No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1 |
自然免疫能評価法の開発と医療・食品分野への応用 |
大谷 克城 |
旭川医科大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
クローン病や潰瘍性大腸炎からなる炎症性腸疾患は、厚生労働省指定の特定疾患である。本疾患の診断は、問診、画像診断および病理組織診断を総合してなされており、簡便な診断法はない。申請者らはチロシンキナーゼを網羅的に検出するマルチキナーゼ抗体を開発し、この抗体を用いて潰瘍性大腸炎の発症に伴って発現量の変化するチロシンキナーゼを見出した。本申請ではこの現象が人でも観察されることを確認した上で、この抗体と患者の直腸擦過スメア検体を用いた簡便な診断法の開発、実用化を目指す。 |
2 |
炎症性腸疾患症例の直腸擦過スメア検体スクリーニング/診断キットの開発 |
谷口 隆信 |
旭川医科大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
コレクチンは自然免疫を担う分子であり、感染に対する防御機構において重要である。これらの血中濃度を測定することにより自然免疫能を評価する系を確立することを目的とし、高感度に同時に多項目解析を行うことができるシステムの構築を行う。この系の確立により、医療においては、感染予防、治療方針、さらに予後の対策に応用でき、また、食品分野においては、機能性食品などの免疫系への作用を評価するシステムとして実用化を目指す。 |
3 |
熱伝導率の小さい極低温信号伝達用ケーブルの開発と評価 |
久志野 彰寛 |
旭川工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
医療、材料分析、自然科学等の幅広い分野で、超伝導センサに代表される極低温検出器を用いた計測が行われようとしている。その実用化には多数の検出器を並べて計数効率を高める必要がある。ただし配線増による極低温への熱流入が新たに大きな問題となってくる。本提案では、極低温からの信号伝達用ケーブルの熱伝導率をより小さくする製造法を検討し、実際に製造したケーブルの熱的特性の測定を通じ、その実用化の見通しを得る。 |
4 |
バイオロジカル・コントロールを用いた木製土木構造物の腐朽遅延技術の開発 |
富樫 巌 |
旭川工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
木材利用に際しては、必要に応じて薬剤による防腐処理が施される。しかし近年、化学物質過敏症などの問題から薬剤に頼らない保存技術が求められだした。本研究では、木材腐朽菌に寄生するカビ(トリコデルマ属菌)を用いて、木製土木構造物で最も腐朽が起きやすい地際部の腐朽遅延技術の確立を目指す。屋外での利用となるため、担持材料に固定化したカビの耐候性(高・低温度耐性や乾燥耐性など)の把握も試みる。 |
5 |
残廃土を再利用した調湿・調温・耐シックハウス建材の開発 |
岩渕 義孝 |
釧路工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
本研究課題は、産業廃棄物である残廃土を再利用した調湿・耐シックハウス建材を開発するもので、さらに一歩進んで、調温機能も付与させた素材の製造プロセスを確立するものである。この素材は残廃土を原料に、低温焼結によって製造するもので、さらに小空隙を生み出す粒状発泡スチロールや、混練された木炭等有機質材料の炭素成分で被覆することによって、黒色化セラミックスが生み出される。 |
6 |
水産資源量調査のための海底画像からのホタテ高精度抽出 |
戸田 真志 |
公立はこだて未来大学 |
鈴木 孝司 |
公立はこだて未来大学 |
本研究の目的は、資源量調査のために撮影された海底観測画像群の解析により、そこに写るホタテなどの水産資源の数や大きさ、状態(生死)を自動的に計測可能なシステムの構築を図ることである。自動化にあたり、撮影環境は照度差が大きく且つ砂、泥等、多様な背景を有する高ノイズ環境である、など課題が多い。本研究では上記課題に対し、色相に着目した特徴量の開発と、その特徴量を用いた画像の高精度クラスタリング技術により解決を図る。水産資源は、本年度はホタテに特化して研究を進める。 |
7 |
回転パノラマX線画像上における計測器具の開発 |
細川 洋一郎 |
弘前大学 |
工藤 重光 |
弘前大学 |
歯科臨床において発展の目覚しいインプラント処置においては、画像診断上、距離を高精度で測定する必要があり、その測定にはCTが最も適しているが、それを利用できない歯科医院も多い。一方、歯科医院では回転パノラマは広く普及しているが、この撮影法は画像上に特有の歪みがあり、2点間距離を画一の計算法では算出できない欠点がある。そこで本研究では、パノラマ装置用に距離測定器具を開発し、その精度を評価する。 |
8 |
肺コレクチンを用いたレジオネラ菌感染防御への応用 |
黒木 由夫 |
札幌医科大学 |
一瀬 信敏 |
札幌医科大学 |
レジオネラ菌は細胞内寄生菌で、レジオネラ肺炎が一旦発症すると、特に高齢者では重篤となり、社会的にも注目されている。肺コレクチンは、気道・肺胞に存在する生体防御レクチンで、呼吸器ににおける重要な自然免疫因子である。本研究では、レジオネラ菌の増殖、および、マクロファージに貪食された後の細胞内増殖に対する肺コレクチンの抑制作用とその機序を解明し、レジオネラ菌感染防御因子としてのコレクチンの臨床応用を目指す。 |
9 |
ジアシルグリセロールキナーゼα阻害によるメラノーマ治療 |
坂根 郁夫 |
札幌医科大学 |
一瀬 信敏 |
札幌医科大学 |
メラノーマは、NF(nuclear factor)-κBが常時活性化されおり、現在のところ有効な化学療法は存在しない。最近、ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)αの特異的阻害剤の投与によってNF-κB活性を阻害し、メラノーマの死を細胞レベルで誘導することが可能となった。そこで、この成果に基づき、DGKαを標的としたメラノーマに対する新たな治療薬を開発するための第2段階として非臨床試験を行い、本薬剤の実用化の見通しを得ることを目指す。 |
10 |
迅速な特定遺伝子検出を可能とするマイクロ波照射ハイブリダイゼーション法の開発 |
鈴木 正昭 |
産業技術総合研究所 |
太田 英順 |
産業技術総合研究所 |
遺伝子診断やクローニング等の研究においては核酸のハイブリダイゼーションの反応速度の遅いことが問題となっている。本研究ではマイクロ波によってハイブリダイゼーションを加速し、再現性・信頼性の高い実証装置およびこれに対して最適化されたハイブリダイゼーション液を開発することを目標とする。この装置はFISH法やサザン・ブロット法などの多様な用途に適用可能である。 |
11 |
水素をプローブに用いた新しい累積疲労損傷検出技術の開発 |
駒崎 慎一 |
室蘭工業大学 |
石坂 淳二 |
室蘭工業大学 |
本研究課題では、水素をトレーサーに用いた新しい累積疲労損傷検出技術の開発を目的とする。具体的には、系統的に疲労損傷を付与した原子力圧力容器用鋼の水素放出スペクトル測定を行って、疲労履歴(ひずみ範囲、疲労サイクル数、温度)と水素パラメータ(水素放出のピーク値およびピーク温度、水素放出量など)の関係を定量化して、き裂発生以前の極初期の累積疲労損傷を計測・評価するための技術を開発する。 |
12 |
手書き作図基盤ソフトウェアシステムSKITの汎用化試験 |
佐賀 聡人 |
室蘭工業大学 |
鈴木 雍宏 |
室蘭工業大学 |
ペンによるスケッチ入力だけで本格的な幾何作図を完了できる基盤的手書き図形認識技術として我々が提案したSKIT (SKetch Input Tracer)の実用化を目的として、SKITの操作性向上および汎用的利用環境の整備を行い、さらに試作版SKIT(第2版)をWebサイトで公開する。このことにより広く国内外の一般ユーザおよび産業界関係者がSKIT技術の真価を体感できる環境を整え、本格的な製品化へ向けて産業界からのフィードバックを得られる状況を創出する。 |
13 |
構造用温度補償リアルタイムFBG歪センサシステムの開発 |
佐藤 信也 |
室蘭工業大学 |
鈴木 雍宏 |
室蘭工業大学 |
土木・建築分野における事故を未然に防ぐための歪み常時監視システムを低コストで構築できる新しい計測手法を確立する。本研究で提案するFBG歪み計測法は、光スペクトラムアナライザで反射スペクトルを測定する従来のFBGセンサシステムよりも、小型かつ高速なシステムを安価に構築することが可能となる。 |
14 |
浮上性粒子の粒径分布測定装置の開発 |
小幡 英二 |
室蘭工業大学 |
朝日 秀定 |
室蘭工業大学 |
沈降法による粒径分布測定は時間と熟練を要する。また、短時間で測定できる機器類は高価である。安価でかつ簡単に粒径分布を測定する方法として浮力秤量法を考案した。特に測定が困難な浮上性粒子の粒径分布測定装置を設計・作製し、粉体粒子の粒径分布を測定する。粒径分布測定装置の設計・操作理論の検証、他形式の粒径分布測定装置との比較および評価を行うものである。 |
15 |
塩ビ含有廃プラスチックの化学原料化・燃料化リサイクル技術の開発 |
上道 芳夫 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
耐塩素性プラスチック分解触媒を用いて、塩ビ含有ポリオレフィンを石油化学原料・燃料へ高効率転換可能なケミカルリサイクル技術の開発を目指す。金属修飾シリケート系触媒の塩ビ許容濃度と最適反応条件を検討し、さらに廃プラスチック中の塩ビ以外の不純物が触媒性能に及ぼす影響を明らかにする。これによって、塩ビの高度選別除去を必要としない廃プラスチックの触媒分解プロセス開発の見通しを得る。 |
16 |
ワイドギャップ酸化物半導体薄膜作製技術の開発と応用 |
植杉 克弘 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
ワイドギャップ半導体は、シリコンに比べて低損失、耐電圧、高温動作に優れたデバイスを実現できる材料として期待されている。本研究では、窒化ガリウム上に格子不整合が小さく、ワイドギャップの酸化物半導体薄膜を作製する技術の開発を進め、酸化物/窒化物半導体ヘテロ構造を用いたパワーデバイスの開発を目的とする。 |
17 |
多自由度球面超音波モータの高トルク化の研究 |
青柳 学 |
室蘭工業大学 |
朝日 秀定 |
室蘭工業大学 |
円環振動子を用いた多由度球面超音波モータの高トルク化を図り、ロボットの関節駆動アクチュエータとして応用することを目的とする。本モータは2出力を有し、基本動作の確認および球状ロータの位置検出・制御は実現できているが、実用的な駆動トルクに不足している。本開発課題としては、球状ロータと接触するステータの摺動面形状の改良および回転要素間のトルク合成などを試み、トルク伝達特性の向上を図る。 |
18 |
マイクロ波シミュレーション専用計算機・FDTD/FITマシンの開発 |
川口 秀樹 |
室蘭工業大学 |
鈴木 雍宏 |
室蘭工業大学 |
電子機器の高速・高周波化に伴い、電磁ノイズの解析・予測等、産業応用の現場で電磁気的に現象を把握すべく数値計算への需要が急速に高まっている。しかしながら既存の計算機環境では計算結果を得るまでのターンアラウンドタイムが長く激しい開発競争下での要求に応えることができていない。これに対し本研究では、専用計算機というHPC技術方式に着目しマイクロ波シミュレーション専用計算機の開発を検討する。 |
19 |
高感度磁気センサを用いた配管等の厚み遠隔測定法の開発 |
中根 英章 |
室蘭工業大学 |
花岡 裕 |
室蘭テクノセンター |
工業プラント等において、圧力容器や配管の板厚などの計測は安全性確認の立場から、必須の要件であり、法令上も規定されている。しかし、このような容器や配管、通常、断熱材や塗料層などで覆われ、材料表面への直接計測は不可能な場合が多く、従来の超音波法や渦電流検査法では直接接触あるいはそれに近い状態でないと測定が不可能であった。本課題では高感度磁気センサを用いることにより、断熱材や塗装層などが存在しても、材料の厚みなどの形状測定を可能とする試みであり、非破壊検査技術上、画期的な手法を提示し得ると考える。 |
20 |
衝撃強さを向上させた摩擦圧接継手作製法の開発 |
田湯 善章 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
摩擦圧接法によって作製された継手は原理的に接合面が平らになりやすく、比較的衝撃強さが低いと言われる。そこで、摩擦圧接面の形状を変えることにより継手の衝撃強さを向上させることが目的である。また、汎用の旋盤に圧力制御装置を備えた治具を取り付けて摩擦圧接を行い、十分な強度を有する継手の作製法とともに汎用設備の有効利用について検討する。 |
21 |
多数非劣解集合からの設計支援システムの実現 |
渡邉 真也 |
室蘭工業大学 |
鈴木 雍宏 |
室蘭工業大学 |
多目的最適化により得られる非劣解集合は、多変数、多目的かつその解候補の数も多数存在するという特徴がある一方、解空間全体から見て「他の解と比較して一意に劣っていない」という特徴を持つ有用性の高い部分空間でもある。本申請課題では、そのような非劣解集合から問題の特徴量および傾向を抽出し、設計者の求める情報を対話的に提供する設計支援システムの実現を試みる。本システムでは、設計者が嗜好する解を選択するための支援というよりも、最適解を設計するためのプロセスに関する情報を提供することを目的とする。 |
22 |
耐熱性及びリサイクル性を有する新規バイオプラスチックスの開発と応用 |
平井 伸治 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
シルク成形体は、シルク繊維のガラス転移温度が175℃であることから、ポリ乳酸にはない耐熱性を有する可能性がある。そこで、シルク成形体のガラス転移温度の測定により耐熱性を評価する他、竹繊維が配列したシルク成形体を作製し、一層の耐熱性の向上を図る。また、耐熱性と機械的特性を維持しながら、経済性とカーボンニュートラル社会構築の観点からそのリサイクルの可能性について調査する。 |
23 |
細菌が合成するナノ磁性ビーズ鎖の研究と医療技術への応用 |
澤田 研 |
室蘭工業大学 |
朝日 秀定 |
室蘭工業大学 |
高齢化が進む中で新規医療技術の開発は不可欠である。そこで、磁性細菌が合成するナノ磁気微粒子に注目した。この粒子はナノサイズで粒径が均一なマグネタイト結晶(磁石)が生体膜で包まれている。本申請では、1)磁気微粒子の産生に関わるタンパク質の機能解析 2)簡便かつ精製度の高い磁気微粒子の精製方法の検討 3)新規磁性細菌の検索 細菌が合成する磁気ビーズを研究することで医療技術への応用に道を開く。 |
24 |
前走車両方位検出センサの開発 |
永草 淳 |
十勝圏振興機構 |
飛川 剛 |
十勝圏振興機構 |
国内外で市販されているマイクロ波ドップラモジュールを応用した、低コストで精度が高く、かつ短時間計測が可能な、前走車両方位検出センサの実用化研究を目的とする。実用化のためには前走車方位走査機構の開発や、車両姿勢や相互位置関係等の変化を考慮した検出領域の検討が必要である。本年度は、農地での利用を前提とした車両方位検出センサを試作し、翌年度以降にフィールドでの実証試験が可能な状態とする。 |
25 |
たわみを抑制したブームスプレイヤーのアーム形状の開発 |
佐藤 典彦 |
十勝圏振興機構 |
飛川 剛 |
十勝圏振興機構 |
三次元CADによる応力解析のシミュレーションを活用し、農薬散布作業に使用されるブームスプレイヤーのたわみを抑制したアーム形状を開発するものである。データの信頼性を確認するために試作機による実測も行い、これらの設計手法が新規開発に有効であることを実証する。 |
26 |
酵母を併用した特長的芳香を有する新規発酵バターの開発 |
川原 美香 |
十勝圏振興機構 |
大庭 潔 |
十勝圏振興機構 |
乳及び乳製品から分離された新規酵母株を発酵バターの製造に応用し、クリーム中で良好な風味を生成する酵母株の発酵適性を評価し、従来の乳酸菌に加え、乳糖発酵性酵母を併用した特長的芳香を有する新しい発酵バターの開発を行い、製造技術の確立を目指す。 |
27 |
ランダム配向膜を用いた液晶可変光変調器 |
角田 敦 |
千歳科学技術大学 |
大沼 友一郎 |
千歳科学技術大学 |
スメクチック液晶の加熱記録方式は、高コントラストと自己保持性を有するため、光通信システムにおける光変調器等に有効である。しかし従来、透過光が不連続に変化する過程が不可避で、適用が妨げられていた。本提案はこれを克服する新規な記録素子として、新規な配向膜と全透過を回避する新記録方式を使用する。これにより、安価で低電力な光変調器を開発し、各家庭に至る光ファイバ通信システム(FTTH等)に有益に寄与できる。 |
28 |
ウシ小型ピロプラズマ病血清診断用抗原の標準化 |
河津 信一郎 |
帯広畜産大学 |
田中 一郎 |
帯広畜産大学 |
ウシ小型ピロプラズマ病は、全国の牧野で発生し、その食料生産に与える影響は少なくない。一方、小型ピロプラズマ病の診断については、これまでに、原因原虫の粗精製タンパク質を抗原とした、血清診断法の試験開発がおこなわれてきた経緯がある。しかしながら、現行の血清診断法は精度・感度ならびに再現性の問題から野外一般での標準的な使用には至っていない。これらの状況を踏まえて本研究では、同原虫の組換えタンパク質を抗原とする血清診断法の開発とその標準化を目標とする。 |
29 |
ブラウンスイス種の乳を用いた高機能性乳製品の開発 |
花田 正明 |
帯広畜産大学 |
藤倉 雄司 |
帯広畜産大学 |
泌乳能力の改良が進んだホルスタイン(HF)種に代わり放牧飼養に適しているといわれているブラウンスイス(BS)種の導入により省穀物型の牛乳生産システムの構築が試みられつつある。放牧主体飼養への転換は穀物や化石燃料の使用量の減少による環境負荷の低減や食品の安全性の向上、乳牛の健康増進等が期待される。本研究では放牧主体飼養されたHF種とBS種の乳中の共役リノール酸やβカロチン含量を比較し、放牧主体飼養時におけるBS種の乳の特徴を明らかにし、機能性成分含量の高い乳製品の開発を試みる。 |
30 |
セルロース系バイオマス分解性糸状菌の開発 |
小田 有二 |
帯広畜産大学 |
藤倉 雄司 |
帯広畜産大学 |
セルロース系バイオマスの糖化実験には糸状菌Trichoderma reesei由来のセルラーゼが広く利用されているが、実用化に際しては使用する酵素の大幅なコストダウンが必須となる。その打開策のひとつとして、セルラーゼを活発に生産する糸状菌の培養液を酵素源として使用する方法が考えられる。本研究ではTrichoderma reesei以外の糸状菌からセルロース分解活性の高い菌株を取得する。 |
31 |
乳牛の成長ホルモンおよび黄体形成ホルモン受容体多型と卵巣機能との関連性の解明 |
清水 隆 |
帯広畜産大学 |
藤倉 雄司 |
帯広畜産大学 |
近年、乳牛の高泌乳化が著しく進んでいる一方で、卵巣周期回復の遅延や受胎率低下などの繁殖性の低下が深刻な問題になっている。乳生産に関与する成長ホルモン(GH)受容体や繁殖性に影響する黄体形成ホルモン(LH)受容体に多型のあることが示されているが、多型と繁殖性との関連性については不明である。そこで本研究では、高泌乳牛におけるGH受容体とLH受容体の多型を調査し、これらの多型と分娩後最初の主席卵胞の排卵の有無との関連性について検討する。 |
32 |
農産物由来スフィンゴ脂質による消化管炎症に対する効果に関する研究 |
大西 正男 |
帯広畜産大学 |
田中 一郎 |
帯広畜産大学 |
農産物より得られる機能性脂質であるスフィンゴ脂質(セラミド、セレブロシドなど)の消化管に与える影響について、特に消化器官への抗炎症、実際の疾病として大腸炎に対する効能について、薬剤投与による実験動物系を用いて研究し、これらの脂質の健康機能性を解明する。 |
33 |
高度プラスチック分解性を有する新規微生物資材の開発と応用 |
大和田 琢二 |
帯広畜産大学 |
藤倉 雄司 |
帯広畜産大学 |
用途が非常に広く、主要なプラスチック廃棄物の素材であるポリウレタン(PUR)を高度に分解する微生物資材の開発と応用を目的とする。この目的を達成するために、PUR分解菌の遺伝子レベルでの同定とPUR分解活性を高く維持できる培養条件を検討する。また、培養された分解菌や酵素を実用化に即した形体にするため、分解酵素の性質と資材・製剤化の検討、並びに、種々のPUR原材料やその廃棄物に対する分解活性を検討する。 |
34 |
家畜糞尿の堆肥化促進および臭気抑制効果を有する炭化物資材の開発 |
谷 昌幸 |
帯広畜産大学 |
田中 一郎 |
帯広畜産大学 |
本研究では、家畜糞尿に添加することにより堆肥化促進効果などが期待できる炭化物資材を開発する。まず、木材チップなどに鉄イオン溶液を含浸させて炭化物を製造する技術を開発する。次に、得られた炭化物を家畜糞尿に添加した堆肥化試験を行って、堆肥化や腐植化、臭気抑制などに及ぼす影響を検証する。さらに、得られた堆肥が植物生育に及ぼす影響について検討を行う。 |
35 |
イヌのブルセラ病の簡易診断法の開発と応用 |
度会 雅久 |
山口大学 |
大高 聰 |
山口大学 |
この数年で大阪、沖縄、静岡などのイヌの繁殖場で大規模なブルセラ病の流行が報告されている。ブルセラ病は流産を引き起こす疾病で、ブルセラ菌感染による人獣共通感染症である。流産以外の症状に乏しく、臨床症状のみによる診断は不可能である。大規模な流行が起きた場合、ブルセラ陽性犬は殺処分されるため動物愛護の観点からも問題は重大である。簡易診断法が存在しないことから、これまで検査が普及していなかった。本研究は簡易診断法を開発し、ブルセラ病の蔓延を防止することを目指す。 |
36 |
農用馬の食肉転用に関する基礎的研究 |
島田 謙一郎 |
帯広畜産大学 |
藤倉 雄司 |
帯広畜産大学 |
ばんえい競馬などの能力検査に不合格した農用馬に対する有効な利用方法が現在求められている。その一つに肉用馬への転用が挙げられる。北海道で生産された馬は最終的な仕上げだけ九州で行い、と畜後、死後硬直が完了するまで枝肉で保管されず、すぐに部分肉まで解体されて低温流通されている現状にある。これは熟成せずに食べていることを意味する。本来なら熟成すれば美味しく食べられるのだから、熟成期間などを定めるためにも熟成中の詳細な変化を調べる必要がある。 |
37 |
セラミックを利用した高品質チーズの技術開発に関する研究 |
永島 俊夫 |
東京農業大学 |
西澤 信 |
東京農業大学 |
かつてから土鍋、かまど、屋根瓦など、我々の生活と文化に密着してきたセラミックは、今日その遠赤外線及び活性微弱エネルギーを吸収放射するという特性が再評価され、様々な分野において注目されている。このセラミックをチーズの原料である生乳の運搬過程(貯蔵タンク)と熟成過程における熟成庫の空調及び熟成棚などに用いることで、チーズの製造・熟成及び品質安定化の技術開発を目的とする。また、オホーツク地域の優良な地場産の材料を利用することによって、高品質かつ安心・安全なチーズの開発を目指す。 |
38 |
北海道産ホッキ貝の特色を生かした短期間食品熟成法の開発 |
岩波 俊介 |
苫小牧工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
道内産業活性化のため、肝機能改善や血栓溶解作用などに効果のあるタウリンや旨み成分が多く含まれている苫小牧発ホッキ貝の特色を活かした食品の開発を行うものである。すなはち、試験器による温度管理を行った低温濃縮を用いた旨み成分の濃縮、熟成期間の短縮を行うための発酵条件、変性臭の原因になるオリの除去ならびに滅菌技術について確立し使用することを視野に入れ、旨味成分を最大限に引き出した食品の開発を行う。 |
39 |
微生物活性化材を用いた地盤改良工法の開発と応用 |
吉澤 耿介 |
苫小牧工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
地盤中に微生物活性化材を混入・転圧し、好気性微生物を活性化させることによって従前から用いられている地盤改良工法と同じく、軟弱地盤における地盤強度に対する地盤改良効果を得ようとする工法である。実験により多くのデーターを蓄積し、微生物活性化材添加量と地盤の強度増加との関係を見出し、設計段階でその添加仕様を決定できるようにしていき、将来的には広く用いることができる工法として確立しようとするものである。 |
40 |
木質系廃棄バイオマスから環境調和型高吸水性材料への変換技術開発 |
甲野 裕之 |
苫小牧工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
ビートファイバー、ポテトパルプ等に代表される木質系廃棄物を出発物質とし、廃棄物中に含まれるセルロースを低置換度でアセチル化、リン酸化等を施すことにより、環境調和型高吸水・保水性材料への変換を行う。出発物質、温度などの反応条件を比較検討し、生成物の特性を評価検討する。汎用アクリル酸系吸水ポリマーに匹敵する性能・低コスト化を実現すると同時に生分解性を活かした新しい応用分野を開拓する事が目標である。 |
41 |
天然糖質による誘導抵抗性を利用したイネの病害防除技術の開発 |
今井 亮三 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
本研究では、食品中にも含まれる天然糖質であるトレハロースによって誘導されるイネいもち病菌抵抗性に関して、トレハロース処理の諸条件と抵抗性獲得の関係を明らかにし、最大の抵抗性を誘導する処理条件を決定する。また、トレハロース誘導抵抗性のマーカー遺伝子を同定し、それらの発現を抵抗性の検定に利用する。本研究により、トレハロースを用いた画期的な安全性をもった防除技術の開発を目指す。 |
42 |
災害時構造物モニタリングのための無線センサネットワーク制御の研究 |
藤原 孝洋 |
函館工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
長期間稼動することが要求される無線センサネットワークでは、ノードの電源を定期的にON/OFFし、電力消費を軽減するための制御方式が研究されている。一方、災害時に橋や建物等の構造物の損傷を把握するためには、常時計測可能なセンシングシステムが必要である。この連続した計測と省電力化という相反する要求は、センサネットワークを活用する上で重要な課題である。本研究は、センサネットワーク制御のための基礎的な知見を得るとともに、災害時に構造物が受ける被害をモニタリングするための方式について検討する。 |
43 |
水産系副次産物を利用した高機能性材料に関する試験研究 |
下野 功 |
函館地域産業振興財団 |
澤谷 拓治 |
函館地域産業振興財団 |
我が国で毎年25万トンも発生するホタテガイ貝殻(水産系副次産物)を付加価値の高い機能性材料として有効利用することを目的に、ありふれた貝殻からは想像もつかない光学的機能を持った蛍光体材料を開発すための試験研究を行う。本課題では、これまでに培った製造プロセス技術をベースに、これに新しい技術をプラスし、貝殻製蛍光体の特性向上を図るための試験研究と、この貝殻製蛍光体を用いた応用製品の試作を行う。 |
44 |
低輝度高視認性発光表示機器の開発に向けた視認性評価技術に関する研究 |
村田 政隆 |
函館地域産業振興財団 |
澤谷 拓治 |
函館地域産業振興財団 |
EL素子は、大面積化も可能な非常に薄い面発光素子で、湾曲面への適用性にも優れているのだが、LEDに比べ低輝度のため、利用が進んでいない。また、これらの発光素子の高輝度化は消費電力も多く、用法によってはエネルギーロスを招く。本研究では、発光表示機器の効率的な省エネルギー化を目指し、視認性に着目した再現性がある低輝度高視認性評価装置を試作して、画像処理を利用した評価方法について実験的検証を行う。 |
45 |
象牙質フォスフォフォリン由来ペプチドを用いた硬組織再生治療への応用 |
安田 善之 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
現在、骨を積極的に誘導する材料としては骨形成タンパク質(BMP)が有力であり、強力な骨形成誘導活性を示すが、担体の種類や価格などの問題を抱えている。そこで、骨誘導性象牙質フォスフォフォリン由来ペプチドと生体親和性を有するタイプIコラーゲンとを架橋剤を用いて複合し、複合体上でヒト骨髄細胞を培養することにより細胞ハイブリッド型人工骨を作製して、ヌードマウス大腿骨における新生骨誘導を目指す。最終的にはBMPの作用に匹敵するような硬組織再生材料を開発する。 |
46 |
再石灰化促進作用を有する歯科材料の開発−虫歯修復材の耐久性向上を目指して− |
伊藤 修一 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
近年、虫歯などの歯の硬組織欠損を歯科修復材料で再建を行い、歯を保存しようとする歯科保存修復学の分野の歯科臨床において、接着性修復物が、より頻繁に使用されている。しかしながら、接着修復物の脱落、修復物周囲の2次的な虫歯ができるなど長期的な耐久性には、まだまだ改善すべき点が多い。そこで、接着性修復物に含まれるフィラーに着目し、象牙質再石灰化誘導活性を有するフィラーを開発することにより、歯科修復材料の耐久性を向上させることができる。 |
47 |
歯周病原菌の新規ペプチド抗原の診断・予防への応用 |
磯貝 恵美子 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
アレイ解析の結果から、愛玩動物の口腔内には人の歯周病の原因菌が存在し、これが人獣共通感染症であることがわかった。歯周疾患の原因細菌のゲノム解析をアレイCGDによって行い、すでに解読されているゲノム情報との比較から基本的な細菌細胞の生命現象および病原性遺伝子に絞り込み、関連する多くの遺伝子のネットワークを解明し,ここでの情報をもとに新規のペプチド抗原を複数決定できた。診断用抗原として、これらのペプチドの臨床応用を試みる。さらに、ワクチン用抗原として愛玩動物の口腔から人への感染を遮断するため、動物用ワクチンを開発する。 |
48 |
ヒト毒性軽減を指向したフェノキシ酢酸系および安息香酸系農薬の開発 |
遠藤 哲也 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
フェノキシ酢酸系および安息香酸系除草剤の多くは、モノカルボン酸トランスポーターにより吸収される。同トランスポーターと親和性の低い農薬を開発することでヒト毒性軽減が期待できる。また化学物質の生体毒性を予想するプログラム(KATE、国立環境研)を利用して、ほ乳類のみならず、魚類や甲殻類への毒性も予想し、生態系にも配慮した農薬の開発を進める。 |
49 |
魚類酵素の性質の解明と動物用医薬品への応用 |
関崎 春雄 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
寒流中に生息する魚類は低温適応性の酵素を持つことが明らかとされてきた。従って、今まで使用されてきた牛などの哺乳類の酵素と比較して、常温では高い活性が期待できる。本研究では、地の利を生かして殆どが廃棄されている寒流生息魚類の内蔵中の酵素を利用して、ペットブームで増加している小動物のための少量で効く医薬品の開発を目指す。 |
50 |
自己修復能を有する歯科用歯質接着性レジンの開発 |
橋本 正則 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
歯科用接着性レジンにモノマー含有ナノカプセルを添加することにより自己修復能をもつ接着性レジンを開発する。歯冠修復用レジンは長期臨床使用において咬合圧、水分浸透、唾液中のエステラーゼ活性などより二次カリエスの誘発、レジン修復物の脱離により再治療を余儀なくされる。しかし、劣化によりレジン内にリーケージが生じてもナノカプセルが破裂し、その内部にあったモノマーが流出し、マトリックス内の触媒に触れて重合硬化する機序により自己修復材料の開発が可能となる。 |
51 |
薬液を注入できる局所麻酔注射シミュレータの実用化研究 |
工藤 勝 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
医科学的に満足できる局所麻酔注射訓練模型は存在しない。申請者は局所麻酔する神経幹付近へ針を刺す模擬演習装置(伝達麻酔モデル)および薬液を低圧で少量注入すると注入部位が生体と同様に膨らむ模擬演習装置(浸潤麻酔モデル)を発明した。理想的な局所麻酔注射シミュレータには、適正位置に針を刺し、低圧で薬液を注入できることが望まれる。申請者は、浸潤麻酔と伝達麻酔モデルを組合わせ、耐久性等を向上し高品質化した局所麻酔注射シミュレータの実用化を推進する。 |
52 |
薬用植物カンゾウの薬理成分トリテルペノイドの生成技術の開発 |
高上馬 希重 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
薬用植物カンゾウは漢方薬「甘草」として利用され、甘味料、健康食品としても広く用いられている。肝機能改善や抗炎症などの薬理作用をもつトリテルペノイド化合物を多種類含んでいる。カンゾウの成長は遅く、製品として育つまでには数年を必要とする。そのため、短期間に安定してトリテルペノイド化合物を生成する培養細胞開発が切望されている。本課題では、培養細胞の増殖条件、トリテルペノイド化合物の生成条件の検討を行い、医薬品や健康食品、化粧品製品などの生産に応用されることを目標とするものである。 |
53 |
光造形を活用した矯正歯科治療支援ツールの開発 |
上地 潤 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
矯正歯科治療では、顎骨や歯の位置を三次元的に変化させることから治療計画の立案と治療目標の設定を三次元で正確に行うことが重要となる。本研究では、製品設計の現場で広く用いられている光造形法を用いて、仮想空間上に設定した治療目標を実空間の矯正患者に正確に具現させるための矯正治療支援ツールを開発し、その有用性を検討する。 |
54 |
腋窩臭減少効果をもつ薬剤の特定、腋窩臭分子の同定およびその測定法の開発 |
新川 詔夫 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
本研究は、多数のABCC11遺伝子型GGホモ接合体において、物質Xおよび偽薬を一定期間服用後、(1)腋窩臭減少の効果を二重盲検法で行い、且つ(2)候補の臭分子の減少を確認し、腋窩臭分子を同定するものである。 |
55 |
世界初の歯根面バイオコ−ティングを活用した汚染抜去歯再植の実用化研究 |
村田 勝 |
北海道医療大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
保存不可能で抜去した歯を除菌後特殊コーティングにより、骨親和性の優れた非吸収性歯根に表面構造を改質して再度骨の中に埋めて骨結合を獲得し、噛み合わせを再構成する世界初の普及型医療技術を開発することである。 |
56 |
巨大ポリペプチド高速固相合成法の新薬開発への応用 |
松浦 俊彦 |
北海道教育大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
巨大ペプチド高速固相合成法を活用したポリペプチドの合成のみならず、ポリペプチドの機能(効き目)評価も連続的に行う全く新しいバイオチップを開発する。本提案では、水系環境下における生体分子間相互作用の高感度検出の条件検討を行い、新規バイオチップを用いた新薬開発への実用化の見通しを得る。 |
57 |
凍結路面μの非接触光計測に関する研究 |
城戸 章宏 |
北海道自動車短期大学 |
能戸 正 |
北海道自動車短期大学 |
路面状況が交通事故発生に及ぼす影響は著しく、特に寒冷地ではブラックアイスバーンがもたらす追突事故の増加が深刻な問題となっている。従って、前方の路面ミューなどの情報をドライバーにリアルタイムで伝達できれば事故を減少しうると考えられる。本研究では、画像計測あるいはレーザ計測によって路面ミューを非接触で計測する手法を開発するものであり、車載可能なセンサとすることを最終目的として視野に入れた各種の実験を行う。 |
58 |
微小コロイド粒子を用いた細胞膜分子の定量化技術の開発 |
岡嶋 孝治 |
北海道大学 |
堀田 大介 |
北海道大学 |
原子間力顕微鏡(AFM)技術を用いて、生細胞の細胞膜分子の組成と濃度を定量化する技術を開発することを目的とする。カンチレバー探針の先端に取り付けた微小コロイド粒子と細胞膜の接触面積を精密に制御し、単位面積あたりの平均細胞膜分子数を定量化する技術について研究する。 |
59 |
環境プロテオミクスに基づく汚染土壌修復法の開発 |
笠原 康裕 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
環境修復は社会的課題であり、微生物を利用した環境修復法として、主に汚染化学物質を分解する微生物の探索・育種と環境抽出DNAの網羅的塩基配列決定からの有用分解遺伝子探索の面から進められている。本研究は、汚染土壌試料から総蛋白質を抽出し、その環境蛋白質プロファイルの変化から分解関連蛋白質群の検出・同定を行う。さらに検出され蛋白質情報より、有用遺伝子・微生物を特定し、汚染現場修復への可能性を目指す。 |
60 |
ペプチド合成酵素を用いた大腸菌による抗がん剤ライブラリー構築法の開発 |
及川 英秋 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
培養が容易な大腸菌を用いた有用物質生産は、現在でもほとんど例がない。そこで最近我々が開発した発現カセット法をさらに発展させ、論理的設計が可能なペプチド合成酵素を自在に組み合わせて新たな抗がん剤ライブラリーを構築する手法を開発する。 |
61 |
安全性の高い生体内分子ガレクチンのインフルエンザ予防・治療薬としての実用化研究 |
宮崎 忠昭 |
北海道大学 |
東 陽介 |
科学技術振興機構 |
本課題では、ガレクチンのインフルエンザの予防・治療薬としての効果を判定し、ウイルスの感染、増殖および細胞死の抑制機構を解析することを目的とする。実施内容としては、細胞とマウスを用いた感染実験モデルでガレクチンのウイルス感染と増殖の抑制および病態改善の効果を検討する。 |
62 |
高温で安定動作する高効率GaN電力変換トランジスタの開発研究 |
橋詰 保 |
北海道大学 |
堀田 大介 |
北海道大学 |
革新的な電力変換素子の開発が急務であり、ジュール損失を劇的に低減すること、高温での安定動作を実現して冷却システムを不要とすることが求められている。窒化ガリウム(GaN)は、これらの課題をクリアできる材料であり、本試験研究では、「多重台形チャネル構造」をAlGaN/GaNへテロ構造に適用し、構造設計・シミュレーション・系統的な評価により、300℃までの高温領域で特性変動の極めて少ないデバイス構造の実現を目指す。 |
63 |
発光測定の信頼度確立を目指した標準発光ビーズの開発 |
近江谷 克裕 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
生体物質測定技術として発光分子プローブがイムノアッセイの検出や細胞内の生体分子の定量に活用されつつある。本研究開発では発光測定の信頼度の向上を目指した標準化を推進する技術基盤の構築を目標に、臨床検査の現場等で活用できる標準発光ビースの開発を目的とする。具体的には各種ガラスビーズと融合した発光プローブを作成、最適化し、実用レベルの標準発光ビーズを作成する。 |
64 |
ニードル型半導体ダイヤモンド電子源のパルス動作特性の把握 |
金子 純一 |
北海道大学 |
堀田 大介 |
北海道大学 |
本提案は、超小型バーナ火炎(マイクロフレーム)を複数配列することで任意の燃焼「面」を形成し、電気ヒータでは困難な「簡便で高温度な均一の加熱(燃焼)面」を提供するものである。本提案技術は既存加熱技術であるヒータに比べて総合エネルギー変換効率が高く、省エネルギーに資する。既に我々は平らな燃焼面形成に成功しているが、本試験研究では配列最適化を通じてこれを「任意燃焼(加熱)面の創製」へと拡張し、革新的熱源としてのシーズ基盤を確立する。 |
65 |
メタン発酵消化液を代替肥料とした稲作の実現 |
荒木 肇 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
バイオガスプラントでメタンガスとともに産出される消化液はその量が多く、システム維持には消化液の利用体系確立が必須である。消化液の窒素成分の多くはアンモニア態で、稲はアンモニア態窒素を効率的に吸収する。本研究では消化液を元肥として稲作に導入し、水田や稲体の養分動態、稲生育や米の収量・品質を従来の化学肥料施用体系と比較して、消化液の代替肥料としての効果的な利用方法を提案する。 |
66 |
高度な選択性を有する魚卵アレルゲン検知系の開発 |
佐伯 宏樹 |
北海道大学 |
小川 晴也 |
北海道大学 |
魚卵アレルギー患者の発症数は食物アレルギーの中でも上位にあり、その原因食品はイクラとタラコがほとんどを占める。イクラについては目視によって忌避できるが、加工食品に混入したタラコは確認が難しい。そこで本研究では、魚種間のアレルゲン交差性を排除し、厚生労働省通知法で指定されたアレルゲン抽出溶媒の影響を受けず、さらに食品中で<10mg/kgレベルのタラコの含有が検出できる実用的な高感度ELISA系を開発する。 |
67 |
自動生体上皮採取装置の開発と応用 |
坂井 直樹 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
生体において腸管は栄養の消化・吸収のみならず、自然免疫および獲得免疫の発動といった生体防御にも深く関連している。小腸上皮の機能研究のためには、機能単位である絨毛および陰窩を採取する必要がある。我々はこれまでに、世界に先駆けてマウスおよびヒトの小腸上皮からの上皮細胞採取法に関するノウハウを蓄積してきた。本研究ではこれまでに蓄積したノウハウを用い、実験条件を制御し、実験者の技能に依存しない世界初の汎用的な上皮採取装置を開発する。 |
68 |
食肉中のエネルギー代謝促進物質の探索と実用化 |
若松 純一 |
北海道大学 |
小川 晴也 |
北海道大学 |
我々はこれまでの研究から、鶏肉や羊肉の摂取により、体温を上昇させることを確認した。そこで本研究では、鶏肉および羊肉による体温上昇機構を明らかにすることと有効成分を特定することを目的とし、動物実験を行って血液生化学検査、各種プロテオーム解析等により検討する。これにより、鶏肉および羊肉の機能を科学的に解明し、「食」を通じた生活の質改善を図るとともに、必要に応じて有効成分を抽出・濃縮し、エネルギー代謝改善のサプリメントの開発につなげる。 |
69 |
糸状菌由来生理活性物質によるバレショマイクロチューバー技術の弱点の補完とその応用 |
松浦 英幸 |
北海道大学 |
土方 健二 |
科学技術振興機構 |
バレイショの分裂組織を無菌的に増殖し、マイクロチューバーを作成、これを種芋として用いる技術が注目されている。収穫時期に制限が無い点、病原菌およびウィルスフリーの植物体が大量に得られる点、従来の種芋より小径で輸送コスト、播種時のエネルギーコストが低く、これらの点で大変有望な技術である。しかしながら、初期生育段階での乾燥、低温耐性の点で問題点を抱えている。本課題ではマイクロチューバー誘導期に糸状菌由来の生理活性物質を施し上記問題点の克服を目指す。 |
70 |
ハスカップ苦味成分ロガニンの解析と未利用資源「葉」の有効利用 |
星野 洋一郎 |
北海道大学 |
蛸島 武広 |
北海道医療大学 |
ハスカップの果実には苦味を呈するものがあり、利用上の問題となっている。苦味成分ロガニンはイリドイド配糖体であり、健胃、血圧降下、抗菌性などの効果をもつ生薬として利用されている。そこで、ロガニンの供給原料としてこれまで未利用の部位(葉)に着目し、ロガニン含量の高い系統の選抜、ロガニン含量の季節変動の解析を進める計画である。 |
71 |
ポンプを搭載したハンドヘルド液体クロマトグラフィーシステムの開発 |
石田 晃彦 |
北海道大学 |
佐藤 完二 |
科学技術振興機構 |
微小分析デバイスに関する申請者らの研究成果と新型の超小型送液技術を応用することにより,ポンプから検出器までの液体クロマトグラフィーシステムの構成要素ほぼすべてを手のひらサイズの小型基板上に集積した分析デバイスを開発する。これにより,溶媒使用量の大幅な削減と処理能力の増大を図ることを目的とする。本研究では,溶媒の種類や流速など各種分析条件に適用できるようデバイス設計を行うことにより,超小型液体クロマトグラフィーシステムの実用化への道を拓く。 |
72 |
有機分子交互積層法による有機薄膜材料の開発−ディスプレイへの応用 |
増田 卓也 |
北海道大学 |
佐藤 完二 |
科学技術振興機構 |
有機薄膜材料の生産効率の向上を目指し、従来の真空蒸着法と比べて、大面積修飾に有効なディッピング式の有機薄膜形成法を開発する。ウェットな表面反応を順序だてて行うことで、レゴブロックを積み上げる要領で、複数種の機能性分子を一層ずつ好きな順序で垂直方向に並べ、テーラーメイドな有機多層膜を構築する。 |
73 |
医薬合成原料光学活性シアノヒドリンの高純度合成法の開発 |
大熊 毅 |
北海道大学 |
吉田 光則 |
北海道大学 |
光学活性シアノヒドリン類は、α-ヒドロキシ酸、β-アミノアルコール等の医薬品、医薬原体の優れた合成原料である。アルデヒド類の不斉ヒドロシアノ化は、そのもっとも直接的な合成法の一つとして知られている。本研究では、研究代表者らが独自に開発した不斉ヒドロシアノ化触媒の機能向上を図り、高純度の光学活性シアノヒドリンをより少ない触媒量で合成する技術の開発を目指す。多彩なニーズに応える優れた方法論になり得る。 |
74 |
液中グロー放電による植物由来プラスチック製造用触媒塩化クロムナノ粒子の開発 |
谷津 茂男 |
北海道大学 |
奈良林 直 |
北海道大学 |
バイオマス原料をプラスチック素材へ転換する高効率触媒として機能するクロム塩化物ナノ粒子を作り、その効果を検証する。具体的には、北海道大学で新たに開発された手法を基礎にクロムナノ粒子を創り、粒子表面を塩化クロム(II)にした後しょ糖液に加え、グルコースとフルクトース量の変化および生成されるヒドロキシメチルフルフラル(HMF)の収量を測る。従来からの石油化学工程につなげることが可能な現実的バイオマス利用を目指す。 |
75 |
システムLSI用 ループフィルタ省略型 位相同期回路の開発・研究 |
池辺 将之 |
北海道大学 |
中村 雅人 |
北海道大学 |
本提案型PLL(位相同期回路))は、特性が簡略化され、ループフィルタ(LPF)を省略できる特徴がある。従来型PLLに比べ、回路の20〜30%の小面積化、低消費電力化が可能である。また、ディジタル制御化も容易である。システムLSI搭載を目標とし、ピコ秒オーダーの高精度周期比較器を用いた完全な不感帯除去、プログラマブルなディジタル制御によって高速な位相同期(ロック)機構(μsecオーダーもしくはそれ以下)を実現するPLL回路構成の見通しを得る。 |
76 |
超高密度の発熱体の創製−マイクロフレームによる任意形状燃焼面の実現− |
中村 祐二 |
北海道大学 |
堀田 大介 |
北海道大学 |
ニードル型半導体ダイヤモンド電子源の高電圧パルス印加時における電子放出特性を高真空下で評価し、アプリケーション展開に必要な基礎データを取得する。電界放出型電子源では表面の影響を大きく受ける事が知られており、電子源評価装置にイオンポンプを増設し10-7Pa以上の高真空条件下におけるダイヤモンド電子源の電子放出特性、安定性特性評価を行う。 |
77 |
DMEを燃料とするオンデマンド水素生成技術の研究 |
藤田 修 |
北海道大学 |
奈良林 直 |
北海道大学 |
DME(ジメチルエーテル)を燃料とする超小型水素発生技術を確立し、オンデマンドで燃料電池に水素を供給できるシステムの構築を目指す。水素生成は触媒改質反応により行うが、この目的を達成するには改質反応器のON-OFFを自立的に、ある程度の応答性を持って実施できることが求められる。とくに、温度条件が低い場合のOFF状態からON状態へ移行が難しく、この点を解決する基本的な技術として吸着再生法を提案し、その有効性を明らかにする。 |
78 |
道産キトサンを用いた歯槽骨再生ナノ複合体の開発と実用化 |
柏崎 晴彦 |
北海道大学 |
土方 健二 |
科学技術振興機構 |
歯周病患者の歯槽骨喪失による咀嚼機能の低下は、著しくQOLを損なうが、現状では失われた咀嚼機能を十分に回復させるような歯槽骨再生材料は存在しない。我々は、これまでに道産カニ由来のキトサンとハイドロキシアパタイト結晶がナノレベルで複合化した新規足場材料の合成に成功した。今回、この足場材料が細胞の遺伝子発現・表現型に与える影響を指標に、歯槽骨再生に最適なナノ構造と生理活性物質を付与した生命機能マテリアルを開発することを目的とする。 |
79 |
腫瘍血管内皮マーカーの事業化-腫瘍血管を標的とする新規抗ガン剤ならびに早期診断システムの開発- |
樋田 京子 |
北海道大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
真に腫瘍血管に特異的な薬剤を開発するために腫瘍血管内皮マーカーを標的とした中和抗体、ワクチンなどの創薬開発、さらには腫瘍血管内皮特異マーカーのうち分泌タンパクはがんの血清マーカーとしての応用を目指す。 |
80 |
AKT活性特異的阻害ペプチドに基づく抗腫瘍剤の開発 |
野口 昌幸 |
北海道大学 |
須佐 太樹 |
北海道大学 |
ヒトのプロトオンコジンTCL1分子の結晶構造解析に基づいたAKT結合アミノ酸配列におけるアミノ酸の置換、修飾、重合化などの修飾を行い、これら修飾ペプチドのAKT結合性、活性阻害効果、特異性、分子学的な阻害機序、抗腫瘍効果を比較検証し、AKT活性をより特異的、効果的かつ安全に阻害する阻害薬剤の開発を試みる。 |
81 |
硬野菜加工作業のロボットによる自動化技術の開発 |
和田 充雄 |
北海道大学 |
中村 雅人 |
北海道大学 |
農産物の中でも野菜を一口大に小分けカットする食品加工の機械化・省力化のニーズが高まっているが、南瓜に代表される硬野菜の乱切りカット作業は、従来の機械加工では球形状面からの小分け加工にどうしても難点が残り、未だ人手に頼る作業となっている。そこで、本研究では、実作業における熟練者の人間工学的評価に基づき、ロボットマニピュレータを用いて熟練者の技に倣った自動小分け加工システムの開発を行い、硬野菜加工作業を省力化する実用技術の基礎を確立する。 |
82 |
インスリン感受性糖輸送担体をターゲットとした糖尿病治療薬の開発 |
佐藤 久美 |
北海道薬科大学 |
東 市郎 |
北海道薬科大学 |
インスリン感受性糖輸送担体GLUT4は、骨格筋や脂肪細胞などに存在し、インスリン受容体に始まるインスリン情報伝達機構の最終段階に位置する。インスリン刺激によって細胞内プールから細胞膜上に移行するGLUT4が、細胞外の糖を細胞内に取り込んで血糖値を下げる。インスリン欠乏性糖尿病でもインスリン抵抗性糖尿病でもGLUT4が細胞膜上に出現しさえすれば、高血糖は改善される。本研究では、『細胞膜上へのGLUT4の出現』を目指して、関連情報伝達因子を活性化する物質、GLUT4発現誘導を促す物質を探索する。 |
83 |
炎症性腸疾患の薬物治療におけるステロイド反応性の診断法の開発と実用化 |
齊藤 嘉津彦 |
北海道薬科大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
ステロイドはクローン病や潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患の薬物治療上、必要欠かせざる存在である。しかし、ステロイド投与を受けた30%の患者は依存性や抵抗性を呈し、このような症例における重篤な副作用の発現や無効症例の存在は臨床的に問題である。本申請ではこれに関与する遺伝子のSNPやハプロタイプを解析、およびDNAのメチル化解析を行い、未解決であるステロイド依存性・抵抗性についての診断法を開発し、オーダーメイドのステロイド治療を実用化し、医療費の削減のみならず根本的な治療法の無いこれらの疾患の薬物療法に寄与しようとするものである。 |
84 |
感染性胃腸炎の主原因であるノロウイルスの感染増殖系の開発 |
工藤 伸一 |
北海道立衛生研究所 |
桂 英二 |
北海道立衛生研究所 |
ノロウイルスは、分離可能な細胞培養系や感染実験のための実験動物系がいまだ確立されていない。人工多能性幹細胞(iPS細胞)は多分化能を有し、重度複合免疫不全(SCID)マウスの皮下に接種すると奇形腫を形成することが知られ、その内部には消化管由来上皮様細胞を含むことが報告されている。また、多分化能を有するヒトEC細胞も培養条件によって内胚葉性の細胞に分化することが報告されている。本研究では、ヒトiPS細胞の利用の可能性を追求するとともにヒトEC細胞を用いて、ノロウイルスの感染増殖が可能な培養細胞系の開発を目指す。 |
85 |
コマンド予測型次世代3次元モデリングツールの開発 |
安田 星季 |
北海道立工業試験場 |
綿貫 幸宏 |
北海道中小企業総合支援センター |
3次元CADは、多機能化に伴いコマンドの数が膨大になってきているため、操作性が悪くなっている。そこで本課題では、人工知能的な学習アルゴリズムによりユーザーの操作履歴を学習し、同ユーザーが操作しやすい作業環境を構築できる3次元モデリング支援ソフトを開発する。 |
86 |
張力制御によるキャスティング型作業システムに関する研究 |
浦池 隆文 |
北海道立工業試験場 |
鈴木 耕裕 |
北海道立工業試験場 |
産業用ロボットやクレーン・パワーショベル等の作業システムは、構造や移動経路の状態により、作業可能な範囲が制限される。本課題では、特に屋外での作業範囲拡大を目指し、投釣や投縄に類するキャスティング機構を用いた、投擲型作業システムに関する研究を行う。同機構は、作業機を投擲するための剛体リンクと、飛行を制御するための紐状リンクにより構成される。作業機を正確に目的地へ到達させるため、位置や姿勢等の状態をリアルタイムに計測する手法を確立し、これらを用いた張力による飛行制御機構の開発を行う。 |
87 |
メタン発酵消化液の高速処理技術の開発 |
鎌田 樹志 |
北海道立工業試験場 |
後町 光夫 |
北海道立工業試験場 |
家畜糞尿・生ゴミなど有機性廃棄物のメタン発酵処理で課題となっている消化液の処理について、木質チップなどの微生物担体を散水ろ床形式で用いた好気性高速発酵処理技術を応用し、コンパクトな処理装置による処理方法を確立する。本課題ではこれまでの研究成果をもとに、微生物担体の形状や種類および処理条件を検討し、消化液に対応した処理技術の開発を行う。 |
88 |
ALS病等による運動性構音障害患者のための発話支援システムに関する研究 |
橋場 参夫 |
北海道立工業試験場 |
鈴木 耕裕 |
北海道立工業試験場 |
ALS(筋萎縮性側索硬化症)や筋ジストロフィー等の難病によって身体の運動機能が低下し、音声によるコミュニケーションが困難になった人々のために、残された構音器官の能力を極力活用する方法によって、自らの口を使った自然な会話を可能にする発話支援システムを研究開発する。 |
89 |
金属酸化物触媒を用いた水循環系内での結合塩素抑制方法の開発 |
浅野 孝幸 |
北海道立工業試験場 |
後町 光夫 |
北海道立工業試験場 |
殺菌に用いられる塩素はアンモニアと反応し、結合塩素の一種で不快臭があり健康影響も懸念されるクロラミンが発生する。クロラミンはさらに塩素と緩慢に反応して最終的には窒素となるが、塩素とアンモニアが常時供給される系内においては常時クロラミンが存在することになる。触媒によってこの反応を促進することにより簡易な装置によってクロラミン濃度の低減化を可能とする方法を開発する。 |
90 |
表面筋電による深層筋活動計測技術の研究開発 |
中島 康博 |
北海道立工業試験場 |
綿貫 幸宏 |
北海道中小企業総合支援センター |
本研究は、表面筋電計の筋電位計測データから手指の力を推定するため、表面筋電計による深層筋活動計測手法を検討する。2次元アレイ電極による表面筋電位分布計測法と前腕の導電率分布測定法を開発し、これらを用いて得られた筋電位信号を解析して前腕手指筋の筋活動を個別に推定することを目指す。 |
91 |
ナノインデンテーション法を用いた金属間化合物の機械的特性評価技術の開発 |
田中 大之 |
北海道立工業試験場 |
吉田 光則 |
北海道大学 |
電子部品のはんだ接合部分等の界面において生成する金属間化合物の挙動は、接合界面の長期信頼性設計に大きな影響を与えており、金属間化合物の機械的特性の評価を目的としている。本研究ではナノインデンテーション法を用いて通常の引張試験法等では評価が困難な錫系金属間化合物の機械的特性評価技術を検討する。 |
92 |
光触媒抗菌機能を有する有機樹脂基材の開発 |
齋藤 隆之 |
北海道立工業試験場 |
吉田 光則 |
北海道大学 |
光触媒は適切な方法・環境で利用すれば、抗菌機能を含む様々な機能が発揮される。本研究グループでは有機樹脂への光触媒抗菌機能の付与方法を検討し、基材の耐久性を保持しつつ抗菌機能を有する試作基材を開発した。しかし抗菌性能を十分発揮させるための、基材製造条件と微視的要因についてはまだ未解明な点が残っている。本研究ではさらに実用化に向けて、これらについて明らかにし、低コストでかつ実用的な抗菌性能と耐久性を有する基材の開発を目指す。 |
93 |
ウシ急性相蛋白の臨床応用の研究 |
中村 正明 |
北海道立根釧農業試験場 |
陰山 聡一 |
北海道立畜産試験場 |
乳牛の臨床検査マーカーとしての急性相蛋白の測定法の確立と、乳牛の急性相蛋白動態の解明を行う。獣医診療施設等で利用可能な検査方法の確立を目指す。本研究では、急性相蛋白のうち乳牛で鋭敏な動態を示すと考えられるハプトグロビンに注目し 、我々の確立した安価、迅速、簡易な測定方法を用いて、健康牛や疾病牛のハプトグロビンの測定値を蓄積し、ハプトグロビン動態の解明を行い、基準値を作成して臨床現場で使用できる検査方法の確立を目指す。 |
94 |
ナチュラルチーズの熟成工程における香気特性評価に関する研究 |
河野 慎一 |
北海道立食品加工研究センター |
長島 浩二 |
北海道立食品加工研究センター |
本研究ではナチュラルチーズの熟成期間中の香気成分について、官能評価、GCMSによる香気成分の測定、においセンサによる測定を行い、品質管理に利用可能な熟成の指標となる評価方法を開発することを目的とする。 |
95 |
醤油および発酵魚醤油製造用乾燥スターターの開発と応用 |
吉川 修司 |
北海道立食品加工研究センター |
長島 浩二 |
北海道立食品加工研究センター |
醤油醸造には Zygosaccharomyces rouxii, Candida versatilis および Tetragenococcus halophilusが用いられている。これらの微生物の培養は高塩分下で行われるため、培養日数がかかるだけでなく施設の維持管理が負担となり、乾燥スターターの開発が望まれているが、未だ技術開発がなされていない。本研究では流動層乾燥法を応用して、醤油醸造用の微生物を乾燥スターター化することを目的とする。 |
96 |
寒冷地でのマロラクティック発酵に適した新規乳酸菌株の特性発現機構の解明とその実用化試験 |
橋渡 携 |
北海道立食品加工研究センター |
長島 浩二 |
北海道立食品加工研究センター |
寒冷地での赤ワイン醸造に適した、低温および低pHで働く新規マロラクティック発酵(MLF)乳酸菌を取得した。本菌株の保持する耐寒性、耐酸性などの特性の発現機構を解明し、菌株管理ならびに育種技術を確立するとともに、当該株の実用化に向けて、大量培養技術、乾燥スターター化などの添加方法を検討することによって、寒冷地でのMLF管理技術の確立を目指す。 |
97 |
ワカサギ卵の生化学的手法による品質評価技術の開発 |
眞野 修一 |
北海道立水産孵化場 |
竹内 勝巳 |
北海道立水産孵化場 |
ワカサギの販売用種卵(放流用の生卵)の品質を評価するため、生化学的手法に基づく新技術を開発する。エネルギー量を表すATP量を種卵の発生段階で連続して測定し、受精から孵化までの正常値を明らかにする。また、人為的にストレスを加えた条件で飼育した卵を用い、正常値の検証を行う。得られた正常値を指標とし、ワカサギ種卵の品質評価に関する迅速で客観性の高い新技術を開発し、北海道産ワカサギ卵の高品質化を目指す。 |
98 |
積層木材による高機能パーティションの開発 |
石川 佳生 |
北海道立林産試験場 |
斎藤 直人 |
北海道立林産試験場 |
オフィス空間や店舗等で使われているパーティションをターゲットとした製品開発を目指し、主要材料に意匠性の自由度が高い積層木材(集成材、LVL、合板等)を使用することにより、温もりや柔らかさをもった意匠を実現するとともに、快適な室内空間を創出するために、光による安らぎの演出や室内の不快な音の低減など機能性の付与を検討する。 |
99 |
新規木質面材料を応用した軽量かつ高強度な木質構造材料の開発 |
大橋 義徳 |
北海道立林産試験場 |
斎藤 直人 |
北海道立林産試験場 |
軽量で寸法安定性に優れた木質軸材料と高強度な新規の木質面材料を複合化することで、従来より大きな空間構造を可能とする高性能な木質構造材料を新たに開発する。そのために本研究では、適正な複合化条件と製造条件を明らかにするとともに、強度性能に関する向上効果を検証する。 |
100 |
木材乾燥機を活用したアセチル化木材の効率的製造技術の開発 |
長谷川 祐 |
北海道立林産試験場 |
斎藤 直人 |
北海道立林産試験場 |
アセチル化による木材の化学的改質は、材質改善・新機能付与に有用な手法であるものの、処理に専用設備を必要とすること、薬剤コストがかさむことなどの理由から、普及が進んでいない。本研究は、アセチル化木材を効率的・低コストで製造するための技術開発を目的とし、木材産業において一般的な設備である木材乾燥機をアセチル化処理装置として活用する方法を検討する。 |
101 |
イオン交換膜ならびに電極板を用いた木材糖化液からの硫酸回収技術の開発 |
檜山 亮 |
北海道立林産試験場 |
斎藤 直人 |
北海道立林産試験場 |
木質資源をバイオエタノール等へ変換する技術で最も実用化に近い濃硫酸木材糖化法において、製造コスト削減の鍵となる硫酸と糖の混合液からの硫酸分離回収技術について、イオン交換膜による透析に独自の手法を組み合わせて、既存分離法よりも分離率と経済性が良い手法の開発を目指す。 |
102 |
流動抵抗低減表面改質への撥水性溶射皮膜の応用 |
進藤 覚弥 |
北見工業技術センター運営協会 |
二俣 正美 |
北見工業大学 |
流体と固体界面に生じる流動抵抗(流体摩擦抵抗)は、船舶や航空機等の推進に際し多大なエネルギー損失を伴う。流動抵抗の低減方法として最近、船体への撥水性塗料の塗布、航空機翼へのリブレット(微細溝)の形成が検討されている。本研究は、接触角θ=140°以上の撥水性と表面粗さRa=10μm前後の微細凹凸を有する溶射皮膜に関し、水及び塩水に対する乱流・層流域での流動抵抗低減効果と耐久性を明らかにし、水中機器・船舶等へ応用する際に必要な基礎データを蓄積する。 |
103 |
酢酸カルシウム系多機能凍結防止剤の開発 |
伊藤 英信 |
北見工業大学 |
二俣 正美 |
北見工業大学 |
北海道オホーツク圏で発生するホタテ貝殻は年間15万トンにも達し、その有効利用法の開発が緊急の課題となっている。現在、多くのアイディアが実践され、すでに一部商品化もなされているが、廃棄貝殻全量の処理には遠く及ばないのが現状である。本研究では廃棄ホタテ貝殻を原料として、環境にやさしい酢酸カルシウムを主成分とした、多機能複合凍結防止剤を開発し、その融雪能力等を評価する。 |
104 |
液晶素子を利用する凍結路面検出装置の開発 |
三浦 則明 |
北見工業大学 |
二俣 正美 |
北見工業大学 |
本研究では、液晶素子とCCDカメラを組み合わせた装置を開発し、車載カメラによる進路方向前方の路面状況の検出を実現する。この装置では、凍結路面での反射時に偏光特性が変化することを利用しており、特殊な照明環境下でなくても路面状況の検出を可能にする。まず、実験室で液晶素子の偏光特性を実験によって計測する。次にその素子とカメラを用いた試験装置を組み上げる。冬季間には、開発した装置を車載し実証実験を行う。 |
105 |
高耐熱性銀薄膜を応用した新規透明導電膜の開発 |
川村 みどり |
北見工業大学 |
内島 典子 |
北見工業大学 |
ディスプレイデバイスにはITO等の透明導電膜が必要不可欠であり、近年さらに、各種ITO代替酸化物やITO/メタル/ITO膜に注目が集まってきている。研究者は、熱処理を施しても良好な表面形態及び電気的特性を有する銀薄膜をこれまでに作製してきている。そこで本研究では、その高耐熱性銀薄膜を有機EL素子等における新規な透明導電膜として用いるための、基礎的な特性を検討する。 |
106 |
既存データが少量でも分類可能な文書分類技術の開発と応用 |
前田 康成 |
北見工業大学 |
有田 敏彦 |
北見工業大学 |
本研究は特許公報のように既に既存のジャンルが定義されていて、新規の文書について既存ジャンルのどれかに分類する文書分類技術を対象とする。通常、分類精度を向上させるためには多くの既存データ(学習データ)が必要であるが、本研究では統計的決定理論に基づきベイズ流の分類方法を採用することによって既存データが少ない場合でも高い分類精度を目指すものである。 |
107 |
普及型車載凍結路面検知システムの試作開発研究 |
堀 彰 |
北見工業大学 |
百瀬 雅将 |
北見工業大学 |
寒冷地域の交通路では路面凍結は大きな問題である。特に季節の変わり目には、道路は平地では無積雪でも山間部では凍結するため、スリップ事故が多発し長距離交通の障害となっている。そこで路面凍結状況を検知するセンサーを開発し、道路情報システムの凍結予測情報等の高精度化に役立てる。さらにセンサーを車載型にして、道路監視車による路面状況観測・凍結情報提供を行い、最終的には一般車輌にも搭載した路面凍結状況検知システムの開発を目指す。 |
108 |
「食の安全」高度化を可能にする細菌叢プロファイリング法の開発と応用 |
村松 康和 |
酪農学園大学 |
横田 愽 |
酪農学園大学 |
主な食品媒介性病原細菌群の簡易、高感度かつ高特異的な検査系を確立し、「食の安全」高度化に貢献する。特許技術に基づ食品媒介性病原細菌群DNA検出プライマー最適化を行い、高感度・高特異的な細菌叢DNAプロファイリングにより、集約化・大規模化が急速に進む北海道酪農における、信頼度の高い「食の安全」の為の牛群管理高度化を目指す。 |
109 |
牛腹腔鏡下第四胃変位整復手術の開発と応用 |
田口 清 |
酪農学園大学 |
山田 龍翁 |
酪農学園大学 |
本技術は従来の開腹手術によらず腹腔鏡下で牛の第四胃変位整復手術を簡便かつ安全に実施できる技術を開発するものである。この技術によって手術の侵襲性を最小にし、簡便化および短時間化を促進し、動物福祉と高い生産性回復率を達成することを目的とする。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
128 |
木質バイオマスガス化炉産炭化物を利用した高機能炭素材料の開発 |
照井 教文 |
一関工業高等専門学校 |
佐々木 蔵寿 |
いわて産業振興センター |
岩手県奥州市の木質バイオマスガス化発電施設のガス化炉から副産物として得られる炭化物はその構造から従来の活性炭などの炭素材料に類する吸着性能や導電性を示す可能性がある。この炭化物について、原材料や温度条件の違いによる構造や物性、吸着性能などの変化を評価するとともに、マイクロ波を利用した高機能化を検討し、さらにフィルムや繊維などの形状に加工することにより、新規機能性炭素材料への応用を検討する。 |
129 |
プロテインアレイを用いた蛋白定量解析の癌治療への応用 |
西塚 哲 |
岩手医科大学 |
大島 修三 |
いわて産業振興センター |
超高密度逆相蛋白ライセートアレイシステムはマイクロドット方式のウェスタンブロットで、専用のマイクロアレイヤーを用いることで単位実験あたりのサンプル量を数nL程度まで減らすことが可能である。多種類の蛋白質検出による新規バイオマーカー探索や理論生物学の蛋白レベルでの検証が可能となる。本研究では、癌の化学療法における分子動態の解明を目的に、理論生物学と実験を組み合わせたアプローチで薬剤に対する癌細胞の反応を蛋白ネットワークレベルで検証する。 |
130 |
鋳鉄製厨房用品への無機質塗料の塗装法開発と応用 |
長嶋 宏之 |
岩手県工業技術センター |
町田 俊一 |
岩手県工業技術センター |
岩手県の「南部鉄器」の鋳鉄製厨房用品には有機系塗料が使用されているが、有機化合物に不安を感じる消費者も多い。鋳鉄製品の表面処理として安全性の高いホーロー加工は高額な設備投資と技能の育成を要し、県内鋳造業に普及が進んでいない。本研究では、人体への影響が少なく、硬化後にはガラス質の塗膜を形成し、高い耐熱性・耐候性を有する無溶剤・無機質塗料の鋳鉄への塗装法確立と県内鋳造業で可能な塗装法への転換を目指す。 |
131 |
リンドウにおける効率的な花色選定技術の開発 |
中塚 貴司 |
岩手生物工学研究センター |
勝部 和則 |
岩手生物工学研究センター |
リンドウ主産地の岩手県では、需要拡大をねらった花色の多様化が望まれている。従来の自然突然変異を利用した育種では、花色変異が劣性形質であるため効率が悪く、優良品種を育成するために多大な労力と時間を要してきた。本研究では播種1年以上経ないと識別できない花色を、播種後3ヶ月の幼苗段階で白花、ピンク花および青花の識別を可能とする早期花色識別技術を開発する。優良花色個体の早期選抜のみならず、育種親の選定や選抜育種期間の短縮、苗供給時の品種管理への利用が期待される。 |
132 |
スズ合金薄膜負極/集電体一体化技術を用いるリチウム二次電池の高性能化 |
宇井 幸一 |
岩手大学 |
中戸川 明広 |
岩手大学 |
リチウム二次電池の利用分野は、各種携帯用機器に留まらず、電動工具、系統連系用、もしくは車載用へと広がりつつあるが、機器側の要求を十分に満たすに至っておらず、さらなる高容量化が求められている。ここ数年、従来の黒鉛系負極と比べ、さらなる高容量化が可能なスズ合金が注目されている。しかし、充電(Li吸蔵)−放電(Li放出)時の体積膨張・収縮により、スズ合金にクラックが生成するため、集電体との間に電気的接触不良が発生し、サイクル特性の劣化を引き起こすという問題を有している。そこで本研究では、リチウム二次電池用負極の高性能化を目指し、スズ合金薄膜負極/集電体一体化技術を研究開発する。 |
133 |
近未来居住環境における木質系磁性電波吸収建材ボードに関する開発研究 |
岡 英夫 |
岩手大学 |
中戸川 明広 |
岩手大学 |
本研究では、磁気エレクトロニクス・木材工学を効果的に融合化させた磁性木材の木質・電波吸収調和機能を有する木質系磁性電波吸収ボードの最適設計法を確立するものである。 近未来居住空間におけるGHz帯域電波吸収環境要求を踏まえた室内情報ワイヤレスシステムによる周波数・電磁界空間分布と木質材のぬくもりなどの居住性双方の機能が調和した違和感のない木質系電波吸収調和技術の確立を目的としている。 |
134 |
誰にでもできる簡易な家畜の血中下垂体前葉ホルモン濃度測定系の開発 |
橋爪 力 |
岩手大学 |
中戸川 明広 |
岩手大学 |
家畜の血中下垂体前葉ホルモン濃度の測定は、もっぱらアイソトープを使う放射免疫学的測定法(RIA)が実用化されているのみである。このため、特にウシやブタの生殖生理や生産生理に強く関わりを持つ黄体形成ホルモン、成長ホルモン、プロラクチン等の下垂体前葉ホルモン濃度の測定は、係る測定装置を有するごく一部の限られた研究機関しか測定できないのが実情である。そこで、本研究ではアイソトープの代わりに蛍光標識物を使う時間分解蛍光免疫測定法 (TR-FIA)に着目し、家畜の血中下垂体前葉ホルモン濃度を誰にでも簡単に測定できるような技術を開発する。 |
135 |
ローズマリー由来のカルノシン酸のヒト脂肪肝予防への応用 |
佐藤 拓己 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
社会問題となったメタボリックシンドロームは、肝機能の破綻が起点となって症状が現れる。肝細胞の機能を保護する化合物として、ローズマリー由来のカルノシン酸に注目している。カルノシン酸はKeap1/Nrf2経路を活性化する親電子性物質であり、肝細胞を保護する。本課題はカルノシン酸が、1)肝細胞を保護することをマウスで示すこと、さらに2)ヒトの脂肪肝を抑制することを証明する。これらの知見を基に、脂肪肝を予防する機能性食品の開発を目指す。 |
136 |
ネコ尿タンパク除去キットの開発 |
山下 哲郎 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
ストレスの多い現代社会においてペットに安らぎを求める人が多くなり、ネコの飼育頭数は年々増加しているが、獣医療の発達やペットフードの普及によりペットの高齢化が進行し、腎臓病を患う飼いネコが増えている。本申請課題は、ネコの腎臓病の早期発見の目的で、ネコの尿タンパクを飼い主が簡便に測定できる検査方法の確立と検査キットを開発することを目指すものである。 |
137 |
バーナー還元炎による新しい金属微粉末製造 |
山口 勉功 |
岩手大学 |
近藤 孝 |
岩手大学 |
プロパンと酸素の燃焼バーナーの還元炎で金属を加熱するという極めて単純な方法で、金属銅微粒子の製造を目指すものである。金属銅粉末の生成機構を解明すると共に、本方法を用いてナノサイズの金属銅粒子を作成することが可能か調べる。本方法でナノサイズの金属銅粒子を製造することが出来れば、製造方法が簡略化され、安価にまた大量に金属銅粒子を製造することが可能となる。 |
138 |
新規ナノコンポジット薄膜を活用したサーミスタ素子の開発 |
山口 明 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
1つの素子で温度補償を行うことができる高周波回路用サーミスタの開発が求められている。しかし、低抵抗で大きな抵抗温度係数を有する等の、要求される特性に応えるものはまだ見いだされていない。そこで申請者らが製法を確立し、既に予備試験にてサーミスタとしての目標値に近い性質を示すことが明かとなったナノコンポジット薄膜を用い、作製条件や組成等を最適化し、安価で優れた性能を有する高周波用サーミスタの開発を目指す。 |
139 |
低湿度下でも高いプロトン伝導性を有する新規芳香族炭化水素系高分子電解質膜の開発 |
芝崎 祐二 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
これまで開発された燃料電池用プロトン伝導性高分子電解質膜(PEFC)のうち、もっとも実用化に近いものが米デュポン社の開発したナフィオン®であるが、高価である上、耐熱性、機械特性、メタノール透過性に問題がある。一方、安定性向上を狙って開発されたエンプラ系PEFC用材料は、プロトン伝導度が低いことから、実用化は非常に遠い。そこで本研究では、エンプラ系材料にフッ素系樹脂の長所を導入し、全湿度下で高耐久性および高プロトン伝導性を有するPEFCの開発を目的とする。 |
140 |
結合分子接着剤を基点とするグラフト重合技術による材料表面の親水化 |
森 邦夫 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
機能性トリアジンチオール誘導体は接着性付与及び触媒吸着など、固体表面に種々の機能を付与する。本研究ではこの原理を活用して、重合性末端基をSUS表面に導入し、親水性モノマーを重合して親水性の低接触抵抗材料、特に医療機器であるカテーテルの表面処理に使用可能かどうかを研究する。 |
141 |
8の字形3次元微小振動を利用した金型鏡面研磨システムの開発 |
水野 雅裕 |
岩手大学 |
近藤 孝 |
岩手大学 |
工具先端に8の字形3次元微小振動(数百Hzの振動数)を与えることのできる工具振動システムを開発した。8の字形3次元振動の方位は、コンピュータ制御により3次元空間において自由に変えることができる。こうした振動を用いることで、微細なクロスハッチを被研磨面に与えるような研磨が可能になる。本研究では、10nmRa(算術平均粗さ)レベルの粗さを得ることを目標として、8の字形3次元微小振動による基本研磨特性を明らかにする。 |
142 |
廃棄貝殻を原料とする天然系無機防カビ剤の開発と応用 |
成田 榮一 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
廃棄貝殻を原料とし、人体に安全で、かつ効果的な防カビ剤の開発と実用化を目指す。各種貝殻の焼成・粉砕による持続的防カビ性の発現原因を明らかにするとともに、この焼成貝殻粉末を配合・充填することにより合成樹脂やゴムに防カビ性を付与する技術を開発する。 |
143 |
自己拡散土壌増強剤の開発と応用 |
大河原 正文 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
近年、豪雨や地震が引き金となり全国各地で斜面崩壊、地すべりなどの土砂災害が頻発している。抜本的な防止対策を講じるためには斜面自体の強度を十分に大きくすることが重要である。本応募課題は、代表研究者が開発した土壌増強剤に新たに自己拡散機能を備えることで、自ら地盤内部浸透する自己拡散土壌増強剤を開発するものである。 |
144 |
球状黒鉛鋳鉄とステンレス鋼の摩擦攪拌接合(FSW)法による複合化技術の開発 |
中村 満 |
岩手大学 |
菅原 隆平 |
岩手大学 |
摩擦攪拌接合(FSW)は、ツールと呼ばれる棒状の工具を高速で回転させながら材料と接触させ、材料との摩擦熱と塑性流動を利用して接合する画期的な複合化法である。本手法での研究は低融点材料のAl合金やMg合金等はすでに実用段階に入っている。しかし、高融点金属である鉄鋼材料におけるFSWの研究報告例はほとんどなく、応用例も少ない。本研究では、鋳鉄材料(FCD)とステンレス材料(SUS304)の複合化を行い、固相接合による構造材料への応用化についての研究開発を行う。 |
145 |
電磁超音波現象を用いた内部応力診断技術の開発と応用 |
長田 洋 |
岩手大学 |
牧野 平 |
岩手大学 |
板状の磁性体に縦波超音波を印加すると、超音波による伸縮部に発生する磁気異方性磁界が試料の表面から漏洩する。この漏洩磁束は、材料中に存在する応力に応じて変化するため、その変化を観測することにより、試料内部の応力分布を知ることができる。本研究は、構造物にキズが発生する前段階の疲労の状態を検出する技術であり、構造物の安全性を非破壊で検査する新しい技術を提案できることが期待できる。 |
146 |
コンパクト化を目指した組立式伝統家具の構造開発とその応用 |
田中 隆充 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
伝統家具の輸出で問題とされる一要素として、輸送コストが挙げられる。本研究は、そのコスト削減のための方法として、輸送時は分解され、海外で使用される時は日本の格式ある伝統家具として成立する組立式の伝統家具を開発することを目的とする。輸送コストが安価と考えられる方法として、ユーザの手荷物として航空機で直接運搬することである。そこで、機内持込みサイズ内にコンパクト化できることを目指した構造開発を行う。 |
147 |
マイクロモーゼ効果を用いた有機半導体薄膜の微細結晶配向制御 |
藤代 博之 |
岩手大学 |
近藤 孝 |
岩手大学 |
本研究では、超強力な数T(テスラ)級超伝導バルク磁石の小型、可搬、高磁気勾配、漏れ磁場が少ないなどの利点を生かした、付加価値の高い工学的応用を実用化したい。超伝導バルク磁石を用いて、1)マイクロモーゼ効果を利用した有機半導体薄膜の溶液成長における微小領域の配向制御技術の開発と、2) 有機半導体溶液の微小液滴を用いたプロセスによる、レジストレス有機半導体薄膜パターン形成のための要素技術の開発を実施する。 |
148 |
ZnO系薄膜を用いた高感度紫外線パネル検出器の開発 |
道上 修 |
岩手大学 |
大島 修三 |
いわて産業振興センター |
本研究では、紫外線照射で電気抵抗が大きく低下する窒素(N)ドープZnO薄膜を用いて、マトリックス状の受光部を持つ光導電型紫外線パネル検出器の可能性を追求する。縦横の配線には、低抵抗のZnO系透明導電膜を使用する。受光部は、紫外線応答する高抵抗薄膜を縦横の配線の交差部に介在させた積層構造となっている。本実験では、積層膜形成による問題点及びマトリックス検出器の計測上の問題点を明確にし、ZnO系検出器の開発を図る。 |
149 |
トリアジンチオールを用いた新規配線技術の開発 |
馬場 守 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
電子デバイスの作成には、パターン露光と現像処理で薄膜上に作成したレジストをマスクとしてエッチング液で薄膜に所望のパターンを施す微細加工技術が用いられる。しかし、この方法では、エッチング時に基板にダメージを与えることがある。本応募課題は、トリアジンチオール有機ナノ薄膜技術と微細加工技術との融合により、環境に優しい有機エレクトロニクスのための迅速で安価な微細加工技術などの次世代電子デバイス基盤技術を開発することを目的とする。 |
150 |
微細加工金型表面の撥水撥油機能付与離型処理技術の開発 |
平原 英俊 |
岩手大学 |
中戸川 明広 |
岩手大学 |
