる。
422 高精度3次元画像変位計測を用いた社会インフラ保全センシング技術の開発 新津 靖 東京電機大学 小松原 進 東京電機大学 本研究では建造物の3次元的変形を精密に計測し長期間記録する技術を開発する。さらに、鉄道橋を対象に実際に3次元計測を行い、電車の通過や風、地震などにより鉄橋に加わる負荷と変形の関係を調査する。その成果をもとに、3次元精密画像計測技術を、建造物の補強や建て替えの必要性の有無、余寿命の評価、劣化箇所の同定などを可能な計測技術にすることが目的である。
423 マルチモーダル適応型のインテリア・コーディネート・システム 柴田 滝也 東京電機大学 鈴木 通夫 東京電機大学 住宅やオフィスの室内空間から喚起されるイメージを自動推定し、その推定されたイメージをもとに、家具や照明をコーディネートする仕組みに関する技術である。ユーザーが自宅であたかも専門家に頼んだように、現実に近い形で判断可能なインテリア・コーディネートが行えるシステムを開発する。部屋のイメージから家具を検索し、さらに、その部屋と家具のイメージに合う照明なども自動的に検索するシステム構築を目的とする。
424 AEセンサを利用した液体流量計測法 中田 毅 東京電機大学 鈴木 通夫 東京電機大学 安価でメンテナンスフリーな非接触型液体流量計測法を実現するため、パイプラインの外壁にAEセンサを設置し、パイプライン中を流れる水道水が発生するAE信号を検出・信号処理を行うことで液体変動流量を計測し、その計測精度と周波数応答を求めて変動流量の計測可能性を検討するとともに、実用上重要である当該計測法の温度ドリフトについて評価する。また、実用化の観点からコンピュータベースの自動計測システムを構築する。
425 化学物質の環境リスクを迅速に評価するための藻類細胞バイオセンシングチップの開発 四反田 功 東京理科大学 山内 進 東京理科大学 新規化学物質や工場排水が、生態環境に与える影響評価が求められている。環境負荷評価法として藻類細胞を用いたバイオアッセイ法が注目されているが、時間がかかる、培養装置が必要、現場で分析できない等の問題があった。本課題では、藻類細胞と補助電極をスクリーン印刷したセンシングデバイスを開発する。藻類細胞の化学物質による光合成活性阻害を電気化学的に測定することで、生態毒性評価試験を現場で迅速かつ安価な評価が可能となる。
426 テネイシン−Cを分子標的とした難治性炎症性疾患治療薬の開発 深井 文雄 東京理科大学 船越 安信 東京理科大学 炎症部位で高発現するテネイシン(TN)-Cの断片であるTNIIIA2が、炎症の主因の単球、T細胞の血管外浸潤と停滞を促進し、TNIIIA2中和抗体がこれらを抑制することをin vitro実験系により見いだした。本研究では、TNIIIA2中和抗体を抗炎症薬として利用することを前提として、その標的疾患を特定すると共に、in vivo実験に適用する抗マウスTNIIIA2抗体を調製する。
427 炎症誘発物質の検出による牛乳房炎早期診断法の開発 水田 龍信 東京理科大学 船越 安信 東京理科大学 牛乳房炎は酪農経営を脅かす最大の病気であり、安定で安心な牛乳の供給という観点からも克服しなければならない重要な課題である。これまで乳房炎は病状がかなり進行しないと診断できず、治療も後手に回っていた。我々は炎症初期に壊死細胞から遊離する炎症誘発物質に注目し、これを検出することで乳房炎の早期発見につなげようと考えている。本研究では、この炎症誘発物質と乳房炎重症度の相関関係を検討する。
428 新規虚血再灌流障害保護薬の開発 石毛 久美子 日本大学 渡辺 麻裕 日本大学 脳梗塞のような脳虚血再灌流障害により、脳神経障害が誘発されるが、有効な治療薬は少ない。そこで、脳虚血再灌流障害の新規治療薬開発を目的とし、最近、我々が、脳虚血モデルマウスで細胞保護効果を認め特許出願した化合物を出発点に、より有効な物質を探索する。実験では、候補物質をリストアップし、培養細胞系で低酸素再酸素化誘発細胞死保護作用を指標に物質を絞り込んだ後、脳虚血モデルマウスにおける有効性を調べる。
429 レール状態診断装置 綱島 均 日本大学 渡辺 麻裕 日本大学 レール状態の定期的な診断は、鉄道の安全性を確保するため重要である。特に、地方路線では経済的な問題から十分な保守がおこなわれていないため、放置すれば重大な事故に直結する可能性があり、早急な対策が求められている。本研究では、営業車両で検出した動揺や騒音からレールの状態を診断する装置を製作し、レールの保守が十分行われていない複数の地方路線を対象として検証実験を行い、装置の有効性を検証し実用化する。
430 籾殻セラミクスにより強化された成形プラスチック歯車の開発 高橋 秀雄 木更津工業高等専門学校 正木 昭弘 木更津工業高等専門学校 一般的な成形プラスチック歯車の強度向上方法は、プラスチック母材にガラス繊維などの補強材を混入させる。一方、農業副産物の籾殻は年間約260万トン排出され、この内の約90万トンは廃棄処理される。そこで、その有効利用方法がいろいろと検討されている。その中の一つに籾殻焼成体(RHSC)が有る。本研究では、このRHSCをプラスチックに混入し、成形プラスチック歯車の強度向上を図ろうと考えている。

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 東京:73件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
431 フォトリソグラフィー技術を指向した高分子表面のフルオロアルキル化法の開発 矢島 知子 お茶の水女子大学 河村 哲也 お茶の水女子大学 デバイス製造におけるリソグラフィー技術の中で、インクジェット方式によるパターンの構築は簡便な方法として注目されている。そのパターン構築の微細化にはフッ素コートされた表面を削り取る方法が取られているが、望む表面への光処理による直接フッ素化が可能となれば、フッ素コート、型の作成、削取の工程が不要となり、極めて効率的である。そこで本課題では、高分子材料表面の光反応によるフルオロアルキル化の開発を行う。
432 潅水栽培のための刺入型植物水分量センサの開発 三木 則尚 慶應義塾大学 湯浅 洋二郎 慶應義塾大学 植物を水の欠乏状態におくと(水ストレスとよぶ)糖分を貯めるため、適切な水ストレスを付与する潅水栽培により糖度が極めて高い高品質作物が生産できる。一方で水ストレスが大きすぎると作物の生育に悪影響を及ぼすため、水ストレスの精確な把握が必要である。本研究では、植物内の水分量を直接的かつ継続的に検出するための、感水性高分子ポリマであるポリエーテルサルフォンを有する刺入型植物水分量センサを開発する。
433 組織選択的薬物分布促進剤の創薬に向けたP-糖タンパク分子複合体の解明 登美 斉俊 慶應義塾大学 堀内 正 慶應義塾大学 P-糖タンパクは多剤耐性および薬物の胎児・脳移行性の制限等に働く。トランスポーターは細胞内裏打ちタンパクと分子複合体を形成して細胞膜上に保持されるが、裏打ちタンパクの発現は組織毎に異なる。本研究では、裏打ちタンパク阻害による組織選択的な薬物組織分布促進剤の創薬を目指し、P-糖タンパク分子複合体形成およびそのメカニズムを組織毎に解析する。
434 神経細胞をin vitroで増殖させる技術の開発 味岡 逸樹 東京医科歯科大学 堀内 正 慶應義塾大学 最近、申請者らによって、分化した神経細胞がin vivoで増殖しうることが判明した。本研究では、その研究成果をさらに発展させ、分化した神経細胞をin vitroで増殖させる技術開発を目的とする。本技術開発は、既に分化した神経細胞の増殖を可能にするため、神経変性疾患等の再生医療実現にもつながるシーズ発掘研究である。
435 乳癌の悪性決定因子に対する阻害剤の探索と治療戦略の開発 有馬 好美 慶應義塾大学 堀内 正 慶應義塾大学 ホルモン受容体陰性でHER2陰性の乳癌には、細胞毒性抗癌剤が用いられるが、治療が奏効する症例としない症例が存在し、治療抵抗性の症例は極めて予後が悪い。治療反応性を判別することができる予測因子や治療法はまだわかっていない。本研究では、私達が悪性度を規定する因子として同定した新規タンパク質に対する阻害剤を探索し、分子背景に基づいた抗癌剤の選択と個別化された新たな治療戦略を構築することを目的とする。
436 高感度大腸癌マーカーの開発 藤田 知信 慶應義塾大学 堀内 正 慶應義塾大学 大腸癌の腫瘍マーカーとしてCEAとCA19-9が用いられているが、これらマーカーは大腸癌特異的ではなく、いずれも進行した大腸癌でしか上昇が認められず、早期から発現が上昇する新しい大腸癌マーカーの開発が世界的に期待されている。申請者は、きわめて初期の大腸癌から発現が認められる遺伝子を同定した。この遺伝子を早期診断や治療効果等の判定に用いる大腸癌マーカーとして開発し、新しい診断法や治療法の開発につなげる。
437 寄生虫感染診断薬を目指した糖鎖抗原の構築 羽田 紀康 慶應義塾大学 堀内 正 慶應義塾大学 寄生虫感染は発展途上国において重篤な問題となっており、日本に於いても、一部風土病として問題視されている。しかし創薬に関しては、ウイルスや細菌感染に対する医薬品開発に比べ、遅れている。そこで、いくつかの寄生虫の糖鎖抗原に注目し、化学合成により、単一で均一な化合物を提供し、感染のメカニズム解明への一助にするとともに、ワクチンや診断薬への応用をめざす。今回、マンソン住血吸虫由来の糖脂質を目的化合物に選んだ。
438 ダンパーと弾性素材を使用した底屈筋低下者のための短下肢装具の開発 山本 澄子 国際医療福祉大学 田野 健一 国際医療福祉大学 短下肢装具(AFO)は主に足関節まわりの筋力低下者に使用される歩行補助具であり、従来は足関節の動きを止めるものが主流であった。しかし近年、歩行中の筋の働きを考慮して関節の動きに制動をかけるAFOの有用性が明らかになりつつある。本研究では、つま先を下げる筋である底屈筋力低下者を対象に、必要な機能をもち、かつ実用的なAFOの開発を目的とする。
439 活性型・非活性型マイクロRNAの探索システムの開発と応用 北條 浩彦 国立精神・神経センター 小野 洋一 千葉大学 近年、マイクロRNAの転写後調節や塩基置換を伴う修飾が報告され、それに伴う遺伝子調節の多様化が予想されている。しかしながら従来の方法ではそれらを捉えることが難しく、その実態は殆んど分かっていない。そこで本研究はバイオアッセイに基づく活性型マイクロRNAの網羅的検出系を構築し、さらに従来のQ-PCRやDNAチップ解析の併用による活性型・非活性型マイクロRNAのスクリーニングシステムの確立を試みる。
440 微生物捕集デバイスへの応用を目指した集束陽子線描画による三次元微細構造体の開発 西川 宏之 芝浦工業大学 村松 瑞 芝浦工業大学 集束陽子線描画(Proton Beam Writing、PBW)による微生物捕集デバイスへの三次元微細構造体の導入により、高効率化の可能性を見出した。本研究開発は、低コストかつ高効率な微生物捕集デバイスの実現のため、PBWを用いた三次元微細構造体の開発と応用を目的とする。病原性大腸菌による食中毒の予防やウイルスによる疾病予防の観点から、PBWによる微細加工技術の微生物濃縮デバイスへの応用を狙う。
441 雰囲気酸素分圧制御下における合金融体の表面張力測定 小澤 俊平 首都大学東京 栗田 良夫 首都大学東京 自由表面を有する高温融体プロセスの最適化のためには、正確な表面張力値が必要となる。しかし従来の表面張力測定では、測定が融点近傍に限られていることや、表面活性元素である雰囲気中の酸素の影響が殆ど考慮されていない等の問題がある。本研究では、電磁浮遊技術と酸素ポンプを組み合わせ、広い温度範囲において、雰囲気酸素分圧の影響を考慮した、合金融体の高精度表面張力測定技術の確立を目的とする。
442 パラジウム−窒化物半導体接触型高感度水素ガスセンサの高信頼性化 中村 成志 首都大学東京 栗田 良夫 首都大学東京 クリーンエネルギー源として期待されている水素を、多様な環境下で安全に利用するためには、高感度・高速検知可能で無線通信機能を有するユビキタス水素ガスセンサが必要である。そこで、電界効果トランジスタ型センサが期待されているが、湿度や他ガスによる検知特性劣化が問題となっている。本研究では、雰囲気状況を同時モニタすることで検知特性を補償する機構および提案する超高感度センサとの集積化プロセスの開発を目指す。
443 新型流動床バイオマスガス化装置の開発と太陽エネルギー加熱源の適用 村上 和彦 首都大学東京 栗田 良夫 首都大学東京 従来方式の流動床における流動ガスの不要化および加熱時間の短縮によるタール発生抑制を可能とするバイオマスのガス化のための独自な新方式流動床を開発する。さらに、入力エネルギー源として太陽光を適用することで再生可能エネルギーと自然エネルギーを組み合わせた地球に優しい脱化石燃料社会化に貢献できる製品を開発する。
444 CFRP板接着による疲労き裂補修のための表面処理方法とストップホールの穿孔条件 中村 一史 首都大学東京 国府 勝郎 首都大学東京 本研究は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)板の接着による疲労き裂の補修工法の実用化へ向けた設計資料を得ることを目的としたものである。まず、鋼部材の素地調整が接着の品質に大きな影響を及ぼすことから、現場の施工性を考慮した具体的な表面処理方法を実験的に検討する。さらに、従来工法であるストップホール法にCFRP板接着工法を併用した場合におけるストップホールの穿孔条件や、疲労耐久性を明らかにする。
445 運動のインスリン感受性亢進効果を媒介する分子の同定とその活性化薬の探索 藤井 宣晴 首都大学東京 室山 丈夫 首都大学東京 2型糖尿病は、インスリンに対する感受性が低下することにより発症する。血糖を降下させるホルモンはインスリンのみのため、人類は糖尿病に対して極めて脆弱である。最近になって、運動時の「筋収縮」がインスリンの細胞内情報伝達経路を介さずに、強力な血糖降下作用を発揮することが明らかになった。この第二の血糖降下機序を形成する細胞内分子を同定することで、治療のための標的蛋白を定める。
446 パーキンソン病患者の起立支援のための移動手すりの開発と実用化 青村 茂 首都大学東京 宗木 好一郎 首都大学東京 パーキンソン病患者は、立ち上がりに際し、そのための筋力はあるが身体全体の運動バランスがとれないために起立に失敗する場合が多い。本研究では、立ち上がり時の初速と離床位置に着目し、これらの量から立ち上がりの可否を予測し、立ち上がり不可と予測した場合にもに移動型支援手摺による最小限の起立補助を行う。手摺の開発では、起立可否の予測、最小限の支援のための軌跡および速度の算出を行い、効率のよい起立支援を行う。
447 検疫時における有病者の高速・非接触スクリーニングシステムに関する研究 松井 岳巳 首都大学東京 宗木 好一郎 首都大学東京 従来検疫で用いられているサーモグラフィによる有熱者判定に加え、マイクロ波レーダーを用い心拍数・呼吸数を衣服の上から皮膚に触れずに計測し、サーモグラフィ・心拍数・呼吸数等のデータを併用して客観的且つ高精度で感染症の疑いのある人を短時間(5秒)で判別する非接触・高速スクリーニングシステムの高精度化とその実用実験を目的とし、得られたデータからインフルエンザや風邪等の疾患を判別する手法開発の調査研究も行う。
448 体内埋め込み医療用界面活用型マイクロ送液機構の開発 小原 弘道 首都大学東京 宗木 好一郎 首都大学東京 本研究では、次世代の医療技術として重要な、生体適応性が高く、耐久性・信頼性高い、体内埋込使用可能な医療・投薬向けマイクロ送液システムのための界面活用型マイクロ送液機構の開発をおこなう。この機構は、マイクロスケールにおいて支配的となる表面張力を積極的・効果的に活用し、界面位置を制御により送液が可能な機構であり、生体に優しく、弁体などの可動部を用いず制御送液可能な耐久性・信頼性高い機構である。
