岡山県

平成10年度〜平成13年度
拠点機関
(財)岡山県産業振興財団

科学技術コーディネータ 
稲村 實 
活動方針 産業人として身につけた「経験」と、磨き上げた「勘と想像力」と、逞しい「意志」を武器にして、何時までも若々しく行動しました。地域「産業」における緊急かつ強いニーズを、3現主義(現地、現物、現実)で、自ら掘り起こし、燃える「情熱」をもって研究課題を設定し、人材(シーズ)のネットワーク化による実践、或いは支援をしました。
可能性試験の成果

マイクロマシン部品・装置
研究シーズ/ 山田 嘉昭((株)化繊ノズル製作所)
実施機関/ 岡山大学、岡山県工業技術センター
H12年度で実施した本テーマの成果は文部科学省が所管する「都市エリア事業:岡山西部ナノプレシジョンエリア」に発展的に活用され広義なマイクロ流体制御機能(ポンプ、バルブ、マイクロ流路、等)としての開発につながっている。とくに化学工業分野で注目されている「マイクロリアクター」の製作技術への応用は近将来に具体的な新市場創造の可能性がある。
マイクロチャンネルを有するマイクロリアクター

超高級赤色酸化鉄顔料

研究シーズ/ 高田 潤(岡山大学大学院)
実施機関/ 吹屋ふるさと村、(株)戸田工業
現存する吹屋ベンガラを材料科学的にキャラクタリゼーションすることで、現在市販の赤色顔料α- Fe2O3にSiO2などの添加材料を加え低温で加熱することによって吹屋ベンガラよりもはるかに彩度が高くなることを初めて見出しました。現在、微量な不純物(AlやSi)が吹屋ベンガラの色調を高めていることに注目し、さらに研究を行っています。
AI添加量が色彩に及ぼす影響
代表的結果 焼成温度950℃
ヒューマンケア・インタラクションロボットの研究
研究シーズ/ 渡邊 富夫(岡山県立大学)
実施機関/ コアテック(株)
発話音声に基づいて身体全体で反応する身体的インタラクションロボットシステムを開発し、コミュニケーションを支援する物理メディアとしての人型ロボットの有効性を確認しました。本可能性試験の成果は、“心豊かな未来社会の創造”心豊かな未来社会の創造を企業理念とする産学連携ベンチャー「インタロボット株式会社」の設立をもたらし、ロボット・CGキャラクターを用いた身体的音声対話システムを中心に新たな商品群を市場に誕生させています。
植物用予防薬の開発
研究シーズ/ 山本 格(岡山大学 薬学部)
実施機関/ 備北粉化工業(株)、三光正宗(株)
平成12年度で実施した本テーマの中で取り挙げたマツノザイセンチュウ抽出物には、がん免疫の活性促進、あるいはアレルギー発症の制御作用等、動物の免疫機能を調節する活性のあることが偶然判明した。新規のメカニズムをもつワクチン療法に有用な物質の発見が期待されることから、複数の活性成分の精製、単離、メカニズムの解明等詳細な研究が今も続けられており、国または県の大型研究プロジェクトへ応募すべく準備を進めている。
ガスケット挿入型センサーによる内燃機関の燃焼制御法の開発
研究シーズ/ 冨田 栄二、吉山 定見(岡山大学)
実施機関/ 内山工業(株)、(株)山陽電測
シリンダヘッドガスケット内にイオン電流検出のための電極を挿入したイオンセンサーを考案し、その基本的な特性について調査しました。結果として、(1)イオン電流ピーク時期は燃焼圧力ピーク時期と非常に良い相関をもつ(2)イオン電流ピーク時期が上死点後20°以降になると、この時期と図示平均有効圧との相関が強くなることなどを明らかにしました。
ガスケット型イオンセンサ−
図示平均有効圧IMEPとイオン電流ピ−ク時期θipとの関係
カプサイシン類配当体の合成とその生理作用
研究シーズ/ 浜田 博喜(岡山理科大学 理学部)
高畑 京也(岡山大学 農学部)
実施機関/ (株)みゆきや藤本、国分(株)、(株)スズキ麺工
唐辛子に含まれる辛味成分カプサイシンと8−ノルジヒドロカプサイシンの辛味の軽減化と水溶化を目指して化学合成によるカプサイシンと8−ノルジヒドロカプサイシンの配糖体の合成を行いました。その結果、それぞれの配糖体を高収率で、かつ効率的に合成できました。現在はこれらの配糖体の生理機能を研究しています。また、将来、機能性食品としてこれらの配糖体を利用したいと考え研究を継続中です。
ネットワーク構築
人的ネットワークの構築
財団が事務局を務める11の研究会と異業種交流プラザ10グループ及びRSP事業から生まれた2つの研究会に参加するなどして、ニーズの把握、シーズの探索の場とすることにより人的ネットワークを構築しました。
 
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