情報光通信などに利用されるプラスチック光学素子を成形するための金型は高精度化が進んでいる。しかしながら、金型の汚染劣化による製品の外観寸法不良が発生する場合があり、離型剤フリーや金型洗浄の自動化、メンテナンスフリーが求められている。本研究の目的は金型からプラスチックの型離れ性をコントロールするトリアジンジチオール誘導体による金型の離型表面処理技術を確立し、金型汚染防止技術を開発するものである。 |
151 |
岩手県久慈産琥珀とロシア産琥珀に含まれる機能性物質の差別化とその応用 |
木村 賢一 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
琥珀は新生代の第三紀の植物樹脂が地中で化石化したもので、日本ではロシア産と久慈産琥珀が装飾品として商業化されている。本研究は、琥珀の中に閉じ込められた新たな機能性物質を、Ca2+シグナル伝達に関わる遺伝子変異酵母を用いてそれぞれの琥珀から単離精製し、その構造や活性、並びに量を明らかにし、両琥珀を比較してその差別化を図る。そして、高血圧やアレルギーなどに対する機能性素材としての実用化の可能性を検討することを目的とした。 |
152 |
遺伝子発現解析を利用した牛体外受精胚の新規評価法の開発 |
澤井 健 |
岩手大学 |
今井 潤 |
岩手大学 |
牛卵子の体外受精後の体外発生率および胚移植後の受胎率の向上のためには、移植後の発生および受胎能力を指標とした胚の品質評価およびそれに基づいた体外培養系の開発が必要である。本研究では、遺伝子発現解析法を利用して、形態的分類にたよってきた牛胚の発生および受胎能力を新たな基準で評価し、効率的に個体にまで発生し得る胚の評価選別法および遺伝子発現情報に基づく新規体外培養系の開発を目標とする。 |
153 |
米由来アルツハイマー病経口ワクチンの安全な投与法の開発 |
吉田 泰二 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
児嶋 清 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
アルツハイマー病は、アミロイドベータペプチド(Aβ)の脳内蓄積が原因で発症する。この病気の予防法として、Aβ含有植物由来の経口ワクチンが考えられる。このワクチンには、免疫を増強させるためコレラトキシンB サブユニット(CTB)等の添加が必要である。CTB は無毒であるが、人への投与は現在認められていない。本研究では、米を用い、CTB 無添加あるいは低濃度添加で高い効果があるワクチン投与法を開発する。 |
154 |
DNA鑑定技術を用いた放流用ナマコの新たな標識法の開発 |
奥村 誠一 |
北里大学 |
及川 善裕 |
北里大学 |
近年、我が国から中国へのナマコの輸出が急増し天然資源の枯渇が危惧される。そのため栽培漁業が重要視されるが、効果的な栽培漁業を行うには放流効果の評価が必要である。しかし、ナマコは物理的標識を離脱させるため、標識による放流効果の評価は困難である。本研究では、優れた個体識別法であるマイクロサテライトDNA分析技術を用いて、放流種苗の個体識別を可能にすることで、放流効果の評価に資することを目的とする。 |
155 |
サキシトキシン群麻痺性貝毒の無害化技術の開発 |
佐藤 繁 |
北里大学 |
及川 善裕 |
北里大学 |
麻痺性貝毒は複数の成分からなる化合物の総称である。これらのうちサキシトキシン(STX)は最も毒性が強くかつ著しく安定で、中性溶液中では加熱してもほとんど分解しないものとされてきた。申請者は最近、種々の植物の抽出液中でSTXが速やかに消失する現象、ならびに活性の本体がこれらに含まれるポリフェノールであることを見出した。本研究は貝類の食材としての安全性の向上に資するため、STXを効率よく除去できるポリフェノールならびに含有製品を見出すことを目標とする。 |
156 |
麻ひ性貝毒測定用ELISAキットの開発 |
児玉 正昭 |
北里大学 |
及川 善裕 |
北里大学 |
有毒渦鞭毛藻の発生で起こる麻ひ性貝毒による貝類の毒化は食品衛生上ならびに産業上の深刻な問題である。本試験は筆者らが開発したこの毒に対する新奇抗体作成技術を応用し、貝類の毒量を迅速に定量できる簡易測定法の開発を目的とする。毒は構造が類似した複数の成分からなり、抗体の反応性は成分ごとに異なる。代表研究者らはこの問題を解決する技術を既に開発しており、本試験ではこの技術を組み込んだ簡易測定ELISAキットの完成を目指す。 |
157 |
サケの未利用部位資源を高度有効活用したニホンウナギの種苗生産・養殖技術の開発 |
森山 俊介 |
北里大学 |
佐々木 守衛 |
いわて産業振興センター |
ニホンウナギの養殖には全て天然シラスウナギ資源が用いられているが、近年、資源量は激減している。また、養殖ウナギの多くはオス化し、成長に著しい個体差を生じる。それゆえ現在、ウナギを安定供給するための完全養殖技術の開発が強く求められている。本研究は、サケ頭部の未利用資源から調製した成長促進活性成分をベースとした増体用飼料を高度有効活用して、健康で大型のウナギ稚魚のみならず人工孵化仔魚を育成する増養殖技術の開発を図る。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
158 |
シイタケ種菌の遺伝的劣化を検出するDNAマーカーの開発 |
千葉 直樹 |
宮城県農業・園芸総合研究所 |
田中 良 |
宮城県農業・園芸総合研究所 |
シイタケ種菌は拡大培養により生産されるが、この過程で菌株に遺伝的劣化が生じる場合があり問題化している。本試験ではシイタケ種菌から遺伝的に劣化した種菌を選別する手段として、劣化種菌を検出するDNA マーカー技術を開発する。 |
159 |
ハーフメタル・ナノ粒子との樹脂コンポジット磁気抵抗素子の開発 |
鈴木 勝彦 |
宮城工業高等専門学校 |
引地 智 |
みやぎ産業振興機構 |
スピン偏極率が-100%のFe3O4 粒子とスピン偏極率100%のCrO2 粒子による樹脂コンポジット磁気抵抗素子における成分比による磁気抵抗の特性変化制御の技術の開発をすることを目的とする。具体的には、Fe3O4 ナノ粒子とCrO2 マイクロあるいはナノ粒子の成分比を変えて、樹脂を充填剤とするコンポジット原料を作製し、調整原料の圧力−抵抗変化、SEM 観察、磁化測定、コンポジットの磁気抵抗測定、抵抗の温度変化測定を行い、作製条件を検討する。 |
160 |
新規酵母による海藻からバイオエタノール生産法の開発 |
金内 誠 |
宮城大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
地球温暖化対策として、バイオエタノールが注目されているが、原料として、トウモロコシなど農作物を用いることにより、食料の不足や価格高騰を引き起こすなど大きい問題となっている。この課題では、海藻原料をとして、新規に分離した酵母を用いて、海藻を分解し、更にエタノール生産まで同一の菌株を用いるという特徴を持つ生産法を開発している。本課題により、地球温暖化対策に貢献できると試算されるものである。 |
161 |
アセチルアセトン亜鉛をMO-CVD原料としたa軸配向ZnO透明トランジスタの開発 |
羽賀 浩一 |
仙台電波工業高等専門学校 |
山口 一良 |
科学技術振興機構 |
本試験では、独自の製法により作製した昇華特性が安定なアセチルアセトン亜鉛(Zn(C5H7O2)2)ファイバーをMO-CVD原料としたa軸配向ZnO 透明トランジスタ(TFT)を開発することを目的とする。具体的には、本ファイバー原料を用いてZnO 薄膜の表面平坦性を向上させ、TFT の高速化に最適な配向面を有するa軸配向ZnO 薄膜を作製し、それを透明TFT の作製プロセスに応用してデバイスの基本特性である移動度、on/off 比の向上を確認する。 |
162 |
テーパースロットアンテナを用いた300GHz帯SBD検出器アレイの開発 |
鈴木 哲 |
仙台電波工業高等専門学校 |
羽賀 浩一 |
仙台電波工業高等専門学校 |
本試験では、ショットキ・バリア・ダイオード(SBD)とテーパースロットアンテナ(TSA)を組み合わせた1次元アレイの開発を目指す。具体的には、5素子のアレイ検出器を製作して300GHz 帯で検出実験を行い、TSA の指向性、検出器感度、素子間のクロストーク、イメージングの空間分解能、時間領域計測への応用など、実験的に明らかにする。 |
163 |
次世代医療用自動無痛採血・投薬ユニットの開発と応用 |
山本 英毅 |
東北学院大学 |
引地 智 |
みやぎ産業振興機構 |
本研究では、無痛針と形状記憶素子を用いた無痛穿刺による自動採血・投薬ユニットの開発と応用を目的とし、携帯移動体端末化が可能な超小型自動分析・治療デバイスへ簡単に着脱できる、カートリッジ式自動無痛採血・投薬ユニットの開発を目指す。具体的には、微小出力直流電源で形状記憶素子を駆動し、世界最小径の無痛針で穿刺採血・投薬が可能な超小型自動無痛採血ユニットの設計製作と性能評価を検討する。 |
164 |
CO2ガス流評価用波長2ミクロン小型レーザーモジュールの開発 |
佐藤 篤 |
東北工業大学 |
町田 博 |
みやぎ産業振興機構 |
レーザーによるCO2計測では、CO2の吸収線が多く存在する波長2.05μm付近でチューナブルな単一周波数光源が求められている。しかしながら、この波長領域では、計測器等に容易に組み込み可能な小型かつ高出力の光源が存在しない。そこで本研究では、半導体レーザーに近いサイズでかつワット級の出力を有するCO2ガス流評価用の波長2μm帯レーザーモジュールの開発を目指すと共に、その実用化の可能性を探る。 |
165 |
近赤外領域超広帯域パルス光源の開発 |
上杉 直 |
東北工業大学 |
野澤 壽一 |
東北工業大学 |
高繰り返しナノ秒パルスレーザ光をGeO2添加高非線形単一モード光ファイバへ励振して安定な1.4μ帯〜1.7μm帯における広帯域強度平坦スペクトルを発生し、低励起入力での小型広帯域測定用光源を開発する。また、波長多重用高密度分波器を挿入することにより、狭スペクトル多チャンネル光源を実現するとともに、PPLN材料の位相整合特性評価、差周波発生によるTHz発生など種々の応用への展開の可能性を明らかにする。 |
166 |
骨格筋組織繊維化防止治療薬(肉離れ治療薬)の開発 |
永富 良一 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
本研究では生体内RNA 干渉法による繊維化関連遺伝子の抑制による筋損傷後の繊維化防止治療薬を開発することを目的とする。マウスに反復薬物投与あるいは反復伸張性収縮負荷による筋損傷を作成直後に、生体内RNA 導入法により繊維化に関与する遺伝子を一過性に抑制するsiRNA を投与することにより繊維化を防止できる至適条件を明らかにする。また回復後の再損傷にも有効かどうかを検討する。 |
167 |
簡便・高効率・非加熱インジウム回収方法の開発 |
加納 純也 |
東北大学 |
平泉 健 |
東北大学 |
本試験では、非加熱でかつ酸アルカリ溶液を使用しないメカノケミカル反応を利用して、廃棄された液晶パネルからインジウムを簡便に高効率で回収する方法を構築することを目的とする。液晶パネルから膜状になっているインジウムスズ酸化物(ITO)のみを効率よく回収する方法の開発と回収したITO 濃縮粉末にメカノケミカル法を適用し、選択的にインジウムのみを還元させ、簡便にインジウムを回収する方法の開発を目指す。 |
168 |
高次な環境浄化機能を有する酸化チタンナノチューブのシステム化 |
関野 徹 |
東北大学 |
清水 裕一 |
大阪大学 |
単材料でありながら分子吸着能と光触媒能を兼備した酸化チタンナノチューブ(TiO2 NT)について、高次の環境浄化システムへの応用を指向した機能・構造最適化に関する研究開発を目的とする。このために、多様な環境下での吸着・光触媒機能の更なる精査とメカニズム解明を行い、その最適化ならびに機能向上を図ると共に、浄化システムへ向けた構造化を行う。 |
169 |
原子レベルで表面形状を制御したナノ物質のための金属テンプレート |
吉見 享祐 |
東北大学 |
井元 尚充 |
東北大学 |
NiAl金属間化合物の特異な熱的性質を利用して、NiAl単結晶の表面に熱処理のみで大きさ・密度・形状を原子レベルで制御した無数のナノ孔を作り出し、ナノ物質を捕獲し固定化するための金属製ナノテンプレートへ応用するための作製技術の確立を目標とする。105nmのナノ物質を効果的に捕獲・固定化しナノ計測に供するために、本研究ではナノ孔の平均サイズを5010nmに制御するための最適条件を探索し、テンプレートを作り上げるための作製プロセスの提案を行う。 |
170 |
米糠トコトリエノールを利用した肥満になりたくない健康食品の開発 |
宮澤 陽夫 |
東北大学 |
田村 光彦 |
科学技術振興機構 |
本試験では、極めて高純度(≧90%)の米糠トコトリエノールの新規な抗肥満効果を肥満モデル動物を用いて検証(前臨床)することを目的とする。具体的には、高純度米糠トコトリエノールを経口投与することによって肥満モデルマウスの肥満抑制程度を体重変化で追跡しつつ、血中中性脂肪濃度、コレステロール濃度、血糖値を経時的に調べる。マウスの解剖によって内臓白色脂肪組織量を測定し、抗肥満効果を総合的に評価する。 |
171 |
生涯発現が持続する、新しい超音波遺伝子導入法の実用化研究 |
熊谷 啓之 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
超音波導入法は、ウイルスベクターを用いない、極めて安全な遺伝子治療法である。ところが従来の手法では、遺伝子発現の持続期間が極めて短いことが大きな欠点であった。そこで申請者は発現ベクターに工夫を施すことにより、マウスの生涯にわたり発現を持続させることに成功した。本研究では、この新たな手法の臨床的実用性を検証すべく、筋ジストロフィーモデルマウスを対象に、治療効果の持続性、および安全性を評価する。 |
172 |
転移性乳がん細胞を標的とした抗がん剤の開発と応用 |
権田 幸祐 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
がん化誘導因子を標的とする抗体型抗がん剤は「標的因子の活性阻害」や「免疫系細胞によるがん細胞駆除」を誘導する医薬品で近年急速に発展してきた。これまでに申請者は、乳がん細胞の転移能活性化因子を標的とするモノクローナル抗体を調製し、その分子活性を抑制することに成功してきた。本研究では、遺伝子工学的方法で抗体産生細胞から抗体遺伝子を単離し、「抗体分子構造のヒト化」と「抗体機能の強化」を行い、対がん効果を増強することで臨床への応用を目指す。 |
173 |
建築物の構造ヘルスモニタリングと地震警報のためのオンライン波形情報活用システムの開発 |
源栄 正人 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
地震防災分野でのリアルタイム地震情報技術の実用化に伴い、建築物の構造ヘルスモニタリングによる損傷度評価や地震警報の重要性が広く認識され始めている。本開発では、構築済みの「基盤システム」のモニタリングデータに常時オンラインでアクセスできる環境を提供し、モニタリング情報をインターネットを介して広く世界に公開するために、利活用ソフトウェアの開発を行い、オンライン波形情報活用システムの確立を目指すものである。 |
174 |
紫外線遮蔽機能を有するリン酸セリウム系「新規体質顔料」の開発 |
佐藤 次雄 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
約3 eV のバンドギャップエネルギーを有し400 nm 以下の紫外光を吸収可能で、流動性に優れた「CePO4」の単分散板状ミクロン粒子を「水熱法」で作成しその光化学特性を明らかにすることにより、紫外線遮蔽能を有する「新規体質顔料」を開発することを目的とする。具体的には、雲母状CePO4 の製造最適条件の検討、すべり摩擦抵抗の測定および官能試験による使用感評価、化粧品用「ひまし油」の酸素酸化に対する酸化触媒活性評価、光照射による一重項酸素生成挙動評価を行う。 |
175 |
マウス用胎児心電図装置の開発 |
佐藤 尚明 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
本試験では、マウスの胎仔の心電図をマウス母体腹壁より計測する方法と装置を開発することを目的とする。具体的には、高インピーダンス皿電極の開発、高インピーダンス針電極との同時測定による計測精度の検証、40秒の低酸素付加による病態反映の確認試験を行う。 |
176 |
非侵襲組織標的性分子導入法を用いたがん確定診断法の開発 |
小玉 哲也 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
本試験では、非侵襲組織標的性分子導入法とポジトロン断層撮影法(PET)を用いたがん確定診断法を開発することを目的とする。具体的には、マウス側腹に 1cm 以下の固形腫瘍を作成し、ナノバブルと超音波を使った分子導入法で、NIS 遺伝子と腫瘍マーカープロモーター遺伝子からなる長期発現性プラスミドDNA を導入し、PET による腫瘍確定判断法の開発を行う。 |
177 |
人工胎盤装置に応用できる膜人工肺の開発 |
松田 直 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
本試験では、これまで困難とされてきた成育限界児や重症心肺奇形児を救命することを目指し、ヒト胎盤循環を模した体外式補助循環回路 (人工胎盤) を開発することを目的とする。具体的には、胎盤という最も効率のよい生理的補助循環のコンセプトを応用してヒツジ胎仔を用いた慢性実験系を作成し、出生後も生理的な胎児胎盤循環を維持できる膜型人工肺の基本仕様 (膜面積と圧力損失の関係、酸素添加能、炭酸ガス排出能) を明らかにする。 |
178 |
高屈折率ポリマー開発とスロットマイクロリング共振光回路応用 |
杉原 興浩 |
東北大学 |
平塚 洋一 |
東北大学 |
本試験では、小型高感度なセンサーデバイス用途として、特にSiでは対応できない短波長での生体・バイオセンサーをはじめとするインテリジェントセンサーデバイスを開発することを目的とする。具体的には、高屈折率透明ポリマーの合成評価、ナノインプリント技術によるスロット付マイクロリング共振光回路の作製と、スロットにセンシング物質を注入しての、センサーとしての実証を行なう。 |
179 |
各REGタンパク質の高感度ELISA系の確立とそのIBD早期診断への臨床応用 |
菅原 明 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
IBDは下痢・腹痛を伴う慢性炎症を特徴とし、再発と緩解を繰り返す原因不明の疾患である。現在IBDには適当なマーカーが無いために診断が煩雑・困難であることから、その簡便な早期診断法の確立が急務である。ごく最近、IBD患者の粘膜病変における種々のREG遺伝子の過剰発現が報告されており、血中REGタンパク質の測定がIBDの早期診断に有用である可能性が考えられる。本課題において我々は、既知の5種類のREGタンパク質に対するELISA系を確立することにより、IBDの早期発見・診断率を向上させることを目的としている。 |
180 |
生体用多層リン酸カルシウムコーティング膜の最適化 |
成島 尚之 |
東北大学 |
山口 一良 |
科学技術振興機構 |
チタンインプラントの骨適合性向上を目的に、高周波マグネトロンスパッタリング法を用いた多層リン酸カルシウムコーティング膜構造の最適化を行なう。多層コーティング膜全体としての密着力、擬似溶液中でのアパタイト形成能などの生体外評価に加えて、多層リン酸カルシウムコーティングを施したチタン製インプラントの日本白色家兎大腿骨からの回転除去トルク測定や組織学的評価などを通して、コーティング膜構造と骨適合性の関係を明らかにする。 |
181 |
世界最大の水蒸気吸着容量をゆするヒートポンプ用「多孔質炭素」の開発 |
西原 洋知 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
本試験では、従来の水蒸気吸着材の2 倍以上の水蒸気吸着容量をもつ、ヒートポンプ用「多孔質炭素」を開発することを目的とする。具体的には、鋳型法を用いて合成される高容量の多孔質炭素に異元素ドープ、親水性官能基導入、細孔径微小化を行い、これらの親水性増加に及ぼす影響を調べる。一方、こういった操作は容量低下を招く恐れがあるため、容量の変化についても調べる。それぞれの操作について、親水性と高容量を両立するための最適条件を明らかにする。 |
182 |
微小流路内におけるマルチ細胞の捕集固定技術の開発 |
西澤 松彦 |
東北大学 |
田村 光彦 |
科学技術振興機構 |
本研究は、マイクロ流路内壁の特定位置に細胞が付着できる場所を造る機能と、さらにその場所へ細胞を捕集し押し付けて固着させる機能、を搭載したマイクロ流路チップを開発と、これら2つの機能を連動させる事による細胞チップの作製である。具体的には、(電気化学バイオリソグラフィー/誘電泳動)機能搭載マイクロ流路系の構築、誘電泳動による細胞捕集効率向上検討、少量サンプルからの細胞捕集条件の検討、2種の細胞の捕集固定条件の検討を行なう予定である。 |
183 |
超高圧パルス噴霧燃焼によるCO2とNOxの同時低減 |
青木 秀之 |
東北大学 |
村上 雄一 |
仙台市産業振興事業団 |
最近、原油高のため低品位燃料の燃焼利用が増大しているが、燃焼効率の低下や環境汚染物質排出量の増加が懸念されている。この問題の解決のためには、加熱炉や乾燥炉等で行われる燃焼加熱操作における高効率低環境負荷燃焼が必要となる。本研究では超高圧パルス噴霧ノズルによる噴霧特性に着目し、噴霧燃焼実験を行い、強力な噴霧による燃焼効率の増大や、時空間的な温度・濃度の積極制御による環境汚染物質低減を目指す。 |
184 |
自動車排気熱発電用熱電変換材料の押出しプロセスの開発 |
陳 中春 |
東北大学 |
峠 竹彌 |
株式会社インテリジェント・コスモス研究機構 |
自動車排気熱や産業分野から排出されている未利用廃熱を電力に有効に変換するために、緻密・健全かつ高熱電性能を有するZn4Sb3単相材の新しい加工プロセスを開発することを目的とする。具体的には、粉末の「反応−押出しプロセス」を提案し、押出しの1工程でZnとSb粉末間の反応によるZn4Sb3熱電化合物の合成、および塑性加工による形状付与と緻密化を同時に実現し、押出し成形条件の最適化による熱電性能の向上およびプロセスの安定化を目指す。 |
185 |
チャネルロドプシン−2遺伝子導入による視覚再生研究 |
富田 浩史 |
東北大学 |
猪股 俊行 |
東北大学 |
本試験では、生体親和性化合物を用いて、網膜の特定部位(黄斑部)にChR2 遺伝子を導入する技術を開発することを目的とする。具体的には、サルに対して黄斑部へ高頻度に遺伝子を導入できることの確認を行なう。さらに、最適と思われる遺伝子導入方法を決定し、ヒトと同様の黄斑部を有するサルに対して行い、黄斑部への遺伝子導入効率を調べる。 |
186 |
選択的IgM型モノクローナル抗体の高効率作成法の開発 |
武藤 哲彦 |
東北大学 |
猪股 俊行 |
東北大学 |
本試験では、遺伝子改変マウスを用いて、IgM型モノクローナル抗体を選択的に作成する方法を開発し、抗体医薬スクリーニングのより強固な基盤づくりへ貢献することを目指す。具体的には、ミエローマ細胞との融合細胞(ハイブリドーマ)を作成し、分泌される抗体について、IgM型抗体の頻度、抗原に対する親和性を確認する。さらに、このIgM抗体を線維芽細胞の培養液に添加し、線維芽細胞の増殖やアポトーシスを測定する。 |
187 |
神経再生を促進するバナジウム化合物の創薬研究 |
福永 浩司 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
万能細胞 (iPS 細胞) の発見により神経再生医療への応用が期待できる。私達は末梢投与により脳梗塞後に脳神経細胞の新生を促進するバナジウム化合物を見いだした。バナジウム化合物はインスリン様作用による血糖降下作用を有している。本研究ではアルツハイマー病モデルおよび脳梗塞モデル動物を用いてバナジウム化合物の神経新生促進のメカニズムと臓器毒性、薬物動態を明らかにして、神経再生治療への臨床応用を目指す。 |
188 |
希土類窒化ケイ素をホスト結晶とする「新規白色LED用蛍光体」の開発 |
末廣 隆之 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
希土類(RE)窒化ケイ素系物質をホスト結晶とする独自の物質探索指針に基づき、従来にない高耐熱性を実現する新規白色LED 用蛍光体を開発することを目的とする。具体的には、GRN プロセスを用いたRE2O3-SiO2 系の還元窒化により、共有結合性の増大に基づく耐熱性向上が期待される高窒素含有RE-Si-O-N 系物質の系統的合成を行い、広帯域発光に適したEu2+、Ce3+等の賦活により新規白色LED用 蛍光体としての特性発現を検討する。 |
189 |
均一板状酸化セリウム粒子の創製と新規機能性の発見 |
殷 しゅう |
東北大学 |
町田 博 |
みやぎ産業振興機構 |
本試験では、紫外線遮蔽能を有する「酸化セリウム新規体質顔料」を開発することを目的とする。具体的には、体質顔料酸化セリウムの合成技術の開発を目標とし、400 nm 以下の波長の紫外光を吸収可能で、流動性に優れた酸化セリウム単分散板状ミクロン粒子を「溶液中での自己組織化反応」を利用して作成し、その光化学特性を明らかにする。 |
190 |
酸化LDL認識ペプチドを用いたメタボリックシンドローム改善薬の開発 |
蝦名 敬一 |
東北薬科大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
本試験では、酸化変性脂質の誘発する機能を網羅的に制御することで可能となる、脳血管障害、粥状動脈硬化症、さらには糖尿病などのメタボリックシンドロームの画期的予防・治療薬の開発に資することを目的とする。具体的には、動脈硬化促進要因としてのサイトカインネットワークおよびメタボリックシンドローム惹起要因としてのアディポサイトカインネットワークにおけるペプチドの活性脂質機能制御メカニズムの解析を行なう。 |
191 |
5-アルキルイミノフラノースライブラリー構築を基盤とするゴーシェ病治療薬の開発 |
今堀 龍志 |
東北薬科大学 |
田村 光彦 |
科学技術振興機構 |
本試験では、安全なゴーシェ病SRT(Substrate Reduction Therapy)を目指した新規グルコシルセラミド合成酵素阻害剤(GCSI)として、5-アルキルイミノフラノース誘導体(5AIFD)をデザインし、その開発を目指す。グルコシルセラミドの構造を模倣した第一次直鎖型5AIFDライブラリーの構築、ライブラリーの活性評価によるリード化合物の探索、構造最適化によるオルトゴナルなグルコシルセラミド合成酵素阻害剤の開発を行なう。 |
192 |
認知症周辺症状(問題行動)を改善する薬剤の創製 |
中澤 孝浩 |
東北薬科大学 |
田村 光彦 |
科学技術振興機構 |
漢方薬の釣藤散や抑肝散は、認知症周辺症状の改善効果を示すことが報告されている。我々は、これらの有効成分がアルカロイドの生体内代謝物に由来することを発見した。認知症周辺症状の抑制に現在使われている薬剤は様々な副作用を示すが、本課題の開発薬剤は“臨床応用中の漢方薬”主成分の代謝物の誘導体であり、副作用のない抗精神病薬創製の可能性が極めて高い。本課題では、代謝物誘導体を合成、それら化合物の問題行動抑制活性を検証し、認知症問題行動改善効果を示す薬剤開発に繋げる。 |
193 |
MEMSを用いたテラヘルツ光の動的制御 |
大野 誠吾 |
理化学研究所 |
大野 健一 |
科学技術振興機構 |
テラヘルツ波の波長と昨今、作成可能なMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)構造の大きさは同程度であり、テラヘルツ波のMEMSに対する応答は非常に興味深い。本研究では、MEMSを用いたテラヘルツ(THz)光変調器の実用化を目指す。THz光の制御に必要な構造に対する理論的検討、MEMSの準備、THz光の制御に関する実験、THz光の制御・変調に必要な条件等を調べ実用化への糸口とする。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
236 |
マイクロ・ナノバブル技術を活用した半導体ウエハ、冶工具の洗浄技術開発 |
浅野 俊之 |
茨城県工業技術センター |
津田 征夫 |
株式会社ひたちなかテクノセンター |
半導体製造における異物など汚染物質の洗浄に関わる有機溶剤の使用量増大とその排液処理などの洗浄コストおよび環境負荷の増大が問題となってきている。そのため、マイクロ・ナノバブル技術を半導体ウエハや製造用冶工具類の洗浄に応用し、有機溶剤を大幅に削減した洗浄技術を開発するとともに半導体ウェハ・治具洗浄試験装置を試作し、半導体製造における有機溶剤の使用量を画期的に削減するとともに排液処理負荷の軽減および製造コストの大幅な低減を図るものである。 |
237 |
脳疾患者・高齢者のためのパソコン版自動車運転高次機能検査法の開発 |
池田 恭敏 |
茨城県立医療大学 |
小谷 純久 |
株式会社つくば研究支援センター |
脳疾患者や高齢者では、運動機能の低下に加えて、記憶障害や注意障害そして遂行機能障害などのいわゆる高次脳機能障害を有することがある。しかし、自動車運転能力の予測に有効な高次脳機能検査法が確立していないため、運転免許センターにおける高齢者教習や、リハビリテーションの臨床における自動車運転の適否判断が非常に困難である。そこで本研究では、既存の検査法の中から、脳疾患者や高齢者の自動車運転技能と相関性の強い高次脳機能検査課題を抽出し、その検査課題の特性を反映したパソコン版自動車運転高次脳機能検査を開発する。 |
238 |
土壌汚染調査における「調査地点設定システム」の開発 |
岡本 修 |
茨城工業高等専門学校 |
鷲尾 善一 |
株式会社ひたちなかテクノセンター |
本研究は、土壌汚染対策法に基づき環境省指定調査機関が行う土壌汚染調査において、調査費用をコストダウンする調査地点設定システムの開発である。これまでに開発したGPS調査地点ナビゲーション手法は、1人で調査地点設定できコストダウンに寄与するが、ビルが立ち並ぶ場所で精度が落ち、熟練者が従来方法と併用する必要があった。そこで、初心者でも調査地点設定できる情報を提供する等のアシストシステムの実用化を目指す。 |
239 |
タンパク質結晶化分析装置の開発 |
若松 孝 |
茨城工業高等専門学校 |
柏渕 泰彦 |
株式会社ひたちなかテクノセンター |
創薬を目的とするタンパク質結晶の構造解析には、良質なタンパク質結晶の供給が必要である。しかし、現状ではタンパク質結晶化のスクリーニングは、試行錯誤で行われており、多大な時間と労力を要する。そこで当試験研究では、高精度レーザ光計測技術を駆使して、タンパク質の結晶化状態を高感度に計測できる高精度スクリーニング技術の開発を目指し、タンパク質結晶化の高精度分析装置の開発を主目的とする。 |
240 |
薄型熱発電式ユビキタス電池の開発 |
鵜殿 治彦 |
茨城大学 |
相澤 淳一 |
茨城大学 |
本研究は体温から100℃程度の低熱で発電する小型の熱電電池を開発する。この電池は手に触れるだけで発電し、半永久的に使える電源として活用できる。現在、優れた熱発電材料として、BiTe・Sb/Se系があり、この材料でそれなりの性能を確保できるが、これら元素の埋蔵量は少なく、また、毒性による規制の恐れがある。そこで我々は、資源量が豊富で安全性が高いMg2Si系の熱発電材料を用いて熱電電池の開発を進める。 |
241 |
防臭食品容器を目的とした光触媒/DLC複合膜コーティング技術の開発 |
尾関 和秀 |
茨城大学 |
大谷 基祐 |
茨城大学 |
食品プラスチック容器の防臭性に対する消費者の関心は高い。また、その市場は大きい。本研究では、ガスバリア性、生体適合性に優れた膜と防臭機能を有する膜の複合化に着目、効率的な防臭・消臭効果をもつ薄膜の創製を目的とする。 |
242 |
一般廃棄物溶融スラグ微粉末を結合材とするコンクリートの研究開発 |
福澤 公夫 |
茨城大学 |
中澤 哲夫 |
茨城大学 |
本研究は、一般廃棄物溶融スラグ微粉末およびフライアッシュの混合物をセメントの代替え品としてコンクリート製品に適用することを目的にしている。これにより、溶融スラグおよびフライアッシュを資源として有効利用できるばかりでなく、立地の難しくなっている管理型廃棄物処分場の著しい延命を可能とする。さらにセメントの製造に伴って排出される温室効果ガスである二酸化炭素の発生防止にも大きな貢献ができる。 |
243 |
中性子プロファイル解析による材料評価システムの開発 |
鈴木 徹也 |
茨城大学 |
中澤 哲夫 |
茨城大学 |
大強度陽子加速器の本格稼動に伴い、新産業・新材料の創生が期待されている。本提案は中性子回折により材料内部のミクロ組織情報を直接測定し、材料の強度、寿命に関連の深い内部応力、集合組織、結晶粒径および転位密度などのデータを一括して得る測定及び解析システムを構築するものである。測定されたプロファイルを集計し集合組織を表示するとともにプロファイル解析を行う。また実測データと比較することで解析技術の向上を図る。 |
244 |
タンパク質をゴルジ体に局在化させるための技術開発 |
横尾 岳彦 |
産業技術総合研究所 |
小高 正人 |
産業技術総合研究所 |
酵母細胞に有用な糖タンパク質を生産させるためには、酵母のゴルジ体に外来糖転移酵素を効率よく局在化させる技術開発が必要である。私達はこれまでに、酵母の糖転移酵素Och1pおよびMnn9pのゴルジ体への局在化に重要な領域を同定し、Och1pの局在に必要なタンパク質を発見した。これらの知見を活用し、Och1pおよびMnn9pに融合させた外来糖転移酵素の酵母ゴルジ体への高効率な局在化技術の開発を目指す。 |
245 |
中性子線量計校正に用いる中性子検出器の小型軽量化技術 |
原野 英樹 |
産業技術総合研究所 |
岡田 三郎 |
産業技術総合研究所 |
原子炉等放射線施設の中性子測定では、精度と信頼性を保証するため、使用する中性子線量計の校正が極めて重要である。校正に用いる基準中性子検出器は広い範囲の中性子エネルギー(keV〜MeV)領域で一様な感度を有する必要がある。この性能を満たすため一般には、据置型のロングカウンタが用いられるが、本研究では新構造に基づく小型かつ軽量で中性子検出器を設計・試作し、現場可搬型の校正装置として実用化を目指す。 |
246 |
高効率紫外赤外線遮蔽用ポリマーナノコンポジット膜の開発 |
越崎 直人 |
産業技術総合研究所 |
名川 吉信 |
産業技術総合研究所 |
液相レーザーアブレーション法により調製した平均粒径3 nmのインジウムスズ酸化物ナノ粒子は極めて優れた赤外線反射特性を有している。そこでこのナノ粒子をポリマーマトリックス中に孤立・均一分散させる手法を開発することにより、現在市販されているフィルムやコーティング液に比較して希少金属であるインジウムの使用量を大幅に削減させた高効率紫外赤外線遮蔽用ポリマーナノコンポジット膜の開発を目指す。 |
247 |
エンド/エキソヌクレアーゼ活性を用いるDNA修復法の開発とPCR反応への応用 |
松井 郁夫 |
産業技術総合研究所 |
小高 正人 |
産業技術総合研究所 |
化石や古い骨などの古代生物試料に含まれる遺伝子DNAは短く断片化しているため、Polymerase chain reaction (PCR)法でのDNA増幅は極めて困難である。よって、超好熱性古細菌Pyrococcus horikoshiiの耐熱性構造特異的ヌクレアーゼや耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性DNAリガーゼを組み合わせることにより、損傷修復反応とPCR反応を同一反応器中で連続的に行う反応系を開発する。 |
248 |
出芽酵母を用いた脂質蓄積関連薬剤スクリーニングのための指標遺伝子・蛋白質の至適化 |
神坂 泰 |
産業技術総合研究所 |
小高 正人 |
産業技術総合研究所 |
ヒトなどの真核生物のモデル生物である出芽酵母サッカロミセス・セレビジアを用いて、脂質蓄積を制御する薬剤のスクリーニング系の開発を行う。既に遺伝子改変によって脂質含量が増加した株のDNAマイクロアレイ解析、プロテオーム解析によって、脂質蓄積の指標候補として同定された遺伝子、蛋白質の中から、脂質蓄積量との相関関係の検討などによって、更に至適化した指標セットを選定し、この酵母株を用いた薬剤のスクリーニング系を構築する。 |
249 |
ホウ素中性子捕捉療法用薬剤粒子の表面状態制御に関する研究 |
石川 善恵 |
香川大学 |
倉増 敬三郎 |
香川大学 |
新しいガンの治療方法としてホウ素中性子捕捉療法(BNCT)が注目されている。BNCTとは大きな中性子吸収断面積を有する10B原子を選択的に腫瘍細胞に導入し、中性子照射により生成するα粒子で腫瘍細胞のみを選択的に破壊させる手法である。炭化ホウ素微粒子はBNCT用薬剤への応用が期待されており、本試験では炭化ホウ素微粒子に薬物輸送機能を付与するための表面化学修飾に最適な炭化ホウ素粒子表面を得るための技術開発を行う。 |
250 |
新規遺伝子発現系を使ったバイオ医薬品製造法の開発 |
中西 真人 |
産業技術総合研究所 |
小高 正人 |
産業技術総合研究所 |
抗体医薬や組換えワクチンなど人体に直接投与するバイオ医薬品の生産技術として、遺伝子増幅が可能なハムスター由来CHO-DG44細胞を使った生産系が主に使われている。しかし、この系には、実用的なレベルにまで遺伝子を増幅するために1年以上の時間と高いコストを必要とする欠点がある。本課題では、細胞質で多コピーの遺伝子を安定に維持できる持続発現型RNAレプリコン技術を応用して、短期間で大量のタンパク質を生産できる技術の開発を行う。 |
251 |
量産化可能なリサイクル型新規ナノサイズ触媒の開発 |
藤田 賢一 |
産業技術総合研究所 |
齊藤 敬三 |
産業技術総合研究所 |
触媒活性部位の鎖状ポリマーやデンドリマー等の球状ポリマーへの固定化により、触媒プロセスにおける技術的な利便性や化学的な有効性が明らかになりつつある。本研究開発では、触媒のポリマー固定化に基づく優位性を抽出することにより、量産化可能な新規ナノサイズ触媒をデザインし、酵素を用いたバイオプロセス同様に均一系触媒プロセスの効率的なリサイクルを達成させることを主目的とする。 |
252 |
変異型タンパク質のアミノ酸配列設計ソフトウエアの開発 |
本田 真也 |
産業技術総合研究所 |
小高 正人 |
産業技術総合研究所 |
タンパク質工学は、計画されたアミノ酸置換により分子物性を合目的的に改変することが可能であることを示してきた。しかし、置換には不測の影響を伴うことが一般的で、複数の性質を同時に向上させることは容易ではない。本課題は、任意のタンパク質の構造座標データを用いて、本来の機能を損なうことなく構造安定性のみを向上させた変異型タンパク質を製造することを支援する分子設計ソフトウエアを開発することを目的とする。 |
253 |
球面加減速機構の開発 |
矢野 智昭 |
産業技術総合研究所 |
山崎 宏之 |
産業技術総合研究所 |
1台で多自由度の動きを実現する球面モータは3台のモータを1台の球面モータで置き換えることができるためシステムの小型・軽量化や省資源・省エネルギー効果が期待できる。一方、球面モータ単体では出力軸の可動範囲を広く取ることが困難である。本研究では球面モータの出力トルクを2倍以上に増幅し、かつ出力軸の可動範囲を広くとれる球面加減速機構を開発する。 |
254 |
AE法及び画像相関法の併用による木材接合部損傷モニタリング技術の開発 |
宇京 斉一郎 |
森林総合研究所 |
山本 幸一 |
森林総合研究所 |
1980年代より大規模化してきた木質構造物は今後寿命を迎え、台風や地震などによって蓄積された損傷のモニタリング技術の開発が急務となっている。本研究ではAE(アコースティックエミッション)法と、損傷位置等を特定可能なデジタル画像相関法を併用することによって、AE信号処理の高精度化を図り、木質構造物の要となる接合部の損傷検出システムの開発を行う。 |
255 |
大容量ブロードバンド通信向け超低歪み高速信号伝送ケーブルの開発 |
安永 守利 |
筑波大学 |
上原 健一 |
筑波大学 |
今後の大容量ブロードバンド通信には低歪み信号伝送ケーブル技術が不可欠である。一方、従来技術の延長では低歪化が困難になりつつある。本試験では、従来とは発想を180度逆転した全く新たな手法により信号歪みの低減を試みる。具体的には、伝送経路中にノイズを故意に発生させ、このノイズによって信号波形の歪みを整形する。波形整形のためのノイズの組み合わせ問題を解くためには、遺伝的アルゴリズムを用いる。 |
256 |
超高速知的メディア処理の体系化およびそれらの組み込みハードウエア開発 |
延原 肇 |
筑波大学 |
藤田 尚徳 |
筑波大学 |
超高速処理実現のボトルネックである乗算・除算および実数型の変数を使わずに、ハード化に対する親和性の高い比較演算・加算および整数型の変数のみを用いて、知的メディア処理の各種アルゴリズム:ウェーブレット変換、ニューラルネット、ファジィ、セルオートマトン等を定式化および融合し体系化する。さらにFGPAを用いて、これらの体系をハードウェア化し、超高速知的メディア処理体系を実現するとともに、携帯電話や携帯ゲーム機器などへの知的モジュールの組込みを目指す。 |
257 |
実用可能なTi-Ni-Zr-Nb高温形状記憶合金の開発 |
宮崎 修一 |
筑波大学 |
角井 修 |
筑波大学 |
高温変態を示す形状記憶合金は、Ti-NiにPd, Pt, Auなどの貴金属やZr, Hfなどの元素の添加で可能であるが、これらはいずれも加工が困難で圧延加工や線引加工ができないため実用化に成功していない。本研究では、80℃以上で200℃までの温度範囲で使用できる加工可能な実用高温形状記憶合金の開発を行うことを目的とし、Ti-Ni-Zrに第四元素としてNbを添加した合金系を調べる。 |
258 |
光学活性導電性高分子を用いた反射光可変型回折格子の作成 |
後藤 博正 |
筑波大学 |
藤田 尚徳 |
筑波大学 |
コレステリック液晶電解液中で導電性高分子を電解合成し、電気化学的ドープ・脱ドープに基づく選択反射光の制御可能な可能な材料の合成、評価を行う。次にこの材料を用いて、反射型エレクトロクロミックデバイスを作成する。 |
259 |
線虫を用いた抗肥満作用分子の選択・解析法の開発とその応用 |
坂本 和一 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
多価不飽和脂肪酸やポリフェノール類は、抗肥満作用やコレステロール除去作用をもつことが知られている。一方、線虫(C.elegans)は、ヒトと類似した脂質代謝機構を持ち、個体レベルの脂質解析が容易であることから肥満研究のモデル生物として有用である。本研究は、脂質代謝の鍵となる遺伝子に着目し、線虫を用いて肥満や生活習慣病の改善・予防に働く新規分子の選択方法を開発し、その科学的解析と実用化に向けた応用解析を行なう予定である。 |
260 |
自己組換えを制御できる遺伝子導入ベクターの開発 |
三輪 佳宏 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
申請者は、抗生物質ドキシサイクリン(dox)の添加で、従来の転写のみに依存する方法よりも精密に遺伝子発現を制御できる新技術を開発している。そこで、これをCreなどの様々なDNA組換え酵素に応用し、目的遺伝子を発現させるベクターに自己組換えを起こす方法論を確立する。これは、役目が終わった段階で自由自在に除去できるベクター開発の基盤技術であり、iPS細胞の安全性を飛躍的に高めるための強力な技術となる。 |
261 |
Nrf2システムを利用した癌細胞薬剤耐性評価法の開発と応用 |
石井 幸雄 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
肺癌は種々の抗癌剤に耐性であることが多く、耐性評価は適正使用の点からも重要である。転写因子Nrf2は薬剤耐性に関わる遺伝子の統一的誘導を介し、肺癌の薬剤耐性の中心的役割を果たす。Nrf2の活性化はKeap1分子により制御され、肺癌細胞には高率にKeap1分子の遺伝子変異が存在する。本研究では、同変異解析を中心にNrf2システム活性化の定量評価法を開発し、抗癌剤の耐性評価法として臨床応用を図る。 |
262 |
ワイヤー操舵によるトレーラの後退走行技術 |
瀧川 具弘 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
本研究の目的は、運転制御を車両の運動特性データを装備したコンピュータを通じて行うことで、「経験」や「スキル」を要する農作業を容易化するシステムを提案することにある。つまり、運転者が直接操舵するのではなく、運転者の入力を仮想の目標入力ととらえることで、制御器が目標達成をアシストするワイヤー操舵を提案する。今回の申請では、この技術によって、トレーラに代表されるけん引式車両の後退走行を初心者でも実施できることを示す。 |
263 |
新規カドミウム濃縮能力付与遺伝子の特定と利用 |
白岩 善博 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
カドミウムは重金属の中でも最も有害性の高い環境負荷物質である。本研究では、先行研究で得た高度のカドミウム蓄積能力を付与するプラスミドからカドミウム濃縮能力を付与する遺伝子を特定し、それを大腸菌など様々な微生物に導入し、カドミウム濃縮能を強化した形質転換体を作製する。そして、それを利用して工業廃液や環境中のカドミウムを除去するための新規性の高いバイオレメディエーション技術を開発する。 |
264 |
不活性ガスの循環供給による低温噴霧乾燥技術の確立と食品への応用 |
北村 豊 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
スプレードライヤの乾燥塔内を減圧して乾燥温度を低下させながら、噴霧化流体に不活性ガスを用いることにより、熱や酸素による被乾燥物の変性を抑制する新規の噴霧乾燥法を開発する。ここでは、二流体ノズルに窒素を供給する減圧噴霧乾燥システムを新たに構築して、モデル食品の乾燥特性を実験的に明らかにするとともに、熱変性・酸化の容易な食品機能性成分の粉末化を行い、その実用性を評価する。 |
265 |
生活習慣病モデルマウスを用いた薬剤スクリーニング法の開発 |
柳川 徹 |
筑波大学 |
林 良夫 |
筑波大学 |
本課題は過食、肥満、インスリン抵抗性、脂肪肝などのフェノタイプをもつA170遺伝子ノックアウトマウスが生活習慣病モデルマウスとして、薬剤の評価や治療法の効果判定に使用できるかを調べ、新規スクリーニング法としての有効性を確認するのが目的である。今回、とくに、食後高血糖改善薬の脂肪肝抑制効果について、本モデルマウスを用いて薬効の評価をおこない、本モデルマウスのスクリーニング法としての有用性を検討する。 |
266 |
マイクロ分析デバイスの細胞機能評価への応用展開 |
鈴木 博章 |
筑波大学 |
藤田 尚徳 |
筑波大学 |
細胞の機能評価に用いる試薬などは高価であるが、極めて微量(nL〜pL)の細胞や試薬で機能解析を行うマイクロデバイスが実現されれば、効率的な評価が可能となるだけでなく、動物実験代替にもなりうる。本研究では、MEMS技術を応用し、①動物細胞を培養または採集し、②サンプリング機能、試薬注入機構、pH調節機能等を有し、③細胞の代謝に関わる化学物質の濃度変化を検出する新型マイクロデバイスの技術を確立する。 |
267 |
PET用酸素18のレーザー同位体分離法の開発 |
横山 淳 |
日本原子力研究開発機構 |
飯塚 隆行 |
日本原子力研究開発機構 |
PET用検査試薬の中で、陽電子放出核種フッ素18は、サイクロトロンを用い酸素 18から製造する。酸素18は天然に0.2%存在し、蒸留法で濃縮して製造するが、巨大な設備を必要とする。そこで、レーザーを用いた酸素18の高効率な同位体分離法を開発する。すでに2,3-ジヒドロピランの分解を利用して、一段で60%の濃縮に成功している。さらに2波長レーザー照射技術を用い、波長の最適な組合せを求め、高効率な大量濃縮システムを構築する。 |
268 |
線虫を用いたナノ材料の生体リスク評価技術の開発 |
乙部 和紀 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
安藤 益夫 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
サイズ効果により高い反応性を持つナノ材料は、生体内での酸化ストレスを助長する。そのリスク評価にはほ乳動物が使用されるが、膨大な費用と時間を要する。一方、体長1mm程の細菌食性線虫C. elegansは、ヒトとの遺伝的相同性がある、酸化ストレス応答性が高い、維持管理が容易等の特長を持つ。この特長を生かし、ナノ粒子摂取量と行動や寿命との関係を解析し、生体リスク評価を簡便・迅速に行えるキットを開発する。 |
269 |
次世代リチウムイオン二次電池の負極電極材料の開発 |
山内 悠輔 |
物質・材料研究機構 |
青野 正和 |
物質・材料研究機構 |
リオトロピック液晶中において金属イオンを析出させ、メソポーラス金属を合成する。本研究においては、次世代のリチウムイオン二次電池の負極電極材料への応用を目指し、Sn系メソポーラス合金の合成を行う。特に、両親媒性分子を設計し、分子集合体の大きさを制御し、メソ細孔の大きさと構造をコントロールする。 |
270 |
生活支援用カーボンナノチューブ複合化高分子アクチュエータの開発 |
唐 捷 |
物質・材料研究機構 |
青野 正和 |
物質・材料研究機構 |
カーボンナノチューブ(CNT)は、極めて軽く、高い弾性率と強度をもつと同時に、高導電性や高熱伝導性等の機能を併せもつ高機能素材でもある。本研究では、カーボンナノチューブ分散高分子アクチュエータを高齢者や障害者の生活支援システムに最適な性能とすることを目標とし、イオン導電性高分子にカーボンナノチューブを均一分散し、マトリクスと架橋させることにより、アクチュエータ伸縮率や発生応力を大幅に向上させ、さらに性能劣化を格段に減少させるプロセスを開発する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
317 |
生体分子機能を損なわないバイオプロダクト用精製カラムの開発 |
金澤 秀子 |
慶應義塾大学 |
湯浅 洋二郎 |
慶應義塾大学 |
機能性高分子を修飾した温度応答性分離担体を用いて,温度変化によりタンパクなどの生体高分子の吸脱着を制御し,分離精製を行うディスポーザブルな前処理精製カラムを開発する。タンパクを変性させる有機溶媒や高い塩濃度を必要とせず,全て水系で分離精製を行うため生理活性を維持して分離精製可能であり,溶媒コストも削減できる。ポストゲノムで重要性が増大している発現タンパクや核酸などの分離精製への応用が期待される。 |
318 |
交通外傷における頚部の痛みメカニズム解明のための実験研究 |
松井 靖浩 |
交通安全環境研究所 |
緒方 正剛 |
交通安全環境研究所 |
交通事故では、自動車乗車中の軽症事故の負傷者約70万人のうち、頚部を主損傷とする負傷者は約80%に相当(約55万人)する。本研究では、頚部損傷における痛みのメカニズムを工学的アプローチに基づく生体反応より解明することで、将来、頚部傷害に対する車両の安全性を精度良く評価可能とし頚部損傷患者数を大幅に削減し世の中に貢献する事を目的とする。 |
319 |
ナノインプリント用金型電鋳のための厚膜レジスト微細・長深度加工技術開発 |
西川 宏之 |
芝浦工業大学 |
石村 協二 |
芝浦工業大学 |
本研究は集束プロトン線描画によるナノインプリント用金型の電鋳母型の実用化への開発を目的としている。インプリント技術は量産効果と大幅なコスト低減が期待でき、IT、バイオ、環境、エネルギー等と波及効果は高い。その課題の一つは金型製作技術である。本研究課題は、従来技術に比べコスト面、加工性能面等で優れるサブミクロン径の集束プロトンビーム描画により、ナノインプリント用金型電鋳用の微細母型を作成し、電鋳により金型作製を行う。 |
320 |
微小物体操作のための圧電素子を用いた多機能デバイスの開発と応用 |
舘野 寿丈 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
微小物体の大気中での操作では、静電力などによる付着力の影響により正しく把持することが困難で、一般に複雑で大型の機械が必要となる。そこで、搬送機能と把持機能とを一体化させることで、小型で容易に位置決めする装置を開発する。圧電素子の高応答特性と高発生力特性を利用して、一種類のアクチュエータで搬送機能と把持機能との両方を小型に実現する多機能デバイスを作成し、産業用機械に応用する。 |
321 |
環境の変化に応答する色素複合材料の開発 |
高木 慎介 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
申請者らは、ナノ層状化合物と機能性色素からなる複合材料について研究してきた。その結果、色素分子が高密度、かつ規則正しく並んだ色素複合材料の作製法の開発に成功した。色素分子を単層で配置できる独自の技術であり、分子本来の性能を発揮できることが特徴である。また、その膜を安定で透明な膜として成形する技術を見出し、色素透明膜としての応用を検討してきた。本課題では、色素分子の複合体内での可逆な配向変化を利用した環境応答性材料としての開発を目指す。 |
322 |
微結晶の3次元配向制御と高意匠性印刷技術への応用 |
山登 正文 |
首都大学東京 |
宗木 好一郎 |
首都大学東京 |
強磁場を用いると有機材料や無機材料が示すわずかな磁気的性質を利用して、配向や位置制御が可能である。本研究ではモジュレータと呼んでいる磁気回路を用いて磁力線分布を制御し、微結晶の3次元配向分布を制御する手法を確立する。さらに、この手法をパール顔料に適用することで配向を制御した新規高意匠印刷技術への応用を目指す。 |
323 |
電場誘起流動を用いたナノダイヤモンドによる微細精密加工技術の開発 |
小原 弘道 |
首都大学東京 |
宗木 好一郎 |
首都大学東京 |
液中に配置された微小電極に高周波数の交流電場を印加することで、電極近傍の局所領域に積極回転するマイクロスケールの電場誘起流動が形成される。この流動をナノダイヤモンド溶液中に積極的に形成・制御することによって、微小領域の三次元加工可能な微小工具として機能させる新たな微細精密加工技術を確立することを目標とし、加工に重要となる電場誘起流動の形成最適条件、流動場構造評価、ならびに基礎加工特性を評価する研究である。 |
324 |
新規電動歯ブラシを中心とした要介護者の口腔衛生改善に関する研究 |
水沼 博 |
首都大学東京 |
尾形 佑美子 |
首都大学東京 |
介護施設では3食ごとに要介護者の上下の歯を1本ずつ丁寧に磨く時間はなかなかとれず、より短時間に安全に使用できる介護用歯ブラシが求められている。本研究では、自分で歯を磨けない要介護者を対象として、①短時間に効率よく口腔内を洗浄する電動歯ブラシを研究開発し、②その電動歯ブラシの効果を学術的に実証する、ことを目標としている。歯ブラシの効果を明確にするための口腔衛生状態の定量化手法についても研究開発し、開発歯ブラシの商品化実現のための裏付けデータを収集する。 |
325 |
金触媒による長鎖脂肪酸の選択的合成 |
石田 玉青 |
首都大学東京 |
柏原 繁郎 |
首都大学東京 |
直径5 nm以下の金ナノ粒子を無機酸化物に担持した触媒を用いて、長鎖アルコールの酸化により長鎖脂肪酸を一段で選択的に合成することを目的に研究を行う。水またはアルコール類を溶媒、酸素を酸化剤として用い、高濃度、反応温度100℃以下、塩基無添加条件での高活性・高選択的反応を目指し、触媒担体の選択、反応条件の最適化を行う。触媒のリサイクル化についても検討する。 |
326 |
インクジェットによる規則配列ナノ構造体反応場の形成と超高速診断計測システムの開発 |
内山 一美 |
首都大学東京 |
川原 正言 |
首都大学東京 |
ナノ微粒子を含有した溶液をインクジェットで微小液滴として基板上に吐出し液滴内で自己集積化し規則配列構造体を得る。さらにこの微粒子を相互に連結し「高度規則化ナノ微粒子構造体」とすると、極めて大きな比界面積を持ち、機械的に極めて安定な反応場が形成される。この構造体に抗体を吸着後インクジェットを用いて極微少量の試薬・試料を送達し酵素免疫反応を行うことで超迅速・高精度な酵素免疫測定法を実現する。 |
327 |
心拍ゆらぎからの健康状態予知法の開発 |
矢澤 徹 |
首都大学東京 |
尾形 佑美子 |
首都大学東京 |
「心拍数のゆらぎ」から健康状態、とくに心疾患の状況を把握する技術を開発した。これは、通常は1秒前後の心拍間隔を、約2000拍に亘って統計処理し、「スケーリング指数」という、ゆらぎの変動係数を求め、その「指数」から健康状態を推定するものである。5分間で計測できる計算手法・プログラムを開発したが、従来の2000拍データと相関があることを実証し、実用化に一歩近づけることを開発目標とする。 |
328 |
FRP廃材リサイクルのための微粒子生成の研削加工プロセスによる高能率化 |
坂本 治久 |
上智大学 |
岸 敦夫 |
科学技術振興機構 |
FRP材料は、多くの優れた材料特性を有する反面、リサイクルが特に難しい材料でもある。そのようなFRP材料も、粒径10μm 以下の微粒子にすると、素材には無い液体への分散性やめっき成膜性などの特性が得られ、廃材を機能性材料に変えてリサイクルすることが可能になる。本研究では、FRP廃材を1工程で粒径を10μm 以下の微粒子に変える生成技術を開発するとともに、生成した.微粒子の機能性の評価とその応用法の提案も目指す。 |
329 |
マイクロカーボンファイバー層を含有する高収縮性ゴム人工筋肉の安定的な製造技術に関する検討 |
中村 太郎 |
中央大学 |
佐藤 矩正 |
中央大学 |
空気圧ゴム人工筋肉は、ソフトアクチュエータとして医療・リハビリ関連において実用の面から最も注目されているアクチュエータである。研究代表者によって発明されたマイクロ繊維層有する空気圧ゴム人工筋肉は、従来のMcKibben型人工筋肉と全く違った構造を有しており、2倍以上の収縮力・収縮量・耐久性が得られるが、構造上、安定的な製造が困難であった。本課題ではその性能を安定的に供給できるような技術を検討する。 |
330 |
携帯端末用高性能省電力並列プロセッサシステムのLSI化評価 |
曽和 将容 |
電気通信大学 |
李 瑩玉 |
株式会社キャンパスクリエイト |
プロセッサでは性能を高くしようとすると消費電力が大となり、プログラム長が大、ハードが複雑となり携帯用とはあい入れないものになってしまう。そのためブレークスルー的なイノベーティブなアプローチが不可欠である。本課題では、FPGAを中心に行われてきたパラレルキュープロセッサのLSI化を目指すと同時に、最適化を通して実用的なコンパイラの完成度を高める。そして、省電力でハードウエア量が少なく、プログラム長が半分でパソコンの2〜4倍程度の性能を持った高性能なプロセッサとその基盤ソフトの実用化をめざした検証試験を実施する。 |
331 |
実用化に向けたコストダウンを目的とする半導体量子ドット増感太陽電池の開発 |
沈 青 |
電気通信大学 |
権 素蘭 |
株式会社キャンパスクリエイト |
本課題では、コストダウンを目的として、①増感剤として従来の高価なRu有機色素より安価なCdSe量子ドットを用いること、②対極として従来のFTOにスパッタリングした白金薄膜よりも、安価で性能が高いCu2S薄膜の適用、③従来の不規則性ナノ粒子系の代わりに、規則性ナノ構造TiO2電極を用いることで、安価かつ簡便な新規型半導体量子ドット増感太陽電池の研究開発を目指す。 |
332 |
ホタル生物発光系の発光波長改変指標の確立と制御技術の開発 |
牧 昌次郎 |
電気通信大学 |
小島 珠世 |
電気通信大学 |
ホタル生物発光系の発光波長改変指標を確立し、波長制御技術を創出する。ホタル生物発光系は発光効率が高く、研究用標識材料や排水・衛生検査薬として極日常的に利用されている。しかし発光色は黄緑色が主流であり、多色ニーズは高いが、科学的な発光波長制御技術は確立されておらず、世界的に指標なきランダムトライ&エラーが繰り返されている。本研究では、基質アナログによる波長制御技術と科学的指標の確立を実現する。 |
333 |
スペルト小麦を用いた食品の抗酸化性及びアレルギー性の検討 |
長尾 慶子 |
東京家政大学 |
木元 幸一 |
東京家政大学 |
小麦粉製品は主食、お菓子に至るまで食事の主役に位置し、アレルギー患者はその代替食品に大変苦慮している。小麦の原種であるスペルト小麦は、普通小麦と比較してアミノ酸やビタミン、ミネラルが豊富で小麦アレルギー耐性が高いといわれている。本研究では、スペルト小麦を使用した調理食品を試作し、アレルギー面と食の三次機能である抗酸化性を追及することで、代替小麦としての有用性と製品化を目的とする。 |
334 |
クロマグロを含む主要養殖魚に対する簡易健康診断法の開発 |
青木 宙 |
東京海洋大学 |
松山 祐子 |
東京海洋大学 |
養殖魚において有効な健康診断法が確立されれば、疾病に対して適切な処置が行えるようになり、安定かつ安全に水産食資源を供給できるようになる。本研究では、1枚のスライドグラス上に生体防御関連遺伝子、ストレス応答遺伝子および魚類病原微生物に種特異的な遺伝子をスポットしたマイクロアレイ(DNAチップ)をデザインし、クロマグロを含む主要養殖魚の健康診断および種類の病原微生物感染を迅速に診断できるキットを開発する。 |
335 |
常圧温度スイング凍結乾燥技術の基礎的研究 |
鈴木 徹 |
東京海洋大学 |
清水 條資 |
科学技術振興機構 |
凍結食品の保存期間中における周囲温度の変動は表面乾燥の原因となり品質劣化の主要因となる。これまでは乾燥を抑える研究を行ってきたが、本研究では、逆に、それら知見を応用し凍結食品の雰囲気温度を積極的に周期変動(スイング)させることにより効率的な凍結乾燥技術を開発し、常圧型凍結乾燥装置の実用化を目指す。特に、真空ポンプ系が不要で、北海道の外気低温を利用することで大幅なエネルギーコストの削減が期待できる。 |
336 |
家電機器の消費電流を画像化し機種・状態判別を行う手法の開発 |
伊藤 雅仁 |
東京工科大学 |
山岸 勉 |
東京工科大学 |
家電機器の消費電流波形をコンセントで観測、サーバに送信し、電流値の強弱を濃淡とし、交流1周期を1ラインとした2次元画像として記録し、家電の利用時に電流値をサーバに送信し画像の類似度を用いた検索を用いることで、速やかに使用されている家電の機種・状態を特定する。家庭内のどこでどの家電がどのような状態で使用されているのか特定でき、消し忘れの防止や宅内外からのリモコン操作を可能とする。 |
337 |
紙媒体上の手書きメモの自動整理・共有システムの開発 |
井上 亮文 |
東京工科大学 |
辻 文代 |
東京工科大学 |
印刷資料に手書きでメモを追記することは頻繁に行われているが、電子化による整理・共有ができていない。本課題では4色ボールペン、普通紙、ADF付きスキャナ、という身近な物品のみで、そのような手書きメモの自動整理・共有システムの開発を目的とする。ユーザは印刷資料の上から4色の線や図形でマークを重畳する。この紙をADF付きスキャナでスキャンする際にマーク部分を画像として抽出し、それらを見出しとしたWebコンテンツとして再構成する。 |
338 |
ハプロタイプ診断のための対立遺伝子分離法の開発 |
加藤 輝 |
東京工科大学 |
山岸 勉 |
東京工科大学 |
近年、個別化医療実現に向けて、一塩基多型(SNP)をマーカーとする遺伝子診断が実用化されつつある。しかし、単一のSNPにより診断可能な疾患リスクや薬剤応答性の例は必ずしも多くはなく、ハプロタイプの解析によりはじめてそれらが明らかとなる場合がある。本課題は、DNAの分岐構造を利用した対立遺伝子の分離法と、分離後の各対立遺伝子のSNPを解析することによる簡便なハプロタイプ診断法の開発を目的とする。 |
339 |
高感度においセンサ用感応膜の開発 |
杉本 岩雄 |
東京工科大学 |
川村 明博 |
東京工科大学 |
においセンサは感応膜で捕捉した気相分子の分子パラメータを把握する素子と捉えられる。高精度に読みとり、高感度で反応するには、におい分子の吸着脱離活性が高く、水蒸気の影響を受けにくいことが感応膜に要求される。本研究では多糖を高周波スパッタリングして炭素質薄膜を作製し、表面をワックスでコートすることにより高い吸着活性を維持しつつ、水蒸気の影響を受けにくい感応膜を提供することを目指す。この成果は計測分野を拡大し、信頼性の高い情報を提供できる技術として期待される。 |
340 |
RFIDを用いた屋内における物体の移動履歴追跡システムの研究開発 |
坪井 利憲 |
東京工科大学 |
辻 文代 |
東京工科大学 |
UHF帯パッシブRFIDタグを室内に配置し、その位置座標をサーバにあらかじめ設定する。人がリーダを持ち、読み取ったタグIDを位置座標に変換し、この情報を基に人の位置を計測する位置計測アルゴリズムを研究してきた。このアルゴリズムで静止時は60cm程度の誤差で位置を計測できた。今後これまで開発した静止位置計測アルゴリズムをベースに、移動物体を対象とし、物体による電波遮蔽や様々な屋内環境を考慮した、物体移動履歴追跡アルゴリズムを研究する。 |
341 |
白色発光ポリ(フルオレン-フルオレノン)共重合体の合成と特性評価 |
小西 玄一 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
青色発光有機EL素子として実用化されているポリフルオレンに適切な割合でフルオレノンを組み込んだ新規な構造のポリマー溶液が,溶媒の極性によらず高い量子効率で白色発光することを発見した。本研究では,フィルム状態でも純度の高い白色発光を得るための共重合体の組成やフィルム作製法の条件検討を行うとともに,電界発光によりEL素子としての性能を評価する。 |
342 |
両親媒性ブロック共重合体の表面濃縮を用いた機能性表面の構築 |
石曽根 隆 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
本課題では、少量の新規両親媒性ブロック共重合体を塗布することで、塗装皮膜や金属やセラミックス、半導体との接着界面、また医療材料の表面に、親水性と生体適合性を示す薄膜を自発的に形成する手法を開発する。本手法は、ブロック共重合体中の親水性セグメントが優先的にミクロ相分離、表面濃縮を起こすものであり、生体適合性を示す表面が得られることから、医療材料を始め様々な分野への展開、利用が期待される。 |
343 |
パラレルメカニズムを用いた非球面形状高精度加工機の開発 |
武田 行生 |
東京工業大学 |
奥村 勝司 |
東京工業大学 |
本研究は、レンズなどの非球面形状を高精度にしかも高速に加工するために、大きな作業領域と高い精度という相反する要求事項を高いレベルで同時に実現する新たな運動機構の設計法を開発し、その有効性を実験的に検討するものである。具体的には、大きな作業領域に対応した粗動運動に微動運動を加えることのできる構造の新たな3自由度パラレルメカニズムを提案して、その最適設計法を開発し、試作・実験による検討を加える。 |
344 |
植物ホルモンを認識する抗体を用いた不稔性植物の開発 |
鈴木 義人 |
東京大学 |
松尾 一也 |
東京大学 |
植物の品種改良における品種間の交配では、自家受粉を避けるために雄しべの除去という作業を伴う。従って花粉の伸長などの雄しべ側の機能が低下した植物(雄性不稔)はその労力を軽減させる意味で有用である。植物ホルモンの一種ジベレリン(GA)は、近年、花粉管の伸長にも重要な働きを持つことが判明した。本課題では、GA と結合性のある抗体を植物花粉に高発現させ、GAの機能阻害に基づく雄性不稔系統の作出技術を確立する。 |
345 |
既存の情報通信システムを利用した周産期における新遠隔医療検査法の確立 |
西原 京子 |
東京都医学研究機構 |
小澤 信幸 |
東京都医学研究機構 |
産科医療が充実していない遠隔地域や産科医療が集中して混みあっている地域における妊婦の負担を軽減すると共に、産科医療従事者の負担も少なくし、現在、産科医療で提供されている方法以上に優れた新検査法の開発を目指す。本研究者が開発製作した静電容量型加速度胎動センサー付胎動記録装置を用いて、既存の情報通信システムを利用して、新遠隔医療検査方法を開発する。具体的には、胎児のwell-beingの指標と考えられている胎動を妊婦が家庭で長時間記録し、医療機関で受け取って診断情報とする検査法である。 |
346 |
カプサイシンを用いた副作用の無い骨転移癌の治療薬創出 |
稲田 全規 |
東京農工大学 |
平田 美智子 |
東京農工大学 |
「骨」に転移した癌の治療には、組織学的な閉鎖環境における確実な効果と副作用の無い創薬が健康を望む万人の願いである。本課題はIn vitro試験を用いたスクリーニングにより癌細胞への効果を示した、天然由来バニロイドの一種に絞った検討を行う。骨転移癌モデルマウスを用い、In vivo最終評価による安全性試験、副作用検定、癌抑制効果の検討により、将来的な臨床応用につながる研究開発を行う。 |
347 |
毛包組織からの幹細胞分離技術の開発 |
吉野 知子 |
東京農工大学 |
田中 公 |
東京農工大学 |
頭髪は皮膚の中で複数の細胞種から構成された毛包組織によって構成されており、この組織の消失と再生システムを司る毛包幹細胞は薬剤開発のターゲットとして注目されている。本研究では抗体を発現したバイオナノ磁気ビーズを用いて、極微量に存在する幹細胞を高純度に分離する技術を確立する。本手法は、大型の装置を必要とせず、簡便に組織からの幹細胞分離が可能なため、診断・治療への応用範囲の拡大が期待できる。 |
348 |
短いペプチド系タグと低温発現技術の融合による組み換えタンパク質の可溶化法の開発 |
黒田 裕 |
東京農工大学 |
平田 美智子 |
東京農工大学 |
大腸菌を宿主とする組み換えタンパク質の大量発現系では、封入体形成が大きな問題となる場合が多い。本計画では、大腸菌内の封入体形成がタンパク質の熱安定性と溶解性の両者に由来する現象であることを踏まえて、現在までの研究で開発してきたタンパク質・酵素の溶解性を著しく向上させる短いペプチド系溶解性向上タグ(特願2007-303780号)とCspAプロモーターによる低温発現系を組み合わせた強力な封入体形成防止法の開発を提案する。 |
349 |
ボツリヌス毒素の糖結合能を活かした新規な細胞識別システムの開発 |
西河 淳 |
東京農工大学 |
八木 茂 |
東京農工大学 |
C型ボツリヌス菌の産生する毒素は、神経毒素1分子と無毒タンパク質であるNTNHが1分子、HA1が6分子、HA2が3分子、HA3が3分子からなる巨大な複合体を形成しており、HA1とHA3がそれぞれ異なる糖鎖を認識して結合するレクチン活性を持つことから、様々な糖鎖構造に対して結合性が異なるという性質を持つ。そこで本プロジェクトでは、細胞の分化・癌化などにより微妙に変化する細胞表面の糖鎖構造を感度良くとらえる試薬としての毒素複合体の利用を検討するものである。 |
350 |
変形アプタマーによる酵素捕捉を利用した超高感度センシングシステムの開発 |
池袋 一典 |
東京農工大学 |
平田 美智子 |
東京農工大学 |
研究者は、平成18〜20年度にNEDOの産業技術研究助成事業で血糖値測定用センサーのグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を阻害するアプタマーを探索し、これで標的分子を簡便・迅速に検出するアプタマー酵素サブユニットを開発した。この際GDHの活性を阻害せず、抗体並みの結合能でGDHに結合するアプタマーも取得した。本研究では、これを用いて全く異なる原理で標的分子を高感度検出するシステムを開発する。 |
351 |
超高効率な針挿入を行う細胞操作方法の開発 |
中村 史 |
東京農工大学 |
平田 美智子 |
東京農工大学 |
研究者は細胞を精確に操作するツールとして、細胞に直径数百nmの針(ナノ針)を挿入し、操作するという技術「セルサージェリー」を開発している。ナノ針の使用により細胞操作の効率は大幅に向上したが、初代培養神経細胞など非常に針挿入しにくい細胞がある。あらゆる細胞に100%の効率で挿入操作を行うことが出来れば、細胞制御のための重要な要素技術になる。本研究では、ナノ針の磁気励振を行うことによって針を高速振動させ、膜貫通効率を飛躍的に上昇させる手法を開発する。 |
352 |
ナノ磁性粒子を利用したPCR-free遺伝子検出法の開発 |
田中 剛 |
東京農工大学 |
田中 公 |
東京農工大学 |
病原性細菌(大腸菌)の16S rRNAをターゲットとした即時性、簡便性に優れたPCR-free遺伝子検出法の開発を目的とする。本法の特徴は、PCRによる遺伝子増幅に代わり、ナノ磁性粒子を用いてRNAを磁気濃縮することで系内のRNA増幅する方法を採用する。蛍光標識DNAプローブをナノ磁性粒子上に濃縮されたRNAとをハイブリダイゼーションさせることで、RNA検出の高感度化を実現する。 |
353 |
光ファイバ網を利用した防災用光給電センサの開発 |
田中 洋介 |
東京農工大学 |
島村 太郎 |
東京農工大学 |
地下街、高層ビルなど、都市の密集地域は、地震、火災、ガス爆発など、各種の潜在的な危険に晒されている。危険を未然に検知し、大災害を回避するには、多種多様なセンサを多数配置したセンサ網が必要になる。本研究では、既設光ファイバ網に取り付けることでセンサ網を構築できる光給電式センサノードを開発し、センサ網での基本動作確認を行う。特に、低電力かつ、温度、圧力等様々なセンサに対応できる汎用性の高いセンサ網の実現性を実証する。 |
354 |
環状トリアリールアミン包接錯体によるシリンダー構造を利用した光電変換素子の開発 |
土屋 康佑 |
東京農工大学 |
田中 公 |
東京農工大学 |
有機薄膜太陽電池はクリーンな次世代エネルギー生産技術として注目を集めているが、光電変換効率を向上する必要がある。本研究では、高い正孔輸送性能を有するポリ(トリアリールアミン)の環状オリゴマーを用いて、フラーレン等の電子輸送材料との包接錯体化合物の合成を行う。得られた包接錯体を用いて薄膜内のモルフォロジー制御を行い、効果的な電荷のパス形成を行うことで高効率な光電変換素子の作製を目指す。 |
355 |
植物由来原料から創る有機ラジカルポリマーとその二次電池応用 |
道信 剛志 |
東京工業大学 |
田中 公 |
東京農工大学 |
安定な有機ラジカルを側鎖に有する高分子は、大容量二次電池の電極活物質として有望である。本研究では、植物由来バイオマス「リグニン」の有効利用技術を組み込むことにより、カーボンニュートラルな高性能有機ラジカルポリマーの創製を目指す。重金属酸化物の優れた充放電特性に見合う代替効果を得るため、コスト・環境面も含めた有機素材の総合的な優位性確立を目指す。 |
356 |
映像要約とプライバシー保護機能を備えたモニタカメラシステムの開発 |
北澤 仁志 |
東京農工大学 |
島村 太郎 |
東京農工大学 |
近年、犯罪の捜査や抑止のため多数のモニタカメラが使用されるようになった。撮影される映像は極めて多量なため必要な部分を探すのに長時間を要し、また、大きな記憶容量が必要となる。更に、プライバシーの問題も浮上しつつある。本研究は、最小数のフレームで状況を把握するキーフレーム抽出と、移動物体の自動マスキングと復元機能を備えたモニタカメラシステムを実現し、システムの構築や運用コストの削減、プライバシー保護と犯罪捜査の両立に資することを目指す。 |
357 |
局所的3次元音場形成による胎盤内での薬物濃度操作法の開発 |
桝田 晃司 |
東京農工大学 |
島村 太郎 |
東京農工大学 |
通常の薬物治療では、生体内に投与後の薬物動態を制御できないため、胎児治療薬の母体流入は避けられない。そこで本研究では、含気マイクロカプセルが特定の音波の作用力の影響を受ける事を利用し、体外からの超音波照射によって胎盤内で局所的音場分布を形成し、薬剤を保持したカプセルに経路選択性を付加する技術を確立することを目的とする。これにより薬剤使用量を格段に抑えられるだけでなく、既存の手法と組み合わせて出生前の遺伝子治療にも応用できる。 |
358 |
FRP衝突エネルギー吸収材のための荷重制御アタッチメント |
上田 政人 |
日本大学 |
渡辺 麻裕 |
日本大学 |
繊維強化プラスチック(FRP)を用いた衝突エネルギー吸収材において,幅広いエネルギー吸収能力を任意に発揮させ、また、その設計を容易とするアタッチメントを提案する。本研究では自動車アセスメントにて規定されている衝突速度域における衝撃試験を実施し、その有効性を実証する。また、この結果より、FRP製衝突エネルギー吸収構造の容易な設計ガイドラインを示すことが目的である。 |
359 |
悪性黒色腫と色素細胞母斑のWeb上の自動識別システムの開発と実用化 |
彌冨 仁 |
法政大学 |
中條 隆雄 |
法政大学 |
これまで申請者は、極めて悪性度が高い皮膚癌である悪性黒色腫のweb上の自動診断システムを発表し(http://dermoscopy.k.hosei.ac.jp)改良を続けている。 システムは現在までに数値の上では、熟練皮膚科医と同等レベルの診断精度を実現しているが、実用化のためには信頼性、汎用性の強化が必要である。本研究では、アジア人に特異的に多く見られる特殊な形状の腫瘍の診断ならびに、皮膚科医が臨床で用いる診断指針に基づく診断根拠の提示の実現を目標とする。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
360 |
キャビテーションピーニングによる鉄鋼材料における表面欠陥の無害化 |
高橋 宏治 |
横浜国立大学 |
片桐 望 |
横浜国立大学 |
表面欠陥は鉄鋼材料の疲労強度を大きく低下させることが知られている。本研究では、キャビテーションピーニングにより材料表面に圧縮残留応力を導入することにより、材料の疲労強度を向上させるとともに、表面欠陥を疲労強度上無害化する手法を提案する。高い表面精度、疲労強度および信頼性が要求される自動車部品等への応用を目指す。 |
361 |
新しいベータアドレナリン受容体シグナルEpacの特異的刺激薬の開発と心不全治療への応用 |
奥村 敏 |
横浜市立大学 |
今井 紘 |
横浜市立大学 |
ベータアドレナリン受容体シグナルのうち近年報告された Epac (exchange protein directly activated by cyclic AMP) は心不全発症に抑制的に作用する主要な構成因子であると考えられる。本研究では Epac の特異的刺激薬を開発し新しい作用機序の心不全治療薬の開発を目標とする。 |
362 |
卵巣明細胞腺癌の診断マーカーの開発 |
荒川 憲昭 |
横浜市立大学 |
今井 紘 |
横浜市立大学 |
卵巣癌組織型の中で明細胞腺癌は特に悪性度の高い組織型である。我が国における明細胞腺癌の発生率は諸外国と比べて上昇しつつあるが、特異的な診断マーカーは確立していない。我々は卵巣癌細胞株のプロテオームを解析し、明細胞腺癌にて著しく増加している細胞膜結合型や分泌型であるタンパク質を5種類見いだした。本課題では、血液中における当該タンパク質もしくはその断片を検出するシステムを確立し、明細胞腺癌の診断における利用価値を評価する。 |
363 |
初期乳がん診断薬の開発と応用 |
秋本 和憲 |
横浜市立大学 |
今井 紘 |
横浜市立大学 |
初期乳がんモデルマウスを開発した。そこで、このモデルマウスの検体をプロテオーム解析し、血清で変動する分子を同定する。次に、患者の血清検体を用いてこの分子の有用性を検討する。これにより、マンモグラフィーや乳腺エコーを中心とした既存の検診システムに加えて、より簡便な一次スクリーニングとしての血清を用いた検診が可能となる。両システムを併用することにより、初期乳がん発見の精度が格段と高まることが期待される。 |
364 |
ヒト耳介軟骨幹/前駆細胞を用いた3次元形態を有する軟骨再生療法の開発 |
小林 眞司 |
横浜市立大学 |
今井 紘 |
横浜市立大学 |
ヒト耳介軟骨組織より“ヒト軟骨幹/前駆細胞“を分離・培養し、3次元形態を有するヒト軟骨組織を再構成し、医療応用するための細胞操作技術を開発する。さらに、“ヒト軟骨幹/前駆細胞“ の特性解析を推進するために、フローサイトメトリー(fluorescence activated cell sorter: FACS)と蛍光標識モノクローナル抗体を用いた精度の高い細胞分離法を駆使することにより“ヒト軟骨幹細胞“の純化方法を開発することを試みる。 |
365 |
高特異性MMPインヒビターの設計によるがん転移抑制剤の開発 |
東 昌市 |
横浜市立大学 |
今井 紘 |
横浜市立大学 |
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)は、細胞外のタンパク質分解を介して癌細胞の浸潤・転移能を支える。当該グループはβ-アミロイド前駆体蛋白質分子内のMMP-2選択的阻害領域を見出した。一方、癌細胞の細胞膜上に存在するコレステロール硫酸がMMP-7に特異的に結合し、癌の転移能を増強することを明らかにした。本研究では癌治療の有望な標的分子であるMMP-2およびMMP-7 とそれらの特異的結合分子との相互作用を詳細に解析し、これを基に高特異性阻害剤を設計することを目標とする。 |
366 |
フラジェリン変異体タンパクを利用した抗緑膿菌ワクチンの開発 |