449 集積回路における配線ベース故障カバレージの高精度化手法の開発 岩崎 一彦 首都大学東京 宗木 好一郎 首都大学東京 量産選別工程で良品と判断された半導体チップが市場で不良を生じるテストエスケープが深刻な問題となっている。本研究では、セル内のビア/コンタクトに生じる抵抗性配線故障を対象とすることにより、高精度故障カバレージ98%を達成する。半導体の微細化プロセスに対して、より現実に即した新しい尺度を提案しているところに特徴がある。ゲートごとのパラメータ抽出後、拡充ルールを開発する。
450 20Kg級超小型衛星搭載用一液式推進系モジュールの開発 佐原 宏典 首都大学東京 柏原 繁郎 首都大学東京 20kg級超小型衛星に搭載可能な低毒性推進剤を用いた一液式推進系モジュールの開発を行う。これにより超小型衛星は編隊飛行や軌道変換の能力を持つことが出来、様々な宇宙ミッションの他、使用済人工衛星のデブリ化を防ぐための自主廃棄も可能となる。代表研究者所有の低毒性一液式推進系のノウハウを活かし、20kg級に搭載可能な容積に収まり、汎用的な機械的・電気的インタフェースを有するモジュールとしてまとめる。
451 超小型原子発振器の低消費電力化に関する研究 五箇 繁善 首都大学東京 柏原 繁郎 首都大学東京 現在、水晶発振器の安定度を大きく上まわる超小型原子発振器の実現化が切望されている。本研究では、携帯利用可能な原子発振器の実現化を最終目標とし、消費電力の低減を可能とする新たな方法を提案する。アルカリ元素および励起用レーザ波長の最適化を行い、共鳴に必要なマイクロ波周波数を低下させ、大幅な電力削減を可能とする。マイクロ波周波数低下は周辺回路設計の容易化とレーザ選択性の向上に繋がり、コスト削減にも非常に有効である。
452 希少金属を必要としない機能性磁性材料の開発研究 藤田 渉 首都大学東京 柏原 繁郎 首都大学東京 本課題ではネオジムやサマリウム等の希少金属元素に頼らず、豊富な元素(炭素、窒素、硫黄、水素、鉄等)を資源とした高機能磁性材料の開発に取り組む。分子性物質を元に高い磁気秩序転移温度が見込まれるフェリ磁性体の構築を目指して、有機分子磁性カチオンと金属錯アニオン種の合成研究を行う。それらを組み合わせて結晶内配列制御を行い、なおかつ強い反強磁性的相互作用を導入するための方法論を確立する。
453 水の気化熱を利用した走査型電子顕微鏡用凍結乾燥装置の開発 桑田 正彦 創価大学 中江 博之 タマティーエルオー株式会社 生物試料を水に浸漬して減圧することにより、水の気化熱を利用して試料を凍結、さらに昇華乾燥まで連続して行う走査型電子顕微鏡(SEM)用試料凍結乾燥装置を開発する。これにより、液体窒素、有機溶媒や高圧二酸化炭素を使用せず、また、危険な薬品を使用した化学固定や脱水処理なしに、水のみを使用して安全かつ短時間に標本作製が可能となる。困難であった含水率が高く表皮の柔らかい試料を汎用SEMで観察可能とする。
454 主観的な指標に基づく学び合い教え合い支援技術の研究開発 加藤 俊一 中央大学 今井 文明 中央大学 コミュニティ内での学び合い教え合いを例に、知識修得における得手・不得手意識、自分にとって得意な学び方・教え方、相手に対する親近感などの主観的な指標を、日々の学習活動から抽出・分析・モデル化する技術を開発する。これらの技術を、本学理工学部で試作・運用中の学び合い教え合い支援環境(キャンパスコミュニティエイド)に組み込み、学び合い教え合いを通じたコミュニティ活性化のための情報基盤の確立を目指す。
455 ゴム人工筋肉を用いた固液混合流体の搬送を可能にする蠕動運動ポンプの開発 中村 太郎 中央大学 今井 文明 中央大学 空気圧人工筋肉を用いた蠕動運動ポンプを開発する。本ポンプは、人工筋肉で構成されたユニットを相互に駆動させることにより、腸の蠕動運動のような運動を引き起こすことができ、液体、固体、固液混合流体、粉体等を垂直搬送することができる。本テーマでは特に、搬送効率向上、曲管ユニットの作成、搬送物体に応じたゴム材料の選定をおこなう。
456 脳波指令で動く車椅子システムの開発 田中 一男 電気通信大学 高橋 めぐみ 株式会社キャンパスクリエイト 本研究では、搭乗者の脳波指令により建物内やオフィス内を移動できる車椅子システムの開発を行う。とくに、実用性を重視し、1台のノートパソコンのみで駆動する携帯型ブレーンマシンインタフェースを試作し、手や足などの運動器官を一切介すことなく脳波指令により車椅子の直接操作を実現することを目指す。最終的には、筋萎縮性側索硬化症患者等への適用も視野に入れているため、ユニバーサルなBMIシステム構築を目指す。
457 カメラ撮影時の振動計測および評価法の開発 西 一樹 電気通信大学 須藤 慎 株式会社キャンパスクリエイト カメラ撮影では、たとえ三脚を使用しても、シャッター時の様々な振動によって画像の実質的な解像力は低下する。特に撮像素子の高画素化・高感度化が進む昨今では、この影響は無視できないものになっている。本課題では、カメラに加わる様々な振動が撮影画像に及ぼす影響を測定し定量的に評価するシステムを開発する。我が国のカメラ技術の世界的競争力をより一層強化すべく、カメラ振動に対する測定・評価法を確立する。
458 ナノ微粒子-ポリマーコンポジットを用いたホログラフィック光メモリ材料の開発 富田 康生 電気通信大学 須藤 慎 株式会社キャンパスクリエイト 本研究は申請者が世界に先駆けて開発した新規ナノ複合材料を用いて、ホログラフィック光メモリのための高性能な光記録メディアを実現することを目的とする。フォトポリマー中にナノ微粒子を一様分散させたフィルムへのホログラフィック露光によりナノ微粒子を暗部へ移動させ、ホログラム多重記録を行う。本研究では高屈折率変調かつ低重合収縮率の熱的安定性に優れた実用に耐えうるホログラフィック光記録メディアの開発を目指す。
459 多点・高密度電気触覚ディスプレイの汎用インタフェースへの展開 梶本 裕之 電気通信大学 須藤 慎 株式会社キャンパスクリエイト 本研究は電気触覚ディスプレイにおける感覚の質を向上させることにより、一般的な情報機器の入出力インタフェースに利用可能とすることを目標とする。皮膚の電気的インピーダンスに応じたリアルタイム電流制御によってこれを実現するために、数十μsの単一パルス内部で数十回にわたるインピーダンス計測・刺激制御を行うシステムを完成させると共に、フィードバックアルゴリズムを構築する。
460 高性能直列接続負荷形超高周波ドハティ電力増幅器の実現 高山 洋一郎 電気通信大学 小島 珠世 電気通信大学 CDMAなど高速移動体通信方式の基地局送信増幅器などでは広ダイナミックレンジの電力効率向上がキーとなっている。本提案では、このような要求に対応する増幅器として注目されているドハティ増幅器に直列接続負荷構成であるプッシュプル形を導入することにより、広ダイナミックレンジで高効率の電力増幅器を開発する。トランジスタには基地局などへの実用化が期待されている高性能GaN HEMTを使用する。
461 センサーネットワークによる水中ロボットの高精度位置計測技術の研究 伊藤 雅則 東京海洋大学 石井 宏明 東京海洋大学 水中ロボットの正確な位置計測は、水中探査や資源採掘・施設構築等、水中利用に不可欠な技術であるが、従来の慣性航法やトランスポンダによる方式は、複雑・高価・低精度と実用上多くの問題を抱えていた。本研究は、G P S と小型コンピュータ及び音響センサーを備えた浮体を分散させ、各センサーで測定したロボットの状態をコンピュータネットワークにより補正して正確な位置を得る、安価・高精度・簡易で広域測定の可能なシステムを開発するものである。
462 高周波誘導加熱による船舶ディーゼル機関排気物質低減装置の開発 畑中 義博 東京海洋大学 馬場 文雄 東京海洋大学 船舶のディーゼル機関から排出される粒子状物質(PM)は、環境に与える影響が大きく、対策が急がれる。船舶の燃料油は硫黄分が多く、陸上ディーゼル車のPM対策とは異なる新しい技術開発が必要である。PMを捕集する方式は種々あるが、本研究では、捕集したPMの2次処理を必要とせず、1000℃まで加熱可能な円筒構造の特殊金属フィルタでPMを捕集し、高周波誘導加熱により、短時間で燃焼・処理できるシステムを研究する。
463 積層構造基板の偏光特性を利用した抗原抗体反応の高感度検出 秋元 卓央 東京工科大学 塚本 勝 東京工科大学 金属と誘電体を積層した基板上(積層構造基板)で蛍光を観察すると、通常のガラス基板上で蛍光を観察するよりも100倍程度蛍光が強く観察される。また、このときの蛍光の増強は、励起光の偏光に強く依存する。そこで本研究では、偏光した励起光を利用した蛍光の高感度検出装置の開発と、開発した光学装置を用いた抗原抗体反応の高感度検出を行なう。
464 導波路型フィルム太陽電池 吉村 徹三 東京工科大学 塚本 勝 東京工科大学 太陽エネルギー利用の低コスト・ユビキタス化を目的として、太陽電池を集光フィルムに集積化した導波路型フィルム太陽電池を開発する。集光フィルムは多層導波路からなり広角集光機能をもつ。太陽電池には、新規提案の導波路型色素増感太陽電池を用いる。集光フィルムとのマッチングがよく、また、結晶性のよい薄膜半導体を用いることができるため、変換効率の向上が期待できる。集光フィルムと導波路型太陽電池を試作する。
465 電子注入型水溶性ポリチオフェン誘導体の開発 道信 剛志 東京工業大学 上羽 良信 東京工業大学 有機エレクトロニクスデバイスの正極代替または正孔注入材料として水溶性ポリチオフェン誘導体(PEDOT-PSS)の開発が進んでいる。ウェットコーティングで製膜可能であると共に、有機溶媒可溶の導電性高分子を多層コーティングできる利点が大きい。本研究では、ウェットプロセスのみでの低コストデバイス作製法の確立を目指し、負極代替あるいは電子注入層として応用可能な水溶性ポリチオフェン誘導体を開発する。
466 マイクロリアクターを活用するビタミンD3の高選択的合成法の確立 布施 新一郎 東京工業大学 千木良 泰宏 東京工業大学 医薬品として重要なビタミンD3は、原料のプロビタミンD3の光反応とそれに続く熱反応により工業生産されているが、光の減衰による光反応の転化率の低さと、光反応生成物の不安定性から低収率にとどまっている。本発掘シーズ研究では薄い反応場を持つ光反応および熱反応マイクロリアクターを用いて光の減衰を抑え、なおかつ光反応生成物を損なうことなく速やかに熱反応に賦す手法によるビタミンD3の高効率的合成を目的とする。
467 生分解性ポリマーを用いた再生医療用中空糸モジュールの研究開発 星 和人 東京大学 小泉 祐延 (財)長野県テクノ財団 再生医療において、患者細胞の体外細胞培養による細胞の増殖が重要な技術となる。申請者らは、優れた細胞増殖と細菌汚染の防止を実現する中空糸モジュールを開発してきたが、モジュール内で増殖した細胞は一旦、モジュールから回収する必要があった。本申請では、モジュール内の素材の研究を進め、細胞回収を不要とした中空糸モジュールを検討し、再生医療における製造コスト・リスクの劇的な軽減を目指し研究を進める。
468 磁歪材料を用いたマイクロ球面モータの開発とその応用 上野 敏幸 金沢大学 分部 博 金沢大学 鉄ガリウム合金は、鉄をベースにした延性の磁歪材料で、その良好な加工性と高い機械強度からマイクロアクチュエータに適した材料と考えられている。我々はこのFe-Ga合金を磁気ヨークかつ駆動源として利用した球面モータを開発してきた。これは従来の電磁力や圧電材料を利用するものに比べ、ロータの保持機構を含む単純な構成で小型化が容易なものである。本研究ではFe-Gaの加工性を生かし、微小コイル、永久磁石を含む、従来にないマイクロ球面モータを開発、その医療・情報機器への応用を行う。
469 HNF4α活性阻害剤を利用した血中トリグリセリド・血糖値低下薬の開発 井上 順 東京大学 神谷 靖雄 独立行政法人科学技術振興機構 高トリグリセリド血症および空腹時高血糖値は、動脈硬化性疾患のリスクファクターとして広く知られている。核内レセプター型転写因子であるHNF4αは、肝臓からの脂質成分の分泌や糖新生を担う遺伝子を活性化する。本課題では、in vitroアッセイ系により既に見出しているHNF4α活性阻害剤の効果を、マウス個体を用いて評価することを目的としている。これにより、本化合物の臨床治療薬としての有用性を検討する。
470 骨の癒合強度の定量化方法の開発と応用 五味 健二 東京電機大学 中田 英夫 東京電機大学 骨折治療中の骨の癒合度合いを、荷重前と荷重中の2枚のX線写真のみから算出する方法を確立する。具体的には、骨折固定のために骨にねじ込まれたネジの、荷重に対する微小移動を画像処理により定量化し、「健常骨のひずみ」に対する「仮骨のひずみ」を百分率で表すことで癒合率の推定値を提示する。従来のX線撮影設備とパーソナルコンピュータしか用いないために、経済的負担が高まる医療現場においても普及する可能性が高い。
471 高い脱離能を持つ新規キレート樹脂の開発研究 田中 里美 東京電機大学 中田 英夫 東京電機大学 近年、省資源的な観点からキレート樹脂により捕獲された重金属を再利用する動きが出てきており、そのためには高い選択的捕獲能と同時に、脱離能にも優れた樹脂の開発が迫られている。当研究室で開発したアミジノ尿素樹脂には、銅を対象とした試験において両能力の発現が認められている。そこで、既存のアミジノ尿素樹脂をベースに希少元素(In、Cr、Pb、Cd等)に高い捕獲・脱離能を示す新規樹脂の開発を行う。
472 大型・高精度レーザ干渉計システム用直角参照鏡誤差校正システムの開発 古谷 涼秋 東京電機大学 中田 英夫 東京電機大学 一般に直角参照鏡を使った二軸のレーザー干渉計によって、二次元ステージの変位が高精度に測定されている。直角参照鏡に形状誤差があると、レーザー干渉計の出力は、二次元ステージの軸の形状誤差と直角参照鏡の形状誤差の複合した信号となる。これらの信号から二種類の誤差をステージの再現性と自己校正テクニックにより分離し、参照鏡の形状誤差を測定することを目的とする。
473 サファイアの高能率高品位微細切削加工機の開発 松村 隆 東京電機大学 中田 英夫 東京電機大学 化学プラント、海洋・宇宙開発の分野では、極限環境材料としてサファイアのニーズが多く、その微細加工に対する関心が高まりつつある。この課題では、高能率で高品位なサファイアの微細切削を対象とし切削特性を明らかにする。ノズルや高圧高温下の極限環境部品の製造を目的として、(1)微細切削加工機の設計・開発、(2)サファイアの各結晶面における切削特性の評価、(3)最適切削条件および工具の選定指針を示す。
474 高密度3値バーコード検知システムの開発 若海 弘夫 東京都立産業技術高等専門学校 宗木 好一郎 首都大学東京 本研究は、生産工場等での物品の仕分判別のために、従来の検知速度の遅いCCDスキャナに代わる、包絡・微分混合検知(ED)技術を適用した高速のレーザ走査3値バーコード検知システムを開発することを目的とする。本技術を実用化する為に、一次元3値バーコードを用いて、スキャナの安定性を高め、検知信号の位相を改善しつつ、ED法のみとの比較評価を行い、実用的な0.25 mmのバーコードの検知可能性を明らかにする。