武下 文彦 |
横浜市立大学 |
今井 紘 |
横浜市立大学 |
新規変異型フラジェリン(FliC R90A)を免疫することで、自然免疫抑制性抗体を誘導することなく、効率よく緑膿菌に対する感染防御能を賦与できることを世界で初めてあきらかにしている(特願2007-17446(外国出願PCT/JP2007/64065))。本研究課題は、FliC R90Aタンパクワクチンを作製し、マウスを用いた効果判定、臨床治験に必須の諸条件を最短期間で整えることを目標とする。 |
367 |
高度節水型地中灌水法の計測・制御システム開発 |
大幅 元吉 |
桐蔭横浜大学 |
寺内 隆道 |
桐蔭横浜大学 |
負圧差灌水法は、土壌の乾燥程度に応じた自然灌水ができ、排液を出さないなど、原理的に非常に優れる。しかし、逆流現象や気泡集積・閉塞現象などが未解決なため、利用されない。そこで、独自の植物吸水量計測・制御システムを開発し、灌水状況の診断に基づく新たな抑制法を確立する。また、計測データと篤農家の経験知を融合させ、栽培目標に最適な灌水エキスパートシステムを構築し、高度節水型灌水法の知能化を図る。 |
368 |
インフルエンザ感染阻害ペプチドの活性向上を目指した分子設計 |
佐藤 智典 |
慶應義塾大学 |
二見 精彦 |
慶應義塾大学 |
インフルエンザウイルスはヘマグルチニンを粒子表面に提示しており、ウイルスの感染において、ヘマグルチニンが宿主細胞の糖鎖を認識することで、ウイルスが細胞内に侵入することが知られている。本申請者は、ヘマグルチニンに結合してインフルエンザウイルスの細胞内への侵入を阻害するペプチドの開発を行っている。本研究では、インフルエンザ感染阻害ペプチドの感染阻害活性の向上を目指した分子設計について検討する。 |
369 |
微視的凹凸を利用した金属製密閉型高効率細胞培養装置の開発 |
小茂鳥 潤 |
慶應義塾大学 |
中村 克己 |
木原記念横浜生命科学振興財団 |
医薬品開発や細胞療法を行うためには、様々な細胞を短期間に培養する技術の開発が望まれている。そのための自動細胞培養装置は現存するが、コスト面で満足とは言えない.申請者の最終目標、自動細胞培養装置の開発にある。その第一段階として本申請では、微視的凹凸加工を施した金属表面上で細胞培養を実施することにより、これまでより、(@) 活性の高い細胞を、(A) 短期間で大量培養することのできる技術開発を目指す。 |
370 |
インプロセス計測のための光MEMS粘性センサーの開発 |
田口 良広 |
慶應義塾大学 |
二見 精彦 |
慶應義塾大学 |
本研究は、有機薄膜等のコーティング工程における粘性率をインプロセスで計測可能な超小型のセンシングチップを光MEMS技術を用いて開発することを目的としている。提案するセンサーには、非接触で試料の粘性率を測定可能な光学デバイスと、インプロセス計測で問題となる外部振動や試料の蒸発に起因する液面低下などの外部擾乱を大幅に低減可能な光学制御デバイスが集積されており、従来技術では不可能であったインプロセスでのリアルタイム粘性モニタリングが可能となる。 |
371 |
プロテオーム解析のためのオンチップ転写翻訳マイクロアレイの試作 |
土居 信英 |
慶應義塾大学 |
藤本 弘一 |
慶應義塾大学 |
DNAを固定したチップ上で無細胞転写・翻訳反応を行うことで、数千から数万種類のタンパク質を同時に調製し、直ちに機能解析に用いることができるReady-to-Use型のオンチップ転写翻訳マイクロアレイを実用化するために、本試験研究では約100種類のモデルタンパク質を用いたマイクロアレイを試作し、アレイの大規模化・高密度化に向けたデータ収集を行う。 |
372 |
スパッタ法によるシリコン上酸化物バッファ層を用いた強磁性薄膜積層化の検討 |
秋山 賢輔 |
神奈川県産業技術センター |
森山 芳樹 |
神奈川県産業技術センター |
シリコン(Si)基板上に高結晶品質なマグネシア(MgO)等の酸化物エピタキシャルバッファ層を量産可能な薄膜作製プロセスであるスパッタ法にて作製し、スピントロニクス用の強磁性薄膜(Fe3Si)をモノリシックに成長させて積層化技術を検討する。絶縁性をもった厚さ50nm程度のMgO薄膜等のバッファ層としての有用性を検証し、Si基板上あるいはワイドギャップ半導体である炭化珪素(SiC)基盤へのFeやFe3Si等のスピントロニクス材料の積層化の基盤技術を確立する。 |
373 |
微粒子ショットピーニングを用いた、高密着性DLC被覆アルミニウム材料の開発 |
中村 紀夫 |
神奈川県産業技術センター |
有澤 邦夫 |
よこはまティーエルオー株式会社 |
アルミニウム合金を用いた部品の軽量化が重要となっているが、鉄系材料に比べ耐摩耗性や強度が低いために、新たな表面処理が必須である。一方、耐摩耗性に優れるDLCコーティングはアルミには親和性が低く、十分な密着強度が得られていない。今回、微粒子ショットピーニング硬化層を形成したアルミニウム合金基材にDLCをコーティングした結果、密着強度が大幅に向上することを見出した。本研究を通じて実用化技術を確立する。 |
374 |
iPS細胞を用いた角膜上皮細胞の開発と応用 |
鈴木 登 |
聖マリアンナ医科大学 |
木苗 貴秀 |
MPO株式会社 |
現在行われている同種角膜移植では提供者に限りがあり新規の細胞源が求められている。iPS細胞は遺伝子導入により樹立された多能性幹細胞で、胚性幹細胞に伴う倫理 的な問題点がない。我々は胚性幹細胞から角膜上皮細胞を分化誘導する手技を確立しているが倫理的な問題点により臨床応用は難しい。そこでiPS細胞から角膜上皮細胞の分化誘導を試みる。iPS細胞を用いる場合には倫理的な問題点を持たないため実用化は早いと考えられる。 |
375 |
人腕の粘性特性を考慮したパワーアシストシステムの開発 |
稲葉 毅 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
操作しやすいパワーアシストシステムを実現するには、作業者から見たシステムの特性を適切に設定する必要がある。例えば重量物をある目標位置まで運搬・設置する作業の場合、システムの粘性を適切に変化させると非常にやりやすくなる。しかし、望ましい粘性変化パターンは作業内容や個人差で変化し、調整には試行錯誤を必要とする。本研究ではこのパターンを人腕の粘性特性に着目することで自動調整する新たな制御手法を開発する。 |
376 |
実装自由度を高める光端子ビルトイン光素子モジュールの開発 |
三上 修 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
面発光レーザ(VCSEL)やフォトダイオード(PD)などの光デバイスを実装する際の最大課題である高効率化かつ低コスト化を実現するために、「光端子ビルトイン光素子モジュール」を開発する。本モジュールは、光硬化性樹脂より成るキューブ型のモジュール構造を有し、キューブ内の所定の位置にビルトインされた光入出力用の「光接続端子」、および電気信号入出用の「電気端子」を具備する。 |
377 |
電子線照射によるバイオメディカル材料の接合技術の開発 |
西 義武 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
本研究グループでは、電子線(EB)照射処理による高分子材料のぬれ性、防曇効果、強度向上について研究を行い、バイオメディカル材料へのEB照射処理技術を追求してきた。さらに、本研究では、異種高分子間の新しい接合技術としてのEB照射処理について検討する。具体的には、ナイロンフィルムと接着基板として用いたシリコーンゴムやポリカーボネート、アクリル樹脂との接合技術を開発する。 |
378 |
全合成人工酸素運搬体(リポゾーム封入HemoCD)の開発 |
川口 章 |
東海大学 |
三瀬 隆 |
東海大学 |
本課題では、人工酸素運搬体(HemoCD)を全合成し、これをリポソーム封入などの血管外漏出防止措置を施した上で、主に脳梗塞や創傷治癒などの虚血性疾患での有用性を検討する。さらに、酸素親和性・粒子径・表面処理などを最適化して実用化を目指す。HemoCDは合成物で生物由来物質と違うため、1)感染症の危険がなく、2)豊富な原料からの量産とコスト低下が見込まれ、3)分子量が小さいため更なる機能向上などが期待される。 |
379 |
クレイドル型制振装置の開発と評価 |
島崎 洋治 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
本研究は、建物や橋などの制振装置に関するものである。特にペンシルビルのような10階程度の建物の制振が目標である。この種の装置としては動力が不要のパッシブ方式とこれを必要とするアクティブ方式とがあり、本提案のクレイドル(ゆりかご)型制振装置はパッシブ方式に属する。この装置は鉄板が円弧のレール上をゆりかごのように揺れる構造で、磁石で鉄板の揺れを制御する簡単な機構をもち、振り子の原理を利用して設計する。 |
380 |
皮膚中の水分量分布解析による健常性診断手法の開発 |
八木原 晋 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
誘電分光システムと皮膚測定用電極からなる皮膚診断装置を新たに試作し、皮膚組織の正確な水分量や分布の測定から皮膚中の水の量や状態に関する解析を行い、健常性を評価するシステムを開発する。皮膚表層内の2次元分布だけでなく、深さ方向も含めた3次元分布計測・解析を行うことでより正確に得られる皮膚組織内の水の量や状態の分布から、皮膚表層(角質層)バリア機能の健常性評価や組織の異常性の検出システムの構築を目指す。 |
381 |
新規糖ペプチドチオエステル合成法を応用した糖タンパク質大量合成法の開発 |
北條 裕信 |
東海大学 |
北井 淳夫 |
横浜企業経営支援財団 |
糖タンパク質は、種々の生命現象に関与している。その機能解明を行うためには構造の明確な糖タンパク質が必要である。しかし、天然糖タンパク質は、糖鎖構造の異なる混合物であり、それを均一な糖タンパク質へと精製することは困難である。本研究では、がん転移因子を例として、新規なペプチドチオエステル合成法を用いた糖タンパク質の大量合成法を確立する。そして、糖タンパク質の機能解明、医薬応用研究を推進する目的で行う。 |
382 |
自己組織化タンパク質による超高感度バイオセンシングシステムの開発 |
小畠 英理 |
東京工業大学 |
千木良 泰宏 |
東京工業大学 |
疎水性が高く、かつ自己組織化能を有する抗体結合タンパク質を設計・合成し、これを利用した超高感度バイオセンシングシステムを構築することを目的とする。基本骨格となる疎水性構造を有するアミノ酸配列ドメインは、疎水性基板表面との強固な集積を可能とし、自己組織化ドメイン及び抗体結合ドメインは、基板へのタンパク質の配向を制御し、高密度な抗体集積を可能とするものである。これらのドメインが連結した新規タンパク質を遺伝子工学的に合成し、基板上に集積してその性能を評価する。 |
383 |
人工核酸を用いた成熟miRNA選択的検出法の開発 |
清尾 康志 |
東京工業大学 |
松本 進 |
東京工業大学 |
生体内で20塩基程度のmiRNAが生体機能を制御していることが明らかになり、その活用はバイオ・ゲノム医療の最大課題である。本研究では独自の短鎖RNA選択的検出プローブの技術を発展させ、細胞内から成熟miRNAを選択的に検出する技術の確立を目指す。既に見出したプローブの性質の解明とこれらを搭載したmicroarrayの開発を行ない、miRNAの選択的・網羅的検出とバイオ研究ツール開発を目指す。 |
384 |
光応答抽出剤を用いた無廃棄物型貴金属リサイクル技術の開発 |
竹下 健二 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
波長の異なる光(UV光、可視光)の照射によって抽出剤分子の構造を変化させることにより貴金属類を高選択回収できる「光応答型抽出プロセス」の構築を目指す。本プロセスでは光照射で貴金属を分離回収するために新たな化学物質の添加が不要であり、二次廃棄物発生を大幅に低減できる。光応答抽出剤にアゾピリジン化合物を、協同抽出剤に疎水性カルボン酸を用いることで光応答抽出効果を向上させ、本プロセスの実用化への道を開く。 |
385 |
緑色を基点とした色調変化型光学酸素センサーチップの開発 |
朝倉 則行 |
東京工業大学 |
林 ゆう子 |
東京工業大学 |
これまで、白金ポルフィリンのリン光と酸素分子との反応を利用して、赤から青に色調変化する酸素センサーの開発に成功している。しかしながら、赤色および青色は人間の視覚的な感度が弱い色調であるため、より直感的な色調変化型酸素センサーの開発が望まれる。本研究課題では、人間の視覚において高感度な緑色を利用した色調変化を引き起こす酸素センサーの開発を行う。 |
386 |
アルブミン分子のブラウン運動に基づく血清(血漿)粘度測定装置の改良開発 |
岡崎 登志夫 |
北里大学 |
平田 伸 |
北里大学 |
血清(血漿)蛋白質主成分で、分子サイズ既知のアルブミン分子のブラウン運動の拡散係数から、アインシュタイン-ストークスの式に基づいて血清(血漿)粘度を測定する新しい方法及び装置を考案した。血液粘度の上昇が心筋梗塞や狭心症などの循環器障害やその他のさまざまな疾患の発症と関係することが知られている。血液の粘度に関する正確な情報を簡便に提供できる当該装置の実用化は、生活習慣病に関する予防医学の観点からも極めて有用であると考える。 |
387 |
セルロースからグルコースへの変換技術開発 |
室田 明彦 |
明治大学 |
諸石 昌人 |
明治大学 |
本研究の目的は、工学的な手法による環境保全型のセルロースからのグルコース変換技術開発である。この課題を解決するには、強固な構造を有するセルロースの脱結晶化工程の開発が必須である。しかしながら、この脱結晶化工程で実用化されているのは、アルケノール社(米国)が開発した70%硫酸を用いる方法が唯一である。本研究では非硫酸型触媒を用いる、低コストでより穏和な条件下でのグルコース製造を目指すものである。 |
388 |
骨誘導能を有するキレート硬化型ペースト状人工骨の開発 |
相澤 守 |
明治大学 |
諸石 昌人 |
明治大学 |
新しいメカニズムで硬化する「ペースト状人工骨(骨修復セメント)」を開発し、5年以内に上市する計画であるが、骨粗鬆症などの高齢な患者に臨床的に適用しても確実な骨癒合を得、さらに医者が安心して使用し、患者のQOLを向上させるため、本研究では、「次世代型ペースト状人工骨」の開発を指向し、「骨誘導を備えた新規な骨修復セメント」を創製し、それを医療用デバイスとして応用するための基盤技術を構築する。 |
389 |
糖尿病モデルブタの性能試験 |
長嶋 比呂志 |
明治大学 |
北川 貞雄 |
明治大学 |
我々は遺伝子操作により、先天的に高血糖の症状を呈するブタの開発に成功した。このブタの成長過程における糖尿病症状(合併症も含む)の詳細な解析、すなわち各種血液生化学検査、病理検査、糖尿病治療薬に対する反応性試験などを行なう。さらに、生殖能力の有無を確認すると共に、生殖細胞(精子)の保存を行う。以上から、このブタを糖尿病モデル動物として確立し、将来的には糖尿病研究者に提供することを最終目的とする。 |
390 |
難分解性高分子リグニンの低分子量化技術の開発と応用 |
尾崎 宏 |
明治大学 |
諸石 昌人 |
明治大学 |
本研究は、地球上で最大の炭素資源である難分解性高分子量リグニンの低分子量化技術を開発し、実用化することを目標とする。そのために、エゾシカルーメン由来の Aspergillus Fumigatus よりリグニン分解酵素をコードしている遺伝子を獲得する。その結果として、低分子量化による燃料への転化など、また、セルロース微繊維の有効利用として、食用以外の植物資源を用いるバイオエタノール製造への応用が可能である。 |
391 |
ヒト制御性樹状細胞を用いた免疫細胞療法の開発 |
佐藤 克明 |
理化学研究所 |
岩野 はるか |
理化学研究所 |
本研究課題では、申請者が開発した制御性樹状細胞を用いた免疫細胞療法の免疫疾患に対する臨床開発を目標として、ヒト制御性樹状細胞の生体におけるT細胞機能制御効果をヒト免疫細胞の生着を可能とするヒト-マウス異種移植モデルを用いて明らかにする。具体的には作製したCIITA遺伝子RAG1遺伝子両欠損マウスに健常人ボランティアの血液から調製したヒト制御性樹状細胞とヒトT細胞を移植して、移植後のヒトT細胞の機能に及ぼす効果の解明を目的とする。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
392 |
ドラッグデリバリーシステムを用いた牛過剰排卵技術の開発 |
内山 保彦 |
新潟県農業総合研究所 |
真島 操 |
にいがた産業創造機構 |
牛生産現場では生産性を高めるため受精卵移植技術が広く活用されている。その技術の中の過剰排卵誘起は、頻回にブタFSH製剤を注射するため、薬剤使用量の多さ、手技の煩雑さ、牛へのストレス等が問題である。これらを解決するため、1回で有効なFSH製剤を開発する必要がある。本研究では、投与作業の省力化、ブタFSH使用量の低減、胚の安定生産を目途として、ポリマーを用いたブタFSH徐放製剤の作成による新しい過剰排卵誘起プログラムを開発する。 |
393 |
生体用高強度低弾性チタン合金の開発 |
村山 洋之介 |
新潟工科大学 |
福田 健 |
株式会社新潟ティーエルオー |
高齢化社会を迎え、人体に害のない合金元素だけで弾性率が人骨に近く、なおかつ強度の十分あるインプラント材料の開発が望まれており、現在、Ti-Nb系合金を中心に研究開発が進められている。しかし、Nbは希少で高価な金属である。そこで、本申請研究課題では、Nbに比べ廉価であるCrをとりあげ、Ti-Cr系合金で、Ti-Nb系合金に匹敵ないし上回る高強度低弾性な性質を発現させ、廉価で高機能なインプラント材料を開発することを目標としている。 |
394 |
タンパク質低速合成大腸菌株AM68を利用した有用タンパク質生産システムの開発 |
伊東 孝祐 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
タンパク質生産システムは、バイオ研究、医薬品や産業用酵素の生産に必須な基盤技術である。現在最も多く利用されているタンパク質生産システムは大腸菌の系だが、ヒトなどの真核生物由来のタンパク質は、生理的活性を持ち得ない不溶性タンパク質として生産される例が多い。その主要な原因として、大腸菌内でのタンパク質合成速度が真核生物のそれに比べて早く、タンパク質が正常に折り畳まれないことがある。本課題では、タンパク質を低速に合成する大腸菌株AM68とタンパク質の折り畳みを促進するシャペロンを共同的に働かせることにより、有用タンパク質を安価かつ容易に大量生産するシステムを開発する。 |
395 |
移植用骨膜培養に特化したコラーゲン特殊コーティングされた基材の開発 |
奥田 一博 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
培養骨膜に骨形成能を発現させる機能を有し、かつ移植可能な基材を試作し、再生医療の普及と医療産業の活性化に貢献することを目標とする。ヒト骨膜をコラーゲンコートしたePTFEメッシュ上で培養した場合、剥離することなく増殖し、特別な分化誘導をかけなくともin vitroで石灰化物を形成する。メッシュ素材を生体吸収性ポリマーに代えて同様の基材を試作し、自家培養骨膜移植用に最適化したものに仕上げる。 |
396 |
化学磁気メモリー素子のためのらせん主鎖ポリラジカルの開発 |
金子 隆司 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
共役ポリマーに多数のラジカル種が導入された共役ポリラジカルでは、分子構造に依存して低分子ラジカルでは見られない空間または結合を介した強い磁気的な相互作用が実現すると期待されている。本応募課題では、共役ポリラジカル高分子主鎖の片巻らせん−非片巻らせんのコンフォメーション変化を化学的刺激により制御することで、その磁気応答を制御する、化学的に記録できる磁気メモリーの実現を目指し、ポリラジカル高分子薄膜における化学的刺激によるコンフォメーション変化と磁化変化の相関について探索する。 |
397 |
チタン形状記憶合金ステントを用いた気管欠損部閉鎖法の開発 |
窪田 正幸 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
私たちは腸管の欠損部に対して縫合を必要としない吸収性素材を用いた被覆閉鎖法を開発した。しかし、この方法を気管欠損閉鎖法に応用した場合、欠損部が縮小してゆく過程で吸収性素材が内腔に垂れ下がり気道を閉塞する欠点が明らかとなった。今回は、吸収性素材の垂れ下がりを防止するために、内腔にステントとしてチタンとニッケル合金の形状記憶合金を用い良好な気管形成を図るもので、形状記憶合金は、冷却することで気管支鏡で抜去可能である。 |
398 |
関節軟骨の診断システムの開発 |
坂本 信 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
変形性関節症に至る関節軟骨の臨床評価には,これまでは関節鏡と押込み棒を併用して、その押込む感触と軟骨の表面状態を目視で診断している状態であり、客観的診断とはほど遠い状況である。本申請技術は、これまでの医師の経験的判断を用いずに、関節軟骨の損傷状態を定量的に明らかにするものであり、関節鏡と本技術から構成されるモニタリングシステムによる新たな診断装置によって、関節軟骨診断法を確立するものである。 |
399 |
Micro-CT装置を利用した骨石灰化度測定システムの開発 |
山子 剛 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
高齢者人口の増加に伴い骨粗鬆症による腰椎,大腿骨の骨折の増加およびそれに伴う医療費増大が大きな社会問題になっているが、未だその病態に関して不明な点が多く、治療法も完全には確立されていない。骨折は力学的負荷が引金になることから、骨折しやすくなった骨すなわち骨粗鬆症の病態解明および治療法の開発には、骨粗鬆症による骨組織の力学的変性状態を明らかにする必要がある。そこで本課題ではmicro-CT装置を利用して、骨組織の力学特性と密接な関連のある骨石灰化度を高精度に測定するシステムを構築すると共に、その石灰化度から骨の力学特性を推定する手法を提案する。 |
400 |
フラクタル構造により高密度にアミノ基を含む二酸化炭素分離膜の開発 |
寺口 昌宏 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
フラクタル構造を利用し、二酸化炭素と特異的に相互作用することが知られているアミノ基を高密度に導入した機能性高分子膜を合成し、二酸化炭素選択分離・濃縮を達成しようとするものである。温室効果ガスである二酸化炭素を工業排出ガス中または環境中からの選択分離・濃縮を膜分離により実現を目的とし、有機高分子単独の緻密膜としてはトップレベルの二酸化炭素透過係数、選択性を持つものの開発を目指すものである。 |
401 |
超高圧処理/酵素処理併用による免疫寛容を誘導する食品の開発 |
小谷 スミ子 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
本研究では、加熱処理とは異なる新しい食品加工法である超高圧処理と酵素処理を併用して食物アレルギーの原因食品中のアナフィラキシー症状を誘発するB 細胞エピトープを壊し、免疫寛容を誘導するT 細胞エピトープを含むペプチドを作出するものである。これは、食品加工における超高圧処理の新たな利用方法を提供するとともに、食物アレルギーの予防および治療機能を有する食品を開発することを目的とするものである。 |
402 |
機能性食品製造に利用可能なキチン分解酵素の開発 |
渡邉 剛志 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
近年、グルコサミンが変形関節症などに顕著な改善効果を持つことが注目されている。しかし、グルコサミンは苦みを持つため食品素材に適さず、また現在用いられている製法は環境への負荷が大きい。そこで、同様の効果がありさわやかな甘みを持つN-アセチルグルコサミンや、キチンオリゴ糖を、酵素分解によって得るために、食品に利用可能なキチン分解酵素を発酵微生物から探索する。そして、食品中のN-アセチルグルコサミンの増強、発酵微生物を利用したN-アセチルグルコサミンに富む食品の開発を検討する。 |
403 |
高感度表面プラズモン励起光検出水素ガスセンサの開発 |
馬場 暁 |
新潟大学 |
福田 健 |
株式会社新潟ティーエルオー |
新たなクリーンエネルギーの実用化に向けて、水素エネルギーを安全に利用するために、水素ガスを高感度かつ選択的にすばやく定量的に検出する必要が求められており、これらの条件すべてを満たした上で小型・低コスト化が望まれている。本研究では、水素選択性があり、かつ表面プラズモンが局在しているパラジウム薄膜を用いて、高感度で選択性のある表面プラズモン励起光検出型水素ガスセンサの開発を行う。 |
404 |
貴金属の有効利用を指向した省エネルギー型電極作成法の開発 |
八木 政行 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
白金、金、ルテニウムなどの貴金属は、センサー、電解合成セル、電池および太陽電池など様々なデバイスの電極に利用されている。これらの貴金属は多くの場合、真空蒸着法やスパッタリング法により電極基板表面に析出される。しかし、これらの方法では、貴金属を無駄なく(ほぼ100%)利用することは原理的に困難であるだけでなく、大型装置を用いて多量のエネルギーを必要とする。本研究では、貴金属資源を有効に利用しかつ省エネルギー型の電極作成法を開発するとともに、従来電極に比べ安価で高性能な貴金属電極を提供する。 |
405 |
ラット実験腸炎に対する治療内視鏡による炎症性腸疾患の新規治療法開発 |
鈴木 健司 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
炎症性腸疾患は患者数が急増している原因不明の難病である。特に手術後再発が高頻度で生じるクローン病の消化管狭窄に対して、画期的な内科的治療法の確立が切望されている。我々は腸管線維化を生じるラット腸炎モデルを開発し、これに対しヒト用の極細径の気管支鏡をラットの大腸内視鏡として転用した治療内視鏡実験系を新たに確立した。既存薬剤および新規開発薬剤を内視鏡下に線維化を生じた大腸粘膜下へ注入することで炎症性腸疾患に対する画期的治療法を開発することを目指した。 |
406 |
環境に優しい生分解性膜分離材料の高機能化 |
田中 孝明 |
新潟大学 |
中津 普門 |
新潟大学 |
ポリ乳酸などの生分解性プラスチックを用いた膜分離材料は使用後に目詰まりした膜をコンポスト(堆肥)化処理できるため、生産現場における廃棄物の削減が可能である。本研究課題では代表研究者が開発に取り組んでいるポリ乳酸膜や生分解性ポリマーブレンド膜などの生分解性プラスチック膜を高機能化することにより,その分離特性を高め、応用範囲を広げることを目的とする。 |
407 |
高吸着能力・強磁力を有する新規複合材料の開発と応用 |
川田 邦明 |
新潟薬科大学 |
千原 恵子 |
にいがた産業創造機構 |
強磁性体は医療分野を含む広範囲での応用が研究され、その用途は増加している。一方、活性炭など高い吸着能力を持つ材料は、浄化、脱臭、触媒など様々な用途で用いられている。そこで、本課題では、高吸着能力・強磁力を有する新規複合材料の作成技術を検討し,製造コストの低減化や製造工程の短縮化にも配慮した技術を確立する。さらに,応用のための基礎技術を検討する。これにより、様々な分野で用いるための基礎の確立を目標としている。 |
408 |
地産ベリー「ナツハゼ」のアントシアニン成分を活用する機能性食品の開発研究 |
平山 匡男 |
新潟薬科大学 |
真島 操 |
にいがた産業創造機構 |
赤ワインやブルーベリー、カシスなどは、心疾患抑制、視覚機能改善、血流改善など、それぞれ特有の機能を持ち、機能性食品として市場に流通しているが、その差別性の鍵は含有するアントシアニン成分にある。我々は、日本古来のベリーで、地域で食べられてきた「ナツハゼ」中のアントシアニン成分が、他のベリー類と異なる特有の組成であることを発見した。そこで、本課題では、その特性を活かした機能性を明らかにし、新しい差別性のある機能性食品を開発することを目的とする。 |
409 |
ヒトmiR-122を分解する新たなsgRNA剤の開発 |
梨本 正之 |
新潟薬科大学 |
佐々木 峰子 |
株式会社新潟ティーエルオー |
TRUE gene silencing (tRNase Z-utilizing efficacious gene silencing)法は、すべてのヒト細胞に存在する酵素tRNase Zと、7-30 ntの人工的にデザインされたsmall guide RNA (sgRNA)を用いて、がん遺伝子のmRNAやHIV-1 RNAなど、あらゆるRNAを特異的に切断することができる新たな技術である。本課題では、C型肝炎ウイルスの増殖に関係するmiRNAであるヒトmiR-122を特異的に分解するTRUE gene silencing 用sgRNA剤を開発することを目的とする。 |
410 |
CoSix/Siによる超高速・広帯域(可視・赤外)光電変換素子の開発と応用 |
安井 孝成 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
CoSix(膜厚数nm)とSi(下層)から構成される薄膜光電変換素子の開発である。Si表面上の自己組織化CoSix/Si界面で発生する高速光誘起キャリアを利用し、赤外0可視域の光発電素子の実現を目指す。赤外域の量子効率改良により赤外0可視光を光電変換するワイドバンド太陽電池が可能で,地球温暖化要因(赤外線)を低減しつつ電気に変換できる。微量のCoとSiおよび電極材料による薄膜構造で、希少元素を多量に必要とせず、光素子や高速素子で多用される化合物半導体の代替素子としても期待される。 |
411 |
非接触インライン計測へ向けた3次元動画顕微鏡の開発 |
塩田 達俊 |
長岡技術科学大学 |
松浦 康次 |
長岡技術科学大学 |
物体の3次元形状を高速かつ精密に計測する技術の開発が、製品検査・医療・生命科学などの多くの分野から期待されている。本課題ではこの要求に役立つ3次元動画顕微鏡を開発する。本計測器は光周波数コムを光源とした光学干渉計による3次元形状を観測する手法であり、従来の白色光源を用いた手法とは全く異なる。具体的には、従来の顕微鏡の100倍の速度で、ミクロン精度の3次元像を観察できる計測器を実現する。 |
412 |
電磁場-力学場の相互作用を応用した新型高サイクル熱疲労試験装置の開発 |
岡崎 正和 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
本研究では、電磁場-力学場の相互作用を積極的に応用した新規概念の高サイクル熱疲労試験機を開発するとともに、これを用いて耐熱材料の高サイクル熱疲労寿命を評価し、通常の疲労破損との相違点・類似点を明らかにしながら、破損規準と破損の材料強度学的考え方を提示することを目的とする。これにより、流体振動、燃焼振動、機械的振動に誘起・重畳された破損現象の解明につながる。 |
413 |
混合培養系を用いた難分解性含塩素有機リン酸トリエステル類の完全分解 |
解良 芳夫 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
含塩素有機リン酸トリエステル類は、建築材料・電気用品・衣類・カーペット・カーテンなどに添加される難燃剤・可塑剤として、またPCB類の代用品として大量かつ広汎に使用されている。当該物質は難分解性で蓄積性があり、種々の毒性を有する。本課題では、我々が世界で最初に単離・同定した含塩素有機リン酸トリエステル類分解菌と、その分解生成物を更に分解できる分解菌との混合培養系を用いて、当該物質の完全分解システムの構築をめざす。 |
414 |
溶液X線散乱法による柔軟な鎖状生体高分子の構造解析システムの開発 |
関 安孝 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
病因の究明や薬剤の設計には,ターゲットとなるタンパク質や核酸,糖鎖などの生体高分子の構造を原子分解能で決定する必要がある。ところが,ターゲットとなる生体高分子が特定の構造に折れ畳まれない場合には,既存の構造解析法は適用できない。本研究では,溶液X線散乱プロフィルの超精密計算と分子モデリング計算の融合により,解鎖状態にある生体高分子の構造特性を高速・高精度で解析できるシステムを開発する。 |
415 |
ゴム系複合材料の電気抵抗新規二面制御法開発と応用 |
五十野 善信 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
電子複写器の転写ロールには104〜107Ωm程度の体積抵抗率を有する導電性フィラー充填エラストマーが使用されるが、この体積抵抗値はパーコレーション閾値付近に対応するので、加工条件等にきわめて敏感で、制御困難であるため、簡便な抵抗制御法が要望されている。本課題では、安価な汎用カーボンブラック充填エラストマーに適用できる新規抵抗制御法の開発とその応用を図る。 |
416 |
オイルエマルジョンの分離システムの開発 |
小林 高臣 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
本研究では、アルカンや灯油が混在する水エマルションに超音波を照射して水と油成分を分離する技術を確立すると共に、これを利用した水−油成分の分離装置の開発を行う。具体的には超音波照射により、オイルエマルジョン内の水−オイルを分離する為の効率の最適化を探索し、超音波周波数、超音波強度、超音波素子の配置、反応容器の形状等の基礎的データ及び知見を蓄積する。 |
417 |
無線LAN/OFDM用MC-CDMA符号ダイバーシチ通信方式の研究 |
太刀川 信一 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
将来の無線通信では、より多くユーザに安定した通信環境を整えていく必要があり、そのための符号分割多元接続(CDMA)の特徴を生かした新たなダイバーシチ方式を提案、実現する。本方式では、一局にいくつかの系列を割り当て、その合成系列に情報を負荷して送信し、受信機ではそれらとの相関をとり、ダイバーシチ枝として重み係数を乗じて加算し復調する。新たに、次世代無線LANを対象とした直交周波数分割多重通(OFDM)によるマルチキャリア(MC)-CDMA用の符号ダイバーシチ通信方式を提案し、その性能を評価する。 |
418 |
スーパーハイビジョン用光ディスクトラッキング制御系の開発 |
大石 潔 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
近年実用化が進められている超薄型光ディスクは,小型大容量で且つ情報転送レートが高いため,放送用データアーカイブを保存する媒体として期待されている。Blu-Ray Discの厚さの1/10で約7倍の容量を持つこの超薄型光ディスクは,スーパーハイビジョン規格の250Mbpsの毎分15000回転を達成する唯一の媒体として期待されている。従来技術では不可能であった光ディスクの15000回転でのデータの記録・再生を本研究では可能にし,スーパーハイビジョンのためのトラッキング制御系を構成する。 |
419 |
Si(111)面上GaSb系へテロエピタキシーによる低価格化赤外光素子 |
内富 直隆 |
長岡技術科学大学 |
松浦 康次 |
長岡技術科学大学 |
Si(111)基板上にSb系半導体へテロエピタキシーを行いGaSb/AlGaSbおよびInを含む関連した多重量子井戸構造を作製し、その赤外発光・受光素子としての可能性を明らかにし、Si(111)基板を採用した低価格な光デバイスの実現を目指す。Sb系半導体の転位密度の低減のために超格子の採用やバッファー層の最適化を行う。また、選択エピタキシャルの導入によるSi半導体との複合化についても検討を行う。 |
420 |
レーザー誘起結晶化ガラスによる光変調素子の創製 |
本間 剛 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
電気光学効果を利用した光学デバイスは高速動作可能な光変調器や光スイッチング素子として展開されている。最近、申請者はレーザー誘起によるガラスへの位置選択的な構造変化パターニング技術を駆使して、ガラスへニオブ酸リチウムなどの強誘電体単結晶からなる細線構造の形成に成功している。本研究ではこのレーザー誘起結晶パターニング技術により強誘電体導波路を試作し、主に導波路構造体の光変調特性について動作実証を行うことを目的とし、安価かつ単結晶と同等の特性を達成することを目指す。 |
421 |
張出し成形に優れた高強度・高延性マグネシウム板材の開発 |
本間 智之 |
長岡技術科学大学 |
吉野 好男 |
にいがた産業創造機構 |
Mg合金はその軽量性から自動車等燃費向上が不可欠な分野への応用が進んでいる。これまでAZ31合金等の商用展伸材が広く用いられてきた。しかし、Mg合金は室温での変形能が乏しく、板形状の加工も困難であった。この難加工性Mg合金中の析出物や再結晶を制御することで、結晶粒径10μm以下の板材の開発に成功している。この板材を用いて張出し成形を行い、三角錐台構造を組み上げ、新幹線、ロケット、航空機等のフレーム材への応用を狙う。 |
422 |
液晶配向印刷法によるLCD作製技術の確立 |
木村 宗弘 |
長岡技術科学大学 |
松浦 康次 |
長岡技術科学大学 |
液晶表示素子を作製するには、液晶分子を基板上で配向させる必要があるために、その処理法として「ラビング法」と呼ばれる機械的な手法が長年採られてきた。しかし、発塵や静電気の発生が問題となっており、代替法として光配向やイオンビーム法等が検討されている。本研究では、印刷法をベースに液晶の”配向”を対向界面に印刷転写することによって界面分子配向を形成する手法を確立する。マスタードラム側及び基板に適切な条件を与えることによって、プレティルトも付与できる。LCDだけではなく、光学フイルムや電子ペーパー製造技術に応用できる、画期的な要素技術を提供するものである。 |
423 |
微生物の機能に基づいた検出技術の開発と脱窒素細菌群への適用 |
荒木 信夫 |
長岡工業高等専門学校 |
目黒 正義 |
にいがた産業創造機構 |
本研究では、脱窒素細菌群が共通して保有する脱窒素反応機能遺伝子のmRNA を標的としたFISH 法を開発することにより、処理プロセス内の活性汚泥から脱窒素機能を発揮している細菌群を、細胞を破壊することなく、かつin-situ で、網羅して検出する技術を開発する。 |
424 |
血糖値上昇抑制を目的とした米の湿熱処理加工 |
菅原 正義 |
長岡工業高等専門学校 |
真島 操 |
にいがた産業創造機構 |
米に湿熱処理を行い米澱粉の酵素分解性を低下させ、食べても急激な血糖値上昇のしにくい、低GI米を開発する。澱粉質食品では、消化速度が速いと短時間に多量の糖が吸収されるため急な食後血糖値上昇が起こり、インスリンが分泌されて血糖値が低下するが、多くのインスリンが必要となり糖尿病やメタボリック症候群の原因となる。この米に水蒸気しか使わない安全な湿熱処理を行い、低GI化を目指す。 |
425 |
医療用多孔質チタン合金の開発と応用 |
青柳 成俊 |
長岡工業高等専門学校 |
目黒 正義 |
にいがた産業創造機構 |
放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering : SPS)装置を用いた、チタン合金ポーラス材製造とその複合化技術に関するものである。SPS焼結したチタン合金ポーラス材中に医療用高分子であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)を真空含浸させて、チタン合金ポーラス材/PMMA複合材料とする。本複合材料の組織と力学的特性評価を行い、医療用途素材に応用展開したい。 |
426 |
廃石膏ボードと汚泥からなる団粒状建設材料の開発 |
尾上 篤生 |
長岡工業高等専門学校 |
長谷川 雅人 |
にいがた産業創造機構 |
廃棄石膏ボードを加熱処理して粉末化された半水石膏(CaCO3・1/2H2O)を、産業廃棄物である建設汚泥にセメントあるいは消石灰とともに加えて混練することによって汚泥を団粒化し、運搬と締固め効率の良い埋め戻し材・裏込め材・盛土材等としてリサイクルする技術の確立を目的とし、団粒化汚泥の強度に及ぼす汚泥の初期含水比、各材料の配合割合、再泥化等の長期安定性を明らかにする。 |
427 |
米品種純度検定用DNAマーカーの開発 |
田淵 宏朗 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
安藤 益夫 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
米の品種銘柄について、消費者の視点からの表示内容への信頼性確保、および、生産者の視点からのブランド力維持には、原原種等生産時の品種純度維持が必要である。しかし、都道府県ごとに生産される品種群は異なるため、それらに柔軟に対応可能な検査手法の確立が必要である。本課題では新潟県をモデルケースとして、作付面積95%以上を占める主要品種群について、効率的な純度検定が可能なDNAマーカーを開発する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
428 |
塩化ビニール樹脂中の可塑剤の簡易・迅速分析技術の開発 |
佐伯 和光 |
富山県工業技術センター |
谷野 克巳 |
富山県工業技術センター |
プラスチックを分別する際、プラスチックを種類ごとに分別するだけでなく、再生品の特性を向上させる目的で、同一種類のプラスチックでもグレードや使用されている添加剤ごとに分別することが非常に重要である。本研究ではプラスチック廃棄物のリサイクル技術向上のために、塩化ビニール樹脂中に複数種混在する可塑剤を簡易、かつ迅速に分析する手法を開発することを目的とする。 |
429 |
陽極酸化軽金属と熱可塑性樹脂の超音波接合 |
石黒 智明 |
富山県工業技術センター |
谷野 克巳 |
富山県工業技術センター |
軽金属(AlやMg)は機器軽量化を目的に普及しつつあり、各種素材とともに組み立てられ製品化される。また、AlやMgは耐食性改善のため陽極酸化がしばしば行われ、研究では、組み立て機構としてAlやMg上へ樹脂製ボス等の形成を目指し、陽極酸化材と熱可塑性樹脂の超音波接合について検討する。実験では、超音波接合条件と接合可否、引張せん断強さの関係について調べるとともに、せん断剥離状態の観察を行う。また、接合性向上のため、樹脂インサート材の使用や陽極酸化材の予熱の効果などについても検討する。 |
430 |
細胞スクリーニング用低コストチップの開発 |
大永 崇 |
富山県工業技術センター |
谷野 克巳 |
富山県工業技術センター |
本研究では、多数の細胞や微生物の中から必要な性質を持ったものを選び出すツールとして、1個の細胞や微生物を収納できる穴が格子状に多数配列した構造を持つチップを開発する。樹脂を用いる成形により低コストでチップを提供できるようにすると共に、チップ表面に反応性を導入して抗体、酵素、色素などを表面に固定できるようにする。これにより、穴に入った特定の細胞や微生物が産生する物質が穴の周りの発光や色の変化を生じさせ、その穴がマークされることで、スクリーニングを可能とする。 |
431 |
多孔質柱状酸化チタン薄膜によるエレクトロクロミック素子の実用化研究 |
本保 栄治 |
富山県工業技術センター |
谷野 克巳 |
富山県工業技術センター |
中周波電圧を印加するスパッタ法によって作製した多孔質柱状酸化チタン薄膜に機能性色素を吸着した構造で電圧をかけると着色するエレクトロクロミック素子を開発した。この素子はナノサイズの柱が整列した薄膜を利用することから、着色効率が良く、非着色時の光の透過率が高い。また、微細表示や多色化が可能である。本研究では実用化のために、反射率を制御する調光ミラーや透過型・反射型の情報表示板を試作・評価する。 |
432 |
生物情報を活用した医薬品の製造工程改良と新規物質の生産 |
橋本 正治 |
富山県立大学 |
福井 敏 |
富山県立大学 |
これまでは解明が困難であった微生物由来医薬品の生合成過程を、生物情報を活用して遺伝子、蛋白質レベルで解明する。それらの知見を応用して医薬品製造工程の改良を行い、製造コストの低減を図る。さらに人為的に生合成遺伝子の改変を行い、有効性や安全性で既存薬を上回る新規医薬品のシードを創製する。 |
433 |
視覚障害者理工系教育支援システムのハードウェア開発 |
高木 昇 |
富山県立大学 |
定村 茂 |
富山県立大学 |
本研究の目的は、視覚障害者の理工系教育で用いる数学教科書などの図を触図化するための実用的なコンピュータ支援システムを開発することである。この触図作成支援システムは、①図をイメージ・スキャナで電子化、②画像データから文字領域・非文字領域の分離、③文字認識・数式認識、④点字翻訳、⑤点字自動配置、⑥点字プリンタへの点図出力といった一連の処理からなる。本研究では、再構築可能デバイス(FPGA)を用いたハードウェア化により処理の高速化を実現し、システムの実用性向上を目指す。 |
434 |
携帯情報端末を用いた高信頼性個人認証装置の開発 |
高野 博史 |
富山県立大学 |
定村 茂 |
富山県立大学 |
携帯電話などのモバイル情報端末を利用した様々なサービスはネットワークを介して提供されるため、新たなセキュリティ技術として生体認証技術が重要視されている。そこで本研究では、モバイル環境で虹彩認証を行う上で問題となる虹彩画像の回転変化に影響されず、生体と偽造を識別できる信頼性の高い虹彩認証アルゴリズムを最適化することで処理速度を向上させ、携帯情報端末に搭載する個人認証ソフトウエアを開発する。 |
435 |
空書きによる文字入力のための文字認識技術の開発 |
中井 満 |
富山県立大学 |
定村 茂 |
富山県立大学 |
手や指を振って空中に書いた文字をコンピュータで認識する技術と、それを応用した文字入力インタフェースを開発する。本課題の手法は、書き込む面がなくても手に装着したセンサの信号から手書きによって文字を入力することができる。これまでに、手のひらなどの平面に筆跡を見ないで書いた文字の認識を実現した。これを3次元空間に拡張してデータを収集し、空中での手の動きによる文字の認識・入力システムの開発を行う。 |
436 |
竹粉とプラスチックを用いた屋外用カラー複合材料の開発 |
田近 克司 |
富山県農林水産総合技術センター |
茅原 正毅 |
日本住宅木材技術センター |
竹林の造林地への侵入による立木の枯損被害発生に対処するため、竹林の整備が進められる一方で、伐採した竹材の需要拡大を図る技術開発が強く求められている。本研究では、竹材を微粉砕した竹粉と熱可塑性樹脂等を混練、成型することにより、表面が硬く、寸法安定性に優れた竹粉・プラスチック複合材料の製造技術を開発する。製品用途として、着色した「屋外誘導タイル」等を目指す。 |
437 |
食品および医薬品製造ラインにおける異物除去装置の開発 |
石田 弘樹 |
富山商船高等専門学校 |
定村 茂 |
富山県立大学 |
製造にヒトが携わる以上、人毛や衣類から落ちる繊維の混入を完全に防ぐことは不可能である。そのため製造ライン中に異物を検出し除去する装置が必要となってくるが、人毛や繊維などの検出は特に難しく、例えば、X線を利用した画像処理による検出装置(数千万円)が必要となる。しかし、中小規模の企業では、このような高額の設備を導入することが難しい現状にあると推測される。本研究では、顆粒状の原料中に混入した異物(人毛、繊維)を除去する安価な装置の開発を行う。 |
438 |
糖尿病性腎・網膜症予防薬の簡易スクリーニング法の開発 |
加藤 一郎 |
富山大学 |
佐貫 大三郎 |
富山大学 |
糖尿病性網膜症、腎症などの糖尿病合併症の予防とその治療は現代医学における最重要課題となっており、その根本的治療薬剤の開発は急務となっている。我々が新規に開発した糖尿病モデルマウス(変異型カムキナーゼ2α遺伝子導入マウス)は生後20週において糖尿病性腎病変と網膜病変を完成する。本課題では変異型カムキナーゼ2αマウスをモデル動物として用い、糖尿病合併症予防候補薬の簡易スクリーニング法を確立する。 |
439 |
音響・画像・映像分野での飛躍的発展を目指した符号化・ソフトウエアの開発 |
広林 茂樹 |
富山大学 |
岩瀬 洋一 |
富山大学 |
申請者が発明した高い周波数分解能を有する信号解析法NHA(Non-Harmonic Analysis)を用いて新しい符号化技術を開発するために、音に代表される1次元信号、画像等の2次元信号、映像などの3次元信号の周波数解析を行う為の基盤ソフトウェアの開発を行う。 |
440 |
遺伝子検査の高速化を目指した液滴集積配置方式による遺伝子増幅装置の開発 |
黒澤 信幸 |
富山大学 |
岩瀬 洋一 |
富山大学 |
遺伝子増幅装置は、遺伝子診断を行う為に不可欠な装置であり、その需要は年々増加している。しかし遺伝子増幅には、手間と時間とコストがかかるのが現状である。そこで微量の反応液を直接平板上にスポットした状態で、遺伝子増幅反応を行うための液滴集積配置方式を考案し、これにより大幅なコストダウンと多検体・高速処理を実現するための画期的な遺伝子増幅装置を開発する。 |
441 |
落雷による被害の判定方法の確立と有効なアーズ設置法の技術開発 |
酒井 英男 |
富山大学 |
岩瀬 洋一 |
富山大学 |
落雷時の停電や迷走電流による製造会社・民家等への被害は少なくない。本課題では、瞬時(μ〜m秒)の雷電流が経路の土壌や物質に磁化として残る特性を利用して、電流が大地・建物等へ伝播する状況を把握する方法を開発する。そして、数ヶ月前の落雷も記録できる雷の化石となった残留磁化から、雷に起因する被害の判定法を確立する。有効な接地施工等の雷被害軽減のための研究も行う。 |
442 |
プラズマフォーカス装置による低コスト・高品質のDLCパルス製膜技術の開発 |
升方 勝己 |
富山大学 |
岩瀬 洋一 |
富山大学 |
ダイアモンド様炭素(DLC)は、高硬度・低摩擦等の特性からコーティング材として幅広い応用が期待される。本課題では、高品質DLC膜生成を目指し、プラズマフォーカス(PF)装置を用いたパルス製膜技術の開発を行う。PFは大電流ピンチプラズマ生成装置であり、プラズマから高エネルギー密度の電子及びイオンビームが生成される。我々は、ビーム照射により生成されるプラズマによる高速製膜とビーム照射による膜質改善、パルス加熱による熱処理効果が同時に期待出来る製膜技術を開発した。この製膜法についてDLC膜の物性評価、製膜条件の最適化を通じてその実用化を目指す。 |
443 |
形態・整合性制御による高温強度に優れる新規軽量材料の開発 |
松田 健二 |
富山大学 |
永井 嘉隆 |
富山大学 |
本研究者の成果である、合金の化学組成と熱処理条件の最適化により①形態制御と②整合性制御の組合せの最適化を図ることにより、高温強度に有効な強化相を効率よく生成し、自動車用エンジン周りなどの高温使用に耐えうるアルミニウム合金の開発を目的とする。目標は、250℃時効において、最高硬さ100HV以上、引張り強度250MPa、全伸び5%以上を目指す。 |
444 |
広帯域・高ダイナミックレンジが可能な高性能デジタル超音波センサの開発 |
前澤 宏一 |
富山大学 |
岩瀬 洋一 |
富山大学 |
本応募課題は、高周波動作が可能な周波数変調ΔΣAD変換方式を用いて、超高性能なデジタル超音波センサを開発するものである。具体的には、コンデンサマイクロフォン自身をマイクロ波発振器の共振器として用い、超音波信号を直接高周波のFM信号に変換する。このFM信号を、周波数変調ΔΣAD変換器に通すことによりデジタル化を行う。これにより、メンブレンの変位が直接デジタルデータに変換され、従来不可能だった超高ダイナミックレンジ、超広帯域が可能になる。 |
445 |
酸素酸化を利用した軽油の超深度脱硫プロセス実用化への技術開発 |
村田 聡 |
富山大学 |
岩瀬 洋一 |
富山大学 |
申請者は、遷移金属触媒−アルデヒド−酸素を用いて軽油の脱硫を行う新しい手法を開発しており、本研究では、この新規酸化脱硫法を実用化する上で課題となる流通法への展開に関する技術開発を行う。この脱硫法は、現在工業化されている水素化脱硫と比較すると、迅速に反応が進行し、危険な試薬を使用せず、温和な条件で超クリーン軽油を得ることができるという大きな利点を持っている。検討は、主として触媒の開発(活性種や担体の探索)および反応条件を中心に行う予定である。 |
446 |
非鉄金属薄板の塗布コーティング向け磁気浮上・搬送システムの開発 |
大路 貴久 |
富山大学 |
岩瀬 洋一 |
富山大学 |
非鉄金属のCu箔材やAl箔材等の薄板材に溶剤を塗布コーティングする工程において、被塗布材料を磁気浮上で非接触支持搬送を行うことによって、発塵性の少ない環境での高品質な材料の製造が要望されている。申請者らは、従来方式である交流誘導磁気浮上の際に発生する渦電流をアンペール力に利用する新方式を提案し、ジュール熱の低減と浮上効率の増大を確認した。この方式を用いて、薄板や箔材を非接触浮上させ、レール軌道上を浮上搬送するシステムや浮上回転するシステムを構築する。 |
447 |
押出加工が可能な超伝導軽量ハイブリッド線材の開発 |
池野 進 |
富山大学 |
永井 嘉隆 |
富山大学 |
本研究は、超伝導特性及び熱伝導特性に優れたMgB2超伝導押出線材を、熱間押出し課程で直接複合化して線材化できる技術を構築する。特に高品質でかつ作業工程の簡便な超伝導線材の作製を目指す。この押出材は、押出加工で造形用のバインダーや特殊な雰囲気制御を必要としない方法であり、線材やテープ材への加工が容易なこと、転移温度が金属間化合物の中で最も高いことや重量が軽いこと更に安価なことから種々の製品の応用が期待でき、経済的、実用的なメリットも多い。 |
448 |
神経系遺伝子発現に影響を与えるU型ピレスロイドの修飾と脳機能改善効果 |
津田 正明 |
富山大学 |
佐貫 大三郎 |
富山大学 |
従来の脳神経疾患治療薬の多くは、神経伝達部物質の再取り込みや分解抑制を介している。最近、記憶・学習など長期的な神経機能変化には、遺伝子発現の関与することが明らかになってきた。代表者らは、II型ピレスロイド殺虫剤デルタメトリン(DM)が神経細胞中で、脳由来神経栄養因子(BDNF)など神経機能発現にかかわる一連の遺伝子発現を効果的に誘導することを認めている(J. Pharm. Exp. Ther., 2006)。すでに、DMの新規類似化合物がBDNF誘導能を有していることを認めており、本課題ではこれら新規化合物の脳機能改善効果を調べ、次世代型脳神経疾患治療薬の開発を目指す。 |
449 |
GPS携帯電話による多言語対応型避難誘導システムの開発 |
唐 政 |
富山大学 |
永井 嘉隆 |
富山大学 |
本研究では、研究者が持っている『世界最大の文字圧縮率の文字フォント圧縮技術』と『携帯電話の中国語文字フォントを用いた4件の携帯システム技術の開発』の実績を基に、衛星から信号を直接受信して位置を特定でき、インターネットや基地局や地図データなどに依存しない独自のGPS携帯電話避難誘導システムの開発、更に避難場所のデータを中国語や韓国語などの外国語に対応させた試作品を開発する。現状は、実用化されている携帯電話の避難誘導システムの多くは、インターネットに接続して避難場所までの経路などをダンロードすることで機能するものである。しかし、災害時に確実に接続できる保証はなく、新潟県中越地震では携帯電話の基地局大部分がダウンし、携帯電話すら繋がらなく大混乱となった。 |
450 |
糖尿病性合併症治療薬開発を指向した新規三環系化合物の合成と活性評価 |
豊岡 尚樹 |
富山大学 |
佐貫 大三郎 |
富山大学 |
現在、大きな社会問題になっている糖尿病性合併症治療薬の開発は極めて重要な課題の一つである。本研究では、既存の薬剤が抱える問題点(組織への移行性不良、過敏反応等)を克服することができる可能性を秘めた新規三環系化合物の合成と活性評価を行い、次世代型の糖尿病性合併症治療薬シーズを発掘することを目的とする。 |
451 |
ウィルス感染予防に用いる徐放性芳香精油製剤等の開発 |
落合 宏 |
富山大学 |
佐貫 大三郎 |
富山大学 |
療養病棟や介護施設の環境衛生の保持はニーズの高い研究課題である。植物精油は、癒しやリラクゼーション作用の面から関心が高まりつつあるが、ある種の植物精油が発する芳香には、インフルエンザウイルス増殖制作用があることを見いだした。この知見を基に、本研究では、環境衛生保持の面から、有効濃度の芳香成分をいかに持続的に放出させるかの観点に立ち徐放剤添加植物精油剤の作製を試み、その有効性を芳香拡散距離や芳香暴露時間をパラメーターとしてインフルエンザウイルス増殖系や抗菌作用の面から検討する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
452 |
間質性腎炎の診断マーカーの探索と臨床応用 |
友杉 直久 |
金沢医科大学 |
増田 浩子 |
金沢医科大学 |
間質性腎炎は、腎臓の尿細管間質組織が炎症により破壊され、線維化にいたる予後不良の疾患である。そのため早期診断・治療により腎機能を維持することが重要である。現在、間質性腎炎の診断は、侵襲性の高い腎生検による組織所見で確定されている。本課題は、プロテオミクス技術を駆使して尿中から新規に発見したバイオマーカーを基軸とし、早期に間質性腎炎の診断を可能とする非侵襲性簡易診断キットの開発を目指す。 |
453 |
撮影画像法に基づく亀裂検出を包含した構造物ヘルスモニターシステムの開発 |
畝田 道雄 |
金沢工業大学 |
南 宏之 |
金沢工業大学 |
現在、橋梁等の大型のものから、電子デバイス等の小型のものを含めた各種構造の健全性を①正確に、②簡易に計測できるシステム及び装置が求められている。本研究では、デジタルカメラを用いた撮影画像法に基づく構造物ヘルスモニターシステムを開発することを通じて、(I)非接触計測、(II)全視野(多情報量)計測、(III)簡易(安価・短時間)計測を可能にすることを目的としている。そこで本申請研究では解析時間を大幅に短縮できるとともに、ノイズ除去フィルタを搭載した亀裂検出までをも包含する当該システムの開発を行うものである。そして、本研究では本システムの実用化に向けた検討を推進する。 |
454 |
簡易唾液採取用具の開発とストレス評価への応用 |
長澤 晋吾 |
金沢工業大学 |
南 宏之 |
金沢工業大学 |
簡易唾液採取用具を考案・作成し、唾液を用いたストレス評価分野への適用を目指すものである。従来品が混合唾液を採取するのに比し、舌下腺唾液のみの採取、かつ遠心分離操作等を省いた簡単な採取を可能にする。本課題では、綿を固定化したチップ用具の作成を試み、得られる唾液検体が分泌型IgA測定をはじめとするストレス検査に量的ならびに質的に満足出来ることを検証し、その実用化可能性を検討するものである。 |
455 |
局所接触型マイクロ波加熱法を用いた噴霧生成機構の開発と応用 |
榎本 啓士 |
金沢大学 |
分部 博 |
金沢大学 |
輻射現象を利用するマイクロ波による加熱方式は、電熱線などを用いた熱伝達現象による加熱方式では困難であった微小体積・微小時間での熱量制御が容易に可能となるので、この機構を自動車原動機用燃料噴射装置(フューエルインジェクタ)に代表される液体微粒化装置に応用し、微粒化促進を目指した技術の確立と装置開発のための試験を行う。 |
456 |
安全性を最重視した遠隔無線通信ネットワークロボットの試作開発 |
滑川 徹 |
金沢大学 |
奥野 信男 |
金沢大学 |
力覚情報のフィードバックを行なう双方向遠隔制御ロボットは、作業性能の改善と操作者の安全性の確保に極めて有効である。本研究では高い信頼性を持つ遠隔制御ネットワークロボットの開発と制御技術の構築を行う。具体的には、変化する通信遅れに対しても安定なフィードバック協調制御則、操作者とロボットの位置と力を変化可能なマルチスケール制御手法、汎用無線通信ネットワークを用いた制御法、の試作開発を目的とする。 |
457 |
高い展延性を有する金属蒸着フィルムの開発と応用 |
岩森 暁 |
金沢大学 |
分部 博 |
金沢大学 |
プラスチックフィルム上に単金属薄膜を蒸着形成した金属蒸着フィルムは、電子機器や食品包装などの分野で幅広く使用されているが、プラスチックと金属では物性が大きく異なることから、成形加工時、金属薄膜層の割れ(展延性)や剥離(密着性)などの問題があり、広範囲での使用が制限されている。本研究は、ポリエステルなどのプラスチックフィルム上に合金薄膜を真空蒸着やスパッタリングなどの物理気相蒸着法を用いて形成することにより、割れや剥離などが起こり難く成形加工性に優れ、種々の金属色を実現できる金属蒸着フィルムの開発を目指す。 |
458 |
世界最高レベルの耐久性を持つ有機薄膜太陽電池の開発 |
高橋 光信 |
金沢大学 |
五十嵐 泰蔵 |
有限会社金沢大学ティ・エル・オー |
我々はこれまでに、素子面積1cm2の高耐久性逆型バルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池の開発に注力してきた。しかしながら、特に電極材料である酸化チタン薄膜の大きな電気抵抗のために、エネルギー変換効率(η)が2.5%程度とまだ小さい。本申請において、逆型バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池用として最適な酸化チタン薄膜を開発して、ηが3%以上の、実用化も視野に入るような高効率素子の実現を目指す。 |
459 |
次世代安全運転支援システム開発を目指した新規運転ストレス評価法の検討 |
山越 健弘 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
交通事故防止に対する技術は、すでに多くの試み、そしてその実用化がなされているが、申請者が目指している“運転者の生理情報”、その反映である“運転ストレス”に着目した安全対策はまだ新しく、具体的な前例は国内外を通して皆無である。 その理由としては、運転最中という動的状態下で、生理状態を如実に反映する生体情報を取得するという難しさにある。本提案はその問題の解決を図り、実用化に結びつけることを目的とする。 |
460 |
生体内磁気ビーズ計測の低侵襲極細針形磁気センサの測定限界の研究 |
山田 外史 |
金沢大学 |
平野 武嗣 |
金沢大学 |
生体内の磁気情報の計測法として、超極細な針形状の磁気センサを信号源の極近傍に挿入することにより、低侵襲、簡便な手法で高感度に極近傍磁界を検出することを提案する。本手法を生体計測として具体化するため、100-200μm幅、20-50mm長さのセラミックの針形状の先に数十μmサイズの巨大磁気抵抗効果センサを付けたセンサ構造を作成し、生検体の内部の磁気情報を針治療のように計測するシステムを構築し、針形状の磁気センサの応用として生体内に注射した磁気微粒子の濃度、分布を計測する。 |
461 |
画像処理機能を搭載する高速・高解像度イメージセンサの実証システムの開発 |
秋田 純一 |
金沢大学 |
中村 尚人 |
有限会社金沢大学ティ・エル・オー |
高速カメラとFPGAボードの組み合わせによりVisionChipを模擬し、画像処理アルゴリズムと処理回路の最適化設計によってオプティカルフロー算出を実証するシステムを構築する。VisionChipとは、カメラと画像処理機能を同一チップ上に集積した、画像処理システムの小型化・低価格化と高速化の両立が可能な高機能撮像素子である。本研究では、従来のVisionChipでは実現が困難であったVGA解像度、毎秒200フレームの画像処理を、申請者が考案した列並列構成により行うVisionChipを対象とする。 |
462 |
組換えHGFによる骨折・関節傷害の再生修復技術の開発 |
松本 邦夫 |
金沢大学 |
渡辺 良成 |
金沢大学 |
骨折や関節傷害(靭帯や半月板の損傷・断裂など)は数ヶ月から数年に及ぶ長期療養期間を必要とし、治癒・復帰を早めることができれば医療費と順応のための負担が著しく軽減される。本研究では骨折・膝関節傷害に対する新しい再生治療法の基礎を確立するため、モデル動物に組換えHGF(肝細胞増殖因子)タンパク質を局所的に投与し、骨折や膝関節傷害の再生・修復が促進されることや治癒期間の短縮を明らかにする。 |
463 |
音声による難聴者との携帯型コミュニケーション支援システムの開発 |
船田 哲男 |
金沢大学 |
分部 博 |
金沢大学 |
難聴者と音声を通して手軽にコミュニケーションできるようにすることを目的とし、発声者の1音節ごとの発声内容を機械で自動認識して漢字混じりの文字列に変換し、ディスプレイ装置上に視覚情報として提示する携帯型の支援システムを開発する。したがって、難聴者は対話している相手の発声内容を文字で理解できる。発声者がつぶやきで発声することによる肉導音NAM にも適用できるようなシステムを意図している。 #NAM・・・Non Audible Murmur |
464 |
非常時に活躍する「電子アーミーナイフ」(ε-ARK)の携帯電話等での実装と検証 |
大野 浩之 |
金沢大学 |
平野 武嗣 |
金沢大学 |
申請者が提唱する「平常時にも非常時にも活躍する電子アーミーナイフ」(ε-ARK)というコンセプトに基づき(1)電子手帳や携帯電話などの常日頃から携帯する携帯型情報通信端末(以下、「携帯電話等」)上にε-ARK端末を実現し、(2)大規模災害発生直後のような通信環境や電源環境が極端に制限された状況にあっても、被災者や復旧担当の行政職員がε-ARKによって情報収集のみならず情報発信までも容易に実施できることを立証する。(3)そのために技術者のみならず能登半島地震の被災者等の非常時体験者を含めた試験運用を実施して評価を行う。 |
465 |
未活用バイオマスからの硫酸塩還元微生物による酢酸高速生成法の開発 |
池本 良子 |
金沢大学 |
奥野 信男 |
金沢大学 |
有効利用が求められている稲わら(含むもみ殻)や林地残材(間伐材)などのセルロース系バイオマスから、高速で酢酸を生成する技術を開発する。本方式では、セルロースから酢酸を生成する不完全酸化型硫酸塩還元微生物を下水汚泥から集積し、これを用いて先述のバイオマスから酢酸を生成する。さらに、下水汚泥から集積した硫黄酸化細菌を用いて、硫酸塩還元によって生成した硫化水素を硫酸塩に酸化することによって再利用する方式である。 |
466 |
誘導熱プラズマによる新・高速表面窒化処理 |
田中 康規 |
金沢大学 |
平野 武嗣 |
金沢大学 |
誘導熱プラズマは不純物濃度の低い超高温状態を実現できるため、超高速材料プロセスへの応用が期待できる。申請者らは、この誘導熱プラズマの機能性・制御性をさらに高めるために、これまでに誘導熱プラズマを維持するコイル電流に変調を加えるパルス変調誘導熱プラズマ(PMITP)、さらに任意波形変調誘導プラズマ(AMITP)を世界で初めて開発した。本研究では新開発した上記変調高熱流誘導熱プラズマを用いた超高速表面窒化処理技術の開発を目的としている。 |
467 |
男性型更年期障害の新規診断技術の確立 |
東 達也 |
金沢大学 |
奥野 信男 |
金沢大学 |
患者負担の少ない試料採取法と高い信頼性を有するLC-MS測定法の組み合わせにより、男性更年期障害の診断技術の確立を目的とする。すなわち、① 無痛・無侵襲的に採取可能な唾液を血液に代わる検査試料として用いる。② 誤診頻度が比較的高いイムノアッセイではなく、信頼性に優れるLC-MSを基盤とする。③ その際、LC-MS感度向上用試薬を活用してごく微量の唾液中男性ホルモンを精密計測し、それを基に男性更年期障害の新規診断技術を確立する。 |
468 |
立位位置知覚能に焦点を当てた高齢者向け後方バランス訓練機器の開発 |
藤原 勝夫 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
高齢者では、後方に転倒することが多く、後方バランスを改善する訓練法の開発が必要である。本研究では、床の前方移動によって身体前面の筋が活発に活動する後方バランス訓練法を開発する。課題は、1)座位、膝立ち位、立位での安静姿勢保時に床を前方に一過性に移動し、自動的に後傾姿勢を保持させる装置を開発し、2)その装置を用いた適切な訓練法(床前方移動の速度・振幅、訓練頻度)を提案すること、および3)適切な後傾姿勢の感覚参照系の形成状態を評価する方法を確立することである。 |
469 |
ノイズ電流源分布推定・可視化システム |
八木谷 聡 |
金沢大学 |
中村 尚人 |
有限会社金沢大学ティ・エル・オー |
電子機器から漏洩する電磁界ノイズの発生源の位置と形状をリアルタイムに可視化するシステムを開発する。機器周辺でセンサを動かして電磁界ノイズの空間分布を計測しながらその様子をビデオカメラで撮影すると、ノイズ波源の位置と形状が逆問題として推定され、PC画面上でビデオ映像に重ね合わせて表示される。ここでは特に低周波(MHz以下)の磁界ノイズを発生する電流波源を対象とする。 |
470 |
原子分解能を有する液中三次元イメージング技術の確立 |
福間 剛士 |
金沢大学 |
奥野 信男 |
金沢大学 |
本研究では、液中において原子スケールの分解能で3次元のイメージングを可能とする技術を確立する。これにより、生理溶液環境中の生体試料表面で生じる水和現象などの、3次元的な挙動を直接分子レベルで可視化できる。方法としては、これまで申請者が開発してきた2次元原子分解能を有する液中原子間力顕微鏡(AFM)技術を基盤として、それを3次元で利用可能とする。 |
471 |
魚類ウロコを用いたがん細胞の骨転移能簡便スクリーニング法の開発 |
鷲山 幸信 |
金沢大学 |
長江 英夫 |
金沢大学 |
魚類のウロコはヒトの代替骨モデルとしての特徴を有している。この特徴を利用して本研究では、骨転移することが実験的に知られている様々ながん細胞を、ウロコを用いた擬似的な骨環境で培養し、がん細胞と骨芽細胞および破骨細胞の相互作用に基づく骨吸収マーカー、骨形成マーカーの量の変動を測定する。この変動の観測が示す結果により、がん細胞が有する骨への転移能をin vitro 環境で簡便に測定できるスクリーニング法を開発する。 |
472 |
油汚染環境を修復する微生物製剤の開発 |
井上 智実 |
石川県工業試験場 |
塚林 和雄 |
石川県産業創出支援機構 |
【目的】油汚染土壌の浄化に使用されている微生物製剤は、輸入製剤が主流であるため、国内土壌への適用性の観点から、国産微生物を用いた微生物製剤を開発する。【内容】①分離微生物の安全性評価:微生物の同定およびマウスを用いた急性毒性試験を行う。②分離微生物の製剤化条件の検討:凍結条件、凍結乾燥保護剤、保存方法の検討を行う。③混合微生物製剤の評価:鉱物油分解微生物と植物油分解微生物を製剤化後に混合し、複合油の分解活性を評価する。 |
473 |
簡易臨床検査法としての活性酸素消去発光分析の実用化 |
吉城 由美子 |
石川県立大学 |
辻 ェ司 |
石川県立大学 |
活性酸素(X:過酸化水素)、活性酸素消去因子(Y)、活性酸素消去調節因子(Z)の3種存在下における過酸化水素decomposition に基づく発光現象を利用し、活性酸素に対する恒常性を発光という同一手段で2方向(Y,Z方向)から捕え、“健康”と“疾病”の2次元解析を行う。健常者と有意差のあった疾病者検体からYおよびZ因子を単離、同定し、発光量の有意差の原因となる構造上の検索を行うことで、発光という新たな疾病のバイオマーカーの確立を目指す。 |
474 |
新しい表現豊かな音声合成方式 |
赤木 正人 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
山本 外茂男 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
最近の合成音声の品質の向上は目覚しいものがあるが、未だに自然性および表現の多様性はヒトが発した音声に劣る。合成音声の自然性を向上させ、特定話者の朗読調の合成音声だけではなく様々な表現ができる音声合成システムを新たに構築するため、任意の話者の音声から、他人の声、性別・年齢を操作した声、歌声など多様な声質への変換が可能な音声変形・合成システムを作成する。本システムは、表現豊かな音声合成のために、声質に関係する音響特徴を自由に高精度に変換し再合成を行うことを可能とする。 |
475 |
新しい電極構造を用いたn型有機トランジスタの開発 |
藤原 明比古 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
山本 外茂男 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
有機トランジスタは、柔軟性や耐衝撃性にすぐれておりユビキタス社会の電子デバイスとして期待されている。実際に駆動素子として用いるためには、p型とn型双方のトランジスタを用いる必要があるが、p型に比べn型トランジスタの性能が劣っている事が問題となっている。本研究では、新しい電極構造を用いる事で電極の接合問題を改善し、ディスプレー等に応用可能な性能のn型有機トランジスタの開発を目指す。 |
476 |
未開拓電磁波領域を用いた細胞膜秩序ドメイン構造の制御技術開発 |
濱田 勉 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
山本 外茂男 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
本研究課題は、電磁波による細胞膜秩序ドメイン構造(脂質ラフト)の制御技術開発を目的とする。細胞膜は電磁波と特異的に相互作用することが考えられるが、検証はほとんど進んでいない。顕微鏡上に電磁波照射システムを構築し、生体模倣巨大リポソームによる試験管内系および培養細胞系の両レベルにおける細胞膜秩序ドメイン構造の制御を行う。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
477 |
地上での超低レベル放射線測定を可能とする新遮蔽材の探索と反同時計数法の最適化 |
小野 真宏 |
若狭湾エネルギー研究センター |
祝 一裕 |
若狭湾エネルギー研究センター |
本研究では、228Raを用いた年代測定には不可欠である超低レベル放射能を地上で測定可能とするため、バックグラウンド計数を低減できる新遮蔽材と反同時計数法の最適化の組み合わせによる新規測定技術の開発を目指す。現在、超低レベル放射能測定が可能な施設は、金沢大学低レベル放射能実験施設尾小屋地下測定室など、ごく限られた地下施設のみであり、これを地上で測定できる技術の開発を行う。 |
478 |
新規酵素による健康機能性食品の製造技術開発 |
木元 久 |
福井県立大学 |
谷内 博 |
北陸経済連合会 |
カニ殻などの食品産業廃棄物中に含まれるキチンは、そのオリゴ糖や単糖に生理機能が確認され、機能性食品としての需要が急速に高まっている。キチンは強固な結晶構造を有しているため、一般に酵素法ではなく強酸で低分子化が行われており、中和工程で生じる塩の廃水処理などが問題となっている。本試験では、環境負荷の低い方法として微生物酵素を用い、産業応用が可能なレベルにまでキチンの分解効率を高める研究を行う。 |
479 |
工場排水中の微量重金属検出−回収ハイブリッド技術の開発 |
松井 栄樹 |
福井工業高等専門学校 |
上坂 治 |
ふくい産業支援センター |
日本国内において重金属の多くは既に規制がなされ、凝集沈殿法等による回収が行われている。特に繊維産業ではアンチモン化合物をPET製造時の触媒や製品の難燃助剤として用いているが、現在のところ規制は行われていない。将来的な規制設置に備え、迅速・簡便に判定できる検出法と有効な回収法の開発が重要な課題である。本研究では検出と回収の役割をそれぞれ有機色素と微生物に分担させ、ハイブリッドな手法によるアンチモン検出−回収法を開発する。 |
480 |
テラバイト級ホログラム・データ・ディスク用焦点誤差検出装置の開発 |
藤田 輝雄 |
福井工業大学 |
上坂 治 |
ふくい産業支援センター |
光ディスク中の回折構造は遠領域に干渉縞を形成する。本研究では、この干渉縞の位相情報から光ディスクに集光照射される集束ビームの焦点誤差信号を生成する方式に関し、その詳細な特性を理論的、実験的に検討する。さらに、信号、参照用光ビームの焦点を独立かつ精確に制御して深さ方向へのホログラムの多重記録を可能とする超大容量(1TByte以上/直径120mmディスク)ホログラム・データ・ディスク装置への本方式の適用可能性を確認する。 |
481 |
地中熱利用融雪システムの最適設計条件 |
永井 二郎 |
福井大学 |
蓑輪 泰造 |
福井大学 |
既に福井県を中心に一部実用化された地中熱利用季節間蓄熱融雪システムに関して、その融雪能力評価や温度変化を計算する熱解析プログラムはほぼ完成している。しかし、ユーザーが設計時に知りたいこと、即ち、融雪路面面積と指定する融雪能力を満足する本システムの(コストを含む)最適設計条件は現状では不明で、経験者の勘に頼る設計がなされており、この点が本システム普及のネックとなっている。 本研究は、全国の寒冷・積雪地域を対象とした熱解析により、本システムの最適設計条件を取得することを目標とする。 |
482 |
熱滅菌型空気清浄化装置の実用化に向けた実証実験 |
岩崎 博道 |
福井大学 |
蓑輪 泰造 |
福井大学 |
近年、医療技術の進歩に伴い、感染に対する免疫機能の低下した患者が増加したため、無菌室設置をはじめ、感染防御を目的とした環境整備が大きな課題となっている。本研究では加熱滅菌法(3Dヒーター)を改良し、空気中のすべての浮遊細菌を焼却し、無菌化することに初めて着眼した空気清浄化装置の実用化への検討を目的とする。最も滅菌の困難とされる耐熱性芽胞菌の死滅について検証し、安全性を確立するとともに、病室での臨床応用についても実施する。これまでのHEPAフィルター式に比べ、高い無菌化効率を有することに加え、維持費の抑制が可能であり、実用化を目指す。 |
483 |
がん特異的酢酸代謝を標的とした新規がん治療法の開発 |
吉井 幸恵 |
福井大学 |
巽 信夫 |
福井大学 |
我々はこれまでに、がん細胞において特異的な酢酸代謝経路が存在することを発見した。この経路は、細胞質性acetyl-coenzyme A (CoA) synthetase 2 (Acss2)によって触媒され、がんの低酸素生存において重要な役割を果たしていることが明らかになった。こうしたことから、Acss2遺伝子を標的としたRNAiなどの方法による遺伝子抑制により、がん治療が可能になると考えられる。そこで、本研究では、Acss2を標的とした新規がん遺伝子治療法を開発することを目的とする。 |
484 |
時変感情・個性を有する患者ロボットと看護医療評価システムの研究 |
見浪 護 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
看護学生の看護技術は人間相手の実習不足から卒業時点での能力と卒業直後に求められる看護師の技術能力との間の乖離が大きくなってきており、医療事故などの原因となりつつある.従来型の医療トレーニング用シミュレータは,人体の基本的特徴を表現できる機能を持たず,人間相手の行為を実感できるトレーニング用ロボットは世界的に見当たらない.本研究は看護や医療行為に対して瞬時に生態模擬反応を発生させることが可能なロボットシステムを開発して、限りなく臨床状況に近づけた看護技術(特に倫理的問題や身体侵襲を伴う看護技術)のトレーニングとその評価という点に特色がある. |
485 |
リカレントニューラルネットを用いた日本文連続音声入力システムの開発 |
荒木 睦大 |
福井大学 |
巽 信夫 |
福井大学 |
連続音声入力による曖昧な日本語文を高精度に解析する自然言語処理技術が期待されている。本研究は、リカレントニューラルネットを用いて、①連続音声から音節認識候補ラテイスを構成し、音声の韻律情報(アクセント情報)並びに構文情報を用いて音節文を絞込む方法、②日本語の単語マルコフ連鎖モデル、意味的情報並びに単語のアクセント位置情報を用いて漢字かな混じり文候補の同音異義語誤りを検出訂正する方法を確立する。 |
486 |
チタン繊維による人工肋骨の再生 |
佐々木 正人 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
呼吸器外科領域の胸壁合併切除術の際に行われる胸壁の再建に用いる至適人工素材が求められている。今回、組織親和性及び抗感染性の金属のチタンの極細繊維を使い、骨組織再生に成功した。それを使った肋骨切除後の人工肋骨再建実験を行い、有用性を検討する。ビーグル成犬の肋骨を切除し、その欠損部位に平均径が50ミクロンで空隙率が80%のチタン繊維の人工肋骨を植え、そのまま使用する群(非骨髄群)と骨髄移植を加える(骨髄群)群の2群に分けて、骨化の程度を確認し、人工肋骨としての可能性を探究する。 |
487 |
イオンビームによって変異処理した冬虫夏草菌による抗腫瘍性物質「コルジセピン」大量生産法の開発 |
榊原 三樹男 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
冬虫夏草に含まれている有効成分「コルジセピン」は、抗腫瘍・抗菌性および転移用抑制作用を持つ物質として医薬品(HIV感染症、白血病の治療薬)への展開が大いに期待されている物質である。本研究では、このコルジセピンに着目し、その生産能を実用化レベルにまで向上させることを目指した。具体的には、冬虫夏草の菌糸体に加速器シンクロトロンから放射される高エネルギーイオンビームを照射し、突然変異を誘発させ、従来の10倍以上のコルジセピン高生産株を誘導することに狙いを定め、コルジセピン大量生産法の確立を目指した研究を行う。 |