475 植物抽出物と病原菌誘引物質を組合わせた青枯病殺菌剤の開発 夏目 雅裕 東京農工大学 伊藤 和良 東京農工大学 青枯病菌は世界中に分布し、土壌中で数年間は生き残り宿主となる植物が植えられると感染して病害を起こすため、防除が困難な病害として恐れられている。我々はある種の植物成分が抗青枯病菌活性を示すことを見いだし、活性成分を単離した。しかし、その活性成分の殺菌力は化学薬剤と比較するとやや劣るため、宿主植物が分泌する青枯病菌誘因物質と組み合わせることにより、安全で環境負荷の少ない薬剤の開発を目指す。
476 安全で加工性に優れた次世代Liイオン二次電池用固体高分子電解質材料の開発 富永 洋一 東京農工大学 伊藤 和良 東京農工大学 固体高分子電解質(SPE)は、液漏れの心配が無く、加工が容易で、引火性が低く、フレキシブルであるため、新しい電解質材料として期待されているが、低いイオン伝導度や安定性に問題がある。本研究では、CO2を原料や処理媒体として利用することに着目し、10-5 S/cm以上の高いイオン伝導度を長期的かつ安定的に発現できるSPEの創製を試み、将来的にはオールポリマーバッテリーの実現につなげる。
477 茎葉散布型プラントアクチベーター実用化に向けた光環境実証実験 有江 力 東京農工大学 江口 元 東京農工大学 土壌病害に対し、茎葉散布型薬剤は理想的な防除技術である。病害に対する抵抗性を植物に誘導することを機作とするプラントアクチベーターは低環境負荷と考えられ、新世代農薬として期待が高い。本課題は、両特長を併せ持つ土壌病害防除用茎葉散布型プラントアクチベーターの実用化に向け、欠点である薬害の低減を目的とする。そのため、抵抗性誘導と薬害を分離し、抵抗性のみを効率的に誘導する、好適光環境条件等を明らかにする。
478 RNA干渉能を強化することによるウイルス抵抗性植物の作出 福原 敏行 東京農工大学 江口 元 東京農工大学 農作物のウイルス病害に対する有効な農薬はなく、商品価値が高いランやユリなどでは、ウイルス抵抗性品種の開発が望まれている。本研究では、ウイルスに対する防御機構として知られているRNA干渉に着目し、その中心を担うダイサーや2本鎖RNA結合タンパク質を用い、植物が本来備えているRNA干渉能を強化することにより広範囲のウイルスに抵抗性を有する植物を作出することを目標に研究を推進する。
479 アレルギーの予防と治療を目指した免疫寛容の誘導機構の解明 好田 正 東京農工大学 江口 元 東京農工大学 ある抗原に対する免疫系の不応答化(免疫寛容)を任意に誘導することができれば副作用のリスクを伴わずにアレルギーを治療することが可能である。その為には、免疫系が出会った抗原に対して免疫寛容状態になるか活性化状態になるかを決定しているメカニズムを細胞レベル・分子レベルで解明することが必須である。本研究では免疫寛容の誘導時に活性化される転写因子の種類やバランスに着目して免疫寛容の誘導機構を解明する。
480 化学物質依存的な核内受容体の応答配列探索技術の開発 吉野 知子 東京農工大学 田中 公 東京農工大学 核内受容体はリガンドと結合した後、応答配列と特異的に結合することで標的遺伝子の発現を制御する。細胞内の転写制御因子により応答する標的遺伝子が異なることが報告されているが、詳しい機構は解明されていない。本研究では、エストロゲン受容体の転写制御に関連する一連の反応様式をin vitroで再現し、化学物質による刺激から応答する標的遺伝子発現の作用機構を解明するための研究技術の開発に着手する。
481 微量血液からの白血球診断マイクロ流体デバイスの開発 新垣 篤史 東京農工大学 田中 公 東京農工大学 末梢血や骨髄液からの腫瘍細胞の検出においては、患者への負担を考えると、より少量のサンプルから目的白血球細胞のみを分離・検出することが望まれる。本課題では、マイクロリットルオーダーの血液サンプルから、抗原マーカーを指標とした細胞分離・解析の行程を同一基板上で行えるマイクロ流体デバイスの開発を行う。
482 畑への殺線虫剤の使用要否を判断する線虫診断技術の開発 豊田 剛己 東京農工大学 田中 公 東京農工大学 ダイコン、サツマイモ圃場において、被害をもたらす植物寄生性線虫が実際には生息していないにも拘わらず殺線虫剤を使用しているケースがある。そこで、線虫診断技術を開発することで生産者の減農薬化を支援する診断サービスにつなげることを目標とする。本研究では、土壌中の各種植物寄生性線虫の種類及び量を迅速かつ正確に評価するため、マルチプレックス・リアルタイムPCRを用いた複数センチュウ同時検査方法を開発する。
483 導電性高分子ナノファイバーを用いた透明導電不織布の開発 下村 武史 東京農工大学 田中 公 東京農工大学 析出法により作製した太さ10nmオーダーの導電性高分子(ポリアルキルチオフェン)ナノファイバーを用いて、透明性および導電性を有する不織布を開発する。極細のナノファイバーを低密度かつ極薄に成形した不織布は、高い空孔率と二次元に広がった導電経路を有するため、この問題の解決が期待される。高い柔軟性と加工性を有することから、フレキシブルタッチパネルなどへの応用を目指す。
484 光コムを利用した高密度波長多重光LANシステムの開発 黒川 隆志 東京農工大学 島村 太郎 東京農工大学 多チャンネル、広帯域で安価な光ローカルエリアネットワーク(LAN)の構築は益々重要になっている。本課題では、波長の異なる多数のキャリア光を一括生成する光送信機、及び局発コム光の発生によるコヒーレント検波光受信器の試作を進める。これにより安価な超高密度波長多重による構内光LANシステム(2.5Gbps、チャンネル間隔12.5GHz)の可能性を検証する。
485 セラミック超微粒子感圧塗料による変動圧計測の高精度化 亀田 正治 東京農工大学 島村 太郎 東京農工大学 非定常空気力計測のための、超微粒子セラミックを用いた高速応答型感圧塗料(PSP)の温度補償法を確立する。感温塗料(TSP)膜の上に本PSPを塗布することで、PSP/TSP二層膜を形成し、圧力、温度を同時に計測する。測定温度をもとにPSPの温度依存性を補償する。数kHzの変動圧力を0.1 kPaでとらえ、かつ、0.1℃の精度で温度を計測することを目標に、適切な塗料材料の選定、性能試験を進める。
486 ウンシュウミカン高含有カロテノイドを活用した歯周病予防ケア製品の開発 宮浦 千里 東京農工大学 平田 美智子 東京農工大学 βクリプトキサンチンはウンシュウミカンに含まれるカロテノイドであり、様々な疾患への予防効果が期待されている。申請者はβクリプトキサンチンの歯周病への予防効果を見出しており、安全なオーラルケア製品の実用化を目指している。本課題では、ウンシュウミカン由来のβクリプトキサンチンの歯周病予防の機能立証と製品形状を視野に入れた開発研究を実施し、歯周病予防ケア製品のプロトタイプを作製する。
487 カプサイシンによる無痛治療を目指した骨転移癌の治療薬創出 稲田 全規 東京農工大学 平田 美智子 東京農工大学 骨に転移した末期癌患者では、癌治療以上に痛みの緩和が課題となっている。本課題では申請者の化合物スクリーニングにより、癌より骨を守る作用が示されたカプサイシンを用いて、In vivo 痛み判定システムによる最終段階の評価を行う。培養において、神経細胞の脱分極作用を示したカプサイシンのモデル動物における痛み緩和作用を検討し、臨床試験を目標に、癌と痛みの双方を同時に抑制する、新規癌治療薬の開発を目指す。
488 大腸菌の自己溶菌活性を用いた可溶化酵素のワンポット細胞破砕法の開発 黒田 裕 東京農工大学 平田 美智子 東京農工大学 大腸菌を宿主とした組み換えタンパク質の精製において、菌の細胞破砕は特に時間と労力を必要とする。本計画では、研究代表者らが最近発見したVanXの溶菌活性を用いて、大腸菌を機械的・化学的細胞破砕せずに、組み換えタンパク質を溶媒中に生産する技術を開発する。本技術は、全精製工程を一つの試験管内で行なうことを可能にするワンポット方式であり、酵素の媒介活性による化合物の生産などへの応用が期待される。
489 光を吸収することなく偏光を分離できる高効率偏光板の開発 戸谷 健朗 東京農工大学 堀野 康夫 東京農工大学 本研究では、複屈折ファイバーを配列させた非吸収型偏光板を開発することし、コストが安く高効率な光外部取り出しが可能な液晶システムを提供する。これまでの研究で、我々のシステムが非吸収型偏光板としての性能を持つことが確認されている。本提案では、更に光取り出し効率を向上させるために、マトリクス樹脂の屈折率、繊維配列間隔と効率の関係を把握し、改善する。そして、ディスプレイの系での応用へとつなげていく。
490 高分子に固定したシクロデキストリンを利用したポリオレフィン用超分子型添加剤の開発 豊田 昭徳 東京農工大学 堀野 康夫 東京農工大学 ポリオレフィン(PO)材料は安価・軽量という特徴を持ち自動車をはじめ多くの製品に使用されているがPOには極性基がないため易帯電性、難塗装性、難接着性などの弱点がある。シクロデキストリン(CD)を固定したPOを合成した後、CDに極性をもつ各種化合物を包接させることで高い極性を付与した高分子型添加剤を開発し、極性を飛躍的に向上させ、長期持続性をもつ超分子型高分子添加剤の開発を行う。
491 吸着冷凍機の小型化・高性能化につながる多点接触型伝熱面の開発 宮崎 隆彦 東京農工大学 堀野 康夫 東京農工大学 吸着冷凍機の小型化を目的に、吸着材-熱媒間の伝熱特性を改善する伝熱面を開発する。吸着材熱交換器の伝熱特性は、吸着冷凍機の性能に支配的な要因である。伝熱面に凹型やV型の溝を加工することによって、伝熱面と吸着材との接触点を増やし接触熱抵抗を低減させる。数値シミュレーションによって吸着材充填状態と接触熱抵抗との関係を明らかにし、効果的な伝熱面形状を見出した後、実験によって接触熱抵抗の低減を実証する。
492 糸球体腎炎に対する木質由来物質の有効性評価 矢ヶ崎 一三 東京農工大学 木下 麻美 東京農工大学 日本の慢性透析患者数は27万5千人余り(2007年12月)で、40年前のおよそ1280倍に著増している。透析導入患者の主要原因疾患は慢性糸球体腎炎と糖尿病性腎症である。従って、慢性糸球体腎炎からの透析導入を遅らせることは医療費削減の点からも重要である。本研究では、糸球体腎炎の三大症状(タンパク尿症、低アルブミン血症、脂質異常症)に対する木質由来物質の生体内代謝物の効果を検討することを目的とし、腎炎用食品の実用化を目指す。
493 分解細菌による硫化カルボニル処理方法の開発 片山 葉子 東京農工大学 木下 麻美 東京農工大学 工場排水処理施設や廃棄物処理場から発生する排ガスに含まれ、大気中の濃度の増加も指摘される硫化カルボニル(COS)は高等動物に対する毒性や機構への影響があるため、分解処理が必要である。本申請課題では、微生物のCOS分解能力を利用し排ガスからのCOS除去を行なう事を目的として、細菌による高濃度COS分解に関して調べ実験的に技術の有効性を検証し、工場等の排ガス処理実験に繋げる。
494 マイタケ脂質中の皮膚改善物質の開発と応用 佐藤 隆 東京薬科大学 神谷 靖雄 独立行政法人科学技術振興機構 皮脂は皮表で皮脂膜を形成し、皮膚の生理学的な機能維持に重要な役割を担っている。皮脂量の減少は皮膚バリアー機能を低下させ、肌荒れ、乾燥症(乾皮症)や掻痒症と密接に関係している。本研究において、我々はこれまでに見出した皮脂産生促進作用を有するマイタケ残渣由来脂質について、その活性成分を同定し、乾燥症(乾皮症)や掻痒症の予防を指向した新規素材としての有用性および実用化の可能性を検証する。
495 光を用いた微小気泡除去装置の開発 元祐 昌廣 東京理科大学 川原 隆幸 東京理科大学 微細化・高集積化が進む中、薬液塗布や洗浄の工程において、10μm〜1mm程度の微小溝や間隙、流路内に混入、発生した微小気泡は壁面に付着し易く、塗布や洗浄のムラや圧力損失、品質低下等のトラブルの源となる。本研究では光熱効果を用いて気泡を操作する技術を開発し、微小気泡を光照射により非接触で除去する装置のプロトタイプを製作し,適用範囲を明らかにして設計指針を確立する。
496 分子修飾ダイヤモンド電極の高感度電解検出器への応用 近藤 剛史 東京理科大学 川原 隆幸 東京理科大学 電気化学検出器(ECD)を用いる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の信頼性・操作性の向上を目的として、表面修飾ダイヤモンド電極の応用を検討する。HPLC-ECD法は、コエンザイムQ10などの生体中の微量成分を最も感度よく分離分析する手法であり、その需要拡大が見込まれる。本研究では、ダイヤモンド電極の表面官能基を種々検討し、分析対象物質に特化したECD用電極を作製し、その性能を確認する。
497 遺伝子導入補助試薬の適用拡大 日臺 智明 日本大学 渡辺 麻裕 日本大学 Del-1タンパク質のE3モチーフが、in vitroにおいて非ウイルス性ベクターを用いた遺伝子導入効率を改善することが明らかになっている。本研究では、マウスへの生体内投与を行い、E3のin vivoにおける遺伝子導入効率向上効果と安全性について検討する。また、合成E3ペプチドを作成し、そのin vitro/in vivoにおける遺伝子導入効率向上効果の効果を検証し、量産化の可能性を探る。
498 超音波照射によるナノカルシウム化合物の開発と応用 小嶋 芳行 日本大学 渡辺 麻裕 日本大学 本研究では、20〜40kHzの超音波を照射しながら液相反応を行うことにより、ナノサイズのカルシウム化合物を合成することを目的とし、このときの反応時間、温度などの合成条件について検討を行う。低周波数帯ではキャビテーションが生じるため、これを用いることにより撹拌では得られない対流が生じ、イオンどうしの接触回数が増大する。これにより、これまで報告例のない二水セッコウ、水酸化カルシウムおよびリン酸カルシウムのナノサイズ化を目指す。
499 3次元歯科用小型X線CTによる難治性開口障害治療システムの開発 新井 嘉則 日本大学 渡辺 麻裕 日本大学 顎関節の異常が原因で開口障害になる患者はストレスおよび高齢化社会を反映し、現代病のひとつに数えられている。これらの患者で症状が悪化すると関節が変形し難治性の開口障害を発症する。3次元歯科X線CTを利用して、この変形した顎関節を再現し、それに対応した理想的な“かみ合わせの関係”を患者に対して整形することによって、開口障害を治癒させるために必要な一連のシステムを開発する。
500 荷重制御アタッチメントを適用したCFRP実機構造の衝突エネルギー吸収 上田 政人 日本大学 渡辺 麻裕 日本大学 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた衝突エネルギー吸収材に対する荷重制御アタッチメントの有効性を、衝撃圧縮試験によって実証する。本アタッチメントを装着することにより、形状や積層構成に関係なく、CFRPのエネルギー吸収能力を任意に制御できることを示し、実機構造への有効性を明確にする。以上により、CFRP構造の衝突安全に対する新しい設計指針を提案する。
501 超臨界二酸化炭素を用いた表面特性を制御したポリオレフィン系複合体の開発とその製造方法 星 徹 日本大学 峯崎 隆司 日本大学 本技術は超臨界二酸化炭素(scCO2)中で調製したポリオレフィンと異種高分子との複合体の表面修飾により機能性表面を有するポリオレフィン系複合体を作成でき、従来のプラズマ処理技術などでは達成できない内径300μm、長さ5mの非常に細長いチューブのような成形加工された基材の表面を直接修飾することが可能である。本提案では一連の工程をscCO2中で行うことで有機溶剤を使用しない環境低付加型材料創製技術の構築を目指す。