488 |
ポリアリレートナノ繊維マットの量産化に向けた溶融静電紡糸法の開発 |
小形 信男 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
技術内容:高強度・高耐熱性・高耐薬品性を有する溶融液晶性高分子からナノ維マットを作製するレーザ溶融静電紡糸技術 目的:申請者が開発したレーザ溶融静電紡糸法を発展させ、ポリアリレートナノ繊維マットを連続量産化できる基本技術を開発すること 目標: ポリアリレートから大型リチウムイオン電池に使用できるナノ繊維マットを開発すること |
489 |
常時微動の三成分展開アレイ観測に基づく基礎地盤調査法の開発と応用 |
小嶋 啓介 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
深部探査を目的としてきた常時微動のアレイ観測を,構造物建設予定地点の支持層の三次元探査に応用しようとする研究である.構造物建設に際し,詳細な地盤情報の事前入手は多大なメリットがある.少人数かつ短時間で完了する小規模アレイの展開観測情報に基づき,軟弱層厚さおよび支持層の剛性を精度良く評価し,予定地点の三次元構造を与え,構造物を安全かつ低コストで建設するために必要な事前情報を提供することを目標とする. |
490 |
高強度を有する新規ポリマーアクチュエータ複合電極の開発と応用 |
庄司 英一 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
力学強度および伸縮性に優れる導電性織物を電極として用いる着想から、一段階接合により簡便に高強度な導電性布帛高分子複合電極(CFPCE)を製作し、アクチュエータとしての運動性能を見極める。従来法のアクチュエータ製造の問題点に、膜の溶媒溶解性等がメッキ成否に依存することによるイオノマー構造の制限、膜への直接的繰返しメッキでのメッキ厚の限界、電極薄層と膜材との伸縮性差による電極破壊等があるが、本方法ではこうした問題点が無い。高強度・耐熱性イオノマーを膜材とする検討も併せて行う。 |
491 |
同一化学構造を持つ質量差1の安定同位体標識化合物9種の作製と利用法 |
松川 茂 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
カテコラミンなど、多くの脳内アミンの全ての変動を、部位別に一括して識別して検出できれば全脳の活動が物質面から把握できる。このために13Cを1個づつ増やしたアミン反応性同位体標識化合物を全部で8種類作製し、組織スライスの測定対象の4箇所に作製試薬をかけ同時に内部標準法を採用して、スライス上から集めた反応抽出液を混合しても部位別に一括質量分析して対的変動を計測する技術が可能なことを試験する。連続スライスでの分析で脳全体の変動分布が解明できる。 |
492 |
活性窒素種のラジカル反応を利用した放射線防護剤の開発 |
松本 英樹 |
福井大学 |
祝 一裕 |
若狭湾エネルギー研究センター |
活性窒素種の一つである一酸化窒素(NO)ラジカルが有する放射線防護作用のメカニズムを解明し、実用可能な放射線防護剤の開発を行い、将来の応用を目指す。「ラジカルをラジカルで消去する」という発想から、副作用をもたない放射線防護剤の提案・開発・応用を行う。 放射線防護剤は当初軍事的な目的で開発され,その後がん放射線治療の補助薬(正常組織の保護剤)として研究されてきたが、未だに有効な当該薬剤は開発されておらず開発が切望されている。 |
493 |
並列画像合成装置(並列画像合成アルゴリズム)の開発 |
森 眞一郎 |
福井大学 |
巽 信夫 |
福井大学 |
並列画像合成装置ならびに並列画像合成アルゴリズムの開発を行なう。従来の並列画像処理では,並列計算後の画像合成時における通信帯域の不足が性能の足枷となっている.そこで,汎用グラフィクスカードのディジタルビデオ出力(DVI出力)が高いデータ転送能力をもつことに着目し,中間画像をDVI出力から取出し,複数のグラフィクスカードからの出力を並列処理し直接合成する装置を開発する.さらに,タイルドディスプレイ向け合成アルゴリズムの開発を行う。 |
494 |
ケブラーの溶解およびその溶液を利用した新規有機材料の開発 |
池田 功夫 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
フッ化テトラブチルアンモニウムを含むジメチルスルホキシドにケブラーを溶解し、均一系で化学修飾または他の高分子溶液とブレンドすることにより新規材料としてのケブラー誘導体および複合材料を調製する。誘導体化では、臭化アルキル類との反応によるアルキル化および種々の化合物のグラフト重合を検討する。また複合化では、PVAや脂肪族ナイロンなどとのブレンドで新規な有機材料の調製を検討する。 |
495 |
マニピュレータ高速経路計画アルゴリズムの3次元実装 |
田村 信介 |
福井大学 |
巽 信夫 |
福井大学 |
マニピュレータの経路計画にはアームの数の指数乗に比例する計算量が必要であると考えられており、従来は発見的な方法が用いられていた。従ってバックトラックが発生して探索に必要な時間が予測できない、あるいは経路が存在するのに発見できないなどリアルタイム応用には適さなかった。本研究では開発済みの計算量がアーム数に比例する完全アルゴリズムを3次元空間での経路計画向けに実装する。この成果によって、障害物配置の複雑さなどに関係なくあらかじめ予測した時間内で確実に経路が発見できるようになる。 |
496 |
路面雪氷状態モデルによる地熱利用無散水システムの設計ソフトウェア開発 |
藤本 明宏 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
本課題では、地熱利用無散水システムの最適設計ツールを開発する。従来は、循環水温、地温や気象を一定とした定常設計であり、現実的かつ経済的とは言い難い。提案設計は、実現象に則した気象・地盤条件下で採熱部(地盤)、放熱部(舗装)および雪氷層を連成解析する非定常解析であり、路面状態を可視化させて、湿潤路面を維持するだけの採熱規模を決定できる。 |
497 |
ホルマリンとフェノールを繰返し同時除去可能な微生物製剤 |
内田 博之 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
我々は、セルロース樹脂に固定化したかびPaecilomyces FERM AP-2123が、1,000ppmのホルムアルデヒド(HCHO)と500ppmフェノールを含む水溶液に加えて混ぜるだけで、両物質を8回以上繰返し除去できることを見出した。我々は、この固定化かびをHCHOとフェノール含有廃水処理用微生物製剤として、またこの固定化かびを組み込んだHCHO自動除去装置の開発をめざしている。 |
498 |
電池材料用ナノ分散炭素微粒子材料の表面フッ素修飾技術の確立 |
米沢 晋 |
福井大学 |
奥野 信男 |
福井大学 |
フッ素ガスを用いた表面フッ素修飾により水あるいは有機溶媒中に均一分散可能な微粒子炭素材料を作製し、サイクル安定性に優れたリチウム二次電池電極材料の創出を行う。リチウム二次電池の電極は微粒子の集合体であるため、その粒子サイズや形態、表面状態のばらつきが性能に大きな影響を与える。特に炭素材料では、ナノオーダーの一次粒子を作製しても、凝集により大粒子化し、その特徴を有効に利用できないことが多い。そこで表面フッ素修飾技術を利用し、高容量二次電池の精密生産プロセスに適した特性を有する電極材料の創製を試みる。 |
499 |
食品や環境中の有害微生物検出を目的とした高感度DNAバイオセンサの構築 |
末 信一朗 |
福井大学 |
蓑輪 泰造 |
福井大学 |
微生物の検出は培養法が一般的であるが、時間を要すること、感度が低いこと、ごく一部の微生物しか検知できないなど多くの問題がある。一方、遺伝子増幅(PCR)法は、特異性、感度などが優れているが、増幅物の検出方法が難しく発癌性のある特殊な試薬を必要とする。そこで耐熱性酵素を検出素子とした電気化学的検出法に基づいた食品・環境中の有害微生物のDNAレベルで測定できる迅速・簡便・高感度なバイオセンサを構築する。 |
500 |
血中11-ケトテストステロン量に基づいたPCOS診断法の開発 |
矢澤 隆志 |
福井大学 |
齊藤 敏機 |
福井大学 |
男性ホルモン(アンドロゲン)は、卵胞の発育に必要不可欠であると同時に、合成が過剰になると卵胞の発育障害をもたらす。多嚢性卵巣症候群(PCOS)は、この典型で、男性化兆候を伴う排卵障害となり、多くの周産期の女性にとって深刻な問題となっている。本研究では、私たちが、哺乳類の卵巣で多く合成されることを見出したアンドロゲンの一種である11-ケトテストステロン(11-KT)やその合成経路が、PCOSによる不妊や生理(月経)不順のマーカーとなるか調べることを目的とする。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
576 |
半導体故障解析のための三次元ドーパントプロファイリング法の開発 |
山本 和生 |
ファインセラミックスセンター |
山本 義明 |
ファインセラミックスセンター |
電子線ホログラフィーは位相差分布Φ(x,y)を測定し、半導体中のドーパント分布を直視観察する有効な手法の1つである。しかし従来法では厚み分布を実測できないため、数百ナノメートル以下の均一な厚さに研磨された試料の二次元的なドーパント分布解析が、一般的分析レベルの限度であった。本研究ではトモグラフィーとホログラフィーを組み合わせた画期的なアイデアに基づき、薄片化できない立体構造を有するMOSFET中のドーパントを三次元で分布解析する手法を開発する。 |
577 |
金銀Pdに代わる廉価で機械的性質に優れた歯科鋳造用N含有Co-Cr合金の開発 |
福井 壽男 |
愛知学院大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
金、パラジウムが急騰し、金銀パラジウム合金の安定した価格での供給に支障をきたしている。強度および延性を有し、廉価な安定供給可能な新しい合金創製が急務である。本提案の研究概要は、廉価で且つ従来の歯科健康保健適用の金銀パラジウム合金に勝るとも劣らない強度及び延性を有する粉末冶金による良質のN含有Co-Cr合金の創製を試みる。 |
578 |
金属処理繊維を用いたシート状海水電池の開発 |
安田 篤司 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
表面を金属でコーティングした糸・織物を用い、救命胴衣・救命ボートの表面材として使用することができ、海水等で濡れた時に救難信号を発信するための電源として利用可能な起電力を有するウェアラブルなシート状の電池を開発する。具体的には、めっき糸等金属処理糸を用いたシートを作製し、シート単独あるいは積層するにより、塩分濃度(約3.5%)以下の水溶液に浸漬した状態で、遠隔通信が可能レベルの電力を1時間以上得ることができるシート状電池を開発する。 |
579 |
原料米の酒質推定プログラムの構築 |
伊藤 彰敏 |
愛知県産業技術研究所 |
近藤 正夫 |
愛知県産業技術研究所 |
清酒業界では消費者の安全・安心あるいは地産地消のニーズを受け、醸造用アルコールや糖類等の副原料を添加しない米100%で製造された純米酒が急速にシェアを伸ばしている。また、原料米は醸造元のある地域で栽培された銘柄米を使用する動きが活発化している。しかし、一部の酒造米を除き、米の酒造適性に関するデータはほとんどなく、原料米の特徴が酒質に十分反映されているとは言い難い。本課題では、各種原料米の特徴を活かした清酒製造条件を容易に導き出せる酒質推定プログラムを構築する。 |
580 |
無機/有機ハイブリッド型プロトン導電性膜の開発 |
鈴木 正史 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
固体高分子形燃料電池(PEFC)の動作条件(温度、湿度)を改善することで、発電性能の向上と長寿命化が期待できる。そこで本研究では、安価な原料から簡潔なプロセスで合成でき、制御された無機構造と高分子鎖を含む膜骨格にホスホン酸基が化学的に固定化された構造を有し、かつ幅広い温湿度領域で良好なプロトン導電性を示す、PEFC用の新規無機/有機ハイブリッド型導電性膜の開発を行う。 |
581 |
オゾンマイクロバブルによる綿繊維の新規漂白技術の開発 |
小林 孝行 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
綿の漂白は現在主に、過酸化水素あるいは塩素系薬剤を用いる方法で行われている。しかし、これらの処理は多くの薬剤を使用することや、高温での処理であることから、環境やエネルギーの面から問題となっている。今回、通常の気泡にはない物性を持つと言われているマイクロバブルと高い酸化力を有するオゾンガスを組み合わせることで、綿の効率的かつ環境低負荷型漂白技術の検討及び実用化を目指す。 |
582 |
不織布状活性炭への分解・除去機能付与技術に関する研究 |
島上 祐樹 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
通常の活性炭は物理吸着が中心であるため、有害物質の除去を目的とした分野では、環境の変化によって有害物質が再放出される問題がある。また、吸着が飽和するとそれ以上吸着することができないため、数ヶ月程度で交換する必要もある。 このような課題を解決するため、不織布状の活性炭に各種触媒を担持させて、吸着作用により捕捉した物質を触媒の作用で分解・除去できる素材を開発して、トルエンやアセトアルデヒドが効率的に除去できる触媒/活性炭フィルターへの展開を図る。 |
583 |
ポリ乳酸と熱可塑性エラストマーのナノ相溶化材料の開発 |
福田 徳生 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
植物由来プラスチックであるポリ(L-乳酸)は、環境負荷低減材料として注目を集めているが、硬くて脆いという欠点があり、用途が限られている。本研究では、これまで培ってきたポリ乳酸の耐衝撃性改善技術などを応用発展させることにより、ポリ乳酸と熱可塑性エラストマーをナノレベルオーダーで互いに相溶化させる技術を確立することを目指し、ゴム状の柔軟性を有する植物度を付与した材料の開発を行う。 |
584 |
自己組織化機能を有するタイルカーペットの開発 |
堀場 隆広 |
愛知県産業技術研究所 |
齊藤 秀夫 |
愛知県産業技術研究所 |
省エネのための部屋の温湿度表示、一人住まいの高齢者の異常発見、セキュリティ、火災の早期発見および非難誘導、RFIDタグのアクセスポイントなどに利用するためにセンサ付きタイルカーペットを開発する。このカーペットは近傍のカーペットと通信を行い、自己の配置形状やセンサの種類を自動認識する。これによってタイルカーペットの配置形状やセンサの種類を登録する必要がなくなり、タイルカーペットの配置の変更やセンサの変更が容易になる。 |
585 |
半導体レーザの自己結合効果を用いた高精度微小振動センサシステムの開発 |
山田 諄 |
愛知工業大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
半導体集積回路の細線化やMEMS等ナノ技術の進歩に伴い、製造過程において従来無視されてきたnm程度の微小振動を非接触で測定できる微小振動センサシステムの開発を目的とする。半導体レーザ光を対象物に照射したとき、散乱光の一部がレーザに戻りレーザ共振器内の光と干渉し、出力光が僅かに変化する自己結合効果を利用する。本センサシステムは、簡単な構成で小型、安価であるが、外部振動にも強く非接触でnm程度の微小振動検出が期待できる。 |
586 |
薬物放出能を有するコアシェル型有機/無機複合ナノ粒子の開発 |
永田 夫久江 |
産業技術総合研究所 |
渡村 信治 |
産業技術総合研究所 |
世界的な高齢化社会の進展にともない、低侵襲かつ安全に薬物を患部へ送達するDDS用担体の開発が求められている。本研究では、代表研究者が開発したエマルション界面での有機/無機相互作用により微粒子を安定させる手法を用いて、生分解性高分子とリン酸カルシウムという生体に安全な材料のみからなるコアシェル型有機無機複合ナノ粒子の開発を行ない、そのDDS担体としての応用を目指す。 |
587 |
ねじり押出し法を利用した高延性難燃性マグネシウム合金の創製 |
千野 靖正 |
産業技術総合研究所 |
渡村 信治 |
産業技術総合研究所 |
難燃性マグネシウム合金(Mg-Al-Ca系合金)は温暖化ガスを使用せずに大気溶解できる合金であり、新世代の商用マグネシウム合金として注目されている。一方、マグネシウム合金加工材には特有の集合組織が形成され、それが素材の延性を劣化させている。申請者は難燃性マグネシウム合金の一次成形法に “ねじり押出し法”を適用し、その集合組織や機械的特性を調査し、優れた延性を示す難燃性マグネシウム合金押出し材を創製するための手法を開発する。 |
588 |
セラミックナノファイバーの大量合成技術を応用する新規キャパシタの開発 |
濱本 孝一 |
産業技術総合研究所 |
渡村 信治 |
産業技術総合研究所 |
金属塩溶液と高分子を混合したゲルを高電圧場においてエレクトロスピニングする手法により、電気電導性を有するペロブスカイト酸化物の機能性セラミックのナノ繊維を大量に合成する技術を開発している。本シーズ技術を利用したセラミックナノ繊維構造について、高比表面積と熱安定を生かした中0高温で利用可能な軽量かつ高充電容量の新規キャパシタ材料としての可能性を検証する。 |
589 |
間歇水冷による太陽電池の発電効率向上に関する実用化開発 |
佐藤 義久 |
大同工業大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
太陽電池は表面温度が1℃上昇すると発電効率が約0.5%低下する。太陽電池の表面を間歇水冷し、水の気化熱を利用して太陽電池の温度上昇を抑えると同時に、冷却に要する電力を最小限に抑える間歇水冷方式が有効であることを実験室レベルで確認した。本研究では、実用規模の太陽電池実験装置を設計・製作し、自動間歇水冷装置と組み合わせた実用化開発研究を実施する。 |
590 |
抗菌・超撥水材料の開発と応用 |
山内 五郎 |
大同工業大学 |
礒川 憲二 |
大同工業大学 |
生活における大気環境の重要性が叫ばれている。本研究では、抗菌・超撥水性材料を建物の壁面等に適用し、冬季または寒冷地では室内壁への結露を防ぎ、また汚れ成分そのものの付着防止によって、光触媒の効果を最大限に発揮することを目指す。可視光応答型光触媒の添加により、屋内外を問わず、防汚抗菌機能を実現する。 病院、老人介護施設、文化財保護施設、一般住居などへの広範な応用が期待できる。 |
591 |
機械構造用鋼の革新的連続焼きなましプロセスの開発 |
土田 豊 |
大同工業大学 |
中野 昭彦 |
三重県産業支援センター |
冷間鍛造を行う自動車部品などの機械構造用鋼には、軟質化と耐割れ性が要求される。このため、セメンタイト球状化熱処理が行われている。しかし、この熱処理はバッチ式で長時間を要し非効率であるため、処理時間の短縮、連続化などプロセスの高効率化を目指す。本研究では、セメンタイトの球状化プロセスを根本的に見直し、さらに鋼の軟質化だけでなく、耐割れ性(加工性限界)を評価し、機械構造用鋼の冷間鍛造に対する前処理プロセスとしての合理的かつ高効率な連続熱処理とその最適操作条件の確立を目指す。 |
592 |
ヒトと類似した白髪発症機構を持つ新しい動物モデルの開発 |
加藤 昌志 |
中部大学 |
永井 義明 |
中部大学 |
白髪予防・治療剤は、ヒトで開発されるのが理想であるが、ヒトの白髪発症には非常に長い年月がかかるので、特にヒトを対象とした「白髪予防剤」の開発は現実的に不可能である。最近、研究代表者らは、ヒトのように加齢とともに少しずつ白髪を自然発症するモデル動物を樹立した(特許申請中)。本研究では、この新規に開発された白髪マウスの白髪発症機構について、主として形態学的手法を用いて解析し、ヒトの白髪発症機構との類似性を検討する。 |
593 |
動脈硬化診断キットの開発 |
山下 均 |
中部大学 |
木本 博 |
中部大学 |
動脈硬化はメタボリックシンドロームと共に徐々に進行する病態であり、心筋梗塞や脳梗塞の原因となることから、動脈硬化の進行を予知し予防することが重要となる。最近申請者らは、細胞内の脂肪酸利用に働く脂肪酸結合蛋白質(FABP)の数種類が動脈硬化と深く係わることを見出した。本研究は、FABPの血中レベルを簡便かつ高感度で測定することにより動脈硬化の進行を早期に発見する診断キットを開発することを目的とする。 |
594 |
化学反応場を利用したヒト血清脂質の高感度迅速分析システムの開発 |
石田 康行 |
中部大学 |
古田 昭男 |
中部大学 |
有機アルカリ試薬共存下での化学反応場とガスクロマトグラフ分析をカップリングした計測手法を利用して、ヒト血清中に含まれる脂質脂肪酸成分を、数μ!のごく微量の血清試料を用いて検出できる、新規の高感度分析システムを構築する。さらに、開発した分析方法により、人の健康状態と密接に関係しているドコサヘキサエン酸(DHA)などの多価不飽和脂肪酸を含む、一連の血清脂肪酸成分を、試料前処理を行わずに迅速かつ簡便に分析することを試みる。 |
595 |
食品機能の評価におけるバイオマーカーの利用とその評価装置開発に関する研究 |
津田 孝範 |
中部大学 |
岡島 敏夫 |
中部大学 |
肥満、糖尿病の予防につながる食品を開発するためのバイオマーカーを特定して、このバイオマーカーを簡便に測定できるツールの開発を目指す。そのため、脂肪細胞を活用して食品の予防機能評価に適したバイオマーカーの特定とそのマーカーの簡便な測定システムの構築に必要な研究を行う。最終的に食品の疾病予防効果を評価できる測定ツールを完成させて、これを利用して食品関連企業との共同で有効な疾病予防食品を開発し、市場に提供する。 |
596 |
石炭燃焼から発生するサブミクロンオーダーの粒子状浮遊物質低減剤の開発 |
二宮 善彦 |
中部大学 |
古田 昭男 |
中部大学 |
石炭燃焼からの粒子状浮遊物質(PM1)の発生量は、低品位石炭の使用に伴い増加傾向にある。電気集塵機は1μm程度の粒子の捕集効率が悪く、煙突からの微粒子の排出を抑えるためには、この大きさの粒子の発生を抑える必要がある。発生粒子の粒径制御を行うために、間伐材などを乾留して得られる木酢液をベースにした添加剤を開発し、さらにこの添加剤に脱硫機能をもたせることにより、脱硫・PM1の同時低減を目標に実施する。 |
597 |
表面ナノ結晶粒化に基づく新規窒化処理技術の開発 |
戸高 義一 |
豊橋技術科学大学 |
松井 一雄 |
豊橋技術科学大学 |
本研究では、表面ナノ結晶粒化による反応性・拡散能の向上に着目した 新規 窒化処理技術 の開発を行う。従来の窒化処理では、窒化層の薄さと脆さが問題となっている。これらの欠点を克服して、より高品位な窒化処理材を開発することを目的とする。具体的には、① 表面ナノ結晶粒化後に窒化処理を行うことで厚い窒化層の形成、② 窒化物をナノ結晶粒組織に分散することによる靭性の向上、③ 低温・短時間の窒化処理を実現する。 |
598 |
多機能ナノ加工・計測システムのためのダイヤモンドAFMプローブの開発 |
柴田 隆行 |
豊橋技術科学大学 |
冨田 充 |
豊橋技術科学大学 |
将来のナノテクノロジーを支える革新的な製造技術として,ナノメートルレベルの微細加工(機械的除去加工,電気的加工など)が行え,かつ原子間力顕微鏡(AFM)としてのナノ形状計測・表面物性評価機能を同時に有する次世代の“ナノ加工・計測システム”の実現を目標とし,本研究では,高硬度・耐摩耗性を有するダイヤモンドAFMプローブの開発およびその製造プロセス(量産技術)を確立する. |
599 |
光感応性無機−有機ハイブリッドの合成と記録材料への応用 |
松田 厚範 |
豊橋技術科学大学 |
遠藤 一明 |
株式会社豊橋キャンパスイノベーション |
大容量の情報を高速に記録再生できる次世代光メモリが強く望まれており、ホログラムメモリはその最有力候補として注目されている。本研究はホログラム記録可能な光感応性無機-有機ハイブリッド材料に関するものであり、従来の有機高分子フォトポリマーでは実現が困難であった、光・熱可逆反応に基づく書き換え性能、耐熱・耐久性、低収縮性を実現しようとするものである。具体的には、銀をドープしたオルガノシルセスキオキサン系膜の光記憶材料としての可能性について基礎的な検討を行なう。 |
600 |
実用的な三次元形状モデル検索システムの開発 |
青野 雅樹 |
豊橋技術科学大学 |
野中 尋史 |
株式会社豊橋キャンパスイノベーション |
三次元CADに代表される三次元形状モデルの膨大な資産を有する製造業では、過去に開発した類似モデルを有効に活用し、開発コスト・期間の削減することが求められている。そのために、類似モデルを高精度に検索する技術が必要とされているが、現状では、困難である。本課題では、我々が開発した「多重フーリエスペクトル」特徴量を用いた、三次元モデルの検索アルゴリズムの実用性を検証し、その商用システム化を目指す。 |
601 |
要因抽出技術を用いた実用的パテントマップ自動作成システムの開発 |
増山 繁 |
豊橋技術科学大学 |
上松 正和 |
株式会社豊橋キャンパスイノベーション |
特許技術をその課題や解決手段・効果などの観点から分類し、可視化したパテントマップ(特許地図)は、官公庁・企業等の技術戦略策定や、競合他社や業界全体の技術動向分析、自社の保有知的財産評価を行う上で、重要なツールとなる。本申請では、申請者らが開発済みである、(A)文書より要因を抽出する技術と、(B)自動分類技術を組み合わせることで、特許文書を解析しなければ得られない「技術要素」等の分類情報を可視化したパテントマップを、特許対象分野のシェアなどと比較し、時系列をおって自動作成するシステムの開発を行う。 |
602 |
大気圧メゾプラズマを用いた切削残油除去・接着力向上システムの開発 |
滝川 浩史 |
豊橋技術科学大学 |
村田 勝英 |
豊橋技術科学大学 |
自動車製造において機械切削後の部品を接着剤によって接合する工程の際、金属加工面に付着している切削油を溶媒で除去している。環境面から見て、廃液が生じる工程を撤廃したいという要求がある。そこで、本研究では、溶媒の代わりに、室温〜約1000度の熱と豊富な化学活性種を同時に発生できる大気圧メゾプラズマを用い、金属加工面から切削油を除去すると同時に、表面改質を行って接着力を向上させるシステムを構築する。 |
603 |
超高密度リライタブル磁気ホログラムメモリの開発 |
林 攀梅 |
豊橋技術科学大学 |
冨田 充 |
豊橋技術科学大学 |
本研究開発は、記録材料に希土類鉄ガーネット材料などの無機透明強磁性体を用い、ホログラムを微細な磁区のパターンとして記録することで、カートリッジ不要で書き換え可能な新しい超高密度(磁気)ホログラムメモリを実現しようとするものである。既に数ミクロン程度の厚いイットリウム鉄ガーネット膜を用いて、0.1%に達する高い回折効率をもつホログラムの記録・再生・消去に成功している。本研究はこれらの成果を踏まえ、メモリとして重要なホログラムの多重性やビットエラーレート(BER)、S/Nなどの基礎性能を探求することで、将来的にはコンシューマ市場への投入ができるホログラムメモリを世界に先駆け実現しようとするものである。 |
604 |
テルビウム添加ファイバによる高効率グリーンレーザー発振の実現 |
大石 泰丈 |
豊田工業大学 |
山下 勝次 |
豊田工業大学 |
510〜570nmの緑色波長帯は半導体レーザーを作製するのが困難であることが知られている。このため、たとえばNd:YVO4結晶からのレーザー光を非線形光学結晶の第二高調波発生(SHG)によって532nmに変換することでグリーンレーザー光が得られている。この方法では、高価な非線形結晶が劣化する問題がある。本研究では、緑色で発光するテルビウム(Tb)イオンを添加した光ファイバを用いて効率的で安価なグリーンレーザーの実現を目指す。 |
605 |
アスベスト建築廃棄物低温無害化処理装置の開発 |
橋本 忍 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
アスベストセメントをはじめとするアスベスト建築廃棄物に対して簡便に無害化する処理装置を製作する。それはまた、ポータブルオンサイトその場無害化処理装置の実験室レベルの試作品とする。学術的にも裏付けされた低温(低エネルギー)で確実なアスベストの処理装置の開発を目指す。その開発装置を用いて実際のアスベスト廃棄物の処理を行い、JISの規格に準拠したアスベストの無害化条件の基礎的データを収集する。 |
606 |
“クリック”反応を活用した重付加による耐熱・耐水性ポリエステルの開発 |
高須 昭則 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
本研究では、温和な条件下で進行するアジド基とアルキニル基による効率的・選択的な“クリック”反応を積極的に活用することで、重付加による新規ポリエステル(“クリックポリエステル”)の開発を行う。原料は脂肪族であるが、重合過程で生成するトリアゾール環(芳香環)が高分子主鎖中に必然的に導入される。この特徴を活かして温和な条件での新ポリエステル合成法を確立すると同時に耐熱・耐水性の向上を目指す。 |
607 |
中温プロトン伝導性ハイブリッド材料の開発 |
春日 敏宏 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
中温型燃料電池はエネルギー変換効率の向上、白金触媒の被毒低減等で注目されるが、これに対応できる新しい電解質の開発が鍵となっている。本研究では、独自の「リン酸塩ガラスのゲル化技術」と「有機無機ハイブリッド化技術」を駆使して、中温域・常圧・無加湿で1〜10mS/cm以上の高い伝導度を達成し、電極との圧着接合に有利な柔軟性を有する新型中温プロトン伝導性電解質材料を開発する。高性能化のために伝導体の膜化も行う。 |
608 |
高効率色素増感太陽電池を目指した新規増感色素の開発 |
小野 克彦 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
環境に無害な代替エネルギー創出技術として、色素増感太陽電池の研究が注目されている。実用化を達成するには光電変換効率の更なる向上が求められる。このためには革新的な技術や材料、特に新しい増感色素の開発が必要不可欠である。そこで、現在使用されているルテニウム色素の特性向上を目指し、配位子にドナー−アクセプタシステムを導入した新規色素を開発する。これにより、色素増感太陽電池の実用化への見通しを得る。 |
609 |
動脈硬化度の精密測定装置開発のための試験研究 |
松本 健郎 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
早期動脈硬化の程度を血流を数分間遮断した後の上腕動脈の拡張度合いから判断するFMD検査が広く用いられている。しかし、血管拡張は血管内皮の血管拡張因子分泌能と平滑筋の弛緩能の両方に依存する。そこで本研究では、この二つの因子を分離して計測することを目指す。即ち、血管外圧を階段状に変化させ、その後のベイリス効果による径変化を計測することにより平滑筋の収縮弛緩能を推定する新たな手法の研究開発を行う。 |
610 |
ナノカーボンを利用した高容量Liイオン二次電池負極の開発 |
川崎 晋司 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
リチウムイオン二次電池は改良を重ね容量を少しずつ大きくしてきたが、既存材料での高容量化は限界に近づいている。実際、負極の実用材料はグラファイトであるが、すでに理論容量にほぼ達している。本研究はグラファイトに代わる高容量の負極材料を探索するため、さまざまな構造を有するナノカーボンを合成し、リチウム貯蔵特性を評価する。これにより高容量化に適した構造パラメータを見出し、負極の構造最適化を目指す。 |
611 |
蓄電池を持つ高効率・高密度電力変換器の開発 |
竹下 隆晴 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
ハイブリッドカーなどの独立電源システムでは、交流発電機出力を整流回路で直流に変換し、インバータで再び交流に変換してモータを駆動するので、2回電力変換をする。また、直流部にエネルギー蓄積用の蓄電池をもっている。本研究では、発電機出力を1回の電力変換で交流に変換することで、従来に比較し、変換器の損失と体積を共に1/2にする高効率・高密度電力変換器と、蓄電池をもつ電力変換器の回路構成と制御法を開発する。 |
612 |
高病原性鳥インフルエンザ薬類縁体の効率的新規合成法の開発 |
中村 修一 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
21世紀のライフサイエンスを支える観点から,致死性の高いウイルスへの変異が確実視されるインフルエンザに対する薬剤の開発は急務である。特に変異型高病原性鳥インフルエンザに対しては世界的大流行が警告されており,新規抗インフルエンザ候補薬群の合成法の開拓は緊急の課題である。そこで,本申請では我々が独自に開発した技術を用い新規不斉触媒的アジリジン開環反応を開発し,新規抗インフルエンザ候補薬群の簡便合成の基盤技術の形成を行なう。 |
613 |
金属イオン誘導によるタンパク質高発現系とのセンサーへの応用 |
田中 俊樹 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
微生物によるタンパク質発現を行う場合、糖誘導体が一般的に用いられている。この研究では、金属イオンを誘導物質として用いる系を構築する。即ち金属イオンを結合することで構造ができあがり、DNAへの結合、さらに転写を促進するタンパク質を構築する。このことで、金属イオン誘導型のタンパク質発現系ができる。この系を用い、発現されるタンパク質を蛍光性のタンパク質にすることにより金属センサーの開発への応用を図る。 |
614 |
準剛体回転流による精密微粉分級における分級機形状の最適化 |
土田 陽一 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
本研究は、流体(液体)に不溶な、粒度分布をもつ各種の微粉体を、乱れを発生させることなく任意の高遠心力場を生成できる準剛体回転流(完全な層流)中で、粒子に作用する遠心力と流体抗力の差を利用して、極めて高い精度でサブミクロンの多産物分級を実現する湿式遠心分級方式の開発をめざしている。この高精度微粉分級技術は微少流量・高速回転という流れの生成条件に由来して少処理量向きであるが、高精度を維持したまま連続・多産物分級が可能な高効率型に拡張して実用化をめざすことが本課題の目標である。このために、分級性能と分級機形状の関係を解明して、分級機形状を最適化する。 |
615 |
迅速・簡便な新規環境モニタリングシステムの開発 |
樋口 真弘 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
有害物質や新種ウィルス等の迅速・簡便な環境モニタリングシステムの構築が全世界的に重要視されている。従来、特定の物質を高感度に認識する受容体が種々報告されいるが、これらは各々の認識対象物質に対しその都度、受容体の分子設計・合成を行わなければならず、また、その検出には大掛かりな分析システムを必要とした。本研究では、空港等における新規感染症の迅速な初期診断や、家庭でのパーソナルユーズの汚染物質の簡易モニタリングシステム構築を目的に、物質認識及び、その認識情報の変換・伝達機能を併せ持つセンシングチップを簡便・迅速に構築する手法の開発、及びそのシステム化に関する検討を行う。 |
616 |
広帯域発光蛍光体の開発と白色照明素子への応用 |
福田 功一郎 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
ある種の蛍光体は、母体結晶中に賦活剤と呼ばれる不純物イオンが分散した構造をもつ。賦活剤としての発光イオン種は一部のイオンに限定されるが、母体結晶の選択自由度は極めて高く、その構造に対応して多様な発光スペクトルを示す。今回,原子配列にある特徴を有する酸化物結晶を蛍光体母体とし、さらに複数の不純物イオンを共賦活することで演色性を改善し、広帯域な蛍光を発する長寿命・高輝度蛍光体の開発を目指す。 |
617 |
高度ペプチド分析のための高性能分離システムの開発 |
北川 慎也 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
現在、ペプチドに関する研究が精力的に進められており、そのベースとなる高感度・高精度な高度ペプチド分析手法の開発が切望されている。それらの研究では多種多様な混合物を試料としているため、分離分析技術が不可欠である。本研究では、液体クロマトグラフィー分離に対して電圧印加を行い(電気泳動効果を追加する電気クロマトグラフィーと呼ばれる手法)、不均一場での電気泳動現象を利用した高性能ペプチド分離手法の開発を行う。 |
618 |
機器実働時に発生する局所応力・ひずみ測定システムの開発 |
三宅 卓志 |
名古屋市工業研究所 |
淺尾 文博 |
名古屋市工業研究所 |
ラマン散乱ピーク波数がひずみに依存して移動する高分子材料を測定対象にコーティングし、これをμmオーダの空間分解能を有する顕微ラマン分光法で測定することにより部品に発生する局所応力が測定可能なシステムを開発する。現場で実部品に容易にコーティングできる高分子材料とし、また照射・集光部を光ファイバを用いて分離し、遠隔型とすることにより、実稼動時の部品の破壊起点近傍の応力・ひずみを測定可能とする。 |
619 |
新規プローブ試薬によるオルガネラ酸化ストレス比較測定キットの開発 |
宮田 直樹 |
名古屋市立大学 |
羽田 裕 |
名古屋産業科学研究所 |
酸化ストレスは様々な疾患に関わる。その具体的影響を評価するためには、細胞内酸化ストレスの精密計測が有効であるが、その手法は未開拓といってよい。本課題では、オルガネラごとの酸化ストレスを電子スピン共鳴装置を用いて計測するためのプローブ試薬開発、及びモデル細胞系での実用性検証を行う。とくに核内酸化ストレス測定プローブを開発し、既に開発した他のプローブ試薬と合わせて、酸化ストレスをうけるオルガネラから病態や治療標的を判断する試薬キットとしての実用化をめざす。 |
620 |
新規関節リウマチモデル動物を用いた抗リウマチ薬の有効性に関する実用化実験 |
金澤 智 |
名古屋市立大学 |
羽田 裕 |
名古屋産業科学研究所 |
D1CCトランスジェニックマウスは、これまでのCIA(collagen-induced arthritis)モデルマウス等と比較して、ヒト関節リウマチに極めて類似した症状を示す。既存の抗リウマチ薬投与により実際に関節リウマチ様の症状が改善ないし治療できるか否かは、D1CCトランスジェニックマウス実用化において最重要課題の一つである.このデータを得る事で、本トランスジェニックマウスが治療薬開発の際のスタンダードマウスの一つとなる事を最終目標とする. |
621 |
単一カーボンナノチューブと金属の良導電性接合技術の開発と応用 |
安坂 幸師 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
単一のカーボンナノチューブを用いて新規電子デバイスを創製するための要素技術として、ナノチューブと金属電極の配置を高精度に制御して接合し、その接合部での電気抵抗を低減させる技術が必要である。本研究では、ナノチューブの金属輸送能を利用し、ナノチューブと金属の接合部で良導電性を有する接合技術を開発する。 |
622 |
UAAナンセンス変異におけるリードスルー効率の評価系の構築 |
稲田 利文 |
名古屋大学 |
井門 孝治 |
名古屋大学 |
ナンセンス変異は遺伝病の原因となる代表的な変異である。ナンセンス変異を持った異常mRNAから正常なタンパク質を合成させる最も単純でかつ根本的な方法は、ナンセンス変異での翻訳終結を阻害して翻訳を継続(リードスルー)させ、かつ正常な終止コドンでの翻訳終結は阻害しない低分子化合物を同定することである。申請者はUAAナンセンス変異におけるリードスルーを引き起こす薬剤の同定を最終目的として、様々な位置に存在するUAAナンセンス変異の読み飛ばし(リードスルー)効率を正確に評価するシステムの構築を行う。 |
623 |
ハイドロゲル表面への光応答基の導入と吸着特性の光制御 |
永野 修作 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
ハイドロゲルは、物質透過性や保持性などのバルク特性を持つため、良質な細胞培養基材として有望視されている生体材料である。本研究課題では、真空紫外光酸化を基盤とした優れたハイドロゲルの表面処理技術を確立するとともに、ハイドロゲルの表面のみに光応答基を修飾する新たな材料プロセッシングを提案し、ハイドロゲル本来の持つバルク特性を損なうことなく、表面濡れ性や物質の吸着特性を光制御する光機能化ハイドロゲルの構築を目指す。 |
624 |
ペプチドを単位としたECM模倣ステント被覆マテリアルの開発 |
加藤 竜司 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
本研究では、様々な閉塞・狭窄の治療に用いられるステントを対象とし、表面被覆のECM代替ペプチド設計を行う。我々の技術は、一度に数百〜千種類のペプチドをアッセイできるペプチドアレイ技術と、大量に得られた配列データを解析し、機能性を持つために重要な構造的ルールを抽出するバイオインフォマティクス解析手法である。本研究では、生体におけるECMを情報解析した結果に基づき、網羅的なペプチドアッセイを行い、実験結果と計算結果を融合させた新規手法で生体材料の設計を行う。 |
625 |
土壌中有害元素オンサイトレーザー濃度計測システムの開発 |
吉川 典彦 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
レーザーフォーカスして試料をプラズマ化し,その発光スペクトルから,土壌中の微量有害元素濃度を決定する方法は,簡便で迅速な計測を可能にする.汚染箇所でのオンサイト・迅速計測が可能でコンパクトな装置の開発を目指し,試験土壌粒子作成・供給装置等の試作を含め,その基盤技術を確立する.濃度決定には標準添加法を用いる.Hg,Cd,Pb,As,Cr,F,B,Se等について,出来るだけ多くの元素の環境基準値以下の測定下限界値を達成して,計測法を最適化し,高精度な迅速オンサイト計測システムを確立する. |
626 |
シュベルトマナイトによる有害アニオンの低エミッション磁気回収法の開発 |
興戸 正純 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
シュベルトマナイトを用いると、水溶液からアニオンを吸着除去できる。しかし、微粒子であるシュベルトマナイトを濾過する方法では容易に目つまりが生じ処理液からの分離が工業化のネックになる。そこで人工的にシュベルトマナイトとマグネタイトを複合化し、且つ安定化させ、低磁場でも磁気分離可能なパウダーを合成する。これにより、工業廃液中の有害アニオンであるリン酸、亜リン酸、クロム酸などを有効に除去安定化できる。 |
627 |
長生き酵母遺伝子の解析と微生物発酵生産性向上への応用 |
饗場 浩文 |
名古屋大学 |
伊藤 靖浩 |
名古屋大学 |
微生物による醸造や発酵生産は、日本が世界をリードする重要産業である。微生物を回分培養すると、対数増殖期から定常期を経て、生物活性が著しく損なわれる死滅期に入る。最近我々は分裂酵母を用いて、定常期での生存率を長期間維持させる新規遺伝子を見いだした。定常期での生存率は細胞の経時寿命と定義されることから我々はこの遺伝子を、「長生き遺伝子」と呼称している。本課題ではこの長生き遺伝子の機能解析をもとに、発酵生産微生物の長寿命化を図り、生産性の向上へと結びつけることを目指す。 |
628 |
高度浄水処理のためのハイブリッド型膜分離法の開発 |
向井 康人 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
浄水処理で問題視されているトリハロメタンの前駆物質となるフミン質を完全に除去するため、限外濾過膜による分離法にポリ塩化アルミニウムによる凝集処理と粉末活性炭による吸着処理を組み合わせた高精度かつ高効率なハイブリッド型膜分離法を開発し、高度浄水処理プロセスを構築する。そのため、フミン質の凝集および吸着特性、凝集と吸着処理を併用したハイブリッド型膜分離特性、効率的処理プロセスの設計等について検討する。 |
629 |
乳癌に対する腫瘍特異的温熱免疫治療法の開発 |
今井 常夫 |
名古屋大学 |
上井 大輔 |
名古屋大学 |
鉄の微粒子(マグネタイト)に交番磁場を照射すると発熱する性質を癌治療に応用する。マグネタイトを脂質(リポソーム)で包んだナノ微粒子の表面に、乳癌に対するモノクローナル抗体(ハーセプチン)を結合させたハーセプチン結合マグネトリポソーム(HML)を開発した。再発乳癌組織にHMLを局所注射し、交番磁場照射で腫瘍特異的な温度上昇を生じさせ腫瘍を縮小させる温熱免疫療法を実施し、この治療法の安全性を確認する。 |
630 |
電子デバイス内電場分布直接測定法の開発 |
佐々木 勝寛 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
電子デバイスの微細構造解析には、空間分解能の高い電子顕微鏡が良く用いられる。しかし、デバイス内の、電場・磁場の様相を高い空間分解能でとらえる技術は、限られた条件でしか開発されていない。本研究では、研究代表者が開発した、従来型透過顕微鏡内で、微細構造観察と同時に電場・磁場の空間分布を定量的に測定可能な影像歪法を用い、電子デバイス、たとえば電界放出電子ディスプレイ(FED)やプラズマディスプレイパネル(PDP)などの電極周囲の電場分布を直接測定し、電極形状開発に必要な電場分布と、デバイス劣化に伴う電場分布変化を直接測定することを試みる。 |
631 |
低分子RNAを利用したRNA農薬による植物寄生性線虫防除法の開発 |
佐藤 豊 |
名古屋大学 |
野口 正樹 |
NPO法人東海地域生物系先端技術研究会 |
線虫による農作物被害は甚大であるが、線虫汚染土壌から線虫を完全に駆逐することは不可能であり、根本的な対策が待たれている。そこで、本試験により植物が生産する低分子RNAを線虫防除の農薬として利用する新規システムの開発を行う。線虫ではエサとして摂取した2重鎖RNA由来の低分子RNAがトリガーとなり、線虫の遺伝子発現が抑制される。そこで、線虫の増殖に必須な遺伝子の2重鎖RNAを植物に作らせることにより、その植物に寄生する線虫の増殖とそれによる被害を抑えるためのシステムを構築する。 |
632 |
無溶媒条件下でのDMAP触媒によるエステル類の高速大量合成法の開発 |
坂倉 彰 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
代表研究者が開発した無溶媒条件下でのDMAP触媒エステル合成法を基盤として、様々なエステルを高収率で合成できる方法を開発する。本エステル合成法は縮合剤や反応溶媒を使用しないため、無駄な廃棄物質が生じず、極めて環境に優しい合成法であると言える。混合酸水物法に有効な新規カルボン酸無水物の開発やスケールアップに対応した反応条件の精査などを行うことにより、高品質なエステルを短時間かつ低コストで合成する方法を確立し、その実用化を図るための試験研究を行う。 |
633 |
発光性色素/粘土ハイブリッド固体材料を用いた芳香族分子センサーの開発 |
笹井 亮 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
本課題では、『層間に芳香族分子の種類や量に依存した単量体発光量子収率をもつ固体材料』の創製を目指し、無機固体ホストとしてカチオン交換性粘土を用い、その二次元ナノ層空間へ“発光性色素”と芳香族分子との選択吸着能及び色素分子間相互作用に伴う発光消光の抑制を担う“芳香族分子選択吸着能を有する界面活性剤”を共包接した材料の創製を目指す。さらに、材料への芳香族分子の吸着による発光特性評価、各芳香族類に対する選択性、センシング能への水の影響の解明などを行い、多くの有機化合物のセンシング可能な発光型センサーの開発を目指す。 |
634 |
バイオマスを原料とする化学製品中間体製造−果糖からのHMF合成 |
薩摩 篤 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
地球温暖化、石油資源の高騰と枯渇が懸念される中、再生可能資源であるバイオマスの利用が注目されている。その一方策として5-ヒドロキシメチル-2-フルアルデヒド(HMF)を各種化成品の中間体や樹脂の原料単量体とするバイオリファイナリーの構築が提案されている。この方式では糖の骨格を保持して化学原料を生産するため、骨格を分解する触媒改質に比べてエネルギー的に極めて有利である。HMFは果糖(フルクトース)の脱水反応により合成可能であり、種々の酸触媒による検討がなされている。本研究は、いままでの研究の成果をベースに、固体酸触媒によるフルクトース脱水反応の高効率化を試みる。 |
635 |
気道内肺機能測定を可能にするカテーテル実装型流量センサの開発 |
式田 光宏 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
本テーマでは、経気管支的に気道内肺機能測定を可能にするカテーテル実装型流量センサを開発し、これにより肺疾患に対する早期発見が可能となることを目指す。具体的には、内視鏡処置具用カテーテル内にセンサを実装し、これを気道内に挿入し、肺内部の気管支局所にて呼気吸気を評価できる流量センサを開発することを目的とする。本事業では人工呼吸器を用いて周波数数Hzの往復流に対するセンサ特性を明らかにすることを目標とする。 |
636 |
脳内転写活性をイメージングする方法の開発 |
小野 健治 |
名古屋大学 |
吉田 勝 |
名古屋産業科学研究所 |
生体イメージングに用いられるMRIや光技術はそれぞれ長所と短所をもつ。前者は形態学的特徴を描出し断層像が得られるが遺伝子発現の解析には適さず、後者は遺伝子発現の計測には適するが生体物質による散乱や吸収のため断層撮影は難しい。遺伝子改変動物を用いた生体計測のニーズが高まる中、生体内遺伝子発現の空間的、時間的解析技術が求められている。そこで本研究では造影効果のある酸化鉄を高濃度に結合するフェリチン遺伝子を用いてMRIによる脳内遺伝子発現イメージングの開発と実用化を目指す。 |
637 |
難分解性金属廃液の促進分解/金属回収同時処理法の開発 |
松田 仁樹 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
本研究では、難分解性で毒性の高い金属シアノ錯体廃液に対して、シアノ基の湿式酸化促進分解および分解に伴う遊離金属の硫化物化による安定化・分離回収の同時達成による高度廃液処理技術の開発を目指す。このために1)金属シアノ錯体の湿式酸化分解機構の解明、2)湿式酸化分解に対する反応活性種の促進分解効果の定量的把握、3)湿式酸化反応場への硫化剤添加によるシアノ基の分解促進効果、金属成分の選択硫化特性の解明を実施する。 |
638 |
三次元形状高速プラズマ処理法の開発 |
上坂 裕之 |
名古屋大学 |
長谷川 健 |
名古屋産業科学研究所 |
金属製機械部品の三次元形状面に対するダイヤモンドライクカーボン(DLC)成膜に大きな需要がある.しかしながらプラズマやイオンビーム処理は専らシリコンウェハのような平面基板を対象として発展してきたため,三次元形状面に対して高速にDLC成膜を行う方法の開発は十分に行われてこなかった.そこで我々は“マイクロ波が,負電位に有る金属表面に沿って高密度(1011〜1012 cm-3)プラズマを生成しながら伝搬する“という技術シーズを利用して,三次元形状面を一括して高速に処理できる新しいプラズマ処理法を開発する. |
639 |
新規タンパク血中濃度測定による精神疾患早期診断キットの開発 |
新田 淳美 |
名古屋大学 |
久野 茂正 |
名古屋産業科学研究所 |
我々は、覚せい剤精神病モデルマウスの脳側坐核において高い発現量を示す2種類のタンパクの同定に成功している。この2種類の分子が予備実験においてヒトの血液中に存在することも確認している。精神疾患は、患者本人のみだけでなく、家族や社会に対しても治癒が大きく望まれる疾患分野であり、早期に診断を行い治療が開始すればするほど、治癒率は高くなる。しかしながら、専門医にかかることなく病状を進行させてしまう患者の割合が非常に多い。そこで、本研究では、我々が見出した2つの新規タンパクの血液または尿中濃度を測定することによって精神神経疾患を早期に診断するキットの開発を試みたい。 |
640 |
遺伝子機能阻害による新規生物農薬の開発と応用 |
新美 輝幸 |
名古屋大学 |
久野 茂正 |
名古屋産業科学研究所 |
農作物の約3分の1を消失させる病害虫の防除に化学農薬が主に使用されてきたが、環境への負荷が大きいことから、天敵昆虫を利用した生物学的な害虫防除法が試みられている。本申請課題では、申請者が新規に開発したRNAi法を用いた翅形成阻害ナミテントウの作出法(特許出願済)に基づき、遺伝子機能阻害を行うことによって生物農薬として新規の有用形質を付与したナミテントウの開発と応用を目指す。 |
641 |
プローブカーと車両感知器の統合によるリアルタイム道路環境モニタリングシステムの開発 |
森川 高行 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
本研究は、道路網上から排出される環境負荷のリアルタイムモニタリングを可能とするため、交通量観測を目的として設置されている路側感知器と道路網上を走行するプローブカーの走行挙動をリアルタイムに解析し、それらを統合して各道路区間の交通状況とそれに基づく環境負荷を精度よく推定するシステムを開発するものである。特に、路側感知器データとプローブカーデータの効果的な統合アルゴリズムを開発するとともに、路側感知器データとプローブカーデータを統合するための実験システムの構築を目指す。 |
642 |
修飾ポリ酸触媒による高効率セルロース糖化反応 |
清水 研一 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
非食料バイオマスの資源化方法としてセルロースの分解による単糖類の合成が注目を集めている。従来、熱分解、硫酸や酵素による分解が検討されてきたが、経済性・環境調和性に問題があり本格的な実用化には至っていない。本研究では、水溶媒中でのセルロースの糖化に有効な固体触媒の開発を目的とする。種々のポリ酸(タングステン酸、ヘテロポリ酸)と多価カチオンから成る難容性塩を固体触媒に用い、反応器の腐食や廃液処理の問題のなく、かつ高い収率で単糖類を製造する方法を開発する。 |
643 |
自己イオン対型オニウム塩の設計に基づく新規非金属分子触媒の創製と応用 |
大井 貴史 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
従来型物質生産の諸問題が顕在化する中で化学合成の質的転換を図るには、決定的な反応性・選択性を低環境負荷型のプロセスとして実現し得る触媒創製のための基礎研究が不可欠である。本研究では、分子内でイオン対をなすキラルオニウム塩、特にアンモニウム塩を設計・合成し、その構造制御に基づく触媒機能の創出と、立体選択的高度分子変換法の開拓に取り組む。この実現により、「キラルイオン対の合理的分子設計に立脚した非金属分子触媒の創製と反応開発」という、希少金属資源の枯渇をも見据えた未来型物質生産を支えるための方法論を確立する。 |
644 |
ピリドキサールリン酸を用いた皮膚老化防止剤の開発 |
丹羽 利充 |
名古屋大学 |
久野 茂正 |
名古屋産業科学研究所 |
ビタミンB6誘導体の一種であるピリドキサミンが最終糖化産物(AGEs)生成抑制作用を持ち、糖尿病ラットの腎障害進展抑制効果を発揮することが報告されている。私共はピリドキサールリン酸がAGEsの前駆体となる3-デオキシグルコソン(3-DG)をトラップし、AGEsの生成を抑制することにより、腎不全合併症である腹膜硬化の軽減、また糖尿病性腎症の進行の抑制を認めた。ピリドキサールリン酸による皮膚老化防止作用について検討する。 |
645 |
無欠陥歪み超格子半導体による小型ハイパワースピン偏極電子源 |
竹田 美和 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
ナノ磁区構造観察可能なスピン偏極電子顕微鏡の高性能化が期待されているが、申請らは歪み超格子フォトカソードによるスピン偏極電子源を開発し、世界最高性能を実現している。本課題では、半導体レーザー光の波長域で励起されるように、超格子構造の最適化と歪み制御によりバンドチューニングを行う。また、歪み補償型超格子の採用により結晶を無欠陥化し、量子効率を向上させる。これにより、汎用性の高い小型ハイパワー偏極電子源を実現する。 |
646 |
環境制御型電子顕微鏡下でのナノロボット操作による単一細胞硬さ計測システム |
中島 正博 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
細胞一個体周辺の極微小空間での環境を制御・計測するためには、微細なツール・デバイスを生体試料へ応用する技術が求められている。本研究では、高分解能観察可能な環境制御型電子顕微鏡下で、3次元的かつ実時間ナノロボット操作技術により、生体試料が含水状態で局所的な操作・計測を行うシステムを構築することを目指している。これにより、単一細胞レベルの解析や活性などに関する新たな知見や診断等に関する応用が期待される。 |
647 |
半導体結晶成長評価のための新らしい回折計の開発 |
田渕 雅夫 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
X線回折測定の一種、X線CTR(crystal truncation rod)散乱測定は、原子層単位で原子分布を評価できる。本研究では、これまで行ってきた半導体結晶成長装置と容易に組み合わせ可能なX線CTR散乱測定法の開発を推し進め、新たに設計された導入するスリット系の導入によって、測定精度と測定されるスペクトルの質を大幅に向上するとともに、多様な測定モードでの測定が可能な装置とすることを目的とする。 |
648 |
超高速パルスレーザ光による新規果実非破壊計測システムの開発 |
土川 覚 |
名古屋大学 |
久野 茂正 |
名古屋産業科学研究所 |
ナノ秒オーダーの超高速パルスレーザ光を物質に照射して、強度変化と光伝播の時間変化から微量な成分情報を検出する時間飛行近赤外分光法(TOF-NIRS)を導入し、これによってグレープフルーツ、メロン等の比較的直径が大きく果皮が厚い果実の糖度・酸度および熟度を正しく推定する新規果実非破壊計測システムを構築する。選果用ベルトコンベアを走行する果実の内部情報を0.2秒程度で検出することを目指す。 |
649 |
固気二相流に対する三次元グリッドフリー数値解法の開発 |
内山 知実 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
微小な固体粒子と気流が相互作用を及ぼし合いながら流動する固気二相流を対象とした、先進的かつ実用的な三次元数値解法を開発する。流れ場を計算格子(グリッド)に分割する必要がない独創的なグリッドフリー解法であり、粒子と渦要素を追跡して流れを解析する、計算の安定性に優れたLagrange型解法である。本研究では、分散メモリ型の並列計算機クラスタを構築し、計算の高速化を実現し、噴流や混合層などの解析への適用例を通して、解法の高精度化を達成する。 |
650 |
高生理活性第三級アルコールの実用的合成法の開発 |
波多野 学 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
代表研究者は、ケトンへの有機亜鉛試薬の付加反応による第三級アルコールの触媒的不斉合成法を開発した。本技術を用いれば、従来非常に困難とされている触媒的かつ高エナンチオ選択的なケトンへの付加反応が速やかに進行する。本研究課題では、市場性が高く高生理活性を有する光学活性第三級アルコールの実用的合成法の開発を行う。具体的には、抗ヒスタミン剤、抗菌剤などとして有用な光学活性第三級アルコールの効率的大量合成法を確立する。 |
651 |
負電圧印加による電子パッケージ材の金型への付着抑制 |
梅原 徳次 |
名古屋大学 |
堀 伸一 |
名古屋産業科学研究所 |
電子デバイスのパッケージング工程ではエポキシ樹脂と金型材の優れた離型性が求められている.本応募課題では電子デバイスのパッケージング材料として最も用いられる樹脂材料をモデル金型上で硬化させ、その後はく離させた場合の最大はく離荷重に及ぼす電圧印加の影響を明らかにし、負電圧印加による新たな電子パッケージ材金型の付着抑制手法を提案、実証する。 |
652 |
花き分子育種のための花弁特異的発現誘導プロモーターの開発 |
白武 勝裕 |
名古屋大学 |
野口 正樹 |
NPO法人東海地域生物系先端技術研究会 |
花色、花の形、花持ち性などの改変を目的とした、花きの分子育種に必要となる「花弁特異的発現誘導プロモーター」の開発に取り組む。既に花弁で発現することが報告されている遺伝子のプロモーター領域を単離し、そのプロモーター下にGUSレポーター遺伝子をつなぎ、植物への形質転換またはボンバードメント法による組織片への遺伝子導入を行う。GUS染色が花弁特異的かを検定し、「花弁特異的発現誘導プロモーター」として利用可能なものを見出す。 |
653 |
ナノ厚さ薄膜の高分解能可視化法 |
福澤 健二 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
フォトレジスト、酸化シリコン絶縁膜などナノ厚さの液体・固体薄膜の形成・分布制御は、マイクロ・ナノテクノロジーのキーとなる技術である。そして、この形成・分布制御のための有効な評価法として、ナノ薄膜の分布をリアルタイムに動的観測する手段が強く求められている。この観測法には、高分解能でかつ非接触な動的観測が要請されるが、従来技術ではこれらを満たすものがなく、面内分解能(解像度)としては高々数μm程度であった。本課題は、考案したナノ薄膜を直接可視化する光学的方法により、動的でかつ高分解能(サブμm)な観測法を確立しようとするものである。 |
654 |
高比表面積アルミナをべースとした乾式フッ素回収技術 |
平林 大介 |
名古屋大学 |
安田 匡一郎 |
中部科学技術センター |
フロン類、ハロン類など複数ハロゲンを含むフッ素素化合物ガスから、フッ素成分のみを選択的分離濃縮する固定化材料開発を行う。固定化剤には普及性が高く安価な活性アルミナ(高比表面積品:150m2/g以上)を含む反応材を用いる.これを加熱条件下ドライプロセスでフッ素化合物ガス(フロン類,ハロン類)と作用させ、フッ素のみを選択回収することにより、高純度のリサイクル価値の高い高品位フッ素リサイクル原料を得る。 |
655 |
面発光LEDパネルを用いた可視光データ放送装置の開発 |
片山 正昭 |
名古屋大学 |
山田 義憲 |
名古屋産業科学研究所 |
駅構内等の公共空間の広告・案内板用の面発光LEDパネルに可視光通信技術を適用し、ディジタルデータ放送機能を実現するための通信技術の試験開発を行う。具体的には、照明器具に起因する外来光雑音の時間・周波数空間における統計的性質を明らかにし、さらに高速安定な通信を実現する変復調方式、受信機の姿勢変動や光の一時的遮蔽を想定した誤り制御方式等を開発する。 |
656 |
新規なメタボリックシンドロームモデルラットを用いた、ビタミンCのインスリン作用改善効果の発掘 |
堀尾 文彦 |
名古屋大学 |
森 典華 |
名古屋大学 |
アスコルビン酸(ビタミンC:AsA)は抗酸化ビタミンとして知られており、ヒトでは体内で生合成されないため、野菜や果物などから摂取しなければならない。我々が作出した近交系統ラットであるSHR-odは、ヒトと同じようにAsA生合成が不能であり、メタボリックシンドロームでみられる肥満、インスリン作用不全(インスリン抵抗性)、高血糖、高血圧、脂質異常症、脂肪肝を呈するユニークなモデルである。本モデルを用いて、メタボリックシンドロームの根源ともいうべきインスリン抵抗性に対してAsAが抑制効果を示すことを検証し、AsAの新たな作用を発掘する。このことから、現代生活におけるAsAを含む食品やサプリメントなどの新たな価値を創生することを目的とする。 |
657 |
炭素系硬質薄膜のFTIRその場分析手法を用いた表面酸化に伴う摩耗評価試験方法の新規開発 |
野老山 貴行 |
名古屋大学 |
堀 伸一 |
名古屋産業科学研究所 |
硬質炭素薄膜表面の酸化度合いと摩耗量の定量的な評価のためには表面に吸着する気体分子や官能基が重要であり,これらを定量的に分析可能な環境制御型FTIRを用いた表面吸着官能基の分析と摩擦試験を同時に行い,摩耗量と吸着官能基の定量評価を行うことが理想的である.高感度多重反射測定法で行うためGeプリズムを基板材料として用い,表面に数nmの薄膜を成膜し吸着官能基量と摩耗量の測定を行い,評価手法の確立を行う. |
658 |
核多角体病ウイルス耐性カイコの作出 |
柳沼 利信 |
名古屋大学 |
伊藤 靖浩 |
名古屋大学 |
カイコは世界中で飼育されている産業昆虫である。特に、非休眠性のカイコは年中飼育されているが、膿病と呼ばれる核多角体病ウイルスに感染されやすく、全滅する場合が多い。本課題では、核多角体病ウイルス感染増殖に不可欠な遺伝子をknockdownする形質転換カイコを作出することで、核多角体病ウイルスに耐性のカイコを作出することを目指す。 |
659 |
磁性微粒子標識法による革新的細胞移植法の開発 |
李 鍾國 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
従来の細胞移植は、細胞を標的部位に直接注入する方法がとられていたが、侵襲性や移植部位からの流出などの問題があった。本課題においては、あらかじめ磁性微粒子で標識した再生心筋細胞や内皮前駆細胞を、体外から磁場を与えた状態で、心腔内あるいは血管内の病変部付近でカテーテルから播種し、標的部位以外への流出なく移植細胞を的確にデリバリーする新規細胞移植法の確立を目標としている。 |
660 |
恒温DNA増幅法の開発 |
梁 興国 |
名古屋大学 |
近藤 良治 |
名古屋大学 |
本申請者らは制限酵素とDNAポリメラーゼの併用により、通常のPCRの様に温度を昇降させることなく、一定温度に保ちながら極めて高効率にDNAを増幅させることに成功した。また、この増幅は広い温度範囲(25〜80℃)で行われることも明らかにしている。本シーズ発掘試験研究では、最適な制限酵素とDNAポリメラーゼを選択し、低温度領域(25〜50℃)において、高い特異性と高い増幅効率を持つ恒温DNA増幅法の開発を目指す。 |
661 |
ドライバの高次意図理解による予防安全技術革新 |
鈴木 達也 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
本研究では、観測された運転行動データに基づいた個々のドライバの判断機能の数理モデル化を目指す。具体的には、個々のドライバの「判断」を、連続変数である認知情報から「する」・「しない」を表す二値情報へのマッピングとして捉え、ロジスティック関数を用いてその確率的数理構造を表現する。さらに得られた判断の数理モデルに対して、「判断のエントロピー」を新たに提案し、個々のドライバの持つ判断のあいまいさ(判断能力)を定量的に評価する。 |
662 |
分離閉じ込め構造中に埋め込んだ分散量子ドット広帯域光源の開発 |
渕 真悟 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
分散量子ドットを用いた広帯域光源を開発している。これまでに、キャップ層で埋め込んだ分散量子ドット発光ダイオードを作製し、近赤外線領域で広帯域な発光を得ることに成功している。しかしながら、実用化のためには、試料端面からの光出力が不十分である。そこで、光導波路構造を作製し、光取り出し効率を向上させることが考えられる。本研究では、光導波路構造の基本構造である分離閉じ込め構造を作製することによって、試料端面からの光出力の増大を試みる。 |
663 |
金属・酸化物二層複合水素貯蔵材料の貯蔵・放出特性試験 |
森田 健治 |
名城大学 |
松吉 恭裕 |
名城大学 |
現在、水素貯蔵材料に求められている条件は、吸収温度が常温で、放出温度が150℃以下且つ、吸蔵容量が5W%以上である。本研究の目的は、常温で水素を吸収する金属と150℃以下で水素を放出する酸化物セラミックスを二層構造に複合化することにより、水素貯蔵材料を構成し、その目標達成の可能性を試験することである。その実施内容は、真空中で酸化物セラミックス(例えば、Li2ZrO3)表面に金属(例えば、Pt)薄膜を蒸着し、水素ガスを吸収させて、吸蔵と放出特性をイオンビーム分析法と質量分析法を用いて測定する。更に、実用化を目指して、金属と酸化物セラミックスの組み合わせの最適化を行なう。 |
664 |
直感的な触行動に基づいたモジュール型触覚インターフェースの開発 |
向井 利春 |
理化学研究所 |
泉名 英樹 |
理化学研究所 |
近年、機械が高性能化しており、マンマシンインタフェースの重要性が高まっている。特に、人間共存ロボットでは、人間にとって自然で直感的なインタフェースを持つことが求められる。触覚を使うことにより、「叩く、撫でる」などによる感情の伝達、および、ロボットの多くの関節を「手とり足とり」操作する触覚による動作指示が可能となる。本研究では、これらをロボットで実現するためのモジュール型触覚インタフェースの開発を目標とする。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
682 |
乳癌治療の成績を改善する迅速診断キットの開発と応用 |
茶野 徳宏 |
滋賀医科大学 |
宮本 健二郎 |
滋賀医科大学 |
RB1CC1は新規の癌抑制因子で、乳癌組織におけるその発現評価は治療成績の早期診断を可能とする。更に、この診断とp53癌抑制因子の機能評価を組み合わせることはより詳細な予後判定を可能とし、治療法選択の判断指針にもなりうる。これら成果を実際の乳癌治療に生かすため、乳癌組織におけるRB1CC1、p53発現の迅速診断キットを作成する。これを本課題の目標とする。作成されたキットは乳癌に限らず、より多くの癌に対して有用な情報を提供することが可能である。 |
683 |
高導電性と低熱伝導性が両立した酸化亜鉛熱電材料の開発 |
安達 智彦 |
滋賀県工業技術総合センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
優れた熱電材料には高導電率と低熱伝導率の両立が不可欠である。アルミドープ酸化亜鉛(AZO)は高導電率・高熱伝導率な熱電材料であり、熱伝導率のさらなる低減が課題となっている。一般に熱伝導率の低減化は導電率を低下させるので、これらの両立は困難であった。申請者らは放電プラズマ焼結では高導電率・低熱伝導率が両立したAZOを作製できることを見いだしており、本研究において焼結条件の最適化とメカニズムの解明を目指す。 |
684 |
Ti合金製人工骨表面への人体に安全で環境負荷の低い多孔質形成法の開発 |
岡田 太郎 |
滋賀県工業技術総合センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
骨折の治療において、高齢者等の回復力の弱い患者に対してはTi合金製の人工骨が使用される。人工骨には骨組織との長期的で強い結合性が求められるため、その表面に多孔質状の加工が施されており、再生した骨組織が多孔質部に入り込んで結合性を高め、治療後に緩んで外れてしまうという重大な医療事故の発生を防止している。本研究においては、Ti合金製人工骨表面を多孔質状に加工するために、食塩水をベースとする溶液中での電気分解を用いる。食塩水という入手・取り扱いが容易な溶液を用い、既存の加工法に比べ人体に安全かつ環境負荷の低い多孔質形成法を開発する。 |
685 |
蒸散機能を有する壁面タイルの開発 |
高畑 宏亮 |
滋賀県工業技術総合センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
これまでヒートアイランド現象の大きな要因として建物の屋上面、壁面の蓄熱が問題となっており、屋上緑化がかなり増えてきている現状である。しかし、壁面緑化については非常に緑化技術が難しく、またメンテナンスが必要であるということから、あまり進んでいない。そこでビル壁面に水の気化熱を利用した蒸散機能を有する素材を利用することにより、ビル周辺の内外温度の低下を図り、蒸散性や速度のコントロールが可能な多層構造体壁面タイルの研究である。 |
686 |
多孔質水酸化鉄(FeOOH)水環境浄化材の高強度化に係る研究 |
坂山 邦彦 |
滋賀県工業技術総合センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
近年、レアメタルや金属材料等の価格高騰、健康や安全をキーワードに廃水の規制等が厳しくなっており、資源の回収や廃水処理の対策が重要となっている。滋賀県では、湖沼問題で対象物質となり、枯渇化が叫ばれているリン酸イオンに着目し、除去回収する材料として多孔質水酸化鉄の利用に係る研究を進めてきた。この材料はリン酸イオン以外の物質に対しても吸着能力を示すことが確認されており、実用化に向けて吸着材として利用するための研究を進める。 |
687 |
高信頼性を実現する新規静電気放電試験機の開発に向けた研究 |
山本 典央 |
滋賀県工業技術総合センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
あらゆる電子機器は、携帯電話の電磁波や雷サージ等、様々な電磁環境に曝され、常に誤動作や故障の危険性と隣り合わせである。そのため、電子機器の開発時には、各種電磁ノイズ耐性試験が実施され、特に身近に発生する静電気放電(ESD)に対する耐性は重要視されている。しかし、現行のESD試験規格では、試験結果の再現性に乏しいという問題点がある。そこで、これらの原因を詳細に探求し、再現性の高い(=高信頼性を有する)新たなESD試験機の開発と、試験方法の提案に向けた研究を実施する。 |
688 |
新しい分析技術のための超高感度蛍光検査法の開発 |
白井 伸明 |
滋賀県工業技術総合センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
わずか一滴の血液や唾液などから臨床検査や遺伝子検査が可能となるには、微量、高感度な分析技術の開発が必要とされている。そこで、1滴のサンプル中の蛍光分子プローブを従来の蛍光測定法よりもケタ違いに高感度に検出できる技術手法を開発し、医療や生命科学の研究、検疫・安全保障など安心安全な暮らしに必要なイノベーション技術につながる測定技術を確立する。 |
689 |
伊吹山産カルシウム系化合物の表面改質による高機能化 |
神澤 岳史 |
滋賀県東北部工業技術センター |
倉上 茂 |
滋賀県 |
滋賀県最高峰である伊吹山から産出する、良質な石灰岩を原料とする各種カルシウム系化合物が現在販売されている。本研究では滋賀県発の環境対応型高付加価値材料の開発を目指し、消石灰の新規表面改質技術の開発をはじめとする伊吹山産カルシウム系化合物の高機能化を行うことで本化合物の新用途への展開を図り、滋賀県の今後のさらなる活性化の一翼を担う新技術を確立する。 |
690 |
洋装用ブラックフォーマル素材としての浜ちりめんの開発 |
森下 あおい |
滋賀県立大学 |
松居 祐一 |
滋賀県立大学 |
浜ちりめんの肌触りや光沢感は、衣料用素材としての安定性ある感性価値といえ、風合いに関する高い品質が求められる洋装の婦人用フォーマルウェア分野において極めて有用である。本課題では消費者の意識調査から導き出したニーズと、消費性能、デザイン性に関わる評価実験を行い、感性と物性の両データからブラックフォーマルウェアとして必要な素材の最適な設計条件を求め、消費者の感性欲求を満たす洋装用浜ちりめんの開発を目指す。 |
691 |
高品質ホンモロコの養殖技術 |
杉浦 省三 |
滋賀県立大学 |
松居 祐一 |
滋賀県立大学 |
本研究はリン欠乏下で起こる生体内での特異的脂質代謝(ミトコンドリアの酸化的リン酸化抑制効果)を利用して、養殖魚の脂質とくにEPA・DHAなど人々の健康に有用な脂肪酸の含量を高める技術開発を行う。実施内容は低リン飼料でホンモロコを養成し、人為的に緩やかなリン欠乏を起こさせることで、魚体へのEPAやDHAの蓄積を促す。研究目的は滋賀の重要な水産資源で食文化を象徴するホンモロコの栄養価を高め、地産地消を通じて人々の健康に貢献することである。 |
692 |
セラミックス被覆綱の高機能化のための成膜後基板焼入れ処理条件に関する検討 |
田邉 裕貴 |
滋賀県立大学 |
松居 祐一 |
滋賀県立大学 |
鋼基板に薄膜を成膜した後に基板の焼入れを行う成膜後基板焼入れ処理により、薄膜の密着強度や耐摩耗性が大幅に改善されることがわかってきた。これらの効果は、主に成膜後基板焼入れ処理時の加熱過程においてもたらされるが、温度や時間などの加熱条件と薄膜の各種機械的特性との関係は十分明らかではない。本研究では、これらの関係を明らかにし、適切な成膜後基板焼入れ処理の条件を提案することを目的とする。 |
693 |
有用環境ゲノム資源発掘のシステム開発 |
阿部 貴志 |
長浜バイオ大学 |
福崎 優太 |
長浜バイオ大学 |
未利用な環境ゲノム資源を対象に、大量なゲノム断片の配列決定を行うメタゲノム解析として、産業的に有用な遺伝子を発掘する技術が開発されたが、大半の遺伝子情報は既存の情報学手法での機能推定が困難であった。異なった原理での遺伝子機能推定法の確立が急務である。我々が開発した一括学習型自己組織化マップ(BLSOM)法を技術の核に、「環境由来微生物ゲノムからの有用遺伝子発掘システム」の確立と製品化を目指す。 |
694 |
ヒト白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染の予防法の開発 |
三輪 正直 |
長浜バイオ大学 |
福崎 優太 |
長浜バイオ大学 |
ヒト白血病ウイルス1型(HTLV-1)は、成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスとして知られる。現在、わが国では、感染者は100万人と推定され数十年の潜伏期の後に数%の割合でATLが発症する。HTLV-1の感染経路は主に母乳であるので、母乳感染を予防できればATLの予防につながる。我々は、細胞培養系で初乳中に多く含まれているラクトフェリンが感染を予防する予備的知見を得たのでこの効果を確かめたい。 |
695 |
抗がん剤創薬の新規ターゲットLSD1の阻害剤開発 |
水上 民夫 |
長浜バイオ大学 |
福崎 優太 |
長浜バイオ大学 |
LSD1は、ヒストンのメチル基の除去活性により、細胞がん化に繋がる転写シグナルをスイッチオンすることが最近明らかにされ、抗がん剤創薬の新規ターゲットとして大きな注目を集めている。本試験では、LSD1阻害剤の薬効評価・検証法の開発、抗がん剤開発の妥当性検証を設定課題とし、その解決により、当該薬剤の臨床試験開始の加速化を目標とする。 |
696 |
1粒子検出技術を応用した高感度ウイルス検査機器の開発 |
長谷川 慎 |
長浜バイオ大学 |
福崎 優太 |
長浜バイオ大学 |
インフルエンザウイルスなど大規模感染が危惧される病原体の高感度検出は危急の課題である。われわれは光計測技術を応用してウイルス1粒子を検出できる検査機器の開発を目指している。本提案では、ウイルス表面を蛍光抗体で標識し、溶液中の蛍光の動きを光センサーによるフォトンカウンティングにより検出することにより、比較的安価に実現可能な装置の基本原理を確立させる。 |
697 |
新規HEFL照明を用いた付加価値の高い植物の作出 |
蔡 晃植 |
長浜バイオ大学 |
福崎 優太 |
長浜バイオ大学 |
我々は、エネルギー効率の非常に高いHEFL照明を開発し、これを用いた完全閉鎖型の植物工場でビタミンとミネラル含量が高く、無農薬で安全性の高い高機能性野菜を作出することに成功した。本研究では、本植物工場野菜の市場展開をめざし、HEFL照明を用いた植物工場でビタミンと鉄分や亜鉛などを多く含んだ市場価値の高いホウレンソウを作出すると共に、この適用範囲を薬用植物に広めることを目的とする。 |
698 |
二波長全反射照明を用いたMicroTASにおける高感度生体分子検出技術 |
横川 隆司 |
立命館大学 |
工藤 真弓 |
立命館大学 |
本課題は、生体分子の高感度検出に用いられる全反射照明技術をMicroTAS (Micro Total Analysis Systems)の検出部に統合する技術開発をおこなうものである。励起用光源を簡易に導入できる光学系をMEMS技術により製作して、別途製作するMicroTASの検出部と接合する。これにより、MicroTAS内で扱う極微量溶液内の低濃度分子を高感度に蛍光検出することを目指す。 |
699 |
ソースコード変更の検索を可能とするソフトウェア開発環境の構築 |
丸山 勝久 |
立命館大学 |
松田 文雄 |
立命館大学 |