502 光変調技術による高感度粒子径・ゼータ電位計測装置の開発 須藤 誠一 東京都市大学 高田 茂樹 (財)神奈川科学技術アカデミー マイクロチップ固体レーザを用いた高光感度の動的光散乱計測システムを構築し、超低濃度のナノサイズ分子の分散液からの分子の検出、粒子径・ゼータ電位計測による粒子のキャラクタリゼーションを簡便・精確に行える計測器の開発を目的とする。簡便な光検出器と電気系で構成されるため、従来の光計測手法に比べ格段に安価なシステムが構築できる。
503 オゾン・光触媒法による難分解性水質環境汚染物質の分解浄化に関する研究 日 久夫 明星大学 佐藤 矩正 明星大学 水質汚染物質の浄化処理に光触媒反応を利用する方法は、処理速度や経済性に問題がある。本課題ではこの光触媒法を改良するため、反応系にオゾンを添加して処理能力を高め、さらに光反応およびシステムの稼動に必要な電力も太陽エネルギーを利用してコストの低減化をはかる。この方法は、種々の水質汚染物質、特に生分解法では困難な界面活性剤、農薬、医薬品などの分解浄化が、二酸化炭素排出に全く関係ない方法で可能となる。

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 神奈川:48件  (JSTイノベーションサテライト茨城)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
504 固形がん診断用高分子ミセルMRI造影剤の開発 白石 貢一 (財)神奈川科学技術アカデミー 中村 英樹 (財)神奈川科学技術アカデミー 精密に制御されたブロックコ共重合体が形成する10-200nmサイズの集合体である高分子ミセルは、固形がんへの抗がん剤ターゲティングに適した材料である。本申請研究は、高分子ミセルという同じキャリアを利用して診断と治療を結ぶ技術が確立されることを目指し、診断薬に求められる安全性と、固形がんへの高いターゲティング能を有するがん診断用高分子ミセルMRI造影剤の開発を行うことを目的としている。
505 生体組織イメージングのためのイオン化支援磁気ナノ微粒子の開発 一柳 優子 横浜国立大学 西川 羚二 横浜国立大学 遷移金属を含むナノメートルサイズの磁気微粒子を生成し、これらのイオン化支援機能を探索する。本磁気ナノ微粒子をイオン化支援剤のマトリックスとして用いることにより、従来では検出不可能であった質量領域におけるイオン化を実現させるとともに、質量分析スペクトルの高分解機能化をはかり、高解像度の分子イメージングへの発展を目指すことを目的とする。これまで不可能であった生体分子などの詳細な分布を得るための画期的なツールとなることが期待できる。
506 金属コーティングナノワイヤーの作製とその太さと屈折率の測定技術の開発 但馬 文昭 横浜国立大学 西川 羚二 横浜国立大学 100nm程度の太さでcmオーダーの長さの誘電体ナノワイヤーに金、銀等をコーティングすることで100nm程度の外径の金属コーティングナノワイヤーを作成し、それにレーザー光を当ててできる散乱光の強度の角度分布を測定することにより、コアとクラッドの直径と屈折率を決定する方法を開発する。精度目標は、コア径・屈折率が±10%程度、外径が±15%程度、クラッドの複素屈折率が実部虚部とも±20%程度である。
507 環境調和型触媒プロセスによる二価フェノールの高選択製造 窪田 好浩 横浜国立大学 西川 羚二 横浜国立大学 本研究では、MSE骨格をもつTi含有MCM-68ゼオライトを酸化触媒とする、過酸化水素(H2O2)によるフェノールの酸化により、環境調和型触媒プロセスによる二価フェノールの高選択製造を目指す。とくにTi-MCM-68の調製条件を制御して、過酸化水素の過分解を抑制でき、かつパラ体の二価フェノールであるヒドロキノンを高選択的に生成する酸化触媒を構築することを目的とする。
508 アスベスト飛散防止剤の開発 本田 清 横浜国立大学 西川 羚二 横浜国立大学 アスベストは優れた特性を有することから古くから様々な分野で用いられてきた。しかし、悪性中皮腫などの健康被害を引き起こし、使用禁止の措置がとられている。無害化の方法としては、高温での溶融法のみが知られている。年間100万トンを処理するには規模的に不可能であり、大量に処理出来る方法と技術が渇望され、本課題はアスベスト及びアスベスト含有スレートを容易に非繊維化及び非飛散化することを目的とする。
509 ボンドコート層の組織制御による耐剥離性を有する遮熱コーティングの開発 長谷川 誠 横浜国立大学 西川 羚二 横浜国立大学 ガスタービン翼に用いられる遮熱コーティング(TBCs)はNi基超合金の上にBC層とTBC層を施工することにより作製される。使用中でのTBC層の剥離は超合金の劣化を急速に進行させるため、剥離進展の抑制は重要である。従来、剥離発生の抑制を目的としたHfやPtのBC層への添加が主に行われていたが、本研究ではBC層の組織制御により剥離先端の塑性域を増大させ、TBC層の剥離進展を抑制するTBCsを開発する。
510 回転軸に磁石を備えない速度センサの開発と自動車への実装 竹村 泰司 横浜国立大学 西川 羚二 横浜国立大学 回転軸に磁石を備えない新しい構造の速度センサを開発する。具体的には、回転軸の表面に、FeCoV磁性ワイヤをつけ、磁石や検出コイルを分離した速度センサの設計・試作である。車軸に磁石を入れ込む工程が不要であるなど、回転軸の設計・作製上、極めて利便性が向上する。モジュール化させた速度センサを自動車に実装し、その有効性を実証する。
511 連鎖反応を利用した汎用性常温アミン合成法の開発 星野 雄二郎 横浜国立大学 西川 羚二 横浜国立大学 最近我々は塩基のみでヒドロキサム酸(RCONHOH)が転位してアミン化合物が高収率で得られる反応を見出した。本技術をさらに改良すれば、常温でのカルボン酸誘導体の転位反応による簡便なアミン合成法が可能となる。本研究課題では、汎用性の高い溶媒中で、少量の活性化剤導入を引き金に常温で連鎖型転位反応を達成することを目標とする。この実現により、大量合成を含めた実用的なプロセス合成へと展開が期待される。
512 農業残渣である米籾殻からの高機能素材開発 西園 啓文 横浜国立大学 村富 洋一 横浜国立大学 本研究では、国内だけで毎年およそ250万トン発生し、そのほとんどが廃棄処分される米籾殻の再利用方法を開発する。具体的には、多孔質で吸着作用が高く、アルカリに易溶性という米籾殻抽出ケイ酸の特性を活かして、ヒトあるいは牛や豚などの産業動物の体外受精率を向上させる高付加価値素材として提供することを目指す。
513 含水多孔質を用いた瞬間過熱水蒸気生成器の開発 奥山 邦人 横浜国立大学 村富 洋一 横浜国立大学 本技術は、含水多孔質表面を電熱コイルで強く加熱することにより瞬間的に高温の過熱水蒸気を生成する方法を提案し、高温蒸気生成のメカニズム解明のため、多孔質細孔部内のマイクロチャンネル熱伝達と細孔部流出後のマクロチャンネル熱伝達とを切り分けた要素実験を行うとともに、水蒸気生成温度、生成速度並びに効率に与える主要パラメータの影響を検討し、実用化する場合の設計の指針を得ることを目的とする。
514 高温塑性加工による高配向層状コバルト酸化物熱電変換材料多結晶体の開発 福富 洋志 横浜国立大学 村富 洋一 横浜国立大学 600℃〜800℃の温度域の熱電変換材料として、単結晶層状コバルト酸化物が実用水準の性能を示すことが知られている。多結晶体の性能を如何に単結晶に近づけるかは大きな技術的課題であり、このため、本研究では電気伝導面(001)面が高く板面に配向した材料を高温塑性加工により実現することを目的としている。具体的には、融点近傍の高温での加工により、結晶すべり変形による結晶回転を促進してこれを実現する技術を確立しようとするものである。
515 新規細胞膜透過性シグナルポリペプチドアジュバントの開発 武下 文彦 横浜市立大学 福島 英明 (財)木原記念横浜生命科学振興財団 新規細胞膜透過性シグナルポリペプチドアジュバントN'-CARD-PTDを併用することで既製のワクチンの免疫原性を増強できることをあきらかにした(J Immunol 182:1593 2009、特願2008-220956)。本研究課題は、ワクチンアジュバントもしくは免疫調節薬としてN'-CARD-PTDの臨床治験に必須の諸条件を最短期間で整えることを目標とする。
516 非正統的組換え抑制法の開発と標的ヒト遺伝子破壊技術への応用 足立 典隆 横浜市立大学 福島 英明 (財)木原記念横浜生命科学振興財団 標的遺伝子破壊法(ジーンターゲティング法)により、特定の遺伝子の機能を人為的に失わせることが可能になった。しかし、その効率は悪く、ごく限られた細胞株にしか適用されていないのが現状である。本研究では、ランダム挿入を引き起こす非正統的組換え反応の分子機構を明らかにし、この反応を抑制するための有効な戦略を見いだすことにより、任意の細胞株に適用可能な高効率標的遺伝子破壊法を開発することを目標とする。
517 カベオリンペプチドを用いた糖尿病治療への応用 石川 義弘 横浜市立大学 福島 英明 (財)木原記念横浜生命科学振興財団 糖尿病はインシュリン作用の欠乏によっておこる代表的代謝疾患であり、インスシュリン補充が理想的な治療法である。我々はカベオリンと呼ばれる膜構成蛋白に、内因性インシュリン増強作用があることを見出した。さらに30アミノ酸からなる短いペプチドのみでインシュリン効果の増強に十分であることも見出した。このカベオリンペプチドを用いて、全く作用機序の新しい安全で効果的な糖尿病治療薬の開発を試みる。
518 抗インフルエンザ活性のある低副作用のスイッチング核酸の開発 片平 正人 横浜市立大学 福島 英明 (財)木原記念横浜生命科学振興財団 インフルエンザウィルスのmRNAを切断する核酸酵素を、サブユニットAとBに分割する。グアニン残基に富む核酸(スイッチング核酸)の両端にAとBを連結する。低カリウムイオン下では、スイッチング核酸が伸びてAとBは離ればなれで、切断はオフとなる。高カリウムイオン下では、スイッチング核酸がコンパクトとなりAとBが近接し、切断がオンとなる。こうして抗インフルエンザウィルス活性のあるスイッチング核酸を開発する。
519 インフルエンザウイルスRNAポリメラーゼによる抗ウイルス剤の開発 朴 三用 横浜市立大学 福島 英明 (財)木原記念横浜生命科学振興財団 RNAポリメラーゼはインフルエンザウイルスの増殖に必要不可欠で基本的であり変異は少なく、その阻害剤が開発されると普遍的にインフルエンザウイルスの増殖を抑えることが出来る。本申請者は、RNAポリメラーゼのPA-PB1サブユニット複合体の構造解明を世界初めて成功(Nature, 2008)しており、その構造情報に基づき、新規抗インフルエンザ剤を開発する事を目標とする。
520 植物の形状から健康状態を診るカメラの開発 佐野 元昭 桐蔭横浜大学 寺内 隆道 桐蔭横浜大学 植物工場などにおいて植物の育成環境を管理するためには、温度・湿度、水・肥料、日照などの制御が必要になるが、そのためには、植物の健康状態を常に監視することが重要である。本課題では、赤外線カメラ等を用いて葉の色や温度の他、「枝や葉の形状」を撮影し、その画像をリアルタイムに解析することによって、植物の健康状態を調べるシステムを開発したい。特に、植物が吸収している水分量と植物の形状との関係を調べたい。
521 長距離音響発生装置を用いた極浅層地中探査システムの開発と応用 杉本 恒美 桐蔭横浜大学 寺内 隆道 桐蔭横浜大学 遠方特定領域に音響振動を伝えることができる長距離音響発生装置と高感度のレーザードップラ振動計を組み合わせることにより、極浅層地中(深さ15cm程度以内)に存在する小型埋設物を非接触かつ広範囲(数m〜10数m)で探査可能なシステムの開発が目的。広域探査用として、探査映像化可能な埋設深度、大きさおよび形状について実験的検討を加えた上で実用的な探査システムとして運用できるかどうかについて評価を行なう。
522 スペクトルディップ法による高精度和音推定の実用化 斎藤 博昭 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 本課題はスペクトルディップ法と名付けた、音響信号から和音を推定する新手法の実用化を目的とする。スペクトルディップ法では同時に鳴る音の数が増えても推定精度が下がらず、単一楽器による六重音(たとえばCの和音ではド・ド・ミ・ソ・ド・ミ)で89.6%という従来手法では実現できなかった高精度を達成している。この手法が、複数楽器による和音やCDからの音響信号に対しても有効であるかを検証していく。
523 スマートフォンを活用した革新的な障害者支援ICTアプリケーションの開発 牛場 潤一 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 多機能携帯電話(スマートフォン)を用いて、肢体不自由者のためのコミュニケーション・デバイスを開発する。具体的には、スマートフォンに搭載されているモーションセンサやタッチセンサ等を活用して、肢体不自由者の僅かな残存機能に反応する環境制御装置を開発する。モデルとなる患者宅に本試作機を試験導入し、テレビ、エアコン、照明、電動ベッドの操作と、コンピュータへの文字入力およびハンズフリー通話を実証する。
524 ソーラー駆動チップ・コンビナートによるレアメタル粒子回収システムの開発 佐藤 洋平 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 環境・資源保全の観点からレアメタル回収のニーズが高まっており、高い費用対効果を達成するために、400個のマイクロ化学チップを連結したチップ・コンビナートによるレアメタル粒子回収システムの開発を行う。手の平サイズの交流誘電泳動チップによって溶液中のレアメタル粒子の回収を行うが、供給電源としてCO2排出ゼロのソーラー発電を本研究では採用し、助成期間内に年間約0.4 kgのレアメタルの回収を目標とする。
525 高導電性・高透明性を有するロール型交互積層薄膜の開発と応用 白鳥 世明 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 近年、タッチパネルをはじめとするディスプレイ表面には透明導電膜が多用され、酸化インジウムを主とするレアメタルにより真空プロセスで作製されている。同材は輸入に依存している為、国内産業においては、国際競争に耐えうる安価な材料・製膜方法の開発が求められる。本課題では1kΩ以下の高導電性、可視光透過率85%以上の高透明性をもつ透明導電フィルムを交互積層法により、導電性高分子を用いて作製し、物性を評価する。
526 次世代型蛍光X線分析装置を用いた浮遊粒子状物質分析のための自動連続試料導入装置の開発 奥田 知明 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 浮遊粒子状物質中微量金属は人体に有害であり、簡便かつ迅速な分析法が必要である。本研究では、二次ターゲットの使用により分析対象元素に最適化された励起条件を提供すると同時に偏光光学系の併用によりバックグラウンドノイズを大幅に減少させた分析装置である次世代型エネルギー分散型蛍光X線分析装置に最適化された自動連続試料導入装置を開発し、浮遊粒子状物質中有害微量金属の多元素高感度自動連続計測技術の開発を行う。
527 電界共役流体の流動モデルに基づく高機能マイクロ液圧源の開発 竹村 研治郎 慶應義塾大学 佐藤 修 慶應義塾大学 電界共役流体は直流高電圧の印加によって活発なジェット流を発生する機能性流体であり、マイクロ液圧源としての利用が期待されている。しかし、流動のメカニズムが不明であるため実用化に対して理論体系の構築が強く望まれている。このため、本課題では本流体の流動モデルを構築し、これを利用した電極形状の最適設計法を開発することによって新たな高性能マイクロ液圧源を実現する。
528 誘電泳動を利用する細胞機能の識別デバイスの開発 宮田 昌悟 慶應義塾大学 湯浅 洋二郎 慶應義塾大学 再生医療や細胞ワクチン療法などの細胞を用いた治療技術の広範な臨床応用には、治療に適した機能を発現した細胞を効率よく識別・回収する技術が必要不可欠である。本申請課題では前述の再生医療や細胞ワクチン療法に資する細胞診断デバイスの開発を目的とする。具体的には細胞膜の表現系に着目し、誘電泳動を用いた細胞機能の識別デバイスを試作し、デバイスの性能評価を行う。
529 In vitro virus法を用いた翻訳後修飾酵素の標的探索技術の開発 堀澤 健一 慶應義塾大学 藤本 弘一 慶應義塾大学 本提案は、生体内に300種類以上存在すると言われる翻訳後修飾を解析するため、研究代表者らが開発を進めてきたin vitro virus(IVV)法を応用し、試験管内で任意の修飾酵素の標的蛋白質を特異的かつ網羅的に同定する技術の構築を目的とするものである。具体的には、代表的な翻訳後修飾の一つ、ユビキチン化を触媒する転移酵素(E3)の標的となる被ユビキチン化蛋白質を特異的に検出する探索手法の確立を目標として設定する。
530 多置換シクロブタン化合物の製造方法と抗腫瘍剤リード化合物の創製 高尾 賢一 慶應義塾大学 堀内 正 慶應義塾大学 全て炭素原子で構成された4員環構造のシクロブタン化合物は、潜在的に医薬品としての利用価値が高いと考えられるが、その容易でかつ確実な合成法は今までに開発されていなかった。本研究は、天然有機化合物の全合成研究から開発された方法論に基づき、多置換シクロブタン化合物の工業的合成法の確立と、それを利用した誘導体合成を幅広く行い、その中から抗腫瘍剤のリード化合物を探索することを目的とする。
531 リファレンスマップに基づく次世代パスファインダーシステムの開発 松本 一教 神奈川工科大学 小倉 裕司 神奈川工科大学 図書資料利用の為の次世代パスファインダーにより科学技術情報を分り易く提供する技術を開発する。まず知識表現手法RM(Reference Map)を開発し資料の主題、関連する概念、過去の利用状況や履歴等豊富な情報を表現可能とする。類似のRM知識をパターン化し整理する技術も開発。ユーザの求める主題に応じて状況を考慮して検索し知識パターンによる捨象により関連深い情報を限定的に可視化・提供する方式を開発する。
532 高品質へテロエピタキシャルダイヤモンドを用いた放射線センサの試作 澤邊 厚仁 青山学院大学 雨森 千恵子 (財)神奈川科学技術アカデミー ダイヤモンドは耐放射線性に優れ、構成元素が炭素である事から人体に近いエネルギー特性を有する携帯可能・リアルタイム放射線センサ用材料として期待されている。本課題では、本学のオリジナル技術であるヘテロエピタキシャルダイヤモンドを用いた放射線センサの試作を行なう。ヘテロエピタキシャルダイヤモンド厚膜(100μm以上)の成長面近傍の低欠陥部分を使用し、さらに電極構造の検討を通じて高い収集効率(60%以上)の実現を目指す。
533 次世代固定照明用透明蛍光体ナノ粒子の開発 冨田 恒之 東海大学 篠崎 文明 (財)横浜企業経営支援財団 LED固体照明用無機蛍光体として従来達成されていない、高い量子効率をもち、同時に光散乱を起こさなくなる微粒子蛍光体を合成する。その手段として、粒子サイズの制御を得意とする、化学的溶液反応を用いた均一沈殿法を選択する。焼成を経ず溶液中で直接的に蛍光体粒子を合成することで、蛍光取り出し効率の良い粒子サイズを有し且つLED励起光により発光可能な高い内部量子効率を併せ持つ蛍光体の合成を行う。
534 カーボンナノチューブ/フッ素樹脂を用いた高耐食性燃料電池用セパレータの開発 庄 善之 東海大学 田巻 一彦 (財)神奈川科学技術アカデミー 固体高分子形燃料電池に用いられるステンレス製セパレータ(電極)は、その表面が動作中に発生する酸性成分によって腐食され、発電出力を低下させるという問題を有している。本研究では、カーボンナノチューブとフッ素樹脂で構成された化学的に安定で、高い導電性を有する複合樹脂をセパレータの腐食防止膜として応用する。このことによって、1万時間以上の燃料電池の発電に耐えるセパレータの実現を目標とする。
535 高度な生体適合性を発現するリン脂質極性基含有ポリウレタン材料の合成 長瀬 裕 東海大学 加藤 博光 東海大学 バイオマテリアルとして必須条件となる生体適合性(抗血栓性)と加工性、耐久性、強度を兼ね備えた新規高分子材料を創製し、人工臓器や医療デバイス用材料として有用なポリマーを開発する。具体的には、リン脂質極性基であるホスホリルコリン基をポリウレタンに化学結合させたポリマーを合成し、ホスホリルコリン基含有量やポリマー主鎖の構造を変化させて長期的な生体適合性や材料特性における化学構造の影響を詳細に検討する。
536 摩擦低減用高耐熱硬質TiN−MoS2複合膜の開発 神崎 昌郎 東海大学 加藤 博光 東海大学 本研究においては、スパッタリング法により高硬度で耐熱性に優れるTiNにMoS2を添加し、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜と同等以上の摩擦特性(摩擦係数0.1以下)を有するTiN−MoS2複合膜の開発を目的とする。また、耐熱性に優れる新規潤滑性硬質膜として、DLC膜の適用が困難なエンジンの摺動部品(アペックスシール)や難削材加工用切削工具表面にTiN−MoS2複合膜をコーティングし、フリクションロス低減や切削抵抗低減を実現させる。
537 体内インプラントのMRI適合性試験装置ならびに試験技術の開発と実用化 黒田 輝 東海大学 加藤 博光 東海大学 近年、体内医療器材を有する被験者のMRI検査の機会が増え、医療器材のMRI適合性評価が重要になっている。しかし現在は国内に対応規格も試験実施機関もない。そこで本課題では米国ASTM規格に準拠し、かつ我が国での必要性に即したMRI適合性評価試験の装置・技術を開発する。特に装置構造や試験方法が複雑な磁気トルク試験(F2213-06)と発熱試験(F2182-02a)に的を絞り試験技術の確立を目指す。
538 炭素繊維を介した異種金属接合技術の開発 西 義武 東海大学 加藤 博光 東海大学 本研究は、航空宇宙やレジャー・スポーツ産業で使用されているチタンとアルミニウム合金に代表される高比強度金属材料において、溶接やロウ付けはもとより、接着剤など助剤を介さずに、高強度を維持したままの比表面積の大きい炭素繊維を介して強固に接合することを目的とする。実施内容は溶融金属との反応を抑制した炭素繊維を介してチタンとアルミニウムの接合を行う。さらに接合強度の評価には、引張試験を行い接合強度や信頼性を評価する。
539 高性能「色素増感太陽電池」用電解液の開発と応用 功刀 義人 東海大学 加藤 博光 東海大学 「色素増感太陽電池」は現行のシリコン太陽電池と比べ、製造エネルギーが低いなど、次世代の太陽電池として注目を浴びている。しかし、電解液に揮発性・可燃性の有機溶媒を使用しており、実用化へ向けて、安全・安価な新規電解液の開発が急務となっている。本研究課題では、不揮発性・不燃性の電解液として、ホスホニウム型イオン液体に注目し開発を行う。また、新規ヨウ素源としてのヨウ化ホスホニウムの開発も行うこととする。
540 NiNbSnによる新熱電変換材料の開発と評価 ブンダリッヒ ビルフリド 東海大学 加藤 博光 東海大学 従来の熱電交換材料の代表的なものは、ゼーベック定数+/-0.2〜0.4mV/Kである。しかしこれらは熱伝変換効率があまり高くないこと、毒性などの問題がある。シミュレーションなどによるマテリアル・デザインなどの新しい手法を活用し、従来の熱電変換材料に代わるものを提供することを目的にしている。特徴としては、毒性かフリーであること、高温度域でもしようできること、高い熱伝変換効率を期待できることである。
541 高効率心筋誘導因子の分子設計 竹内 純 東京工業大学 松本 進 東京工業大学 心筋は壊死すると再生困難な細胞集団であり、心機能の低下により2次的損傷が生じ壊死が加速することからも、心筋再生、心機能回復に向けた研究は重要である。しかし、効率良く心筋に分化する方法はまだなく、技術の樹立が待たれている現状である。本研究では、マウス胚で申請者が見出し実績のある心筋マスター因子を選出し、細胞培養系を用いて臨床応用を見据えた心臓構成細胞誘導の新技術を樹立することを目的とする。
542 糖質単一原料からの側鎖分岐型バイオポリエステルの微生物合成 柘植 丈治 東京工業大学 松本 進 東京工業大学 微生物によって合成されるバイオポリエステルは、生分解性および生体適合性の高い環境適応型の高分子材料として近年注目され開発が進んでいる。最近我々は、分岐型の側鎖を有し従来品より物性の優れた新規バイオポリエステルを前駆体物質から微生物を用いて合成することに成功した。本課題では、このポリエステルの安価な合成法の確立を目指し、糖質単一原料から微生物合成する手法を開発する。
543 フレキシブルデバイス用無色透明耐熱プラスチック基板の開発 松本 利彦 東京工芸大学 雨森 千恵子 (財)神奈川科学技術アカデミー 軽量で折り曲げ可能なオプトエレクトロニクス作製には、プラスチック基板上にセラミック透明電極の焼成プロセスが不可欠だが、この温度に耐える透明樹脂は皆無である。本申請では、我々が開発した無色透明な耐熱性樹脂“脂環式ポリイミド”をプラスチック太陽電池などフレキシブルデバイス用基板として実用化するための応用研究を行う。具体的には、良好な寸法安定性を実現し、電極焼成条件下での透明性保持技術を開発する。
544 作物の腋芽伸長抑制剤の開発 梅原 三貴久 独立行政法人理化学研究所 吉田 茂男 独立行政法人理化学研究所 作物の枝分かれは、花や種子の数や質に大きな影響を与えるため、農業や園芸分野において重要な形質である。昨年、ストリゴラクトンが植物の枝分かれを選択的に抑制することを報告した。しかしながら、ストリゴラクトンの合成は非常に手間とコストがかかる。そこで、様々なストリゴラクトン類縁体を合成し、イネのバイオアッセイ系を用いて、より簡易で活性が強い化合物を見出し、新たな腋芽伸長抑制剤の開発を目指す。
545 uPAを用いた機能性肝細胞の効率的な分化誘導促進方法の開発 関 泰一郎 日本大学 渡辺 麻裕 日本大学 肝臓移植は、肝硬変などの重篤な肝障害の最終的な治療方法であるが、臓器提供者の不足が深刻な社会問題となっている。肝臓移植に代わる新たな治療法として細胞移植療法が注目されている。しかしながら、肝臓移植同様ドナー不足の問題は解決できない。本研究では肝臓の発生シグナルに着目し、シグナル下流に位置する線溶系酵素を用いることで、従来法に比較して安価でかつ効率的にES細胞を肝細胞へ分化誘導する方法の確立を目指す。
546 果菜類・果実の食感(果肉硬さ)判定技術の開発 池田 敬 明治大学 浅井 亮介 明治大学 食べ物のおいしさの判定の一つに食感があり、例えば消費者がスイカに求める項目の2位に歯ごたえが挙げられている。しかしこれまでの果実の物理的食感判定法は超音波などを用いて熟度を相対的に求めているに過ぎず、具体的な物理因子を実測した例はない。本研究では、農業生産・流通現場で求められる、果実・果菜類の品種間差・熟度の微少な測定を可能にする高精度センサーの開発と、その判定の応用検討を研究目標とする。
547 遺伝子発現情報に基づくハイスループットな新規遺伝子探索法の開発 矢野 健太郎 明治大学 浅井 亮介 明治大学 分子生物学実験手法の発展に伴い、得られる実験データの大規模化が急速に進んでいる。これらの大規模データの解析には大型計算機を用いた解析でも膨大な計算時間を要する上、この状況はさらに強まる傾向にある。そこで本研究では標的遺伝子群を簡便に抽出、かつ汎用機での利用が可能なソフトウェア開発を最終目的とし、本応募研究においては、その解析手法の確立ならびにソフトウェアのプロトタイプの開発を実施する。
548 糖脂質修飾予測とGPIアンカー型タンパク質データベースの構築 池田 有理 明治大学 福場 一郎 明治大学 本課題では、翻訳後修飾のうち糖脂質GPIの修飾を受けるGPIアンカー型タンパク質を判別するバイオインフォマティクスツールを開発する。また、遺伝子クローンの譲渡を含むGPIアンカー型タンパク質データベースの提供を見据え、ヒトゲノムからGPIアンカー型タンパク質候補を予測する。また、GPIアンカー型タンパク質候補の構造や機能を確認する目的で、候補遺伝子のクローニングを行うための実験系を確立する。
549 オゾンマイクロナノバブルを利用した水耕培養液の殺菌・浄化システムの開発 玉置 雅彦 明治大学 福場 一郎 明治大学 オゾンマイクロナノバブルを利用した水耕培養液の継続的な殺菌・浄化システムを開発して、環境に配慮した半永久的培養液循環利用が可能な水耕システムを実現することを目的とする。そのために、培養液が循環使用できる水耕システムを用いて、初期濃度を104コロニー/mlとした植物病原菌を、感染能力消失レベルである常時102コロニー/ml以下となるように、水温が異なる季節ごとの使用指針を作成することを目標とする。
550 油汚染土壌を効率よく浄化する景観に配慮した植物および微生物の選抜 登尾 浩助 明治大学 福場 一郎 明治大学 石油類漏洩事故による土壌汚染浄化法の一つとして、植物を用いた比較的安価な浄化法が注目されている。我が国では、近年ようやく適切な植物の選抜が進みつつある状況である。本申請研究では、景観的に好ましい植物(特に草花)の内から石油類浄化を効果的に行う事ができる種類を選抜する。更に、サーモTDR法を使って実験中の石油類濃度をリアルタイムでモニターしながら、石油類の分解に直接寄与している微生物を明らかにする。
551 高機能食用色素の開発と応用 早瀬 文孝 明治大学 福場 一郎 明治大学 研究代表者はこれまで、醤油、味噌など、その加工・貯蔵により「褐色化」する食品を対象とした研究で、褐色化の過程で青色、赤色など様々な「色素」が生成することを見出してきた。さらに、これらの色素化合物の構造を明らかにするとともに、強い抗酸化作用を有することを見いだしている。本課題ではこの新規色素化合物の構造や機能を明らかにすることで、安定性・安全性に優れた疾病予防機能の高い食用色素の開発を目指している。

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 新潟:39件  (JSTイノベーションサテライト新潟)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
552 DNAマーカーを用いたイネ純度検定におけるバルク法の開発 田淵 宏朗 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 山田 敏彦 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター イネの生産現場での品種純度維持および流通過程での不正な混米防止のためには、簡便・効率的・高精度な異品種混入検定方法の確立が必要である。本課題では、新潟県主要15品種純度検定用DNAネガマーカーセットについて、バルク法(複数のサンプルからまとめてDNAを調製し一度の反応で検定を行う方法)を適応し、イネの生産・流通現場等でのより実際的な品種純度検定方法の確立を目指す。