本提案では、ソフトウェア保守支援において、ソースコードに対して過去に実施された変更の履歴を収集し、それらを検索可能とする技術の確立を目指す。変更を検索可能とするためには、過去の編集操作を単純に記録するだけでは不十分であり、保守者が入力する検索キーワードと比較できるレベルに、編集操作を抽象化する必要がある。本研究では、編集された構文要素の空間的距離と編集操作の時間的距離に基づき、編集操作を抽象化する仕組みを確立する。 |
700 |
リサイクル可能な耐熱ポリブテン樹脂の成型加工技術の実用化 |
山下 基 |
立命館大学 |
松田 純 |
立命館大学 |
ポリブテン樹脂は高い力学性能と耐熱性をもち、数十回以上の再成型加工が可能なリサイクル性能を有する次世代の環境調和型ポリオレフィンである。しかしながらポリブテン樹脂をメルト状態から成型加工すると不安定結晶が生成され、その後安定結晶へと結晶相転移を起こし、これに伴ってひずみを生じることが実用化を行う上での大きな問題となっている。本課題 では、不安定相を経由せずに安定相をメルト中で直接成長させる手法を用いることにより、ひずみを回避するポリブテン樹脂の成型加工技術の実用化を目的とする。 |
701 |
顔部品の高精度動き解析技術を用いた聾人サポートシステムの開発 |
山内 寛紀 |
立命館大学 |
五十川 二美 |
立命館大学 |
人物の唇形状を高精度に検出する技術を確立してきた。この技術を発展させて「読唇」を可能とするシステム開発を目指す。まず、日本語の母音識別から始める。不特定話者認識を目指すので、唇形状変化の個人差が大きい。これを解決するため、年齢、性別等でカテゴリライズを行った母集団学習により認識精度を高める。聾人サポートだけでなく、音声認識システムと協調させたマルチモーダルシステムとすることで、知能ロボットの普及に貢献する。 |
702 |
腱・靭帯様再生コラーゲン組織の創製 |
山本 憲隆 |
立命館大学 |
近藤 光行 |
立命館大学 |
腱や靭帯などの生体組織は、線維束、線維、原線維の順に小さくなり、最終的にコラーゲン分子に至る階層構造をなしている。このような組織は、力学的環境の変化に対して、構造や力学的性質を変化させて適応する(リモデリング)能力を有している。そこで、コラーゲンのマイクロ・ナノレベルでの構造と力学的性質を考慮して、分離精製されたコラーゲンから再生組織を作成し、これに種々の負荷を作用させたときの組織形成について検討する。 |
703 |
斜面モニタリングシステムにおけるテンシオメータの改良 |
酒匂 一成 |
立命館大学 |
金丸 まや |
立命館大学 |
降雨時の斜面崩壊を予知・予測するためには、土中の含水状態を把握することが重要である。これまでは、テンシオメータを用いて土中の間隙水圧を計測するシステムの開発を行ってきた。しかしながら、長期現地計測において晴天が続き土中の含水量が低下すると、テンシオメータ内に満たされていた脱気水が抜けてしまうことが多々生じ、その都度、現地へ脱気水の補充を行わなければならなかった。本研究では、テンシオメータへの自動給水機器の開発および脱気水の抜けにくい機構の開発を行い、メンテナンスの容易化を目指す。また、これまでのテンシオメータ設置経験に基づき、より設置が容易にできる構造となるよう改良を施す。 |
704 |
交流電圧出力巻線を備えた一方向通電形のブラシレスDCモータによる電動発電機システムの開発 |
小松 康廣 |
立命館大学 |
今岡 陽子 |
立命館大学 |
技術内容は、小形・安価・軽量の可変電圧・可変周波数の単相電源として動作する電動発電機システムの開発に関するものである。なお、その電動機の駆動には直流電源を用いる。本装置の目的は、市販のインバータに比して安価で故障しにくく、動力も利用できる電動発電機システムを開発し、中国の奥地での無配電地域などに供給し、市販家電製品を利用できるようにすること、あるいは最近検討されているDCマイクログリッド系統におけるDC/AC電力変換システムとして供給することである。実施内容は、交流電圧出力巻線を備えた、一方向通電形のブラシレスDCモータシステムの開発である。目標は広い出力範囲において総合効率を85%以上とし、小形化することである。 |
705 |
トラックターミナルを利用したトラック配送・保管計画 |
西川 郁子 |
立命館大学 |
松田 文雄 |
立命館大学 |
トラックターミナルを利用した物品の配送・保管計画を提案する。部品工場から製品組立工場への部品の配送や、工場からから小売への製品の配送を対象とし、配送先からの要求に応じて、日単位の配送計画を長期的に算出した上で条件変更に応じた再計画を短時間で行う。複数業者の共同利用一時保管場所であるトラックターミナルを陽に考えることで、他業者トラックへの積替えや保管空間の弾力的利用等により、配送時間の短縮、車両容積率の向上、配送コストや二酸化炭素排出量の削減を目指す。実データを用い、現実的な良好解を現実的計算時間で算出できるアルゴリズムを開発し実装する。 |
706 |
マルチメディア個紋の情報検索技術の開発 |
川越 恭二 |
立命館大学 |
五十川 二美 |
立命館大学 |
個人家紋のように、メロディや画像、文字列等のマルチメディア個紋へ関心が高まっている。しかしマルチメディア個紋の中でも画像個紋についで関心の高いメロディ個紋において、好みのメロディに類似したメロディ個紋の抽出は困難であった。従来のメロディ検索はメロディの一部の特徴を類似比較するため、検索精度に問題があった。本研究では全体の雰囲気を考慮し、文書の類似検索手法をメロディ検索に適用する。これにより従来に比べて高い検索精度を実現し、メロディ個紋への適用と実用化の見通しを得る。 |
707 |
センサネットワークのためのマイクロストレージネットワークシステムの開発 |
大久保 英嗣 |
立命館大学 |
松田 文雄 |
立命館大学 |
複数のセンサネットワークによって収集された環境情報を格納し、各種アプリケーションに対し、位置透過・リアルタイムに情報を配信するためのP2Pネットワークシステムの開発を行う。システムはP2Pデータポットと呼ばれる無線通信機能およびストレージ機能を持つマイクロサーバ(小型計算機)複数台から構成される。本システムのプロトタイプシステムを構築し、複数のセンサネットワークからの情報取得の可能性について実証を実施する。 |
708 |
き烈近傍変位場情報に基づくコンクリート構造物の損傷診断システムの開発 |
日下 貴之 |
立命館大学 |
近藤 光行 |
立命館大学 |
鉄道用トンネルのコンクリート剥落事故に見られるように、コンクリート構造物の劣化や損傷が大きな社会問題となっている。このような事故を未然に防ぐためには、定期点検はもとより、構造部材の健全性を常時自動的に監視できるシステムの開発が必要とされている。本研究では、高性能化が著しいCCDカメラを用いて、コンクリート表面の変形状態を非接触で常時監視し、き裂周辺に発生する特異な変位場(ひずみ場)を理論的に解析することによって、観測者による人為的な判断なしに損傷の有無および損傷の程度を自動的に診断できるシステムを開発することを試みる。 |
709 |
赤外線位置・移動センシングシステム |
木股 雅章 |
立命館大学 |
工藤 真弓 |
立命館大学 |
デジタル画像処理することなく発熱体の位置と移動の検出ができる新しい赤外線センシングシステムの開発を目的とする。この目的を達成するため、本研究の代表研究者が考案したIRPSD (Infrared Position Sensitive Detector)をセンサとして用い、このセンサ出力から必要とする情報を抽出するためのアルゴリズムと、このアルゴリズムをプリント基板上のハードウエアで実行する回路システムを設計、製作するとともに、応用シナリオを考慮した光学系の設計を行い、システムの実用性を実証する。 |
710 |
気相と液相が混在する混相流の可視化計測技術の開発 |
塩見 洋一 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
気相と液相が混在する気液二相流、その中でもスラグ流を主な対象として、レーザーを用いてその光に励起した蛍光粒子を用いて流れの液相部を可視化し、得られた画像を画像処理して液相速度の定量的把握を行う。また、高速現象への対応として、可視化映像を高速度ビデオにより取得する。さらに、汎用熱流体解析ソフトの気液間の相間関係式を改良するために、ソースコードから修正して、数値シミュレーションを行い、その改良点の評価を行う。 |
711 |
伝統工芸としての彫金加工を再現するNC加工技術の研究 |
河嶋 壽一 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
伝統工芸品には人間が直接に関わった跡があり、これが人の感性に訴えかけることにより、満足感が与えられる。本研究では、伝統工芸品である社寺装飾金具を対象として、文様などを彫金加工する工程の機械化を進めることを目的とした。6軸制御NC工作機械と空圧式振動工具とを組合せ、空圧式振動工具によって被加工物の表面を叩いて塑性変形を生じさせることにより、人間の技を再現できる基礎的な加工技術を開発する。 |
712 |
車椅子の段差乗り越え機構の研究 |
岩本 太郎 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
従来の自操式車椅子は数センチの段差でも乗り上げが困難である。この原因はキャスターの直径が制限されることにある。キャスターの構造を変え高い段差を乗り越えられれば、移動領域が拡大できる。機構的な工夫で問題を解決し、低価格で充電等の保守が不要な車椅子を開発する。機構の改良は3案あり、模型や実験装置で効果は確認したが、実際の車椅子に組み込み、実環境で強度、耐久性など実用上の問題点の摘出と改良を行う。 |
713 |
金属酸化物中空球状粒子による三次元規則構造体の作成とその光学的応用 |
青井 芳史 |
龍谷大学 |
石原 英昭 |
龍谷大学 |
材料の持つ機能性を最大限にかつ多元的に発現させ、応用・展開を図るためにはその材料の本質的な機能(物性)はもちろんのこと、その材料の形状または形態を高度に設計し最適化することが重要である。本研究では、光の波長程度、すなわち数百nmの粒径を有する金属酸化物(酸化チタン、酸化鉄等)の単分散中空球状粒子を作成し、その中空球状粒子を3次元的に規則配列させた構造体を構築することにより、屈折率の周期的変調構造を実現しフォトニック結晶デバイスや屈折率センサなどへの応用展開、実用化を目指す。 |
714 |
モーションデータベースを用いたオン・デマンド型動作生成・制御システム |
曽我 麻佐子 |
龍谷大学 |
山内 一寿 |
龍谷大学 |
モーションキャプチャシステムで取得したリアルな人体動作を、幅広い分野において手軽に活用することを目的とし、様々な場面に応じてCGコンテンツを容易に作成・制御できるシステムを開発する。本試験では、(1)様々な場面を想定したMocapデータ取得とデータベースの構築、(2)オン・デマンド型CGアニメーション生成システムの基盤構築、 (3)リアルタイムCG制御モジュールの追加を行う。 |
715 |
マイクロ波自由空間法による水分計測システムの開発 |
張 陽軍 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
水分量測定は工業・農業など多くの分野で必要である。本研究は実用化に適したマイクロ波自由空間法による水分計測システムを目的とする。従来のマイクロ波自由空間法に用いられているホーンアンテが高価で大型であり実用的には不利である。本研究は、安価で小型であるマイクロストリップアンテナに着目し、10 GHzで共振するアレーアンテナ化を図ることでアンテナ感度を高め、自由空間法による実用的な含水率測定システムを開発する。 |
716 |
異種マルチ染色体を持つ遺伝的アルゴリズムによる印刷原版レイアウトの最適化 |
藤本 好司 |
龍谷大学 |
山内 一寿 |
龍谷大学 |
本研究は従来の遺伝的アルゴリズム(GA)を異種マルチ染色体を持ったGAに拡張し、印刷原版のレイアウトの最適化を行うことを目的とする。本研究ではこの応用課題を対象として、この応用に効果的な異種マルチ染色体の表現形式を定義し、これに対する新しい遺伝的操作(交差、突然変異等)を提案し、その効果を実データに基づいて評価する。印刷原版のレイアウトでは印刷用紙の空白部分を削減し、無駄な印刷を最小限に抑え、紙資源の有効利用を目標とする。 |
717 |
ファジーマッチングに基づく多言語音声の同時認識方法の開発 |
南條 浩輝 |
龍谷大学 |
山内 一寿 |
龍谷大学 |
多言語TV放送への字幕付与支援を目的として、主・副音声(通訳音声)を利用した音声認識手法を確立する。各言語の音声(主・副音声)の対応する発話を柔軟に対応づけた上で、それらを同時にかつ情報を補完しあいながら処理する音声認識を確立し、各言語の音声認識精度を高めて字幕付与支援に貢献する。 |
718 |
薄膜フォトダイオードと薄膜トランジスタによる人工網膜 |
木村 睦 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
薄膜トランジスタは、フラットパネルディスプレイの駆動素子として広く使用されてきた。本研究では、これまでなかったイメージセンサとしての応用を試みる。特に網膜の機能として、センシングエリアにおけるデバイスレベルでのリアルタイムな画像処理の実現を目的としており、世界的にも初めての開発である。将来展開として、ロボットの自律制御システムの視覚入力素子、エリアスキャナ、X線テククタや埋込型人工網膜への応用も期待される。 |
719 |
イオンプローブによる燃焼診断技術の開発 |
野口 佳樹 |
龍谷大学 |
中山 勝一 |
龍谷大学 |
(辞退) |
720 |
白物家電向け組込みサーバの開発と応用 |
野中 誉子 |
龍谷大学 |
山内 一寿 |
龍谷大学 |
本課題は、組込み機器標準開発プラットフォーム上にリアルタイムOSを実装した環境で動作するHTTPサーバ、FTPサーバ/クライアント、NTPサーバ/クライアントアプリケーションを開発し、白物家電の情報通信機能強化を支援することを目指す。さらに、開発したサーバを白物家電に組み込むことで生まれる新しいサービスを想定しながら、アプリケーションの省リソース化や専用化についても検討する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
721 |
ニホンミツバチ用分蜂群捕獲剤の開発 |
坂本 文夫 |
京都学園大学 |
谷 吉樹 |
京都学園大学 |
在来種のニホンミツバチは、耐寒性に優れ、病虫害に強いために飼育しやすく、独特の風味を持つその蜂蜜の愛好者は多い。しかし、セイヨウミツバチで実用化されている分蜂群捕獲剤や群の安定化剤が無いために、群の増殖には分蜂群を不確実な方法で巣箱に誘導する方法しかなく、逃亡する群に対しては回避する方法がない。これらの問題点を解決するために、ニホンミツバチ誘引物質を合成し、野外で使用できる製剤を開発するのが本研究の目的である。 |
722 |
高効率で簡便な昆虫遺伝子導入ベクターの開発 |
伊藤 雅信 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
昆虫への遺伝子導入は、有用物質の生産(昆虫工場)や疾患モデルの研究・解析に欠くことができない基本的な技術である。キイロショウジョウバエのDNA型転移因子(トランスポゾン)の一種を利用した新規の高効率ベクターの研究開発を行う。このトランスポゾンの高効率転移メカニズムを明らかにし、その特徴を活かしたベクターの実用化により、昆虫への外来遺伝子導入技術の飛躍的な簡便化とコストダウンを目指す。 |
723 |
分光計測用白色パルスレーザ光の安定化技術の確立 |
永原 哲彦 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
白色パルスレーザ光は、様々な分光計測手法へ応用が可能である。微細構造ファイバ中では、低エネルギーのレーザを用いて高効率に白色パルスレーザ光を発生することが可能である。このような白色パルスレーザ光を用いた分光計測の実用化には困難な点がある。効率の高いファイバ中で入射パルスレーザの雑音が増幅されるからである。入射するパルスレーザを安定化することで、雑音の少ない白色パルスレーザ光を発生することを提案する。 |
724 |
二次元電気泳動におけるタンパク質スポットの自動精密解析システムの開発 |
岸本 通雅 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究では、癌手術後の病理検査の段階における癌病態診断に必要なタンパク質発現状態を詳細に解析できる新規二次元電気泳動解析システムを構築する。そのため本研究では最も鋭敏な銀染色法に於いて、現像時の経時変化を精密に解析し、タンパク質の重なりや微小ポットの検出を可能にする方法、さらに各時点のスポットの正確な対応付けについても検討する。また分子間アフィニティーを利用した各種濃縮方法の利用も検討し、タンパク質検出感度を上げると同時に、その操作によるタンパク質定量測定精度への影響も検討する。 |
725 |
高感度・高速・低コストな次世代免疫診断法の開発 |
熊田 陽一 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究では、独自に開発したポリスチレン親和性ペプチド(PS-tag)を用いてイムノアッセイの大幅な高感度化・高速化・低コスト化を一挙に実現することを目的とする。PS-tagを導入した抗体を独自の生産方法により大量生産し、イムノアッセイのコーティング用抗体試薬として使用することで、抗体試薬の生産コストの大幅な削減を目指す。さらに、独自に開発したOne-stepELISA 法を用いてイムノアッセイを行うことで高い検出感度を維持しつつ操作時間の大幅な短縮を目指す。 |
726 |
新規フルオロアルキル基含有二鎖型界面活性剤の開発とPFOA代替乳化剤への応用 |
川瀬 徳三 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
フッ素系界面活性剤は、高い化学的・生物学的安定性と極めて優れた界面活性を有している。しかし、工業的に重要なフッ素オイル用乳化剤のPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)やPFOA(パーフルオロオクタン酸)は、環境中に残留し、人や生物に蓄積することが問題である。本研究では、蓄積性の低い短鎖のフルオロアルキル基を両端に有する新規二鎖二親水基型界面活性剤の開発を行ない、物性測定・機能評価をもとに、PFOAに代わる高い界面活性能を有し、低生体内蓄積性の界面活性剤(乳化剤)への応用展開を図る。 |
727 |
ポルフィリンの高配向環状集積化薄膜による人工光合成アンテナの創製 |
浅岡 定幸 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
我々はこれまでに両親媒性側鎖型液晶ブロック共重合体を用いることにより、高配向性のシリンダー型ミクロ相分離構造の形成に成功している。本研究では、その相分離界面にポルフィリンを位置選択的に集積化させることによって、管状または環状に配列させ、植物の光合成反応中心を模した集光アンテナ構造を、高配向集積化させた機能性薄膜を簡便に作成する手法を開発する。 |
728 |
構造物表層の定量的欠陥診断を効率化する熱伝導ホログラフィ法の開発 |
増田 新 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
赤外線カメラで撮影した構造物表面の温度画像から、剥離など表層内部の空洞欠陥の存在位置および形状を再構成する実用的な定量的診断技術を開発する。温度画像を無限平板モデルに周期的に埋め込むことによって熱伝導モデルを大幅に単純化し、安定した逆解析を可能にする。定常熱伝導モデルから非定常熱伝導モデルへの拡張を行うとともに、画像の境界付近に出現する虚像の除去、正則化パラメータの適応的決定、さらに欠陥厚さの検出について検討を行う。 |
729 |
臨床応用可能な点突然変異部位検出用核酸プローブ試薬の開発 |
村上 章 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
SNPを検出する新規概念の核酸プローブの開発を行う。開発するプローブは遺伝子と完全に結合した時のみ蛍光を発するため、非結合プローブの除去操作を必要とせず、均一検体水溶液に添加するだけで遺伝子配列の変異を検出・同定することができる。本研究では医学部との共同研究のもとに臨床検体由来DNA中のSNP検出を試みる。また、MEMS技術に基づく多検体処理用チップを開発し、実践的なSNP解析システム開発を目指す。 |
730 |
光学異性体の分離性能を10倍以上に向上するHPLC用分離媒体の開発 |
池上 亨 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本課題の目的は従来の光学分割用HPLC の分離性能を遥かに上回る分離を提供する媒体(カラム)の作出にある。現在用いられている粒子充填型カラムの分離性能は、理論段数で評価すると最大3万程度であり、多くは1 万段以下である。本課題で使用するシリカモノリスは、空隙が大きく、液体の輸送効率が高い担体である。このカラム長を10 メートル程度とし,光学分割の識別部位として修飾した分離系を作成することで、理論段数30 万段の発生を可能にし、現行のHPLC による光学分割の分離性能を10 倍以上に高めることが目標である。 |
731 |
天然動物型タンパク質の構造解析に適したカイコ由来の無細胞タンパク質合成系の開発 |
長岡 純治 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
昆虫(カイコ)の器官(絹糸腺)抽出液を用いた、天然動物型タンパク質の構造解析に適した無細胞タンパク質合成系の開発を行う。そのために、多様な材料(カイコの系統や飼育方法)を利用して系を試作して比較・選択する。同時に、各反応系の特徴を生化学的に検討して、既存系の問題点を解決する施策を見出して、実行する。これらにより、新たな系の選択肢を提供するのみならず、今までにない使い勝手の良い系の創造を目指す。 |
732 |
イルカの抵抗低減機構の解明とスポーツ用ゴーグルへの応用 |
萩原 良道 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
イルカが高速で泳ぐときに、腹部の表皮に浅いしわができる。イルカの泳ぎから、しわのある柔軟な表皮では、摩擦抵抗も圧力抵抗も意外に増えないと考えられるが、実証されていない。そこで、イルカの表皮を模擬する、わずかに変形した柔らかい板を水流中に置き、摩擦抵抗と圧力抵抗を計測して、しわと抵抗の関係を得る。その結果をもとに、一部をわずかに変形させたスポーツ用ゴーグルを試作し、水流中に置いて同様の測定を行う。 |
733 |
難生分解性芳香族ポリエステル、PETを分解可能な酵素の開発と応用 |
平賀 和三 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
芳香族ポリエステル, ポリエチレンテレフタレート(PET)は、難生分解性であるためにPET は焼却や埋立て処理されている。我々は、世界に先駆けてPET を単独で分解可能な微生物の単離に成功し、最近、その酵素の精製に成功した。本プロジェクトは、従来不可能とされてきた、PET の酵素分解機構を明らかにし、PET 分解速度の向上や、応用を目指す。 |
734 |
面発光レーザの帰還光応答特性のセンサ応用に関する研究 |
裏 升吾 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
単一モード垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)に偏光方向を回転させて光帰還させると劣勢モードの発光パワーが大きく変化する。本研究では、この発光パワー変化の応答特性を測定し、回転センサへの応用可能性を検討する。センサデバイスの画期的な微小化が期待できる。回転スピンドルに1/4波長板とミラーを設置して偏光を回転させて帰還させる構成を基本とし、VCSEL動特性の帰還光条件への依存性、実装トレランス、遠隔システムへの拡張性などを調査研究する。 |
735 |
電気泳動法を用いた単層カーボンナノチューブの分離精製法の開発と応用 |
鈴木 信三 |
京都産業大学 |
物部 剛 |
京都産業大学 |
単層カーボンナノチューブは、様々な直径やねじれ方(キラリティ)のものが存在しており、それぞれ光学的性質や電子状態(金属・半導体的性質)が異なる。本課題では、申請者らが開発を進めてきた「窒素中アーク放電法」を用いて作製した単層カーボンナノチューブを溶液中に孤立分散化させた後に、電気泳動法を適用して効率的に直径・ねじれ方のそろったナノチューブを分離精製する方法を確立し、その応用を図ることを目標とする。 |
736 |
絹織物の高機能化を目的とした環境調和型防縮加工技術に関する研究 |
吉村 央 |
京都市産業技術研究所 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
和装品によく用いられる絹織物に、化学薬品を使用せずに防縮加工を施す技術の実用化を目指す。本処理は環境、作業者、消費者に優しく、かつ通常の染色加工に用いる既存設備が利用可能であり、導入時の設備コスト負担が少ないことを特徴とするものである。本課題では実用化に向け,既存装置に取り付け可能な処理用機器を開発するとともに、本処理による染色堅牢度、色相、諸物性等の防縮性以外の消費性能への影響についても検討する。 |
737 |
御召緯(おめしぬき)用撚糸機が小ロットで高速製造可能な新規撚糸機の開発 |
末沢 伸夫 |
京都市産業技術研究所 |
河島 俊一郎 |
科学技術振興機構 |
高級着尺地の御召に欠かせない強撚糸である御召緯(おめしぬき)を生産するため、小ロット高速連続生産に対応し、糊付けも同時に可能な小型多機能撚糸機を開発する。この撚糸機は、スピンドル回転及び巻取機構にモータを使用して簡便に任意のより数を設定でき、高品質な御召緯が糊付けを含めた一工程で生産でき、撚りの高速化と連続運転化による生産性の向上を図る。さらに、実用化に向けて御召用途に留まらず新たな商品展開も提案する。 |
738 |
鶏用有機酸カルシウム緩衝化抗病性飲料の実用化試験 |
八田 一 |
京都女子大学 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
近年の細菌性食中毒患者、年間約1万人の内、ほぼ半数が鶏肉と鶏卵に由来するカンピロバクターとサルモネラ菌が原因である。両病原菌に対し、有機酸Ca が抗菌性を有することを応用し、本試験では、有機酸Ca配合貝殻溶解サトウキビ醸造酢(抗菌性飲料)をブロイラーへ投与する。そして、鶏の各成長段階で腸内細菌のカンピロバクターやサルモネラ菌等の消長を生菌数や16SrDNA 量から解析し、抗生物質や合成抗菌剤を必要としない無薬飼育の可能性を検討する。 |
739 |
クリーンルーム用多孔板吸音材の研究と消音装置の開発 |
宇津野 秀夫 |
京都大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
超微細加工が行われる環境では、機器や試料の微振動が加工精度に影響する。微振動の原因には地盤振動の外に、機器が発する音圧による周囲機器の励振があるがグラスウールなどの吸音材は繊維や薄膜で構成されるため、クリーンルームのような清浄な環境下では使用できない。そこで本研究では多孔板を用いたクリーンルーム用の吸音材を提案し、消音ボックスに適用して音圧低減効果を実証し、その音圧低減効果を予測する設計技術を確立する。 |
740 |
クラスレート系熱電変換材料の開発と熱的および機械的特性評価 |
岡本 範彦 |
京都大学 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
中温度域において良好な熱電変換特性を示すクラスレート系化合物のさらなる熱電変換特性向上を図り、無次元性能指数(ZT)=1.5 を超えるクラスレート系熱電変換材料の開発を目指す。また、実用化に向け、クラスレート化合物単結晶の弾性定数、熱膨張係数および圧縮試験による破断応力などの基礎物性データを得て、熱電モジュールに発生する種々の熱応力を評価する。 |
741 |
周期性四肢運動障害・むずむず脚症候群のバイオマーカーの同定(診断キット開発と根本的治療へ) |
角谷 寛 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
周期性四肢運動障害・むずむず脚症候群(RLS/PLMS)は一般の5-10%が罹患している頻度の高い原因不明の睡眠障害である。RLS/PLMS をマウスで再現する実験系を作出したので、この実験系と定量性を持ったプロテオーム解析を組み合わせることで、RLS/PLMS の診断用バイオマーカー並びに原因物質を同定することが本研究の目的である。本研究は、この疾患の診断キット、および、根本的治療法の開発にも繋がると考えられる。 |
742 |
新規有機EL材料の合成とデバイスへの応用 |
梶 弘典 |
京都大学 |
河島 俊一郎 |
科学技術振興機構 |
有機EL デバイスに用いる金属錯体材料において、これまで我々が行ってきた各種固体NMR 解析から得られた構造に関する知見に基づき、さらに優れた発光・電子輸送特性を有する新たな金属錯体の開発を目指す。また、その有機EL デバイスへの応用を目的とする。 |
743 |
発癌リスクを予測する遺伝子変異検出用オリゴヌクレオチドアレイの開発 |
丸澤 宏之 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
本課題は、癌の発生前の各臓器で遺伝子編集酵素が標的とする遺伝子変異領域を特定し、遺伝子編集酵素により高頻度に変異が導入される遺伝子領域を搭載した遺伝子変異検出用オリゴヌクレオチドアレイを作成することにより、C型肝炎や慢性胃炎などの炎症性疾患からの発癌を予測する新しい診断技術系を構築することを目指す。 |
744 |
レーザを活用する選択的・高効率遺伝子導入システムの開発 |
久保 康児 |
京都大学 |
藤森 賢也 |
京都大学 |
動物細胞への光学的な遺伝子あるいは外来物質の導入法を開発し、そのシステム化を図る。既に研究代表者は、植物細胞を対象とした光ピンセットによる遺伝子導入技術と、浮遊細胞のハンドリング技術を確立している(特許申請済み)。そこで、この技術を基に応用領域の拡大を目指して、微生物や動物細胞を対象とした手法を確立し、汎用性が高くかつ低侵襲なDDSを開発する。また、その課程において、マイクロスケールでハンドリング技術の向上を目指す。 |
745 |
超臨界二酸化炭素を用いる木材の化学加工 |
高野 俊幸 |
京都大学 |
中村 務 |
京都大学 |
木材の化学加工は、木材特有の欠点:“腐る”、“燃えやすい”、“寸法変化する”を改良するための重要な手段の一つであるが、実際には、(1)経済性が低い、(2)環境負荷が大きいなどの問題点がある。一方、最近、超臨界二酸化炭素を用いる反応が、グリーンケミストリーとして注目を集めている。そこで、本研究では、「環境に優しい木材の化学加工法の開発」を最終目標に、「超臨界二酸化炭素における木材のアセトアセチル化とその木材の性質」について検討する。 |
746 |
酵母の有機溶媒耐性賦与のメカニズム解明と生体触媒開発への応用 |
黒田 浩一 |
京都大学 |
藤森 賢也 |
京都大学 |
微生物を用いた物質生産は有機溶媒中で行うことが多く、微生物の有機溶媒耐性は産業上、環境負荷低減にとって重要なファクターである。我々は転写因子に変異を導入することにより、酵母において世界で初めて有機溶媒耐性細胞の作製に成功している。本課題では、改変した転写因子の下流で働く遺伝子の中から、有機溶媒耐性に関わるものを同定して詳細な有機溶媒耐性獲得メカニズムを明らかにするとともに、得られる知見を用いて耐性を強化した、より実用的な有機溶媒耐性酵母の育種を行う。 |
747 |
多重散乱を利用した簡易なシステムによる室内レーダイメージング |
阪本 卓也 |
京都大学 |
河島 俊一郎 |
科学技術振興機構 |
超広帯域レーダは高い距離分解能を有するが、目標位置の推定ためには高指向性アンテナ走査や複数アンテナ・送受信機を用いたアレイシステムが必要となり高コストとなる。本課題では多重散乱を利用した信号処理により、単一アンテナ・送受信機のみを用いた簡易な構成で目標位置の推定を実現することを目的とする。本課題では室内の多重散乱の性質を利用し、室内の人間の位置を数フレーム毎秒程度の頻度で得られるシステム実現を目標とする。 |
748 |
圧電素子を用いた小型ハイブリッド制振ユニットの開発 |
山田 啓介 |
京都大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
近年の機械装置等の軽量化に伴って部材の剛性が低下し、それらの曲げ振動の発生が新しく問題になっている。動吸振器やダンパを用いた制振は装置が大きく、小型化や軽量化を目指す場合には適さない。そこで、本研究では小さな装置で制振力を得られる圧電素子を用いたハイブリッド制振ユニットを開発する。先行して行ったハイブリッド制振の研究を基礎に、後付けが可能で回路の調整を常に行える装置を開発し、任意の平板を用いた実験で有効性を実証する。 |
749 |
非修飾核酸を用いた蛍光応答性アプタマーセンサーの開発 |
山東 信介 |
京都大学 |
是成 幸子 |
京都大学 |
非修飾型核酸プローブを用いた簡易アプタマーセンサーの構築に向けた研究試験を実施する。具体的には、核酸の“高次特定配列/構造”に結合した場合にのみ蛍光を発するインテリジェント蛍光分子をシグナル発信モジュールとして利用した新たなアプタマーセンサーの設計・開発を実施する。 |
750 |
圧縮スギの形状回復機能を利用した非応力緩和楔の開発と応用 |
小松 幸平 |
京都大学 |
笹田 滋 |
科学技術振興機構 |
スギの気乾時密度は350kg/m3程度で材の側面に圧縮力が作用すると凹み易いのが欠点である。本研究では、スギを元の体積の1/3〜1/2 に横方向に圧縮した「圧縮スギ」を製造し、それが水分を吸収すると元の形状に戻ろうとする際に発揮する「形状回復機能」に期待した「応力緩和の起こりにくい楔」を開発し、これを応力緩和の発生に悩んでいる伝統木造建築の接合部に活用して、問題を解決していく科学的な方策を提案する。 |
751 |
土壌水分計付貫入計の応用による革新的な地盤環境探査技術の開発 |
小杉 賢一朗 |
京都大学 |
門林 剛士 |
京都大学 |
本研究の目的は、浅層地盤の硬度と土壌水分の鉛直分布を詳細に把握できる水分計付貫入計を応用することによって、革新的な浅層地盤環境探査技術を開発することである。高空間分解能・高精度の計測が可能な水分計付貫入計を、広範囲の地盤情報を迅速に把握できる電気探査や地中レーダーと組み合わせ、両者の短所を補完させることで、従来に無い迅速かつ正確な探査技術を開発する。この技術を応用することによって、がけ崩れ(表層崩壊)の危険性がある斜面土層内の水みちの特定、ため池の堤体の漏水箇所の特定、地すべり対策工施行地における地下水面形状の把握が行えるようになることを、目標に設定している。 |
752 |
機能変換酵素活用によるバイオエタノール高効率生産酵母の開発 |
小瀧 努 |
京都大学 |
年光 昭夫 |
京都大学 |
バイオマスの有効利用の一環としてバイオエタノールが注目さているが、食料価格高騰等の弊害が起きている。この問題の解決には、木質バイオマスなどの食料物質以外のバイオマスからのバイオエタノールの生産が必要である。本研究では、生物種としてはエタノール発酵で最も長い歴史を持っている酵母(S. cerevisiae)を用い、遺伝子組換・タンパク質工学的手法により酵素機能の高度化等を行い、木質バイオマスからの高効率エタノール生産系の実用化を目指す。 |
753 |
アドへサミンの応用開拓研究 |
上杉 志成 |
京都大学 |
年光 昭夫 |
京都大学 |
本研究の目的は、細胞培養を促進する合成化合物「アドへサミン」の応用を開拓することである。アドへサミンは、合成化合物ライブラリーのスクリーニングで申請者らが偶然見つけ、命名した未発表分子である。このユニークな化合物をヒト培養細胞にかけるだけで、細胞は培養プレートに強く接着し、増殖する。アドへサミンやその合成類縁体は「細胞接着試薬」として有用だろう。本研究では、アドへサミンの更なる利用法を見付け出し、実際の応用へ向けた「原理の証明」をおこなう。 |
754 |
代謝型グルタミン酸受容体をターゲットとする精神発達障害治療薬の開発 |
森吉 弘毅 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
代謝性グルタミン酸受容体(mGluR)は 脳機能の発達維持に深く関わっており、精神発達遅滞や統合失調症との関連も示されていることから、これらの発達障害・精神疾患の治療薬開発の有力なターゲットとなっている。本研究ではmGluRの機能を調節する結合蛋白群との相互作用に着目し、従来とは異なる方向からmGluR活性を制御する方法を見出すことで、精神発達障害・精神疾患の新たな治療戦略の確立を目指す。 |
755 |
制御された孔径を有する多孔質シリコンへの電解重合を用いた酵素の固定化 |
深見 一弘 |
京都大学 |
年光 昭夫 |
京都大学 |
多孔質シリコンはフッ酸溶液中でシリコンを陽極酸化することにより得られる。その孔径は数nmから数10 μmまで実験条件を変えることで容易に作製できる。また、シリコン自体が半導体であることから多孔質シリコンを電極としてそのまま用いることが出来る。本研究では、これらの特徴を利用し、制御された孔径を有する多孔質シリコンへ酵素の固定化を導電性高分子の電解重合を介して行い、酵素の高い活性を維持した表面への固定化を目指す。 |
756 |
より多様なウイルスに耐性を有する農作物の開発 |
世良 貴史 |
京都大学 |
年光 昭夫 |
京都大学 |
ウイルス感染による農作物の被害は、日本だけでなく世界においても甚大であり、感染に強い農作物の開発が強く求められている。各アグリ企業により、ブリーディング等を用いた耐性品種の改良がなされてきているが、有効な手段とは成り得ていない。我々は、ウイルスが侵入しても、そのウイルス複製を阻害することにより、ウイルスに感染しない植物の創出に成功している。本申請研究では、より多様なウイルス感染に対応できる、新たな手法の確立を目指す。 |
757 |
細胞内微小空間の温度変化を感知するフォトサーモセンサーの創製 |
清中 茂樹 |
京都大学 |
増田 亜由美 |
京都大学 |
細胞内の温度分布を蛍光の変化として読み出すことが可能なタンパク質ベースの温度センサー開発を開発する。温度感知部分としてコイルドコイルタンパク質の2量化解離を利用し、読み出し部分として蛍光タンパク質を用いる。この2種のタンパク質を適切に融合させたセンサータンパク質を細胞内小器官で発現させることで、細胞内局所の温度分布・変化を蛍光の強度値として可視化する。循環器病疾患の初期段階においては、代謝異常に基づく細胞レベルでの温度異常が起こることが知られており、これらの疾病に対する初期診断方法としての応用が期待される。 |
758 |
ミトコンドリア外膜を染色する蛍光イメージング試薬 |
川添 嘉徳 |
京都大学 |
内田 逸郎 |
科学技術振興機構 |
生細胞に適用しうる新規のオルガネラ用蛍光試薬を開発する目的で一万個の化合物をスクリーニングし、候補化合物SAを見出した。解析の結果SAは、ミトコンドリアの染色パターンと非常によい相関を示し、その外膜を特異的に染色することが明らかとなった。本研究計画では、様々なSA誘導体の合成及び、SAの細胞内標的蛋白質との結合様式を明らかにすることで、生命科学研究における道具としての使用に最適な試薬の開発を目指す。 |
759 |
地球環境に優しい新規触媒の設計合成と 医薬品不斉合成プロセスへの活用 |
竹本 佳司 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
光学活性な新薬の原体、中間体、あるいはジェネリック医薬品を効率よく安全に不斉合成する革新的技術を世界に先駆け開発し、「環境に優しい触媒で人に優しい医薬品を提供する」次世代型の新技術の確立を目指す。シーズ候補である「チオウレア(竹本)触媒」を活用して、重要医薬品の不斉合成を実施し、実用的なプロセス合成への可能性を探る。 |
760 |
ケージド化合物を利用した光制御可能なアポトーシス誘導ペプチドの開発 |
中瀬 生彦 |
京都大学 |
内田 逸郎 |
科学技術振興機構 |
抗癌剤を含めたアポトーシス誘導剤が数多く知られているが、何れの薬剤においても細胞への投与後に活性を制御することは困難であり、細胞外から活性をコントロールできる新規薬剤の創製が強く望まれている。本研究では、ケージド化合物で不活化されたアポトーシス誘導ペプチドを膜透過ペプチドによって細胞内へ導入させ、光による緻密な細胞死活性の制御を試み、薬剤としての実用化に向けた検討を行う。 |
761 |
Chemical Geneticsを応用した内耳感覚細胞再生技術の開発 |
中川 隆之 |
京都大学 |
樋口 修司 |
京都大学 |
本研究では、小分子化合物により特定の遺伝子がコードするタンパクの機能を抑制するChemicalGenetics 技術を応用し、内耳感覚細胞を再生し、感音難聴治療に結びつけることを目的とする。内耳ドラッグデリバリーシステムを応用し、ノッチ情報伝達系阻害薬などを内耳に投与し、感覚細胞の再生を効率的に誘導する技術開発を行う。蝸牛器官培養系を用いて、感覚細胞再生効率の最適化を図り、in vivoにて有効性の解析を行う。 |
762 |
MRI用高温超伝導マグネットにおける微小電流減衰補償磁束ポンプの開発 |
中村 武恒 |
京都大学 |
増田 亜由美 |
京都大学 |
本研究の目的は、磁気共鳴断層撮影(Magnetic Resonance Imaging: MRI)装置の高温超伝導化を実現するため、微小電流減衰補償システムを開発することである。具体的には、申請者らが既に開発しているリニア型磁束ポンプをベースとした非接触かつ高温(20 K 程度以上)動作可能な微小電流供給装置を開発する。最終的には、ランニングコストならびにメンテナンスコストの両者を大幅に低減可能なMRI システム実現の可能性を検証する。 |
763 |
量子化学計算によるphotodynamic therapy増感剤の分子設計 |
長谷川 淳也 |
京都大学 |
年光 昭夫 |
京都大学 |
理論化学計算は、反応の予測や新規な分子設計において、重要な方法論となっている。分子の光吸収波長を制御する上では、分子の励起状態の性質を理解した上で分子設計することが効率的である。本応募課題は、我々が開発してきた精密な理論計算手法に基づき、ガンの有効な治療方法の一つであるphotodynamic therapy(PDT)における光増感剤となりうる分子の設計を行う。具体的には外部からの照射光を有効に吸収し、がん組織において一重項酸素を効率的に生成しうる分子を設計する。 |
764 |
代謝工学的手法による木質バイオマス由来五炭糖発酵酵母の育種 |
渡邉 誠也 |
京都大学 |
内田 逸郎 |
科学技術振興機構 |
化石燃料の代替エネルギーの最右翼はバイオエタノールである。しかし、我が国では諸外国のような農作物からの生産は不可能であり、木質系バイオマスを利用することが求められている。酵母は、大腸菌や他のバクテリアに比べてグルコースなどの六炭糖発酵とアルコール耐性には優れているが、木質系バイオマスに大量に含まれるキシロースなどの五炭糖を発酵できない。本課題は、キシロース代謝遺伝子群を人工的に導入した組み換え酵母を用い、六炭糖に比べて圧倒的に遅いキシロース発酵速度の向上を独創的な代謝工学的手法によって検討するものである。 |
765 |
皮膚透過性を有する新規複合ペプチドの開発と応用 |
二木 史朗 |
京都大学 |
内田 逸郎 |
科学技術振興機構 |
近年、膜透過性のペプチドを用いたタンパク質や薬物の細胞内送達法が開発され、皮膚透過促進も可能であることが報告されている。一方、この方法は化粧品用途としての美白剤や抗酸化剤などへの応用も可能と考えられるが、効率的にもコスト的にも改良の余地は大きい。これらを考慮し、本研究では、新規ペプチドを用いた効率的皮膚透過法の開発とその応用に関して検討する。 |
766 |
貝殻ペプチドを利用した重金属処理剤の開発 |
豊原 治彦 |
京都大学 |
藤森 賢也 |
京都大学 |
これまで困難とされてきた重金属の凝集沈殿法による除去・回収を、申請者が開発した貝殻ペプチドを用いて行う。重金属イオンに対して凝集機能を有する貝殻ペプチドを、ムラサキイガイとフジツボを主成分とする発電所取水口付着廃棄物を分解することで作出し、これらをすでに開発済みの沈殿剤ハイドロトラッパーと架橋(ブリッジング)させることで重金属を沈殿させ、工場廃液や土壌汚染の原因となっている鉛、銅、クロム、アルミニウム、カドミウムの除去・回収を行う。 |
767 |
アセンブリフリー単一マスク回転傾斜露光法の開発とバイオ応用 |
鈴木 孝明 |
京都大学 |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
本研究では、従来のMEMSプロセスにおいて技巧的問題であったアライメントやボンディングを不要とする作製技術として、特殊なパターン設計を行ったマスクを用いて傾斜と回転を組み合わせた多段階露光により複雑な3次元形状を作製する方法を提案し、実用化を目的とした構造物の微細化と高度化について検討すると共に、応用例として、遺伝子解析研究の高機能ツールとなる染色体DNA伸長固定デバイスの高密度集積化についても検討する。 |
768 |
食品中抗酸化性物質総量の簡易型測定器の開発 |
湯浅 義三 |
京都微生物研究所 |
井上 壽 |
けいはんな新産業創出・交流センター |
近年、健康や食の安全への関心が高まる中で、加齢とともに体内で発生する活性酸素等による酸化ストレスが老化の促進や生活習慣病に関与していることが明らかになるにつれ、食品中に含まれる抗酸化性物質が注目されている。しかし、食品中の抗酸化性物質の測定には、多額の経費と時間を要することから日常的に消費者への情報にはなり難い。そこで我々は、オゾン水を抗酸化性物質のイニシエーターとする食品中抗酸化性物質総量の測定法を考案し、生産者や消費者が簡単に取り扱える安価な簡易型測定器の開発を目指す。 |
769 |
セリシン定着加工生糸へのハイドラフト加工の応用 |
徳本 幸紘 |
京都府織物・機械金属振興センター |
西村 敏弘 |
科学技術振興機構 |
平成19年度に開発した「伸長形態を保持した(以下、ハイドラフト)生糸」は剛い糸特性を持つ。この糸特性を更に特化させることを目的とし、シルク素材にシャリ感を与える技術として以前からあるセリシン定着加工をハイドラフト加工と融合する研究を行う。また、この加工生糸を用いてハリ・コシの風合い特性の新たなシルク織物素材の開発を行い、丹後産地オリジナルの製品開発を可能にしようとするものである。 |
770 |
カンピロバクター及びサルモネラ菌非定着因子を持つ機能性飼料の開発 |
西井 真理 |
京都府畜産技術センター |
伊藤 省二 |
科学技術振興機構 |
カンピロバクターとサルモネラ菌は細菌性食中毒原因菌の70%を占め、これらは主に鶏肉、鶏卵を介して感染するため、養鶏業界ではこれら細菌による鶏肉、鶏卵汚染防止技術開発が求められている。本研究では、in vitroでカンピロバクター及びサルモネラ菌増殖抑制効果が確認できた穀実由来の物質について、鶏腸管内への定着阻害効果を確認し、機能性飼料の開発の可能性を検討する。 |
771 |
光触媒活性・高防錆性を有する亜鉛めっき酸化処理の開発 |
中村 知彦 |
京都府中小企業技術センター |
河島 俊一郎 |
科学技術振興機構 |
亜鉛めっきの後処理として陽極酸化を行い、めっき表面に光触媒機能を持つ酸化亜鉛層を生成させる。その際酸化亜鉛層による防錆効果の検証と改善、光照射による酸化亜鉛層の耐久性について検討するとともに、亜鉛めっき浴種による光触媒活性の最適化を行い防臭、空気浄化、抗菌、防汚等の環境浄化、セルフクリーニング機能などの快適化機能を有する建築部材、装飾材料への亜鉛めっきの展開を目指す。 |
772 |
大腸経由で肝臓機能を亢進させる食品成分(ポリエステル)の開発 |
牛田 一成 |
京都府立大学 |
上條 栄治 |
龍谷大学 |
メタボリックシンドロームや高脂血症・脳卒中の予防は、大きな社会問題であり、有効な対策が求められている。本研究者らは、食品全般に含まれる微量成分(ポリエステル)が、大腸機能に直接生理作用を及ぼすに止まらず、代謝や物質生産などの肝臓の機能も亢進すること、そしてその変化は脳神経系や腎臓など他の器官にまで及ぶことを動物実験で見つけた。これらの基礎研究の成果を基に、食品に含まれる微量成分の肝臓から始まる多器官に及ぶ作用とその機構を解明する研究を進め、上述疾患の予防に実用化する。のみならず、器官ネットワークと健康の関係の解明を深める。 |
773 |
最高品質遮光栽培茶を生み出す光環境の数値化 |
木村 泰子 |
京都府立茶業研究所 |
西村 敏弘 |
科学技術振興機構 |
京都府特産である遮光栽培茶(玉露・碾茶)は、その遮光資材により品質が大きく異なり、中でも茶の旨味成分であるテアニン濃度に違いがある。現在遮光資材の主流である「黒色化学繊維」により得られる茶のテアニン濃度は、伝統的な「本簀」(天然資材である葭簀、藁を用いた遮光方法)に及ばない。そこで「本簀」「黒色化学繊維」両遮光内の光環境とテアニン、カテキン等品質関連成分、その代謝・生合成との関連を明らかにし、テアニンが高濃度である遮光栽培茶を生み出す「本簀」の特性を明確にする。 |
774 |
腫瘍組織に浸透可能な細胞間隙透過型siRNAキャリアーの開発 |
小暮 健太朗 |
京都薬科大学 |
内田 逸郎 |
科学技術振興機構 |
siRNA は、mRNA を特異的に切断することによって目的とする遺伝子の制御を行うことができる(RNAi)ため、ガンの治療薬として期待されている機能性核酸医薬品である。しかし、腫瘍組織内奥までsiRNA を送達する必要があり、実用化には至っていない。本研究では、申請者が培ってきたsiRNA デリバリー技術を駆使して、多層細胞組織である腫瘍組織内奥にまでsiRNA を効率的に送達可能なデリバリーシステムの開発を目指す。 |
775 |
(-)-Standishinalの不斉全合を基盤とした新規アロマターゼ阻害薬の開発 |
野出 學 |
京都薬科大学 |
内田 逸郎 |
科学技術振興機構 |
(-)-standishinalはアロマターゼ阻害活性を有しており、閉経後の乳癌治療薬として注目されている。近年、申請者は不斉Heck反応を用いたstandishinalの基本骨格である4a-methyltetrahydrofluorene骨格の構築法を開発している。そこで、本研究では本不斉Heck反応を鍵反応に用いstandishinal及びその類縁体を種々合成し、新規なアロマターゼ阻害薬の開発を行う。 |
776 |
天然物クルクミンおよびその類縁化合物を用いた心不全治療の開発 |
森本 達也 |
国立病院機構 |
樋口 修司 |
京都大学 |
我々は内因性ヒストンアセチル化酵素(HAT)活性を有する p300が心不全発症における遺伝子発現調節に極めて重要であることを示した。最近、天然物ウコンの主成分であるクルクミンがp300 の特異的アセチル化阻害作用を持ち、培養心筋細胞肥大を抑制すること、さらには、心不全ラットモデルにおいて、心不全の進行を抑制することを見出した(J Clin Invest 2008;118:868-878)。そこで、本研究の目的は、心筋細胞核をターゲットとした心不全治療の開発を目指すことである。 |
777 |
プラズマ誘起電解法によるナノ粒子の連続製造システム |
伊藤 靖彦 |
同志社大学 |
南 了太 |
同志社大学 |
プラズマ誘起電解法とは、溶融塩電解の陰極または陽極でプラズマ放電を発生させることで、電気化学的に金属のナノ粒子を生成する方法であり、これまでの研究でAg、Ni、Fe、Alや高融点金属であるTi、W、Ta、Nb、Zrなど多種多様な金属のナノ粒子化に成功している。現状で、粒径数十nmの金属ナノ粒子を製造できることを確認しているが、形成直後にわずかに生じる2次粒子化の抑制が課題となっている。本研究では粒子の連続回収装置を試作し、その課題克服に取り組む。 |
778 |
カーボンナノファイバー分散ペロブスカイト系新規熱電材料の開発 |
加藤 将樹 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
新規ペロブスカイト型化合物CaO-nCa(Mn1-xVx)O3をマトリックスとし、これに高電気伝導性を有するカーボンナノフアイバー(CNF)を均一に分散し高密度に焼結させ、CNF添加により焼結体の電気伝導度σを著しく大きくし、かつ、熱伝導率κをほぼ一定とすることにより、高い無次元性能指数ZT =S2σT/κ [ここでSはゼーベック係数、Tは温度]を有する新しい熱電材料を開発する。なお、ここで、CNFを各種セラミックスに均一分散させた複合材料で、電気伝導度の格段の向上と、熱伝導率の一定性は既に確認済みである。 |
779 |
異極像結晶の熱励起によるX線源の開発と応用 |
吉門 進三 |
同志社大学 |
蔵野 慎介 |
同志社大学 |
低圧気体中で分極方向を一方向にそろえたLiNbO3等の異極像単結晶の温度を変化させることによって結晶あるいは結晶に対向したターゲットからX線が発生する。本研究では高真空下においても気体封入の場合と同程度か2桁以上のX線強度を安定して得ること、米国Amptek社が市販している焦電性結晶を用いた同発生機構による封入ガスタイプのX線源に代わって高真空タイプの実用化製品のプロトタイプの試作を目的および目標とする。 |
780 |
環境に優しい小型冷却システムの研究開発 |
坂本 眞一 |
同志社大学 |
蔵野 慎介 |
同志社大学 |
現代社会では必要不可欠とされているコンピューターやサーバーなどに代表される電子機器は、小型化,高性能化が急激に進んでいるが、それらに反比例して発熱密度は増加し、深刻な環境問題となっている。それらの問題を解決すべく、我々は熱エネルギーと音エネルギーの相互変換現象である熱音響現象を応用し,冷却有害な物質を用いることなく,ファンのような騒音を発生させることもない,環境に優しい小型冷却システムの開発を進める. |
781 |
インテリジェント電極を用いる高感度・高信頼性尿糖センサの開発 |
盛満 正嗣 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
本研究は、人尿中のグルコース濃度を決定する尿糖センサの検知極として、特異な反応選択性を有するインテリジェント電極を開発し、高感度でかつ長期的に高い信頼性を有する尿糖センサとしての応用を目的とする。インテリジェント電極の触媒には酸化イリジウム系混合酸化物を取り上げ、その微結晶構造を制御することで、従来検討されてきた白金に比べて極めて高い検出感度と、妨害反応に対する特異な反応抑制作用を有するセンサを開発する。 |
782 |
小型UWBフィルタの開発と応用 |
辻 幹男 |
同志社大学 |
蔵野 慎介 |
同志社大学 |
近距離間の高速なデータ通信やレーダ等への利用が期待される超広帯域無線システムUWBに対応した小型フィルタの開発は重要である。この種のフィルタでは通過帯域内の一部にノッチをもつ要求にも対応する必要がある。本研究では片側に導体面をもつ誘電体基板の誘電体表面側には任意形状導体パッチ素子を、また導体面側には任意形状スロットを配置した回路構成を用いて、この要求に対応できる小型UWB フィルタの開発を行うものである。 |
783 |
高分子/薄膜マイクロカンチレバーの創製と界面密着強度評価方法の開発 |
田中 和人 |
同志社大学 |
平尾 正三 |
同志社大学 |
携帯電話の可動部などに用いられるフレキシブルプリント基板は、高分子材料上に銅薄膜を成膜して作製されているが、実用下では、曲げ荷重が負荷されることが多く、銅薄膜と高分子基板のはく離を抑制し、製品の信頼性を向上させることが重要である。ここでは、集束イオンビームを用いてマイクロカンチレバーを創製するとともに、ナノインデンターを用いた曲げ試験により,高分子/薄膜界面の密着強度を定量的に評価する手法を開発する。 |
784 |
細胞接着性ナノフィルムの開発とその応用 |
東 信行 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
最近の万能細胞による再生医療の研究には大きな注目と期待が寄せられている。この再生医療をささえる重要な柱の1つが、細胞の足場となる基材の開発であり、細胞の効果的な接着と増殖を促す表面が求められる。本研究では、我々がこれまでに確立してきたシーケンシャル・ペプチドや人工高分子とのハイブリッド・ペプチドの自己組織化技術をもとに、ここに細胞認識部位を組み込んだ新しいペプチド/高分子ナノフィルムの作成技術の開発を行う。 |
785 |
生体電気インピーダンス式筋肉量測定と運動処方連携システムの開発 |
米井 嘉一 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
生体電気インピーダンス式筋肉量測定など非進襲性検査測定を行い、筋肉バランス補正の運動処方を画像コンテンツとして携帯電話にて提供し、万歩計情報のトレーニングデータをリアルタイムでのフィードバックが可能な双方向性健康増進システムを開発する。メタボリックシンドロームに対する特定保健指導に対応可能とすることで医療機関が利用しやすいシステムにする。健康指導に対する利用者の運動コンプライアンス向上を目指すものである。 |
786 |
ナノインプリント用ガラス状炭素モールドの開発と応用 |
清原 修二 |
舞鶴工業高等専門学校 |
辻 正 |
舞鶴工業高等専門学校 |
ナノインプリント用のモールド材料として、高硬度・耐磨耗・低熱膨張係数などの特異な性質を有するガラス状炭素が最も適している。そこで、本研究で開発した手法でナノオーダーのガラス状炭素モールドを開発する。また、開発したモールドを用い、ダイヤモンドマイクロモータやギアを作製し、これを用いて医療用マイクロ・ナノロボットの開発を行う。本研究で開発されたマイクロ・ナノロボットが医療機関で有効に活用されることが期待される。 |
787 |
血行促進・傷の治癒を目的とした、近赤外線を照射するシートの開発 |
丹下 裕 |
舞鶴工業高等専門学校 |
辻 正 |
舞鶴工業高等専門学校 |
光線療法の一種である近赤外線治療では、体内の水やヘモグロビンに吸収されにくく、浸透性の高い630−1500nm 程度の波長が用いられる。近赤外線は、光作用と熱作用の両方により血流促進、疼痛軽減、骨再生促進、生体作用活性化、創傷治癒促進などの作用を有すると考えられている。本研究では、近赤外線の血流促進、疼痛軽減、創傷治癒促進効果に着目し、寝たきり老人や下半身不随者の血行促進・傷の治癒を目的とした、近赤外線を照射するシートの開発を行う。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
788 |
次世代義足外観作成法の研究 |
佐々木 万弓 |
関西医科大学 |
和田 省二 |
関西医科大学 |
目的;健側と同様な義足外観を再現する。背景;義足は運動機能に主眼が置かれ、形状・皮膚色は重要視されていなかった。外観はロボットのようでも運動機能に優れた高機能の義足や、外観は優れていても手作業作成で高価な義足は存在するが、日常生活使用で運動機能と露出できる外観を併せ持つ義足作成は困難である。到達目標;健側下肢形状、皮膚色をデジタルデータで再現しミラーイメージにより形状再現する方法について検討する。 |
789 |
自動化プレス加工のための製品排出監視技術の開発 |
安室 喜弘 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
中小企業における多くのプレス工場では、金型や各種製造機構を開発による材料効率向上と作業の自動化を、独自に図っている。しかし異常を検知する監視技術も自動化されなければ効果が低い。本研究では製品排出を常時監視し、異常検知の際には自動停止させるシステムの実現を目指し、異常検知に必要な光学式の距離計測技術の確立を目的とする。稼働している既存のプレス機に対し、据付けるだけで適応できる可能性を示すものである。 |
790 |
バイオエタノール濃縮用高分子膜の構造設計と膜分離法の開発 |
浦上 忠 |
関西大学 |
瀬尾 寛 |
関西大学 |
発酵法で得られるバイオエタノール(約10wt%)を省エネルギー的に濃縮することを目的とし、我々が開発した供給液と膜周辺に温度差をもたせる温度差制御気化浸透法に多孔質高分子膜を適応させることにより、10wt%エタノール水溶液に対して、従来にない高性能な透過速度(1kg/(uh) 以上)とエタノール選択性(90wt%以上)の膜性能を発揮する膜分離システムを構築する。 |
791 |
超音波分解と質量分析をオンライン化した新規な高分子分析法の開発 |
荒川 隆一 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
本研究は、超音波分解(ultrasonic degradation, UD)と質量分析(MS)を結合した超音波分解質量分析法を具体化して、① 合成高分子の迅速・簡便な同定およびその構造解析を行う技術を確立し、② 新規な超音波分解液体クロマトグラム質量分析(UD-LC-MS)装置に用いる低流量フロー(μL/min)系の超音波分解セル(μUD)を商品化することを目標としている。 |
792 |
超音波の位相共役波の無歪超音波映像系への応用 |
山本 健 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
医療診断装置や非破壊検査において活躍する超音波映像系の共通の問題点である表面像と内部像の重畳や不均一に起因した画像歪を、超音波の位相共役現象を適用することによって解決することが目的である。検査対象からの反射波を検出し画像化する既存の手法と異なり、時間が反転したかのように振舞う位相共役波に変換し、検出する新しい技術である。位相共役波への変換効率が100%を大きく上回る位相共役増幅器を開発し、今まで画像化が困難であった不均一かつ非平坦対象の高分解能かつ高感度検出が目標である。 |
793 |
非接触型触覚インタフェースの情報認知特性の研究 |
小谷 賢太郎 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
本研究は先行研究によって開発した空気噴流による触覚提示装置を応用したアレイ形状の非接触型触覚インタフェースを構築し、文字・図形情報を提示し、ヒトが効率よく情報を認知するために、文字や図形の情報を伝達するための最適な提示条件を実験的に求める。さらに、本インタフェースの情報認知速度と伝達効率を明確にし、視覚障害者のための情報提示装置への応用を狙いとして、福祉機器分野への参入を目標とする。 |
794 |
見えないマークの開発とそれを用いた環境の知能化に関する研究 |
青柳 誠司 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
本研究は、人間の目には見えず機械(移動型ロボット等)のみに見える認識マークの開発を行い、その画像処理方法について検討する。マークをバーコードや2次元コード状にして様々な情報を持たせ、人間の生活空間を知能化する手法を提案・検討する。本認識マークは、1)画像処理における自然背景からの対象物体の抽出を容易にする、2)対象物体の理解(どのように機械が扱えば良いか等)を容易にする、3)人間に対して邪魔・目障りにならない、という特長を有する。 |
795 |
温度応答性ゾル−ゲル転移を示す生分解性ポリマーを用いた医療デバイス |
大矢 裕一 |
関西大学 |
瀬尾 寛 |
関西大学 |
室温ではゾル状態で、体温でゲル化するポリマーは、注射によりゲル化するインジェクタブルポリマーとしての応用が期待される。生分解性ポリエステルとPEGからなる、室温-体温間にゾル-ゲル転移温度を有し、ゲル状態で高い力学的強度を示す生体吸収性ポリマーを開発した。本研究では、このポリマーを用いて、薬物徐放型DDS、術後噴霧により膜化する癒着防止材、細胞増殖因子や幹細胞を封入した組織再生材料等の医療デバイス開発を行う。 |
796 |
ゼラチン繊維の新規架橋方法の開発及びバイオマテリアルへの応用 |
田村 裕 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
本研究はゼラチン繊維の耐水性をコントロールする技術を完成させ、これを不織布や組み紐などに成形加工してバイオマテリアルとしての性能評価を行い、当該分野における実用化を目指すものである。ゼラチンは生体内に入れた場合に抗原性が低く、加えて生体吸収性が格段に早いため安全性が高く生体吸収性材料として極めて優れた性質を有しているが繊維化された実例はない。申請者は環境負荷の低い製造方法を開発してゼラチンの繊維化に成功し、新規な架橋方法により不溶化を進めていく。 |
797 |
鼻腔内の気流解析に基づく鼻閉感の新診断・治療法の開発 |
板東 潔 |
関西大学 |
中本 博幸 |
関西大学 |
鼻閉感患者や健常者のCT画像から鼻腔のコンピュータモデルを作成し、気流シミュレーションを行う。そして計算結果を比較および解析することにより、鼻閉感を引き起こす部位を明らかにし、また鼻閉感の程度を判定する流体力学的な診断指標を構築する。さらに鼻閉感の発症部位の除去手術を行った後の鼻腔モデルをコンピュータ上で作成し、その鼻腔に対する気流解析を行うことにより手術の術前シミュレーションを行う。 |
798 |
双方向性ブレイン・マシン・インターフェース開発の基盤研究 |
稲瀬 正彦 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
本課題は、脳とコンピュータの間で双方向性に情報をやりとりするブレイン・マシン・インターフェースの開発を目指す。認知課題遂行中の動物の大脳皮質活動を多点電極で記録し、脳内情報表現を解読する。解読した活動パターンを微小電流刺激により大脳皮質に再現する。このときの動物の課題遂行能力を検討し、解読や再現の信号処理機構を改善していく。結果は、運動や感覚・認知機能を補助する人工システムの開発に応用できる。 |
799 |
ミリ波照射による高性能窒化珪素粉末合成法の開発と実用化 |
三宅 正司 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
従来法より一桁近く短時間で高性能かつ低コストの窒化シリコン粉末を合成するプロセスを開発して実用を目論むものである。具体的には高純度シリコン粉末にミリ波帯電磁波を照射して、シリコンの融点以下の低温条件で粒径のそろった窒化シリコン粉末を短時間(1−2時間)で合成し、粉末の高品質化と低コスト化を実現する。これにより新しい高性能窒化シリコン粉末合成法の確立と市場への展開をはかるものである。 |
800 |
新規二光子吸収・発光材料の創製 |
山口 仁宏 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
二光子吸収特性を有する分子は、顕微蛍光像イメージング、3次元光メモリー、さらには光線力学療法によるがん治療にまで幅広い応用が期待されている。このような特性を持つ既存の分子は、中心骨格に、二重結合や芳香族環を組み合わせた「固い」π共役系を持つ化合物群である。そこで、本研究の目的は、これまで研究を行ってきた「固いπ共役系」であるオリゴフェニレンエチニレン類(三重結合とベンゼン環から構成されるオリゴマー)の各種誘導体を合成し、二光子吸収・発光特性を示す新規化合物群の創製を目指す事である。 |
801 |
肝・胆・消化機能改善薬としての新規プロドラッグの開発 |
池川 繁男 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
ウルソデオキシコール酸(UDCA)は、現在、肝・胆・消化機能改善薬として用いられているが、水に難溶性のため、注射や点滴による皮下投与や血管内投与ができないなど、適用範囲が限られている。そこで、胆汁酸の新規尿中代謝物と想定されるNAC抱合体がエステラーゼによって加水分解反応を受けて遊離型胆汁酸に変換されるばかりか、水に対する溶性が極めて高いという特徴的な物性に着目し、UDCAのNAC抱合体をプロドラッグとして開発すべく体内動態を明らかにする。 |
802 |
細胞外マトリックス模倣人工タンパク質を用いた組織工学用材料の開発 |
柿木 佐知朗 |
国立循環器病センター |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
iPS細胞の樹立に代表されるように、幹細胞研究は飛躍的な進展を遂げ、その医療応用をサポートするための組織工学的技術の確立は急務である。貴重な細胞ソースの諸機能を損なわせることなく培養・分化・移植などを行うためには、それら細胞種に応じた細胞外環境の設計、すなわち高機能な人工細胞外マトリックスの開発が重要となる。そこで本研究では、遺伝子工学的手法により、血管新生活性を有するアミノ酸配列を付与した構造タンパク質(人工細胞外マトリックス)の創製を目的とする。 |
803 |
新規バイオマーカーを用いた非アルコール性肝障害の早期診断法の開発 |
吉田 康一 |
産業技術総合研究所 |
上原 斎 |
産業技術総合研究所 |
本提案者らは、酸化ストレスに対して鋭敏に応答する脂質由来低分子化合物(ヒドロキシリノール酸およびヒドロキシコレステロール)の網羅的分析法を確立した。これらの化合物は動脈硬化症、糖尿病などの生活習慣病患者の血漿中で高値を示すことが明らかとなった。本プロジェクトでは、大学病院との共同研究体制のもと非アルコール性肝障害の早期診断に本バイオマーカーが有効であることを短期集中的に検証する。 |
804 |
自己励起蛍光タンパク質(BAF)を利用した新規発光分析試薬の開発 |
星野 英人 |
産業技術総合研究所 |
坪田 年 |
産業技術総合研究所 |
本課題は、外部励起光源に依存しない自己励起蛍光タンパク質・BAFに基盤を置く新技術である。従来の蛍光法と比較し、検出装置が簡便・安価であることと、バックグラウンドが零であり、本技術は極めて高感度の優れたシーズである。本来のBAF発光を抑制する特殊なタンパク質をBAFに組み込むことができれば、BAFとの結合切断時にのみBAF本来の発光が得られ、その結合部位の切断に特異的な特定プロテアーゼを有するウィルスや細菌等の高感度検出法としても応用が可能である。 |
805 |
骨導超音波知覚を利用した最重度難聴者のための耳鳴遮蔽装置の開発 |
中川 誠司 |
産業技術総合研究所 |
佐藤 義幸 |
産業技術総合研究所 |
耳鳴の緩和法として、雑音を聴取させることで耳鳴を抑えるマスカー法が知られているが、重度難聴者には必ずしも有効でない。一方、骨導呈示された周波数 20000 Hz 以上の高周波音(骨導超音波)であれば、重度難聴者にも知覚される。本提案では、申請者らが培ってきた骨導超音波技術に耳鳴の知覚特性に沿った最適化を施すことにより、重度難聴者のための新型耳鳴遮蔽装置の開発に取り組む。 |
806 |
大腸癌の早期発見に向けたレクチン固定化蛍光ナノスフェアの実証試験 |
佐久間 信至 |
摂南大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
大腸内視鏡検査において、大腸粘膜内に留まる転移リスクのない発生初期の大腸癌をリアルタイムで診断し、内視鏡下で切除することを可能にする世界初の大腸内視鏡検査用造影剤を創製する。造影剤は、癌細胞粘膜側の特異抗原を認識する蛋白及び正常細胞との非特異的相互作用を抑制する高分子を表面に固定化し、内部に蛍光物質を内包したサブミクロンサイズの微粒子からなるナノメディシンである。大腸内投与後、病変に集積した造影剤の蛍光に由来する癌組織(明部)/正常組織(暗部)の蛍光コントラストに基づき、大腸癌の有無を診断する。 |
807 |
髄液中L−PGDSの機能解析によるアルツハイマー病の診断法の開発 |
松本 佳乃 |
大阪バイオサイエンス研究所 |
吉田 政樹 |
大阪市都市型産業振興センター |
アルツハイマー病では脳内でのアミロイドベータ(Aβ)の凝集、沈着が主要な病因である。申請者らは、髄液中の主要な蛋白である、リポカリン型プロスタグランジンD子合成酵素(L-PGDS)がAβに結合し、その凝集を抑制することをすでに報告している。そこで、本研究は、アルツハイマー病患者と健常人の髄液において、L-PGDSの性質を等電点二次元電気泳動法を用いて比較、検討し、アルツハイマー病の新規診断法の開発を目的とする。 |
808 |
細菌自身のリボソーム不活性化を利用した耐性菌出現低確率抗生剤の開発 |
吉田 秀司 |
大阪医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
本課題は細菌自身が有するリボソーム不活性化機構の解明を通じて耐性菌出現の可能性が低い薬剤を開発することを最終目標としている。細菌はストレスに曝されるとリボソームを二量体化して蛋白質合成活性を失わせる。この機構を欠損した細菌は自然界を長期間生存できないことから、細菌はこのストレス応答(蛋白質合成活性休止機構)をターゲットにした抗生剤に対して耐性を獲得しにくいことが予想される。本課題では研究期間内に薬剤デザインの基盤となる蛋白因子の機能ドメイン解析を行う。 |
809 |
可溶性癌特異抗原及び癌患者血清中自己抗体の解析による新規膵臓癌診断マーカーの開発 |
中西 豊文 |
大阪医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
4種類の培養ヒト膵臓癌細胞由来の可溶性タンパク質混合物を膵臓癌特異抗原とし、電気泳動にて分離し、4病期(PanIN分類:1A、1B、2、3期)の膵臓癌患者血清中に存在する自己抗体との結合の有無にて膵臓癌特異抗原を選別し、その膵臓癌特異抗原を検出・同定する。更に、同定癌特異抗原を固定化したELISA法を確立し、スクリーニングする。 |
810 |
呼気中へのアンモニア排泄活性化による高アンモニア脳症の予防確認試験 |
中張 隆司 |
大阪医科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
高アンモニア脳症はしばしば致死的となる。申請者は肺胞上皮には重炭酸イオン(HCO3-)に依存したアンモニアの能動排泄機構が存在していることを見出した。今回は、「肺は排泄臓器である」という新しい概念をもとにして、高アンモニア脳症の予防的診断法と呼気アンモニア排泄の活性化による高アンモニア血症の治療法の開発を目的としている。申請課題では、呼気アンモニア測定装置を試作し、呼気へのアンモニア能動排泄によ無侵襲な高アンモニア脳症の新たな診断治療法を実用化するための可能性試験を行う。 |
811 |
可逆的可溶化−不溶化が可能なポリスチレン担体の開発 |
下村 修 |
大阪工業大学 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
一般に架橋高分子は、直鎖状高分子に比べると耐熱性や耐薬品性に優れる。この性質を利用し、有機合成用の担体として架橋ポリスチレンが多用されている。しかし溶液系の分析手法を用いることができないため反応のモニタリングが難しく利用の障壁となっている。そこで架橋高分子の架橋部に開裂−再結合可能な構造を導入することにより、可溶化―不溶化をコントロールできる架橋高分子を合成し、その詳細な性質を検討する。 |
812 |
ペプチドのβ−シート構造を利用した組織工学用足場の創出 |
平野 義明 |
大阪工業大学 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
ペプチドの特徴的な2次構造であるβ−シート構造を用いて、その自己組織化能を利用し、組織工学用材料として3次元の細胞接着性足場を創出することを目的とする。β−シート構造を形成するペプチドと細胞との親和性を向上させるペプチドを融合することにより、飛躍的に多機能となるペプチドファイバーを分子設計する。キーとなるペプチドの合成・構造・細胞接着性足場の評価をはじめ、組織工学・再生医療用材料としての機能との相関性を、実験・理論の両面から系統的に行うことが可能である。 |
813 |
超廉価太陽電池の開発 |
鈴木 晶雄 |
大阪産業大学 |
本田 豁彦 |
大阪産業大学 |
透明導電膜はフラットパネルディスプレイ、タッチパネルや太陽電池の透明電極などに広く使われている。この透明導電膜のほとんどはITOで主要材料はインジウムであり、供給不足と価格高騰で代替材料が求められている。また、地球環境保護の観点から安価な太陽電池の開発が求められ、コスト削減にはこの高価なインジウムがボトルネックとなっている。そこで、これまでの透明電極の研究を総合し、集中して超廉価太陽電池の開発を目指す。 |
814 |
水と光を利用した局地的大気浄化装置の開発と設備条件の最適化 |
船坂 邦弘 |
大阪市立環境科学研究所 |
三嶋 大介 |
大阪市都市型産業振興センター |
都市において局地的大気汚染が観測される「交通量の多い沿道・交差点」に対して、大規模な設備投資やスペースを必要としない小型大気浄化装置へのニーズは高いが、イニシャル/ランニングコスト・設置容易性・浄化効果などの面で解決すべき課題が多い。本研究は、粒子状物質および水溶性のガス状物質の凝集・吸着除去に、水を用いた新たな湿式捕集源の適用を検討し、太陽光セルで稼動する低コストかつメンテナンスがほとんど不要な局地的大気汚染の浄化装置の実用化を目指すものである。 |
815 |
カラムリアクターのための触媒担持型高分子モノリスの開発 |
松川 公洋 |
大阪市立工業研究所 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
エポキシ樹脂硬化過程でのスピノーダル分解により作製できる高分子多孔性構造体(モノリス)の表面にパラジウムナノ粒子を担持させた有機合成用カラムリアクターを開発する。このようなカラムリアクターは、原料溶液をカラム中に送液するだけでカップリング反応等が進行し、有機合成を極めて簡便に行うことが可能となる。金属配位能を有するエポキシモノリスを作製し、パラジウムイオンの吸着、還元でナノ粒子を形成させ、その触媒活性について検討する。 |
816 |
マグネシウムシリサイド系熱電変換材料の耐酸化膜の開発 |
谷 淳一 |
大阪市立工業研究所 |
鈴木 義彦 |
科学技術振興機構 |
マグネシウムシリサイド系材料は、地球上に原料が豊富に存在し、毒性元素を含まず、安価で高性能が期待できるコストパフォーマンスの高い熱電変換材料であるが、大気中、中高温域で利用すると酸化により性能が劣化するため実用化には至っておらず、耐酸化性を向上させる必要がある。本研究では、マグネシウムシリサイド系熱電材料上に酸化防止膜としてスパッタ法による鉄ケイ化物(b-FeSi2)膜の形成技術を確立し、大気中で500℃付近の中温域でも利用できるマグネシウムシリサイド系熱電材料の開発を目指す。 |
817 |
熱帯性植物油脂をバイオディーゼルに変換する酵素法の開発 |
渡辺 嘉 |
大阪市立工業研究所 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
安価で大量供給が可能な熱帯性植物油脂は本格的なバイオディーゼル燃料(BDF)の導入に適した原料と期待される。一方、BDFの変換には、従来のアルカリ法より環境に優しく、副産物であるグリセリンの再利用も容易な酵素法の適用が好ましい。しかし、実用化に際しては高い反応率が達成されることや製造コストの削減も求められる。本研究は熱帯性植物油脂をBDFに変換する実用化可能な酵素法の確立を目指す。 |
818 |
超広域湿度センサを用いた湿度制御による過熱水蒸気処理装置の高性能化 |
伊與田 浩志 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
過熱水蒸気や高湿度空気を、乾燥や食品加工等における熱風(処理雰囲気)として積極的に利用するためには、高温・高湿度下での使用が可能で安価な湿度の測定装置が必要不可欠である。本研究では、耐熱性材料を用いた超広域湿度センサの開発と実用性の評価をおこなうとともに、同センサを用いた制御システムの導入により、室内空気から過熱水蒸気に至る広域な温湿度制御が可能な処理装置の開発を目指す。 |
819 |
口腔・胃・腸内共生細菌による水素ガス産生動態とその病態生理学的意義の解明 |
佐藤 英介 |
大阪市立大学 |
間 健一 |
大阪市立大学 |
近年、口腔内、胃、および大腸における共生細菌の分子機構解明が判明しつつある。しかし、そのホストと共生細菌の代謝的相互作用や分子論的実態の多くは不明である。申請者はヒトの口腔内や大腸内でも共生細菌により大量の水素ガスが産生されている事、歯磨きや口腔内殺菌により水素産生反応が阻害される事を見いだした。類似のガス代謝変化は抗生剤投与患者や消化機能病態患者等でも起こる事が予想される。本研究では、口腔・胃・腸内共生細菌による水素ガス産生動態を解析すると共に特定の食物により、細菌叢を調節して機能性食物により健康な生体ガス産生を制御することを目的とする。 |
820 |
シークレット機能を有する光可逆フォトクロミック材料の開発と応用 |
小畠 誠也 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
光により書き込みと消去が可能であり、書き込んだ情報を加熱すると保存でき、しかも通常の条件では書き込んだ情報が目に見えず、紫外光をあてることにより書き込んだ情報が現れる新しい機能を持ったシークレット機能を有するフォトクロミック材料の開発と応用について研究を行う。このような機能材料は情報の保存と隠れた表示のできるシークレット表示材料への応用が可能である。 |
821 |
がん放射線療法増感剤としてのポリペルオキシドの開発 |
松本 章一 |
大阪市立大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
放射線によるがん治療効果を高めるため様々な研究がなされているが、がん根絶にはより効果的な手法が切望されている。放射線が細胞に照射されると、遺伝子DNAに鎖切断が起こり、DNA損傷により細胞死をきたす。ここで、より効果的に損傷を加え、損傷の修復を阻害するような工夫を行えば、放射線感受性を増感できることが期待される。本研究課題では、ラジカルソースとして機能するポリペルオキシド骨格からなるナノ粒子を作製し、がん細胞への効率よいデリバリーを行い、放射線療法増感剤としての可能性を評価する。 |
822 |
新規抗炎症薬としてのジヒドロピリジン誘導体の開発 |
北川 誠一 |
大阪市立大学 |
間 健一 |
大阪市立大学 |
ジヒドロピリジン系カルシウムチャネルブロッカーのいくつかがヒト好中球の活性化を抑制することを最近明らかにした。臨床で用いられているカルシウムチャネルブロッカーのほとんどは鏡像(光学)異性体(S体とR体)の混合物である。我々は特定のブロッカーが鏡像異性体特異的に白血球機能制御作用を示すことを明らかにした。本研究の目的は、鏡像異性体特異的作用を解明し、白血球を標的とした新規抗炎症薬を開発することにある。 |
823 |
革新的光荷電分離分子システムの色素増感太陽電池への応用 |
鈴木 修一 |
大阪市立大学 |
中島 宏 |
大阪市立大学 |
本研究では、研究代表者が最近独自に設計した電子供与体(D)・電子受容体(A)連結型白金錯体の、1)D、A部の構造を変えることによる電荷分離状態生成の高効率化、2)架橋部位の構造を変化させることによる電荷分離状態の長寿命化を図り、太陽電池システムに応用して従来型よりも高い特性が引き出せるかを試験する。また、白金錯体で得られた知見を基にして、他の金属イオンへの応用も検討する。 |
824 |
新規バイオリアクターを用いた簡易型培養骨作製システムの開発 |
橋本 典也 |
大阪歯科大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
患者から採取した間葉系幹細胞をin vitroで培養し、担体内で増殖、分化させ、培養骨を作製し、再び生体内に戻す治療が整形外科分野における骨再生先端医療である。そこで、本研究目的は、酸素の供給と同時に細胞老廃物の排出も可能にするバイオリアクターを開発し担体内で幹細胞の長期培養を行い、骨分化させ、安価でしかも省スペースで培養骨を作製するシステムを構築することである。 |
825 |
赤外線レーザーを用いた早期消化管癌治療装置の開発 |
粟津 邦男 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
早期消化管癌の低侵襲な治療法として内視鏡治療が行われている。その中でも病変部を電気メスで切除する内視鏡的粘膜下層剥離術は、広範囲の病変にも適用可能であり、病変部を回収して病理診断を行うことができるという利点がある。その反面、治療に時間がかかることや熟練が必要で出血や穿孔のリスクがあるという難点がある。本試験では赤外線レーザーを用い、正常組織を傷つけずに早期胃癌病変部のみを選択的に切除することが可能な、安全かつ高効率な治療法の開発を行う。 |
826 |
テラヘルツ・プロファイロメトリーの開発 |
安井 武史 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
表面形状測定(プロファイロメトリー)は工業製品の品質評価を始めとした様々な分野で幅広く利用されているが、従来の光学的手法では表面が粗面の物体(金属粗面、樹脂製品など)を計測することは強い光散乱のため困難であった。本研究では、光波と電波の境界に位置するパルス状テラヘルツ波の自由空間伝搬・コヒーレントビーム・超短パルス特性いった特徴に加え、波長が極めて長いことに起因する低散乱性を利用することにより、粗面物体の表面形状測定が可能なTHzプロファイロメトリーを開発する。 |
827 |
高次多光子顕微蛍光イメージング装置の開発 |
伊都 将司 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
本課題では、一般的なフェムト秒Ti: Sapphireレーザー(発振波長800 nm付近)を単純に集光するだけでは達成困難な、数十fsのパルス幅を顕微鏡下で実現し、それを用いた高次の多光子誘起蛍光イメージング装置の開発を行う。自作の近赤外フェムト秒レーザー(発振中心波長>1000 nm)を光源として用い、対物レンズ透過後の光パルス幅の伸長を最小限に抑える。作製した近赤外多光子レーザー顕微イメージング装置の実用化に向けて、その応用可能性(種々の試料に対する適用性)を検討する。 |
828 |
次世代ブロードバンド通信対応型広帯域電波吸収体の開発 |
伊東 正浩 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
ユビキタスネット社会の確立にはブロードバンド無線通信が必要となるが、これには機器の誤作動等の電磁波障害が自ずと付随する。これに対し、本研究では、基幹技術となる透磁率の傾斜化に加えて、損失成分の付与によりインピーダンスの発振特性を緩和させることで、一般的な建材基準であるハーフインチの厚さで、次世代の通信規格として注目されるWiMAXおよびUWBに対応可能な高性能広帯域電波吸収体の開発を行なう。 |
829 |
ウイルスベクターを用いたC型肝炎ウイルス感染評価系の開発 |
磯田 勝広 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
C型肝炎ウイルス(HCV)は9.6 kbの長いRNAゲノムを有しており、未だ長いRNAをマウス肝臓に送達する技術は開発されていない。申請者は、長いRNAをマウス肝臓に送達できるウイルスベクターシステムを開発し、HCV粒子の産生を伴うことなく簡便にHCV感染を評価するシステムを構築してきた。本課題では、これら独自のシステムを用いて、HCV感染の危険性の無い、安全性と利便性を兼ね備えたHCV感染評価系を開発する。 |
830 |
飛沫ウイルスを不活化する新規カテキンの開発と感染防御への応用 |
開發 邦宏 |
大阪大学 |
高橋 佑嗣 |
大阪大学 |
我々は、これまでにリパーゼ触媒を用いて緑茶成分エピガロカテキンガレート(EGCG)にアシル基を修飾し、化学構造安定性やウイルス粒子不活能に優れたEGCGアシル誘導体の開発するためのノウハウを蓄積してきた。本課題では、その研究成果を応用し、インフルエンザ飛沫ウイルスを効率的に不活化し、動物やヒトがインフルエンザウイルスに感染することを未然に防ぐための技術を開発する。 |
831 |
導電性高分子/金属酸化物ナノハイブリッド膜のエレクトロクロミック素子への応用 |
橘 泰宏 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
導電性高分子は、電位印加により色が変化するエレクトロクロミック特性を有する。ところが、その実用化の上で、応答速度の向上が必要とされているが、そのために膜厚を小さくすると色濃度が低下する問題を抱えている。本課題では、申請者らが最近開発した導電性高分子・金属酸化物半導体ナノハイブリッド膜を用いて、金属酸化物部位を電極として機能させ、色濃度を保持したまま高分子層の高速色応答性を実現したエレクトロクロミック素子を開発する。 |
832 |
レーザー誘起多光子吸収過程を利用した新規光メモリー系の開発と応用 |
宮坂 博 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
フォトクロミズムを示すジアリールエテン(DAE)誘導体は、同一の励起波長でも可視一光子吸収過程ではほぼ反応せず、可視二光子吸収過程では効率良く(〜100%)反応する。つまり、一光子吸収過程でデータを読み出し、二光子吸収過程でデータを消去させる、単一波長による非破壊読み出し機能と光消去機能を併せ持つ光メモリー系の構築が可能である。そこで、本課題では、フォトクロミズムを示すジアリールエテン(DAE)誘導体を用い、顕微鏡下での単一波長による非破壊読み出し機能と光消去機能を併せ持つ超高密度光メモリー系の開発とその実用化を探る。 |
833 |
微小病巣の早期検出を目指した新規MRI造影剤の開発 |
向 洋平 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
本申請課題は、独自の金磁性ナノ粒子を応用することで、腫瘍の種類を問わず微小病巣をも造影可能な、新規MRI腫瘍造影剤の開発を目指すものである。粒子径の異なるコア構造を有する独自の金磁性ナノ粒子を基礎材料とし、その表面をポリエチレングリコール(PEG)で修飾したPEG化金磁性ナノ粒子の粒子設計を行う。本検討を通じ、SPIOの肝臓集積という問題を回避し、腫瘍への受動的ターゲティングを効率的に達成可能な最適分子を選択することで、将来的には腫瘍の種類を問わず微小病巣を造影可能な新規MRI造影剤の設計を目指す。 |
834 |
原子層レベルの鉄プラチナ薄膜の磁気ストレージ材料としての可能性の検証 |
今田 真 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
次世代ハードディスクの高密度化のためには、メディア材料として垂直磁化材料が不可欠である。磁気ランダムアクセスメモリやスピントロニクスデバイスにおいても、動作部として垂直磁化材料の利用が有効と考えられている。本研究では、原子レベルの薄さのFePt規則合金をデバイスに応用できる可能性を検証することを目的とする。即ち、室温において、残留磁化の外部磁場に対する耐力(保磁力)を求め、実用材料として適当な範囲であるかどうかを明らかにする。 |
835 |
歯根膜特異的ECMタンパクを用いた新規歯周組織再生治療薬の開発 |
山田 聡 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
我々はこれまでに、歯周組織再生に必須の組織である歯根膜から単離した新規ECM(extracellular matrix; 細胞外基質マトリックス)タンパクPLAP-1(periodontal ligament associated protein-1; BiglycanとDecorinに高い相同性を示す新規プロテオグリカン様分子)が、歯根膜組織の恒常性維持および硬組織形成分化に重要な役割を担っていることを見出している。本課題では、この歯根膜特異的ECMタンパクPLAP-1の歯周組織再生における分子機能に着目することにより、新しい発想の歯周組織再生治療薬の開発を目指す。 |
836 |
有機薄膜の1/fノイズ検出とセンシングへの応用 |
山田 亮 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
本研究では、有機薄膜に電流をながした際に生じるノイズを利用した、新たなセンシング方法を開発する。ノイズには物質と有機伝導層の相互作用から生じる状態のゆらぎに関する情報が含まれることから、単なる電流モニターよりも多くの情報を含んでいる。このため、ノイズを利用することで、高感度検出、あるいは複数の匂い源の同時検出など、これまでのセンサには見られない出力特性が得られると期待できる。 |
837 |
ナノ分子デバイス作製に供する被覆共役ポリマーの新規合成法の開発 |
寺尾 潤 |
京都大学 |
樋口 堅太 |
大阪大学 |
本研究では化学的手法による単一分子デバイスの作製を目的とし、1)環状分子により被覆された共役分子の新しい合成法の開発を行い、共役鎖の両端に化学反応点または電極との結合部位を有する被覆共役分子の合成を試みる。2)異なる機能を持つ被覆共役分子がそれぞれ入った溶液にナノ電極を順に浸し、ナノギャップ間で連続的に化学反応を行うことにより、ビルドアップ方式によるナノ分子デバイスの新しい作製法の開発を試みる。 |
838 |
植物由来原料からの医薬品類の触媒的な製造法の開発 |
芝田 育也 |
大阪大学 |
樋口 堅太 |
大阪大学 |
複素環化合物は多くの機能分子を含み医薬品類、有機材料などに利用されている。それらの製造の際に、触媒的に一段で、副生成物を与えることなく得ることは重要な課題である。本研究では、そのオキサゾリジノンや環状カーボネートなどの複素環機能性分子を、高機能触媒、手法を開発することにより、簡便な方法で製造する。特に、出発原料として、乳酸ラクチドなどの植物由来原料を有効に利用する。 |
839 |
生体吸収性アパタイトナノパーティクルの高機能化 |
松本 卓也 |
大阪大学 |
内田 国克 |
大阪大学 |
骨再生を迅速に誘導する機能性骨補填材料の開発が求められている。これまでに、我々はハイドロキシアパタイトを硬組織再生用ドラッグのキャリアとして利用する手法の研究をすすめてきた。本手法においては、ドラッグの輸送効率向上やリリースの制御が重要となる。本研究では、我々の開発した化学的特性および生体吸収性を高めたアパタイトナノパーティクルのドラッグデリバリーキャリアとしての有用性についてin vitroならびにin vivoにて検討を行い、化学修飾の適正化を図る。 |
840 |
光触媒ー磁性ナノ粒子複合材料による太陽光を利用したクリーン酸化プロセス |
森 浩亮 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
太陽光を利用した選択的酸化反応プロセスに対して、真に実用的な光触媒の開発を目指し、可視光応答性、高表面積、磁性を同時に兼ね備えた多機能付与型光触媒を開発する。具体的には、磁性微粒子を核とし、その表面を多孔質シリカでコーティングを行う。さらに得られた触媒を、可視光照射下、酸素分子を用いた選択酸化反応に応用し、その実用的価値を実証する。反応後、触媒は磁石により容易に分離・回収できるため、操作性、安全性、経済性を兼ね備えた新規光触媒プロセスが構築できる。 |
841 |
光学活性な三重らせん錯体の合成と複合電子磁気材料への展開 |
森田 靖 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
我々が初めて合成に成功したオリゴイミダゾール類は、高い方向性や集積化能、電子構造制御能を持つ水素結合や配位結合を数多く形成し、古くから知られているポリチオフェンやポリピロールとは全く異なる電子構造と集積構造を有する化合物群である。本研究では、1) 8量体オクチイミダゾールの合成、2) 4個の金属イオンと3分子のオクチイミダゾールからなる光学活性な四核三重らせん錯体の合成、および 3) その結晶構造・電子構造を明らかにし、複合電子磁気材料への展開の基礎を築く。 |
842 |
生体イメージングのためのマルチモーダル造影剤の開発 |
神 隆 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
新規蛍光材料である半導体量子ドットを基盤として、生体のマルチモーダルイメージングが可能な造影剤の開発をおこなう。目標とするマルチモーダル造影剤の特性は、1)近赤外領域(700-900nm)で高輝度蛍光特性を有する, 2)光、MRI、X線の同時測定が可能, 3)毒性がなく生体親和性が高い, 4)大量合成が可能なことである。本課題では、生体を個体、臓器レベルでのマルチモーダルイメージング(光、MRI、X線)が可能な新規造影剤の開発、実用化をめざす。 |
843 |
ナノ粒子のフロー磁気質量分析法の開発 |
諏訪 雅頼 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
'現在、タンパク質やDNA、nm- umサイズの微粒子については計測手法が限られており未だ分析が困難な状況にある。例えば従来の質量分析法では分子量が数十万を超えるものについてはイオン化により破壊され、その測定が不可能である。本研究では、駆動力に磁気力を用いる事で、イオン化が不要で、磁化率の測定も可能な、完全非破壊質量測定法を開発する事を最終的な目標とする。本研究課題では、磁化率と質量を同時に取得する磁気質量分析法の分析対象をnmサイズにまで拡張する。また種々の顕微分光法と組み合わせ、より多くの分子情報が得られる計測法を構築する。 |
844 |
ポリ乳酸プラスチック製造の効率化を目指した超乳酸耐性酵母の開発 |
杉山 峰崇 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
近年の様々な環境問題から、ポリ乳酸に代表されるカーボンニュートラルプラスチックのコスト削減が求められている。出芽酵母は乳酸菌等と比較して強い酸耐性を示し、乳酸発酵における培地の中和とその後の乳酸塩の脱塩化処理工程を省略できる可能性を持つ。本研究では細胞内pHの維持が乳酸耐性化に重要であることから、高濃度乳酸条件下でも細胞内pHが安定な超乳酸耐性酵母を構築して、乳酸生産収率を向上させ、ポリ乳酸製造コストの削減を狙う。 |
845 |
放射線を利用した繊維の抗菌処理技術の開発 |
清野 智史 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
銀イオン水溶液に繊維を含浸させ、医療器具の滅菌等に利用されている放射線を照射することで銀イオンが還元反応され、繊維表面に微小な銀ナノ粒子を付着させることができる。銀ナノ粒子は繊維表面に強固に付着しており、高い洗濯耐久性を有している。この技術を繊維材料への制菌加工技術へと展開し、医療現場等で必要とされる制菌加工繊維製品を得ることを目的とする。銀イオン水溶液に繊維を含浸させ、医療器具の滅菌等に利用されている放射線を照射することで、繊維表面に微小な銀ナノ粒子を強固に付着させることができる。この技術を繊維材料への制菌加工技術へと展開し、医療現場等で必要とされる制菌加工繊維製品を得ることを目的とする。 |
846 |
規則性カーボン多孔体の新規合成手法の開発 |
西山 憲和 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
これまで無機鋳型法によって規則性カーボン多孔体が得られているが、合成が多段階にわたり原料コストがかかるといった問題があった。一方、我々は、無機鋳型を用いずに、有機−有機相互作用を利用してメソポーラスカーボンを1段階で合成する直接合成法に取り組んでいる。本合成手法は従来手法に比べ低コスト化が可能となる。また、無機鋳型剤を用いないため、従来の周期的ナノ構造炭素と異なる細孔構造、周期構造の炭素材料が合成できると期待される。 |
847 |
新しいアルミニウム構造桁の開発 |
大倉 一郎 |
大阪大学 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
耐震性とライフサイクルコストにおいて優れるアルミニウム橋を創出するために、水平の複数の突起を有するアルミニウム構造桁の耐荷力を明らかにする。アルミニウム合金製のパネルを試作し、アルミニウム構造桁の耐荷力に影響する、摩擦攪拌接合(FSW)過程でパネルに発生する初期不整と残留応力の大きさを明らかにする。得られた初期不整と残留応力を入力条件として有限要素法解析を実施し、初期不整と残留応力がパネルの耐荷力に与える影響を明らかにする。 |
848 |
官能基選択的アシル化反応を基盤とするエステルの環境調和型合成法の開発 |
大嶋 孝志 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
様々な官能基が存在する中で、特定の官能基のみと選択的に反応させることができれば、官能基の保護・脱保護といった不必要なプロセスを省略することができる。しかしながら、官能基本来の反応性を触媒的にコントロールすることは極めて困難である。そこで本申請課題では、最近我々が新規に開発した亜鉛四核クラスター触媒の高い酸素親和性を活用することで、様々なエステルの環境調和型合成プロセスを構築し、更に実用プロセスへの展開を検討する。 |
849 |
臨床検体中インフルエンザウイルスの網羅的ゲノム検出法の開発 |
中屋 隆明 |
大阪大学 |
内田 国克 |
大阪大学 |
ヒト臨床検体からインフルエンザウイルスゲノムを検出するためにはRT-PCR法やLAMP法などの核酸増幅法が用いられているが、ウイルス抗原検出法であるイムノクロマト法と比較して操作性、利便性において改良すべき点が多い。本研究では抗インフルエンザウイルス抗体を用いて、ヒト由来試料よりウイルスゲノム(RNP)を選択的に濃縮し、新しいタイプのプローブを用いてウイルスゲノムをより迅速、簡便に検出するシステムの開発を目指す。 |
850 |
化合物熱分解法によって作製されたロータス型ポーラスアルミニウム合金の軽量化衝撃吸収部材への応用 |
中嶋 英雄 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
一方向に並んだ気孔を有するロータス型ポーラス金属は制振性、吸音性、衝撃吸収性などの特性をもつ軽量化材料として注目されている。従来のロータス金属の製法は、高圧容器や暴爆性水素を必要とし、量産化や実用化の障害になっていた。この難点を克服するために、ごく最近、我々は水素化物などの熱分解を利用した革新的なロータス型ポーラス金属の製法を発明した。本研究では、この方法を連続鋳造法に適用し、ロータス型ポーラスアルミニウム合金の量産化の製法を開発すると共に、低コスト化を目指した自動車体などへの軽量化衝撃吸収部材の開発を行う。 |
851 |
複雑時系列データの医療用多次元データベースシステムの開発と検証 |
猪口 明博 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
従来の多次元データベースは,ファクトと次元が1対n関係にあるデータに対して適用されてきたが,診療録情報はm対n関係にある情報が多く,情報を落として分析する必要があった.本課題では,病院情報システムに蓄積されたデータに対し,意思決定支援や傾向分析,診療プロセス解析を行うために,複雑な構造をもつ時系列医療データを多次元分析するための分析法について研究を行い,経験に基づく医療ではなく,根拠に基づく医療であるEvidence-based Medicineの実践に貢献できるシステムの実現を目指す. |
852 |
糖鎖シーケンシングを目指したオリゴ糖ユニット解析法の開発 |
長束 俊治 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
蛋白質やDNAのシーケンシング法は、その生体分子の研究を飛躍的に発展させてきた。糖鎖分子は重要性が指摘されて久しいが、蛋白質やDNAと比べると、研究の一般的な広がりに乏しいのが現状である。その原因の一つに、シーケンシング法の未開発が上げられる。本研究では、化学的手法によるユニット構造への糖鎖の部分分解とHPLCを組み合わせた高感度分析法を開発する。将来、本手法をベースにして、シーケンシング法へと発展させることを目指している。 |
853 |
ボツリヌス毒素の粘膜バリア透過機構を利用した新規なDDSの開発 |
藤永 由佳子 |
大阪大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
ペプチド製剤などの高分子量物質を経口投与や経鼻投与により体内に送達するDDS(ドラッグデリバリーシステム)では、粘膜バリアを自在に制御して物質を透過する必要がある。現状ではバリア機能を弱める物質の検索や粘膜上皮細胞への結合性を向上させるレクチンやナノ粒子などの“吸収促進剤”が開発途上であるが、粘膜のバリア機能を特異的かつ強力に制御できる物質は見出されていない。我々は、ボツリヌス毒素複合体が、消化管粘膜バリアを新規かつ巧妙な機構により制御することを発見した。本研究ではこの粘膜バリア制御機構を利用して新規DDSの開発を目指したい。 |
854 |
Biドープシリカファイバを用いたOCT用超広帯域赤外光源の開発 |
藤本 靖 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
本研究提案の技術内容は、Optical Coherence Tomography(OCT)用の新規の広帯域光源の開発に関するものである。主体は、我々が2001年に報告したBiドープシリカガラス(BiSG)という新しい蛍光体で、近赤外域1.3μm帯(1.0-1.6μm)において300nmに渡る広帯域な蛍光を示す特徴を持つ。この蛍光体をコアとする光ファイバを製作し、光ファイバベースで、安価なOCT用広帯域光源の開発を行う。目標値は帯域幅が300nm程度、出力が数mWとする。 |
855 |
電磁超音波センサとSH波を組み合わせた配管肉厚検査法の開発 |
平尾 雅彦 |
大阪大学 |
中村 邦夫 |
大阪大学 |
配管の減肉検査は発電プラントをはじめとする各種プラントの保全管理において最も重要な課題のひとつである。本課題ではSH波(Shear horizontal wave)とよばれる超音波を利用して従来法に比べて簡便かつ安価な検査手法を開発する。SH波とは板の内部を伝ぱする超音波の一種であり、板厚によって伝ぱ速度が変化する。SH波を配管の一定距離だけ伝ぱさせて伝播時間を計測すると、減肉箇所を通過するときに伝播時間が変化するので、この時間変化から減肉評価を行う。 |
856 |
酸化物へテロナノワイヤを用いたクロスバー構造メモリデバイスの開発 |
柳田 剛 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
従来のリソグラフィー微細化限界を遥かに凌駕したナノ領域10nm以下での高集積化が可能となる遷移金属酸化物を用いた不揮発性メモリ素子を、①不揮発性メモリ効果、整流性及び電気伝導部位を兼ね備える酸化物ナノワイヤへテロ構造体を創成し、②作製されたヘテロナノワイヤをSiO2基板上でクロスバー構造化することにより実現する。 |
857 |
微量・微細電気信号分析用の信頼性・生体親和性ナノアレイバイオチップの創製 |
李 恵りょん |
大阪大学 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
生体親和性・絶縁性特質を持つ無機材料と生体内の安定性な機能性生体材料を用いて、絶縁性・親水性・化学結合界面特徴を持つ電気化学用ナノウェルバイオチップの構造体を製作する。また電気的な信号での分析により修飾してないままで観察できるデジタルバイオチップを目指す。この集積化したナノウェルバイオチップはナノ空間制御による選択的・特異的な分子認識が可能な特質を持つため、典型的なアナログ医療から未来型個人向けのデジタル医療産業への可能性が高い。 |
858 |
Aβ離散促進作用に注目したアルツハイマー病予防法の開発 |
里 直行 |
大阪大学 |
内田 国克 |
大阪大学 |
高齢化する現代社会において認知症の治療法・予防法の開発は重要課題である。そこで、我々はAβの離散およびクリアランスに注目しアルツハイマー病の予防法の開発を行う。独自に開発したin vitro Aβ sink assayおよびAβの脳室内投与モデルにおいて効果のあった天然物由来化合物に注目し、1)科学的エビデンスにもとづく機能性飲料としての開発、2)誘導体にもとづくAβ離散促進薬剤シーズの開発を目指す。 |
859 |
新規Wacker型反応による高効率なメチルケトンの一段階合成法の開発 |
實川 浩一郎 |
大阪大学 |
沼本 紀良 |
大阪大学 |
ワッカー(Wacker)反応は、末端オレフィンからメチルケトンを合成する重要な酸化反応であるが、反応装置の腐食や塩素化合物の副生などの問題があり、工業的な展開には新規触媒系の開発が必要である。我々はアミド溶媒中で酸素のみを酸化剤とする触媒を見いだした。これは銅などの共触媒や塩酸を全く用いず、ハロゲンフリーであるために環境に負荷をかけない特徴を有する。本研究ではこの触媒の適用を拡げて、メチルケトンのクリーンかつ高効率な一段階合成プロセスの開発を行う。 |
860 |
刺激により易剥離可能な機能性粘着剤の開発と応用 |
舘 秀樹 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
吉竹 正明 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
現在、市販されている刺激応答性易剥離粘着剤は、硬化剤を用いて系全体を硬化させる方法が主流である。この方法では刺激応答性に乏しく剥離不良が問題となっている。研究代表者はこれまでに、粘着成分そのものが架橋反応に関与する粘着剤と潜在性化合物とを組み合わせ、新規な刺激応答性易剥離粘着剤の開発を行っている。本提案で粘着剤の最適化及び評価試験を行うことで、刺激応答性(30秒以内)と粘着コントラスト(刺激応答後の粘着力0.2N以下)に優れた刺激応答性易剥離粘着剤の開発を目指す。 |
861 |
複合化による高機能性芳香族ポリアミド微粒子の開発 |
吉岡 弥生 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
吉竹 正明 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
我々は、これまでにナノ・サブミクロンサイズの芳香族ポリアミド微粒子を開発してきた。これら微粒子は、ポリアミド自身の優れた特性(耐熱性、耐薬品性、機械特性)を活かすことによって幅広い分野での応用展開が期待できるが、その実用化さらには高付加価値化には、用途に応じた新たな機能の付与およびその制御が必要不可欠である。このようなことから、本研究では新たな光学特性や耐水性の付与を目指して、他の機能性材料との複合化による芳香族ポリアミド微粒子の高機能化に取り組む。 |
862 |
極低温汎用温度計の開発 |
四谷 任 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
武井 廣見 |
科学技術振興機構 |
過剰な窒素を含む金属窒化物はアモルファスに近い乱れた結晶構造を有する。そのため薄膜の電気抵抗の温度依存性に局在効果が出現し、電気抵抗は温度の減少とともに半導体的に増加する。この局在効果は極低温まで存在するため、室温からmKに至る広い温度範囲でリーズナブルな抵抗温度係数(感度)を有する温度センサの開発が期待できる。本研究では、室温からmK域まで合理的な感度を有し、再現性の高い薄膜温度センサの開発を行う。 |
863 |
新規な反応性全芳香族ナノポリイミド微粒子の製造と評価 |
浅尾 勝哉 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
吉竹 正明 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
ポリイミド微粒子は粒子径を100nm以下に微細化すると比表面積が急激に増大して、不溶不融の化学構造を有する全芳香族ポリイミドでも良好な成形加工性を示すと考えられる。さらに微粒子表面に官能基を付与すると高機能化し、用途が拡大する。本研究では、100nm以下のサイズの全芳香族ナノポリイミド微粒子製造技術と官能基の導入方法の確立を図るとともに、微粒子の物性、成形加工性および官能基の反応性の評価を行う。 |
864 |
振動破損事故の防止に役立つ非ガウス型ランダム振動試験機の開発 |
中嶋 隆勝 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
森田 均 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
貨物輸送時の振動や機械振動などに起因する破損事故を未然に防ぐためには、振動耐久性評価精度を向上する必要がある。しかし現在のランダム振動では、確率分布はガウス型でありフィールド振動のピーク加速度と大きな差異がある。本研究では、周波数特性から逆フーリエ変換により時刻歴を作成する際、ある工夫を施すことにより、非ガウス型ランダム振動の生成プロセスを構築する。さらに本手法を「蓄積疲労振動試験システム」へ導入するため新蓄積疲労評価指標を考案する。 |
865 |
選択的レーザ焼結法による高品質人工骨のオーダーメード造形技術の開発 |
中本 貴之 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
藤田 直也 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
整形外科分野の代表的インプラントである人工骨は、その特性として負荷に耐える強度、骨に近い低弾性率、骨組織との親和性などが要求されている。一方、選択的レーザ焼結法(SLS法)は、薄く敷き詰めた金属粉末にレーザを照射して焼結し順次積層していくことで複雑形状を迅速に造形する加工法である。本研究は、上記特性を有する高品質な人工骨をSLS法によって作製する試みで、人の体格や症状に応じたオーダーメードの人工骨の迅速提供を目指す。 |
866 |
電気的手法による難削材の超精密切削加工面の性状改善に関する研究 |
本田 索郎 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
藤田 直也 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
単結晶ダイヤモンド工具による超精密切削加工は、高機能光学部品の加工技術として一般化している。しかしその加工材料は無酸素銅、アルミニウム合金、無電解ニッケルリンめっき膜等に限定され、鉄系材料やチタン・モリブデン等の機能性材料に関しては、主にダイヤモンド工具の急速な熱化学的摩耗のため、良好な加工面を得ることができない。本研究では、加工中にダイヤモンド工具と被削材間に外部から電気的作用を付加することによって、加工面性状の改善を図る。 |
867 |
有機溶媒耐性固定化酵素の開発 |
安田 昌弘 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
有機溶媒中で酵素反応を行わせると、加水分解反応の平衡を合成反応側へシフトできる、水難溶性の基質の濃度を高めることが出来るので反応速度を大きくできるなど、多くの利点がある。しかしながら、有機溶媒存在下では、ほとんどの酵素は迅速に失活してしまう。申請者は、有機溶媒存在下でのエステル交換反応やエステル合成反応に有用な大量に酵素リパーゼを固定化できる両親媒性粒子を合成した。本研究では、工業的に有用な酸化還元酵素などの固定化に適した両親媒性粒子の開発を行う。 |
868 |
マグネシウムとチタンの長所を活かした次世代型軽金属材料の開発 |
井上 博史 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
低密度・高比強度のMg合金は様々な産業への応用が期待されているが、耐食性に乏しく、高温での成形加工が必要である。代表研究者はこれまで、AZ31Mg合金表面に軽量で耐食性・意匠性の良好なTiを圧延接合したAZ31Mg/Tiクラッド板を開発し、AZ31Mg単板よりも優れた成形性を見出してきた。クラッド板の特徴をさらに活かすには、成形性に劣る高強度Mg合金への適用が有効である。本課題では種々のMg合金におけるTiの最適な圧延接合条件や熱処理条件を検討するとともに、比較的低温で高速成形が可能な高性能クラッド板の創製を目指す。 |
869 |
微生物吸着能を有する架橋抗菌ハイドロゲルによるバイオフィルム不活化 |
奥田 修一 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
食品製造環境や生活環境の微生物汚染に対処するために、キトサンやε-ポリリジンなど微生物を吸着できる正荷電と抗菌性を同時に有する天然高分子とヨウ素を包摂可能なポリビニルピロリドン(PVP),ポリエチレングリコール(PEG)などの水溶性高分子を放射線架橋法によりハイドロゲル化させ、微生物を積極的に抗菌性ゲル表面に吸着させ、ゲルより徐放されるヨウ素により効率良くバイオフィルムの殺菌を行うことを目標とする。 |
870 |
高効率な遺伝子導入のためのデンドロン脂質ベクターの開発 |
河野 健司 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
目的:細胞の中に効率よく遺伝子を導入する技術は、iPS細胞の構築、樹状細胞免疫療法など先進医療において必須の基幹技術である。この目的のために現在、ウイルスを用いて行われているが、安全性の観点から、ウイルス以外の物質の利用が切望されている。本申請では、脂質と高分子の長所を併せ持つデンドロン脂質をベースとして、安全で高活性な人工遺伝子導入ベクターを開発する。 |
871 |
メカノケミカル効果を利用したアイラアイト巨大結晶の高速合成 |
岩崎 智宏 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
新たな化粧品素材として利用が期待できる層状ポリケイ酸塩アイラアイトの合成プロセスにおいて結晶成長を促進するために、合成反応場として機械的エネルギー場を利用した新規な合成プロセスを構築する。本合成プロセスでは、メカノケミカル効果によって結晶成長を促進させるとともに、新たな結晶核の形成を抑制することで、従来の静的な水熱合成法では得られない大きさの結晶を短期間で合成する。 |
872 |
BDF製造プロセスにおける副生グリセリンの超音波による新規処理技術 |
坂東 博 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
温暖化対策および化石資源枯渇に対する対策の一つであるバイオディーゼル燃料(BDF)の製造過程で発生するグリセリンは、反応性に乏しく価値の高い化学物質への適切な変換技術がない。そのためグリセンリンの廃棄処理がBDF製造コストを押し上げる一因となっている。本研究では、高温・高圧の化学反応場を生み出す超音波技術をグリセンリン処理に適用することにより、同物質を化学薬品原材料・燃料などの有価物に転換する技術開発を目的とする。 |
873 |
アラビナン分解酵素群を利用したアラビノース含有糖質の合成とその機能性評価 |
阪本 龍司 |
大阪府立大学 |
金澤 廣継 |
大阪府立大学 |
オリゴ糖の機能性を利用した様々な食品が利用されているが、糖鎖の化学的特性に基づくオリゴ糖の単離・精製の効率性が産業上の課題である。代表研究者らはアラビノキシランやアラビノガラクタンなどのアラビノースを構成要素とする糖鎖に強力な免疫促進活性や抗がん活性が認められるなど、その潜在的高機能性に着目した。本研究ではアラビナン分解酵素を用いた新規アラビノース含有オリゴ糖の効率的合成ならびにそれらの機能性評価を行う。 |
874 |
癌特異的ERαコアクチベーターを利用した乳癌治療薬探索系の開発 |
山地 亮一 |
大阪府立大学 |
下田 忠久 |
大阪府立大学 |
乳癌特異的コアクチベーターは乳癌の増殖と進行に関わる遺伝子の発現を亢進するエストロゲン受容体(ERα)の機能を転写因子として増強するので、乳癌治療の分子標的となる。本研究では新規に同定した癌特異的ERαコアクチベータを利用して、ERαアゴニスト及びアンタゴニストの探索し、同時に同定したコアクチベータとERαの複合体形成を抑制する物質の探索が可能な評価系の構築を目指す。 |
875 |
脂肪酸分析用新規キャピラリーカラムの開発 |
山本 公平 |
大阪府立大学 |
金澤 廣継 |
大阪府立大学 |
脂肪酸組成分析にはガスクロマトグラフィー(GC)が不可欠である。現在、この分野のGC用カラム種はPEG系の中極性カラムとシアノシリコン系の強極性カラムが汎用されている。本申請では、従来全く注目されなかった弱極性カラムでもこの分野に使用可能であるという事実を基に、その極性を若干高めた混合液相カラムを試作・検討し、初心者でも容易に用いることのできる脂肪酸分析用新規キャピラリーカラムの開発を目指す。 |
876 |
貴金属ナノ粒子のエコロジカル生産技術 |
小西 康裕 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
無機ナノ材料の合成・生産におけるソフトパスを実現するために、貴金属イオンに対して還元・析出機能をもつ微生物を利用して、常温・常圧における貴金属ナノ粒子の生産技術を創成する。還元バクテリアを用いて貴金属ナノ粒子の合成実験を行い、粒子性状、粒子生成場、細胞への粒子析出パターンに影響を及ぼす合成条件を明らかにする。また、バイオ合成粒子の効果的な回収方法、粒子の大量生産に相応しい反応器の形式・操作方法など装置設計指針を確立する。 |
877 |
極性ナノ分域をもつイオン秩序型誘電体の創製と機能開拓 |
森 茂生 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
最近我々は、LuFeCuO4において、室温を含む幅広い温度範囲において大きな誘電率をもつリラクサー的な挙動を示す誘電体であることを見出した。この物質の誘電特性は、本物質に含まれる三角格子上でのFe3+イオンとCu2+イオンの規則配列に起因しており、イオン変位を伴わない新しい誘電体である。本研究では、異なる価数の陽イオン(例えばFe3+とCu2+)を幾何学的なフラストレーション構造上に規則的に配列させることによって電気双極子が生じさせ、誘電疲労を伴わない安定した誘電特性をもった誘電体材料を創製することを目的とする。 |
878 |
微小結晶用磁場中誘電率測定装置の開発 |
西原 禎文 |
大阪府立大学 |
竹崎 寿夫 |
大阪府立大学 |
近年、次世代デバイスへの展開から強磁性・強誘電性・強弾性などの複数の強的性質を併せもつ物質(マルチフェロッイック物質)に注目が集まり,無機物質を中心に盛んに研究されている。現在、これら物質の物性調査には主に市販の「磁場中誘電率測定装置」が用いられているが、これは非常に高価であり、また、堅強な試料のみを対象としている。そのため市販の装置を用いて「小さい」「脆い」「難固性」などの性質を有する試料(有機結晶・微小結晶・粉末)の「磁場中誘電率測定」は困難である。従って、現在これら試料の測定を行うためには、高度な技術と特殊な装置を有する国内外の限られた施設に頼らざるを得ない状況にある。そこで,本研究では有機結晶・微小結晶・粉末を含む多彩な試料を対象とした安価・簡易・高精度の「磁場中誘電率測定装置」の実現を目指す。 |
879 |
生体高分子の構造解析用アルカリ金属導入装置の開発 |
早川 滋雄 |
大阪府立大学 |
竹崎 寿夫 |
大阪府立大学 |
ポストゲノムとしてのたんぱく質などの生体高分子の解析には、高感度分析法である質量分析法による解離手法の開発が不可欠である。アルカリ金属をターゲットとして用いる電子移動解離がリン酸化ペプチドの解析に有用であることが、申請者の研究で明らかとなった。この解離手法を近年利用の盛んな飛行時間型などの高感度質量分析装置で使用可能とするために、現在用いているボールバルブに代わるアルカリ金属の高輝度ビームを真空へ導入する方法を開発する。この開発を生体高分子分析に有用な質量分析装置と結合させることにより、極微量での生体高分子の構造解析を可能とする。 |
880 |
帯電水ミストによる火炎制御技術の開発 |
足立 元明 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
現在、初期消火は、スプリンクラーによる大量の水や化学薬剤の散布あるいは不活性ガスの放出により、行われている。しかし、パーソナルコンピュータなどの情報機器がオフィスに普及した今、従来の消火法は、これら情報機器に大きなダメージを与え、また、不活性ガスは吸引した人に健康被害を与えるなどの問題を持つ。これら問題を解決するために、極微小の帯電水ミストによる初期消火技術の開発を目指す。 |
881 |
熱帯熱マラリアの新規治療薬の開発 |
大西 義博 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
熱帯熱マラリア原虫に特異的なアミノ酸配列を有する蛋白質を遺伝子組み換えにより合成精製し、結晶化後に蛋白質の構造解析を行う。これら蛋白質の立体構造をヒト由来の類似蛋白質のそれらと比較解析することで、新たな阻害剤すなわち低分子の新規治療薬が開発できるのかどうかを検証する。 |
882 |
高性能不織布給水器緑化システムの大規模適用に関する検討 |
谷川 寅彦 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
SIMERUS(Soil Integrated Moisture Environment for Rural and Urban Sustainability)は省エネ低コスト、低環境負荷の地中連続灌漑システムであり浸出型チューブ、毛管移送型親水シート系の2つがある。小規模では実用化済みだが、大規模用は適切な製造法が確立しておらずその製造法の確立とその適用時(実証規模の緑化・栽培試験実施を予定)の技術的課題を解決する。 |
883 |
分子鋳型を用いる高精度リアルタイムセンサーの開発戦略に関する研究 |
長岡 勉 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
食品製造や医療などの現場においては検査対象物質の種類が日々増大し、大きな負担となっている。このような状況の下、化学センサーの重要度が増している。この研究で開発する分子鋳型センサーは、対象物質の種類が変わっても同一の作製手順で対応できる技術である。本課題では、この新手法を用いた化学センサーの実用化を目標とし、特に食中毒の予見に有効とされるATPセンサーや職の安全で重要視される農薬センサーの実現を目指す。 |
884 |
小型・軽量・低温動作の固体酸化物型燃料電池セルの開発 |
津久井 茂樹 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
固体酸化物型燃料電池(SOFC)は、高効率で触媒が不要など次世代のエネルギー装置として有望であるが、高温作動のため高価な耐熱材料やセラミックスなどの耐熱・脆性材料を使用しなければならない。これを解決するために、(1)低温作動(500〜700℃)、(2)耐震支持体、(3)小型の燃料電池セルを開発する。 |
885 |
高強度・高延性Ti-TiC系ニューコンセプトニ重複相材料のin-situ合成と応用 |
津田 大 |
大阪府立大学 |
竹崎 寿夫 |
大阪府立大学 |
チタン基合金のなかでTi-Al-V 合金は最も優れた機械的性質を有しているが、V は非常に高価な元素であり、Al は人体に有害であると懸念されている。そのような状況の中、我々は低コストかつ無害な元素であるC およびN に着目した。ここではTi-C-TiN 混合粉末の圧粉体を(Ar ガスあるいは窒素ガス下で)反応アーク溶解し、一挙にTi マトリックスにTiC 粒子が分散した複合材料をin-situ(その場)で合成することを試みる。ここで用いる化合物粉末TiN 中のN(窒素)はTi およびTiC の両方に固溶すると考えられ、これによりTiC 粒子の微細組織には興味ある変化がもたらされることがごく最近の研究により明らかになった。すなわち、ここで合成された粒子中ではTiC と金属Ti が共存するのである。このような複相材料の合成、微細組織観察および特性評価を通じてこれまでにない新規Ti 基あるいはTiC 基材料の開発を目指す。 |
886 |
青色発光高分子ポリフオレンの光酸化白色発光領域を用いた潜像形成 |
内藤 裕義 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
有機高分子青色発光ダイオードに用いられるポリフルオレンあるいはその共重合体は、電流駆動や紫外光照射により550 nm付近に発光ピークを有する発光帯(G Bandと呼ぶ)が現れ、発光色が青色から白色に変化する。本研究では、紫外光露光により発光が白色化した劣化部位と未露光の青色発光部位とを用いた潜像(現像などの操作を施さないと目には見えない像のこと)形成技術を確立し、情報の秘匿や製品の真贋判定を可能にする。ここでは、ポリフルオレン薄膜に二次元バーコードを記録し(記録したコードは潜像である)、ブラックライト照明下でコードを読み出すという原理を用いる。 |
887 |
複合照射還元によるナノ微粒子生成制御法の開発に関する研究 |
堀 史説 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
金属イオン水溶液への超音波及び放射線照射還元でナノ微粒子を生成できる事が知られているが、超音波では構造制御が容易だが大量生産が難しく放射線照射ではその反対である。これら2つの相反する性格の還元法を複合的に行う事により大量に構造制御する方法を確立することを目指す。その方法として微量な超音波還元により微粒子の核を生成しながら放射線などの照射を行い、照射パラメータを制御して成長する微粒子の構造などの制御を試みる。生製した微粒子はサイズや構造を調べ、それらと照射のパラメータの相関を見出し、時間と生成率(量)及び粒子の構造等について検討する。 |
888 |
環境調和型有機ラジカル反応の開発 |
柳 日馨 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
ラジカル反応が21世紀型の有機合成反応となるために、本研究では環境および健康リスク削減の観点からラジカル反応に適した新しい反応媒体、新しい反応試薬に対する検討を行い、ラジカル反応の刷新につなげたい。多くの有用なラジカル反応プロセスでは毒性のある有機スズヒドリドを還元型メディエーターとして用いてきたが、本研究では脱スズ型ラジカル反応を毒性の少ないホウ素ヒドリド種または光照射反応により達成する。 |
889 |
ヒト水棲型嗅覚受容体の機能解析と新たな水溶性匂い分子の探索 |
廣田 順二 |
東京工業大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
嗅覚受容体は、系統発生学的に水棲型と陸棲型の2つのファミリーに分類される。水棲型嗅覚受容体は魚類の嗅覚受容体に類似し、水溶性の匂い分子を受容するものと考えられている。またほぼすべての脊椎動物に保存されていることから、何らかの重要な生理機能をもつものと考えられる。本研究課題では、水棲型嗅覚受容体遺伝子の機能的発現系の構築し、新規“水溶性の匂い分子”の探索と同定を行う。 |
890 |
高磁歪金属ガラスの開発と応用 |
網谷 健児 |
東北大学 |
辻 公志 |
科学技術振興機構 |
逆磁歪現象を利用したセンサには高磁歪化合物が用いられるが、脆く、引張方向には弱いため種々の問題を有している。一方、従来の非晶質合金は優れた機械的特性を有し、磁歪材料のニッケルと同等の磁歪を示す合金もあるが、リボン形状しか得られずセンサ材料として実用的ではない。本課題は、金属ガラスの優れた機械的特性と、市販の非晶質合金を超える磁歪特性を兼ね備え、かつ実用化に耐えうる新たな高磁歪金属ガラスを得ることを目標としている。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
891 |
プロセス化学を指向する革新的C−アシル化反応の開発と医農薬合成への応用 |
田辺 陽 |
関西学院大学 |
山本 泰 |
関西学院大学 |
医農薬・生理活性物質・天然物の合成で最も汎用されるアシル化反応に関し,研究代表者は,新薬等の開発に寄与すべく,革新的アシル化反応を開発し社会へコミットしてきた.ここで, total cost-effective な「速かろう・安かろう・良かろう」を基本的なコンセプトとするアシル化,特に炭素のアシル化のさらなる充実を図るプロセス化学を目指す.そのため, ① カルボン酸・エステル・酸クロリド間における選択的・高速・経済的C−アシル化の開発,② 不斉C−アシル化反応の開発と最短段階・最高通算収率の全合成への応用,③ React-IR 装置を駆使する反応機構の解明,を行う. |
892 |
ドメイン干渉を利用した遺伝子の機能発現抑制法の可能性試験 |
藤原 伸介 |
関西学院大学 |
大野 安男 |
科学技術振興機構 |
本研究は遺伝子の機能発現をタンパク質のフォールディング段階で抑制する技術の開発を目指す。従来のRNA干渉法やアンチセンス法とは異なり、タンパク質のフォールディング干渉を利用した抑制法が可能であるかを検証する。ドメイン構造の明確なモデル酵素を利用し、これを標的として部分ドメインを共発現させ、標的酵素分子の機能消失が可能であるかを調べる。また、in vitroでの実験を通じて干渉作用に必要な条件を導き、最終的には、特異的に遺伝子の機能発現を抑制する技術の一般化を目指したい。 |
893 |
歩行者の動態自動計測法の研究 |
田中 雅博 |
甲南大学 |
榊 剛夫 |
甲南大学 |
歩行者の動態調査の自動化を図ることを目的として、スキャナ式レンジセンサーを用いた歩行者カウンタを開発する。一次元スキャナ式レンジセンサーを通路脇の壁の高いところに取り付け、通路の向きと垂直な面でスキャンすることにより、進行方向別の通行人の数の情報を取得することができる。歩行者の方向を検出するために、2台のスキャナを用いる。また、レンジセンサーの特質を利用して、小さい子供とそれ以外の人の区別も行う。 |
894 |
安全・安心な生活を守るための光る傾斜計の開発 |
芥川 真一 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
地すべり,土砂崩れ,古い建造物の崩壊などの災害から市民を守るために不可欠な動態観測を,低コストで実現し,その結果を全く新しい方法で住民に情報開示するための「人々を守る光のシステム」を構築することを最終目的とする.その第2弾として,任意点の傾斜を検知し,それをフルカラー発光ダイオードの光の色によって表示するための装置「光る傾斜計」を開発する.これにより24時間体制での動態監視システムを低コストで実現でき,「環境の状態変化(ここでは傾斜状態)が常時,光の色によって開示される新しい安全管理システム」の基礎が構築できる. |
895 |
核酸性分子認識素子による疾病関連タンパク質高感度検出システムの開発 |
丸山 達生 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
本研究では、抗体タンパク質と同等の分子認識能を有し、かつ塩基配列により様々な分子を認識可能な核酸を分子認識素子として用い、抗体タンパク質に依存しない新しい高感度分析方法の開発を目的とする。具体的には、この核酸性分子認識素子が分析対象分子を捕捉する現象を、核酸性分子認識素子に独自に開発した方法で化学的に複合化させた酵素により読み出し、検出感度の高感度化を図る。 |
896 |
アスファルト混合物の高温域でのせん断特性の評価に関する研究 |
吉田 信之 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
本課題では、アスファルト混合物のせん断強度およびスティフネスを常温から60℃程度の温度領域まで評価する方法を開発することを目的とする。申請者がこれまで研究してきた試験装置に改良を加えて、アスファルト混合物供試体をねじったときの応答にもとづいて高温域までのせん断特性を評価する方法を提案する。さらに、代表的な数種類のアスファルト混合物のせん断特性の評価を行い評価方法の感度について検討する。 |
897 |
ペプチドメタボロミクスによる大腸がんバイオマーカーの確立とその臨床応用 |
吉田 優 |
神戸大学 |
榑林 陽一 |
神戸大学 |
病態時の細胞では、疾患関連タンパク質の細胞外への分泌、あるいはプロテアーゼによる分解により代謝・分解された新たなペプチド産物が生成される。しかし、そのペプチド産物を網羅的、かつ包括的に解析した研究は十分に成果を達成していない。今回我々は高感度液体クロマトグラフィーと質量分析計とを組み合わせた複合解析システムを用いて、大腸がん特異的ペプチド性代謝産物を同定することで、新たな大腸がん特異的バイオマーカーを見出し、さらにその臨床応用を目指す。 |
898 |
多機能型高温耐性誘導剤の開発 |
山内 靖雄 |
神戸大学 |
柘原 岳人 |
神戸大学 |
植物を取り巻く環境は悪化の一途を辿っている。特に地球温暖化にともなう気温上昇と熱帯化は、光合成をはじめ植物の様々な機能に悪影響を及ぼし、生育の劣化をもたらしている。そのため、植物に高温耐性をもたらす施策の開発は喫緊の課題である。本研究では、遺伝子組換え技術によらない、植物内在性化学物質の簡便な処理によって植物の高温ストレス耐性能の向上をもたらし、活生育促進剤としての機能を持つ薬剤の開発を目的としている。 |
899 |
食肉熟成度の客観的評価法の開発 |
山之上 稔 |
神戸大学 |
鶴田 宏樹 |
神戸大学 |
身近で高機能な食品である食肉は、家畜の骨格筋を低温で一定期間熟成させて供給される。現在、食肉の熟成の良否また熟成度合は個々の状況で経験的に判断、評価されているが、食肉の流通や保存時の品質管理、さらに増大する輸入肉の評価等において客観的な熟成度評価法が必要とされる。本試験では熟成中の食肉軟化に着目し、筋原線維小片化の要因であるZ線のぜい弱性を熟成指標として測定する方法を確立し、食肉熟成度の客観的評価法を開発することを目的としている。 |
900 |
メタボローム解析を用いた各種呼吸器検体の比較と新たなバイオマーカーの確立 |
小林 和幸 |
神戸大学 |
榑林 陽一 |
神戸大学 |
呼吸器疾患に関連する新たなバイオマーカーの検出と各種気道由来検体(肺胞洗浄液、気道被覆液、気道凝縮液)が、各呼吸器疾患に持つ意義を明らかにすることを目的とする。方法として、間質性肺炎および肺癌患者を対象に、各気道由来サンプルを採取し、メタボローム解析を行うことで、各サンプル採取法の相違点を明らかにし、各疾患の病態を最も反映する気道検体採取法を確立するとともに、新たなバイオマーカーとなるタンパクの同定を目指す。 |
901 |
新規がん抑制遺伝子TFLの遺伝子診断法 |
松井 利充 |
神戸大学 |
榑林 陽一 |
神戸大学 |
ヒト染色体分析から発見された癌遺伝子・がん抑制遺伝子を標的とした新しい抗がん剤の臨床開発が進んでいる。私達は低悪性度の濾胞性リンパ腫から中高度悪性群の瀰漫性大細胞型B細胞リンパ腫への形質転換に際し新たに出現した染色体転座より6番染色体長腕に位置する新しい「がん抑制遺伝子」を発見した。この遺伝子をTransformed follicular lymphoma (TFL) と名付け、その機能解析を進めてきた。本研究では、患者検体におけるTFL遺伝子欠損を明らかにする遺伝子診断法を確立することを目的とする。 |
902 |
腹部臓器の高分解能MR撮像のための体内RFコイル開発 |
松岡 雄一郎 |
神戸大学 |
榑林 陽一 |
神戸大学 |
当研究は、MRIで膵管、胆管の高分解能画像を取得するための消化管内設置可能なRFコイルを開発するものである。RFコイルに近い領域ほど高信号となるコイル特性を利用し、RFコイルは有線あるいは無線型として内視鏡を介して消化管内へ挿入し、撮像対象とする膵臓や胆嚢に近接させMR撮像を行い、膵管や胆管の高空間分解能断層像の描出を目指す。コイル調整は生体モデルあるいは摘出組織を対象として行い、動物実験で撮像条件、コイル構造の最適化を行う。 |
903 |
食道癌におけるMR内視鏡システムを用いた新たな診断法の開発 |
森田 圭紀 |
神戸大学 |
榑林 陽一 |
神戸大学 |
食道癌は予後不良な疾患とされてきたが、近年の内視鏡的治療・外科的治療・放射線化学療法の進歩により長期予後が望める症例も増加してきた。そのため食道癌におけるより詳細な質的診断を得ることを目的として、微小病変も発見可能な内視鏡に、計測量の多様性・空間領域の任意選択性・無被爆性などといった優れた特徴を持つMRIを組み合わせ、Augmented Reality(AR)技術による3次元画像の描出を目指した「MR内視鏡システム」の開発を計画した。 |
904 |
タンパク質構造データマイニング |
大川 剛直 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
タンパク質機能部位の特徴的パターンを網羅的に定義できれば、個人に固有の生体内機能を、ゲノムデータをもとに計算機処理で明らかにでき、個人別医療の実用化に向けて大きな一歩を踏み出すことが可能となる。そのためには、タンパク質の構造・相互作用・ダイナミクスを考慮したデータマイニングが必要となる。そこで、結合時の原子移動パターンを計算し、これを構造データに適用することでダイナミクスを扱うとともに、相互作用に基づくクラスタリングを構造の類似度評価に反映させることで、両者を総合的に考慮した特徴パターン抽出を実現する。 |
905 |
リップリーディングの統合による脳性麻痺発話障害者の話し言葉の認識 |
滝口 哲也 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
脳性麻痺障害者は、筋肉の緊張により不随意運動が生じ発話スタイルの変動が大きく、発話内容を健常者が聞き取る事は非常に困難である。本試験研究では、代表研究者がこれまでに研究してきた発話障害者の音声特徴量抽出法を基にして、自由な話し言葉の認識を実現するために画像処理によるリップリーディング手法との統合を実現し、実際に発話障害者における音声コミュニケーションツールとしての有効性を評価するものである。 |
906 |
キャリブレーションフリー視線計測装置の開発 |
長松 隆 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
従来の視線計測装置では、ユーザ毎に眼球の形状が異なることなどに起因する個人依存のパラメータを決定するキャリブレーションが必要であり、通常、5〜20程度の基準点をユーザが事前に注視する必要があった。本課題では、キャリブレーションなしで視線計測が出来る装置の開発を目的とする。一般に、眼球の幾何学的な中心軸(光軸)と実際の視線(視軸)は、数°ずれている。ステレオカメラを利用して両眼の光軸を求め、それを基に両眼の視軸がディスプレイ上で交わることを利用して、ディスプレイ上での注視点を求める手法を開発する。 |
907 |
胃発癌病原性ヘリコバクターピロリ感染診断の開発とその臨床応用 |
東 健 |
神戸大学 |
榑林 陽一 |
神戸大学 |
ピロリ菌は世界保健機構より1群の発癌因子に認定されている。しかし、ピロリ菌感染による胃癌発症のオッズ比は、約2〜23と国や地域により大きく異なる。本課題は、胃発癌病原性ピロリ菌感染診断キットを開発し、ピロリ菌感染による胃発癌リスク診断法を開発することを目的とし、ピロリ菌のoncoproteinであるCagAの存在とその分子多型をPCR(polymerase chain reaction)及びreal time PCRで識別する遺伝子診断キットを作製し、その診断能について解析する。 |
908 |
非破壊測定法を使用した有機肥料栽培野菜品質モニタシステムの開発 |
白石 斉聖 |
神戸大学 |
柘原 岳人 |
神戸大学 |
有機栽培野菜は安全・安心を期待されているが、栽培野菜の内部品質に関する報告は少ない。そこで野菜中硝酸イオンを指標として野菜品質モニタリングシステムを開発する。これまで簡便に短時間で硝酸イオン濃度を測定することは不可能であったが、代表研究者は近赤外線分光法を利用した新規非破壊型野菜内硝酸イオン濃度測定法を確立した。この測定手法を生産現場で使用可能とし、より安全・安心な有機肥料、有機栽培野菜を判別する手法の開発を行う。 |
909 |
クラゲ有効利用法探索を目的としたクラゲ懸濁液濃縮装置の開発 |
福士 惠一 |
神戸大学 |
西原 圭志 |
神戸大学 |
漁業や発電所等において被害をもたらすクラゲの有効利用法を探索するために、小型の真空加熱濃縮装置を製作し、回収されたクラゲ懸濁液を用いて実証試験を行う。濃縮液の成分分析等を行うことにより、クラゲ真空加熱濃縮装置の大型化の実現可能性や、得られる濃縮液の有用性について検討することを目的とする。最終的には、ゴミ焼却場の廃熱等により得られる温水及び電力を利用した大型の真空加熱濃縮装置の開発を行う。 |
910 |
メタボローム解析を用いた農薬およびその代謝物の高感度測定系の確立 |
平井 みどり |
神戸大学 |
榑林 陽一 |
神戸大学 |
近年、加工食品における農薬の混入が問題視されている。これらは長期間の摂取により健康に重大な被害を与える可能性があるが、少量の場合では原因物質を特定することは困難である。漢方薬や医薬品、いわゆる健康食品などは原材料として植物を使用しており、残留農薬の影響が懸念されている。そこで申請者は質量分析総合センターと協力し、代謝物を含めた農薬の高感度な測定系(メタボローム解析)を構築すると共に、生体からの検出系の構築を行う。構築した技術を用い、安全な医薬品開発への貢献を目指す。 |
911 |
熟練機関員の聴取技能を代替する多用途対応型の打撃診断ハンマーの開発 |
木村 隆一 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
舶用内燃機関の保全作業において、熟練機関員は各部材を点検ハンマーで打撃しその打撃音から異常の有無を判定する。このような作業は安全運航の基本であり高度な熟練と経験を必要とするが、団塊世代の退職により技術の伝承が危惧され、補間技術の開発が求められている。本研究では内燃機関連接棒の締結ボルト打撃時の音をデータ化し、統計解析により打撃音と締結力の関係を明らかにするとともに、特定のボルトだけでなくサイズが異なるボルトにも適用できる診断モデルの開発を検討する。 |
912 |
兵庫県産品を活用した生活習慣病改善食品素材の開発 |
吉田 和利 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
兵庫県産品であるイチジクの生活習慣病改善作用について、これまでに生活習慣病モデル動物を用いた試験を実施したところ血糖値上昇抑制作用を見いだした。本研究ではイチジクの生活習慣病改善食品素材としての活用を目的に、血糖値上昇抑制作用の確認および食品素材としてのイチジクの成分・加工特性について検討し「糖尿病改善作用」を有する機能性飲料等の開発を目指す。 |
913 |
マイクロ弾性表面波流体素子の開発と超小型合成プラント応用 |
才木 常正 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
マイクロ流路内で化学反応場を誘起することで、著しく反応性能を向上できることが知られている。そこで、我々はマイクロ流路チップ上に弾性表面波(SAW)による能動的流体ポンプを製作し、連続流体の駆動に世界で初めて成功した。本課題では、SAWを用いて流体素子の基本である高効率なポンプと混合機の研究開発を行い、デスクトップタイプの超小型化学合成プラントに応用する事を目標とする。 |
914 |
フェノール樹脂を活用したソフトナノマテリアルの開発 |
鷲家 洋彦 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
工業用ゴム材料に求められる機能は年々高くなる一方、新たな種類のゴムは出現していない。 これまでの研究から、ニトリルゴム(NBR)に対してフェノール樹脂を相溶化させることで引張強さおよび耐オゾン性等が飛躍的に向上することを明らかにした。本研究では、フェノール樹脂の相溶化技術を天然ゴム、ウレタンゴム等へ展開し、得られたゴムの組成と物性との関係を検討し、フェノール樹脂の特徴を取り入れた新規なソフトナノマテリアルを開発することを目的とする。 |
915 |
誘電泳動を利用した迅速な免疫測定法の開発 |
安川 智之 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
誘電泳動による微粒子の局所集積化に基づく迅速で簡便な免疫測定デバイスの開発を目的としている。分析対象物質を含む溶液中で誘電泳動により抗体修飾微粒子を抗原または抗体固定化基板に瞬時(数秒以内)に集積する。免疫複合体を構築し捕捉された微粒子の数または蛍光強度から定量を行う。固体表面への抗原および抗体の拡散による不均一反応に限定されていた免疫複合体の構築を、微粒子の誘電泳動による集積化により局所領域に強制的に集約し迅速化(5分以内)および簡便化する。 |
916 |
水の磁気処理による銅管の孔食抑制技術の開発 |
花木 聡 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
近年、水の磁気処理が配管における孔食の発生を抑制できる例が報告されている。しかしながら、このような効果がなぜ得られるのかは理論的に解明されていない。本課題では磁気処理水中で銅管材料の分極試験を実施する。これにより銅管の耐孔食性に及ぼす磁気処理の効果を電気化学的に定量化し、孔食の抑制に最適な磁気処理条件を探索する。さらに、得られた知見に基づき、銅管の孔食抑制を目的とした磁気処理装置を設計、開発する。 |
917 |
半導体のナノ評価に向けた走査型過渡容量顕微鏡の開発 |
吉田 晴彦 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
半導体デバイスの特性を決める重要な要因のひとつに界面トラップがあり、その低減化及びナノメータスケールでの均一化が求められているが、有効な評価技術が開発されていないのが現状である。本課題ではミクロンスケール以上で広く用いられている過渡容量評価法とナノメータスケールでの評価が可能な走査型プローブ顕微鏡技術を融合し、ナノメータスケールでの界面トラップ評価が可能な走査型過渡容量顕微鏡の開発を目標とする。 |
918 |
非線形光混合法によるフェムト秒ストリークカメラの開発 |
高木 芳弘 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
フェムト秒レーザーが普及し、超高速の光計測を必要とする基礎研究や技術開発において、より精密、複雑、困難な条件下で高度な計測手法が求められている。本研究では非線形光学効果を利用して超高速の単発光信号を造影記録する新手法を開発する。電子計測器における光電変換の時間応答限界を光-光変換によって克服する。分光感度や時間分解能や操作性など実用的な光計測器として基本特性を評価するとともに、本開発の基盤となる非線形光学媒質における複屈折効果と群速度特性の応用的価値を実証する。 |
919 |
無歪み高分解能ホログラフィック顕微鏡の開発 |
佐藤 邦弘 |
兵庫県立大学 |
瀧澤 精一 |
兵庫県立大学 |
レンズを通さずに広い視角の物体光波面を直接的に分割記録する方法、および分割記録した広視角光波面から広い奥行きを持ち高分解能でかつ無歪みの3次元像を再生する方法を開発する。また、高精細CCDを用いて微小被写体をホログラムとして記録する装置を試作し、ホログラフィによる3次元像の記録と再生の実験を行って無歪み高分解能3次元顕微鏡開発の可能性を示す。 |
920 |
電気化学SNPタイピング法の開発 |
山名 一成 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
DNA 一塩基変異(SNP)の検出は、テーラーメイド医療における基本技術としてきわめて重要である。電気化学的SNP 検出法は、簡便で安価な実用的手法になりうるので、国内外で活発な研究開発が行われている。われわれは、電気化学SNP 検出のためのレドックスレポーターとしてアントラキノン(AQ)に着目し、AQ 修飾DNA を金電極上に固定化したDNA チップを作成した。これらのレドックス修飾DNAチップを用いて、1)ハイブリダイゼーション法と2)DNA鎖交換法を基盤とした電気化学SNP 検出の基礎技術を開発してきた。ここでは、PCR 増幅したDNAを検出対象にした試験研究を中心に行い、これらSNPセンサーの実用性を確認する。 |
921 |
レーザ・プラズマ軟X線によるSi結晶化薄膜の作製と基礎評価に関する研究 |
松尾 直人 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
本研究は、非晶質Si(a-Si)へのレーザ・プラズマ軟X線(LPX)照射による低温結晶化過程の中の核形成機構の解明に関する。具体的には集光させた高輝度LPXをa-Si薄膜に照射することにより200℃程度の低温でナノメートル寸法の微結晶粒(次段の粒成長における擬似結晶核となる)を形成し、連続して低輝度のLPX照射を行い既に形成されている微結晶粒を成長させ、新規結晶化法としても確立する。特にまだ明確になっていない擬似結晶核形成過程の物理を解明し、200℃以下で核形成/粒成長過程を制御することを目標とする。 |
922 |
カーボンナノチューブから作製したバルク材料によるガスセンサーの開発 |
中川 究也 |
兵庫県立大学 |
松井 康明 |
兵庫県立大学 |
カーボンナノチューブを原料としたスポンジ状のバルク材料を作製し、環境汚染ガスを選択的に検知するガスセンサーとして応用する技術を開発する。カーボンナノチューブを多孔性のスポンジ状バルク材料とすることで、ハンドリングを容易にし、加工性を高め、カーボンナノチューブ特有の機能性に加えて新たな特性の付与が可能となる。作製手法は代表研究者が凍結乾燥技術を援用した方法をすでに提案している。作製したバルク材料を環境汚染ガスセンサーとして実用化するために、どのような機能の付与が必要かを検討する。 |
923 |
段差被覆性に優れたIr系薄膜形成技術の開発 |
藤澤 浩訓 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
1トランジスタ-1キャパシタ(1T-1C)型の不揮発性強誘電体メモリ(FeRAM)の高集積化のためには三次元立体強誘電体キャパシタの形成技術の確立が急務である。本申請課題では,1T-1C型FeRAMへの応用を目的として、段差被覆性に優れたIr系電極薄膜形成技術(有機金属化学気相堆積法)の開発に取り組む。 |
924 |
超弾性形状記憶合金を用いた高速磁気駆動トルクアクチュエータの開発 |
日下 正広 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
近年航空産業では、軽量化による燃費低減への要求がますます高まっており、小型軽量アクチュエータの適用が期待されている。本研究では、高い負荷能力を持ちかつ超弾性効果により大変形能を有する形状記憶合金に着目し、これと磁場下で磁力を発生する強磁性材料を最適形状に複合化することにより強磁性形状記憶合金複合材を作製し、小型・軽量でかつ高負荷能力、大変形能を有する高速磁気駆動トルクアクチュエータに適用する。 |
925 |
半導体無機材料の静電紡糸プロセスの開発及びガスセンサへの応用 |
飯村 健次 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
半導体材料は、その特異な性質を持ちダイオードやトランジスタのような今日の電子工学の基礎となる半導体素子を始めとして、様々な分野で利用されていることは言うまでもない。近年では、雰囲気ガスの吸着によって電気抵抗が動的に変化する特性を利用して、ガスセンサとしての応用が進んでいる。本課題は、半導体無機材料を静電紡糸法により繊維化することで、1次元構造を有する半導体材料を大量に生産するプロセスを開発するとともに、より高機能なガスセンサを開発することを目標とする。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
960 |
酵素を用いた新規血栓溶解剤の開発 |
上杉 佳子 |
岡山県生物科学総合研究所 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
本研究は、申請者が見出した酵素を用いて新規な血栓溶解剤を開発しようとするもので、血栓症の予防に役立つ健康食品(トクホ)や治療薬を広く安価供給することを最終目標とする。血栓症は血管が血の塊で詰まる疾患であり、現在、死亡者の約3人に1人は血栓症によって死亡している。申請者は、これまでに高い血栓溶解効果を示唆する酵素を見出している。本課題では、本酵素の血栓溶解に関する定量的評価、動物実験を含めた生理活性試験および作用機序解明を実施する。 |
961 |
血中ADMAを標的とした心血管疾患治療のための抗体療法の開発 |
木本 眞順美 |
岡山県立大学 |
湯浅 光行 |
岡山県立大学 |
心血管疾患の新しいリスクファクターとして、NO産生阻害活性を示すasymmetric dimethylarginine (ADMA)が同定されている。申請者らによるADMA代謝系の系統的な研究成果から、本疾患の治療法のターゲットとして、血中ADMA濃度を直接的に低下させる方法の有効性が示されている。本研究課題は、抗体工学(キメラ抗体作製、ファージデイスプレイ法など)を駆使して作製したADMA認識ヒト型モノクローナル抗体を血中ADMA制御薬とする。このように治療効果が高く副作用の少ない新規かつ実用的な心血管疾患治療法の開発を目指すものである。 |
962 |
抗腫瘍治療薬開発指向のフラビン類縁化合物の合成と高効率酵素阻害活性試験の研究 |
永松 朝文 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
本研究は、細胞増殖機能調節に関わっている酵素のプロテインキナーゼを阻害して腫瘍細胞の増殖を阻害する新規抗腫瘍薬開発に関する研究である。特に、デアザフラビン類縁化合物に関して、コンピューターを駆使したバーチャルスクリーニング系の構築を行い、この系より得られた活性情報を基にデザインした活性有効化合物のみを合成し、そのin vitroでの癌細胞への阻害活性試験およびin vivoでの抗腫瘍活性動物試験を行う新規高効率抗腫瘍薬開発研究である。 |
963 |
バイオディーゼルを高速1段製造する実用的触媒法の開発 |
押木 俊之 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
低炭素社会を見据えたクリーンエネルギー確保は、我が国に課せられた緊急課題である。本課題では、代表研究者が独自に発見した新規触媒系をバイオディーゼル(FAME)1段階製造法へ適用検討する。そして、現行法では原理的に実現できない実用的な高速製造法実現への目処をつける。 |
964 |
成人T細胞白血病・リンパ腫の早期発見・早期診断・予後推定法の開発 |
岡 剛史 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)はその原因ウイルスであるHTLV−Iのキャリアーの中から数千人に一人の割合で発症する難治性の白血病である。現在日本で約100万人のHTLV−Iキャリアーがいるが、その中から発症する患者あるいは予後の比較的良い型から予後の悪い型のATLLに急性転化する患者を早期に発見し適切な治療を始めるための高感度・高精度検査法および患者の予後推定システムの開発を行う。 |
965 |
高精度放電加工実現のための静電吸着を利用した新しい加工油の浄化法 |
岡田 晃 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
放電加工技術においてその更なる高精度化を実現するために静電吸着を用いた新しい加工油の浄化法を提案する。静電吸着法は従来のフィルターを用いた浄化法とは全く異なり水分も除去することができる。本研究では、まず静電浄油の電気的特性の評価を行ない、静電浄油を用いた放電加工特性の解明する。またその放電加工状態を評価しながら安定化を図り、静電浄油を用いた高精度加工の実現を目指す。 |
966 |
超塑性発泡法を用いた閉気孔の選択的導入と低誘電率基板への応用 |
岸本 昭 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
高速スイッチングや高周波用途での伝送遅延を防ぐためには、絶縁基板の誘電率を下げることが有効である。本研究では絶縁体セラミックス基板を対象にして、閉気孔導入により多孔化させる技術の確立を目指とともに、低誘電率化させたい部分にのみ気孔を選択導入する新方式を提案する。 |
967 |
口腔環境モデルによる抗菌物質デリバリーシステムの機能評価 |
吉田 靖弘 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
現在の口腔ケア製品は、抗菌物質を歯質表面に留める機能を有しておらず、長期的な抗菌効果は期待できない。申請者が開発した多糖誘導体は抗菌物質を歯質表面に運ぶ役割を担い、かつ、歯質表面に留めておくことから、類似機能を謳った市販品の約1〜10万倍の優れた抗菌効果を発揮する。本研究では、申請者が開発した抗菌物質デリバリー機能を有するう蝕・歯周病予防剤について口腔環境モデルにより機能評価を行う。 |
968 |
自律的遺伝子変異能力を備えた新規細胞表層ディスプレー系の開発と応用 |
金山 直樹 |
岡山大学 |
遠藤 隆 |
岡山大学 |
遺伝子変異によるタンパク質機能改変では,変異の多くは不安定化や失活につながり,構造と機能を保持した変異体の効率的取得方法の開発が重要となっている。本研究は,遺伝子変異能力を有する細胞株を利用して,その変異能力により目的タンパク質遺伝子を改変し,かつ,細胞表面に発現させることにより,機能を保持した変異体タンパク質の作製を効率化する革新的な細胞表層ディスプレー系を構築する。 |
969 |
酵素を用いる“夢の繊維”ポリトリメチレンテレフタレート原料の製造 |
虎谷 哲夫 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
ポリトリメチレンテレフタレートはポリエステルとナイロンの長所を併せもつ”夢の繊維材料”として注目されているが、原料の1つトリメチレングリコール(TMG)が高価なため未だ広く普及していない。本研究では、グリセロールを酵素法により脱水した後、化学的に還元することで高純度のTMGを安価に製造することを目指す。固定化微生物菌体を酵素の袋として用いることで、変換と生成物分離とを効率的に行う。 |