553 暗号鍵の生成・管理を考慮したディジタル動画像のアクセス制御 今泉 祥子 新潟県工業技術総合研究所 阿部 淑人 新潟県工業技術総合研究所 圧縮符号化された画像が、受信側のユーザ用途に合わせて様々な品質で復号できる符号化方式をスケーラブル符号化という。スケーラブル符号化を用いた画像配信では、各ユーザが要求する品質でのみ復号できるための著作権保護が必要となる。著作権保護手段の一つに暗号化が挙げられるが、鍵生成にかかる処理時間と配送・管理の安全性が課題となっている。復号品質に応じたディジタル静止画像のアクセス制御に関しては先行研究を行ってきた。本研究では、上述の課題を考慮して先行研究を動画像に拡張する。
554 窒素含有ニッケルフリーステンレス鋼の実用化研究 三浦 一真 新潟県工業技術総合研究所 磯部 錦平 新潟県工業技術総合研究所 フェライト系ステンレス鋼に窒素(N2)を熱処理により吸収させること(窒素吸収処理)で既存のSUS304、316等のニッケル(Ni)を含んだステンレス鋼と同等の靭性および延性を持ちながら、力学的特性および耐食性を大幅に向上させたオーステナイト相を有するステンレス鋼の開発を目的に窒素吸収処理技術に関する研究、および実用化に必要な各種特性の評価を行う。
555 コーティング界面じん性値の高精度測定装置の開発 山崎 泰広 新潟工科大学 有本 匡男 長岡市 セラミックスなどを表面に被覆することにより機能性・耐久性を付与したコーティング材は高付加価値材料として適用範囲が拡大している。コーティングの最適施工条件の選定や耐久性・信頼性評価には界面密着強度を界面じん性値などの破壊力学的パラメータとして評価することが必要となるが、未だその手法は確立していない。そこで、インデンテーション法による界面じん性値評価手法の確立とその標準化を目指し、測定精度および操作性に優れた界面じん性試験機を開発する。
556 大脳高次視覚野における皮質脳波双方向デバイスの開発と検討 戸田 春男 新潟大学 千原 恵子 (財)にいがた産業創造機構 皮質脳波(ECoG)法は、脳活動の電気的記録法の中でも比較的低侵襲性であり、fMRIや脳波に比べ高い時間・空間分解能をもつため、医療現場で使用実績がある。本提案では既存のECoG電極を改良し、広範囲の脳表への電気的入出力装置として応用するための動物モデルを開発する。このモデルでは視覚野の多点同時計測と微小刺激を行い、脳の情報処理を外部的に補佐する方法を探る。
557 温泉熱駆動スターリング発電の小規模独立型高機能農業用ハウス制御への適用 小浦方 格 新潟大学 後藤 隆夫 新潟大学 再生可能エネルギーとスターリング機関による発電に関する研究例や実施例は既に多い。しかしそれらのほとんどは大出力、高効率を指向し、容易に利用可能な温泉熱によって動作する小型かつ安価な機関についての報告はあまり例がない。本研究では、自噴する100℃近くの温泉熱を駆動熱源とした小形スターリング機関の長期安定的稼働を実現し、山間地等で商用電源の利用が困難な地域において、高機能農業用ハウスの制御に用いるためのプロトタイプを開発する。
558 微量血液中の末端リン酸化DNAを指標にした癌検診システムの開発 松田 康伸 新潟大学 後藤 隆夫 新潟大学 癌に高頻度に生じる遺伝子異常は、癌診断に有用である。癌患者の血液に混在した癌細胞のDNA末端がリン酸化されている(”末端リン酸化DNA”)ことを初めて見いだし、非リン酸化アダプターによるligation-mediated PCR (LM-PCR)を用いて、血液中に存在する癌細胞DNAを高精度で検出できる方法を確立した。本課題ではこの手法をさらに改良し、これまで困難であった微量血液中の癌DNAを安価・高精度に診断できるシステムの開発を目指すものである。
559 ハイブリッド6分力計による四次元触覚センシングシステムの開発 尾田 雅文 新潟大学 後藤 隆夫 新潟大学 マイクロサージェリーは、これまで困難であった手術法を臨床の場に提供している一方で、顕微鏡下の限られた視覚情報での手術は術者の疲労を招き、よって、操作ミスに起因する合併症や、重篤な場合は死亡例も報告されている。本課題は、小型な6分力荷重計を用いたマニピュレータやロボット用途の触覚センシングシステムを提供する事により、前述の医療の現場のみならず老々介護が問題視される福祉の現場に、安心・安全なシステム構築環境を提供することを目的としている。
560 高度増殖能を有する培養口腔粘膜細胞の自動培養/回収システムの開発 泉 健次 新潟大学 小浦方 格 新潟大学 培養液中に浮遊している、高い増殖能を有す口腔粘膜上皮細胞を自動的にかつ効率的に培養・回収するシステムを開発する。すなわち培養フラスコという閉鎖系に出入り口を設置し、動力で培地を循環させて培地交換と浮遊細胞の回収を同時に、効率的かつ簡便に行う広義のバイオリアクターの作製を目標とする。
561 強磁場を用いた無電解ニッケルめっき廃液のゼロエミッション化の研究 岡 徹雄 新潟大学 中津 普門 新潟大学 無電解ニッケルめっき工程の廃液から、その生成不純物として晶出させた亜燐酸ニッケルを、超伝導バルク磁石で得られる4テスラの強磁場によって分離することにより、めっき液の再利用を図って工程のゼロエミッション化をめざす。本研究の目的は弱い磁性をもつ糊状の亜燐酸ニッケル沈殿を、強磁場で有効に吸着分離することにあり、簡便かつ低コストに廃液を再生させることが出来る。
562 動物の粉砕骨折固定インスツルメンツ開発 原 利昭 新潟大学 長濱 勝介 新潟大学 犬猫等四足動物が事故等で粉砕骨折した場合、元々骨が細いため、粉砕骨片は散在状態となり、骨片を寄せ集めて骨折部をスクリューやプレートで固定し、術後にキャストを巻いた場合でも、固定した骨折部では体重を支える事が出来ず、崩れる等の例が見られる。本研究では、これらの問題を解決し、荷重支持性と初期固定性を確保しつつ治療中のQOLを保証し得る粉砕骨折の確実な治療を可能とするインスツルメンツ開発を行う。
563 インテグリン遺伝子発現定量を用いた口腔癌体外診断法の開発 永田 昌毅 新潟大学 長濱 勝介 新潟大学 癌の生存率を向上するテーラーメイド医療には悪性度判定技術が必須である。口腔癌は臓器別では世界で20万人の発症と概算されるが、組織分類では扁平上皮癌に属し、食道癌や子宮頸部癌などと合わせると、その年間世界発症人口は100万人を超える。いわば扁平上皮癌は癌病変の最大級のグループをなし、その精密診断実用化による治療効果とその市場規模は潜在的に極めて大きい。本課題は口腔歯肉癌についてインテグリン発現量の定量による精密診断技術の実用化と製品化を意図し、基礎的データを作成する。
564 環境に応答する生分解性を持つ高強度高分子の開発 青木 俊樹 新潟大学 長濱 勝介 新潟大学 本研究は、高い強度を持つ生分解性合成高分子の開発に関するもので、ある環境刺激に応答して、高強度高分子から分解性高分子へと変化する代表者らが開発した合成高分子を用いる。具体的には、この新規合成高分子は剛直な芳香族共役系高分子構造を持つため丈夫な材料を与え、かつ、水あるいは特定の光にさらすとその分子構造を変化させて、分解性を増し、速やかに低分子に分解するという極めて特殊な性質を持つ。本研究はこの材料の実用化研究である。
565 脊椎立位3次元構造評価システムの開発 小林 公一 新潟大学 長濱 勝介 新潟大学 脊柱側弯症や椎間板ヘルニア腰椎すべり症は脊椎構造の3次元変形を伴うので、これら疾患の診断・治療において脊椎構造を立位で3次元評価することが重要である。脊椎構造の評価はCTやMRIによる臥位(寝た状態)評価か、単純X線による立位2次元評価が一般的である。そこで本課題では、2方向X線像と、MR画像を用いて構築した3次元骨形状モデルを用いたイメージマッチングによる3次元位置推定法により、脊椎構造を立位で3次元評価するシステムを開発することを目的とする。
566 水素生成型太陽電池を指向した光酸素発生アノードの開発 八木 政行 新潟大学 長濱 勝介 新潟大学 水素生成型太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換すると同時に、クリーンエネルギーである水素を水から生成する革新的な太陽電池である。これを作成するためには、光水素発生カソードと共に光酸素発生アノードの開発が重要であるが、光酸素発生アノードに応用可能な効果的な酸素発生触媒の開発が大きな課題となっている。最近、我々は従来の触媒よりも一桁高い触媒活性を示すルテニウムアコ錯体の合成に成功した。本研究では、この錯体触媒を応用した酸素発生光アノードの開発を目指す。
567 近赤外蛍光生体イメージングによる骨活性評価法の開発 吉江 弘正 新潟大学 長濱 勝介 新潟大学 近赤外線(NIR)蛍光色を標識したプローブによる骨代謝活性の非侵襲的イメージング技術を開発することを目的とする。従来の骨シンチグラフィと比較して、高い定量性や解像度が得られるのが特徴である。すでに異所性の微小骨形成系においてその定量性を実証しており、今回はこの測定精度をさらに向上させるとともに、新たに骨活性低下モデルを作成し、病理組織学的評価と高い相関性が得られるまで技術を進化させる。
568 Auto-fluorescence imaging による新たな肝腫瘍描出法の開発 皆川 昌広 新潟大学 定塚 哲夫 新潟大学 術中エコーで描出されにくい表在性肝細胞癌に対する鏡視下肝切除術において,Auto-fluorescence imaging(AFI)を応用することを我々は考えた。AFIは組織からの蛍光反射光を画像処理し、腫瘍と毛細血管とのコントラスト画像を得るためのシステムである.本研究では鏡視下を含めた肝臓手術おいて,AFIにて肝表面観察を行い,血流の豊富な背景肝と間質の多い腫瘍を描出・判別ができるかどうかを検討する.
569 米ぬか由来新奇抗菌タンパク質の精製・同定とその食品素材への応用 高屋 朋彰 新潟大学 定塚 哲夫 新潟大学 本研究では、ヒト有害菌に対して直接的に抗菌活性を示すタンパク質成分を米ぬかから抽出し、それらの成分を単離同定し、構造を解析することを目的とした。また、それらの分子特性と抗菌スペクトルを明らかにし、構造と抗菌活性の関係を明らかにすることを目的とした。さらに、米ぬかから抗菌タンパク質成分を含む画分を効率的に抽出する方法を確立して、食品素材として利用することを目的とした。
570 ピエゾフィルムを応用した簡便な嚥下機能評価装置の開発 櫻井 直樹 新潟大学 定塚 哲夫 新潟大学 高齢者では嚥下障害患者が増加している。しかし、ゴールドスタンダードとされるX線TV嚥下造影検査はX線被曝があり、装置は高価であるため検査機関が限定される。そこで非侵襲で簡便な嚥下機能評価装置を開発することを目的としている。これを製品化することにより、老人保健施設等で嚥下障害患者に対し嚥下評価に安全かつ簡便に用いることが可能になる。
571 高強度キラル超分子自立膜の開発と応用 浪越 毅 新潟大学 定塚 哲夫 新潟大学 高分子膜は高機能材料として気体の選択透過、光学分割などに利用されるが、これまで超分子からなる自立膜が合成され利用された例はない。本研究の目的は、らせん高分子膜に光照射を行うことで高分子主鎖が選択的に環化し側鎖構造のみからなる低分子量体が生成する反応を利用し、過去に例のない高分子自立膜からキラルな超分子自立膜調製方法を確立することで、環境浄化、創薬、新エネルギー等の分野における工業的実用化に資することである。
572 チョコレートの血糖値上昇抑制効果の機構解明 佐藤 眞治 新潟薬科大学 佐藤 弘子 株式会社新潟TLO チョコレートの起源は非常に古く、健康を維持するための機能成分が豊富に含有していることが報告されている。原料であるカカオには種々の機能成分が含まれており、血糖値の上昇能であるグライセミックインデックスも低い。しかし、カカオの摂食後過血糖抑制効果の機構解明は行われていない。そこで、配合組成の異なるチョコレートを試作し、構成成分と摂食後過血糖抑制効果の定量的な関連性を明らかにするために本研究を行う。
573 両親媒性物質を利用する新規皮膚疾患治療薬の皮膚浸透性の検討 村 菜穂子 新潟薬科大学 茂木 弘邦 新潟薬科大学 ニキビ、色素沈着等々の皮膚疾患に使用されている薬物において、その安定性、安全性はもちろんのこと薬物の皮膚吸収性も重要である。この様な薬物の皮膚浸透性改善を目的に、皮膚角質層との親和性に優れるといわれる両親媒性物質を利用し各薬物との複合体あるいはイオン交換体の作製を試み高い皮膚吸収性を持つ新規皮膚疾患治療薬の開発を行う。本研究における成果は、薬物の低濃度使用でも充分な効果が望め、副作用を軽減した薬物の獲得が期待できる。
574 核酸アプタマーを用いたD-アミノ酸の迅速・高感度分析技術の開発 高橋 祥司 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 遊離D-アミノ酸は、脳などにおいて重要な役割を担っており、統合失調症やアルツハイマー病などの疾患のマーカーとしての利用が期待されている。また、食品品質の指標になることも示された。本課題では、各種D-アミノ酸に特異的に結合する核酸アプタマーを開発し、それをリガンドとして固定化したD-アミノ酸センサーチップを作成し、表面プラズモン共鳴測定装置と組み合わせて用いることで、様々な試料中における各種遊離D-アミノ酸を迅速,簡便かつ高感度に測定できる技術の開発を目指す。
575 エンジン性能向上に向けた耐熱マグネシウム合金展伸材の開発 鎌土 重晴 長岡技術科学大学 吉野 好男 (財)にいがた産業創造機構 エンジン出力の向上のため過給機が使用されている.現在,この吸気圧縮用にC355またはAC4Cなどのアルミニウム合金が採用されている.しかし,今後欧州を中心とした排気ガス規制のため,マグネシウム合金を用いたエンジンの軽量化は避けられず,しかも最大使用温度170℃でも安定した高温強度を備える必要がある.そこで,本申請では希土類元素と合金組成の最適化を行う.また,得られた鋳造材に対して,最適な加工温度と加工速度,加工率を見出し,コスト的にもバランスした展伸加工材の創製を目指す.
576 Mg合金切削屑の高機能金属間化合物へのリサイクル 南口 誠 長岡技術科学大学 塩浦 時宗 長岡技術科学大学 Mg合金切削屑をSiなどと反応させて高機能金属間化合物としてアップグレードリサイクルする手法を確立する.ここでは特に熱電変換材料として期待されているMg2Siの合成について検討し,リサイクル製造プロセスの最適化と特性評価,熱電素子を試作する.熱電変換素子の利点を生かすため,アウトドアや災害時の電源として利用できるような携帯型発電ユニットを想定し,使用温度である600℃前後での高温酸化特性や熱衝撃特性についても検討する.
577 液中でのDLC膜の損傷評価法の開発 赤坂 大樹 長岡技術科学大学 山田 明文 長岡技術科学大学 金属膜裏面への光照射によって発生するエバネッセント波と金属表面で発生する表面プラズモン波が共鳴する表面プラズモン共鳴(SPR)現象は金属膜上の誘電率変化に依存して共鳴の発生するレーザ入射角度が敏捷に変化する。このことから膜の表面状態を膜の裏面より高感度に検出可能で、液中での膜の変化を捉えることができると考えられる。本技術を液体中で使用されるDLC膜の損傷のその場評価へ応用するため、DLC膜を積層したSPR素子を用いて液中での膜損傷の評価を行う技術を開発する。
578 キノンポリマー型電子移動媒体を利用したバイオ燃料電池用酵素電極の開発 桑原 敬司 長岡技術科学大学 定塚 哲夫 長岡技術科学大学 キノンポリマーを電子移動媒体として利用し,高い電流生成能を示すバイオ燃料電池用酵素電極の開発を行う.キノンポリマーの電解による合成は電極修飾法として応用範囲が広く,新たな電子移動媒体の導入法として期待される.本課題ではグルコースなどのバイオマスを燃料とするバイオ燃料電池に作製した酵素電極を適用することを念頭に,様々なキノン類を用いた酵素電極の作製およびその性能評価を行う.
579 触媒反応を用いた高誘電率酸化物薄膜作製手法の開発 安井 寛治 長岡技術科学大学 入澤 壽逸 長岡技術科学大学 MOSトランジスタのゲート酸化膜やフラッシュメモリーのフローティングゲート上層間絶縁膜は、薄層化によりリーク電流の増大やデータ保持特性の劣化等の問題に直面しており、高誘電率絶縁膜の適用が必須となっている。本研究課題は、金属触媒体と酸素原料の組み合わせによる高効率触媒反応を用いて、次世代ULSIやフラッシュメモリー用高品位高誘電率絶縁膜を作製出来る技術を構築することを目的とする。
580 室温で動作する全半導体トンネル磁気抵抗素子の研究・開発 内富 直隆 長岡技術科学大学 入澤 壽逸 長岡技術科学大学 II-IV-V2多元系半導体であるZnSnAs2に磁性原子Mnを添加したMnドープZnSnAs2薄膜は、室温で強磁性を示しインジウムリン基板に格子整合することから半導体スピントロニクス材料の候補である。本研究では高品質な薄膜形成を実現するためにMnドープZnSnAs2薄膜の結晶成長条件と薄膜物性について調べ、その結果に基づいて、非磁性ZnSnAs2膜とMnドープZnSnAs2膜を組み合わせたすべて(全)半導体で構成されるトンネル磁気抵抗素子の開発を行い、室温動作の可能性を調べる。
581 シールドテール内グリス流動抵抗把握によるシールドトンネル長期耐久性の向上 杉本 光隆 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 シールドトンネルの長期耐久性に支配的な影響を与える覆工の損傷(ひび割れ,欠け等)は、掘進中にシールド機と覆工が直接接触したり、両者の間に介在する止水用グリスがワイヤブラシ内で圧縮されたりすることが主な原因であると推定される。そこで、本課題では、ワイヤブラシとグリスを用いた要素実験を実施し、地下水圧・テールクリアランスと、ワイヤブラシを透過するグリスの流動抵抗、発生するグリス圧の関係を定量的に明らかにする。
582 組織形態改質処理によるガスタービン翼超合金部材の寿命延伸技術の開発 阪口 基己 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 現在、先進ガスタービンの動翼材には結晶制御により強化された単結晶Ni基超合金が用いられている。超合金は高温下での優れたクリープ・疲労強度を持つ耐熱材料であると同時に、力学的環境に依存して組織が様々な形態に変化し、その形態により材料強度が上昇・低減するという特徴を併せ持つ。本研究では、この超合金組織の特性と強度に与える影響を積極的に利用し、代表研究者が蓄えてきた学術的データベースを基に、超合金部材の組織を実機稼働環境に適した形態に変化させる組織改質処理技術を開発するとともに、それによるタービン翼超合金部材の長寿命化を図る。
583 パルス細線放電法による銀ナノ構造体開発と異方的導電材料応用 末松 久幸 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 気体中での高効率微粒子作製法であるパルス細線放電を活用し、液中パルス細線放電によりμmサイズの三角形、六角形あるいはひも状の銀ナノ構造体作製法の開発を行う。通電電流パルス幅や、液体の分子および温度を変化させての液中パルス細線放電実験を行い、この相、微構造、核形成および成長メカニズムを明らかにする。最後に、この銀ナノ構造体を活用し、異方性導電体等として利用可能なコロイド・スラリー化手法構築を目指す。
584 高効率化絶縁型DC/DCコンバータを実現する直列補償技術の開発 伊東 淳一 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 絶縁形DCDCコンバータは通信用電源、コンピュータ、各種制御電源として様々なところで使用されており、高効率化、小形化を強く求められている。本研究では、絶縁形DCDCコンバータの高効率、小形化を目的とし、入力電圧変動はある範囲内であることに着目し、入力電圧の変動分だけ電圧を直列に補償することで、出力電圧を安定化する「直列補償技術」を開発する。
585 フレキシブル熱電変換素子の高性能化 武田 雅敏 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 低温排熱からの電力回収への応用を目指し、薄く、折り曲げ可能なフレキシブル熱電変換素子の研究開発を行っている。本応募課題では特に、素子の内部構造の改善を行い変換効率の向上を目指す。本研究で開発する素子は、従来の熱電変換素子(ペルチェ素子)とは異なり、柔軟で軽量、また大量生産に適した構造を持っており、より多様な熱源に設置して発電が行えるものと期待される。
586 せん断と伸張が複合する流れ場における複雑流体の粘度評価法の開発 高橋 勉 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 プラスチック材料や生体液などの複雑流体は構成方程式が不明で、せん断変形特性と伸張変形特性は個別に測定する必要がある。せん断と伸張が複合した流れ場は拡大・縮小管、曲り管など工業的に幅広く用いられるのに対し、せん断と伸張の相互効果についてはそれぞれを任意に制御する方法がなかったため世界的に全く検討されていない。本応募課題はせん断速度と伸張速度を任意に設定できる流れ場を発生させ、複合流動場における流動特性を簡単に評価できる方法を開発する。
587 河川監視装置電源用の縦渦励振駆動型マイクロ発電機の開発 白樫 正高 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 中小河川の急激な増水や洪水による災害を避けるため、対象河川に沿った多数の観測点において流速を監視する装置の開発を推進している。本研究は、この装置において対象河川の流れを利用して電力を自給するための発電機を開発するものである。河川の劣悪な条件に対応するため、十字交差配置円柱/帯状平板で発生する縦渦による振動を利用する。そのため、縦渦励振の流体力学的特性を明らかにして設計指針を確立し,これに基づいて試験機を製作してその実用性を確認する。
588 超音波温度センシング手法を用いた高温成形加工のプロセスモニタリング 井原 郁夫 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 本研究は、超音波を用いた物体内部の温度分布センシング手法を開発し、これを高温加工プロセスに適用することを目的とする。このような革新的計測手法を開発することで、従来技術では成し得なかった物体内部の温度分布の定量的計測を実現するとともに、金属、セラミックス、ポリマーなどの高温成形・加工プロセスの加工機内のオンライン温度モニタリングを可能にすることで当該分野の加工プロセスの高信頼性化に一石を投じる。本試験研究では、超音波パラメータを指標とした温度分布同定手法を開発し、その実用化検証実験を行う。
589 発光強度の時系列解析を利用したメタン火炎挙動同定技術の開発 門脇 敏 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 火炎のゆらぎ計測に関して、発光強度のカオス時系列解析が利用できることを示し、特許を取得している。この手法では、安価で小型のセンサーを用いるので、低価格でコンパクトな装置の作製が可能である。これまで、本手法を種々の火炎挙動の計測に適用し、良好な結果を得ている。本手法をメタン火炎挙動の同定に適用することにより、メタン燃焼の最適条件を時々刻々設定することができる。
590 機能遺伝子のmRNAを標的とした脱窒素細菌群の網羅的検出技術の開発 荒木 信夫 長岡工業高等専門学校 友野 健士 (財)にいがた産業創造機構 本研究では、脱窒素細菌群が共通して保有する脱窒素反応機能遺伝子のmRNA を標的とした蛍光検出法を開発することにより、処理プロセス内の活性汚泥から脱窒素機能を発揮している細菌群を、細胞を破壊することなく、かつin-situ で、網羅して検出する技術を開発する。

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 山梨:14件  (JSTイノベーションサテライト静岡)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
709 タンニン測定を利用した高品質赤ワインの開発 奥田 徹 山梨大学 還田 隆 山梨大学 赤ワインの呈味を改善するための本質的な技術が望まれており、すでに見出した成果からタンニン濃度が重要であり、これの最適化が必要である。そのため、タンニンの測定にはタンパク質との結合による沈殿法と塩化鉄反応を利用した呈色反応を利用し、醸造初期におけるタンニンの減少時期を特定するものである。
710 新聞記事コーパスからの大規模イベント系列コーパスの自動構築 岩沼 宏治 山梨大学 還田 隆 山梨大学 本研究は、単一系列データマイニング技術を新たに開発し、巨大テキスト時系列からイベント系列コーパスを半自動構築を試みる。WEBなどの時間と共に変化していくコンテンツの適切な処理は、辞典や類語辞書などの従来型の知識資源では極めて難しい。イベント系列コーパスのような新たな言語資源が本質的に重要である。そこで本研究では実用規模の大規模テキスト時系列のマイニング技術を開発し、イベント系列コーパス半自動構築の実証実験を行う。
711 高度にスケーラブルなタッチ画面用ソフトウェアキーボードの開発と応用 郷 健太郎 山梨大学 還田 隆 山梨大学 本研究は、申請者が開発した接触箇所と接触面積によってソフトウェアキーボードを動的に分割して文字候補を提示する手法を用いて、高度にスケーラブルなタッチ画面用ソフトウェアキーボードを開発しようとするものである。本提案ではA社端末装置画面等の現行装置で利用評価を行うとともに、大型タッチ画面でも利用できる仕組みを開発して汎用性を高める。また国内で広く利用されるために日本語入力手法への応用を目指す。
712 高効率二光子吸収色素による光制限材料の開発 小川 和也 山梨大学 還田 隆 山梨大学 本試験では研究者がこれまでに開発してきた世界最高性能の二光子吸収色素を優れた新材料へ応用し、強い光の透過を制限する新規な光制限材料の開発を推進する。光制限材料は光センサーや肉眼を強い光から保護する材料であり、新しい用途・産業が見出されるものと大いに期待される。本提案では、大きな非線形光学効果が期待される各種候補材料の組み合わせについて光吸収特性を測定することで、詳細な材料設計指針を策定することを目標とする。
713 プラズマ支援分子線エピタキシ法形成ZnOナノ薄膜トランジスタの開発 村中 司 山梨大学 還田 隆 山梨大学 プラズマ支援による高効率な酸素ラジカルを利用した『プラズマ支援分子線エピタキシ(PAMBE)法』と呼ばれる成長技術を用いて、スパッタ法よりも薄く、かつ、低温で、膜厚を精密に制御することで、薄膜トランジスタ(TFT)等に適するZnO膜を形成する技術である。本提案では、成膜パラメータと膜の結晶性について詳細検討・最適化するとともに、膜の構造および電気的特性を測定して、TFTに好適な成膜条件を検討する。
714 高導電性を有するITO代替酸化物の大口径高品質単結晶育成技術の開発 田中 功 山梨大学 還田 隆 山梨大学 アルミン酸カルシウム(Ca12Al14O33; C12A7)単結晶は、熱処理によりUV感応透明導電性や1,500S/cm以上の高導電性を有することから、ITOに代わる次世代の透明導電性材料として有望である。本研究では、傾斜ミラー型赤外線集光加熱式FZ法により結晶成長界面の形状を制御するとともに溶融帯の安定化を図ることで、大口径で良質なC12A7単結晶を育成する技術を確立する。
715 高精細地雷可視化パルスレーダのフィールド試験装置の開発 塙 雅典 山梨大学 還田 隆 山梨大学 本研究の目的は、高精細な地中可視化レーダのフィールド試験装置を開発すると共に、最終的には地中に埋設された地雷を可視化することで、確実に地雷を探知できる地雷探査装置を開発することにある。本課題では,我々がこれまでに光信号処理技術を併用して実現した世界最高クラスの高精細パルスレーダ技術を基に、UWB-IRパルス整形用光信号処理回路とパルスレーザ駆動用高周波発振回路のモジュール化を目指す。
716 ヘリウムガスによる自然循環流のパッシブ制御法の開発 武田 哲明 山梨大学 還田 隆 山梨大学 逆U字型またはループ型の流路で構成される一方の流路を加熱することによって発生する特定気体の自然循環流を、ヘリウムガスを一定量もしくは連続的に受動的な方法で注入することにより停止させ、流量を制御する方法の開発に関するものである。本課題では、自然循環流の流動・制御特性を調べ、受動的な自然循環流制御方法の開発に目処をつけ、工業プラントでの異常事象時における受動的安全設備の開発に役立てる。
717 高輝度ランプを用いた傾斜鏡型浮遊帯域溶融法の開発 綿打 敏司 山梨大学 還田 隆 山梨大学 大口径の単結晶を育成するための方法として、白金などの希少金属を坩堝に用いる従来の引き上げ法とは異なる浮遊帯域溶解法を実用化すべく、高輝度ランプを用いた結晶成長界面形状制御技術を結晶製造産業で利用できるように開発することが研究の目的である。実用化にあたっては結晶大口径化が重要課題であるが、今までの加熱光源では限界があったため、高輝度光源を用い界面形状の変化と溶融可能な大口径化の評価を行う。
718 (110)面を有するIV族歪みヘテロ薄膜の素子応用 有元 圭介 山梨大学 還田 隆 山梨大学 シリコン中の正孔移動度の向上を目的とした、(110)面上への歪みSi薄膜形成プロセスの改善に関する提案である。Si(110)面の活用及び歪み印加の効果を更に高めることにより、高正孔移動度の達成を目指す。これまでの研究成果を基礎に、さらなる移動度向上を実現するため、表面ラフネス改善プロセスの最適化などを行う。これにより、Si-CMOSデバイスの高速化を目指す。
719 高導電性・高透明性PEDOT/PSSナノ薄膜のタッチパネルへの応用 厳 虎 山梨大学 高田 誠 山梨大学 従来、タッチパネル用の透明電極にはインジウム・スズ酸化物(ITO)が使われているが希少金属であるインジウムが2011年で枯渇する恐れがある。そこで現在、導電性高分子のPEDOT/PSSをITO代替電極としたタッチパネルの開発が精力的に行われている。本研究では、我々がH20シーズ発掘試験を通じて開発した高導電性・高透明性PEDOT/PSSナノ薄膜のタッチパネルへの適用を検討しITOの完全代替を目指す。
720 α-secretase活性化を目的としたアルツハイマー病治療薬の開発 伊藤 正彦 山梨大学 菅原 幸雄 山梨大学 低下しているアルツハイマー病(AD)のPKC活性を回復させることにより、α-secretase活性を回復させることを目的としている。培養細胞系でそのpathwayに関係するPKC活性、およびα-secretase活性、β-secretase活性、アミロイドβ産出の変化を測定し、PKC活性回復物質がAD治療薬になる根拠を確かなものにする。
721 穿刺吸引細胞診検体を用いたメチル化プロファイリング診断法の開発 近藤 哲夫 山梨大学 菅原 幸雄 山梨大学 穿刺吸引細胞診は腫瘍の補助診断に広く用いられている検査法であり、比較的手技が簡便で、侵襲性も少なく、繰り返し検体の採取が行えることがその特徴である。一方で良悪性の判定が困難な場合も多い。本研究では穿刺吸引細胞診検査の利点をさらに発展させるため、細胞診材料を用いたDNAメチル化解析による組織型分類、悪性度推定、抗腫瘍薬に対する感受性を判定できる実用的な診断検査法の開発を目指すものである。
722 超臨界流体を用いたサブナノ級薄膜細孔解析技術の開発 近藤 英一 山梨大学 菅原 幸雄 山梨大学 超臨界流体の細孔への高い浸透性を利用して、測定物質から反射する光の偏光パラメータが流体の細孔への浸透とともに変化することを計測して、測定物質の細孔体積や分布を計測する技術で、薄膜中のサブナノ級細孔の評価が可能である。本提案課題では、超臨界流体の揺動や高圧セルの窓材が偏光情報に及ぼす影響を抑制・補正し精度を高く測定するための技術の開発、ならびに細孔評価のための計測条件の系統的検討を行う。