970 |
炭素ナノクラスター薄膜を利用したナノバイオインターフェースの開発 |
高口 豊 |
岡山大学 |
村上 英夫 |
岡山大学 |
独自に開発した炭素ナノクラスター(カーボンナノチューブもしくはフラーレン)薄膜作製技術とデバイス作製技術を応用し、炭素ナノクラスター薄膜をバイオインターフェースへと展開する。細胞活動を電気信号に、また、電気信号を細胞活動へと相互変換可能なインターフェースを構築することで、生体内の活動をコントロールしたりモニターしたりできることが期待され、まったく新しいタイプの医療材料への応用が可能となることが期待される。 |
971 |
超高効率ラジカル酸化反応系を利用した活性炭繊維の再生 |
今村 維克 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
H2O2-電気分解処理とは,(1)導電性材料を希薄なH2O2水溶液に浸し,その状態で微弱な負電位を印加することで (2)導電性材料表面上で極めて高い酸力を有する ・OHを発生させ,(3)導電性材料表面上に吸着している有機物質を速やかに酸化分解・除去するものである.本研究では,有害有機物質が吸着した活性炭の再生にH2O2-電気分解処理を応用し,再生処理条件と吸着能の再生度の関係について検討する. |
972 |
精子の簡易的評価システムの開発と応用 |
舟橋 弘晃 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
我が国の夫婦の10%は不妊であり、その半数は乏精子症等の男性要因に因る。本課題の目的は、精液中の精子の濃度と品質を物性および化学手法を利用して簡便に評価する技術の開発と応用展開にある。本課題は、新たに見出した手法を用いて簡易的精子濃度判定キットを開発するとともに、精子の受精能を評価するために既法を応用した簡易的な可視判定キットを開発する。 |
973 |
ボツリヌス毒素無毒成分を用いた腸管ターゲッティングDDSの開発 |
小熊 恵二 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
インスリンに代表されるように、ペプチド・タンパク質薬物の経口投与は、体内における不安定さゆえに困難を窮める。本応募課題では、ボツリヌス神経毒素複合体の赤血球凝集活性を示す無毒成分(HA)が小腸上皮細胞上の糖に結合して神経毒素を効率よく腸管から吸収させる特性を利用して、ペプチド・タンパク質保護作用を有する腸管ターゲッティング微粒子を開発することにより、ペプチド・タンパク質薬物の経口デリバリーシステムを目指す。 |
974 |
高効率バイオセパレーションツールとしての微粒子の表面空間設計 |
小野 努 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
タンパク質などの分離精製コストは非常に高く、穏和な条件下において高効率で分離が可能なバイオセパレーションツールが強く求められている。クロマトグラフィーが微粒子固体表面への吸着現象を利用しているのに対して、本手法では微粒子表面に水溶性高分子鎖をグラフトして溶離液層と水性二相系を構築し、微粒子表面を「面」としてではなく分離のための「空間」として利用した新規の分配型クロマトグラフィーの開発を目指す。 |
975 |
光電変換色素を使った人工網膜(岡山大学方式人工網膜)の評価方法の確立 |
松尾 俊彦 |
岡山大学 |
高野 和潔 |
岡山県工業技術センター |
特定の光電変換色素を表面に化学結合したポリエチレン・フィルム「岡山大学方式人工網膜」について、光を当てたときにフィルム表面に誘起される電位変化を測定する方法を確立する。この測定方法を確立することによって、人工網膜の性能向上や科学的な品質管理が可能になる。 |
976 |
環境有害物質のハイスループット毒性評価試験法の開発研究 |
森 泉 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
環境汚染が社会問題になっている中で、汚染物質の検出・毒性の評価の迅速化が求められている。これまでの生体毒性評価試験は1日に数十検体がせいぜいであったが、本研究では蛍光プローブを導入した細胞を用い、1日に1万検体の毒性評価試験ができるハイスループット化を達成する。また、本技術の迅速さを利用し、試験細胞をプローブに固定化し、汚染現場で測定可能な生体毒性検出技術を開発する。 |
977 |
廃水ゼロでアクリルアミドを製造する革新的触媒法の開発 |
石塚 章斤 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
紙力増強剤や高分子凝集剤などに用いられるアクリルアミドは、年間数十万トン生産され,アミド類の中でも大きな市場規模を持つコモディティケミカルズである。アクリルアミドの製造は、従来主に菌体もしくはそれから単離した酵素を利用したニトリル水和反応(バイオ法)によって行われている。本課題では現行のバイオ法を超える革新的触媒法を開発する。 |
978 |
超精密マイクロ砥粒加工技術による樹脂成形金型のエアベント形成への応用 |
大橋 一仁 |
岡山大学 |
東 英男 |
岡山大学 |
樹脂成型金型には樹脂注入時の空気および樹脂から発生するガスを排出するための微細なエアベントが不可欠であるが、金型の形状によっては既存の機械加工技術でエアベントが加工不可能な場合があり、加工できた場合でもバリ取り作業が必要となる。本課題では、基板への機械的なマイクロパターニングに成功している吸引キャビテーション援用砥粒加工法により、金型にナノレベルの表面粗さでミクロンサイズのエアベントを形成する技術の確立を目指す。 |
979 |
リンパ管標的リポソームを使ったリンパ浮腫診断用高精度蛍光造影剤の開発 |
大橋 俊孝 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
リンパ浮腫は、さまざまな原因によって生じる慢性疾患である。リンパ管静脈吻合術を確実に行うことによって手術成績が改善されつつある。しかしながら、手術適応の判断基準となるリンパ管の客観的機能診断法は確立されていない。本課題の目的は、リンパ浮腫の早期診断のためのリンパ管特異的造影剤の開発である。我々の持つ分子標的リポソーム技術により、リンパ管内皮をターゲットとした蛍光リポソーム作製と、リンパ管の機能的定量法の確立を行う。 |
980 |
急性脳炎・脳症の罹患リスクの判定技術の改良・開発 |
大内田 守 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
急性脳炎・脳症の中でもインフルエンザ脳症は主に6歳以下の子供が罹り、日本で毎年300人前後の患者が発生している。脳症発症後102日で死に至ることもあり、死亡率は30%、後遺症も25%の患者に認められる重篤な疾患である。できる限り早く治療を始めたほうが軽く済むが、インフルエンザに感染した際に誰が急性脳症に進行するか不明である。本課題は急性脳炎・脳症の罹患危険度検査法の実用化に向けての改良と検出効率の向上を目指す研究である。 |
981 |
植物種特異的な生育促進作用を持つ細菌の微生物農薬としての応用 |
谷 明生 |
岡山大学 |
遠藤 隆 |
岡山大学 |
植物には様々な微生物が共存し、有機成分の無機化、窒素固定などを通じて植物の生育に貢献している。植物は生長に伴い廃棄物として揮発性有機化合物(VOC)を排出することはあまり知られていない。本研究では植物に共存して植物生育の促進作用を持ち、かつVOCに生育できる微生物を網羅的にスクリーニングし、重要な作物の生育を促進するそれぞれ特異的な菌を見いだし、無害な微生物農薬として実用化することを目的とする。 |
982 |
極性な電子秩序とその崩壊で室温で動作するメモリー素子の開発と応用 |
池田 直 |
岡山大学 |
遠藤 隆 |
岡山大学 |
室温にある電気分極を持つ電子の規則配列構造の崩壊と再凝集過程について詳細な検討を行い、この現象を応用した電子素子の原理動作提案を行う。このため,(1) RFe2O4バルク試料について化学当量比と酸素欠損量をパラメータとした多量の試料生産を行い、同時に (2)電子秩序強誘電性崩壊条件近傍にある非線形電気伝導特性の精密な再現条件を解明する。 |
983 |
新規アシラーゼを用いたタンパク質への部位特異的脂肪酸付加方法の開発 |
中西 一弘 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
タンパク質に脂肪酸を付加することにより、乳化性、脂溶性やゲル形成能などの物性及び抗原性の改善など、高度な機能の付与が可能となる。本研究では、放線菌の培養上清中から単離された新規アシラーゼを用いたタンパク質部位特異的脂肪酸付加方法を開発すると共にタンパク質機能を検証する。 |
984 |
コンクリートの磁気的リアルタイム水分量検査方法の開発 |
塚田 啓二 |
岡山大学 |
松浦 啓克 |
岡山大学 |
低周波磁場照射によって生コンクリートから発生する磁場を計測する高感度磁気計測システムを開発する。この装置により、従来出来なかった建築現場での生コンクリートの水分量をリアルタイム計測可能とするものである。生コンクリートには対象の水の反磁性特性による信号のほか、磁気的特性が異なる砂鉄などの強磁性体などの信号が混在している。これらの信号を分離し、しかも環境磁気雑音中で計測できる高感度磁気計測方法を開発する。 |
985 |
ポルフィリン蓄積促進化合物の探索と光線力学的治療への応用 |
藤田 洋史 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
岡山医学振興会 |
ポルフィリンを利用した光線力学的治療法は、癌細胞特異的に蓄積する性質と、光線照射により活性酸素を生成する性質の両方を組み合わせている。しかし、厚みのある癌組織では、その治療効果は低い。この欠点は、ポルフィリンの蓄積を促進することで克服できる。本課題では、申請者のポルフィリン量を、迅速に定量する技術を活用して、癌細胞においてポルフィリンの蓄積を促進する化合物を、検索することを目的とした。 |
986 |
ISFETを用いた多検体自動測定バイオセンサシステムの開発 |
毛利 聡 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
応答時間がmsecと短く、感応部が微細なISFET(イオン感応性電界効果トランジスタ)を用いて、pH測定をベースとする微量溶液中の細胞による産生物(CO2、NaHCO3、乳酸)のバイオセンシングシステムを構築する。また、拡張性を高めるための自動化システムとの組み合わせ(自動化ロボット部分のハードウエアと基本ソフトを作製)を進めて、実用化に向けて多検体の培養細胞の呼吸・代謝活性を迅速評価出来るシステムを構築する。 |
987 |
残留農薬検出用バイオチップの開発 |
永谷 尚紀 |
岡山理科大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
現在、食品に残留する有機リン系農薬が問題となっている。有機リン系農薬は、酵素アセチルコリンエステラーゼの活性を阻害する。この酵素の活性は、基質をアセチルチオコリンとすることによって生成物であるチオコリンを電気化学的に測定することが可能であり、高感度に残留農薬の検出が可能である。しかしながら、簡便に検出する手法には至っていない。そこで、酵素、電極を配置したバイオチップを作製し、簡便に残留農薬が測定可能であるか検討を行う。 |
988 |
有機触媒を用いるアミン類の選択的酸素酸化触媒反応 |
村橋 俊一 |
岡山理科大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
本研究では環境調和型のクリーンな酸素酸化触媒プロセスの開拓を行う。金属錯体を触媒とする酸化触媒反応に対比して、有機触媒を用いて分子状酸素による温和な条件下、選択的にアミン類を酸化する環境負荷の少ない酸化触媒反応を開拓する。これは極めて困難な課題であるが、これまでにない有機触媒を用いることにより新しい原理が生まれ、工業化プロセスへの展開が期待できる。これらの新触媒反応の確立と評価を行う。 |
989 |
高効率マイクロリアクターの開発と応用 |
平野 博之 |
岡山理科大学 |
安井 茂男 |
岡山理科大学 |
申請者らがすでに特許出願を完了している技術に基づくマイクロリアクターの製作を目指す。このマイクロリアクターは、相互に溶解しない2種類の流体をマイクロチャンネル内で合流させることで、各々の流体セグメントが交互に出現する現象(液々二相スラグ流)を応用したものである。とくに各々の流体スラグが生成する際に生じる渦に着目し、これを有効に利用した構造のマイクロリアクターを設計製作し、各種効率の向上を図る。 |
990 |
情報保障用 マスク型音声認識静音マイクの開発と応用 |
佐藤 匡 |
吉備国際大学 |
原田 亮二 |
吉備国際大学 |
社会における情報保障のニーズは年々高まっている。最も有効だと考えられる音声認識による情報保障については、利用者の近くで情報保障提供者がリスピーク(復唱)方式で音声認識を行うのが現実的である。だが、リスピーク音声が周囲への騒音となること、周囲の音声を誤認識してしまうことなど、音声認識精度に直接影響を与えるマイクについて有効なものがないのが現状である。本研究では、これを解決するマイクを検討する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
991 |
製紙用パルプ液の繊維分散プロモータの開発 |
角田 勝 |
近畿大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
本研究では抄紙機ヘッドボックスをモデル化した流路中に円柱状の分散プロモータを設置して、高濃度パルプ液の繊維の分散を促進する効果について申請者が開発した濃度解析法を用いて評価するとともに、最適な分散プロモータを開発することを目的とする。さらに、これらの研究を通じて、脱水設備の小型化と省エネルギーを計るべく、次世代抄紙機に向けて分散プロモータの適用について提言する。 |
992 |
雨水による床冷暖房システムの開発 |
市川 尚紀 |
近畿大学 |
佐々木 正勝 |
ひろしま産業振興機構 |
地球温暖化防止に向けた建築技術の一つとして、エアコンに頼らず快適な環境をつくることができる「雨水と自然エネルギーによる自然冷暖房システム」の開発を目的とする。具体的には、実物大の木造住宅モデルを用いて「太陽熱で雨水を温めた床暖房(冬季)」及び「地中熱で雨水を冷やした床冷房(夏季)」の実験を行い、その効果を定量的に把握する。 |
993 |
嚥下機能の低下した高齢者のためのたんぱく質含有粉末食品の開発 |
栢下 淳 |
県立広島大学 |
佐伯 達志 |
県立広島大学 |
日本では、高齢化社会の進展と共に、嚥下障害患者も増加し、適切な食事が提供されないために低栄養に陥ってしまう高齢者も多い。また、肺炎で亡くなる方は、7割が誤嚥性肺炎であるとの報告もある。本研究室では、聖隷三方原病院と共同研究により、摂食嚥下障害者に適する食品物性の客観的な基準を作成した。この基準をもとに、たんぱく質を豊富に含む、肉類を用い、食事基準に適応するような加工食品について検討を行ない、嚥下障害の人に対しても適切な物性のおいしい食事を提供しようと試みる。 |
994 |
定周波高効率直流電力変換器の映写用電源装置への実応用化 |
三島 智和 |
呉工業高等専門学校 |
野地 英治 |
くれ産業振興センター |
本研究課題では,昨今急速に需要が伸びるハイテク家電の薄型テレビや映写用機器(プロジェクタ)の光源負荷に適する電力変換装置の省エネ化・高性能化に焦点をあて,その消費電力を低減し,より小型・軽量,静粛性を備えた高機能電源装置の実現を目指す。この電源装置として,研究代表者がこれまでに独自に考案した高周波スイッチングモード直流電力変換回路(DC-DCコンバータ)を応用する。 |
995 |
イチゴ収穫の延長と前進化を図る栽培ベッド冷却技術の開発 |
伊藤 栄治 |
広島県立総合技術研究所 |
濱田 高義 |
くれ産業振興センター |
申請者は、イチゴ栽培において可動式の栽培ベッドを立体配置し、従来の4倍の株数を導入できる『2段吊り上げシーソーシステム』を開発中である。本提案では、本システムの栽培技術である『イチゴ株据置栽培』において収穫期間を7月上旬まで延長し、『気化潜熱による培地冷却技術』を活用して花芽分化促進を図ることで、慣行より20日早い11月上旬から収穫を開始する技術を開発する。本技術開発後は、イチゴの周年収穫体系の確立に向け、技術展開を図る。 |
996 |
異なる熱処理方法を利用した高機能木質材料の開発 |
古山 安之 |
広島県立総合技術研究所 |
槙野 勝昭 |
ひろしま産業振興機構 |
1.常圧加熱(乾燥状態),加圧水蒸気加熱などによる熱処理において,温度や熱処理時間などの条件に伴う物性の変化を評価する。評価事項としては木材の寸法安定性や強度,接着性,耐光性などであり,熱処理条件により,木材の物性に及ぼす影響を明らかにする。2.常圧で水蒸気を併用して簡便な設備でありながら,できるだけ低い温度で材料の変色を抑えた熱処理を行う工程を検討する。また,物性の評価を行い,他の熱処理方法との比較を行う。 |
997 |
鋼板の摩擦攪拌点接合用工具の長寿命化・低コスト化への挑戦 |
坂村 勝 |
広島県立総合技術研究所 |
槙野 勝昭 |
ひろしま産業振興機構 |
自動車製造工程における接合時の省エネルギー化やクリーン化の観点から、スポット溶接の代替技術として摩擦撹拌点接合が注目されている。しかし、自動車用材料の大半を占める鋼については、工具の耐久性の問題から実用化が進んでいないのが現状である。学会レベルでは鋼の接合についての研究事例が示されているものの、1本数十万円という非常に高価な工具を用いている。これに対して本研究開発では、工具の形状や工具の思想そのものを見直すことにより、鋼の接合に適用できる、1本数千円レベルと安価で、かつ、工具寿命1万打点を有する工具の開発を行うことを目的としている。 |
998 |
加圧・減圧連続処理による食材表面の新規殺菌技術の開発 |
重田 有仁 |
広島県立総合技術研究所 |
山下 民治 |
くれ産業振興センター |
生鮮食品、特に野菜や果実等の表面構造が複雑な食品については、従来の洗浄や次亜塩素酸処理では殺菌が困難である。本研究では、減圧と加圧の連続処理により炭酸ガス・エタノール蒸気等の殺菌剤を食品表面に効果的に吸着させる技術を開発し、これまで殺菌が困難であった食品の新たな表面殺菌技術を確立する。本研究では殺菌条件の最適化、大腸菌・カビ・酵母等、種々の微生物に対する殺菌効果の明確化を行う。 |
999 |
超音波による食品中の異物検出 |
青山 康司 |
広島県立総合技術研究所 |
山下 民治 |
くれ産業振興センター |
食品の異物検出には、金属探知機、X線異物検出機などが利用されているが、これらでは検出できない異物も多く存在する。超音波技術は非破壊で内部の情報を得るのに有効な手法であるが、食品分野での利用例は少ない。 本研究では、食品への超音波照射で得られたエコー画像の解析に基づく異物検出システムを開発する。研究項目として、食品異物検査に適した超音波照射条件の検討、エコー画像に適した画像解析法の開発、対象食品の明確化を予定している。 |
1000 |
ユニバーサルデザイン開発技術による次世代背負い型機械フレームの開発 |
中村 幸司 |
広島県立総合技術研究所 |
野地 英治 |
くれ産業振興センター |
主に農林、園芸作業に用いられる既存のエンジン付き背負い型機械は、荷重が肩に集中し痛みや傷害を発生させている。また、機械が作業者の動作に追従せず揺動することにより作業がしにくく、負担を増している。本研究では、身体負担の軽減と作業性の向上を実現するため、腰部、肩部の支持方法等により、身体や作業動作にフィッティング(適合)し、体格差や作業特性にアジャスト(調整)可能な次世代背負い型機械フレームを開発する。 |
1001 |
空気伝播型センサーを用いたガイド波欠陥検査技術の開発 |
問山 清和 |
広島県立総合技術研究所 |
野地 英治 |
くれ産業振興センター |
空気伝搬型超音波センサーを使い、非接触で広範囲を高速に欠陥検査するガイド波検査技術を開発する。同センサーはもともと送受信効率が悪い。さらにガイド波の分散性による空間分解能劣化のため実用化されていない。そこで独自の信号処理と、効率の良い広帯域空気伝播型センサーを適用して、ガイド波信号のSN比と空間分解能を大幅に改善し、革新的な非破壊検査装置の実用化を目指す。本研究の成果は、光学フィルムの欠陥検査、圧延材、CFRP等の検査など、多くの薄板材等の検査に適用が期待される。 |
1002 |
ベッドにおける生体情報検出装置の開発 |
米澤 良治 |
広島工業大学 |
馬場 榮一 |
広島工業大学 |
本研究は、ベッドマットレス内に超音波送受信器のみを設置し、マットレスの変形に伴う超音波伝播強度から生体信号(脈波、呼吸、体動)の記録を、就寝者に知覚されることなく行うことが出来る。本構成は、就寝者にセンサ装着等の負担をかけず、快適な睡眠が得られると同時に、就寝者に異常が発生したときはいち早くこれを検知することができる。 |
1003 |
カメラ画像による光透過高粘性流体の異物検出の高精度高速化に関する研究 |
河野 進 |
広島国際大学 |
濱田 高義 |
くれ産業振興センター |
高粘性流体中の異物検出は従来目視で行っている。異物検出の自動化を行うとき、この流体に固形物が含まれていると異物が固形物の下にあるとカメラ画像での検出は難しい。流体や固形物が光を透過する場合、この性質を用いて固形物の下や内部にある異物を検出する。本研究では光透過高粘性流体に異物が混入している場合を想定し、異物自動検出装置の実用化に不可欠な高検出率・高速検出かつ低価格な異物検出手法を確立する。 |
1004 |
騒音に頑健な骨導音インタフェースの実用化 |
石光 俊介 |
広島市立大学 |
山田 洋 |
広島市立大学 |
音声認識システムは実用化時代を迎え、システム応用へと研究の対象が移行しはじめている。しかし、音声は周りの騒音や会話などの影響を受けやすいという問題点がある。本研究は0dBSNR以下の劣悪な騒音環境下での音声認識システムの研究がほとんど成されていなかったことに対し、骨導音を用いてそれを実現すると共に問題となる音質についても検討する。そのことにより劣悪な騒音下でのインタフェースシステム構築とその実用化を目的とする。 |
1005 |
低温領域で安定に作用する金、銀ナノ粒子触媒の開発 |
Galif Kutluk |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
粒径が205nmの範囲におけるAuナノ粒子が低温域においてCOの酸化反応に高い活性効果を示しているが、自動車エンジンの定常作動温度ではAu粒子同士が凝集して失活するため、実用化に到っていない。本研究は高温におけるAu,Agなどの貴金属ナノ粒子同士の凝集を防止するため、ガス中蒸発法にて形成した金、銀ナノ粒子の表面にレーザーアブレーションにより生成した高融点金属(Ti,Ta,W)原子蒸気を固着させて、二元系ナノ粒子を形成させることにより、自動車エンジン低温領域でCO、HC除去する安定な触媒を開発する。 |
1006 |
極めて低い光反射率を有する表面の開発 |
加藤 昌彦 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
昨年度,米国大学の研究チームにより,ダーヤモンドライクカーボンを表面に形成させることにより,反射率の低減が可能であることが実験的に示された.本課題では,レーザー技術等を使用することにより,表面に微細な凹凸を形成させ,ダイヤモンドライクカーボンを上回る極めて低い光反射率を有する表面の開発を目指す. |
1007 |
新規培養法による造血幹細胞の体外増幅の開発 |
梶梅 輝之 |
広島大学 |
山田 一徳 |
広島大学 |
本研究では我々の開発した特殊非沈殿浮遊培養を用いてヒト骨髄あるいは臍帯血由来造血幹細胞を微小重力条件下で各種造血因子存在のもとに培養を行い、自己複製能を有した効率の良い造血幹細胞の体外増幅を目的としている。本培養法によるヒト造血幹細胞の増幅、生存維持、胚葉を越えた多分化能を免疫不全マウスを用いた異種間移植で実証し、造血幹細胞移植への臨床応用を考えている。 |
1008 |
歯科インプラント治療のためのγGTPを用いた診断システムの構築と新規治療法の開発 |
宮内 睦美 |
広島大学 |
前田 裕司 |
広島大学 |
歯牙喪失による口腔機能の回復手段としてインプラントの需要は爆発的に増加している。インプラントの長期安定性には、インプラント周囲炎の病状(疾患活動性)を正確に把握し、早期治療を行う事が重要となるが、疾患活動性を正確に表す指標はない。 我々はγGTPの歯肉溝での上昇が歯槽骨破壊の進行と相関する事を明らかとした。本研究では、疾患活動度把握のための検査法としてγGTPを用いた診断システムを構築するとともにγGTPを標的とした治療の確立を目的とする。 |
1009 |
物理的かく乱に強い干潟地盤埋設型の有用二枚貝養殖技術の開発 |
駒井 克昭 |
広島大学 |
三原 博道 |
広島大学 |
本研究では,高潮や高波、洪水などによる物理的かく乱に強い干潟地盤中での有用二枚貝の養殖技術の開発を行う。このため、有用二枚貝の生息に適した現地干潟地盤の埋没環境条件を定量的に探索し、干潟地盤中での養殖の可能性とその生息条件の把握、ならびに二枚貝の成長に適した環境を明らかにする。 |
1010 |
温度変化で簡便に再生が可能な新しい複合化イオン吸着微粒子の開発 |
後藤 健彦 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
工業廃水や地下水へのフッ素やリン酸等の陰イオン溶出が問題となっている。従来、これら有害陰イオンの主な除去方法はイオン交換樹脂による吸着除去であるが、吸着後の樹脂の再生処理に高濃度のアルカリ溶液が必要であり、それが新たな廃棄物となるなどの課題がある。これらの課題を解決するために感温性高分子および陽イオン基を持つ高分子を磁性粒子と複合化し、磁石を用いた回収と温度変化による再生が可能な微粒子型吸着材を開発する。 |
1011 |
新規分子設計を指向する放線菌由来工業酵素の機能開発 |
荒川 賢治 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
放線菌は、9,000種を超える抗生物質の実に7割以上を生産する有用工業微生物である。それら生理活性物質は多段階酵素反応で作られており、各酵素の組み合わせを変えることで指数関数的に新規化合物が得られる可能性を秘めている。しかし酵素独自の基質特異性がネックとなり、適用範囲に限界があった。そこで本試験研究では我々が新たに見出した放線菌由来の生合成酵素に注目し、工業酵素としての実用化試験を行い、今までに例を見ない分子構築法の開発を目指す。 |
1012 |
OHラジカルの酸化力を利用した新規殺菌剤の開発−イチゴうどんこ病などへの適用 |
佐久川 弘 |
広島大学 |
秋田 直宏 |
広島大学 |
過酸化水素水に鉄を添加した光フェントン試薬は、数ppmの低濃度でも太陽光のもとでOHラジカルを持続的に生成する能力があり、有害有機物の排水処理等に近年用いられている。OHラジカルは活性酸素種の代表物質であり、病原菌防除に大きな効果が期待される。光フェントン試薬は、化学農薬に比べ安全性が高く、また太陽光や微生物により容易に分解されるので環境中での残留性が低いことが期待される。そこで,1)イチゴうどんこ病を対象に光フェントン試薬の処理条件、防除効果、効率的施用法等を検討し、2)トマトやキュウリなどの他作物への適用性を探り、3)作用機作の解明及び安全性や環境残留性を検討することで、特許取得および農薬としての実用化を図る。 |
1013 |
内部養生による石炭灰の構造用コンクリートへの有効利用法の開発と応用 |
佐藤 良一 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
石炭灰の有効活用は、古くから求められているが、未だその活用は限られ、廃棄される量も多い。活用される場合も、比較的低強度のコンクリート構造物が多く、上部工に活用されたこともない。この理由は、普通セメントに比べ、長期間の湿潤養生を必要とし、早期強度発現も遅いためである。そこで、高強度発現を可能とする多孔性セラミック(廃瓦)を骨材の一部として置換し、当該骨材から水分供給することによって,コンクリートの内部養生効果を発揮させ、産業副産物である石炭灰の構造用コンクリートへの有効利用を図る。 |
1014 |
マイクロサイズ粒子などを用いた高速乗り物の制振・静音化技術の開発 |
三枝 省三 |
広島大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
新幹線電車、船舶等どの移動手段の高速化には大きな課題がある。一方、原油の高騰をうけ、省エネと環境への配慮から軽量化が必須となる。その為、発生する振動や騒音の低減は大きな技術課題となっている。従来、二重鋼板などが用いられているがコスト面で困難な事が多い。本研究では、マイクロサイズ粒子と開発済みのミリサイズ粒子を混合させて「エネルギー散逸効果を向上させる」ことにより制振・静音化技術を開発する。従来方法に比し構造減衰比ζ>10%、騒音で6dB(A)の静音低減化効果を目標にしている。 |
1015 |
多孔質絞り制御による新規静圧空気ベアリングの開発 |
山田 啓司 |
広島大学 |
松井 亨景 |
広島大学 |
多孔質絞り静圧空気ベアリングは大負荷容量・高安定性という特長を有している。従来は、多孔質焼結体を研削加工によって形状精度を確保した後、ラッピング(研磨)によって仕上げられている。これは研削加工時に発生する多孔質体の目つぶれ状態を制御できないために、通気性を回復し、多孔質絞り効果を調整することが目的であった。 本研究課題では、研削加工時の目つぶれを任意に制御して多孔質体を研削加工によって仕上げることで、ラッピング工程を経ずに多孔質絞り空気ベアリングを製作する技術を開発する。 |
1016 |
表情理解・表出統合学習システムの開発と応用 |
若松 昭彦 |
広島大学 |
野村 啓治 |
ひろしま産業振興機構 |
本研究は、コンピュータを利用した、動画を用いた表情学習システムの開発を目標とする。動画は、顔写真等の静止画よりも理解しやすく、自閉症児が見落としやすい微妙な表情の変化も表現できる。本システムは、表情理解や表出に困難のある自閉症、知的障害、アスペルガー症候群、ADHD、LD等、発達障害の子どもの教育に限らず、一般児童生徒の社会的スキル学習などにも応用でき、対人関係能力の改善に効果を発揮することが期待される。 |
1017 |
柔軟な知能情報処理のためのフレキシブル連想メモリLSIの開発とその応用 |
小出 哲士 |
広島大学 |
三原 博道 |
広島大学 |
入力データとメモリ内の参照データ間の最小距離検索処理は画像処理、物体認識、並びにパターンマッチングに代表されるような認識システムにおける基本的かつ重要な処理であり、この機能のコンパクトなLSIハードウェアによる実現が強く求められている。本研究では、このような機能を実現する高速かつ低消費電力な連想メモリLSIを開発し、パターンマッチング処理が必要なアプリケーションへの応用について研究を行う。 |
1018 |
IR/MAR遺伝子増幅法を蛋白質生産の基幹技術として産業化するための試験研究 |
清水 典明 |
広島大学 |
伊藤 勇喜 |
広島大学 |
代表研究者が独自な基礎研究から見いだし、開発してきたIR/MAR遺伝子増幅法は、動物細胞で組み換え蛋白質を工業生産させる画期的な方法である。しかし、巨大な市場を持つ抗体医薬品等、広汎な産業分野で基幹技術として利用されるようになるためには、残された2課題を解決することが望ましい。すなわち1)適用細胞の拡大と、2)発現抑制の効果的な解除法の樹立である。本研究では、これらについて最新の技術を用いて解決する。 |
1019 |
食品廃棄物のエタノール・メタン二段発酵処理システムの開発 |
西尾 尚道 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
国内で大量に発生し、廃棄処分されている食品残渣・廃棄物を主対象に、無殺菌かつ通性嫌気性細菌を主体とする複合微生物系でエタノール・有機酸発酵を実施し、できるだけ高エタノール収率を安定的に得る条件を検討する。ついで、エタノールを回収すると共に、有機酸等を含む蒸留廃液は高速UASBメタン発酵処理する。得られたメタンは二発酵槽の加温及び蒸留の熱源に用いる。かくして、食品廃棄物より燃料用エタノールを取得することが出来る。 |
1020 |
安心リハビリテーション平行棒の開発と臨床応用 |
前島 洋 |
広島大学 |
山田 一徳 |
広島大学 |
リハビリテーション平行棒とは歩行障害のリハビリテーションにおける必須機器としてリハビリテーション室に装備されている。歩行機能の低下した高齢者や急性期患者では、歩行練習中に平行棒内からの救出を必要とすることがままある。本研究では、緊急時に安全かつ迅速に並行棒内から患者を救出することが可能な並行棒を試作する。患者・介助者が安心して平行棒歩行練習ができる平行棒を開発し、同構造の平行棒を業界のスタンダードとするべく臨床応用を図る。 |
1021 |
ピエゾフルオロクロミック色素の開発と発光表示デバイスへの応用 |
大山 陽介 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
これまでに、一連のオキサゾール系蛍光性色素の結晶が、圧力(磨砕)⇔熱による可逆的な結晶構造変化に伴う黄発光⇔赤発光のピエゾフルオロクロミズム特性を示すことを見出した。本研究では、オキサゾール系蛍光性色素の分子間相互作用を制御することで、圧力⇔熱による可逆的な色調と蛍光発光色の変化を伴った視野特性と耐久性に優れた書き込み・消去型の発光表示デバイスの開発を目標とする。 |
1022 |
可溶な両極性有機半導体を用いる塗布プロセスCMOSの開発 |
瀧宮 和男 |
広島大学 |
三浦 毅 |
広島大学 |
有機半導体の特徴は、塗布プロセスとの相性の良さの他に、単一の半導体材料でn型とp型の動作が可能な材料(両極性有機半導体)が開発できる点がある。これらの有機半導体の特徴を活かした材料開発と用途開発を目的とし、本研究では可溶性の両極性有機半導体の開発と、塗布プロセスを用いてCMOSインバータ等の理論回路形成へと応用展開を図る。塗布により簡便に製膜出来る両極性材料が開発できれば、例えば一つの基板上に二つの同一の電極の組を配置するだけでCMOSインバータなどの論理回路が形成でき、従来、極めて複雑な工程を経て作製されていたこれらの回路を簡便に作成できるようになると期待される。 |
1023 |
シリカ結合タンパク質を利用したバイオ機能性ガラスの開発 |
黒田 章夫 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
当研究グループによって発見されたシリカ結合タンパク質は、シリカ・ガラス表面に強く結合し、溶液中でも長期にわたって安定に保持されることが分かっている。本課題では、シリカ結合タンパク質と各種酵素類の融合タンパク質をガラス表面上へ固定化することで、生体由来の機能を付加したバイオ機能性ガラスの創製を目指す。また、付加した機能の活性調節を行うためにシリカ結合タンパク質の吸着・脱離の制御法を確立する。 |
1024 |
低出力超音波の顎関節症治療への応用 |
田中 栄二 |
広島大学 |
吉田 利兵衛 |
ちゅうごく産業創造センター |
破壊した関節軟骨および滑膜の修復を目的とした変形性顎関節症の新規治療法を開発することを目的とする。本研究では、難治性骨折の治療補助器として臨床応用されている低出力超音波が関節軟骨細胞および滑膜細胞の代謝活性におよぼす影響を明らかとするとともに、変形性顎関節症患者を対象とした臨床試験を実施することを目標とする。 |
1025 |
ブタ凍結精子の受精能力を低下させない融解液の開発と人工授精への応用 |
島田 昌之 |
広島大学 |
前田 裕司 |
広島大学 |
高い経済形質をもつ個体の精子による人工授精普及のために、ブタにおいても凍結精液の導入が望まれているが、ブタ精子の凍結が既存の技術では困難であり,人工授精の受胎率が50%以下と低いため実用化に至っていない。本研究は、申請者等の発明「受胎率および産子数向上豚凍結精子およびその製法」を利用して、精子の受精能を維持させ、かつ生体成分非混入な安全性の高い、安定供給可能な凍結精液融解液を開発するものである。 |
1026 |
トウモロコシの高温ストレス耐性機構 |
藤田 耕之輔 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
本研究は、トウモロコシの需要の高まりに対応するため、その生産力の向上を図るべく栽培様式および高収性品種の育種目標の確立を目指している。西南暖地では夏季の高温による子実収量の低減の解決が重要な課題である。そこで、申請者らは、①絹糸抽出前の穂軸形成期、②受精、③子実肥大初期などに対する高温(35℃)の影響について、生理生化学的手法による解明を図ると共に、ストレス耐性品種の具備すべく特性を解明する。 |
1027 |
改竄防止と合理化を目的とした建設現場写真の撮影・RFID管理システム |
藤本 郷史 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
構造計算書偽装問題(通称、姉歯事件)以来、建設業界への信頼は損なわれた現状にあり、信頼性を担保するために工事写真は大量に撮影される傾向にある。しかし現状では、デジカメ画像の書換えが頻繁に行われており工事写真の信頼性を著しく損なっている。一方で優良な建設業者は、工事写真の信頼性を確保する目的で、「黒板を写しこむ」方法を採用しているが、建設現場の効率低下が著しい。本研究では、RFID技術を活用して建設現場の合理化をはかるとともに、工事写真の撮影場所を証明する技術を開発して写真改竄の防止を目指す。 |
1028 |
高機能金属結合タンパク質Vanabinによる重金属濃縮系の改良と応用 |
道端 齊 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
我々は、鉄・銅・バナジウムと高選択的に結合する新規金属結合タンパク質Vanabinファミリー遺伝子群を元にした遺伝子組換え大腸菌による重金属濃縮系をシーズとして所有している。本研究ではより高機能な金属結合タンパク質の探索と改変によってこの重金属濃縮系の改良を進め、重金属汚染環境の修復、金属含有廃液の処理、海水からのレアメタルの高度濃縮、金属欠乏症や過剰症の診断に必須な金属タンパク質の高速・高感度検出方法の開発等に活用する道を開発する。 |
1029 |
環境配慮型フロアポリッシュの新規開発 |
白浜 博幸 |
広島大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
フロアポリッシュはビル床等の美観・保護のために用いられるワックス状の床保護剤である。しかし、そのメンテナンス作業、特に剥離作業時には強いアルカリ性の剥離剤が使われることも多く、これは作業環境および剥離廃棄物による環境破壊の観点からも好ましくない。 そこで、本研究では生分解性ポリマーエマルジョンを主成分中に含有配合した「環境配慮型フロアポリッシュ」(未だ上市されていない)を新規開発し、もって上記問題点を解決克服しようとするものである。 |
1030 |
eラーニングのためのテキスト読解促進機能 |
平嶋 宗 |
広島大学 |
繁村 龍彦 |
くれ産業振興センター |
本研究では、eラーニング教材の中心的な利用手段である読解を対象として、学習者が電子的なテキストに対して行なうマーキング活動を、あらかじめ教材の一部として用意した”正解としてのマーキング”と照合することで、マーキングの適切さを評価し、その評価を学習者に返すことで、自身の読解をについて再吟味する契機を与え、より質の高い読解を促す機能を設計・実装するとともに、正解マーキングデータの作成法の開発とフィールドテストを行う。 |
1031 |
街路樹木等の剪定廃材を利用した有機農法指向型害虫制御剤の開発 |
本田 計一 |
広島大学 |
三浦 毅 |
広島大学 |
本研究は、公共道路、公園、学校、工場などに広く植栽されている園芸樹木の剪定廃材を主に活用して、その抽出エキスや植物成分を適切に加工・改良することにより、低環境負荷型の有機農法に有効な害虫制御剤の開発を試みるものである。さらには他の特定の有効な植物のエキスも探索してその化学成分の検索を行うと同時に、上記樹木剪定廃材より得た素材に添加することにより、更に有用な農業資材の開発も検討する。 |
1032 |
マイクロチップ電気泳動法による遺伝子解析システムの開発(2) |
廣川 健 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
本研究の最終的な目標は、マイクロチップ電気泳動法による遺伝子解析法の確立である。この目的には、通常のマイクロチップ電気泳動法は感度・精度ともに不十分であるため、過渡的等速電気泳動によるオンライン前濃縮法により高感度化を、シーケンサで使用されているハードゲルを使用して高分離能化をはかる。本試験では、目的達成の鍵となるDNA分析用マイクロチップを試験期間中に試作し、DNA断片を試料として評価する。 |
1033 |
高感度ルシフェラーゼを用いた新規エンドトキシン検出法の確立 |
廣田 隆一 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
エンドトキシンはグラム陰性菌の細胞壁構成成分であり、人体に対して強い毒性を示すことから、医薬品や食料品への混入の有無を調べることが法律で義務付けられている。また、臨床の現場においてはエンドドキシンショックを迅速に判断する手法が求められている。本課題では、申請者らが発明した世界最高の発光強度を持つルシフェラーゼを利用し、現行の手法に比べてさらに高感度で迅速なエンドトキシン測定法の開発を行う。 |
1034 |
人間工学に基づいて上肢挙上姿勢の頚肩腕部の筋負担を解消する補助器具の開発 |
宇土 博 |
広島文教女子大学 |
山崎 均 |
くれ産業振興センター |
ブドウやナシの栽培では、頭上約10cm の高さに、鋼線を格子状に張りめぐらせた平面的な棚を設置し、その棚に枝を誘引配置する。一方、果実は目の高さから頭の高さに位置する。枝梢や果実の管理収穫は、作業時間の7割を占める。これらの作業は、手を目の高さから頭上約10cmの高さに上げる上肢挙上姿勢で行うため、身体的負荷が非常に大きい。そこで、上肢挙上姿勢を補助し三角筋と僧帽筋に集中している筋負担を分散させて痛みや疲労を蓄積させない器具を開発する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1052 |
海水による二酸化炭素分離回収 |
一森 勇人 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
地球温暖化ガスである二酸化炭素を回収するために、海水を火力発電所の煙道の二酸化炭素に噴霧して二酸化炭素を吸収する。さらに二酸化炭素を含んだ海水を機械式脱気機により分離回収する。 |
1053 |
可視光応答型水分解光触媒ナノ結晶創製技術の開発 |
吉田 岳人 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
本応募者が独自に開発した減圧反応性雰囲気パルスレーザーアブレーション(PLA)法を主体にしたナノ結晶育成法を、多元系酸化物半導体の生成プロセスに応用することで、可視光照射で水を水素と酸素に完全分解することのできる、高活性光触媒粒子創製法を構築しその機能を評価する。減圧反応性PLA法を用いれば粒径が数ナノメートルの高結晶性触媒粒子を作製することが可能であるので、光触媒としての量子収率の向上を検証する。 |
1054 |
摩耗ゼロ・高効率を有する磁気歯車の高トルク化と各種伝動装置への応用 |
原野 智哉 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
鋼材製歯車をネオジム製リング磁石でサンドイッチし、磁気による引力あるいは斥力をかみ合い歯面間等に発生させることにより、摩耗ゼロ・高伝達効率・メンテナンスフリー・無潤滑であり、高トルクおよび高減速比の非接触ウォーム歯車対および非接触平歯車対(さらには遊星歯車機構)の開発を行う。 |
1055 |
新規表面プラズモンセンサーの開発と応用 |
山口 堅三 |
阿南工業高等専門学校 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
生体分子相互作用の解析には、非標識でリアルタイムに測定可能な表面プラズモン共鳴法が用いられている。バイオメディカル分野では、生体分子がナノサイズであることから高感度化と利便性の向上が求められている。これを実現する手法として、表面プラズモンとウィスパリング・ギャラリー・モードの技術を融合させた新規デバイスモデルを提案し、バイオセンサーや光デバイスへの応用を図る。本課題では、数値計算で構造を決定し、単一センサーチップの作製とその評価である。 |
1056 |
LED看板や照明におけるLED最適配置計算プログラムの開発 |
上原 信知 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
LEDを用いた看板や照明において、必要とする照度に対していかにLEDを配置するかという部分は、技術者の経験と勘に頼っているのが現状である。そのため、照度過多、照度不足や照度むらといった問題がおきがちである。本研究課題では、LEDの最適配置を理論的に計算で割り出す方法を確立し、配置データからCADデータを出力することでLED看板や照明の開発コストを低減することを目的とする。 |
1057 |
木質材料に付加価値を付与する表面改質技術の開発 |
西岡 守 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
国産杉材あるいは市販の木質ボード(MDF)は、さらなる付加価値の付与が期待されている。本研究では付加価値をもった新しい杉材、MDFの開発として、木質材料表面の改質法を研究する。材料表面を圧しつつ、先端が半球状の工具を回転しながら移動することによって改質する。「高温(摩擦熱)」及び「高圧(圧縮)」による表面上の高温高圧状態を利用することで、緻密層の形成、吸水の抑制、無機物質の含浸、などの効果をもたらすことが予想される。 |
1058 |
茶葉抽出液と乳酸菌を活用した発酵漬物の開発 |
宮ア 絵梨 |
徳島県立工業技術センター |
福田 和弘 |
徳島県立工業技術センタ− |
阿波番茶製造段階で多量に生じ、ほとんど廃棄処分されている茶葉の茹で汁(茶葉抽出液)にはカテキン類などの有用成分が豊富に含まれている。さらに後発酵茶の特徴である茶葉の発酵段階は、乳酸菌などの微生物資源として非常に価値がある。そこで、阿波番茶製造工程から分離した乳酸菌並びに茶葉浸出液を活用した付加価値の高い発酵漬物製造技術を開発し、徳島県の新たな特産品として商品化を目指す。 |
1059 |
マルチスペクトル画像による低コントラスト欠陥検出技術の開発 |
柏木 利幸 |
徳島県立工業技術センター |
福田 和弘 |
徳島県立工業技術センタ− |
微弱で微小な低コントラストの欠陥を、マルチスペクトル画像を用いて検出する技術を開発する。微弱な欠陥には高感度の、微小な欠陥には高解像度の撮像系が必要であるが、現存するマルチスペクトルカメラでは不十分である。そこで、高性能ラインセンサカメラを用いて、1スキャンで4バンド狭帯域スペクトル画像が得られるマルチスペクトルラインセンサカメラを製作する。さらに、これを用いたマルチスペクトル欠陥検出アルゴリズムを開発し、実部品の低コントラスト欠陥検出への適用も検討する。 |
1060 |
光触媒(二酸化チタン)を用いた小型脱臭装置の開発 |
平島 康 |
徳島県立工業技術センター |
福田 和弘 |
徳島県立工業技術センタ− |
狭い空間で使用する小型脱臭装置の開発を行う。小型化のため、光触媒(二酸化チタン)を励起する紫外線光源にはLED等を使用する。さらに、光触媒効率を向上させるための二酸化チタン表面の加温,発光効率を高めるためのLED冷却、その両方、あるいは一方の操作を付加する。その適切制御により、従来の装置と比較して2倍以上の脱臭効率を有する小型脱臭装置の開発を行う。 |
1061 |
タデ藍の新品種早期作出のための葯培養技術の開発 |
村井 恒治 |
徳島県立農林水産総合技術支援センター |
豊永 恭代 |
徳島県立農林水産総合技術支援センター |
藍染め原料であるタデ藍は機械化が進まず、高齢化と共に栽培面積の減少が懸念されている。主要品種「小上粉」は収量が多く100年間変わらず栽培されているが、匍匐性で収穫に非常な労力を要する。一方、徳島農研の保存品種から、収穫機適性は高いが収量の劣る品種や今までにない多収の品種等を見いだした。また、収量が多く機械収穫適性の高い品種を作出するために人工交配で新系統を得た。そこで、優良な形質の系統を早期に固定するために、葯培養技術の開発を行う。これにより新品種の作出が早期に実現する。 |
1062 |
合成高分子の化学構造分布を分析評価するクロマト技術の開発と応用 |
右手 浩一 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
エレクトロニクスやバイオメディカル分野などの先端用途に用いられる高分子材料は、その要求特性の向上が日々求められており、それを満たす高分子の化学構造はますます複雑になっている。しかし、現在の高分子特性解析技術は、このような実用高分子のスピーディーな技術開発に必ずしも対応できていない。本課題は、高分子クロマトグラフィーの新しい手法を組み合わせることにより、各種の実用的ビニル共重合体の組成分布・共重合連鎖・分岐構造ならびに立体規則性分布を、従来法に比べてよりシンプルかつ効率的に行うための方法論的開拓を行い、高分子材料の構造・物性相関解析への応用をめざす。 |
1063 |
発育鶏卵を用いた次世代型in vivo抗酸化物質評価法の開発 |
宇都 義浩 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
本応募課題は、安価でジェネティック制御下にあるため個体差・実験誤差が小さくスクリーニング実験に適しており、マウスやラットに比べて倫理的問題が非常に少なく、逃亡の危険性がないため動物舎等の特別な施設を必要としない個体である発育鶏卵(ニワトリ胎児が発育中の受精鶏卵)を用いて、機能性食品や天然物由来の抗酸化性物質のin vivo抗酸化活性および毒性を評価することのできる次世代型in vivo実験法を構築することである。 |
1064 |
ポータブルなナノ秒パルスパワー発生装置および周辺技術の開発 |
下村 直行 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
パルス幅を短くしたナノ秒パルスパワーは、環境、材料、農業、医療などの分野から、さらに癌治療研究といった分野などさらに利用・研究分野の拡大が見込まれる。これら産業利用や応用研究の拡大を目的に、各部の見直しや最適化により、ナノ秒パルスパワー発生装置に可搬性を持たせ、また材料等の検討により動作安定性を向上させる。このような高電圧短パルスを容易に取り扱うために、周辺技術や計測技術の開発も同時に行う。 |
1065 |
BGA ICのコンタクト不良検出用センサの開発 |
橋爪 正樹 |
徳島大学 |
牧野 正 |
徳島大学 |
BGA(Ball Grid Array) IC を使った電子回路の製造時にIC とプリント配線板間にオープンやショート等の「コンタクト不良」が発生する。本課題ではその不良を電気的に確実に発見する回路である「不良検出用センサ」の開発を行うことを目的とする。本課題ではそのセンサ開発だけでなく、それを実回路の検査に適用し、そのセンサの応用製品である検査装置を開発した場合の実用性の調査も行う。 |
1066 |
光制御による導波路型波長選択光スイッチの開発 |
後藤 信夫 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
結晶薄膜導波路あるいはナノ結晶導波路からなる高効率広帯域非線形相互作用の実現によって波長選択型の全光制御スイッチングデバイスの実現を目的の主眼とする。我々が提案している全光スイッチは光波の位相ではなく誘導ラマン増幅により振幅を制御することにより波長選択的かつ多波長独立に制御可能である。これまで、理論的に解析を行ってきたが、実験的に実証を行い、ピコ秒オーダーでの波長選択的全光スイッチングの開発をめざす。 |
1067 |
バルク状セルロースナノ繊維強化バイオマス複合材料の新規開発 |
高木 均 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
本研究では微生物が生産する高強度セルロースナノ繊維に注目し、このナノ繊維でバイオマス由来樹脂を強化したナノ複合材料を開発する。そこで本研究では予め乾燥条件を調整してナノ繊維マットを作製し、これに植物由来樹脂を含浸させて高い繊維含有率を有するバルク状複合材料を試作する。併せてさらなる強度の改善を目指して、セルロースナノ繊維の表面処理を行い、複合材料強度に及ぼす表面処理の影響についても調査を実施する。 |
1068 |
南海地震に対する地方都市耐震化へ向けた広域地盤構造推定システムの開発 |
三神 厚 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
南海地震の近い将来における来襲が確実視される中,大都市においては多額の費用を投じて地盤構造を調査し,構造物の地震時挙動に与える影響を検討している.地方都市においても,多少精度は落ちても何らかの調査を行い,適切な対策を講じなければならない.このような実態に即して,本研究では,(1) 地表の単点の常時微動記録を利用して地盤構造の概略を推定するシステムを構築する.観測された微動のH/Vスペクトルに理論曲線をフィッティングさせる従来の方法に,新たに本研究で求める「経験則」を最適化問題の制約条件として加えることでシステムを安定化させ,(2)微動観測,解析,結果表示を一体型にするためのプロトタイプを示す. |
1069 |
LSI内部のビアオープン故障の検査入力生成法の開発 |
四柳 浩之 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
近年のLSIの高集積化・多層化にともない、内部配線においては層間のビアが多数用いられている。ビア欠陥によるオープン故障が発生した際には、隣接配線の電圧等による影響を受けるが、対象となる故障数および故障現象数が膨大で検査が困難である。本研究では、ビアオープン故障の検査に関して、実ICのレイアウトから検査入力生成の対象とするビア数の削減を行い、効率的な検査入力生成法についての開発を行う。また、擬似オープン故障を挿入するIC試作により実ICにおける評価を行う。 |
1070 |
抗MRSA活性テルペノイドを範とする新規抗菌剤の創製 |
宍戸 宏造 |
徳島大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
本研究では、抗MRSA活性抗菌剤を含む新規抗菌剤の開発に直結するリード化合物の創製を目的とする。研究代表者らはこれまでに、キク科植物オナモミの微量成分で強力な抗MRSA活性を示すザンタチン及び関連テルペノイドの全合成に成功している。また、広範な抗菌活性を示すフォマレン酸の合成も達成しており、これらの天然物を範として広範な化合物ライブラリーを構築し、構造活性相関研究を機軸に新規且つ特異的な抗菌剤リード化合物の探索を行う。 |
1071 |
リポソームの新規サイジング技術の開発 |
松木 均 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
リポソームは生体適合性が高く且つ優れた生体内分解性を有し、ドラックデリバリーシステム(DDS)の輸送担体として多用されているが、その正確なサイジングは難しい。本試験研究では、既存のリポソーム調製方法とは全く異なる方法である高圧力を用いたリポソームのサイジング技術の開発を行う。この手法は圧力成形の技術をミクロスケールな分子場で実現しようとするものであり、 DDSにおいて有用な技術となりうる。 |
1072 |
高精度誘電率計の開発と土構造物変状検出システムへの応用 |
上野 勝利 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
盛土、斜面、擁壁、堤防、路面下埋設管など、非粘性土からなる土構造物では、内部への水の浸潤により土のせん断強度が急激に低下し、不安定な状態となる。また浸潤・排水の繰り返しにより、細粒分の流失により空洞が形成され、陥没事故などの災害の原因となる事例が多い。そこで含水比や密度の変化による土の誘電率変化に着目し、土構造物の変状を検出するシステムを開発する。 |
1073 |
ヒドロキシアパタイト薄膜を用いた水溶性重金属の回収−再生プロセスの開発 |
杉山 茂 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
廃液から水溶性重金属をヒドロキシアパタイトで固定化回収し、代表研究者が開発した手法により固定化回収した重金属を再生させるとともに、ヒドロキシアパタイトも水溶性重金属の回収に再利用できるプロセスを開発する。具体的には水溶性鉛、カドミウム、コバルトについて検討し、水溶性カドミウム、コバルトに対しては既に可能性を示唆する結果を得ているので、実際にこれらの水溶性重金属のヒドロキシアパタイトによる回収−再生を複数サイクルできることを明らかにするとともに、対象水溶性重金属も拡大して検討する。 |
1074 |
円周方向周回の超音波による非接触型パイプ減肉計測方法の開発 |
西野 秀郎 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
本研究は、パイプの円周方向に周回伝搬する超音波の一種である円周ガイド波を用いた配管の源肉欠陥検出法を構築することを目的とする。本方法では、超音波がパイプの周方向に伝搬する円周ラム波を利用することで、 20 mm程度のパイプ長手方向の幅で周方向全体の検査を可能とする。さらに空気を介して超音波を励起検出する空気超音波センサーを用いて、非接触で円周ラム波の欠陥での反射波と透過波を検出することで、ノッチ欠陥と広範囲源肉欠陥の検出実験を通じて示す。 |
1075 |
UV-LEDによる光触媒酸化作用を用いた果実の汎用型鮮度維持装置の開発研究 |
川上 烈生 |
徳島大学 |
牧野 正 |
徳島大学 |
UV-LEDと酸化物系光触媒テクノロジーを融合した最先端エレクトロニクスを導入し,制御性の優れた果実の汎用型鮮度維持装置の開発を目指す.そのために,まず,単一波長のLED紫外線強度の変化に対し,光触媒反応により生成されるラジカルが果実鮮度へどのように影響するのか明らかにする.具体的には,熟成を早めるエチレンの完全酸化に着目し,これを制御することにより汎用性の高い鮮度維持装置を開発する. |
1076 |
動画像圧縮を高速で実現するH.264/AVC CABACエンジンの開発 |
宋 天 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
本提案は、順次処理しかできないと考えられていたCABACエンジンを、「適切な予測」により数ビットの並列処理ができるように考案したもので、従来手法と比べ、およそ3倍の高速処理を実現したものである。本手法を用いれば、従来は困難とされてきた高解像度アプリケーションがリアルタイムで処理できることがシミュレーションにより確認できた。なお、これまでの研究成果は学術論文にまとめるとともに特許出願中である。 |
1077 |
siRNA-コラーゲン誘導体複合体を用いたRNA干渉法による眼治療法の開発 |
大内 淑代 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
高齢化社会になるに従い、生活習慣性の慢性疾患が増える傾向にあり、その治療は高齢者の生活の質や高齢化社会の医療費増大を鑑みると非常に重要な課題である。本応募課題では、糖尿病性網膜症や黄斑変性症などの治療を念頭に、我が国で開発されたアテロコラーゲンを二本鎖RNAのデリバリー系のリード化合物として利用し、その作用機序を明らかにするとともに、網膜細胞等に最適なコラーゲン誘導体を開発することを目的とする。 |
1078 |
有機ハイドライド脱水素触媒として優れたシンタリング耐性を持つシリカ被覆Pt触媒の開発 |
中川 敬三 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
地球環境問題とエネルギーの安定供給に対する対策として水素利用技術の期待が高まる中,有機ハイドライドの脱水素反応を利用した水素貯蔵・供給システムが注目されている。この反応は吸熱反応であるため高温での反応が有利となるが、高温反応下では触媒担体上の貴金属粒子がシンタリングし、活性低下が起こるため、触媒の長寿命化が望まれている。本研究課題では、シリカ被覆Pt触媒を用いて有機ハイドライド脱水素反応を行い、高温反応下におけるシンタリング耐性に優れた触媒の研究開発を行う。 |
1079 |
メカニカルミリング法による結晶構造制御と新規固体電解質の創製 |
中村 浩一 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
リチウムイオンを荷電担体とする固体電解質はイオン2次電池を全固体化するための材料などへの応用が期待され、その開発は激しい国際競争の中にある。結晶を微細粉末化し非晶質化を進めるための方法として最近注目されている機械的加工力を利用したメカニカルミリング法を用いて、これまで固体電解質と考えられていなかった絶縁・圧電物質の結晶構造変化・非晶質化の制御を行うことで比較的低温からイオン拡散運動を誘起させることができると考えられる。これにより従来の焼結法などによる合成とは別の角度から新規固体電解質の創製へつなげていく。 |
1080 |
分子標的探索機能を備えたペプチドライブラリーからの抗がん作用ペプチドの同定 |
辻 大輔 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
本研究では、フォトアフィニティーラベル法を組み合わせることにより、相互作用するタンパクの特定を同時に行うことができるペプチドライブラリーを用いて、抗ガン活性或いは制ガン活性を持つ機能性ペプチドの探及び相互作用分子の同定を行い、分子メカニズムを解明した安全性の高い抗ガンペプチドの開発を目指す。具体的には、 ① in vitroスクリーニングによるペプチドライブラリーから機能性ペプチドの探策、 ② フォトアフィニティーラベル法による相互作用タンパクの同定、 ③ in vivoでの抗ガン活性評価を行い、近い将来の臨床応用を目指した基盤研究を行う。 |
1081 |
ガス加圧法による新規酵素失活技術の開発 |
田村 勝弘 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
食品産業において殺菌と酵素失活は最も基本的なプロセスであり,専ら熱処理法が唯一の手段として適用されている。我々はこれまで、スダチ果汁などに有効な、「ガス加圧法」による非加熱殺菌技術を提案してきた。今回の申請は、もう1つの基本的プロセスである酵素失活に対して、ガス加圧法が有効であることを確認し、実用可能な技術にまで高めることを目的とする。 |
1082 |
タンパク類似構造を有する立体規則性高分子材料の開発と応用 |
田中 均 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
立体規則性高分子は、優れた機械強度等を有するものの、一般に金属触媒を用いるイオン重合法で製造されることが多く、そのため高いスキルが要求され、大量生産できない欠点があった。最近、既存の汎用工場設備の活用が可能で、また機能性官能基の導入が容易なラジカル重合法でタンパク類似構造を有する立体規則性高分子を簡便に合成する方法を見出したので、本研究では、このものをさらに効率よく高純度で合成するための研究等を行う計画である。 |
1083 |
プロテアーゼ耐性のユビキチン化阻害ペプチドの開発と応用 |
二川 健 |
徳島大学 |
大山 真吾 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
運動器の廃用性萎縮の原因は、ユビキチンリガーゼ (分解すべき蛋白質にユビキチンを結合させる酵素 ) の異常な活性化である。本研究では、我々自身が発見した競合阻害オリゴペプチドを用いて、運動器 (筋・骨 )の廃用性萎縮治療薬の実用化を目指している。ペンタペプチド を大量に坐骨神経切除マウスの骨格筋に投与した。オリゴペプチドによるユビキチン化阻害や筋萎縮抑制効果は細胞実験から予想されたものより弱かった。その原因は、筋肉内に豊富に存在するアミノペプチダーゼによりペプチドが分解されているためであることがわかった。本研究では、ペプチドの N端を修飾したプロテアーゼ耐性のユビキチン化阻害ペプチドのより強力な筋萎縮抑制効果を in vivoで証明する。 |
1084 |
生体用非磁性合金の開発 |
浜田 賢一 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
生体内、中でも血管内外で使用されている金属製デバイス(ステント、クリップ、動脈瘤塞栓用コイル等)は、磁気共鳴画像法(MRI)による撮像時に、アーチファクト(偽像)の発生にともなう周辺画像情報の消失という深刻な問題を惹起する。現在進められているMRIの超高磁場化にともない、この問題は深刻化が予想される。その解決のため、磁化率がほぼゼロでアーチファクトを発生させず、生体内で長期の使用が可能な新規生体用合金を開発する。 |
1085 |
酸化ストレス誘導性細胞死を利用した新規癌治療法の開発と応用 |
福井 清 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
D-アミノ酸酸化酵素(DAO)は、D-体のアミノ酸を代謝し、活性酸素種として強い細胞毒性を有する過酸化水素を生成する。また、ヌクリングは酸化ストレス誘導性アポトーシス経路を構成する新規分子である。本研究は、この2 つの分子を新規癌治療法のシーズとして発掘し、抗癌剤のプロトタイプの開発と応用を目標とする。とくにポリエチレングリコールで修飾されたタンパク質分子は、癌組織への組織内取り込み効率が高くなることが期待される。 |
1086 |
メモリー機能を示す新規インテリジェントポリマー材料の創成 |
平野 朋広 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
これまでに、アルコールなどの添加剤存在下、低温でアクリルアミド誘導体のラジカル重合を行うと、イソタクチックからシンジオタクチックまでの幅広い立体構造を有するポリマーの合成に成功した。本課題では、N-アルキルアクリルアミド類の低温光ラジカル共重合を行い、新規感熱応答性ポリマーを合成する。複雑なモノマーを設計することなく立体規則性および共重合モノマー連鎖分布を制御するだけで、昇温時および降温時の相転移温度の差が非常に大きなポリマーを合成し、メモリー機能を有する新規インテリジェントポリマー材料としての開発を目的とする。 |
1087 |
鋼板表面への粉体付着防止のための表面処理技術の開発と応用 |
米倉 大介 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
本技術は機械的な表面処理のみによって鋼板への粉体の付着を大幅に抑制し、粉体による排出タンクなどの閉塞問題を解決できる技術である。特に従来使用されてきた異種材料の被覆や摩耗を伴う攪拌機を使用する場合と比較して、異物混入の可能性が極めて低いことが特徴である。本処理は一部の粉体に対して著しい効果が確認されている。本研究では、適用可能な粉体の範囲を拡大させるために、鋼板の表面処理状態と各種粉体に対する本技術の効果を明らかにし、各々の粉体の材料特性に適した表面処理の設計指針の提案を行うものである。 |
1088 |
マルチメディア・コンテンツ検索のための高速汎用検索ライブラリの開発 |
北 研二 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
本研究課題では、マルチメディア・コンテンツに対する特徴量を計算機内部で表現する際に頻繁に用いられている「多次元ベクトル形式」および「多次元ベクトルの重み付き集合形式」の2つに対し、きわめて高速に動作する汎用的なライブラリを研究開発する。本ライブラリを用いることにより、膨大な画像データや映像データ等に対する検索システムを容易に作成することが可能となる。 |
1089 |
次世代歯科用磁性アタッチメントの開発研究 |
木内 陽介 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
歯科補綴物の維持装置である磁性アタッチメントの歯科臨床応用が広がるにつれて患者のQOLをより向上させるために、個々の患者に適した維持機能が求められ、臨床現場からフィードバックが生じている。本申請は磁性アタッチメントの維持力を大きくするだけでなく、安定性の良い義歯の維持装着が保たれるように復元力の大きい磁性アタッチメントの開発等、より機能の高い次世代磁性アタッチメントの開発を行っている。 |
1090 |
マルチフレーム型超解像による合成開口レーダ画像の高分解能化 |
伊藤 陽介 |
鳴門教育大学 |
木下 凱文 |
鳴門教育大学 |
本課題では、合成開口レーダ(SAR)画像の分解能を向上させ、より詳細に地上物体を識別可能とする処理方法を考案し、ソフトウェアとして構成することを目的とする。人工衛星による地球観測は、同一地域をほぼ同じ条件で実施可能なため異なる時期に観測した画像を精密に位置あわせできる。同一地域を観測した複数のSAR画像をマルチフレーム画像に対応させた超解像を適用しSAR画像空間上の分解能の向上効果を検証・評価する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1108 |
難聴児の家庭用聴力トレーニング機の開発研究 |
青野 洋一 |
愛媛県産業技術研究所 |
田所 祐史 |
愛媛県産業技術研究所 |
アメリカの臨床実験では、聴覚障害児を早期に適切なトレーニングをすれば、正常な子供たちと同程度までに言葉を習得することが分かっているが、聴力トレーニングに有効な市販の遊戯聴力測定機は大型で高価なため、聴力障害児の親からは家庭のパソコンでもトレーニングできる小型で安価なトレーニング機にできないかという要望が出ている。そこで本研究では、幅広い年齢(12歳以下まで)の子どもに対応した多様な褒美(玩具)が接続できる、家庭用の聴力トレーニング機を開発する。 |
1109 |
バイオディーゼル燃料製造における洗浄排水の効率的処理技術の開発 |
福田 直大 |
愛媛県産業技術研究所 |
門家 重治 |
愛媛県産業技術研究所 |
バイオディーゼル燃料(BDF)の製造方法は、廃食油等をメチルエステル化し、水洗浄工程を経て精製するプロセスが一般的である。この水洗浄工程で発生する排水は、現在有効な処理方法がなく、その処理技術が重要な課題である。そこで本研究では、BDFの精製プロセスを見直し、排水中の残油分率を低減させ、続いて残存するグリセリンおよびメタノールを単一微生物で同時に除去する、化学・バイオの両プロセスを併用した効率的な排水処理技術を開発する。 |
1110 |
イオン液体を利用したペーパー状触媒の開発 |
大橋 俊平 |
愛媛県産業技術研究所 |
森川 政昭 |
愛媛県産業技術研究所 |
近年、環境への関心が高まり、産業界でも環境負荷を考慮し、有害な薬品などの化合物をなるべく使用しない、または出さないように製品を作る考え方(グリーンケミストリー)が注目されている。本研究では、イオン液体を利用し、合成物質との分離・再利用が容易なペーパー状触媒を開発する。得られたペーパー状触媒は高選択性と利便性を併せ持つグリーンケミストリー対応型触媒として期待できる。 |
1111 |
染料の組み合わせによるタオルへの機能性付与 |
中村 健治 |
愛媛県産業技術研究所 |
橋 俊明 |
愛媛県産業技術研究所 |
染料を組み合わせて染色し、洗濯を繰り返すことにより、色が徐々に変化するタオルを開発する。タオルは洗濯を繰り返すと硬化し、肌触りが低下する。そこで、色の変化とタオルの硬さに相関を持たせ、交換時期が視覚で判断できるようにする。また、この方法で染めた糸でジャガード織りしたタオルは、洗濯の繰り返しで様々なデザイン図柄がタオル上に表れ、色柄の変化を楽しむことも出来る。 |
1112 |
生分解性プラスチック接触材を利用したアマモ場造成技術開発 |
平田 伸治 |
愛媛県農林水産研究所 |
黒田 広樹 |
愛媛県農林水産研究所 水産研究センター 栽培資源研究所 |
波浪や潮流など水理的な制限要因によって減少しているアマモ場について、生分解性プラスチックの網状骨格体を有する接触材を海底に設置し、生育地盤の安定性を高め、アマモの地下部の生育と分枝伸張を助長させることによってアマモ場を保全・造成する技術を開発するものである。また、接触材の形状や大きさを試験して、既存藻場の保全手法や新たなアマモ場の造成手法としての実用性を試験するものである。 |
1113 |
安価で省力的な軟弱野菜周年栽培システムの開発 |
安西 昭裕 |
愛媛県農林水産研究所 |
渡部 康男 |
愛媛県農林水産研究所 |
‘エブ・アンド・フロー方式’は、給排水の精度が高く、病害の発生も抑制できるが、設備費等初期投資が高額で、小規模な生産者は導入が容易でない。そのため、葉菜類の生産事例はほとんどなく、試験研究事例も苗生産に留まる。そこで、当該方式と同等の性能があり、しかも自力施工が可能で安価である新規開発の簡易給排水システムを用いて、夏期や厳寒期に栽培が困難な数種の軟弱野菜について栽培技術を確立する。 |
1114 |
四倍体デルフィニウムの花持ち性の改善および花弁の汚れ防止技術の開発 |
岡本 充智 |
愛媛県農林水産研究所 |
栗坂 信之 |
愛媛県農林水産研究所 |
切り花として需要が期待できるデルフィニウムの花持ち性の改善技術を開発する。シネンシス系など二倍体デルフィニウムでは交配組み合わせにより、花持ちの良い形質を持つ個体が得られる。この特性は遺伝的に利用できるので、花持ちを良くするために使用されている鮮度保持剤の使用を削減することが可能である。そこで、この特性をエラータム系品種など四倍体デルフィニウムに導入し環境負荷の少ない開花調節技術を開発する。 |
1115 |
マイクロサテライトDNA解析によるマハタ優良親魚選抜技術の開発 |
山下 浩史 |
愛媛県農林水産研究所 |
滝本 真一 |
愛媛県農林水産研究所 |
本研究では、“病気に強く、成長が良い”マハタ優良系統のオス親魚を選抜する技術の開発を目的とする。手法は1尾のメス親魚の卵に複数のオス親魚の精子を交配して生産した稚魚を同一条件で飼育し、感染試験や飼育試験を行った後、高抗病性や高成長を示した稚魚のオス親魚をマイクロサテライトDNA 解析による親子鑑別により特定するというものである。 |
1116 |
近赤外線装置を用いた珠入れ適期の特定による高品質真珠生産技術の開発 |
曽根 謙一 |
愛媛県農林水産研究所 |
滝本 真一 |
愛媛県農林水産研究所 |
本研究では、高品質真珠の安定生産を目的に、近赤外線装置により非破壊の状態でアコヤガイ貝柱のグリコーゲン含量を迅速に測定する手法を確立し、珠入れ適期の簡易判定技術を開発する。抑制篭に詰めたアコヤガイを定期的にサンプリングし、貝柱の一般成分と酵素活性の動態を調査するとともに近赤外線装置によりグリコーゲン含量の測定をおこなう。さらに、サンプリング時に挿核試験を実施し、取り出された真珠品質と一般分析より得たグリコーゲン含量から挿核適期を特定するとともに近赤外線装置より得た測定値の測定精度を検証する。 |
1117 |
直交表を用いたソフトウェアテスト工数削減法と支援ツールの開発 |
阿萬 裕久 |
愛媛大学 |
小谷 哲哉 |
愛媛大学 |
ソフトウェアの信頼性を保証するためには十分なテストが必要不可欠である。しかしながら、あらゆるパターン・組み合わせでテストを行うことは不可能であり、限られた時間と人的資源の中で効率的なテストの実施が常に求められている。本試験ではソフトウェアの構造を解析し、そこに直交表の概念を適用することで少ないテスト件数で高い網羅性を実現していく可能性の検討、並びにその作業の円滑化を図るためのツール試作を行う。 |
1118 |
前駆体塗布法による有機電界効果型トランジスタの開発 |
宇野 英満 |
愛媛大学 |
小谷 哲哉 |
愛媛大学 |
有機電界効果型トランジスタ(OFET)材料として、ペンタセンなどの低分子のほか高分子が注目されている。低分子材料の特徴は、不溶性で塗布によるデバイス作成が困難である。一方高分子材料では、塗布により作成できるが、性能が一応の目安のアモルファスシリコンに大きく及ばない。申請者は、これを解決する方法として低分子可溶性前駆体を用いてデバイスを作成したのちに目的の物質に変化させる方法でこの問題を解決し、高性能なOFET の開発を目指す。 |
1119 |
がんミサイル攻撃機能を有する新規レクチン固定化人工細胞の実用化 |
加藤 敬一 |
愛媛大学 |
瀬野 英二 |
愛媛大学 |
我々の開発した海藻由来の新規レクチンESAは、癌細胞の異常糖鎖構造を分子認識して、癌細胞を標的・殺生する。このESAを癌攻撃ミサイル装置として利用し、流動性など従来のリポソームよりも多くの優れた特性を有する非イオン性界面活性剤Span80ベシクル(人工細胞)上に装着して、内部には抗癌剤を内包し、薬物送達システムの薬物運搬体に用い、従来よりも優れた新規な癌治療臨床応用をめざす研究を進める。 |
1120 |
リステリア菌による、より安全で効率的な遺伝子導入法の開発 |
丸山 砂穂 |
愛媛大学 |
瀬野 英二 |
愛媛大学 |
アレルギー疾患や感染症などに対する新しい治療法として、安全で効率的な遺伝子導入を行ったリステリア菌の開発を目的としている。細胞内寄生性細菌であるリステリア菌を遺伝子改変によって無毒化し、さらにNK細胞誘導や活性化という機能を効率よく引き出した菌株の開発、また菌体が効率よく感染する樹状細胞や腸管上皮細胞を標的として免疫機能を賦活化する方法を研究する。本研究の最終目標はリステリア菌を用いた遺伝子治療、経口的遺伝子ワクチン開発の基盤構築である。 |
1121 |
レプチン感受性変更を介した新規機構による食物繊維の抗肥満効果の検討 |
岸田 太郎 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
食物繊維が抗肥満効果を持つかは、その機構も含め未だ論争の最中にある。先の研究で我々はビート食物繊維が、高脂肪食摂取ラットにおいて摂取エネルギー及び体脂肪を低下させることを見出し、その際レプチンレセプター(LR)の視床下部遺伝子発現が増加していることを見出した。本研究は、ビート食物繊維摂取による視床下部LR 遺伝子発現の増加が摂取エネルギー量の低下に関与するを、LR 欠損ラットを用いて明らかにし、さらにLR 発現の増加に関与する食物繊維の性質を調べ、機構を解明することを目的とする。 |
1122 |
微小共振器構造をもつ有機半導体レーザーの開発 |
近藤 久雄 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
有機ELなどで見られるように、有機材料を電子・光デバイスへ応用する研究開発が盛んに行われている。有機半導体レーザーもその一つであり、物質選択の多様性、製造過程の簡便化、加工の柔軟性など、これまでの無機半導体レーザーにはない優れた特徴をもつ。本研究課題では、有機半導体薄膜の両面に誘電体多層膜鏡を配置した微小共振器構造を開発し、これによりレーザー発振の閾値を低下させ効率を高めることを目指したものである。 |
1123 |
化学療法剤による口内炎・消化管炎症に対する症状緩和ドリンク含嗽剤の開発 |
荒木 博陽 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
化学療法剤による難治性の口内炎は、QOLの著しい低下を招き、病院ではその対処に苦慮している。我々は化学療法剤による口内炎に対してローヤルゼリーの塗布が有効であることを、実験的に明らかにしてきた。加えて、化学療法剤投与では、口内炎のみならず消化管粘膜症状が多いことから、ローヤルゼリーをドリンク含嗽剤として、口に含んだ後に飲み込むことで、口内炎のみならず消化管粘膜症状の発症予防、症状の緩和、あるいは炎症の早期治癒が期待できる。 |
1124 |
故障励起関数に基づく高性能LSIに対する高効率故障検査ツールの開発 |
高橋 寛 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
次世代の携帯電話用、デジタル機器用、および車載用の高性能LSIでは、信頼性確保のためのテストコストの増大が極めて深刻な問題である。本研究では、テスト記憶容量およびテスト印加時間等検査機器の制限がある中で、多様な故障モデルを高効率・高確率で検出できる「欠陥検出向けテスト集合生成ツール」の実用化を目指している。本研究の基本的なアイディアは、故障の励起条件に着目することである。 |
1125 |
流体解析手法をもちいた眼房水の流れ解析モデルの開発 |
山本 康明 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