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 長野:27件  (JSTイノベーションサテライト静岡)

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
723 口腔ケアのための簡易式リップオープナー(開口唇器)の開発 松尾 浩一郎 松本歯科大学 百瀬 傳一 信州大学 リップオープナーは口腔ケアの際に要介護者やケアに非協力な患者の口唇を開くための口腔ケア補助用具である。リップオープナーの使用により口腔ケア時の口腔内観察と手技が容易になる。今回の研究では、医療・介護現場で普及しやすい簡便で低コストのリップオープナーの開発を目的とする。研究期間内に検討したリップオープナーの作成と実際の臨床場面での試用を目標とする。
724 Ror2受容体シグナル遮断による骨破壊阻害薬の開発 小林 泰活 松本歯科大学 百瀬 傳一 信州大学 骨破壊を防ぐオリゴペプチド阻害剤を作製、探索し、骨破壊阻害効果を検証する。過剰な骨吸収に起因する骨粗鬆症は高齢者のQOL低下原因の1つであるため、骨吸収を抑制する新規阻害剤を作製するための知見を得ることを目的とする。Wnt5aとRor2の結合を阻害するWnt5aまたはRor2由来のオリゴペプチド(20アミノ酸以下)を作製し、Ror2による破骨細胞分化シグナルを阻害するペプチドを同定する。
725 カーボンナノチューブの制御による高強度CDS-合金の開発 金 翼水 信州大学 瀬在 啓明 (財)長野県テクノ財団 本研究は、従来から不可能とされていたCNTを溶融金属中に均一に直接に分散させることに対し、鋳造法を用いてCNTを金属母材に均一に分散させたCDS-合金(Carbon nanotube Dispersion Strengthened)を開発することを目的とするものである。これを達成するために、本研究においては、CNT強化材が鋳造工程いわゆる液相金属内で直接分散される際、均一に分散できるように凝集防止および分散安定化技術を開発する。
726 自律型移動ロボットのためのステアリング性の高い変形型車輪の開発 飯塚 浩二郎 信州大学 瀬在 啓明 (財)長野県テクノ財団 本課題は整備されていない軟弱地盤上や災害地域において、耐熱性や耐すべり性、耐沈下性に優れた自律型移動ロボット用の変形型車輪の開発を目標とする。 本車輪は、外円と外円をつなぐ内円にばね鋼を用いることにより地面との接地面積を増加させ、沈下することなく移動することができる。ここでは車輪のステアリング時における車輪表面材料のねじれ要素を抑制した走行を確立し、フィールド実験を行う。
727 動的可変剛性フィンの開発と環境負荷を低減する水中推進機構へ応用 小林 俊一 信州大学 瀬在 啓明 (財)長野県テクノ財団 本課題は剛性を実時間で変化できるフィンを開発し、環境に配慮した新たな水中推進機構を開発することを目標とする。本課題はフィン内部で断面形状が楕円の弾性棒の設置方向を変化させ、その曲げ方向に対する断面係数を変化させることによって、フィンの剛性を実時間で変化させるものである。この原理を基にしたフィンを開発し、その曲げ剛性の変化範囲や時間応答性を評価し、水中推進機構に取り付け、推進特性を評価する。
728 VOC分解を目的とした金属担持中空状微粒子触媒の開発 岡田 友彦 信州大学 坪井 開 (財)長野県テクノ財団 本研究は、W/Oエマルション界面において有機シランの重合による有機シリカ中空微粒子を作成する技術を応用して、エマルジョンの水性部分に中空粒子触媒の源となる金属前駆体含有の水溶液を用いることで、触媒金属を坦持したした多量の中空微粒子触媒を得る技術を開発するものである。
729 圧電式ジャークセンサの実用開発に向けた試験研究 辺見 信彦 信州大学 宮坂 秀明 信州大学 本研究は研究者が考案した新しい測定法によってジャークを測定するシステムの開発研究であり、圧電素子を用いた簡易な小型センサの実用化を目的としている。助成期間中に達成する目標は昨年末に試作した試験素子で実用化のための問題点を明らかにし実用化の目処を立て、実用的なレベルで測定可能にすることである。
730 電気紡糸法による高性能・多機能カーボンナノファイバーの新規開発 KIM YOONGAHM 信州大学 宮坂 秀明 信州大学 電気紡糸法を用いて、ナノサイズのカーボンファイバー(CNF)をシート状に配向させて形成する手法を活用して、従来の製造方法では達成できなかった高電伝性、熱伝導性、高強度、そして高感度センシング機能が付随した次世代スーパー繊維としての可能性を検討する。
731 改質カーボンナノチューブを用いた多機能性フィラーの開発 金 龍中 信州大学 宮坂 秀明 信州大学 技術内容としては、電気二重層キャパシタ(ELDC)用電極フィラー量産カーボンナノファイバー(CNT)の表面を化学的手法で改質し、高い比表面積と電気電導性を同時に兼ね備えた電極フィラ−を開発するものである。実施内容としては表面改質CNTの物理化学特性検討やキャパシタ特性に関わる電気化学特性検討である。目標値はカーボンブラック添加のELDCに対しエネルギー密度とパワー密度の10%以上改善である。
732 地下水流動経路分離型年代測定法の開発 中屋 眞司 信州大学 宮坂 秀明 信州大学 複数の井戸水の化学分析から、都市域の地下水の流動経路を探索し、流れの移動・滞留時間や流動履歴を高精度で測定する方法を開発する。汚染対策、水資源の利用、工事による流動阻害対策、地下水管理などに適用する。ガスクロマトグラフを改良し、水中のCFC類の濃度を測定し、ヘンリーの法則を用いてCFC類の濃度を大気条件に換算し、大気中の過去のCFC濃度-時間記録と地下水流動経路分離技術を組み合わせて構築する。
733 振動波を用いたアオコ駆除方法の開発 朴 虎東 信州大学 山崎 淑夫 信州大学 外乱の影響を排除した小規模の室内実験(低周振動波)でアオコの原因藍藻類の生長を抑制するメカニズムを明らかにする。 その結果に基づき、小型実験機を水槽等に設置して操作条件等を調整し、効果を確認する。次いで、中規模用の振動発生実験機の試作と条件出し振動波発生装置を湖沼で使用できる大きさに製作した場合に室内実験結果と同じ結果を得られるように装置の規模と作用を調整する。
734 Cyclin EとLMP2を用いた子宮平滑筋肉腫の新規術前診断法の開発 林 琢磨 信州大学 杉原 伸宏 信州大学 良性である子宮平滑筋腫(LMA)と悪性である子宮平滑筋肉腫(LMS)を鑑別することは、熟練を要したり確実性が高くないなど現行技術では困難である。本課題では、LMSに対する新規鑑別マーカーとして、研究シーズである抗Cyclin E抗体での診断方法を確立させ、別途先行して確立を進めている抗LMP2抗体での診断法と組み合わせることにより、簡便な子宮平滑筋肉腫の免疫組織染色診断法を開発するものである。
735 音波による噴流制御技術の開発 飯尾 昭一郎 信州大学 田草川 信雄 信州大学 本試験は、孔から噴出する噴流の特性(混合拡散、熱・物質輸送)を、噴流せん断層に空気振動を与えることで制御する技術に関するものである。噴流は、食品加熱、半田づけ加熱、食品冷凍など様々な産業分野で利用されており、本制御技術の用途は幅広い。これまでに試作した噴流制御装置を用いて、噴流を制御する空気振動の周波数、振幅、モードと噴流特性の関係を正確に把握することにより、効率的な噴流制御方法の実現を図りたい。
736 超臨界二酸化炭素を利用した高分子エマルションの微粒化技術の開発 内田 博久 信州大学 田草川 信雄 信州大学 本課題は、O/W型高分子エマルションの微粒化技術に関するものであって、超臨界二酸化炭素の高分子に対する高溶解性と高拡散性を利用し、水(連続相)中に分散している高分子微粒子(分散相)に超臨界二酸化炭素を溶解させた高分子エマルションを微細ノズルを通して大気中に急速放出し、この際に生じる剪断力と分散相内の二酸化炭素の膨張による破裂効果により分散相を微細化させる手法である。本課題では、試験レベルがほぼ終了した本技術の医薬・化粧品分野での実用展開を目指して、「技術の汎用性の強化」と「分散相粒径の自由設計の実現」を目標とする。
737 耐塩性セルラーゼ製剤の耐熱化と利用技術の開発 水野 正浩 信州大学 田草川 信雄 信州大学 海洋性糸状菌を用いて開発した、耐塩性セルラーゼを含む粗酵素剤の耐熱性を向上させること、及び、酵素製剤としての粗酵素剤の利用技術に関するものである。既に試作した粗酵素剤をバイオマス再生技術の酵素製剤として利用するには、さらに高い耐熱性が求められる。また、効果的な利用技術の検討も必要である。本研究では①粗酵素剤に含まれる耐熱性セルラーゼの割合を高める方法、②酵素製剤として有効な利用技術を検討する。
738 プラズマアシストフラックス法によるバイオナノ結晶/ポリマー複合材料の開発 手嶋 勝弥 信州大学 田草川 信雄 信州大学 本課題は、溶液からの結晶育成法の一種であるフラックス法にて、外部エネルギーとして大気圧プラズマを用いて、ポリマー表面に高品質なナノ結晶層を直接形成した新規複合材料を開発する。通常のフラックス法では、溶液(反応系)を加熱・冷却し、過飽和度を制御することで結晶を作製する。本課題では、大気圧プラズマを用いることで、系の加熱が不要となり、ポリマーなどの非耐熱材料表面で結晶を直接作製できる。特に、さまざまな材料表面にアパタイト結晶層を形成し、新規バイオ材料(1種以上)を提案する。その際、バイオ応用の一指標となる、タンパク質吸着性(25mg/g)や生体親和性(細胞培養判定)の獲得をめざす。
739 医薬研究のための、疾患モデルマウス迅速作成技術の開発 新藤 隆行 信州大学 百瀬 傳一 信州大学 遺伝子改変マウスは、ヒトの疾患モデル動物として、医薬研究の基礎から臨床応用までの幅広い研究に応用されている。しかしながら、従来の方法での遺伝子改変マウス作製は大変複雑で、多くの労力と時間を要する。そこで、遺伝子改変マウス作製の多岐にわたるステップに、独自に開発した素材と技術(特許出願準備中)を導入し、短期間に、多目的分析を想定した遺伝子改変マウス作成を可能とするシステムを開発する。
740 食品機能評価への応用に向けたマウスマスト細胞ハイブリドーマの特性解析 河原 岳志 信州大学 福澤 稔 信州大学 マウス骨髄細胞由来マスト細胞(BMMC)とマウスマスト細胞株P815を細胞融合することで樹立した研究シーズである脱顆粒応答能と無限増殖能を併せ持つマスト細胞株(ハイブリドーマ)の特性付けを行うものである。検討項目としてアレルギー症状への関与からマスト細胞の特性として特に重要視されるヒスタミンとロイコトリエン類をターゲットに詳細な解析を行う。
741 葛デンプン製造から生じる廃棄物繊維の機能性評価 廣田 満 信州大学 福澤 稔 信州大学 葛デンプンの製造に伴って、廃棄物として葛根繊維が大量に生じる。この葛根繊維から申請者はDPPHラジカル消去作用を指標に、強い活性を示す新規ラジカル消去物質を単離した。この化合物の構造、脂溶性に着目し、この化合物がラジカル消去活性に加え、カビや細菌に対する抗菌活性、炎症抑制活性を示す可能性が高いと考察した。本研究では化合物の生理活性についての基礎データを得て,機能性天然繊維としての利用につなげることを目的とする。
742 牛乳房炎早期発見のためのウシケメリン高感度検出方法の開発 盧 尚建 東北大学 福澤 稔 信州大学 本研究開発は、牛乳房炎の早期発見のために乳汁中のウシケメリン(Chemerin)タンパク質を検出する方法を開発するものである。ウシケメリン遺伝子配列を基に、組み替えタンパク質を作製し、これを抗原としてポリクローナルケメリン抗体を作り、ケメリンを検出するために必要なアッセイ方法を開発する。これにより、乳房炎の早期発見のために安価で簡便に検出できる高感度検出キットを考案する。
743 突発的辛味発現のない野菜用トウガラシ品種育成に向けたDNAマーカー開発 松島 憲一 信州大学 福澤 稔 信州大学 突発的な異常辛味を発現することがあるシシトウ等野菜用甘味トウガラシ品種に、シーズである「極低辛味遺伝子(cf )」を導入する研究である。このcf遺伝子は単因子で働くため環境に影響されにくく、安定的に極低辛味形質を維持、発現するトウガラシ品種開発に寄与できる。このため、本課題ではcf遺伝子に連鎖したDNAマーカーを開発し、突発的な辛味発現をすることのない野菜用トウガラシ品種育成に利用するものである。
744 ダイズのハイブリッド品種育種に向けた温度感応性雄性不稔植物の開発 齋藤 勝晴 信州大学 福澤 稔 信州大学 マメ科モデル植物のミヤコグサから温度感応雄性不稔系統を単離し、その原因遺伝子がNUP85であることを明らかにした研究シーズの展開である。ミヤコグサで得られた知見を利用し、現在自給が課題となっているダイズから温度感応性を示す雄性不稔系統を選抜することを目的とする。本課題では、ダイズを突然変異誘発剤で処理することよって点突然変異個体を作成し、nup85変異体のスクリーニングを行う。
745 穀類のポリフェノール成分富化技術の開発 藤田 智之 信州大学 福澤 稔 信州大学 外殻を有する穀類に加圧処理等を行い、穀類可食部のポリフェノール成分を富化する新たな技術の開発を目指したものである。小麦においては加水し、加温・加圧処理することで、製粉後の小麦粉中のポリフェノール成分を高める研究シーズを得ている。そこで、玄米および大麦等の処理方法について検討し、抗酸化性等の機能性を有するポリフェノール成分を数倍程度に高めた製品を提供することを目標とする。
746 水溶性バイオマス多糖を原料としたエタノール生産システムの開発 中村 宗一郎 信州大学 福澤 稔 信州大学 クマザサに豊富に含まれ水抽出によって容易に調製することのできる水溶性バイオマス多糖のアラビノガラクタン及びキシログルカンを原材料としてバイオエタノールを安価に効率よく生産しようとするものである。本研究では研究シーズであるβグルコシダーゼ遺伝子を導入した組換え酵母を利用して、五炭糖発酵細菌を含む微生物種との組合せを用いた並行複発酵により、高収率のエタノールを安定して製造する条件についての検討を行う。
747 超精密加工のための熱変形推定システムの開発 下平 隆 長野県工業技術総合センター 酒井 伸 長野県工業技術総合センター 6箇所の温度変化を0.001℃の分解能で測定する技術を開発し、この測定装置により分析した結果、ナノメートル分解能の加工機では加工機各部の1℃程度の僅かな温度変化が加工精度に直接影響することが判明した。
精密加工において問題となる温度変形を推定するシステム実現のために、50箇所程度の温度測定装置、及び、多点の温度変化情報から加工機の熱変形を推定する知識処理ソフトウエアを開発する。
748 小角電子線回折による多孔質材料の構造解析と開発 押田 京一 長野工業高等専門学校 坪井 開 (財)長野県テクノ財団 本研究は、活性炭などのランダムな最高を有する多孔質炭素材料の構造解析に、電子線回折による小角電子線散乱法を応用して、その細孔をビジュアル化して、3次元構造を正確に解析する技術を確立するものである。透過電子顕微鏡(TEM)を用いて、電子線回折の中央部を解析するとともに、TEMの結像機能を利用して小角散乱した電子線を用いて結像し、視覚的に構造を把握して、材料設計に反映することを目的とする。
749 超音波振動による自動車アルミホイール用320MPa級合金鋳物の開発 長坂 明彦 長野工業高等専門学校 坪井 開 (財)長野県テクノ財団 本研究は、アルミニウム合金の溶融段階での超音波振動付加による凝固組織の微細化を利用し、強靭なアルミニウム合金鋳物を製造するものである。超音波振動により瞬時に組織の微細化をはかることで高強度で低コストな製品を開発することを目的としている。具体的な目標としてはロボットアームや自動車鋳物部品などの320MPa級の高強度化と軽量化の両立を確立することである。

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