近年、白内障や緑内障手術などの術後に発症する水疱性角膜症が問題となっているが、その原因は不明な点が多い。我々は、術後に変化する非生理的な眼房水動態が発症メカニズムに関与するのではないかと考えている。本研究では、各種術後眼を家兎で作製し、その房水動態を計測する。さらにそのデータをもとに流体解析ソフトでさまざまな非生理的房水動態を解析できる3次元眼球モデルを構築し、病態の解明や新しい手術治療法の開発や評価に応用する。 |
1126 |
電動車椅子座席用空気圧分布可変マットの開発と応用 |
柴田 論 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
下肢等に障害を持った搭乗者が電動車椅子を長時間利用する際、長時間にわたり同じ座位姿勢となり、臀部の接触面から受ける連続的な圧迫により臀部に痛みや創傷が発生する。これらを軽減するため、臀部と座椅子の間に空気圧制御により圧力分布を調整することが可能な空気圧シリンダマットを装着し、それらを自動制御することにより臀部の皮膚に生じている圧力分布を望ましいものへと調整するシステムの開発を目指す。 |
1127 |
農業用落ち綿マルチシートの機能向上のための開発と応用 |
上野 秀人 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
綿産業から大量に排出されている不要な落ち綿をリサイクル利用して作成された農業用マルチを用いて野菜を栽培したり、土壌に敷設することにより、実用化に向けた基礎研究を行う。具体的には、栽培実験や室内実験等で雑草抑制効果、作物生育増進効果、品質向上効果、土壌養分保持効果、環境保護効果についての精密測定を行い、本シートの機能を詳細に評価するとともに、さらなる機能向上に関するデータを得ることも目的とする。 |
1128 |
温水・温風熱ストレス処理による貯蔵果実の病虫害防除と品質改善 |
森本 哲夫 |
愛媛大学 |
小谷 哲哉 |
愛媛大学 |
申請者は、約40℃の温風による熱ストレス処理が貯蔵果実の品質保持や病虫害防除に有効であることを示した。一方、お湯に浸けて洗浄や殺菌を行う方法も病虫害防除や腐敗抑制に有効と思われる。そこで本研究では、温水による熱ストレス処理1(同時にマイクロバブルによる洗浄、電解水や銀イオン等による殺菌を行う)と温風による熱ストレス処理2(乾燥を兼ねる)を組み合わせた新しい貯蔵果実の品質改善と病虫害防除システムを開発したい。 |
1129 |
動物の天然抗菌ペプチドの抽出精製と実用化技術 |
澄田 道博 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
ヒトの皮脂腺は抗菌ペプチドを合成・分泌し、皮膚を感染から防御する機能を持つと考えられる。しかし、老齢化などにより同ペプチドの合成・分泌活性の低下に伴い、皮膚の防御機能が低下する。これを補う、副作用の少ない天然の抗菌ペプチドを開発する目的で、魚類組織等から、ヒトと共通のアミノ酸配列を持ち、抗菌活性の高いペフチドを抽出・精製し、感染予防の塗布薬としての実用化を試みる。 |
1130 |
塞栓用球状フェライトの低温における作製 |
青野 宏通 |
愛媛大学 |
瀬野 英二 |
愛媛大学 |
癌患部の血管に磁性材料を塞栓させ、交流磁場により焼妁する新しい治療法ための球状フェライト粒子作製を行なう。一般的に、球状材料は、きわめて高い温度で粉霧・溶融することで作製は可能であるが、そのような方法で作製した磁性材料の発熱能は著しく低下する。本研究は、1200℃以下の低温で20030μmの球状フェライト材料の作製法を確立することを目的としている。また、フェライト以外のセラミックス材料への応用についても検討を行なう。 |
1131 |
無毒化リステリア菌を利用したがん治療法の開発 |
浅野 喜博 |
愛媛大学 |
瀬野 英二 |
愛媛大学 |
悪性メラノーマは皮膚ガンの一種で、転移により生命に関わる場合もある悪性度の高い腫瘍である。本研究では、遺伝子操作でリステリア菌の病原性を完全に除くとともに、宿主に強く免疫応答を誘導するリステリア菌の機能を残し、かつ強い腫瘍抑制効果を誘導可能な、安全で効率の良い遺伝子操作菌を作製する。これを用い、悪性メラノーマをモデル疾患として、従来の治療方針である「外科的な腫瘍の除去と術後の化学療法や放射線療法を行う」に代わる、新しいガン治療法開発を進める。 |
1132 |
脳梗塞治療に有用な骨髄前駆細胞動員促進物質の探索 |
田中 潤也 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
脳梗塞が発症し、虚血に陥った病巣核心部では神経細胞死が起こる。病巣には、骨髄由来の球系細胞BINCsが集積し、病巣核心部で増殖するようになる。BINCsは、病巣拡大に対しての防波堤的な役割を果たしているが、自然状態ではBINCsの数は十分ではなく、中長期的な脳組織の破壊が進行する。本研究では、脳梗塞の予後改善のため病巣部により多数のBINCsを集積させることを目ざし、BINCsの骨髄からの動員と増殖を促進させる注射剤の開発を目指すものである。 |
1133 |
血管新生促進と抑制のバランス制御分子を標的とした血管ネットワーク形成特異的阻害剤の開発 |
東山 繁樹 |
愛媛大学 |
大山 真吾 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
腫瘍血管新生の抑制は新たな制がん戦略であり、現在いくつかの薬剤が治療薬として認可を受けているが、副作用等の問題点も多く、さらにその精度を高める薬剤開発が必須である。われわれは血管新生促進と抑制のバランスを制御する分子を発見し、その作用機序も明らかにしている。その分子を標的とした抑制剤を、がん治療薬としての新たな腫瘍血管新生抑制剤として、開発・応用につなげる。 |
1134 |
形質転換による角膜上皮細胞の開発と角膜移植への臨床応用 |
白石 敦 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
ES 細胞、iPS 細胞を用いた再生医療研究の発展は目覚しいが、奇形腫、癌化など臨床応用には多くのハードルが残っている。眼科領域でも培養角膜上皮移植が開発・臨床応用されているが、拒絶反応や、ドナー不足などの問題点は解決されていない。本研究ではヒト由来細胞・成分のみを用いて人工角膜を作製し、遺伝子操作無しに、自己の皮膚上皮幹細胞(side population(SP)細胞)を角膜上皮細胞に形質転換し、角膜上皮移植に応用する方法である。本方法では、癌化、拒絶反応などの可能性は極めて低く、また倫理的にも問題点はなく、早期の臨床応用が可能性である。 |
1135 |
高分子ビーズ集合体を鋳型とするハニカム状セラミック薄膜の作製 |
板垣 吉晃 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
高分子ビーズ集合体薄膜を鋳型として用いる新たなガスセンサ電極の構造制御法の開発を行う。サイズ制御された高分子ビーズを孔形成材として用いることにより、メソ-マクロ孔が三次元的に配列したハニカム状多孔質電極を作製する。これにより高いガス拡散性と反応場を有する電極膜が形成でき、感度と応答性に優れたガスセンサの創出が期待できる。本研究では、ppb領域のVOC検出を目指し、電極構造の最適化とその制御法の開発を行う。 |
1136 |
トランジスタ不良に伴う遅延故障に対する故障検査法の開発 |
樋上 喜信 |
愛媛大学 |
小谷 哲哉 |
愛媛大学 |
近年の高速LSIでは、動作タイミングに影響を与えるような物理的欠陥が問題となっている。特にトランジスタの不良に伴う遅延故障は、故障動作が多岐に渡り、故障検査が困難である。そこで本研究では、トランジスタ不良に伴う遅延故障をトランジスタレベルではなく論理レベルで故障動作をモデル化し、それを効率よく検出するような故障検査法を開発する。ここでは特に、多くの企業、研究所で利用されている縮退故障用テストパターン生成ツールを応用した、テストパターン生成法を開発する。 |
1137 |
環境を考慮したビニールハウス無煙暖房装置の技術開発 |
尾上 清利 |
愛媛大学 |
田村 英樹 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
本研究ではビニールハウスの暖房装置として、ドラム缶内側にセラッミックウールを貼り、その表面を金網で補強し、この内部に木材を搬入し、籾殻を隙間無く詰め込み、その上に点火剤の木炭を入れこれた木質バイオマスを用いた構造である。煙分は上部に堆積した高温の灰分に付着する無煙熱分解装置である。C2H4ガスは影響をおよぼす数値の十分の一の濃度である。また、火力調整及びCOガス等の除去については今後の研究課題である。 |
1138 |
世界初の魚類寄生虫不活化ワクチンの開発に関する研究 |
北村 真一 |
愛媛大学 |
神野 俊一郎 |
愛媛大学 |
ヒラメ養殖に最も大きな被害をもたらす寄生虫病としてスクーチカ症がある。現在のところ、本症に対する有効な治療薬は開発されておらず、新規ワクチンの開発が養殖現場から強く望まれている。そこで、本課題では、本症の予防を目指して、安全性の高い不活化ワクチンの有効性を明らかにすることを目的とする。ワクチンを実用化するためには、ワクチン抗原を大量に生産する必要があるため、原因虫の大量培養法についても検討する。 |
1139 |
ホスホールを基盤とする機能分子材料の開発 |
林 実 |
愛媛大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
機能性有機材料開発において、各種ヘテロ元素を含む複素環化合物、特に最近では、リン元素を含むものが注目を集めている。一方、最近我々は、全く新規な複素環骨格を有するπ共役ホスホール化合物の合成に成功した。本課題では、この新規ホスホール化合物の特性を活かした新しいπ共役分子を対象として、新規有機機能性材料としての実用化に必要な物性発現を狙った誘導体合成を行う。 |
1140 |
歯音を用いた学習機能を有する重度身障者のコミュニケーションデバイスの開発 |
葛目 幸一 |
弓削商船高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
頸椎損傷やALSなどで、頭部の運動機能しか残されていない重度の身体障害者のためのコミュニケーション機器として「歯の接触音(歯音)」を用いた、ハンズフリーなコミュニケーションデバイスを開発する。本デバイスは、骨伝導ヘッドセットにより検出した歯音を制御信号として用い、ユーザの個人特性を自動的に学習する機能を組み込むことにより、誤動作の低減、低価格化を実現する。さらに本デバイスを用いた文字入力装置を開発する。 |
1141 |
造船組立作業における効率的なブロック配置アルゴリズムの開発 |
田房 友典 |
弓削商船高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
本校がある地域産業界には造船企業が多くあり、建造工程の効率化によって建造船数の増大が急務となっている。建造工程効率化の一つに、次のブロックの移動先を計画する造船ブロック配置作業がある。現在、数名の担当者が現場を歩き回り、ブロックの工程数とその位置を紙面に展開していおり、熟練したスキルと迅速な判断が必要である。本研究は、造船ブロックを効率的に配置するアルゴリズム開発を行う。開発するアルゴリズムをWebアプリケーションに組込み、ブロックの移動先を即座に指示・支援するシステムを構築する。 |
1142 |
銀と脆性材料のラッピングにおける低摩耗ラップ板の開発 |
藤本 隆士 |
弓削商船高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
銀とガラスのラッピングにおいて、ラップ液の性状によっては、ガラスが一方的に研磨され、銀が研磨されない特異な現象が発現する。この現象を用いれば、銀材料を元にしたラップ板によるガラス研磨において摩耗しにくいラップ板の開発が可能となる。そのため、本現象のメカニズムについて明らかにすることと、塑性変形し難いラップ板の開発の2つが重要な課題である。本課題では、塑性変形し難いラップ板の開発を中心とする。 |
1143 |
脳機能を高める柑橘類活性物質の探索とサプリメントへの応用 |
古川 美子 |
松山大学 |
菊池 敏夫 |
えひめ産業振興財団 |
柑橘類には抗アレルギー作用、発ガン抑制作用など種々の機能をもつ成分が含まれるが、脳機能に作用する成分についてはほとんど調べられていない。本課題は、神経細胞内の基幹シグナル伝達分子であり、高次脳機能に不可欠の分子と解明されつつあるmitogen-activated protein kinase (MAPK)の活性化を指標として、柑橘類に含まれる脳機能活性物質を探索・解析し、脳活性化サプリメント開発へと発展させることを目的とする。 |
1144 |
時計型酸素飽和度測定プローブの開発 |
宮田 剛 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
本課題では、日常生活での動きに対応できるウェアラブルなパルスオキシメータの開発を目的として、多機能性と装着安定性の面から腕時計型プローブを試作し、手首近傍で皮膚反射方式により動脈血酸素飽和度を計測する要素技術の確立を目指す。具体的には、微弱光電脈波を高い信号対雑音比(S/N比)で検出するために、現在まで申請者が提案してきたゲート動作アバランシェフォトダイオード(APD)による擬似ロックイン検出システムおよびボックスカー積分器を応用する。 |
1145 |
バイオフィルムを用いた海洋生物の付着防止技術の開発 |
早瀬 伸樹 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
海洋に浸漬したフィルター上に形成するバイオフィルムやイルカの皮膚から分離した細菌が形成するバイオフィルムに、フジツボや珪藻の付着を防止する活性を有することをこれまでに明らかにしている。このバイオフィルムの海洋生物付着防止機構を解明し、本機能の海洋生物付着防止技術への応用展開を図る。 |
1146 |
人工鼓膜用パッチフイルムの開発 |
中川 克彦 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
本研究は、鼓膜穿孔の組織再生を誘導する人工鼓膜を開発し、臨床応用することを目的とする。人工鼓膜は生体分解性高分子中に栄養因子等を含むナノファイバー・マットシートを電界紡糸法で作製し、移植後には鼓膜穿孔の組織再生に良好な環境が提供可能となる。患者自身の皮膚などを用いる場合は手術後、4ヶ月に一度、医者による脱皮した皮膚を除去する必要があるが、本人工鼓膜を用いると、皮膚除去などが不要となり、患者の負担が軽減される。 |
1147 |
超臨界二酸化炭素を利用した省力型害虫・鳥獣類防除剤の開発 |
堤 主計 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
本研究は徐放速度が一定で、且つ、有効期間の長い害虫・鳥獣類防除剤を開発することを目的としている。徐放性を一定に保てる基盤材としてバイオマス系の生分解性ポリマーを用い、防除薬剤には天然由来の精油を用いる。天然由来の有用な精油は高揮発性であるため、従来の方法ではポリマー中に含浸させることは困難であったが、超臨界二酸化炭素を媒体に用いることにより、これまでにない害虫・鳥獣類防除剤の開発を試みる。 |
1148 |
CPT信号を用いた高感度磁気センサーの開発と応用 |
福田 京也 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
三準位原子とレーザー光による量子干渉効果はCoherent Population Trapping(CPT)現象と呼ばれる。CPT共鳴を利用した原子発振器の発振周波数は外部磁場環境の影響に敏感であるため、高感度な磁気センサーとして利用可能である。本研究ではガラスセルに封入されたセシウム原子のCPT信号を観測し、小型で高感度な磁気センサー装置への応用可能性を探る。 |
1149 |
バッテリー残存容量・余寿命を推定するモデルベース検出センサーの開発 |
豊田 幸裕 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
電気自動車、ハイブリッド自動車のエネルギー管理の観点から、バッテリー残存容量(SOC)の推定技術および余寿命推定技術が不可欠なものになっているが、いまだに確立したものはない。そこで本研究では、電動2輪車への適用を事例として、SOCの挙動を推定するために、電流・電圧とSOCの関係を表す状態空間モデルを使用し、実測電流・電圧時系列データを用いたSOCの推定 および寿命推定アルゴリズムを確立し、DSPicマイコンに搭載した試作器の開発を目指す。 |
1150 |
油の吸油率及び脂肪吸収率の少ない低カロリーパン粉の開発 |
笹山 新生 |
愛媛県産業技術研究所 |
毛利 作太郎 |
愛媛県産業技術研究所 |
メタボリックシンドロームが社会問題化し、消費者の健康志向が高まっている中、フライの衣やハンバーグ等の練り込み用材料に利用されるパン粉についても、吸油量の少ないパン粉の開発が望まれている。本研究では、コンニャクゲルや多糖類の添加による吸油率低減効果と、これらの機能性を利用した脂肪吸収率の低減効果について検討し、脂肪吸収を抑制できる低カロリーパン粉の開発を目指す。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1151 |
有機系捕集材と超音波利用による大気中VOC分解処理技術の開発 |
隅田 隆 |
高知県工業技術センター |
津嶋 貴弘 |
高知県工業技術センター |
揮発性有機化合物(VOC)は、シックハウス等で問題となっているように、アレルギー症状や呼吸器疾患等の健康被害のほか、様々な環境被害を引き起こす原因物質として社会問題となっている。本研究では、有機系材料による吸着・濃縮と、超音波キャビテーションの分解を併用した分解処理技術を確立させることにより、事業所から排出されるVOC の捕集分解処理技術の開発に取り組む。 |
1152 |
天然物質をベースとした捕集材による現場完結型六価クロム処理 |
山下 実 |
高知県工業技術センター |
津嶋 貴弘 |
高知県工業技術センター |
工業的に利用価値の高いクロム(Cr)だが、人工的に生成される六価クロムは強い毒性を示し、クロムを含む産業廃水の排出は厳しく規制されている。一方、汚染の中でも工場跡地等における六価クロム汚染土壌の処理は施設建設および土壌運搬に莫大な費用と時間を要することから関係企業を大きく圧迫している。そこで本研究ではこれまで当事業によって開発した六価クロム捕集材の高度な機能を利用し、現場完結型六価クロム除去システムの開発を行う。 |
1153 |
香味特性に優れた新規低価格帯清酒の開発 |
上東 治彦 |
高知県工業技術センター |
津嶋 貴弘 |
高知県工業技術センター |
酒税法改正により、発酵中のモロミに糖類を添加できるにことになり、普通酒の品質改善が図られる。そこで、普通酒醸造に適した酵母を開発する。①アルコール生成量が高い普通酒醸造のために、本県で育種してきたアルコール耐性の弱い吟醸酵母にイソアミルアルコール馴養法等によりアルコール耐性を付与し、普通酒醸造に適応できるよう改良する。②香気成分の生成しにくい普通酒醸造のために、酢酸イソアミルとカプロン酸エチルの両方の高いタイプの酵母を開発し、普通酒の香味の増強を図る。 |
1154 |
牛の行動管理システムの開発 |
川原 尚人 |
高知県畜産試験場 |
吉田 均 |
高知県畜産試験場 |
牛の行動量は健康状態、ストレス、発情行動によって変動することが知られている。 そこで、本研究では牛の行動量を自動収集する低コスト機器の開発を目的とし、加速度センサを搭載した小型無線端末を牛に装着、アクセスポイントで収集したデータと行動量との関係について検討する。 |
1155 |
施設栽培ピーマン、シシトウ黒枯病の環境負荷軽減型防除技術及び装置の開発 |
下元 祥史 |
高知県農業技術センター |
山崎 龍一 |
高知県農業技術センター |
現在高知県内のピーマン・シシトウ栽培では、2004年に国内では初めて発生が確認された黒枯病により大きな被害(ピーマン・シシトウの栽培面積の約23%:29haに発生)を受けている。そこで、農薬に頼るのではなく、これまで明らかにしてきた本病害の発生生態に関する基礎的知見に基づき、圃場内環境を人為的に操作して感染好適条件を排除し発病を抑制する環境負荷軽減型の防除技術および装置を開発する。 |
1156 |
食味のよい水稲新品種‘南国そだち’の7月収穫安定化技術の確立 |
坂田 雅正 |
高知県農業技術センター |
山崎 龍一 |
高知県農業技術センター |
高知県で7月に収穫される‘とさぴか’は冷害に弱く、‘ナツヒカリ’は食味が劣るため、今後普及拡大は期待できない。このことから、‘コシヒカリ’並に食味が優れ、7月22日に収穫可能な‘南国そだち’を育成した。しかし、安定的に7月収穫を図るには、近年みられる気象障害(少照、高温、フェーン風)による未熟粒の発生や青枯れ症の回避対策が不可欠である。そこで、気象障害を軽減する諸条件を明らかにし、7月収穫安定化技術を確立する。 |
1157 |
高い柔軟性・吸収性と強度を併せ持つガラス強化マーセルパルプシートの開発 |
遠藤 恭範 |
高知県立紙産業技術センター |
関 正純 |
高知県立紙産業技術センター |
紙の原料であるパルプを水酸化ナトリウムで改質(マーセル化)することで、紙の基本性能である柔軟性、吸水性、保水性が向上するが、強度(耐久性)が低下するために製品化は困難で、この問題は紙産業界における大きな課題である。そこで本研究ではパルプのマーセル化とガラス生成による補強を安価な処理で同時に行うことで、高い柔軟性や吸水性、保水性を持ちながら必要十分な強度を併せ持つ高品質な紙シートを作成できる新たな抄紙法を開発する。 |
1158 |
抗菌・抗かび活性を発揮する衛生用シートの開発 |
滝口 宏人 |
高知県立紙産業技術センター |
関 正純 |
高知県立紙産業技術センター |
従来の抗菌シート、抗カビシートは、抗菌剤や抗カビ剤の特性上、シートへの加工時に本来の機能性が著しく低下するため持続効果が低く、また、一定の条件でなければ効果を発揮しないものが多い。さらに、抗菌、抗カビ機能を同時に発揮する製品は少ない。そこで、本研究では、多核金属錯体化合物を使用して、充分な抗菌・抗カビ活性を発揮し、低コストでかつ安全性の高い衛生用シートを作ることを目的とする。 |
1159 |
レーザー光を使った非接触マイクロアクチュエータの開発 |
伊藤 基巳紀 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
マイクロサイズのアクチュエーターへの動力供給にはいくつかの方法が考えられているが、光を動力源として用いると便利な点が多くある。円偏光はそれ自身角運動量を有するので、それを利用して非接触でマイクロ構造体に回転トルクを与えることが可能である。本研究では、円偏光を動力源とする、強い光学的異方性素材を使用した回転アクチュエーターの開発を行う。 |
1160 |
スラリーアイス製造技術を利用した新たな凍結濃縮装置の開発 |
横川 明 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
調味液(鰹だし汁、昆布だし汁等)及び果汁の風味、芳香、旨味に共通する低沸点成分を保持したまま、高効率、低コストで濃縮する新たな凍結濃縮システムを開発する。このシステムは、真水氷微粒子と、調味液または果汁の濃縮液が混合したスラリーアイス充填層からの真空・超音波併用脱液装置と、本代表研究者らがこの度新たに開発した、真水氷層の高速間接掻取り式スラリーアイス製造機とを組合わせた簡便なものである。 |
1161 |
アナログLSIの動作モニター型故障検出システムの開発 |
橘 昌良 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
アナログ回路の故障検出を回路の動作中にも行える機構の開発を目的とする。この機構は特別なテストモードを利用して回路のテストを行うのではなく、AMS(Analog-Mixed-Signal)システムでアナログ回路の動作状態を監視するプローブ回路(アナログ回路)とその出力から動作異常を検出するシーケンサ(デジタル回路)の組み合わせにより、回路の動作状態での動作異常の検出を行える回路を提案し、LSI 化しその有効性を実証することを目標としている。 |
1162 |
古紙および未利用木質資源から造った植物栽培用炭の鉢の開発 |
坂輪 光弘 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
古紙へのおが屑や樹皮の混合割合をハンドリング強度観点から調べる。さらに炭素化の最適条件を明らかにする。また、ホルムアルデヒドなどの有害物質の吸着能を明らかにする。特に植物などの栽培床に利用するので、水分含有下での有害物質の吸着特性を調べ、その機構を解明する。 |
1163 |
LSI故障診断システムの研究・開発 |
真田 克 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
LSIの故障箇所候補の特定のためのソフトウエアの研究である。診断はレイアウトデータからリーク故障候補となる特異形状を特定し、回路に埋め込み、貫通電流回路網を特定し、この網のトランジスタ(Tr)の動作点解析から算出されるインピーダンス値(Im)を付加することで電圧値を算出し、実故障と一致する候補を特定する技術である。SPICE と同等の診断精度、1/100以下の診断時間及び、簡易な操作を目標とする。 |
1164 |
ナノ構造組織制御による超伝導薄膜の特性向上 |
前田 敏彦 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
本研究では、自己磁場下で 100 万 A/cm2 を超える臨界電流密度 (Jc) を実現しているREBa2Cu3O7 (RE:Y 及び 希土類元素) 高温超伝導薄膜の高磁場下での特性向上に資する成膜プロセスを材料科学的手法により構築することを目的とする。成膜には Nd:YAG レーザの4倍高調波を用いた紫外光パルスレーザ蒸着法を用い、薄膜のナノスケール組織制御によりこれを実現する。 |
1165 |
袋詰め薬剤画像診断システムの開発 |
竹田 史章 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
現在、調剤薬局などで処方される薬は、朝昼晩などの服用時間に分けて袋詰めされ、患者に提供される。現場では、分包された薬に間違いがないか薬剤師二人がダブルチェックをしている。しかしながら、膨大な患者数を抱える医療機関では、大量の薬を二人でダブルチェックする作業は大変な労力となっている。本研究は、人間の作業手順と感性による判断を参考にし、先進的画像処理と知能化手法により解決を試みる研究である。 |
1166 |
汎用・安価で実用性の高い紫外線センサの開発 |
岸本 誠一 |
高知工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
高感度の紫外線センサは、近年太陽光の有害性(UV-B)が指摘されていることなどから様々な分野においてそのニーズが高まっている。 酸化亜鉛はその物性から紫外域に光電効果を持つ材料として注目されており、ガリウムを高濃度添加することにより、光電流が飛躍的に大きくなることを見いだした。本研究ではこの機構を明らかにし、酸化亜鉛薄膜を使った透明紫外線センサの実用化をめざす。 |
1167 |
非接触歩行信号検出技術を利用したリハビリテーション支援システムの開発 |
栗田 耕一 |
高知工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
ヒトの歩行に伴い発生する微弱な誘導電流を検出することにより、従来技術では困難だったヒトの歩行信号の完全非接触計測技術を開発した。本課題では、この技術を応用して、歩行リハビリテーションにおける改善の程度をリアルタイムでフィードバックする歩行リハビリテーション支援システムを開発する。検出した歩行信号を音や光、画像でリハビリ患者に表示するフィードバックシステムを試作し、リハビリにおける本システムの有効性を検証する。 |
1168 |
水中レーザー照射法を用いた半導体デバイスプロセス技術開発 |
池上 浩 |
高知工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
我々は、水中でレーザー照射を行う方法を用いて、薄膜の表面平坦性を維持しつつ熱処理が可能な水中レーザーアニール技術、高生産で低損傷なレーザー微細加工技術の開発を行っている。本研究では、これらの技術を半導体プロセス技術に適用する為、量産対応の高繰り返しレーザーを用いて企業等より提供を受けた試料のデモンストレーション処理を行ない、量産対応技術として実証すると伴に成果の発表を行い、これらの技術の有用性を確認する事を目的とする。 |
1169 |
クライアントの病状ステージに応じた新しい血糖コントロール食品の開発 |
川村 美笑子 |
高知女子大学 |
彼末 富貴 |
高知女子大学 |
本課題では、申請者が世界で初めて粉末化に成功したミネラルトレハが有する食後血糖値上昇を抑制する特性を生かし、クライアント(対象者)の病状ステージに応じた新しい血糖コントロール食品を開発することを目的とする。「新しい血糖コントロール食品」は、メタボリックシンドロームの有病者・予備群や高齢者の血糖コントロールを目的に、年齢・性差・健康状態・病歴などを視野に入れたエビデンスに裏付けられる食品として開発する。 |
1170 |
水熱・酵素複合技術を用いた廃棄・漂着海藻の高速糖化 |
奥田 和秀 |
高知大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
海藻の粘質多糖成分は食用、薬用として広く工業的に利用されているが、セルロース成分はほとんど利用されていない。我々は、水熱・酵素複合技術を用いることにより、海藻の粘質多糖成分だけでなく、セルロース成分も高速に糖化できる新しい技術を開発した。本研究課題ではこの技術を用いて、自治体によっては年間2000〜3000 トンとされる廃棄・漂着海藻の多糖成分の単糖・オリゴ糖化を実現する。それにより、健康食品、医薬品やバイオエタノールなどへの応用の可能性を追求する。 |
1171 |
臨床検査としてのセレクチンリガンドをもつMUC1の意義 |
横山 彰仁 |
高知大学 |
大山 真吾 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
我々はセレクチンリガンドを有する可溶性MUC1が存在すると考え、その測定法を開発し、SLAK と名付けた。予備的研究結果を踏まえて、本研究ではSLAKを臨床検査試薬とすることを目標とし、ARDS においてSLAK が既存のものよりもよい予後マーカーか検討し、さらにSLAKとDICとの関連を明らかにする。また、現在用いているエピトープよりも感度・特異度の高いSLAK 測定系を開発する。 |
1172 |
皮膚癌多発マウスを用いた新規シグナル阻害軟膏の紫外線発癌の抑制効果 |
横川 真紀 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
紫外線による皮膚発癌のためには、表皮細胞のスタット3という細胞内シグナル伝達物質の過剰な活性化が必要十分条件であり、このシグナルの阻害が発癌を抑制することが明らかにされている。さらに、ヒトの紫外線による前癌症状、あるいは皮膚癌においてもこのシグナルは活性化している。今回、スタット3が恒常的に活性化された遺伝子改変マウスに生じる紫外線発癌が新規のスタット3阻害薬により抑制されるかどうか、また治療薬として効果的かどうかを検討する。 |
1173 |
近赤外分光法を利用した海外輸出用乾物の高品質乾燥装置の開発 |
河野 俊夫 |
高知大学 |
島崎 たどる |
高知大学 |
本研究課題では、我が国で生産する海外輸出向け乾物の高品質化を目的として、近赤外分光法を利用した新しい乾燥装置の開発を行う。近赤外分光法による非破壊内部品質評価機能を備えた新型乾燥装置を用いることにより、海外輸出用のインスタント食材、農産物・水産物・畜産物等の乾物の高品質化を図ることができる。これにより、我が国の乾物食材の輸出競争力の強化と販路拡大を目指す。 |
1174 |
紙表面上で疎水性機能材料含有マイクロカプセルを直接合成する手法の開発 |
市浦 英明 |
高知大学 |
島崎 たどる |
高知大学 |
機能材料と紙の複合化は、従来バインダーを用いた塗工法が使用されてきた。しかしながら、バインダーが機能材料の表面を被覆するため、機能材料の機能を十分に発揮できない。そこで、本研究では、機能材料を含有したマイクロカプセルを紙表面上で直接合成することを試み、疎水性機能材料と紙との新しい複合化法の開発を試みる。本技術により、紙と疎水性機能材料のバインダーレス複合化技術の確立が期待される。 |
1175 |
胸部CT画像によるじん肺自動診断の開発と応用 |
菅沼 成文 |
高知大学 |
島崎 たどる |
高知大学 |
粉じん吸入によって発生するじん肺の医学的健診は胸部エックス線写真によって分類されるが、判定者間の不一致が十分に制御されない。これはじん肺分類に対する理解が不十分である医師が読影している可能性とたとえ十分に理解していても主観的な判定であるために生じる誤差を制御できていない可能性がある。日下、菅沼らが国際共同開発した職業性呼吸器病のための国際HRCT 分類を発展させ、木戸らが開発したびまん性間質性肺炎のスコア化のためのアルゴリズムを応用し、じん肺の自動スコア化を実現する。 |
1176 |
筋力訓練の指標となるリアルタイムの積分筋電計の実用化のための研究 |
石田 健司 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
今回作成するリアルタイム積分筋電計は、先ず最大筋力を発揮させて表面筋電から、その積分値を計算する。次にその値の何%の筋収縮を行なわせるかを「訓練目標値」として設定する。その訓練目標値まで筋収縮させる方法で、筋力増強訓練を行わせると、筋力の強い人も弱い人も、その人に応じた筋力訓練を設定することができることになる。更には24時間ホルター心電計の如く、四肢・体幹の積分値の24時間メモリー機能を付加することにより、筋のエネルギー消費量が評価でき、メタボリック症候群への応用も可能となる。 |
1177 |
極晩生・極多収・良食味の品種候補‘村井79号’の西南暖地における適応性の検討 |
村井 正之 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
西南暖地においては、温暖化の影響によって登熟期の気温が上昇し、乳白米等の高温障害米が多発して品質が低下する傾向にあり、高温耐性または高温時の登熟を回避する水稲品種の育成が重要な課題である。村井は、気温の低下する秋に登熟する従来の品種より極晩生の系統‘村井79 号’の育成に成功した。村井79 号を高知県内の農家、香川県と福岡県にある試験研究機関で試作し、収量性、食味や品質などの詳細な調査を実施して、実際の生産栽培への検討を行うとともに品種登録のための資料とする。 |
1178 |
白血病細胞増殖機構の網羅的解析・治療戦略決定への応用 |
池添 隆之 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
急性白血病は人口10万人あたり毎年約5-6人が発症する。既存の抗癌剤治療ではその生存率は40%以下の不治の病であり新規治療法の確立が急務とされる。急性白血病は個々の症例で細胞増殖を司っている細胞内シグナル伝達機構の活性化状況は多様性に富んでいる。これらシグナル活性化状況で予後を予測し患者を層別化して治療法を選択するシステムの構築を目指す。また、白血病細胞で特異的に活性化しているシグナルを標的とした新規治療法の確立のための基礎研究を開始する。 |
1179 |
時間的制約のある生活習慣病ハイリスク者に有効なeラーニングプログラム確立に関する研究 |
都竹 茂樹 |
高知大学 |
北添 英矩 |
高知大学 |
「生活習慣病ハイリスク者の減少、医療費の適正化」を目的とした特定健診・保健指導の対象者の多くは、多忙な勤労する中年男性であり、時間的制約のあるハイリスク者に対する支援プログラムの開発は不可欠である。本研究では、時間・場所の制約が少ないeラーニング・プログラムを、国保ヘルスアップモデル事業での申請者の経験に基づいて開発する。 |
1180 |
微量有害化学物質除去機能を付与した排水路材料の開発に関する研究 |
藤原 拓 |
高知大学 |
島崎 たどる |
高知大学 |
本研究では、農薬等の微量有害化学物質の除去機能を付与した排水路材料を開発することにより、面的汚染源から排出された微量有害化学物質を排水路の面的ネットワークにより浄化するシステムの開発を行うことを最終目標としている。維持管理が困難な排水路で持続的な微量有害化学物質の除去機能を発揮するために、微量有害化学物質の吸着機能と分解機能を併せ持つ機能性排水路材料の開発を行い、除去に対する影響因子を検討する。 |
1181 |
小児固形移植におけるEBウイルスの制御と対策 |
藤枝 幹也 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
強力な免疫抑制薬の登場により、EB ウイルス(EBV)未感染の若年者の移植が可能になる一方、EBV 感染にともなう致死的な移植後リンパ増殖症(PTLD)などの発症増加が懸念され、EBV 関連症状の予防と早期発見・治療が重要になるが、現在、確立されたシステムがない。そこで、移植後経時的な採血により、EBV 量、細胞性免疫(killer T 細胞数)および免疫状態(ATP 産生能)を同時に把握する方法を完成させ、免疫抑制薬調節の指標作りを目的とする。 |
1182 |
錠剤化酵素を用いるビタミンB6分別定量キットの開発 |
八木 年晴 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
健康と精神活動を支える必須栄養素ビタミンB6は、天然に存在する6 種類の化合物の総称である。最近、ビタミンB6 の一つピリドキサミンに生活習慣病である糖尿病の合併症を予防し治癒する機能が見いだされるなど、ビタミン類の機能性に注目が集まってきている。本課題は、食品の持つ機能性とヒト血漿中のビタミンB6 濃度をより正しく評価するために必要なビタミンB6 分別定量用キットを開発し、キットを用いた場合の測定条件を確立するための研究を行うことを目的とする。 |
1183 |
高知産藻類からのアレルギーおよび糖・脂質代謝制御物質の探索と応用 |
富永 明 |
高知大学 |
石塚 悟史 |
高知大学 |
高知産藻類からアレルギーおよび糖・脂質代謝制御に効果のある種を同定し、有効な分画を抽出した後、新規機能性食品の産業創出に資することを目指す。高齢化による生活習慣病の増加や免疫調節機能の低下は国民の最大関心事であり、これらの疾患による医療費増大も社会問題化している。本研究は糖・脂質代謝調節や免疫調節の機能を強化する食品を開発することで、病気の予防と健康維持に貢献することを目的とする。 |
1184 |
加工性に優れた安全かつ高機能なハイブリッド材料の開発と応用 |
米村 俊昭 |
高知大学 |
島崎 たどる |
高知大学 |
これまでの材料開発では、複数の機能を持たせるためには多様な物質を開発、利用する必要があり、さらに加工法や耐久性に制限があることも製品開発の大きな課題となってきた。我々の開発した銀含有ハイブリッド化合物は、長寿命かつ加工性に優れ、微量で効果を発揮し、複数の機能を兼ね備えている。本研究では、加工後の溶出量が少ないハイブリッド化合物の長所を活かして、人に直接接触する場での使用を念頭においた安全性の高い多機能材料の開発について検討する。 |
1185 |
ソルボサーマル反応による酸素還元触媒用硫化物の合成 |
柳澤 和道 |
高知大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
イオウの沸点は444.6℃であり、高温での反応ではイオウが気相に移行してしまうために、硫化物の合成は、金属とイオウとの閉鎖系や硫化水素気流下での高温反応により実施されてきた。この方法では得られた硫化物粒子は非常に大きく成長してしまい、比表面積が小さいために触媒としては使用できない。本研究では、高温高圧下の有機溶媒中で、比表面積の大きな、微細な粒子からなる硫化物を合成する手法を確立し、高性能な酸素還元触媒を開発することを目的とする。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
1186 |
湿式プロセスによる高効率高分子素子の開発 |
永松 秀一 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
現在の有機ELディスプレイを搭載した携帯電話やテレビは、真空蒸着などの乾式プロセスにより製造されている。本研究は、さらなる低コスト化を図るために、発光性高分子を用いた有機ELデバイスにおいて、高い発光効率を示すポリフルオレンについて、簡便な湿式プロセスによる高効率なELデバイスを開発する。 |
1187 |
バイオセンサー素子マイクロペルオキシダーゼの化学合成法の開発 |
坂本 寛 |
九州工業大学 |
大矢 伸宏 |
九州工業大学 |
マイクロペルオキシダーゼ(MP)は生体色素ヘムを含む機能性オリゴペプチドで、幅広い分野での応用が期待されている。しかし、MPは天然物由来であるため高価で、汎用性が制限されてきた。そこで、本研究では、ペプチド合成法とタンパク質化学修飾法を組合せ、MPを化学的に合成する方法を開発する。これにより、MPを安価に供給できるとともに、様々な化学修飾が可能となり、高機能なMPを創出することができる。 |
1188 |
データ圧縮と情報検索アルゴリズムの融合 |
坂本 比呂志 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
本研究課題において,圧縮データ上のパターン照合と,索引構造による高速な情報検索アルゴリズムを融合した新しい情報検索手法の開発を行う.従来の索引構造は複雑な検索が可能な反面,大規模データに対する索引構築は計算コストが非常に高く実用的ではない.そこで,索引構造にデータ圧縮の技術を組み込んだ圧縮データ上の索引構造を実現し,これまで困難であった大規模半構造データに対する高速検索の理論の確立とシステムの実用化を目標とする. |
1189 |
低コスト2軸配向金属基板を用いた高性能次世代超伝導線材の開発 |
松本 要 |
九州工業大学 |
末松 正典 |
科学技術振興機構 |
高温超伝導体を用いた次世代超伝導線材は、その性能を最大限に引き出すために2軸配向化することが必要である。それには金属基板を2軸配向化し、この上に超伝導体をエピ成長させるRABiTS法が低コスト法として期待される。本研究では、従来よりも低コストで強度や生産性に優れた合金にニッケル外層めっきを行い、これを2軸配向化させ、新機能を有するRABiTS用基板を開発し、次世代超伝導線材の低コスト化を目指す。 |
1190 |
金属硫化物を用いたロ−コスト燃料電池電極触媒の開発 |
清水 陽一 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
固体高分子型燃料電池は、次世代分散型電源として注目されているが、現状では電極触媒に用いられる白金系触媒が高コストであり、実用化への大きな障害となっている。そこで、本研究では、耐久性に優れ、多彩な機能が期待される金属硫化物セラミックスに着目し、多成分系硫化物の合成、触媒のナノサイズ・高表面積化、反応機構解析等を行なうことで、金属硫化物系触媒の白金代替新規ローコスト・高活性電極材料の構築を目指す。 |
1191 |
大型構造物の施工時強化仕上げ法 |
西尾 一政 |
九州工業大学 |
長田 純夫 |
九州工業大学 |
溶接が必ず適用される大型構造物(鉄橋、高速道路、高層ビル等)に含まれる熱影響部の結晶粒は必ず肥大化しており、強度や靭性を著しく劣化させる。本研究においては内部歪みを有する金属材料は急速加熱冷却により再結晶するという知見に基づき、溶接施工後(供用前)にその熱影響部にYAGレーザーを照射し、数百ミクロンに肥大化した結晶粒を5ミクロン以下に微細化し、大型構造物の寿命を現在の数十年から2倍以上に延命を図る。 |
1192 |
有機化合物を用いた高感度フッ素センシングシステムの構築 |
柘植 顕彦 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
アニオン類は、産業、環境分野で、重要な役割を果たしているだけでなく、生体関連分野においても注目されている。 特に、フッ素アニオンは、骨粗鬆症の原因解明、また治療法の開発においても重要な化学種である。 そこで、本試験研究では、発光特性を有する縮環芳香族を基盤とした化合物を合成し、フッ素アニオンと特異的に結合することで蛍光発光の強度が著しく増加する高感度フッ素センシングシステムの構築を行う。 |
1193 |
電気刺激を利用した歩行訓練装置の開発 |
田川 善彦 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
不全下肢麻痺者に対する家庭用電気刺激歩行訓練装置を開発する.麻痺部位の機能改善には,退院後の一般家庭での持続的リハビリが不可欠である.本装置は,下肢と体幹への電気刺激により,下肢のサイクリング動作を実現し,これに同期した上半身のバランス制御により姿勢保持を行うものである.また訓練装置にバーチャルリアリティ技術を併用し,家庭でのリハビリが持続するよう訓練の履歴・評価機能,さらに娯楽性などを付加する. |
1194 |
ボロン含有低コスト型組成の新規チタン系合金の開発と恒温加工性能の評価 |
萩原 益夫 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
Ti-22Al-11Nb-2Mo-1Fe合金は高温強度特性、靭性に優れた低コスト型組成のチタン系軽量耐熱合金である。用途目標はジェットエンジンのタービンブレードである。本研究は、結晶粒の微細化による恒温加工性能の向上を目的に、本組成合金に微量のボロン(B)を含有させた合金を新たに開発する。この新規合金を対象に、温度、歪速度を変化させて恒温圧縮試験を行い、応力‐歪曲線の形状、試験片の変形形態などから恒温加工性能の改善効果を評価する。 |
1195 |
高い水素ガスバリア性を有する新しい無機化合物複合化CFRPの開発 |
米本 浩一 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に柔軟な層状の結晶構造を持つ珪酸塩等の 粘土鉱物を一方向に高配向した層を形成させ,従来の金属や有機高分子材料等の ライナーを利用したものよりも遥かに高い水素ガスバリア性能を実現し,航空宇 宙機や自動車等への利用を目的とした軽量で実用的な液体あるいは水素ガスを貯 蔵する複合材タンク開発に向け,設計データを得るための機械材料特性試験を実 施する. |
1196 |
地上民生品用帯電防止コ−ティングの宇宙環境適用性の評価 |
趙 孟佑 |
九州工業大学 |
田中 洋征 |
九州工業大学 |
静止軌道衛星の放電事故を防止するため、衛星表面の絶縁体に適用可能な帯 電防止コーティングを開発する。目標とする表面抵抗値は107から109Ω/□ の範囲内であるが、この値に相当する地上民生分野のコーティング剤は金属酸 化物等によって実用化されている。これらの材料材料が真空・高温・低温・プ ラズマ・紫外線といった宇宙環境に曝された後でも表面抵抗値を維持できるか を試し、宇宙でも使えるコーティング剤を見つける。 |
1197 |
光触媒及び放射線誘起表面活性の定量測定装置の開発 |
川口 俊郎 |
九州産業大学 |
藤本 敏樹 |
九州産業大学 |
光触媒はセルフクリーニング・空気浄化等の働きで、また放射線誘起表面活性は防食・電熱向上等の効果で知られている。これらの性能は光や放射線の照射によって生じた反応中間体の多寡に拠っている。これまで性能評価には反応中間体の量を直接測定する方法はなかった。本研究では、研究代表者が開発した磁気浮上電極電離箱(特許第3817537号)を用い、反応中間体の電荷を直接測定する方法・装置を開発する。 |
1198 |
ナノバブルを利用した超音波遺伝子・ドラッグデリバリーシステムの確立 |
岩永 賢二郎 |
九州歯科大学 |
石川 宗晴 |
科学技術振興機構 |
リポソームに超音波造影ガスを封入した、ナノバブルリポソームに抗がん剤や遺伝子などを封入し、超音波照射によるバブルの圧壊により、細胞内に薬剤や遺伝子を導入する超音波バブルリポソーム法が使われている。本申請ではポリエチレングリコール(PEG)修飾リポソームに、癌細胞表面に過剰発現している受容体(EGFR)を認識する抗体を結合させた複合体を構成して、担がんマウスでの効果確認を行って、本手法のがん治療への応用可能性を調べる。 |
1199 |
フィボナッチ数列により最適化された超低消費電力・高速DACの開発 |
Pokharel Ramesh |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
従来のデジタル回路では、CML(current mode logic)や3次元実装によりインダクタンス結合やソフトウエアからの最適化も提案されているが、消費電力がもっとも重要になるアナログ回路、例えばDAやAD変換回路の設計には低消費電力は半導体デバイスの微小化に伴い実現されている。本研究では、フィボナッチ数列を応用した新しいトランジスタ最適化手法により、次世代無線通信用超低消費電力・高速DA変換回路を開発する。 |
1200 |
帯電凝集反応を利用した環境微粒子のラグランジェ型高効率除去技術の開発 |
伊藤 一秀 |
九州大学 |
山内 恒 |
九州大学 |
室内環境中には各種のエアロゲルが存在し、その一部はアレルゲンとして人体影響が懸念されている。本研究で提案する方法は、環境煙草煙等のエアロゾルを対象とし、空間全体に放出した帯電水分子クラスタが移流拡散効果によってラグランジェ的に輸送される際に周囲のエアロゾルと帯電凝集し、空気清浄装置と併用することで効率的な微粒子除去が期待できる。また帯電凝集反応を用いることで環境煙草煙に代表される空気中の微粒子をクラスタ化(大粒径化)させ、重力沈降効果を高め、空気清浄装置等のフィルター捕集効率も同時に向上させる。 |
1201 |
糖尿病発症における性差を利用した糖尿病治療薬の開発 |
稲田 明理 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
男性は女性に比べて糖尿病の発症率が高いものの、60歳以上では女性の方が糖尿病人口は多いとされている(WHOの統計による)が、これら性差の原因解明の研究は、ほとんど無い。申請者が開発したTgマウスでは、性差が明確で、メスの大半の血糖値は回復している。そこで本研究では、女性ホルモンが作用する標的分子を同定し、その分子を活性化させる糖尿病治療薬の開発を目指す。 |
1202 |
貴金属合金ナノ粒子合成法の開発 |
永長 久寛 |
九州大学 |
緒方 道子 |
九州大学 |
Pt、Rh、 Ru、Pd などの貴金属を成分とした合金ナノ粒子は触媒材料として重要なキーマテリアルであり、これらの構造や物性をナノレベルで制御できれば、高活性、多機能、長寿命の触媒材料を調製できるため、貴金属使用量の低減につながる。本研究では、様々な還元方法(試薬還元法、光照射法、加熱法など)を適用することにより粒子径や構造、金属組成分布を自在に制御した合金属ナノ粒子を大量合成する手法を開発する。 |
1203 |
高効率電気光学特性を有するモレキュラーグラスの開発 |
横山 士吉 |
九州大学 |
緒方 道子 |
九州大学 |
本研究では、従来の無機光スイッチング素子のNLO特性を大きく凌駕する高分子材料の開発を目的とする。代表研究者は、すでに従来比で100 倍近く高い超分極率を有するNLO色素の合成に成功している。よって、NLO色素を高濃度に分散し、かつ高配向性を実現するモレキュラーグラスの材料技術を開発することにより、高効率・安定な電気光学定数(目標値: r33=100pm/V)を示す高性能光スイッチング材料の実現が期待できる。 |
1204 |
口内法X線撮影シミュレーションシステムの改良と応用 |
岡村 和俊 |
九州大学 |
京谷 香菜子 |
九州大学 |
歯科におけるX線撮影技術を向上させるには、理論のみならず、体感することが必要であるが、X線を利用する特性上教員の立ち会いが不可欠であることもあり、自由時間の練習も難しいのが現状である。本システムは患者を想定したモデルに対するフィルム・X線照射筒の任意位置づけ時の画像をX線を使用せず得られるため、学生の自己学習装置となりえるものであり、本研究は、センサー部分を汎用性の高いものにするものである。 |
1205 |
正常子宮内膜幹細胞の同定と再生治療への応用 |
加藤 聖子 |
九州大学 |
京谷 香菜子 |
九州大学 |
我々は正常子宮内膜での前駆細胞の存在を報告している。今回、前駆細胞に発現が亢進している複数の表面マーカーの中から、幹細胞マーカーを同定し、効率的に子宮内膜幹細胞を分離・培養方法を確立し3次元培養下での子宮内膜構造形成の開発を目標とする。この研究により、3次元培養下での人工子宮内膜の再生が可能となり、子宮内膜機能不全が原因の不妊症の新規治療法の開発につながる。 |
1206 |
純アルミ板挿入型高力ボルト高摩擦接合を用いた鉄骨構造継手の開発 |
吉岡 智和 |
九州大学 |
岸本 泰洋 |
九州大学 |
鉄骨構造物の継手に多用される高力ボルト摩擦接合の伝達力を現行設計耐力の約1.5倍向上させることは、添板鋼材量やボルト本数の減少、ボルト締め付け作業の迅速化に繋がり、工事費が10〜15%削減可能となるとの試算がある。本研究は、ブラスト処理を施した鋼材摩擦面間に純アルミ薄板を挿入することにより、摩擦伝達力向上を実現した高力ボルト高摩擦接合を適用いた鉄骨構造継手の開発である。 |
1207 |
癌栄養血管を標的とした新規癌遺伝子免疫療法の開発 |
久枝 一 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
本申請研究では癌/腫瘍の新生栄養血管に発現する遺伝子とユビキチン遺伝子の融合遺伝子を用いてDNAワクチンを行い、MHCクラスI分子を発現していない悪性のB16F10メラノーマ等に対する強い抗腫瘍免疫の誘導を試みる。この抗腫瘍免疫は癌細胞自体に対してではなく、特異的CTLがMHCクラスIと共に標的蛋白質エピトープを発現している 新生栄養血管を破壊することによる“兵糧攻め”効果を誘導することにある。 |
1208 |
有用微生物群を封入したポーラスブロックによる水質浄化システムの開発と応用 |
押川 英夫 |
九州大学 |
山内 恒 |
九州大学 |
アルカリ性に極めて強い耐性をもつ有用微生物群が封入された多孔型コンクリートブロックを用いて、湖沼、河川、閉鎖性海域等、有機汚濁の進んだ大規模な水域における高効率な水質浄化システムを開発する。本研究では実用化に向けて、ブロックに封入された有用微生物群と脱窒菌との共生による硝化脱窒プロセスの解明、自然条件下での効果の定量評価ならびに持続期間を検証し、河川等における水質浄化能力を簡便に見積もるためのチャートと施工マニュアルを作成する。 |
1209 |
生体内フリーラジカル反応画化のための造影剤開発 |
山田 健一 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
我々はこれまで、種々のニトロキシルラジカルがフリーラジカルなどの鋭敏に反応することに着目し、疾患モデル動物の発症メカニズム解析を行うための造影剤として利用してきた。一方で、新規合成経路にて種々のニトロキシルラジカルを開発している。そこで本研究課題では、これらの技術を組み合わせ、疾患モデル動物の発症進展に関与するフリーラジカル反応の画像解析を行うための造影剤開発を目標とする。 |
1210 |
ナノチタニア系無機プロトン伝導体の開発 |
松本 広重 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本研究では、表面を酸で賦活処理したナノチタニアを利用し、熱的にも化学的にも、物理的にも安定なプロトン伝導体について検討する。いわば「無機材料版ナフィオン」とよべる、新しい燃料電池用電解質の創生を目指す。具体的には、緻密化、酸修飾の種類と方法を検討することにより、高い性能と安定性を兼ね備えたプロトン伝導体を開発する。 |
1211 |
アデニンヌクレオチド透過担体に作用するアポトーシス阻害剤の開発 |
新藤 充 |
九州大学 |
石川 宗晴 |
科学技術振興機構 |
ボンクレキン酸は、ミトコンドリア内膜のアデニンヌクレオチド透過担体に結合しアポトーシスを阻害する重要な生化学試薬であるが分子レベルでの研究は未開拓である。本研究はこれまでのボンクレキン酸の合成法の開発を発展させ、さらに活性向上のための分子構造修飾や生体分子ハイブリッド化を行って、生物活性評価により有効なアポトーシス阻害剤のライブラリーの構築を行い、生化学試薬を実用化することで研究に貢献する。 |
1212 |
レーザー誘起超音波法を用いた完全非接触型歯科インプラント固定率評価装置の開発 |
森田 康之 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
歯科インプラントにおいて、術後の骨に対する固定率は、合併症を未然に防ぐため経時的に評価すべき重要な因子である。しかしながら現状では、確固たる評価法が確立されていない。そこで本研究では、レーザー誘起超音波法を用いて、植立後の歯科インプラントの骨への固定率を非接触かつ経時的に評価できるシステムを新しく開発することを目的とする。 |
1213 |
電界誘起酸素エッチングによる探針先端の原子レベル先鋭化 |
水野 清義 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
タングステン針は、電解液中での電気分解を用いた研磨法によって比較的容易に先鋭化することが可能で、走査プローブ顕微鏡の探針や電子顕微鏡の電界放出電子源として用いられている。代表研究者らは、真空中、酸素雰囲気において高電界を加えることにより電界蒸発を行い、針先を3 nm の曲率半径に先鋭化する手法を見出した。本研究では、得られた針を用いて走査プローブ顕微鏡の観察を行い、高性能探針として実用化を目指す。また、電界放出パターンを測定し、電子源としての性能評価を行う。 |
1214 |
(生き物の)非平衡力物性計測システムの開発 |
水野 大介 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本研究では、試料の非平衡度や力生成等、非平衡物質の総合的な力学機能を制御しかつ計測することができる新しいレオメータを開発する。具体的には、1)マクロレオメータを使用して生体試料に非平衡な力学刺激を加えつつ、2)Active/Passive マイクロレオロジー計測により試料の非平衡度と(非平衡環境下で定義された)力学物性を同時に計測することができるシステムを開発する。 |
1215 |
ロボット群による大規模建造物の自動レーザ計測システムの開発 |
倉爪 亮 |
九州大学 |
前田 真 |
九州大学 |
代表研究者が独自に開発した複数ロボットを利用した高精度な位置同定手法である協調位置同定法(Cooperative Positioning System:CPS)と移動可能な小型レーザ計測装置を組み合わせ、計測位置を測量精度で自動的に測定することで、多くの人手を要し処理コストも高い後処理の不要な3次元GISマップや大規模歴史遺産の3次元モデルを自動作成する大規模自動レーザ計測システムを開発する。 |
1216 |
多元ドープによるバルクナノコンポジット構造ZnO系酸化物熱電材料の開発 |
大瀧 倫卓 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本応募課題は、ZnOへの多元ドープにより、高い導電率σを保持したまま熱伝導率κが顕著に低下し、熱電性能が飛躍的に向上するという代表研究者の最新の知見に基づき、バルクZnO内部に生成するナノオーダーの複合組織構造(バルクナノコンポジット構造)と試料合成条件との関係を詳細に検討し、ZT=1 に迫る実用可能なn型酸化物熱電材料の開発を目的とするものである。 |
1217 |
アルツハイマー病モデルマウスにおける認知機能・病理学的解析法の開発 |
大八木 保政 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
アルツハイマー病(AD)の新規薬剤の簡便な有効性評価法として、ADモデルマウスを連続的に解析する手法を確立する。家族性AD関連の変異型PS1・APP・tau遺伝子を導入した3XTgマウスは、4ヵ月齢から記憶障害を呈し神経細胞内にアミロイドβ蛋白蓄積と神経原線維変化が見られる。薬剤投与前後でのモリス水迷路解析とその後の免疫染色による病理学的解析を連続的に行い、抗AD薬の臨床的効果を簡便に解析する方法を確立する。 |
1218 |
再生医療用新型理想ウイルスベクターの開発 |
竹田 誠 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
再生医療研究が克服すべき重要な課題のひとつは、宿主ゲノムに影響を与えることなく効率的に複数個の遺伝子を同時に発現させる技術の確立である。本研究は、申請者の麻疹ウイルス改変新技術を用いて(1)宿主ゲノムに影響を及ぼさず、(2)多数個の遺伝子を数週間にわたり発現でき、(3)効率よく標的とする細胞に感染し、(4)細胞傷害性が低い、(5)臨床応用に安全なウイルスベクターの開発を行うものである。 |
1219 |
海綿骨を模倣した三次元連通気孔型人工骨置換材の開発 |
竹内 あかり |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
自家骨移植が骨再建術式の第一選択とされるのは、自家骨がリモデリングを受け、経時的に生体骨に置換されるためである。本研究課題では、海綿骨が生体骨に置換されやすいことに着目し、海綿骨の形態と組成を模倣した炭酸アパタイトフォームを調製する。さらに、得られたフォームを骨置換材として臨床応用するために必要となる細胞学的・組織学的所見を得ることを目的とする。 |
1220 |
乳幼児期の種々疾病予知・予防のための腸内フローラ解析システムの構築 |
中山 二郎 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
乳幼児期の腸内フローラは日々変化しながら序々に安定した成人型フローラへと成熟する。近年の研究から、この成熟化の過程は個人個人で様々であり、定着する細菌の種類やタイミングあるいはバランスにより同時期あるいは後の健康状態が左右されることが示唆されている。本課題では、迅速性・簡便性・信頼性の三要素において優れた腸内フローラ解析システムを構築し、乳幼児期の種々疾病(特に各種アレルギー疾患、慢性の腸炎など)の早期予知・予防システムを確立することを目標とする。 |
1221 |
疾病感受性ゲノム情報による集団リスク階層化技術の開発と応用 |
中島 直樹 |
九州大学 |
桜田 敏生 |
株式会社産学連携機構九州 |
「疾病管理」は対象をリスク階層化し高リスク群に第三者的に集中的に介入し、再階層化する新概念であり、日本での導入例はほぼ皆無である。疾病管理の成否を左右する最重要技術は集団リスク階層化の正確性であり、既に大学発事業として展開中の糖尿病疾病管理「カルナ」にて保有する技術と最近判明した糖尿病疾病感受性遺伝子の保有スコア計算を用い、更に精緻なリスク階層化法を開発し、低コストで高効率な疾病管理を可能とする。 |
1222 |
有機ELを光源とするマイクロチップ用蛍光検出システムの開発 |
中嶋 秀 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本研究は,手のひらサイズの一枚の基板上に微細な流路と有機発光ダイオード素子を作製し,試料中の各成分を光化学固定法などの表面修飾法を利用してマイクロチャネル内壁に固定した種々のレセプタータンパク質との相互作用により分離した後,マイクロチップに集積化した有機EL 素子を光源とする蛍光検出システムにより検出する、小型で安価なオンサイト測定用分析システムを開発するものである。 |
1223 |
高機能エレクトロクロミック高分子材料の開発と固体薄膜デバイス応用 |
長村 利彦 |
九州大学 |
緒方 道子 |
九州大学 |
紙資源の大量消費の問題とユビキタス社会の要請に答えるため、書き換え・畳み込み可能な電子ペーパーが注目されている。その方式の一つとして酸化還元によるエレクトロクロミズム(EC)があるが、実用化には多くの課題解決が必要である。本提案では、酸化還元により可逆的に三原色を発するEC 機能とイオン輸送機能を併せもつ高分子材料を開発を試み、最終目標として電子ペーパーに応用可能な全固体薄膜フルカラー表示デバイスの実現を目指す。 |
1224 |
ナノダイヤモンド/アモルファスカーボン複合膜の高温用ヒートシンクへの応用 |
堤井 君元 |
九州大学 |
出田 光太郎 |
九州大学 |
半導体素子とヒートシンク間の密着性と放熱性向上には、熱膨張係数が小さく、熱伝導率が高く、導電率を制御できるヒートシンク材料が望まれる。ナノダイヤモンド膜は、ダイヤモンドナノ粒子が非晶質炭素膜に分散した新しいナノ構造複合膜である。本研究においては、熱膨張係数と導電率を制御して作製した膜の熱伝導率を評価し、高温パワーデバイス用ヒートシンクを開発することを目的とする。 |
1225 |
基質アナログを用いるポリケタイド新規生産システムの開発 |
田浦 太志 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
ポリケタイド合成酵素(PKS)は開始基質であるacyl CoAにmalonyl CoA由来のC2単位を順次縮合して直鎖の中間体を生成し、これを閉環することにより種々の天然物を合成する酵素である。本課題では代表研究者がクローン化した各種植物PKSを大腸菌で高発現し、安価に合成可能な基質アナログと反応させることにより多様なポリケタイドの化合物ライブラリーを実現し、それらの生物活性を検討することで新規生理活性物質の探索を行う。 |
1226 |
生体内レドックス反応解析用アミノ酸プローブの設計・合成 |
田中 正一 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
生体内レドックス反応は恒常性維持に関与しており、この異常により活性酸素・フリーラジカルが過剰に発生したことが、生活習慣病・がんなどの原因の1つとなっている。このレドックス反応解析のためには、レドックス感受性の安定ラジカルを用いるスピンプローブ法が有用である。本研究では、生体内酸化ストレスに感受性が高く、生体類似成分でもある環状アミノ酸型のスピンプローブ剤の設計と合成を行う。 |
1227 |
多重系光制御有機導波路レーザーを用いた近紫外レーザーの創製 |
渡邉 博文 |
九州大学 |
直居 哲 |
科学技術振興機構 |
本研究は、有機導波路内において無秩序系光局在での誘導放出の増強と秩序系フォトニック周期構造による光制御技術を融合した多重系光制御を実現し、高効率高強度有機導波路レーザーを開発、さらにこれを利用して近紫外レーザーへと発展させることを目的とする。本課題で創製される近紫外レーザーは、所望の紫外波長を0.1nm単位で提供でき、またコンパクトかつ低コストな従来になかった革新的な紫外光レーザー光源となる。 |
1228 |
窒素を合金元素として活用した省資源型高強度チタン合金の開発 |
土山 聡宏 |
九州大学 |
坂本 剛 |
九州大学 |
一般に窒素はチタン合金を脆化させる元素として知られているが、「結晶粒微細化」、「結晶粒等軸化」、「二相間窒素分配制御」、「軟質β相微細分散」に関する蓄積技術を活用することで、延性を損なうことなく、一般的なチタン合金を上回る強度特性を有する高強度・省資源・廉価型の新しいチタン合金が製作可能である。本課題では、高価な稀少金属元素の代替として、安価な「窒素」を合金元素として活用した省資源型高強度チタン合金の開発を目指す。 |
1229 |
有機ラジカルを用いたDNA型及び高分子型新規MRI造影剤の構築 |
唐澤 悟 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
有機ラジカルをMRI造影剤のプローブとして用いる場合、臨床で汎用されているガドリニウム錯体に比べ低毒性であるという利点はあるが、感度(水プロトン緩和能)が低いことが問題点となる。本課題においては、スピン源を持つ分子のサイズを大きくすることで感度が上昇するという一般則に従って、DNAや樹状型分子に着目した。これら高分子化合物に複数個の有機ラジカルを導入することで、感度が高く、無毒性のMRI造影剤構築を目的に研究を遂行する。 |
1230 |
超高速非線形データ照合法の応用展開 |
内田 誠一 |
九州大学 |
直居 哲 |
科学技術振興機構 |
非線形データ照合とは,2つのデータ(例えば画像)を適切に非線形伸縮させながら重ね合わせ,比較・照合する手法である.本課題は,超高速非線形データ照合法の実用に向けた応用展開を目的とする.具体的には,解析的DPマッチングと呼ばれる,動的計画法に基づいた最適照合法を用いて,画像認識・理解分野における重要課題の一つである,環境映像中の人物検出・追跡処理の高速化について試験する. |
1231 |
サイズ均一多孔質炭素を用いた抗肥満薬の開発と薬効評価 |
平田 美由紀 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
本申請課題では、活性炭の消化管内物理吸着原理を利用した体重抑制作用による抗肥満薬の開発を目指して、活性炭の経口投与動物実験を行う。本提案のサイズ均一多孔質炭素は制御された条件で生成された高純度球形粒子であり、仕様を確定する必要がある医薬品として相応しいものであると考えられる。必須ミネラルバランスの点から薬効評価を行う予定である。 |
1232 |
澱粉枝作り酵素群の基質特異性の構造基盤と応用 |
木村 誠 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
澱粉は地球環境問題から石油代替バイオエタノールや、各種産業(医薬、食品、製紙、繊維工業等)における主要な原材料としても利用されているが、さらなる有効利用のためには、様々な特性を付与した新規加工澱粉の創製が必須である。本申請研究では、イネ澱粉枝作り酵素(アミロペクチン分枝化酵素)群の基質特異性の構造基盤を解明するとともに、澱粉枝作り酵素をツールとした新規酵素加工澱粉(次世代ポリマー)の開発を試みる。 |
1233 |
高効率で安全な組換えウイルス増殖用カイコ細胞Bme21の無血清培養技術の開発 |
李 在萬 |
九州大学 |
深見 克哉 |
九州大学 |
近年、タンパク質製剤等の生産手段として、BmNPV-カイコ個体系が注目されており、実用化が進んでいる。タンパク質生産のためにカイコに接種する組換えウイルスは、培養細胞で増殖されるが、既存の細胞では増殖効率が低い。そこで、BmNPV増殖に好適なカイコ培養細胞Bme21を開発した。一方、多くの昆虫培養細胞は、その培養に牛胎児血清を要求し、カイコ個体への血清成分の混入は少ないものの、製品の安全性には疑問が残る。そこで、本課題では、Bme21細胞を基に、高効率で安全な組換えウイルス増殖用カイコ細胞の開発を目指す。 |
1234 |
大腸がん細胞の浸潤・転移に対する新規阻害剤の開発に向けた基盤研究 |
鈴木 淳史 |
九州大学 |
山本 英樹 |
九州大学 |
大腸がんの患者さん全体の20030%ほどには転移(主に肝臓への転移)が認められ、それら転移したがんが原因で亡くなるケースも少なくない。本研究では、大腸がんの転移に対する予防と治療を可能にする革新的ながん薬物療法の開発に向けた基盤科学のひとつとして、大腸がんの悪性度が進行する過程で大腸がん細胞集団中に発生する浸潤・転移能を獲得した細胞を解析可能なモデルマウスを開発し、その有用性を評価する。 |
1235 |
患者とともに聞いて診断する聴診器システムの開発 |
小山 倫浩 |
産業医科大学 |
田中 邦明 |
株式会社久留米リサーチパーク |
患者の医療不信を招く原因に、医師から患者への情報の偏りが挙げられる。都市エリア事業試作品の、聴診音の抽出精度や、臓器障害に起因する異常聴診音の検知精度の向上させるとともに、メモリー機能等を追加することにより、実用化・商品化を目指す。その結果、患者病態の推移を医師・患者相互で共有することによる患者QOLの向上、更には教育中の医療従事者と熟達者とが同時に同じ音を聞くことによる評価技術習得を可能とする。 |
1236 |
マグネシウム系化合物を用いた製鋼スラグ固化剤の開発 |
阪本 尚孝 |
福岡県工業技術センター |
平田 敬一郎 |
福岡県工業技術センター |
現在、製鋼工程で排出されるアルカリ性スラグについて、冷却時における粉化抑制のためにホウ素系改質剤が利用されているが、土壌環境基準の強化に伴いホウ素の溶出抑制が重要となっている。本研究では、代表研究者が開発したマグネシウム系化合物を用いた改質手法を用いて製鋼スラグを室温でも安定な結晶相とし、必要なホウ素量の低減化を図るとともに、適正なマグネシウム系化合物選定により実用化を目指す。 |
1237 |
有用物質生産用ナノファイバーリアクターの高性能化とその応用可能性評価 |
山口 哲 |
福岡県工業技術センター |
鍛治 茂樹 |
福岡県工業技術センター |
エレクトロスピニング法にて作成されるナノファイバーを応用した再生医療及び有用物質生産用の細胞培養担体の研究開発を行ってきている。既存の担体と比較すると空隙率が高く、高圧蒸気滅菌が可能である利点から、バイオリアクター及び再生医療開発に極めて有効であるとの結果を得ている。本研究では、実際に有用物質生産能を有する細胞を用い、リアクターの更なる高性能化を目的とした研究開発を行うものである。 |
1238 |
極小径光ファイバプローブを用いた微細三次元形状測定器の開発 |
村上 洋 |
鹿児島大学 |
平田 敬一郎 |
福岡県工業技術センター |
近年の加工技術の進歩に伴い、微細金型や微細ノズル、マイクロ部品などの微細形状を測定する重要性は増加している。高アスペクト比を持つ微細形状を精度よく測定するためには、測定力が低く小径で高アスペクト比のプローブが必要である。そこで、微細形状の測定が可能なプローブとして、極小径光ファイバの接触式プローブを用いることにより、低測定力・検出機構が簡便で微細形状を高分解能で測定可能な装置の開発を目指す。 |
1239 |
木質系残さまたは竹の活用による環境調和型養豚経営の確立 |
小山 太 |
福岡県農業総合試験場 |
木下 玲子 |
株式会社久留米リサーチ・パーク |
混住化によって養豚業の臭気問題は地域社会において深刻な問題となっている。地域環境と調和し、省力的な養豚経営のため、豚舎床面にオガクズを敷く飼養法を志向する農家があるが、オガクズは高価なうえ入手が困難である。また,一方で、街路樹剪定枝は焼却処理に費用を要し、林地に繁茂する竹は伐採後の有効な処理法がない。そこで、街路樹剪定枝または竹を活用した低コストな飼養法の確立を目指す。 |
1240 |
PCD製マイクロ研削工具の開発とナノメータ研削への応用 |
天本 祥文 |
福岡工業大学 |
宮崎 賢 |
福岡工業大学 |
近年、レンズのサイズは微細化する傾向にあり、レンズ金型の仕上げ加工に既存の研磨技術が使えなくなる可能性が出てきた。そこで本研究では、超硬合金製のサイズが1mm以下の金型を、粗さ10nmRz以下の非球面レンズ形状に短時間で成形できる、焼結ダイヤモンド(PCD)製のマイクロ研削工具を開発することを、狙いとして取り組むこととした。この研究成果は、家庭用白色電球に完全に置換されることが見込まれる白色LEDの金型にも、適用される可能性が極めて高い。 |
1241 |
安全な抗菌性物質としての機能性プロシアニジンの開発に関する研究 |
上西 秀則 |
福岡歯科大学 |
冨田 和弘 |
科学技術振興機構 |
植物由来のフラボノイドは抗酸化作用や抗変異原性など有用な生理活性があることが知られている。その中でも、カテキンの重合体であるプロシアニジンは、重合度が高まるほど単量体であるカテキンにはない有用生理活性を発揮する。本研究は、フラボノイドを多く含むブドウ果皮からアルコール抽出操作によって得られるプロシアニジンを、安全でヒトに優しい抗菌性物質としての開発・応用を目的として行うものである。 |
1242 |
アオサ・ポリ乳酸系グリーンコンポジットの開発 |
吉村 利夫 |
福岡女子大学 |
冨田 和弘 |
科学技術振興機構 |
ポリ乳酸は植物由来のプラスチックとして有名であるが、土壌中の生分解速度が遅く、用途によっては改善の必要がある。本研究では、現在生態系に悪影響を及ぼし、かつ廃棄物としての処理問題を抱えているアオサを用い、ポリ乳酸との複合体化並びに添加剤等の検討によって、良好な生分解速度を有し、農業分野等への利用を目的とした新規グリーンコンポジット(生分解性複合材料)を開発し、同時に廃棄物として問題となっているアオサの有効活用方法を提示するものである。 |
1243 |
細胞内微小器官特異的に局在化する活性酸素捕捉システムの構築 |
塩路 幸生 |
福岡大学 |
坂本 弘明 |
福岡大学 |
活性酸素と呼ばれる不安定化学種は、細胞の中にあるさまざまな微小器官に対し酸化ストレスを与えることで疾病を引き起す。そこで、酸化ストレスを検出する方法として細胞内微小器官のひとつであるミトコンドリアに集積し、酸化ストレスを感知することで蛍光発光する数種の試薬を開発し、それらを併用することで細胞内での不安定化学種の特定や抗酸化剤の有効性を系統的に評価できるシステムを構築する。 |
1244 |
ロボットによる管状構造物の全方位パノラマ画像計測 |
松岡 毅 |
福岡大学 |
坂本 好夫 |
九州システム情報技術研究所 |
双曲面ミラーとカメラを組み合わせて水平360度を撮像できる、全方位カメラとよばれるビジョン装置がある。全方位カメラ2台を移動台車に登載し、下水管などの管状構造物の内面をステレオ観測/検査するロボットを開発する。このロボットによって、歪みがなく距離情報を付加した管内面パノラマ画像を容易に得ることができる。開発にあたり、すでに基本的な技術の習得は行っているから、本研究では実用化を目指した場合の諸問題を明らかにし、これらを解決したい。開発したロボットを用いて模擬環境での動作試験を行い、ロボットの実用性を確認する。 |
1245 |
対話式幾何学を基礎とした知的娯楽ソフトウェアの開発 |
濱田 龍義 |
福岡大学 |
坂本 好夫 |
九州システム情報技術研究所 |
対話式幾何学ソフトウェアとは、コンパスと定規の役割をシミュレートするソフトウェアである。本研究では、対話式幾何学ソフトウェアに備わっている幾何学的図形構成方法を活用して、平面曲線やフラクタル図形の描画インターフェースについての研究を進める。また、関数論や微分方程式系等に表れる数学的概念を可視化する手段について定式化を行う。最終的には得られた成果を元に知的娯楽ソフトウェアとしての製品化を目指す予定である。 |
1246 |
超音波キャビテーション領域を有するマイクロリアクターの開発 |
油谷 英明 |
北九州工業高等専門学校 |
米倉 英彦 |
北九州産業学術推進機構 |
超音波エネルギーを積極的に化学反応に利用したソノケミストリー とマイクロリアクターを融合させ新たな化学反応場を提供する「ソノ・マイクロリアクター反応ユニット」の開発・製品化を目指す。 具体的には、音響レンズを用いた超音波照射によりキャビテーションをマイクロ流路中に発生させ、高温高圧の極限環境と各種励起種の導入を図る”重畳効果”により新たな反応場が期待できる。 |
1247 |
高ダイナミックレンジ動画像の圧縮に関する研究 |
奥田 正浩 |
北九州市立大学 |
米倉 英彦 |
北九州産業学術推進機構 |
一般のイメージセンサの欠点である①狭いダイナミックレンジ、②撮影時の”白飛び”や”黒潰れ”等を抑え、従来の圧縮手法ではカバーできない輝度範囲を取り扱うことを可能にした高ダイナミックレンジ動画像の圧縮技術に関する研究開発を実施する。本研究は、車載カメラ、監視、コンピュータグラフィクス、高精細写真などへの応用が期待され、将来的にはシステムLSIアーキテクチャーを構成する専用マイクロプロセッサーの設計も視野に入れる。 |
1248 |
機能性フラーレンを利用する細胞評価チップの開発 |
礒田 隆聡 |
北九州市立大学 |
北井 三正 |
北九州産業学術推進機構 |
本研究は癌等の疾患細胞が数十ナノオーダーの粒子を特異的に認識し、細胞内に取込む「サイズターゲティング」機能を利用した新規診断法の開発を目的としている。ナノ材料としてフラーレンに着目し、数十nmのサイズに制御したフラーレン類を特定細胞に取込ませると細胞の導電性が増加する。この変化を電極センサで検知することで、従来の蛍光試薬検査法を代替する診断法を開発する。 |
1249 |
大気中水蒸気量のリモートセンサーの開発 |
内海 通弘 |
有明工業高等専門学校 |
梅本 光政 |
有明工業高等専門学校 |
大気中水蒸気の計測は気象庁の観測網によって行われているが、レーザレーダのようなアクティブな計測が最近注目されている。これまで気象庁などでは高価なTi3+:sapphireレーザを使ったものなどが研究段階にあり、実用化研究が行われている。これらは、専門家が計測に従事しない限り計測は無理な段階にある。本課題で提案する方法は安価な半導体レーザを用いて大気中水蒸気密度分布を計測するレーザレーダである。安価であるため各県の気象台に設置でき、汎用機を目標にするものである。 |